JP2004316296A - 多層階建築物 - Google Patents

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Atsushi Takuwa
厚史 宅和
Keiji Ando
慶治 安藤
Shigeo Hayashi
茂夫 林
Hirokatsu Nishikawa
弘勝 西川
Katsuhiro Tsuchiya
勝弘 土屋
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NIKKEN BUILCON KK
Nippon Steel Corp
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NIKKEN BUILCON KK
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Abstract

【課題】品質管理が容易であり、風荷重や積雪荷重などの屋外の大荷重に抵抗高強度を有し、内外装材の仕様変更にも柔軟に対抗できる建築用パネルと、これによって屋根部や壁部が構成された建築物を提供する。
【解決手段】溝形鋼の各枠材を各ウェブがパネル厚さ方向に向くように配置し、ウェブに添接されるL字形接合金具と高力ボルトで各枠材を相接合して、建築用パネルの構造骨組を構成し、構造骨組に内装材と外装材をビス止めする。この建築用パネル17を建築物の壁部と屋根部に用い、壁部構成パネル17と屋根部構成パネル17を通し材を介して高力ボルトでボルト接合する。多層階建築物40では最上階の鉄骨骨組を省略し、屋根部構成用パネル17と壁部構成用パネル17のみで最上階を築造する。
【選択図】 図25

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、建築物の最上階における屋根部や壁部が軽量溝形鋼よりなる構造骨組で構成され、下層階は鉄骨骨組よりなる構成の多層階建築物に関するものである。さらには、建築物の最上階における屋根部や壁部の耐力パネルと、下層階における鉄骨骨組と非耐力パネルにより建築物を構成させた多層階建築物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のパネルとして(特許文献1)に開示されているパネルでは、木製の縦枠材や横枠材等で芯体を構成し、この表裏両面に合板を張り合わせ、合板表面に所要の塗装を施している。
【0003】
【特許文献1】
特公昭56−100956号公報
【0004】
また、従来の建築用パネルとしては、鉄骨よりなる堅枠材、横枠材等の各枠材を自動溶接機で相接合して矩形状の構造骨組を構成し、構造骨組に内外装材をビス締めした鉄骨系パネルがある。
【0005】
さらに、既存のプレファブ建築物において、戸建住宅のような軽微な建築物では、2階建、3階建等の多層階建築物において全て軽量溝形鋼を用いた耐力パネルで構造骨組を構成されているものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、(特許文献1)に開示されている木質系パネルは、耐火性・防火性がないため、用途は狭い範囲に限定されてしまう。
また、前記の鉄骨系パネルは構造強度は十分高いものであるが、自動溶接機を組み入れた特殊な製造ラインを設備する必要があるため、設備コストが高く、これが製品原価に反映している。
この鉄骨系パネルでは、各枠材の溶接品質の良否が直ちにパネル自体ひいては建築物の構造的強度を左右することになるため、全量検査やサンプル検査を適時に行う必要があり、品質確保に手間とコストがかかる。
さらに、前記の、全て軽量溝形鋼を用いた耐力パネルで構造骨組を構成されている多層階建築物では、電気盤や制御盤等の大型設備を収納するための建築物の場合には、支持荷重、建物スパン、並びに階高が大きくなるため、下層階にも耐力パネルを使用すると枠材を軽量溝形鋼ではなくH形鋼のような重量鉄骨で構成させる必要があり、部材断面が大幅に大きくなってしまう。これに伴い、鋼材量の増大、パネル質量の増大に伴う加工工場内や現場でのハンドリングの悪化、および枠材の部材断面の統一化困難による加工図面枚数の増大等、を招く恐れがあり、工期や設計・施工費用が増大する。
【0007】
本発明の目的は、最上階の軽量溝形鋼よりなる構造骨組と、下層階の鉄骨骨組を組み合わせることで、最上階の鉄骨骨組を省略しても風荷重に対して十分抵抗することができ、また、最上階部分の質量が大きくならないため、低層階部分の鉄骨骨組の鉄骨断面を大きくする必要がなく、鋼材使用量を節減できる多層階建築物を提供することである。
【0008】
さらに、本発明の目的は、最上階の耐力パネルとともに、下層階の鉄骨骨組と非耐力パネルを組み合わせることで、非耐力パネル自身が保有する剛性が外壁一枚と比較して大きいことから、従来構造における1m程度のピッチで設置する外壁支持用の胴縁部材を大幅に低減できるため、鉄骨ピース数が低減でき、建方現場の更なる省力化を達成することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1) 軽量溝形鋼よりなる堅枠材、横枠材などの各枠材を各ウェブが構造骨組の厚さ方向に向くように配置し、ウェブに添接されるL字形接合金具と高力ボルトによって各枠材を矩形状に相接合して、鉛直荷重と面外方向の荷重を負担する構造骨組を構成し、該構造骨組によって最上階の壁部および屋根部を構成し、最上階の壁部を構成する構造骨組の上端部を屋根部を構成する構造骨組の外端部にボルト接合し、最上階の壁部を構成する構造骨組の下端部を下層階の鉄骨骨組にボルト接合したことを特徴とする多層階建築物。
(2) 軽量溝形鋼よりなる堅枠材、横枠材などの各枠材を各ウェブがパネル厚さ方向に向くように配置し、ウェブに添接されるL字形接合金具と高力ボルトによって各枠材を矩形状に相接合して、鉛直荷重と面外方向の荷重を負担する構造骨組を構成し、構造骨組の裏面側に配置される各枠材の内側フランジに内装材を、構造骨組の表側に配置される各枠材の外側フランジに外装材を、それぞれビス止めするように作製された内外装材と構造機能一体型の耐力パネルで最上階の壁部および屋根部を構成し、一方下層階では主体構造をH形鋼等の鉄骨骨組で構成し、壁部の内装材と外装材が非耐力パネルで構成したことを特徴とする多層階建築物。
(3) 面内方向の荷重に抵抗するブレースを構造骨組に組み込んだことを特徴とする(1)または(2)に記載の多層階建築物。
(4) 最上階の屋根部構成構造骨組の外端部と壁部構成構造骨組の上端部を両者間に挿入した上部通し材を介してボルト接合し、該壁部構成構造骨組の下端部と下層階の鉄骨骨組とを、両者間に挿入した下部通し材を介してボルト接合したことを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の多層階建築物。
【0010】
【発明の実施の形態】
本願では、最上階に用いられる、軽量溝形鋼よりなる堅枠材、横枠材などの各枠材を矩形状に相接合されたものを構造骨組と記載し、この構造骨組に内装材および外装材が取り付けられたものを耐力パネルと記載する。
また下層階に用いられる、H形鋼等の鉄骨の骨組を鉄骨骨組と記載し、この鉄骨骨組に内装材および外装材が取り付けられたものを非耐力パネルと記載する。以下に、本願の好ましい形態である、最上階に耐力パネルを、下層階に非耐力パネルを用いた場合について、添付図面中の参照符号を用いて説明する。
本発明に用いる最上階用の建築用耐力パネル17では、いずれも溝形鋼よりなる堅枠材1、横枠材2などの各枠材を各ウェブ1a、2aがパネル厚さ方向に向くように配置し、ウェブ1a、2aに添接されるL字形接合金具5と高力ボルト11によって各枠材を矩形状に相接合して、鉛直荷重と面外方向の荷重を負担する構造骨組を構成し、構造骨組の裏面側に配置される各枠材の内側フランジ1c、2cと構造骨組の表側に配置される各枠材の外側フランジ1b、2bに、それぞれ内装材8と外装材6をビス10、9で固定する。
【0011】
この建築用耐力パネル17には、必要に応じて面内方向の荷重に抵抗するブレース13を構造骨組に組み込むことが、鋼材量節減の点で好ましい。
【0012】
本発明の多層階建築物40は、前記建築用耐力パネル17によって最上階の壁部と屋根部を構成し、最上階の壁部構成耐力パネル17の上端部を屋根部構成耐力パネル17の外端部にボルト接合し、最上階の壁部構成耐力パネル17の下端部を下層階の鉄骨骨組29にボルト接合し、下層階の建築用非耐力パネル41の上部と下部をH形鋼等の鉄骨骨組の一部である胴縁29aにボルト接合する。
【0013】
この多層階建築物40では、最上階の壁部構成耐力パネル17と屋根部構成耐力パネル17とのボルト接合に当たって、最上階の壁部構成耐力パネル17の上端部と屋根部構成耐力パネル17の外端部間に上部通し材19を挿入、該上部通し材19を介してボルト接合を実行する一方、最上階の壁部構成耐力パネル17の下端部と鉄骨骨組29とのボルト接合に当たって、鉄骨骨組に下部通し材30を固着し、該下部通し材30を介してそれぞれのボルト接合を実行することができる。
【0014】
そして、この多層階建築物40では、前記上部通し材19と下部通し材30を溝形鋼で構成して、各ウェブ19a、30aが垂直方向に向くように配置し、壁部構成耐力パネル17の上部横枠材2と下部横枠材2の内部にナット22付き連結金具21を嵌め込み固着し、上部通し材19の上側フランジ19bを屋根部構成耐力パネル17の外部横枠材2のフランジ2cに添接させ、上部通し材19の下側フランジ19cを壁部構成耐力パネル17の上部横枠材2の前記ナット付き連結金具21に添接させて、上部通し材19を最上階の壁部構成耐力パネル17と屋根部構成耐力パネル17にボルト接合する一方、下部通し材30の上側フランジ30bを最上階の壁部構成耐力パネル17の下部横枠材2の前記ナット付き連結金具21に添接させ、下部通し材30を下層階の鉄骨骨組29に高力ボルト35により接合させることができる。
【0015】
軽量溝形鋼としては、ウェブ1aの両側に一対のフランジ1b、1cが直角に連設されたのみの溝形鋼の基本形だけでなく、各フランジ1b、1cの先端部にウェブ1aと平行にリップ1d、1dを連設してあるリップ付き溝形鋼も含まれる。ここで軽量溝形鋼とは、部材の厚みが1.6mmから4.5mmまでの溝形鋼を意味している。
また、下層階の鉄骨骨組に用いるH形鋼等の部材の厚みは、9.0mm以上であることが通常である。
各ボルト接合に際して高力ボルト11が通されるボルト孔は、工場において各部材の所定部位にあらかじめ穿設される。内装材8と外装材6の固着用ビス10、9としてはタッピングビスが使用され、内装材8と外装材6は任意の箇所にて各枠材の内外フランジにビス止めされる。内装材8としてはベニア合板、鉄板(鋼板)、石膏ボード等が使用され、外装材6としては鉄板(鋼板)、アルミ板等が使用され、外装材6には裏打材として石膏ボード等を接着することもできる。構造骨組に対する内装材8や外装材6の取り付けは、建築物の築造に先行して工場内で実行しても、あるいは建築物の築造現場で実行しても良い。
【0016】
(実施例)
図1から図13に示した実施例の建築用耐力パネル17では、軽量溝形鋼としてはリップ付き溝形鋼が使用されている。構造骨組は左右一対の堅枠材1,1と上下一対の横枠材2,2と中間横枠材3と上下二本に分断された中間堅枠材4,4とで構成されている。堅枠材1の外側フランジ1b、横枠材2の外側フランジ2b、中間横枠材3の外側フランジ3bおよび中間堅枠材4の外側フランジ4bは同一垂直面内に位置している。また、堅枠材1の内側フランジ1c、横枠材2の内側フランジ2c、中間横枠材3の内側フランジ3cおよび中間堅枠材4の内側フランジ4cは同一垂直面内に位置している。
【0017】
外装材6としては石膏ボード7に裏打ちされた鉄板(鋼板)が使用され、堅枠材1の外側フランジ1b、横枠材2の外側フランジ2b、中間横枠材3の外側フランジ3bおよび中間堅枠材4の外側フランジ4bに添接され、外装材6の周縁折曲げ部が横枠材2のリップ2dにタッピングビス9によって固着されている。外装材6の固着箇所はこれに限定されず、各枠材の外側フランジの適所が任意に選択される。
内装材8としては石膏ボードが使用され、堅枠材1の内側フランジ1c、横枠材2の内側フランジ2c、中間横枠材3の内側フランジ3cおよび中間堅枠材4の内側フランジ4cに添接され、タッピングビス10によって各枠材の外側フランジの適所に固着されている。
【0018】
図4から図6に示したように堅枠材1と横枠材2のボルト接合には、山形鋼材を適宜幅に切断して作製されたL字形接合金具5が使用され、接合金具5は堅枠材1のウェブ1aと横枠材2のウェブ2aに添接され、接合金具5と各ウェブ1a、2aのボルト孔に通された高力ボルト11、11には、堅枠材1の内外フランジ1b、1c間の開口部、横枠材2の内外フランジ2b、2c間の開口部から差し入れたナット12、12が螺合される。接合品質を一定に確保するためにボルト・ナットはトルクレンチによって所定トルクまで締付けられ、堅枠材1と横枠材2は強度高く接合される。
【0019】
図7と図8に示したように堅枠材1と中間横枠材3のボルト接合に当たっては、前記と同様な接合金具5が堅枠材1のウェブ1aと中間横枠材3のウェブ3aに添接され、接合金具5と各ウェブ1a、3aのボルト孔に通された高力ボルト11、11には、堅枠材1の内外フランジ1b,1c間の開口部、中間横枠材2の内外フランジ3b、3c間の開口部から差し入れたナット12、12が螺合される。ボルト・ナットはトルクレンチによって所定トルクまで締付けられ、堅枠材1と中間横枠材3は強度高く接合される。
【0020】
図9から図11に示したように横枠材2と中間堅枠材4のボルト接合に当たっては、前記接合金具5が横枠材2のウェブ2aと中間堅枠材4のウェブ4aに添接され、接合金具5と各ウェブ2a、4aのボルト孔に通された高力ボルト11、11には、横枠材2の内外フランジ2b,2c間の開口部、中間堅枠材4の内外フランジ4b、4c間の開口部から差し入れたナット12、12が螺合される。ボルト・ナットはトルクレンチによって所定トルクまで締付けられ、堅枠材1と中間横枠材3は強度高く接合される。
【0021】
図12と図13に示したように中間横枠材3と上下2本の中間堅枠材4、4のボルト接合に当たり接合金具5は上下2個使用される。各接合金具5は中間堅枠材4のウェブ4aに添接され、接合金具5とウェブ4aのボルト孔に通された高力ボルト11には、中間堅枠材4の内外フランジ4b、4c間の開口部から差し入れたナット12が螺合される。ボルト・ナットはトルクレンチによって所定トルクまで締付けられ、各接合金具5が中間堅枠材4に強度高く接合される。下方の接合金具5は中間横枠材3のウェブ3aに添接され、上方の接合金具5は中間横枠材3のリップ3d、3dに添接され、上下の接合金具5、5とウェブ3aのボルト孔に通された軸長の高力ボルト11には、上方の接合金具5の上面側からナット12が螺合される。ボルト・ナットはトルクレンチによって所定トルクまで締付けられ、2個の接合金具5、5が中間横枠材3に強度高く接合される。
【0022】
図14から図24に示した別の実施例の建築用パネル17では、前記実施例と同様に堅枠材1、横枠材2、中間横枠材3および中間堅枠材4がボルト接合によって矩形状に組立てられた構造骨組にはブレース13が組み込まれている。丸鋼棒よりなるブレース13は、堅枠材1、1の上半部分と上部横枠材2と中間横枠材3で囲まれた面内でX状にクロスして2本設けられ、また、堅枠材1、1の下半部分と下部横枠材2と中間横枠材3で囲まれた面内でX状にクロスして2本設けられている。
図15から図17に示したように、上部横枠材2と堅枠材1間の接合金具5にはブレース取付板14が溶接により固定されており、ブレースの端部が該ブレース取付板14の正面側に溶接されている。
【0023】
図18と図19に示したように、中間横枠材3と堅枠材1間の接合部には上下2個の接合金具5が用意されている。上方の接合金具5は若干幅寸法が縮小されている。上下の各接合金具5の垂直片部分5bは、上記と同様にして堅枠材1にボルト接合されている。上方の接合金具5は、若干幅寸法が縮小されており、水平片部分5aは中間横枠材3の端部に差し込まれ、中間横枠材3のウェブ3aの上面側に添接され、下方の接合金具5の水平片部分5aは中間横枠材3のウェブ3aの下面側に添接され、これら水平片部分5a、5aとウェブ3aのボルト孔に通された高力ボルト11には、中間横枠材3の内外フランジ3b、3c間の開口部からナット12が螺合される。ボルト・ナットはトルクレンチによって所定トルクまで締付けられ、上下2個の接合金具5、5が中間横枠材3に強度高く接合されている。
【0024】
上下の各接合金具5にはブレース取付板14が溶接により固定されている。上方の接合金具5のブレース取付板14には、その背面側にブレース13が溶接により固定されている。下方の接合金具5のブレース取付板14には、その正面側にブレース13が溶接されている。
図20と図21に示したようにブレース取付板14の厚さ相当分、前後に位置をずらせて交差する2本のブレース13、13は、中間堅枠材4のウェブ4aに設けた縦長開口15を貫通している。
【0025】
図22に示したように外装材6から裏打ち材を除去し、構造骨組の表面側に直接的に添接することもできる。また、図23に示したように軽量溝形鋼としてリップ無しのものを用いることもできる。図24に示したように内装材8と外装材6で挟まれた中空部16に断熱材38を設けることもできる。
【0026】
図25から図28に示した実施例の多層階建築物40は3階建であり、ブレース付きの建築用パネル17が最上階の屋根部と壁部の構成用パネルとして用いられ、また建築用非耐力パネル41は下層階の壁部の構成用パネルとして用いられている。
【0027】
最上階の屋根部構成耐力パネル17と壁部構成耐力パネル17の上端部との取合(例えばR部)については、図26と図27に示したように、上部通し材19はリップ19d付きの溝形鋼で構成され、ウェブ19aは壁部構成耐力パネル17の横幅方向に沿って配置され、上側フランジ19bが屋根部構成パネル17の外部横枠材2の下側フランジ2cに添接され、下側フランジ19cが壁部構成耐力パネル17の上部横枠材2内に固着されたナット付き連結金具21の上面に添接されている。下側フランジ19cは上部横枠材2のリップ2d、2dの間に配置されている。
【0028】
ナット付き連結金具21は溝形鋼を適宜幅寸法に切断して作製されたものであり、連結金具21はウェブ21aが上部横枠材2のリップ2d、2dの下面側に添接し、フランジ21b、21cの先端が上部横枠材2のウェブ2aに当接した状態で上部横枠材2に溶接されている。ナット22はウェブ21aの下面側に溶接されている。
【0029】
前記フランジ19b、2cのボルト孔に通された高力ボルト24には、上部通し材19の上下フランジ19d、19c間の開口部からナット25が螺合される。また、連結金具21のナット22には前記フランジ19cのボルト孔から高力ボルト23がねじ込まれる。これらのボルト・ナットはトルクレンチによって所定トルクまで締付けられ、屋根部構成耐力パネル17と壁部構成耐力パネル17が上部通し材19に強度高くボルト接合される。
【0030】
図28に示したように、最上階の壁部構成耐力パネル17の下端部と下層階の鉄骨骨組29との取合は高力ボルト32にて接合され、途中階の壁部構成非耐力パネル41の上下部と鉄骨骨組の一部である胴縁29aとの取合はチャンネルボルト42で接合され、1階の鉄骨骨組29と基礎31との取合は従来構造同様に鉄骨柱の柱脚ベースプレートを介してアンカーボルトで接合されている。
【0031】
また、下部通し材30は溝形鋼で構成され、ウェブ30aは壁部構成耐力パネル17の横幅方向に沿って配置され、下部通し材30はこれに固定されたT字形鋼よりなる結合金具34によって鉄骨骨組29に高力ボルト35で強度高くボルト接合されている。下部通し材30の上側フランジ30bは最上階の壁部構成耐力パネル17の下部横枠材2内に固着されたナット付き連結金具21に対面し、ウェブ21aとの間にはスペーサー33が挿入されている。
【0032】
各ナット付き連結金具21は溝形鋼を適宜幅寸法に切断して作製されたものであり、連結金具21はウェブ21aが横枠材2のリップ2d、2dに添接し、フランジ21b、21cの先端が横枠材2のウェブ2aに当接した状態で横枠材2に溶接により固定され、ナット22はウェブ21aに溶接により固定されている。
【0033】
【発明の効果】
請求項1または2の発明の多層階建築物では、建築用耐力パネルによって最上階の壁部と屋根部を構成し、最上階の壁部構成耐力パネルの上端部を屋根部構成耐力パネルの外端部にボルト接合し、最上階の壁部構成耐力パネルの下端部を下層階の鉄骨骨組にボルト接合し、下層階の壁部構成非耐力パネルの上下部を下層階の鉄骨骨組の一部である胴縁にボルト接合したものであり、各接合部は高剛性と高強度を有し、屋根部構成耐力パネルや最上階の壁部構成耐力パネルに加わる積雪荷重や風荷重等が、下層階の鉄骨骨組を通して基礎に的確に伝達されるため、最上階の鉄骨骨組を省略しても、屋外構造物として所要の構造強度を確保することができる。
【0034】
また、最上階は壁部構成耐力パネルと屋根部構成耐力パネルのボルト接合のみで築造され、鉄骨骨組の建方が不要であり、下層階では内外装材のパネル化に伴い剛性が大きくなるため胴縁を大幅に低減できることから、多層階建築物全体として鋼材量、加工ピース数、設計・施工工期が減少し、コストが節減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る建築用パネルの正面図である。
【図2】図1の建築用パネルの右側面図である。
【図3】図1の建築用パネルの平面図である。
【図4】図1の指示円A部の一部切欠拡大正面図である。
【図5】図4のE−E線断面図である。
【図6】図4のF−F線断面図である。
【図7】図1の指示円B部の一部省略拡大正面図である。
【図8】図7のG−G線断面図である。
【図9】図1の指示円C部の一部省略拡大正面図である。
【図10】図9のH−H線断面図である。
【図11】図9のI−I線断面図である。
【図12】図1の指示円D部の一部省略拡大正面図である。
【図13】図12のJ−J線断面図である。
【図14】本発明の別の実施例に係る建築用パネルの正面図である。
【図15】図14の指示円K部の一部切欠拡大正面図である。
【図16】図15のN−N線断面図である。
【図17】図15のO−O線断面図である。
【図18】図14の指示円L部の一部省略拡大正面図である。
【図19】図18のP−P線断面図である。
【図20】図14の指示円M部の一部省略拡大正面図である。
【図21】図20のQ−Q線断面図である。
【図22】本発明の更に別の実施例に係る建築用パネルの一部縦断面図である。
【図23】本発明の他の実施例に係る建築用パネルの一部縦断面図である。
【図24】本発明の更に他の実施例に係る建築用パネルの一部縦断面図である。
【図25】本発明の更に他の実施例に係る建築物の斜視図である。
【図26】図25の指示円R部の一部省略拡大正面図である。
【図27】図26のT−T線断面図である。
【図28】図25の指示円V部の一部省略拡大正面図である。
【符号の説明】
1 堅枠材
2 横枠材
3 中間横枠材
4 中間堅枠材
5 接合金具
6 外装材
7 裏打ち材
8 内装材
9 外装材固着用ビス
10 内装材固着用ビス
11 高力ボルト
12 ナット
13 ブレース
14 ブレース取付板
15 中間堅枠材の縦長開口
16 構造骨組の中空部
17 建築用耐力パネル(壁部構成耐力パネル,屋根部構成耐力パネル)
18 基礎
19 上部通し材
20 下部通し材
21 ナット付き連結金具
22 連結金具ナット
23 高力ボルト
24 高力ボルト
25 ナット
26 高力ボルト
27 アンカーボルト
28 ナット
29 鉄骨骨組
29a胴縁(鉄骨骨組)
30 下部通し材
31 基礎
32 高力ボルト
33 スペーサー
34 結合金具
35 高力ボルト
36 高力ボルト
37 スペーサー
38 断熱材
39 建築物
40 多層階建築物
41 建築用非耐力パネル
42 チャンネルボルト

Claims (4)

  1. 軽量溝形鋼よりなる堅枠材、横枠材などの各枠材を各ウェブが構造骨組の厚さ方向に向くように配置し、ウェブに添接されるL字形接合金具と高力ボルトによって各枠材を矩形状に相接合して、鉛直荷重と面外方向の荷重を負担する構造骨組を構成し、該構造骨組によって最上階の壁部および屋根部を構成し、最上階の壁部を構成する構造骨組の上端部を屋根部を構成する構造骨組の外端部にボルト接合し、最上階の壁部を構成する構造骨組の下端部を下層階の鉄骨骨組にボルト接合したことを特徴とする多層階建築物。
  2. 軽量溝形鋼よりなる堅枠材、横枠材などの各枠材を各ウェブがパネル厚さ方向に向くように配置し、ウェブに添接されるL字形接合金具と高力ボルトによって各枠材を矩形状に相接合して、鉛直荷重と面外方向の荷重を負担する構造骨組を構成し、構造骨組の裏面側に配置される各枠材の内側フランジに内装材を、構造骨組の表側に配置される各枠材の外側フランジに外装材を、それぞれビス止めするように作製された内外装材と構造機能一体型の耐力パネルで最上階の壁部および屋根部を構成し、一方下層階では主体構造をH形鋼等の鉄骨骨組で構成し、壁部の内装材と外装材が非耐力パネルで構成したことを特徴とする多層階建築物。
  3. 面内方向の荷重に抵抗するブレースを構造骨組に組み込んだことを特徴とする請求項1または2に記載の多層階建築物。
  4. 最上階の屋根部構成構造骨組の外端部と壁部構成構造骨組の上端部を両者間に挿入した上部通し材を介してボルト接合し、該壁部構成構造骨組の下端部と下層階の鉄骨骨組とを、両者間に挿入した下部通し材を介してボルト接合したことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の多層階建築物。
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