JP3596280B2 - 建物用構造体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも垂直な柱等の構造材をアルミニウム合金製の押出形材から構成した柱等と、これに直交する梁等との構造材を含む建物用構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、住宅等の建物を形成する構造体は、木材、鉄骨、又は鉄筋コンクリートから形成されている。木材からなる構造体は、各種の専用木材同士を組立てる在来工法によるものと、規格化されたサイズの木材からなるユニットを用いる2×4(ツーバイフォー)工法によるものとがある。
また、鉄骨からなる構造体は、断面H形又はI形の形鋼同士をガゼットプレート等の接続板を介してボルト又はリベットで結合している。
更に、鉄筋コンクリートからなる構造体は、予め鉄筋で形成した柱、梁、及び桁等を型枠で囲み、その型枠内にコンクリートを充填して養生することにより、形成される。
【0003】
しかしながら、木材を用いた前記在来工法や2×4工法による構造体は、構造材同士の結合構造が煩雑で組立工数を要する。しかも、無垢の木材を多用するため構造材自体がかなりの重量を有すると共に、白蟻等の虫食いにより劣化や腐食による強度低下を来すという問題がある。
また、鉄骨からなる構造体は、形鋼同士の結合部分に専用のガゼットプレート等を要すると共に、多数のボルト孔を穿設しておき、ボルトの貫通やナットをセットし締結するという現場作業を必要としている。且つ、かなりの重量となると共に、各形鋼やガゼットプレート等の表面やボルト孔内には、予め塗装等の防錆処理を必須とするため、加工コスト等も嵩むという問題がある。
【0004】
更に、鉄筋コンクリートからなる構造体は、各構造材やスラブに沿って多数の主筋や肋筋等からなる鉄筋を組立て、且つこれらをそれぞれ囲む型枠を形成するという事前の工数を要する。しかも、コンクリートの打設やその養生に時間を要すると共に、著しく重量が大きくなるという問題がある。
一方、軽量で耐食性に優れたアルミニウム合金(以下、単にアルミと言う)は加工も容易で、例えばサッシやカーテンウォールのような建具や外壁材等に広く活用されている。特に、アルミの押出形材は、断面の形状やサイズの設計が自在であるため、当該押出形材同士の結合は基より、パネル等の板材の端縁を呑み込んだ納まりや、或いは結合金具を嵌装してネジ止めが容易な納まり等に利用されている。しかし、係る押出形材の機能を構造材用として有効に生かす工夫は、これまで充分になされておらず、利用されにくかった。
【0005】
ところで、アルミの押出形材を建物用の構造材に用いる場合、主に構造材同士間に接続板を介してボルト止めすることが行われる。この場合、ボルトの頭を一方のアルミの押出形材に形成した蟻溝等の底広凹溝内に嵌装すると、ボルト・ナットの締結作業も容易化することできる。
しかし、上記蟻溝等の底広凹溝は、上記押出形材の長手方向の全長に渉って形成されているため、この押出形材を柱等の垂直に立設される構造材に用いると、ボルト頭の底面と押出形材の底広凹溝における開口部の両側片との面接触による摩擦力のみでは、上記柱等と直交する梁や桁等の構造材を支持できなくなるおそれがある。この結果、係るボルトと共に梁や桁等の構造材が下方にずれたりすることもあり得る。
【0006】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上の問題点を解決し、アルミの押出形材を用いて組立てが容易で軽量且つ強固な構造材を含む建物用構造体を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、アルミの押出形材に底広凹溝を設けておき、これに他の構造材をボルトで直接固定する場合、又は他の構造材を接続材を介して間接的に固定するに際し当該接続材を押出形材にボルトで固定する場合に、係るボルトのボルト頭における底面の一部を、上記底広凹溝の開口部の両側片に喰込ませることに着想して成されたものである。
即ち、本発明における建物用構造体(請求項1)は、四隅に立設され且つアルミニウム合金製の押出形材からなり長手方向に沿った底広凹溝を有する第1の構造材と、これらの第1の構造材に直接又は接続材を介して固定される第2の構造材とを、この第2の構造材又は上記接続材を貫通するボルトであって、ボルト頭の長手寸法が上記第1の構造材における底広凹溝の開口部の幅寸法よりも大きい寸法を有し、且つボルト頭の長手方向の両端部寄りの底面に凸部を有するか、または係る凸部と共にボルト頭の長手両端面に底広凹溝の両側壁に喰込み可能な喰込部を有するボルトとナットとを用い、
上記ボルト頭を上記第1の構造材の底広凹溝内に嵌装し且つ回転して該ボルト頭の長手両端部を該底広凹溝の両側壁に当接させ、上記ボルトの雄ネジ部に上記ナットを螺着することにより、
上記ボルト頭の各凸部を第1の構造材の底広凹溝における開口部の両側片に喰込ませ、あるいは係る喰込みと共に上記ボルト頭の喰込部を上記底広凹溝の両側壁に喰込ませて、直方体ユニットを複数形成し、
左右に隣接する一対の直方体ユニットにおける第1の構造材同士の底広凹溝同士間に跨って断面略H形の結合片を嵌装して、上記一対の直方体ユニットを結合した、ことを特徴とする。
【0008】
これによれば、上記ボルトにナットを螺合することにより、第1と第2の構造材同士を所望の位置において強固且つ確実に結合した直方体ユニットを形成することができると共に、左右方向に隣接する一対の直方体ユニットを、それらの隣接する第1の構造材同士の底広凹溝同士間に跨って断面略Hの結合片を嵌装するため、左右方向に隣接する各ユニットの離間を防いで、建物の施工性が向上させることができる。しかも、ボルト頭を第1の構造材における任意の位置からその底広凹溝内に自在に嵌装できると共に、上記ボルト頭を略直角に回すことによって、その底面を底広凹溝の開口部付近に確実に係止させ、且つ凸部または係る凸部と喰込み部とを底広凹溝の両側片などに強固に喰込ませることができる。
尚、上記構造材には間柱等の準構造材も含まれ、上記接続材には各種形状の平板の他に、アングル等の立体部材も含まれる。
【0009】
また、本発明には、上下に隣接する一対の前記直方体ユニットにおける第1の構造材同士の中空部間に跨って嵌合片を嵌合した、建物用構造体(請求項2)も含まれる。これによれば、上下方向に隣接する一対の直方体ユニットを、それらの隣接する第1の構造材同士の中空部間に跨って嵌合片を嵌合したため、上下方向に隣接する各ユニットの位置決めが正確に行え、建物の施工性を向上させることができる。
更に、本発明には、左右に隣接する一対の下方の直方体ユニットにおける第1の構造材同士の上端部を第2の構造材よりも上に突出させ、且つ上記第1の構造材同士の底広凹溝同士間に跨って断面略Hの結合片を嵌装し、上記一対の下方の直方体ユニットの上方に配置され且つ水平方向に隣接する一対の上方の直方体ユニットにおける第1の構造材同士の下端部を第2の構造材よりも上に偏移させると共に、一対の下方の直方体ユニットにおける第1の構造材同士の上端部を、一対の上方の直方体ユニットにおける第1の構造材同士の下端部と第2の構造材との間に雄雌嵌合させて、上記上下一対ずつの直方体ユニットを結合した、建物用構造体(請求項3)も含まれる。
これによれば、左右に隣接する上下一対ずつの直方体ユニット間の上下方向の位置決めが正確迅速且つに行え、建物の施工性を一層向上させることができる。
【0010】
また、本発明には、上下に隣接する一対の前記直方体ユニットにおける第1の構造材同士の底広凹溝同士間に跨って断面略H形の結合片を嵌装した、建物用構造体(請求項4)も含まれる。これによれば、上下に隣接する直方体ユニットを容易に位置決めでき、且つ左右方向のずれを防止できる。
更に、本発明には、前記第1の構造材が、断面略角形の中空押出形材であり、且つその何れかの表面に前記底広凹溝の開口部が形成されている、建物用構造体(請求項5)も含まれる。これによれば、第1の構造材が例えば柱に使用されても、捻り応力等に対し十分耐えられると共に、水平方向から直角に配置される梁や桁と直接に、又は接続材を介してそれぞれ結合することが可能となる。
【0011】
また、本発明には、前記第1の構造材が、その長手方向に沿って複数のネジ受け用貫通孔を併設している、建物用構造体(請求項6)も含まれる。
これにより、第1の構造材が例えば柱や間柱に用いられた場合、断面略H形の土台や梁等からそのフランジを貫通するボルトの雄ネジを上記貫通孔内に螺入させて結合することにも活用でき、一層組立て作業を容易化することができる。
尚、上記貫通孔の端部には予め雌ネジを刻設しても良いが、ボルトの雄ネジ自体によるセルフタッピングにより雌ネジを形成させることも可能である。
更に、本発明には、前記第2の構造材が、略H形又は略角形の断面を有するアルミニウム合金製の押出形材である、建物用構造体(請求項7)も含まれる。
これによれば、第1及び第2の構造材共にアルミにより一層軽量化できるので、それらを含む直方体ユニットが有する支持強度の範囲内で壁材等を有効に支持することができる。
【0012】
また、本発明には、前記第1の構造材が、互いに並行な複数の柱であり、互いに平行な柱間に前記第2の構造材の梁又は桁が結合されて前記直方体ユニットを形成している、建物用構造体(請求項8)も含まれる。
これによれば、四隅の柱およびこれらの柱間を連結する梁又は桁からなる直方体ユニットが堅牢且つ迅速に形成できると共に、係る直方体ユニット同士を強固に結合した建物用構造体を含む建物を容易に構築することが可能となる。
尚、上記梁には、敷き梁、小屋梁、妻梁、小梁等が含まれ、上記桁には、敷き桁、軒桁、飛び梁、胴差し等が含まれる。
【0013】
更に、本発明には、前記第2の構造材又はその一部が土台であるか、又は土台を兼ねる、建物用構造体(請求項9)も含まれる。これによれば、1部屋を構成する直方体ユニットを、布基礎の上に専用の土台を固定することなく、直に第2の構造材をアンカーボルトに固定して迅速に組立てられると共に、生活者の都合に応じて随時複数の直方体ユニットを結合することにより、コストに見合った住宅等を形成することにも寄与できる。
また、本発明には、前記第2の構造材同士である互いに並行な梁又は桁の間に、更に間柱、及び/又は、筋交いを固定した、建物用構造体(請求項10)も含まれる。これによれば、直方体ユニットを一層堅牢にして構築できる。
更に、本発明には、前記第1の構造材である互いに並行な複数の柱、又は前記間柱の何れか間に、水平にまぐさ又は窓台を固定した、建物用構造体(請求項11)も含まれる。これによれば、壁部分の細部についても外装材や内装材を除いて予めユニット化できるので、現場での工数をより一層低減できる。
【0014】
尚、本発明の建物用構造体に用いるボルトは、ボルト頭の長手両端面に前記底広凹溝の両側壁に喰込み可能な喰込部を有するものが望ましい。
これによる場合、ボルトと一体のボルト頭を、例えば第1の構造材の底広凹溝に挿入して回転することにより、両端部の喰込部が係る底広凹溝の両側壁に喰込むため、当該結合用ボルト自体が緩まなくなり、例えば前記第2の構造材を確実に支えることが可能となる。
また、本発明の建物用構造体に用いるボルトは、前記ボルト頭の長手方向の両端部寄りにおける底面に凸部をそれぞれ有するものが望ましい。これによる場合、ナットと締結することにより、凸部が底広凹溝の開口部付近に喰込むため、例えば前記第2の構造材を一層確実に支えることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下において本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1は、参考形態の住宅(建物)用構造体1を示す。
この構造体1は、地表GL上に設けた複数の換気口3を有する布基礎2の上面に固定した土台4と、この土台4の上に立設した複数の通し柱6及び柱7と、これらの間に水平に結合された梁8、陸屋根用桁10,11とを含む。
また、土台4と梁8及び梁8と陸屋根用桁10等の間には間柱12が垂設され、この間柱12と通し柱6との間、又は間柱12同士の間には、窓台14及び/又はまぐさ16が水平に架設されている。
【0016】
更に、通し柱6と間柱12の間にはX字形に平筋交い18が固定されている。尚、上記土台4、梁8、及び陸屋根用桁10,11には、断面略H形のアルミの押出形材が、通し柱6、柱7、及び間柱12には、断面略角形のアルミの中空押出形材が、窓台14とまぐさ16にはアルミの中空押出形材が、筋交い18にはアルミの平板がそれぞれ用いられている。
以上の各アルミには、JIS;A6063−T5、同6061−T5又はT6、同6N01−T5又はT6等の展伸用アルミニウム合金が使用される。
【0017】
次に、本発明の前提的形態の結合構造について図2,3に基づいて説明する。
図2(A)及び(B)に示すように、通し柱(第1の構造材)6に対して、左右から梁(第2の構造材)8,8が接続材20を介して直角に結合される。また、図示で左側の梁8の上・下面にボルト・ナット42で固定した金具40を介して筋交い18の上・下端部が固定される。即ち、アルミの押出形材からなる断面略山字形の金具40の中央片44に各筋交い18の上・下端部を面接触させ、ボルト・ナット46により締結される。尚、図2(B)中において、符号8′は桁を、符号9は小梁、符号9aは火打ち梁を示す。
【0018】
図3(A)に示すように、通し柱(第1の構造材)6は、断面略角形の本体21とその内部に中空部22を有し、本体21の各側面(表面)には互いに平行な一対の底広凹溝24を有する。この底広凹溝24は、幅狭の開口部25と、その両側の両側片26と、内部の幅広の底壁27、及びその両側壁28とからなる。
尚、本体21の四隅には、ネジ受け用貫通孔29が設けられている。この貫通孔29は、係る通し柱6を前記土台4上に垂直に固定する図示しないボルトの雄ネジを受け入れる。
【0019】
通し柱6と梁8との間に介在する接続材20は全体がアングル形を呈し、各片20a,20bには複数の通し孔が穿設されている。この接続材20は、予めその基片20aを梁8におけるウェブ8aの一端にボルト38及びナット39により固定される。係る接続材20の梁8の上下のフランジ8b間に延びる一対の先片20bにおける各通し孔には、ボルト31が貫通し、座金35を介してナット36と緩く螺合している。
【0020】
上記ボルト31は、図3(B)に示すように、雄ネジ部分31aと細長い略平行四辺形のボルト頭32とからなる。このボルト頭32の幅寸法は、上記通し柱6の底広凹溝24の開口部25の幅寸法よりも僅かに小さい。また、ボルト頭32の長手方向の寸法は底広凹溝24における底壁27の幅よりも僅かに大きく、該長手両端の対角位置には緩くカーブした面取り部33が形成されている。更に、ボルト頭32の底面32aには、図示で左右対称に円錐形の先尖状凸部34が突設されている。尚、先尖状凸部34を含めたボルト頭32の厚さは、上記底広凹溝24内における側壁28の奥行き寸法よりもやや小さくなるように予め設定されている。
【0021】
そして、接続材20に支持された各ボルト31を適宜回し、そのボルト頭32を通し柱6の対向する底広凹溝24の開口部25に通過させると共に、ボルト頭32を図3(B)で時計回り方向に約90度回転させてその長手両端部を、底広凹溝24の両側壁28に当接させる。この状態でボルト31は回転不能となる。
次いで、予め緩く螺合していた各ナット36を更に締め込むと、ボルト31は通し柱6の外側に向けて引き寄せられる。この結果、そのボルト頭32の各先尖状凸部34は、図3(C)に示すように、底広凹溝24の開口部25における両側の両側片26内に喰込む。この先尖状凸部34の喰込みにより、梁8と通し柱6を強固に結合した結合構造30が得られ、何らかの外力が加わっても下側にずれることがなくなる。また、ボルト31自体も緩みにくいことも相まって、長期間に渉って堅牢な住宅用構造体1を構成することができる。
【0022】
上記接続材20とボルト31,ナット36を用いる結合構造30は、通し柱6と陸屋根用桁11との間にも適用することができる。
尚、前記図2(A),(B)において、間柱12はその角形断面の四隅に設けたネジ受け用貫通孔12a内に、梁8のフランジ8bを貫通するボルト13の雄ネジ部を螺入することで固定される。更に、通し柱6の上端において、各底広凹溝24を活用し図示しない接続材を介して、屋根用桁10との結合も容易に行える。
以上において説明した通し柱6と梁8との結合構造30と、これを用いた住宅用構造体1によれば、アルミの押出形材からなる構造材6,8等と喰込み可能なボルト31を併用することによって、軽量で支持荷重を効率的に利用できると共に、ズレなどの変位を来すことがない。しかも、耐食性にも優れるため、長期的にメンテナンスを皆無にし得る堅牢な構造材同士の結合構造と建物用構造体を提供することが可能となる。
【0023】
図4は、本発明を含む住宅(建物)用構造体50を示す。尚、以下前記形態と同じか同様の要素や部分には同じか同様の符号を用いる。
この構造体50は、複数の直方体ユニット60を左右と上下それぞれに結合したものである。各直方体ユニット60は、四隅に立設したアルミの柱(第1の構造材)6と、この各柱6同士間を上下において水平に結合したアルミの梁(第2の構造材)8とからなる。尚、上記ユニット60は立方体も包含する。
上記ユニット60において、少なくとも屋外側の側面における上下の各梁8,8間には、間柱12が固定されると共に、前記同様に間柱12と柱6との間には筋交い18又はまぐさ16が固定され、間柱12同士間にも窓台14及びまぐさ16が架設されている。
【0024】
図5(A)及び(B)に示すように、各直方体ユニット60における柱6と梁8との結合は、前記同様に梁8の両端にボルト・ナット58で固定されたアングル形の接続材56を介して、各柱6の底広凹溝24にボルト頭32を嵌装した複数のボルト31とナット36とを螺合し、各ボルト頭32の先尖状凸部34を底広凹溝24の前記両側片26内に喰込ませることにより結合構造30が形成される。
また、上下方向に隣接するユニット60同士の結合には、予め垂直方向に連続する柱6,6の間に嵌合片62が位置決めのために介在する。図5(A)に示すように、下方の柱6の図示で正面に位置する底広凹溝24の底壁27から螺入するネジ64が、中空部22内に嵌装した嵌合片62の下部に進入してこれを固定する。この嵌合片62の台形形の上部63を上方の柱6における中空部22内に嵌合して、上下の各ユニット60を位置決めする(本発明の建物用構造体)。
尚、上方の各ユニット60はクレーン等で吊り上げられ、所定位置にて設置されるが、軽量なために負荷は少なく安全である。
【0025】
更に、左右に隣接するユニット60は、互いに面接触する柱6,6の対向する一対の底広凹溝24同士間に跨る断面略H形の結合片66によって、結合される(本発明の建物用構造体)。
この結合片66は、図5(A)に示すように、下方の柱6,6の図示で中央に位置する底広凹溝24の底壁27から左右方向に螺入するネジ68により下端を支持され、図5 ( B ) に示すように、その上部を上方の柱6,6における同じ位置の各底広凹溝24内に左右の半体ずつを嵌装することによって、上下各一対ずつ合計4個の直方体ユニット60同士の左右方向への離間を防止する(本発明の建物用構造体)。
最後に、上下に隣接するユニット60の互いに面接触する梁8,8のフランジ8b同士を貫通するボルト52とこれに螺着するナット54により結合される。
即ち、上記嵌合片62と結合片66とを上下の各直方体ユニット60の間に介在させて位置決めした後、上下に面接触する上記梁8,8のボルト52、ナット54による結合が行われ、住宅用構造体50を構成することができる。
【0026】
図6(A)及び(B)は、上記結合片66に替えてユニット接続材(接続材)66A,66Bを用いた形態を示す。ユニット接続材66Aは4つのユニット60の各隅に跨る平板材で、図6(b)のように、ボルト31,ナット36を用いる前記と同じ接合構造30により、4つのユニット60の各柱6同士を同時に結合する。
また、図6(B)のように、ユニット接続材66Bはアングル状の板材で、左右に隣接する各ユニット60同士を接合構造30で結合する。即ち、ユニット接続材66Bは上方の各ユニット60における柱6,6の下部同士と桁8′,8′の上面同士を同時に結合する。尚、図示しないユニット接続材66Bにより下方の各ユニット60の柱6,6の上部同士と桁8′,8′の下面同士も同様に結合する。
【0027】
図7(A)及び(B)は、本発明の異なる形態の建物用構造体に関する。図示のように、下方の直方体ユニット60における柱6を当該コーナからその上端部6aを梁8よりもやや上に突出させ、且つ上方の直方体ユニット60における柱6を当該コーナからその下端部6bを梁8よりもやや上に偏移し、上下に連続する左右一対の柱6,6同士を雄雌嵌合させても良い(本発明の建物用構造体)。
この場合、図7(A)に示すように、上方のユニット60における柱6とその下辺の梁8とを結合する接続材56における最下段のボルト31のボルト頭32を、下方のユニット60における柱6の上端部6aにおける底広凹溝24内に嵌装し、約90度回して前記同様にナット36を更に締付ける。
【0028】
すると、この最下段のボルト31は、そのボルト頭32の先尖状凸部34を下方の柱6の底広凹溝24に喰込むと共に、該柱6をナット36との締付けにより上方のユニット60における下辺の梁8にも結合する結合構造30′を形成することができる。
係る結合構造30′により、上下のユニット60における各柱6の上端部6aと下端部6bの関係が、それぞれ梁8との関係において位置決め及び嵌め合いの関係を構成するので、前記嵌合片62を省略することができる。尚、左右方向に隣接する直方体ユニット60同士の離間を防ぐため、前記と同様に結合片66を使用するか、或いは前記ユニット結合板66A,66Bが使用される。また、図7(B)に示す桁8′も各柱6との間で上記と同じ結合構造30′を形成する。
【0029】
以上の直方体ユニット60における各結合構造30,30′と、このユニット60同士を結合した構造体50によれば、予め工場内で上記ユニット60を正確に組立て、現場では必要な数の上記ユニット60を左右及び上下に隣接して結合することにより、構造材6,8の結合構造30等を含む迅速で堅牢な住宅(建物)用構造体50を形成することができる。しかも、直方体ユニット60は全体が軽量なため、2階以上への吊り上げや位置決め作業も容易に行え、且つ構造材6,8の間は基より、上記ユニット60同士の間においても、ボルト31の先尖状凸部34の喰込みが働くため、長期的に強固且つ堅牢な建物を形成可能とする。
尚、以上の住宅用構造体50において、少なくとも第1の構造材である柱6がアルミの中空押出形材であれば、第2の構造材である梁8等の他の構造材や準構造材には、形鋼や鋼板の曲げ加工材を用いることも可能である。
【0030】
図8は、本発明の建物用構造体に適用可能な結合構造に関する。図8(a)に示すボルト71は、雄ネジ部分71aと細長い略平行四辺形のボルト頭72とからなる。このボルト頭72の幅寸法も、前記通し柱6の底広凹溝24の開口部25の幅寸法よりも僅かに小さく、且つ雄ネジ部分71aの直径と略同じである。また、ボルト頭72の長手方向の寸法は前記底広凹溝24の底壁27の幅よりも僅かに大きく、当該長手両端の対角位置には緩くカーブした面取り部73が形成されている。更に、ボルト頭72の底面72aにおける対角の隅には、図示で左右点対称に変形三錐形の先尖状凸部74が突設されている。
【0031】
図8(A)に示すように、このボルト71は、予め前記前記梁8の一端に固定された接続材20の通し孔に貫通し、その雄ネジ部分71aに座金76を介してナット78を緩く螺合しておく。次に、ボルト頭72を適宜回し、前記通し柱6の開口部25を通じて底広凹溝24内に嵌装して約90度回した後、ナット78を更に締付けると、ボルト70全体が図示で左側に引き寄せられる。この結果、上記先尖状凸部74は開口部25の両側片26内に喰込んだ状態で、通し柱6と接続材20(梁8)とを強固に締結する結合構造70を形成できる。
【0032】
また、図8(b)に示すボルト81も雄ネジ部分81aと細長い略平行四辺形のボルト頭82とからなり、このボルト頭82の幅寸法も前記底広凹溝24の開口部25の幅寸法よりも僅かに小さい。また、ボルト頭82の長手方向の寸法は前記底広凹溝24の底壁27の幅よりも僅かに大きく、該長手両端の対角位置に緩くカーブした面取り部83が形成されている。更に、ボルト頭82の底面82aにおける長手両端の中央には、図示で左右対称に変形四錐形の先尖状凸部84が突設されている。
【0033】
図8(B)に示すように、このボルト81も予め前記梁8の一端に固定された接続材20に貫通され、その雄ネジ部分81aには座金86を介しナット88が緩く螺合している。先ずボルト頭82を適宜回して、前記通し柱6の開口部25を通じて底広凹溝24内に嵌装する。次に、ボルト頭82を約90度回転し、更にナット88を締付けると、ボルト81全体が図示で左側に引き寄せられる。この結果、上記先尖状凸部84は、上記凹溝24の開口部25の両側片26内に喰込んだ状態となり、通し柱6と接続材20(梁8)を強固に締結する結合構造80を形成することができる。
【0034】
図9(a)と(a′)は、更に異なる形態のボルト91及びこれをを用いた本発明に適用可能な結合構造に関する。図9(a)と(a′)に示すボルト91も、雄ネジ部分91aと細長い略平行四辺形のボルト頭92とからなり、このボルト頭92の幅寸法も前記同様に幅狭である。また、ボルト頭92の長手方向の寸法も前記同様に大きく、その長手両端の対角位置には緩くカーブした面取り部93が形成されている。更に、ボルト頭92の底面92aにおける図示で左右点対称の各隅部に変形三錐形の先尖状凸部94と、湾曲し且つ偏平状の凸部95がそれぞれ一対ずつ突設されている。
【0035】
このボルト91も予め、図9(A)に示すように、前記前記梁8の一端に固定された接続板20に貫通され、その雄ネジ部分91aに座金96を介しナット98が緩く螺合する。ボルト頭92を適宜回して、前記通し柱6の開口部25を通じて底広凹溝24内に嵌装する。上記ボルト頭82を約90度回転し、更にナット98を締付けると、ボルト91全体が図示で左側に引き寄せられる。この結果、上記先尖状凸部94及び凸部95は、上記凹溝24の開口部25の両側片26内に喰込んだ状態となり、通し柱6と接続材20(梁8)を強固に締結する結合構造90を形成することができる。
【0036】
図9(b),(b′)は、更に別のボルト101を示す。
図9(b)と(b′)に示すボルト101も、雄ネジ部分101aと細長い略平行四辺形のボルト頭102とからなり、該ボルト頭102の幅寸法も前記と同様幅狭である。また、ボルト頭102の長手方向の寸法も前記同様に大きく、その長手両端の対角位置には緩くカーブした面取り部103が形成されている。更に、ボルト頭102の底面102aにおける長手両端面には、図示で点対称の各隅部に変形三角錐状で先端に斜め外向きに突出する喰込部104aを有する先尖状凸部104と、湾曲し且つ偏平な凸部105が一対ずつそれぞれ突設されている。
図9(B)に示すように、このボルト101も予め前記前記梁8の一端に固定された接続材20に貫通され、その雄ネジ部分101aには座金106を介しナット108が緩く螺合する。
【0037】
先ず、ボルト頭102を前記通し柱6の開口部25を通じて底広凹溝24内に嵌装し、約90度回転する。次にナット108を更に締付けると、ボルト101全体が図示で左側に引き寄せられ、上記先尖状凸部104及び凸部105は上記凹溝24の開口部25の両側片26内に喰込んで、通し柱6と接続材20(梁8)を強固に締結する結合構造100を形成できる。
尚、上記凸部104(104a)を図9(b′)でボルト101の中心に対しそれぞれ点対称に形成すると、一層強固な結合とすることができる。
また、締結後に外力でボルト101が単独に又はナット108と共に緩む方向(図9(b′)で時計回り)の回転力を受けた場合、その当初にて先尖状凸部104の喰込部104aが底広凹溝24の両側壁28に喰込んでいる。従って、ボルト101はそれ以上緩まず接続材20(梁8)を確実に支えることができる。
【0038】
図10(a)及び(a′)は、異なる形態のボルト111およびこれを用いた結合構造に関する。図示のボルト111も、雄ネジ部分111aと細長い略平行四辺形のボルト頭112からなり、該ボルト頭112の幅寸法も前記同様に幅狭である。また、ボルト頭112の長手方向の寸法も前記同様に大きく、その長手両端の対角位置には鋭角の角部113が形成されている。更に、上記ボルト頭112の底面112aにおける長手両端寄りには、図示で上下対称の位置に断面三角形で湾曲した先尖状凸条114が一対突設されている。
【0039】
図10(A)に示すように、このボルト111も予め前記前記梁8の一端に固定された接続材20に貫通し、その雄ネジ部分111aには座金116を介してナット118が緩く螺合する。先ず、ボルト頭112を適宜回して、前記通し柱6の開口部25を通じて底広凹溝24内に嵌装し、且つ約90度回転する。次に、ナット118を更に締付けると、ボルト111全体が図示で左側に引き寄せられる。このため、上記先尖状凸条114は上記凹溝24の開口部25の両側片26内に曲線状に喰込んだ状態となって、通し柱6と接続材20(梁8)を強固に締結する結合構造110を形成することができる。
【0040】
図10(b)及び(b′)は、更に別なる形態のボルト121を示す。図示のように、ボルト121も、雄ネジ部分121aと、細長いボルト頭122とからなり、略小判形を呈するボルト頭122の幅寸法も前記同様に幅狭で、その長手方向の寸法も前記同様に大きく、その長手両端面の対角位置には斜め外側に鋭角に突出する略三角柱形の喰込部123が形成されている。更に、ボルト頭122の底面122aにおける長手両端には、図示で上下対称の位置に断面三角形で湾曲した先尖状凸条124が一対突設されている。
図10(B)に示すように、このボルト121も予め前記前記梁8の一端に固定された接続材20を貫通し、その雄ネジ部分121aには座金126を介しナット128が緩く螺合する。先ず、ボルト頭122を前記通し柱6の開口部25を通じて底広凹溝24内に嵌装し、その両端部(124)が当接するまで回転する。
【0041】
次に、ナット128を更に締付けると、ボルト121全体が図示で左側に引き寄せられ、上記先尖状凸条124は上記凹溝24の開口部25の両側片26内に曲線状に喰込んだ状態となり、通し柱6と接続材20(梁8)を強固に締結する結合構造120を形成することができる。
また、何かの外力によりボルト121が単独に又はナット128と共に緩む方向(図10(b′)で時計回り)の回転力を受けた場合、その当初にて喰込部123の尖った先端が底広凹溝24の両側壁28内に喰込んでいる。従って、このボルト121はそれ以上緩まず、接続材20(梁8)を確実に支えることができる。
尚、図8〜10に示した結合構造70〜120は、前記住宅用構造体1、又は同50の各直方体ユニット60や該ユニット60同士の結合にも適用できる。
【0042】
図11(A)および(B)は、通し柱131(第2の構造材)の中間に対し、左右から直交する梁(第1の構造材)140を接続材134を介して結合する参考形態の結合構造130を示す。通し柱131は断面略H形のアルミ製の押出形材からなり、ウェブ132と、その両端に直交する一対のフランジ133とを有する。また、上記梁140は、前記通し柱6と同様の断面を有する断面略角形のアルミ製の中空押出形材からなり、各側面(表面)には一対ずつの底広凹溝142を有すると共に、その四隅付近にはネジ受け用貫通孔144をそれぞれ形成している。
【0043】
先ず、通し柱131を図示しない土台の上に適宜立設する。通し柱131の各フランジ133の外側面に、アングル形の接続材134の垂直片135を、複数のボルト・ナット137により固定する。尚、上記接続材134の水平片136には、予め前記ボルト31と同様な先尖状凸部(図示せず)をボルト頭138aに有するボルト138が複数本貫通し、且つナット139と緩く螺合している。
次に、各接続材134の水平片136の上方に、上記梁140の一端を近接させる。この状態で、各ボルト138を適宜回しその頭138aを梁140の下面の底広凹溝142内に嵌装し、且つ約90度回転する。そして、各ナット139を更に締付けると、ボルト138全体は図11(A)で下側に引き寄せられ、その先尖状凸条が上記凹溝142の開口部の両側片内に喰込んだ状態となる。
【0044】
この結果、梁140と接続材134(通し柱131)を強固に締結する結合構造130が形成できる。更に、各梁140のネジ受け用貫通孔144内に、通し柱131の各フランジ133を貫通するネジ146を螺入させると、一層強固な結合となる。上記結合構造130によれば、各ボルト138は梁140の底広凹溝142内で食込んでいるため、梁140に対し水平方向の外力が加わっても、当該梁140が通し柱131から外れるのを確実に防止できる。
尚、結合構造130を形成する際、先に各梁140の一端にボルト138、ナット139により接続材134を固定し、その後これらを通し柱131にボルト等137によって図11(A),(B)のように固定する順序にしても良い。
【0045】
また、上記のボルト138に替えて前記ボルト71〜121を用いても良い。 更に、上記通し柱131のウェブ132を平行に接近する2枚とし、該通し柱131を中空形材とすることで、捻り応力に対して充分抵抗することもできる。
尚、上記結合構造130を用いて、前記住宅用構造体1を構成することもできる。
【0046】
また、図12(A)及び(B)は、接続材を用いず、断面がH形の第2の構造材である柱150と第1の構造材である梁160を直接結合する参考形態の結合構造30″を示す。上記柱150はウェブ152を挟んで1対のフランジ154を有する形鋼又は押出形材からなる。また、梁160は断面略矩形の中空部166とその上面の長手方向に沿って一対の底広凹溝164を有する押出形材である。
梁160の底広凹溝164内には、図12(B)のように、予めボルト31の頭32を嵌装し、その開口部162からボルト31を柱150のフランジ154に貫通させ、ナット36と螺着して締付けることにより、梁160と柱150を直接に結合する結合構造30″となる。この場合、接続材は不要となるが、第1,2の構造材160,150の結合形態には制限が生じる。
尚、前記各ボルト31,71〜121の材質には、炭素鋼、構造用鋼、各種のステンレス鋼、又はチタン合金等が適用される。更に、前記接続材20等やユニット接続材66A等の材質には、上記に加え各種のアルミ合金も適用され得る。
【0047】
【発明の効果】
以上において説明した本発明の建物用構造体によれば、前記凸部または係る凸部および喰込み部を有するボルトとナットとの締付けにより、柱等の第1の構造材と梁等の第2の構造材とを強固に結合した直方体ユニットを確実に形成することができる。しかも、左右方向に隣接する一対の直方体ユニットを、それらの隣接する第1の構造材同士の底広凹溝同士間に跨って断面略Hの結合片を嵌装するため、左右方向に隣接する各ユニットの離間を防いで、建物の施工性が向上させることができる。
また、請求項2,4の建物用構造体によれば、上下方向に隣接する各ユニットの位置決めが正確に行え、建物の施工性を向上させることができる。
更に、請求項3の建物用構造体によれば、左右に隣接する上下一対ずつの直方体ユニット間の上下方向の位置決めが正確迅速且つに行え、建物の施工性を一層向上させることができる。
【0048】
また、請求項6の建物用構造体によれば、組立作業を一層容易化できる。
更に、請求項7の建物用構造体によれば、全体が軽量で施工し易いと共に、耐食性にも優れるため、メンテナンスも皆無にすることができる。
また、請求項9〜11の建物用構造体によれば、上記に加えて予め直方体ユニットを工場内で組立てられるので、一層現場作業を迅速且つ正確に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考形態の建物用構造体を示す正面図。
【図2】(A)は図1中の一点鎖線部分Aの拡大図、(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視の断面図。
【図3】(A)は図2(B)中における構造材の結合構造を示す部分断面図、(B)は参考形態のボルトの斜視図、(C)は(A)中の一点鎖線部分Cの拡大図。
【図4】本発明の構造体を含む建物用構造体を示す正面図。
【図5】(A)は本発明の構造体の1形態を示す図5中の一点鎖線部分Aの拡大図、(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視の断面図。
【図6】(A)は本発明の応用形態を示す図5(A)と同様な拡大図、(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視の断面図、(b)は(B)中の一点鎖線部分bの拡大図。
【図7】(A)は本発明の建物用構造体の異なる形態を示す図5(A)と同様な拡大図、(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視の断面図。
【図8】(a),(b)は異なる参考形態のボルトの斜視図、(A),(B)はこれらを用いた構造材の結合構造を示す部分断面図。
【図9】(a),(a′)及び(A)は更に異なる形態のボルトの斜視図、底面図、又はこれを用いた構造材の結合構造を示す部分断面図、(b),(b′),(B)は別の形態のボルトを示す斜視図、底面図、又はこれを用いた構造材の結合構造を示す部分断面図。
【図10】(a),(a′)及び(A)は別個の形態のボルトの斜視図、底面図、又はこれを用いた構造材の結合構造を示す部分断面図、(b),(b′)及び(B)は更に別なる形態のボルトの斜視図又は底面図、又はこれを用いた構造材の結合構造を示す部分断面図。
【図11】(A)は参考形態の結合構造を示す部分正面図、(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視の断面図。
【図12】(A)は異なる参考形態の結合構造を示す部分平面図、(B)は(A)中のB−B線に沿った矢視の断面図。
Claims (11)
- 四隅に立設され且つアルミニウム合金製の押出形材からなり長手方向に沿った底広凹溝を有する第1の構造材と、こられの第1の構造材に直接又は接続材を介して配置される第2の構造材とを、この第2の構造材又は上記接続材を貫通するボルトであって、ボルト頭の長手寸法が上記第1の構造材における底広凹溝の開口部の幅寸法よりも大きい寸法を有し、且つボルト頭の長手方向の両端部寄りの底面に凸部を有するか、または係る凸部と共にボルト頭の長手両端面に底広凹溝の両側壁に喰込み可能な喰込部を有するボルトとナットとを用い、
上記ボルト頭を上記第1の構造材の底広凹溝内に嵌装し且つ回転して該ボルト頭の長手両端部を該底広凹溝の両側壁に当接させ、上記ボルトの雄ネジ部に上記ナットを螺着することにより、
上記ボルト頭の各凸部を第1の構造材の底広凹溝における開口部の両側片に喰込ませ、あるいは係る喰込みと共に上記ボルト頭の喰込部を上記底広凹溝の両側壁に喰込ませて、直方体ユニットを複数形成し、
左右に隣接する一対の直方体ユニットにおける第1の構造材同士の底広凹溝同士間に跨って断面略H形の結合片を嵌装して、上記一対の直方体ユニットを結合した、ことを特徴とする建物用構造体。 - 上下に隣接する一対の前記直方体ユニットにおける第1の構造材同士の中空部間に跨って嵌合片を嵌合した、
ことを特徴とする請求項1に記載の建物用構造体。 - 左右に隣接する一対の下方の直方体ユニットにおける第1の構造材同士の上端部を第2の構造材よりも上に突出させ、
上記一対の下方の直方体ユニットの上方に配置され且つ水平方向に隣接する一対の上方の直方体ユニットにおける第1の構造材同士の下端部を第2の構造材よりも上に偏移させると共に、
一対の下方の直方体ユニットにおける第1の構造材同士の上端部を、一対の上方の直方体ユニットにおける第1の構造材同士の下端部と第2の構造材との間に雄雌嵌合させて、上記上下一対ずつの直方体ユニットを結合した、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の建物用構造体。 - 上下に隣接する一対の前記直方体ユニットにおける第1の構造材同士の底広凹溝同士間に跨って断面略H形の結合片を嵌装した、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の建物用構造体。 - 前記第1の構造材が、断面略角形の中空押出形材であり、且つその何れかの表面に前記底広凹溝の開口部が形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の建物用構造体。 - 前記第1の構造材が、その長手方向に沿って複数のネジ受け用貫通孔を併設している、
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の建物用構造体。 - 前記第2の構造材が、略H形又は略角形の断面を有するアルミニウム合金製の押出形材である、
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の建物用構造体。 - 前記第1の構造材が、互いに並行な複数の柱であり、互いに平行な柱間に前記第2の構造材の梁又は桁が結合されて前記直方体ユニットを形成している、ことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の建物用構造体。
- 前記第2の構造材又はその一部が土台であるか、又は土台を兼ねる、ことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の建物用構造体。
- 前記第2の構造材同士である互いに並行な梁又は桁の間に、更に間柱、及び/又は、筋交いを固定した、
ことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の建物用構造体。 - 前記第1の構造材である互いに並行な複数の柱、又は上記間柱の何れか間に、水平にまぐさ又は窓台を固定した、
ことを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の建物用構造体。
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