JPH11293767A - 構造材の結合構造とこれを用いた建物用構造体 - Google Patents

構造材の結合構造とこれを用いた建物用構造体

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JPH11293767A
JPH11293767A JP9360298A JP9360298A JPH11293767A JP H11293767 A JPH11293767 A JP H11293767A JP 9360298 A JP9360298 A JP 9360298A JP 9360298 A JP9360298 A JP 9360298A JP H11293767 A JPH11293767 A JP H11293767A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウム合金の押出形材を用い、組立易く
軽量且つ強固で耐久性のある構造材の結合構造を提供す
る。 【解決手段】断面略角形でアルミ合金製押出形材の通し
柱(第1の構造材)6は、その各表面に一対ずつの底広凹
溝24を有し、該通し柱6と直交して配置される梁(第
2の構造材)8の一端には、アングル形で一対の接続材
20が固定され、予めその先片20bにボルト31が貫
通し、ナット36と緩く螺合している。ボルト31の細
長いボルト頭32を通し柱6の底広凹溝24内にその開
口部25を通じて嵌装し、ボルト頭32を略90度回転
してその長手両端部を底広凹溝24内の両側壁28に当
接した状態で、上記ナット36を更に締付けると、ボル
ト31全体が外側に移動し、その頭32の底面32a両
端寄りに突設した一対の先尖状凸部34が、底広凹溝2
4の開口部25の両側片26内に喰込むことにより、通
し柱6と梁8を強固に結合する結合構造30を形成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも垂直な
柱等の構造材をアルミニウム合金製の押出形材から構成
した柱等と、これに直交する梁等の構造材との結合構造
と、この結合構造を用いた建物用構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、住宅等の建物を形成する構造体
は、木材、鉄骨、又は鉄筋コンクリートから形成されて
いる。木材からなる構造体は、各種の専用木材同士を組
立てる在来工法によるものと、規格化されたサイズの木
材からなるユニットを用いる2×4(ツーバイフォー)工
法によるものとがある。また、鉄骨からなる構造体は、
断面H形又はI形の形鋼同士をガゼットプレート等の接
続板を介してボルト又はリベットで結合している。更
に、鉄筋コンクリートからなる構造体は、予め鉄筋で形
成した柱、梁、及び桁等を型枠で囲み、その型枠内にコ
ンクリートを充填して養生することにより、形成され
る。
【0003】しかしながら、木材を用いた前記在来工法
や2×4工法による構造体は、構造材同士の結合構造が
煩雑で組立工数を要する。しかも、無垢の木材を多用す
るため構造材自体がかなりの重量を有すると共に、白蟻
等の虫食いにより劣化や腐食による強度低下を来すとい
う問題がある。また、鉄骨からなる構造体は、形鋼同士
の結合部分に専用のガゼットプレート等を要すると共
に、多数のボルト孔を穿設しておき、ボルトの貫通やナ
ットをセットし締結するという現場作業を必要としてい
る。且つ、かなりの重量となると共に、各形鋼やガゼッ
トプレート等の表面やボルト孔内には、予め塗装等の防
錆処理を必須とするため、加工コスト等も嵩むという問
題がある。
【0004】更に、鉄筋コンクリートからなる構造体
は、各構造材やスラブに沿って多数の主筋や肋筋等から
なる鉄筋を組立て、且つこれらをそれぞれ囲む型枠を形
成するという事前の工数を要する。しかも、コンクリー
トの打設やその養生に時間を要すると共に、著しく重量
が大きくなるという問題がある。一方、軽量で耐食性に
優れたアルミニウム合金(以下、単にアルミと言う)は加
工も容易で、例えばサッシやカーテンウォールのような
建具や外壁材等に広く活用されている。特に、アルミの
押出形材は、断面の形状やサイズの設計が自在であるた
め、当該押出形材同士の結合は基より、パネル等の板材
の端縁を呑み込んだ納まりや、或いは結合金具を嵌装し
てネジ止めが容易な納まり等に利用されている。しか
し、係る押出形材の機能を構造材用として有効に生かす
工夫は、これまで充分になされておらず、利用されにく
かった。
【0005】ところで、アルミの押出形材を建物用の構
造材に用いる場合、主に構造材同士間に接続板を介して
ボルト止めすることが行われる。この場合、ボルトの頭
を一方のアルミの押出形材に形成した蟻溝等の底広凹溝
内に嵌装すると、ボルト・ナットの締結作業も容易化す
ることできる。しかし、上記蟻溝等の底広凹溝は、上記
押出形材の長手方向の全長に渉って形成されているた
め、この押出形材を柱等の垂直に立設される構造材に用
いると、ボルト頭の底面と押出形材の底広凹溝における
開口部の両側片との面接触による摩擦力のみでは、上記
柱等と直交する梁や桁等の構造材を支持できなくなるお
それがある。この結果、係るボルトと共に梁や桁等の構
造材が下方にずれたりすることもあり得る。
【0006】
【発明が解決すべき課題】本発明は、以上の問題点を解
決し、アルミの押出形材を用いて組立てが容易で軽量且
つ強固な構造材の結合構造と、これを用いた施工性、及
び耐食性等の耐久性等に優れた建物用構造体を提供する
ことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、アルミの押出形材に底広凹溝を設けてお
き、これに他の構造材をボルトで直接固定する場合、又
は他の構造材を接続材を介して間接的に固定するに際し
当該接続材を押出形材にボルトで固定する場合に、係る
ボルトのボルト頭における底面の一部を、上記底広凹溝
の開口部の両側片に喰込ませることに着想して成された
ものである。即ち、本発明における構造材の結合構造
は、アルミニウム合金製の押出形材からなり長手方向に
沿った底広凹溝を有する第1の構造材と、この第1の構
造材に直接又は接続材を介して固定される第2の構造材
を含み、この第2の構造材又は上記接続材を貫通するボ
ルトであって、そのボルト頭が上記第1の構造材におけ
る底広凹溝の開口部の幅寸法よりも小さい幅寸法を有
し、且つ該ボルト頭の長手方向の両端部寄りにおける底
面に凸部を有すると共に、上記ボルト頭を上記第1の構
造材の底広凹溝内に嵌装し且つ回転して該ボルト頭の長
手両端部を該底広凹溝の両側壁に当接させ、上記ボルト
の雄ネジ部にナットを螺着することにより、上記ボルト
頭の各凸部を上記底広凹溝における開口部の両側片内に
それぞれ喰込ませるようにした、ことを特徴とする。
【0008】これによれば、上記ボルトにナットを螺合
することにより、そのボルト頭の底面に設けた凸部を第
1の構造材に喰込ませて、該塑性変形を面摩擦力と共に
併有して締結することができ、第1と第2の構造材同士
を所望の位置において強固且つ確実に結合することがで
きる。また、ボルト頭を第1の構造材における任意の位
置からその底広凹溝内に自在に嵌装できると共に、上記
ボルト頭を略直角に回すことによってその底面に設けた
凸部の前記喰込みを確実に実行させることができる。
尚、上記構造材には間柱等の準構造材も含まれ、上記接
続材には各種形状の平板の他に、アングル等の立体部材
も含まれる。
【0009】更に、前記ボルトのボルト頭の底面に設け
た凸部が、互いに略対称な位置に立設する複数の円錐、
多角錐、又は凸条である構造材の結合構造も含まれる。
これによれば、凸部を前記第1の構造材における底広凹
溝の開口部の両側片に強力に喰込ませることができ、堅
固な構造材の結合構造とすることができる。また、前記
ボルトが、そのボルト頭の長手両端面に前記第1の構造
材における底広凹溝の両側壁に喰込み可能な喰込部を更
に併設している構造材の結合構造も含む。これにより、
一層強固な結合ができ、或いは、締結後に何らかの外力
等でボルトが緩む方向に回転しても、上記喰込部により
ボルトの緩みを防止できる。
【0010】更に、前記第1の構造材が断面略角形の中
空押出形材であり、且つその何れかの表面に前記底広凹
溝の開口部が形成されている構造材の結合構造も含まれ
る。これによれば、第1の構造材が例えば通し柱に使用
されても、捻り応力等に対し十分耐えられると共に、水
平方向から直角に配置される梁や桁と直接に、又は接続
材を介してそれぞれ結合することが可能となる。また、
前記第1の構造材が、その長手方向に沿って複数のネジ
受け用貫通孔を併設している構造材の結合構造も含まれ
る。
【0011】これにより、第1の構造材が例えば柱や間
柱に用いられた場合、断面略H形の土台や梁等からその
フランジを貫通するボルトの雄ネジを上記貫通孔内に螺
入させて結合することにも活用でき、一層組立て作業を
容易化することができる。尚、上記貫通孔の端部には予
め雌ネジを刻設しても良いが、ボルトの雄ネジ自体によ
るセルフタッピングにより雌ネジを形成させることも可
能である。更にまた、前記第2の構造材が、略H形又は
略角形の断面を有するアルミニウム合金製の押出形材で
ある構造材の結合構造も含まれる。これによれば、第1
及び第2の構造材共にアルミにより一層軽量化できるの
で、それらが有する支持強度の範囲内で壁材等を有効に
支持することができる。
【0012】一方、本発明の建物用構造体は、前記結合
構造における第1の構造材が通し柱又は柱であり、且つ
前記第2の構造材が梁又は桁である、ことを特徴とす
る。これによれば、第1の構造材の前記底広凹溝は垂直
方向に沿うが、前記第2の構造材又は接続材を貫通する
ボルトのボルト頭の凸部が第1の構造材に強固に喰込ん
でいるため、第2の構造材である梁又は桁が下がる等の
変位を生じない堅牢な構造体となる。また、前記第1の
構造材が互いに並行な複数の通し柱又は柱であり、互い
に平行な通し柱又は柱間に前記第2の構造材たる梁又は
桁が結合されている建物用構造体も含まれる。これに
て、第1及び第2の構造材同士により、四角形枠を呈す
る面状の、或いは立体や直方体の建物用構造体を容易に
形成することができる。尚、上記梁には、敷き梁、小屋
梁、妻梁、小梁等が含まれ、上記桁には、敷き桁、軒桁、飛
び梁、胴差し等が含まれる。
【0013】更に、前記第1の構造材が四隅に立設した
柱であり、且つ各柱間の上下に前記第2の構造材をそれ
ぞれ並行に結合し全体が直方体ユニットとなる建物用構
造体も含まれる。これにより、例えば1部屋を構成する
直方体ユニットを容易且つ堅牢に構成できると共に、生
活者の都合に応じて随時複数の直方体ユニットを結合す
ることにより、コストに見合った住宅等を形成すること
にも寄与できる。また、前記第2の構造材又はその一部
が土台であるか、又は土台を兼ねる建物用構造体も含
む。これにより、布基礎の上に専用の土台を固定するこ
となく、直に第2の構造材をアンカーボルトに固定して
構造体を迅速に組立てられる。
【0014】更に、前記第2の構造材同士である互いに
並行な梁又は桁の間に、更に間柱、及び/又は、筋交い
を固定した建物用構造体も含まれる。これにより、壁部
分の骨組みをも併せて予めユニット化できるので、現場
での工数を一層低減できる。また、前記第1の構造材で
ある互いに並行な複数の通し柱、柱、又は前記間柱の何
れか間に、水平にまぐさ又は窓台を固定した建物用構造
体も含まれる。これによれば、壁部分の細部についても
外装材や内装材を除いて予めユニット化できるので、現
場での工数をより一層低減できる。加えて、前記間柱、
筋交い、まぐさ、又は窓台が、アルミニウム合金製の押
出形材又は板材である建物用構造体も含まれる。これに
より、完成度が高くて軽量なユニットの構造体を予め組
立てられ、現場での吊上げ作業も省力化できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下において本発明の実施に好適
な形態を図面と共に説明する。図1は、本発明の結合構
造が適用された住宅(建物)用構造体1を示す。この構造
体1は、地表GL上に設けた複数の換気口3を有する布
基礎2の上面に固定した土台4と、この土台4の上に立
設した複数の通し柱6及び柱7と、これらの間に水平に
結合された梁8、陸屋根用桁10,11とを含む。ま
た、土台4と梁8及び梁8と陸屋根用桁10等の間には
間柱12が垂設され、この間柱12と通し柱6との間、
又は間柱12同士の間には、窓台14及び/又はまぐさ
16が水平に架設されている。
【0016】更に、通し柱6と間柱12の間にはX字形
に平筋交い18が固定されている。尚、上記土台4、梁
8、及び陸屋根用桁10,11には、断面略H形のアル
ミの押出形材が、通し柱6、柱7、及び間柱12には、
断面略角形のアルミの中空押出形材が、窓台14とまぐ
さ16にはアルミの中空押出形材が、筋交い18にはア
ルミの平板がそれぞれ用いられている。以上の各アルミ
には、JIS;A6063−T5、同6061−T5又はT
6、同6N01−T5又はT6等の展伸用アルミニウム
合金が使用される。
【0017】次に、本発明の構造材の結合構造につい
て、図2,3に基づいて説明する。図2(A)及び(B)に
示すように、通し柱(第1の構造材)6に対して、左右か
ら梁(第2の構造材)8,8が接続材20を介して直角に
結合される。また、図示で左側の梁8の上・下面にボル
ト・ナット42で固定した金具40を介して筋交い18
の上・下端部が固定される。即ち、アルミの押出形材か
らなる断面略山字形の金具40の中央片44に各筋交い
18の上・下端部を面接触させ、ボルト・ナット46に
より締結される。尚、図2(B)中において、符号8′は
桁を、符号9は小梁、符号9aは火打ち梁を示す。
【0018】図3(A)に示すように、通し柱(第1の構
造材)6は、断面略角形の本体21とその内部に中空部
22を有し、本体21の各側面(表面)には互いに平行な
一対の底広凹溝24を有する。この底広凹溝24は、幅
狭の開口部25と、その両側の両側片26と、内部の幅
広の底壁27、及びその両側壁28とからなる。尚、本
体21の四隅には、ネジ受け用貫通孔29が設けられて
いる。この貫通孔29は、係る通し柱6を前記土台4上
に垂直に固定する図示しないボルトの雄ネジを受け入れ
る。
【0019】通し柱6と梁8との間に介在する接続材2
0は全体がアングル形を呈し、各片20a,20bには
複数の通し孔が穿設されている。この接続材20は、予
めその基片20aを梁8におけるウェブ8aの一端にボ
ルト38及びナット39により固定される。係る接続材
20の梁8の上下のフランジ8b間に延びる一対の先片
20bにおける各通し孔には、ボルト31が貫通し、座
金35を介してナット36と緩く螺合している。
【0020】上記ボルト31は、図3(B)に示すよう
に、雄ネジ部分31aと細長い略平行四辺形のボルト頭
32とからなる。このボルト頭32の幅寸法は、上記通
し柱6の底広凹溝24の開口部25の幅寸法よりも僅か
に小さい。また、ボルト頭32の長手方向の寸法は底広
凹溝24における底壁27の幅よりも僅かに大きく、該
長手両端の対角位置には緩くカーブした面取り部33が
形成されている。更に、ボルト頭32の底面32aに
は、図示で左右対称に円錐形の先尖状凸部34が突設さ
れている。尚、先尖状凸部34を含めたボルト頭32の
厚さは、上記底広凹溝24内における側壁28の奥行き
寸法よりもやや小さくなるように予め設定されている。
【0021】そして、接続材20に支持された各ボルト
31を適宜回し、そのボルト頭32を通し柱6の対向す
る底広凹溝24の開口部25に通過させると共に、ボル
ト頭32を図3(B)で時計回り方向に約90度回転させ
てその長手両端部を、底広凹溝24の両側壁28に当接
させる。この状態でボルト31は回転不能となる。次い
で、予め緩く螺合していた各ナット36を更に締め込む
と、ボルト31は通し柱6の外側に向けて引き寄せられ
る。この結果、そのボルト頭32の各先尖状凸部34
は、図3(C)に示すように、底広凹溝24の開口部25
における両側の両側片26内に喰込む。この先尖状凸部
34の喰込みにより、梁8と通し柱6を強固に結合した
結合構造30が得られ、何らかの外力が加わっても下側
にずれることがなくなる。また、ボルト31自体も緩み
にくいことも相まって、長期間に渉って堅牢な住宅用構
造体1を構成することができる。
【0022】上記接続材20とボルト31,ナット36
を用いる結合構造30は、通し柱6と陸屋根用桁11と
の間にも適用することができる。尚、前記図2(A),(B)
において、間柱12はその角形断面の四隅に設けたネジ
受け用貫通孔12a内に、梁8のフランジ8bを貫通す
るボルト13の雄ネジ部を螺入することで固定される。
更に、通し柱6の上端において、各底広凹溝24を活用
し図示しない接続材を介して、屋根用桁10との結合も
容易に行える。以上において説明した通し柱6と梁8と
の結合構造30と、これを用いた住宅用構造体1によれ
ば、アルミの押出形材からなる構造材6,8等と喰込み
可能なボルト31を併用することによって、軽量で支持
荷重を効率的に利用できると共に、ズレなどの変位を来
すことがない。しかも、耐食性にも優れるため、長期的
にメンテナンスを皆無にし得る堅牢な構造材同士の結合
構造と建物用構造体を提供することが可能となる。
【0023】図4は、異なる形態の結合構造が適用され
た住宅(建物)用構造体50を示す。尚、以下前記形態と
同じか同様の要素や部分には同じか同様の符号を用い
る。この構造体50は、複数の直方体ユニット60を左
右と上下それぞれに結合したものである。各直方体ユニ
ット60は、四隅に立設したアルミの柱(第1の構造材)
6と、この各柱6同士間を上下において水平に結合した
アルミの梁(第2の構造材)8とからなる。尚、上記ユニ
ット60は立方体も包含する。上記ユニット60におい
て、少なくとも屋外側の側面における上下の各梁8,8
間には、間柱12が固定されると共に、前記同様に間柱
12と柱6との間には筋交い18又はまぐさ16が固定
され、間柱12同士間にも窓台14及びまぐさ16が架
設されている。
【0024】図5(A)及び(B)に示すように、各直方体
ユニット60における柱6と梁8との結合は、前記同様
に梁8の両端にボルト・ナット58で固定されたアング
ル形の接続材56を介して、各柱6の底広凹溝24にボ
ルト頭32を嵌装した複数のボルト31とナット36と
を螺合し、各ボルト頭32の先尖状凸部34を底広凹溝
24の前記両側片26内に喰込ませることにより結合構
造30が形成される。また、上下方向に隣接するユニッ
ト60同士の結合には、予め垂直方向に連続する柱6,
6の間に嵌合片62が位置決めのために介在する。図5
(A)に示すように、下方の柱6の図示で正面に位置する
底広凹溝24の底壁27から螺入するネジ64が、中空
部22内に嵌装した嵌合片62の下部に進入してこれを
固定する。この嵌合片62の台形形の上部63を上方の
柱6における中空部22内に嵌合して、上下の各ユニッ
ト60を位置決めする。尚、上方の各ユニット60はク
レーン等で吊り上げられ、所定位置にて設置されるが、
軽量なために負荷は少なく安全である。
【0025】更に、左右に隣接するユニット60は、互
いに面接触する柱6,6の対向する一対の底広凹溝24
同士間に跨る断面略H形の結合片66により結合され
る。この結合片66は、図5(A)に示すように、下方の
柱6,6の図示で中央に位置する底広凹溝24の底壁2
7から左右方向に螺入するネジ68により下端を支持さ
れ、その上部を上方の柱6,6における同じ位置の各底
広凹溝24内に左右の半体ずつを嵌装することにより、
上下各一対ずつ合計4個の直方体ユニット60同士の左
右方向への離間を防止する。最後に、上下に隣接するユ
ニット60の互いに面接触する梁8,8のフランジ8b
同士を貫通するボルト52とこれに螺着するナット54
により結合される。即ち、上記嵌合片62と結合片66
とを上下の各直方体ユニット60の間に介在させて位置
決めした後、上下に面接触する上記梁8,8のボルト5
2、ナット54による結合が行われ、住宅用構造体50
を構成することができる。
【0026】図6(A)及び(B)は、上記結合片66に替
えてユニット接続材(接続材)66A,66Bを用いた形
態を示す。ユニット接続材66Aは4つのユニット60
の各隅に跨る平板材で、図6(b)のように、ボルト3
1,ナット36を用いる前記と同じ接合構造30によ
り、4つのユニット60の各柱6同士を同時に結合す
る。また、図6(B)のように、ユニット接続材66Bは
アングル状の板材で、左右に隣接する各ユニット60同
士を接合構造30で結合する。即ち、ユニット接続材6
6Bは上方の各ユニット60における柱6,6の下部同
士と桁8′,8′の上面同士を同時に結合する。尚、図
示しないユニット接続材66Bにより下方の各ユニット
60の柱6,6の上部同士と桁8′,8′の下面同士も同
様に結合する。
【0027】尚、図7(A)及び(B)に示すように、下方
の直方体ユニット60における柱6を当該コーナからそ
の上端部6aを梁8よりもやや上に突出させ、且つ上方
の直方体ユニット60における柱6を当該コーナからそ
の下端部6bを梁8よりもやや上に偏移し、上下に連続
する左右一対の柱6,6同士を雄雌嵌合させても良い。
この場合、図7(A)に示すように、上方のユニット60
における柱6とその下辺の梁8とを結合する接続材56
における最下段のボルト31のボルト頭32を、下方の
ユニット60における柱6の上端部6aにおける底広凹
溝24内に嵌装し、約90度回して前記同様にナット3
6を更に締付ける。
【0028】すると、この最下段のボルト31は、その
ボルト頭32の先尖状凸部34を下方の柱6の底広凹溝
24に喰込むと共に、該柱6をナット36との締付けに
より上方のユニット60における下辺の梁8にも結合す
る結合構造30′を形成することができる。係る結合構
造30′により、上下のユニット60における各柱6の
上端部6aと下端部6bの関係が、それぞれ梁8との関
係において位置決め及び嵌め合いの関係を構成するの
で、前記嵌合片62を省略することができる。尚、左右
方向に隣接する直方体ユニット60同士の離間を防ぐた
め、前記と同様に結合片66を使用するか、或いは前記
ユニット結合板66A,66Bが使用される。また、図
7(B)に示す桁8′も各柱6との間で上記と同じ結合構
造30′を形成する。
【0029】以上の直方体ユニット60における各結合
構造30,30′と、このユニット60同士を結合した
構造体50によれば、予め工場内で上記ユニット60を
正確に組立て、現場では必要な数の上記ユニット60を
左右及び上下に隣接して結合することにより、構造材
6,8の結合構造30等を含む迅速で堅牢な住宅(建物)
用構造体50を形成することができる。しかも、直方体
ユニット60は全体が軽量なため、2階以上への吊り上
げや位置決め作業も容易に行え、且つ構造材6,8の間
は基より、上記ユニット60同士の間においても、ボル
ト31の先尖状凸部34の喰込みが働くため、長期的に
強固且つ堅牢な建物を形成可能とする。尚、以上の住宅
用構造体1,50において、少なくとも第1の構造材で
ある通し柱、柱6がアルミの中空押出形材であれば、第
2の構造材である梁8等の他の構造材や準構造材には、
形鋼や鋼板の曲げ加工材を用いることも可能である。
【0030】図8は異なる形態のボルトを用いた結合構
造に関する。図8(a)に示すボルト71は、雄ネジ部分
71aと細長い略平行四辺形のボルト頭72とからな
る。このボルト頭72の幅寸法も、前記通し柱6の底広
凹溝24の開口部25の幅寸法よりも僅かに小さく、且
つ雄ネジ部分71aの直径と略同じである。また、ボル
ト頭72の長手方向の寸法は前記底広凹溝24の底壁2
7の幅よりも僅かに大きく、該長手両端の対角位置には
緩くカーブした面取り部73が形成されている。更に、
ボルト頭72の底面72aにおける対角の隅には、図示
で左右点対称に変形三錐形の先尖状凸部74が突設され
ている。
【0031】図8(A)に示すように、このボルト71
は、予め前記前記梁8の一端に固定された接続材20の
通し孔に貫通し、その雄ネジ部分71aに座金76を介
してナット78を緩く螺合しておく。次に、ボルト頭7
2を適宜回し、前記通し柱6の開口部25を通じて底広
凹溝24内に嵌装して約90度回した後、ナット78を
更に締付けると、ボルト70全体が図示で左側に引き寄
せられる。この結果、上記先尖状凸部74は開口部25
の両側片26内に喰込んだ状態で、通し柱6と接続材2
0(梁8)とを強固に締結する結合構造70を形成でき
る。
【0032】また、図8(b)に示すボルト81も雄ネジ
部分81aと細長い略平行四辺形のボルト頭82とから
なり、このボルト頭82の幅寸法も前記底広凹溝24の
開口部25の幅寸法よりも僅かに小さい。また、ボルト
頭82の長手方向の寸法は前記底広凹溝24の底壁27
の幅よりも僅かに大きく、該長手両端の対角位置に緩く
カーブした面取り部83が形成されている。更に、ボル
ト頭82の底面82aにおける長手両端の中央には、図
示で左右対称に変形四錐形の先尖状凸部84が突設され
ている。
【0033】図8(B)に示すように、このボルト81も
予め前記梁8の一端に固定された接続材20に貫通さ
れ、その雄ネジ部分81aには座金86を介しナット8
8が緩く螺合している。先ずボルト頭82を適宜回し
て、前記通し柱6の開口部25を通じて底広凹溝24内
に嵌装する。次に、ボルト頭82を約90度回転し、更
にナット88を締付けると、ボルト81全体が図示で左
側に引き寄せられる。この結果、上記先尖状凸部84
は、上記凹溝24の開口部25の両側片26内に喰込ん
だ状態となり、通し柱6と接続材20(梁8)を強固に締
結する結合構造80を形成することができる。
【0034】図9は、更に異なる形態のボルトを用いた
結合構造に関する。図9(a)と(a′)に示すボルト91
も雄ネジ部分91aと細長い略平行四辺形のボルト頭9
2とからなり、このボルト頭92の幅寸法も前記同様に
幅狭である。また、ボルト頭92の長手方向の寸法も前
記同様に大きく、その長手両端の対角位置には緩くカー
ブした面取り部93が形成されている。更に、ボルト頭
92の底面92aにおける図示で左右点対称の各隅部に
変形三錐形の先尖状凸部94と、湾曲し且つ偏平状の凸
部95がそれぞれ一対ずつ突設されている。
【0035】このボルト91も予め、図9(A)に示すよ
うに、前記前記梁8の一端に固定された接続板20に貫
通され、その雄ネジ部分91aに座金96を介しナット
98が緩く螺合する。ボルト頭92を適宜回して、前記
通し柱6の開口部25を通じて底広凹溝24内に嵌装す
る。上記ボルト頭82を約90度回転し、更にナット9
8を締付けると、ボルト91全体が図示で左側に引き寄
せられる。この結果、上記先尖状凸部94及び凸部95
は、上記凹溝24の開口部25の両側片26内に喰込ん
だ状態となり、通し柱6と接続材20(梁8)を強固に締
結する結合構造90を形成することができる。
【0036】図9(b)と(b′)に示すボルト101も、
雄ネジ部分101aと細長い略平行四辺形のボルト頭1
02とからなり、該ボルト頭102の幅寸法も前記と同
様幅狭である。また、ボルト頭102の長手方向の寸法
も前記同様に大きく、その長手両端の対角位置には緩く
カーブした面取り部103が形成されている。更に、ボ
ルト頭102の底面102aにおける長手両端面には、
図示で点対称の各隅部に変形三角錐状で先端に斜め外向
きに突出する喰込部104aを有する先尖状凸部104
と、湾曲し且つ偏平な凸部105が一対ずつそれぞれ突
設されている。図9(B)に示すように、このボルト10
1も予め前記前記梁8の一端に固定された接続材20に
貫通され、その雄ネジ部分101aには座金106を介
しナット108が緩く螺合する。
【0037】先ず、ボルト頭102を前記通し柱6の開
口部25を通じて底広凹溝24内に嵌装し、約90度回
転する。次にナット108を更に締付けると、ボルト1
01全体が図示で左側に引き寄せられ、上記先尖状凸部
104及び凸部105は上記凹溝24の開口部25の両
側片26内に喰込んで、通し柱6と接続材20(梁8)を
強固に締結する結合構造100を形成できる。尚、上記
凸部104(104a)を図9(b′)でボルト101の中
心に対しそれぞれ点対称に形成すると、一層強固な結合
とすることができる。また、締結後に外力でボルト10
1が単独に又はナット108と共に緩む方向(図9
(b′)で時計回り)の回転力を受けた場合、その当初に
て先尖状凸部104の喰込部104aが底広凹溝24の
両側壁28に喰込んでいる。従って、ボルト101はそ
れ以上緩まず接続材20(梁8)を確実に支えることがで
きる。
【0038】図10は、更に別形態のボルトを用いた結
合構造に関する。図10(a)及び(a′)に示すボルト1
11も、雄ネジ部分111aと細長い略平行四辺形のボ
ルト頭112からなり、該ボルト頭112の幅寸法も前
記同様に幅狭である。また、ボルト頭112の長手方向
の寸法も前記同様に大きく、その長手両端の対角位置に
は鋭角の角部113が形成されている。更に、上記ボル
ト頭112の底面112aにおける長手両端寄りには、
図示で上下対称の位置に断面三角形で湾曲した先尖状凸
条114が一対突設されている。
【0039】図10(A)に示すように、このボルト11
1も予め前記前記梁8の一端に固定された接続材20に
貫通し、その雄ネジ部分111aには座金116を介し
てナット118が緩く螺合する。先ず、ボルト頭112
を適宜回して、前記通し柱6の開口部25を通じて底広
凹溝24内に嵌装し、且つ約90度回転する。次に、ナ
ット118を更に締付けると、ボルト111全体が図示
で左側に引き寄せられる。このため、上記先尖状凸条1
14は上記凹溝24の開口部25の両側片26内に曲線
状に喰込んだ状態となって、通し柱6と接続材20(梁
8)を強固に締結する結合構造110を形成することが
できる。
【0040】図10(b)及び(b′)に示すボルト121
も、雄ネジ部分121aと細長いボルト頭122とから
なり、略小判形を呈するボルト頭122の幅寸法も前記
同様に幅狭で、その長手方向の寸法も前記同様に大き
く、その長手両端面の対角位置には斜め外側に鋭角に突
出する略三角柱形の喰込部123が形成されている。更
に、ボルト頭122の底面122aにおける長手両端に
は、図示で上下対称の位置に断面三角形で湾曲した先尖
状凸条124が一対突設されている。図10(B)に示す
ように、このボルト121も予め前記前記梁8の一端に
固定された接続材20を貫通し、その雄ネジ部分121
aには座金126を介しナット128が緩く螺合する。
先ず、ボルト頭122を前記通し柱6の開口部25を通
じて底広凹溝24内に嵌装し、その両端部(124)が当
接するまで回転する。
【0041】次に、ナット128を更に締付けると、ボ
ルト121全体が図示で左側に引き寄せられ、上記先尖
状凸条124は上記凹溝24の開口部25の両側片26
内に曲線状に喰込んだ状態となり、通し柱6と接続材2
0(梁8)を強固に締結する結合構造120を形成するこ
とができる。また、何かの外力によりボルト121が単
独に又はナット128と共に緩む方向(図10(b′)で
時計回り)の回転力を受けた場合、その当初にて喰込部
123の尖った先端が底広凹溝24の両側壁28内に喰
込んでいる。従って、このボルト121はそれ以上緩ま
ず、接続材20(梁8)を確実に支えることができる。
尚、図8〜10に示した結合構造70〜120は、前記
住宅用構造体1、又は同50の各直方体ユニット60や
該ユニット60同士の結合にも適用できる。
【0042】本発明は以上において説明した各形態に限
定されるものではない。例えば図11(A)と(B)に示す
ように、通し柱131(第2の構造材)の中間に対し、左
右から直交する梁(第1の構造材)140を接続材134
を介して結合する結合構造130とすることもできる。
上記通し柱131は断面略H形のアルミ製の押出形材か
らなり、ウェブ132と、その両端に直交する一対のフ
ランジ133とを有する。また、上記梁140は、前記
通し柱6と同様の断面を有する断面略角形のアルミ製の
中空押出形材からなり、各側面(表面)には一対ずつの底
広凹溝142を有すると共に、その四隅付近にはネジ受
け用貫通孔144をそれぞれ形成している。
【0043】先ず、通し柱131を図示しない土台の上
に適宜立設する。通し柱131の各フランジ133の外
側面に、アングル形の接続材134の垂直片135を、
複数のボルト・ナット137により固定する。尚、上記
接続材134の水平片136には、予め前記ボルト31
と同様な先尖状凸部(図示せず)をボルト頭138aに有
するボルト138が複数本貫通し、且つナット139と
緩く螺合している。次に、各接続材134の水平片13
6の上方に、上記梁140の一端を近接させる。この状
態で、各ボルト138を適宜回しその頭138aを梁1
40の下面の底広凹溝142内に嵌装し、且つ約90度
回転する。そして、各ナット139を更に締付けると、
ボルト138全体は図11(A)で下側に引き寄せられ、
その先尖状凸条が上記凹溝142の開口部の両側片内に
喰込んだ状態となる。
【0044】この結果、梁140と接続材134(通し
柱131)を強固に締結する結合構造130が形成でき
る。更に、各梁140のネジ受け用貫通孔144内に、
通し柱131の各フランジ133を貫通するネジ146
を螺入させると、一層強固な結合となる。上記結合構造
130によれば、各ボルト138は梁140の底広凹溝
142内で食込んでいるため、梁140に対し水平方向
の外力が加わっても、当該梁140が通し柱131から
外れるのを確実に防止できる。尚、結合構造130を形
成する際、先に各梁140の一端にボルト138、ナッ
ト139により接続材134を固定し、その後これらを
通し柱131にボルト等137によって図11(A),
(B)のように固定する順序にしても良い。
【0045】また、上記のボルト138に替えて前記ボ
ルト71〜121を用いても良い。更に、上記通し柱1
31のウェブ132を平行に接近する2枚とし、該通し
柱131を中空形材とすることで、捻り応力に対して充
分抵抗することもできる。尚、上記結合構造130を用
いて、前記住宅用構造体1を構成することもできる。ま
た、上記通し柱131を四隅に立設する柱とし、結合構
造130を用いて前記同様の直方体ユニットを形成する
こともでき、且つ前記住宅用構造体50を構成すること
も可能である。
【0046】また、図12(A)及び(B)は接続材を用い
ず、断面がH形の第2の構造材である柱150と第1の
構造材たる梁160を直接結合する結合構造30″を示
す。上記柱150はウェブ152を挟んで1対のフラン
ジ154を有する形鋼又は押出形材からなる。また、梁
160は断面略矩形の中空部166とその上面の長手方
向に沿って一対の底広凹溝164を有する押出形材であ
る。梁160の底広凹溝164内には、図12(B)のよ
うに、予めボルト31の頭32を嵌装し、その開口部1
62からボルト31を柱150のフランジ154に貫通
させ、ナット36と螺着して締付けることにより、梁1
60と柱150を直接に結合する結合構造30″とな
る。この場合、接続材は不要となるが、第1,2の構造材
160,150の結合形態には制限が生じる。尚、前記
各ボルト31,71〜121の材質には、炭素鋼、構造
用鋼、各種のステンレス鋼、又はチタン合金等が適用さ
れる。更に、前記接続材20等やユニット接続材66A
等の材質には、上記に加え各種のアルミ合金も適用され
得る。
【0047】
【発明の効果】以上において説明した本発明の構造材の
結合構造によれば、ボルト・ナットの締付けによる摩擦
力に加えて、ボルト頭の凸部による喰込みが柱等の第1
の構造材に更に働くので、第1の構造材に第2の構造材
を直接、又は接続材を介して第1の構造材に第2の構造
材を所望の位置で強固に結合できる。しかも、少なくと
も第1の構造材をアルミの押出形材としたので、組立も
容易となり、且つ耐久性にも優れたものにできる。ま
た、請求項3の結合構造によれば、ボルトが緩む方向に
回転してもそのボルト頭の喰込部が第1の構造材におけ
る底広凹溝内に食込むため、不用意にボルトが緩んだり
外れず、堅牢で安定した構造材の結合構造にできる。更
に、請求項7又は請求項8の建物用構造体によれば、全
体が軽量で施工し易いと共に、耐食性にも優れるため、
メンテナンスも皆無にすることができる。また、請求項
9の建物用構造体によれば、上記に加えて予め直方体ユ
ニットを工場内で組立てられるので、一層現場作業を迅
速且つ正確に行える。更に、請求項11又は請求項12
の建物用構造体によれば、上記に加えて更に一層完成度
を高めた構造体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建物用構造体の1形態を示す正面図。
【図2】(A)は図1中の一点鎖線部分Aの拡大図、(B)
は(A)中のB−B断面図。
【図3】(A)は図2(B)中における構造材の結合構造を
示す部分断面図、(B)はこれに用いるボルトの斜視図、
(C)は(A)中の一点鎖線部分Cの拡大図。
【図4】本発明の異なる形態の建物用構造体を示す正面
図。
【図5】(A)は図5中の一点鎖線部分Aの拡大図、(B)
は(A)中のB−B断面図。
【図6】(A)は図5(A)と同様な拡大図、(B)は(A)中
のB−B断面図、(b)は(B)中の一点鎖線部分bの拡大
図。
【図7】(A)は図5(A)と同様な拡大図、(B)は(A)中
のB−B断面図。
【図8】(a),(b)は異なる形態のボルトの斜視図、
(A),(B)はこれらを用いた構造材の結合構造を示す部
分断面図。
【図9】(a),(a′)及び(b),(b′)は異なる形態のボ
ルトの斜視図又は底面図、(A),(B)はこれらを用いた
構造材の結合構造を示す部分断面図。
【図10】(a),(a′)及び(b),(b′)は更に異なる形
態のボルトの斜視図又は底面図、(A),(B)はこれらを
用いた構造材の結合構造を示す部分断面図。
【図11】(A)は更に異なる形態の結合構造を示す部分
正面図、(B)は(A)中のB−B断面図。
【図12】(A)は更に別なる形態の結合構造を示す部分
平面図、(B)は(A)中のB−B断面図。
【符号の説明】
1,50………………………………………………住宅用
構造体(建物用構造体) 4………………………………………………………………
…土台 6…………………………………………………………通し
柱,柱(第1の構造材) 8………………………………………………………………
…梁(第2の構造材) 8′……………………………………………………………
…桁(第2の構造材) 9………………………………………………………………
…小梁(梁) 12……………………………………………………………
…間柱 14……………………………………………………………
…窓台 16……………………………………………………………
…まぐさ 18……………………………………………………………
…筋交い 20,56,134……………………………………………
…接続材 24,164…………………………………………………
…底広凹溝 25,162…………………………………………………
…開口部 26……………………………………………………………
…両側片 28……………………………………………………………
…側壁 29,144…………………………………………………
…ネジ受け貫通孔 30,30′,30″,70,80,90,100,110,120,130
…結合構造 31,71,81,91,101,111,121,138…………………
…ボルト 31a,71a,81a,91a,101a,111a,121a…………
…雄ネジ部 32,72,82,92,102,112,122,138a…………………
…ボルト頭 32a,72a,82a,92a,102a,112a,122a…………
…底面 34,74,84,94,104…………………………………
…先尖状凸部(凸部) 36,78,88,98,108,118,128,139…………………
…ナット 60……………………………………………………………
直方体ユニット 66A,66B……………………………………………ユ
ニット接続材(接続材) 95,105…………………………………………………
凸部 104a,123……………………………………………
喰込部 114,124………………………………………………
先尖状凸条(凸部) 131…………………………………………………………
通し柱(第2の構造材) 140…………………………………………………………
梁(第1の構造材) 150…………………………………………………………
柱(第2の構造材) 160…………………………………………………………
梁(第1の構造材)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】(A)は本発明による構造材の結合構造を示す図
2(A)中におけるα−α線の部分断面図、(B)はこれに
用いるボルトの斜視図、(C)は(A)中の一点鎖線部分C
の拡大図。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミニウム合金製の押出形材からなり長
    手方向に沿った底広凹溝を有する第1の構造材と、この
    第1の構造材に直接又は接続材を介して配置される第2
    の構造材と、この第2の構造材又は上記接続材を貫通す
    るボルトであって、そのボルト頭が上記第1の構造材に
    おける底広凹溝の開口部の幅寸法よりも小さい幅寸法を
    有し、且つ該ボルト頭の長手方向の両端部寄りにおける
    底面に凸部を有すると共に、 上記ボルト頭を上記第1の構造材の底広凹溝内に嵌装し
    且つ回転して該ボルト頭の長手両端部を該底広凹溝の両
    側壁に当接させ、上記ボルトの雄ネジ部にナットを螺着
    することにより、上記ボルト頭の各凸部を上記底広凹溝
    における開口部の両側片内にそれぞれ喰込ませるように
    した、 ことを特徴とする構造材の結合構造。
  2. 【請求項2】前記ボルトのボルト頭の底面に設けた凸部
    が、互いに略対称な位置に立設する複数の円錐、多角
    錐、又は凸条である、 ことを特徴とする請求項1に記載の構造材の結合構造。
  3. 【請求項3】前記ボルトが、そのボルト頭の長手両端面
    に前記第1の構造材における底広凹溝の両側壁に喰込み
    可能な喰込部を更に併設している、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の構造材の結合
    構造。
  4. 【請求項4】前記第1の構造材が断面略角形の中空押出
    形材であり、且つその何れかの表面に前記底広凹溝の開
    口部が形成されている、 ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の構造
    材の結合構造。
  5. 【請求項5】前記第1の構造材が、その長手方向に沿っ
    て複数のネジ受け用貫通孔を併設している、 ことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の構造
    材の結合構造。
  6. 【請求項6】前記第2の構造材が、略H形又は略角形の
    断面を有するアルミニウム合金製の押出形材である、 ことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の構造
    材の結合構造。
  7. 【請求項7】前記請求項1乃至6に記載の第1の構造材
    が通し柱又は柱であり、且つ前記第2の構造材が梁又は
    桁である、ことを特徴とする建物用構造体。
  8. 【請求項8】前記第1の構造材が互いに並行な複数の通
    し柱又は柱であり、互いに平行な通し柱又は柱間に前記
    第2の構造材たる梁又は桁が結合されている、ことを特
    徴とする請求項7に記載の建物用構造体。
  9. 【請求項9】前記請求項1乃至6に記載の第1の構造材
    が四隅に立設した柱であり、且つ各柱間の上下に前記請
    求項1乃至7に記載の第2の構造材をそれぞれ並行に結
    合し全体が直方体ユニットとなる、ことを特徴とする建
    物用構造体。
  10. 【請求項10】前記第2の構造材又はその一部が土台で
    あるか、又は土台を兼ねる、ことを特徴とする請求項7
    乃至9の何れかに記載の建物用構造体。
  11. 【請求項11】前記第2の構造材同士である互いに並行
    な梁又は桁の間に、更に間柱、及び/又は、筋交いを固
    定した、 ことを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の建
    物用構造体。
  12. 【請求項12】前記第1の構造材である互いに並行な複
    数の通し柱、柱、又は前記間柱の何れか間に、水平にま
    ぐさ又は窓台を固定した、 ことを特徴とする請求項7乃至11の何れかに記載の建
    物用構造体。
  13. 【請求項13】前記間柱、筋交い、まぐさ、又は窓台
    が、アルミニウム合金製の押出形材又は板材である、 ことを特徴とする請求項7乃至12の何れかに記載の建
    物用構造体。
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