JPH0645366A - 電界効果トランジスタ - Google Patents

電界効果トランジスタ

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JPH0645366A
JPH0645366A JP3060636A JP6063691A JPH0645366A JP H0645366 A JPH0645366 A JP H0645366A JP 3060636 A JP3060636 A JP 3060636A JP 6063691 A JP6063691 A JP 6063691A JP H0645366 A JPH0645366 A JP H0645366A
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electron supply
gaas
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semiconductor layer
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Takuji Sonoda
▲琢▼二 園田
Shinichi Sakamoto
晋一 坂本
Nobuyuki Kasai
信之 笠井
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    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L29/00Semiconductor devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching and having potential barriers; Capacitors or resistors having potential barriers, e.g. a PN-junction depletion layer or carrier concentration layer; Details of semiconductor bodies or of electrodes thereof ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/66Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor
    • H01L29/68Types of semiconductor device ; Multistep manufacturing processes therefor controllable by only the electric current supplied, or only the electric potential applied, to an electrode which does not carry the current to be rectified, amplified or switched
    • H01L29/76Unipolar devices, e.g. field effect transistors
    • H01L29/772Field effect transistors
    • H01L29/778Field effect transistors with two-dimensional charge carrier gas channel, e.g. HEMT ; with two-dimensional charge-carrier layer formed at a heterojunction interface
    • H01L29/7782Field effect transistors with two-dimensional charge carrier gas channel, e.g. HEMT ; with two-dimensional charge-carrier layer formed at a heterojunction interface with confinement of carriers by at least two heterojunctions, e.g. DHHEMT, quantum well HEMT, DHMODFET
    • H01L29/7783Field effect transistors with two-dimensional charge carrier gas channel, e.g. HEMT ; with two-dimensional charge-carrier layer formed at a heterojunction interface with confinement of carriers by at least two heterojunctions, e.g. DHHEMT, quantum well HEMT, DHMODFET using III-V semiconductor material

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電力FETの電力と利得とを向上させる。 【構成】 深い順位を殆ど無視できる上にドープされた
第1の半導体層からなる少なくとも1つの電子供給層28
と、この電子供給層28よりも電子親和力の大きいノンド
ープの第2の半導体層からなる少なくとも1つのチャン
ネル層26と、によって構成された少なくとも1つのヘテ
ロ接合を有するヘテロ接合構造24と、このヘテロ接合
24上に設けられ、電子供給層28と同じ導電型にドープ
された第3の半導体層32と、この第3の半導体層32上に
設けられたゲート電極36、ソース電極38及びドレイン電
極40とを、具備し、第3の半導体層32のドープ量を電子
供給層28よりも小さくしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界効果トランジスタ
に関し、特に電力電界効果トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波帯の電力増幅器として
は、進行波管が使用されていたが、これに代えて、近
年、化合物半導体GaAsを用いたMESFETが注目
されている。このようなMESFETを進行波管に代え
て使用するためには、その電力、利得の向上を図る必要
がある。このようなMESFETの一例を図5に示す。
このMESFETは、半絶縁性GaAs基板1上にn型
不純物がドープされた動作層となるGaAs層2を形成
し、この動作層2に間隔をおいてドレイン電極3とソー
ス電極4とを設け、これらの間にリセス5を設け、この
リセス5内に金属製のゲート電極6を設けたものであ
る。
【0003】このようなMESFETの最大電力は、そ
の最大チャンネル電流Ifと、破壊耐圧電圧Vb(ゲー
ト電極6とドレイン電極3との間に印加することができ
る最大逆方向電圧)との積によって決定される。If
は、 If=q・Vs・Nd・Z・a(1−Pm)・・・(1) で求められる(Hatukai Fukui“Channel Current Limita
ions in GaAs MESFETS”Solid-state Electonics Vol.2
2 P507-515参照) 。ここで、qは素電荷、Vsは飽和速
度、Ndは単位体積当たりの電荷量であるド−ピング濃
度、Zはゲート幅、aはゲート電極6の直下のGaAs
層2の厚さ(第5図参照)、Pmはゲートのドレイン側
端部における最小減少電位である。上式から明らかなよ
うにIfは厚さaと、動作層2のドーピング濃度Nd
と、動作層2のキャリアの飽和速度Vsとの積に比例す
る。一方、VBは、逆にNdとaの積、即ち単位面積当
たりの電荷量に反比例する。(WILLIAM R.FRENSLEY“Po
wer-Limiting Breakdown Effects in GaAs MESFET’s”
IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES. Vol.ED-2 N
O.8 August 1981 p962-970参照) 。従って、飽和速度V
sを増加させても、Ndとaの積を増加させることな
く、即ち破壊耐圧VBを増加させることなく、最大チャ
ンネル電流Ifを増加させることができる。
【0004】また、利得を向上させるには遮断周波数f
T を向上させる必要がある。遮断周波数fT は、飽和速
度Vsに比例し、ゲート長Lに反比例することが知られ
ている。即ち、遮断周波数fT は、電流増幅率が1とな
る周波数であるから、遮断周波数fT において、ゲート
とソース間の容量Cgsを流れる電流は、ゲート・ソース
間電圧をVi とすると、ωCgsi で表され、これとド
レインを流れる電流gmVi とが等しくなる。但し、g
mは相互コンダクタンスである。従って、遮断周波数f
T は、fT =gm/2πCgsで表される。ここで、詳細
は省略するが、gmはεZVs/Wで表される。但し、
εは動作層2の誘電率、Zはゲート幅、Wは動作層2の
空乏層の厚さである。また、CgsはεLZ/Wで表され
る。従って、fT =gm/2πCgsに、上記gm、Cgs
の値を代入すると、遮断周波数fT は、飽和速度Vsに
比例し、ゲート長Lに反比例するとの関係が得られる。
【0005】以上の理由により、必要とされるVBに要
求されるNd・a積の条件下で、飽和速度Vsを向上さ
せることは、電力及び利得を同時に増大させる有効な方
法である。飽和速度Vsを向上させるには、図4に示す
ようなHEMTを用いることが有効な方法である。これ
は、半絶縁性GaAs基板7上にノンドープGaAsチ
ャンネル層8、高濃度にドープされたN−Alx Ga
1-x As電子供給層9を積層し、MESFETと同様に
リセス10、ゲート電極11、ドレイン電極12、ソー
ス電極13を設けてある。無論、電子供給層9よりもチ
ャンネル層8の方が電子親和力は大きく、電子供給層9
とチャンネル層8との界面にヘテロ接合が形成されてい
る。そして、チャンネル層8と電子供給層9との接合部
に飽和速度Vsの大きい2次元電子ガスの層14が形成
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】HEMTにおいて、ヘ
テロ接合に形成される最大二次元キャリアNs、即ち単
位面積当たりの電荷量は、 Ns=〔2εN(ΔEc−Ef)/q〕1/2 ・・・(2) で表される。ここで、εはチャンネル層8の誘電率、N
はN−Alx Ga1-x As電子供給層9の自由電子濃
度、ΔEcは伝導体オフセット、Efはフェルミ順位、
qは電荷量である。通常、電子供給層9には、xを0.
3とし、不純物としてシリコンSiを用いたSiドープ
N−Al0.3 Ga0.7 Asを用いることが多いが、この
場合、NはSiのドーピングレベルに対し単調に増加し
ない。これは、SiドープN−Al0.3 Ga0.7 As中
では、DXセンターと呼ばれる深い順位が形成されるた
めで、N≒1×1018cm-3が上限であり、そのため最
大二次元キャリアNsは、上式にε、ΔEc、Ef、q
にそれぞれ値を代入すると、約1×1012cm-2とな
る。なお、ε=8.85×10-14 ×12.5、ΔEc
=0.2244eV、Ef≒0.1eV、q=1.6×
10-19 である。ΔEcは、Al0.3 Ga0.7 Asのエ
ネルギーギャップを1.798eV、GaAsのエネル
ギーギャップを1.424eVとし、両者の差に0.6
を乗算した値を採用している。ここで、飽和速度Vsを
2×107 cm/秒とすると、最大チャンネル電流If
は、(1)式の単位面積当たりの電荷量Nd・aの代わ
りに単位面積当たりの電荷量であるNsを用い、HEM
Tであるので、二次元電子ガス層14には空乏層が形成
されず、aPmの項が省略され、 If=q・Vs・Ns・Z・・・(3) で表される。これにq=1.6×10-19 (c)、Vs
=2×107 (cm/秒)、Ns=1×1012(c
-2)、Z=0.1(mm)を代入すると、0.32A
/mmとなる。一方、多段のゲートのリセスを有するG
aAsMESFETの破壊耐圧VBを25V以上とする
ときには、Nd・a積を2.4×1012charge/
cm2 とする必要があることが知られており、この場合
のIfは(1)式より400mA/mmとなる。但し、
Z=0.1とする。従って、HEMTのIfは、MES
FETのIfより小さくなる。
【0007】また、HEMTの破壊耐圧Vbも、MES
FETと同様に、電子供給層9内の単位面積当たりの電
荷量、即ち電子供給層9のドーピング濃度Ndと、その
厚みaとの積に反比例する。最大二次元キャリアNsを
約1×1012cm-2とするためには、シリコンのドーピ
ング量を4×1018cm-3とし、厚みaを350Åとす
る必要がある。即ち、Nsを約1×1012cm-2とする
ための自由電子濃度Nは、(2)より、 N=qεNs2 /2ε(ΔEc−Ef) となり、q、ε、Ns、ΔEc、Efに上述した値を代
入すると、Nは5.83×1017cm-3となる。N−A
x Ga1-x Asの自由電子濃度Nは、深い順位が形成
されるので、シリコンのドーピングレベルに対してx=
0.3で約10乃至20%となり、シリコンのドーピン
グレベルに対して15%とすると、シリコンのドーピン
グ量Ndは5.83×1017/0.15≒4×1018
-3となる。また二次元キャリアNsは、これを供給す
るための電子供給層9の厚みdと自由電子濃度Nとの積
によって定まるので、dはNs/N=1×1012/5.
83×1017≒172Åとなる。また、ゲート電極11
は金属製であるので、電子供給層9には空乏層が形成さ
れる。この空乏層の厚みWは、ゲートバイアスが0Vの
状態で W=(2εVb/qN)-1/2 で求められる。ここで、Vbは内部電位で、この場合
0.92Vであり、Wは178Åとなる。従って、電子
供給層の厚さaは、d+Wの350Åとなる。
【0008】このようにHEMTのドーピング濃度Nd
が4×1018cm-3で、電子供給層9の厚さaが350
Åであるので、Nd・aは14×1012cm-2となり、
通常のGaAsMESFETのNa積2.4×1012
りも格段に小さくなり、耐圧VBは、4乃至5Vと非常
に小さくなる。即ち、HEMTは、飽和速度Vsを速く
できるので、遮断周波数fT が高く、利得の向上は期待
できるが、Ifが小さく、かつ破壊耐圧Vbが小さいの
で電力を向上させることが困難である。
【0009】即ち、従来のN−AlGaAs/GaAs
のHEMTでは、飽和速度Vsを向上させることができ
るが、N−AlGaAsの自由電子濃度に上限があり、
それにより最大チャンネル電流Ifを大きくできない上
に、破壊耐圧がMESFETの半分以下であるという問
題点があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決するためになされたもので、深い順位を殆ど無視
できる上にドープされた第1の半導体層からなる少なく
とも1つの電子供給層と、この第1の半導体層よりも電
子親和力の大きいノンドープの第2の半導体層からなる
少なくとも1つのチャンネル層と、によって構成された
少なくとも1つのヘテロ接合を有するヘテロ接合構体
と、このヘテロ接合構体上に設けられ上記電子供給層と
同じ導電型にドープされた第3の半導体層と、この第3
の半導体層上に設けられたゲート電極、ソース電極及び
ドレイン電極とを、具備し、第3の半導体層のドープ量
を上記電子供給層よりも小さくしたものである。上記電
子供給層としてはGaAsを、上記チャンネル層として
はInGaAsを、第3の半導体層としてGaAsを使
用することができ、また上記電子供給層としてAlGa
Asを、上記チャンネル層としてInGaAsを、第3
の半導体層としてGaAsを使用することができる。ま
た、上記ヘテロ接合構体は、上記電子供給層の両側にそ
れぞれヘテロ接合を形成するように上記電子供給層の両
側にそれぞれチャンネル層を設けたものとすることがで
き、また上記ヘテロ接合構体は、ヘテロ接合を形成して
いる電子供給層とチャンネル層との対を複数対有するも
のとすることもできる。
【0011】
【作用】本発明によれば、ヘテロ接合構体の電子供給層
とチャンネル層との界面に二次元電子ガス層が形成され
る。そして、ゲート電極とソース電極との間にゲート電
圧を印加すると、この二次元ガスが制御されて、ソース
電極とゲート電極との間に電流が流れる。また、第3の
半導体層内において、ソース電極とゲート電極との間を
電流を流れる。従って、Ifが増加する。そして、電子
供給層の部分のみ高濃度にドープし、第3の半導体層の
部分を低濃度にドープしているので、破壊耐圧を大きく
できる。
【0012】
【実施例】図1に本発明の1実施例を示す。この電力F
ETは、半絶縁性基板、例えばGaAs基板20を有
し、この基板は例えば厚さが30乃至50μmのもので
ある。このGaAs基板20上には、バッファ層、例え
ばノンドープGaAs層22が形成されている。このノ
ンドープGaAs層22は、例えば1μmの厚さに形成
されている。
【0013】このノンドープGaAs層22上に、ヘテ
ロ接合構体24が形成されている。このヘテロ接合構体
24は、第1の半導体層、例えば電子供給層28と、こ
れの下側に設けられた第2の半導体層、例えばチャンネ
ル層26とからなり、このチャンネル層26は、ノンド
ープGaAs層22上に設けられている。このチャンネ
ル層26と電子供給層28との界面には、ヘテロ接合が
形成されている。その結果、この接合面に二次元電子ガ
ス層30が形成される。このチャンネル層26として
は、飽和速度VsがGaAsよりも大きいので、ノンド
ープのInx Ga1-Asが用いられている。また、電子
供給層28には、Inx Ga1-Asよりも電子親和力が
小さく、かつ深い不純物順位が少なく、これに例えば不
純物としてシリコンをドープした際に、そのドーピング
濃度Ndと、キャリア濃度Nがほぼ一致するので、Ga
Asを用いている。Inx Ga1-Asの飽和速度Vs
は、そのInの組成比xに依存し、xと共に増加する。
GaAsとInx Ga1-x Asとは、格子整合ができな
いので、格子不整合による転位が発生する臨界膜厚より
も小さい厚さにチャンネル層26の厚さを制限する必要
がある。臨界膜厚はxの増大と共に減少し、チャンネル
としてx=15%、厚さが150ÅがGaAsとのヘテ
ロ接合に対し最適とされている。従って、この実施例で
は、チャンネル層26の厚さを150Åとしている。ま
た、GaAsのキャリア濃度Nを1.5×1018cm-3
とした場合、電子供給層28の厚さdは、二次元電子濃
度Nsと、キャリア濃度Nとの比Ns/Nで求められ、
後述するようにNsを0.888×1012cm-2と選択
しているので、厚さdは計算上約60Åで充分である。
しかし、後述するように、この電子供給層26はMBE
等によって製造されるので、その際に生じるロスを見越
して、約100Åの厚さとされている。
【0014】このヘテロ接合構体24の電子供給層28
上には、第3の半導体層、例えばN- ショットキーゲー
ト空乏層用GaAs層32が形成されている。このGa
As層32の中央には、公知の多段リセス34が形成さ
れ、このリセス34内に金属製のゲート電極36が設け
られ、このゲート電極36の両側にソース電極38及び
ドレイン電極40が形成されている。なお、ゲート電極
36のゲート長は例えば0.5μmである。
【0015】ショットキーゲート空乏層用GaAs層3
2のドーピング量Ndは、GaAs層であるので、上述
したように、キャリア濃度Nとほぼ等しく、0.5乃至
0.8×1017cm-3の範囲、例えば0.8×1017
-3に選択されている。また、そのゲート電極36の直
下の厚みaは0.11μmに選択されている。これは、
ゲートバイアスが0Vのとき、この厚みa全体が空乏層
となるようにするためで、ゲートバイアス0Vでの空乏
層の厚みWは、上述したように(2εVb/qNd)
1/2 で得られ、ε=8.85×10-14 ×12.5、内
部電位Vbを0.75V、qを1.6×10-19 とする
と、約0.11μmとなる。従って、aは0.11μm
とされている。なお、これらノンドープGaAs層2
2、チャンネル層26、電子供給層28、ショットキー
ゲート空乏層用GaAs層32は、例えばMBE法によ
り作成され、リセス34はエッチングによって、ゲート
電極36、ソース電極38、ドレイン電極40は、それ
ぞれ例えば蒸着によって形成される。
【0016】このように構成されたFETのGaAs/
In0.15Ga0.85Asでは、GaAsのエネルギーギャ
ップが1.424eVであり、In0.15Ga0.85Asの
エネルギーギャップが1.194eVであるので、両者
のエネルギーギャップの差ΔEgは0.23eVとな
り、ΔEcはΔEgの0.6とみなされるので、0.1
38eVとなる。一方、従来のAl0.3 Ga0.7 As/
GaAsのHEMTでは、Al0.3 Ga0.7 Asのエネ
ルギーギャップが1.798eVで、GaAsのエネル
ギーギャップが1.424eVであるので、両者のエネ
ルギーギャップの差が0.374eVとなり、ΔEcは
これに0.6を掛けて0.2244eVとなる。従っ
て、GaAs/In0.15Ga0.75AsのΔEcは、Al
0.3 Ga0.7As/GaAsの約61.5%となり、同
一キャリア濃度では、GaAs/In0.15Ga0.85As
の方が二次元電子濃度Nsが減少する。
【0017】しかし、In0.15Ga0.85Asの飽和速度
Vsは、約2.4×107 cm/秒であり、Al0.3
0.7 Asの飽和速度Vsの約2.0×107 cm/秒
よりも約20%増加するので、電子供給層28のGaA
sのキャリア濃度、厚さを上述したように1.5×10
18cm-3、100Åとすると、二次元電子濃度Nsは、
フェルミ順位を0.1eVとすると、 Ns=〔2εN(ΔEc−Ef)/q〕1/2 =(2×8.85×10-14 ×12.5×1.5 ×1018×0.038/1.6 ×10-19)1/2 =0.888 ×10 12 となる。一方、従来のAl0.3 Ga0.7 As/GaAs
のHEMTの二次元電子濃度は、上述したように1.0 ×
1012であるので、この実施例の二次元電子濃度Nsは従
来のHEMTの約89%に減少する。 しかし、最大チャ
ンネル電流Ifは式(3)により、この実施例の場合、
ゲート幅Zを従来のものと同様に0.1とすると、34
2mA/mmとなり、従来のHEMTの場合の320m
A/mmよりも約7%増加する。
【0018】一方、ショットキーゲート空乏層用GaA
s層32におけるゲート順バイアス時の最大電流If
は、式(1)によって求められる。ここで、aは上述し
たように0.11μmであり、Pmは、上記Fukui 文献
に示されているように Pm≒0.94(EcL/Wp)1/2 で求められる。ここで、Ecは臨界電界、Lはゲート
長、Wpは全ゲートピンチオフ電圧である。なお、Wp
は0バイアス時を基準とするので、障壁電圧に等しく、
例えば0.75Vであり、飽和速度Vsを1.4×10
7 cm/秒、Ecは上記Fukui 文献に示されているよう
に0.29とすると、Pmは0.397となる。従っ
て、式(1)により、Ifは119mA/mmとなる。
よって、ドレイン、ソース間を流れる最大チャンネル電
流は、461mA/mm(342mA/mm+119m
A/mm)となり、通常のGaAsのMESFETの最
大チャンネル電流400mA/mmよりも大きい。な
お、この場合の順バイアス電圧は例えば1.5Vであ
る。
【0019】しかも、この場合の単位面積当たりの電荷
量は、1.5 ×1018cm-3×1 ×10-6cm+0.8 ×1017
cm-3×1.1 ×10-5cm=2.38×1012charge/cm2
となり、上述した2.4 ×1012 charge/cm2以下であり、
破壊耐圧VBも25V前後の値が得られる。
【0020】図2は、従来のGaAsのMESFET
と、この実施例のFETの最大チャンネル電流If、破
壊耐圧VB、相互コンダクタンスgmの比較である。従
来のGaAsでは、Ifが400mA/mm、Vbが2
7V、最大gmが24ms(VDS=3V)であるのに対
し、この実施例のFETでは、Vbが25V、Ifが4
60mA/mm、gmが33.2ms(VDS=3V)と
破壊耐圧VBを劣化させることなく、If、gmを向上
させることができる。gmは上述したように、gmはε
ZVs/Wで表されるので、この実施例では、飽和速度
Vsが速くなっているので、gmも向上している。
【0021】図3は、本発明による構造を用いた全ゲー
ト幅10.5mmの内部整合型FETと従来構造の同一
ゲート幅の内部整合型FETとの、14.25GHzで
の高周波特性の比較を示したもので、本発明によるFE
Tの飽和出力(Psat)、直線利得(GLP)共に1d
B向上している。
【0022】上記の実施例では、電子供給層28として
GaAs層を用いたが、これに代えてAlX Ga1-X
s(0<x≦0.2)を使用してもよい。また、上記の
実施例では、ヘテロ接合構体24として電子供給層28
の下側にチャンネル層26を1層だけ設けたものを示し
たが、電子供給層28の上下にそれぞれヘテロ接合を形
成するように電子供給層28の上下に1層ずつチャンネ
ル層26を設けてもよい。無論、電子供給層28として
AlX Ga1-X As(0<x≦0.2)を使用した場合
も同様である。また、上記の実施例では、ヘテロ接合構
体24として電子供給層28の下側にチャンネル層26
を1層だけ設けたものを示したが、このように対にした
ものを複数対設けてもよい。無論、電子供給層28とし
てAlXGa1-X As(0<x≦0.2)を使用した場合
も同様である。但し、この場合には、各電子供給層にお
ける単位面積当たりの電荷量の合計値と、ショットキー
ゲート空乏層用GaAs層32における単位面積当たり
の電荷量との加算値が、上述した2.4×1012char
ge/cm2以下となるように、各電子供給層の厚さとドーピ
ング濃度とを選択する必要がある。無論、この場合で
も、電子供給層28としてAlX Ga1-X As(0<x
≦0.2)を使用することができる。また、ショットキ
ーゲート空乏層用GaAs層32を第3の半導体層とし
て使用したが、これに代えてInx Ga 1-xAs(x>
0)層を使用することもできる。
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明によるFETで
は、電子供給層として深い順位を殆ど無視できる材料を
用いることによって、同一不純物ドープ量に対する二次
元キャリアを増加させ、かつ電子供給層のみを高濃度に
ドープし、ショットキーゲート電極によって空乏化する
第3の半導体層は低濃度にドープしているので、全イオ
ン化不純物濃度を減少することができ、破壊耐圧を向上
させることができる。また飽和速度の大きい二次元電子
と、第3の半導体層を移動するキャリアとの両者の和が
チャンネル電流となるので、最大チャンネル電流を大き
くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるFETの1実施例の縦断面図であ
る。
【図2】同実施例と従来のGaAsMESFETとの直
流特性図である
【図3】同実施例と従来のGaasMESFETとの高
周波特性図である。
【図4】従来のN−AlGaAs/GaAsHEMTの
縦断面図である。
【図5】従来のGaAsMESFETの縦断面図であ
る。
【符号の説明】
24 ヘテロ接合構体 26 チャンネル層(第2の半導体層) 28 電子供給層(第1の半導体層) 32 N- ショットキーゲート空乏層用GaAs層(第
3の半導体層) 36 ゲート電極 38 ソース電極 40 ドレイン電極
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】このようなMESFETの最大電力は、そ
の最大チャンネル電流Ifと、破壊耐圧電圧VB(ゲー
ト電極6とドレイン電極3との間に印加することができ
る最大逆方向電圧)との積によって決定される。If
は、 If=q・Vs・Nd・Z・a(1−Pm)・・・(1) で求められる(Hatuaki Fukui ■Channel Current Limit
aions in GaAs MESFETS■ Solid-state Electonics Vo
l.22 P507-515参照) 。ここで、qは素電荷、Vsは飽
和速度、Ndは単位体積当たりの電荷量であるド−ピン
グ濃度、Zはゲート幅、aはゲート電極6の直下のGa
As層2の厚さ(第5図参照)、Pmはゲートのドレイ
ン側端部における最小減少電位によるチャンネル開口度
である。上式から明らかなようにIfは厚さaと、動作
層2のドーピング濃度Ndと、動作層2のキャリアの飽
和速度Vsとの積に比例する。一方、VBは、逆にNd
とaの積、即ち単位面積当たりの電荷量に反比例する。
(WILLIAM R.FRENSLEY■Power-Limiting Breakdown Eff
ects in GaAs MESFET■s■ IEEE TRANSACTIONS ON ELEC
TRON DEVICES. Vol.ED-28 NO.8 August 1981 p962-970
参照) 。従って、飽和速度Vsを増加させても、Ndと
aの積を増加させることなく、即ち破壊耐圧VBを減少
させることなく、最大チャンネル電流Ifを増加させる
ことができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】HEMTにおいて、ヘ
テロ接合に形成される最大二次元キャリアNs、即ち単
位面積当たりの電荷量は、 Ns=〔2εN(ΔEc−Ef)/q〕1/2 ・・・(2) で表される。ここで、εはチャンネル層8の誘電率、N
はN−Alx Ga1-x As電子供給層9の自由電子濃
度、ΔEcは界面の伝導体の不連続性エネルギー差、
fはフェルミ順位、qは電荷量である。通常、電子供給
層9には、xを0.3とし、不純物としてシリコンSi
を用いたSiドープN−Al0.3 Ga0.7 Asを用いる
ことが多いが、この場合、NはSiのドーピングレベル
に対し単調に増加しない。これは、SiドープN−Al
0.3 Ga0.7 As中では、DXセンターと呼ばれる深い
順位が形成されるためで、N≒1×1018cm-3が上限
であり、そのため最大二次元キャリアNsは、上式に
ε、ΔEc、Ef、qにそれぞれ値を代入すると、約1
×1012cm-2となる。なお、ε=8.85×10-14
×12.5、ΔEc=0.2244eV、Ef≒0.1
eV、q=1.6×10-1 9 である。ΔEcは、Al
0.3 Ga0.7 Asのエネルギーギャップを1.798e
V、GaAsのエネルギーギャップを1.424eVと
し、両者の差に0.6を乗算した値を採用している。こ
こで、飽和速度Vsを2×107 cm/秒とすると、最
大チャンネル電流Ifは、(1)式の単位面積当たりの
電荷量Nd・aの代わりに単位面積当たりの電荷量であ
るNsを用い、HEMTであるので、二次元電子ガス層
14には空乏層が形成されず、aPmの項が省略され、 If=q・Vs・Ns・Z・・・(3) で表される。これにq=1.6×10-19 (c)、Vs
=2×107 (cm/秒)、Ns=1×1012(c
-2)、Z=0.1(m)を代入すると、0.32A
/mmとなる。一方、多段のゲートのリセスを有するG
aAsMESFETの破壊耐圧VBを25V以上とする
ときには、Nd・a積を2.4×1012charge/
cm2 とする必要があることが知られており、この場合
のIfは(1)式より400mA/mmとなる。但し、
Z=0.1とする。従って、HEMTのIfは、MES
FETのIfより小さくなる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】また、HEMTの破壊耐圧VBも、MES
FETと同様に、電子供給層9内の単位面積当たりの電
荷量、即ち電子供給層9のドーピング濃度Ndと、その
厚みaとの積に反比例する。最大二次元キャリアNsを
約1×1012cm-2とするためには、シリコンのドーピ
ング量を4×1018cm-3とし、厚みaを350Åとす
る必要がある。即ち、Nsを約1×1012cm-2とする
ための自由電子濃度Nは、(2)より、N=qNs2 /2ε(ΔEc−Ef) となり、q、ε、Ns、ΔEc、Efに上述した値を代
入すると、Nは5.83×1017cm-3となる。N−A
x Ga1-x Asの自由電子濃度Nは、深い順位が形成
されるので、シリコンのドーピングレベルに対してx=
0.3で約10乃至20%となり、シリコンのドーピン
グレベルに対して15%とすると、シリコンのドーピン
グ量Ndは5.83×1017/0.15≒4×1018
-3となる。また二次元キャリアNsは、これを供給す
るための電子供給層9の厚みdと自由電子濃度Nとの積
によって定まるので、dはNs/N=1×1012/5.
83×1017≒172Åとなる。また、ゲート電極11
は金属製であるので、電子供給層9には空乏層が形成さ
れる。この空乏層の厚みWは、ゲートバイアスが0Vの
状態でW=(2εVb/qNd)1 / 2 で求められる。ここで、Vbは内部電位で、この場合
0.92Vであり、Wは178Åとなる。従って、電子
供給層の厚さaは、d+Wの350Åとなる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】このようにHEMTのドーピング濃度Nd
が4×1018cm-3で、電子供給層9の厚さaが350
Åであるので、Nd・aは14×1012cm-2となり、
通常のGaAsMESFETのNa積2.4×1012
りも格段に大きくなり、耐圧VBは、4乃至5Vと非常
に小さくなる。即ち、HEMTは、飽和速度Vsを速く
できるので、遮断周波数fT が高く、利得の向上は期待
できるが、Ifが小さく、かつ破壊耐圧VBが小さいの
で電力を向上させることが困難である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決するためになされたもので、深い順位を殆ど無視
できる上にドープされた第1の半導体層からなる少なく
とも1つの電子供給層と、この第1の半導体層よりも電
子親和力の大きいノンドープの第2の半導体層からなる
少なくとも1つのチャンネル層と、によって構成された
少なくとも1つのヘテロ接合を有するヘテロ接合構造
、このヘテロ接合構造上に設けられ上記電子供給層と
同じ導電型にドープされた第3の半導体層と、この第3
の半導体層上に設けられたゲート電極、ソース電極及び
ドレイン電極とを、具備し、第3の半導体層のドープ量
を上記電子供給層よりも小さくしたものである。上記電
子供給層としてはGaAsを、上記チャンネル層として
はInGaAsを、第3の半導体層としてGaAsを使
用することができ、また上記電子供給層としてAlGa
Asを、上記チャンネル層としてInGaAsを、第3
の半導体層としてGaAsを使用することができる。ま
た、上記ヘテロ接合構造は、上記電子供給層の両側にそ
れぞれヘテロ接合を形成するように上記電子供給層の両
側にそれぞれチャンネル層を設けたものとすることがで
き、また上記ヘテロ接合構造は、ヘテロ接合を形成して
いる電子供給層とチャンネル層との対を複数対有するも
のとすることもできる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【作用】本発明によれば、ヘテロ接合構造の電子供給層
とチャンネル層との界面に二次元電子ガス層が形成され
る。そして、ゲート電極とソース電極との間にゲート電
圧を印加すると、この二次元ガスが制御されて、ソース
電極とゲート電極との間に電流が流れる。また、第3の
半導体層内において、ソース電極とドレイン電極との間
を電流を流れる。従って、Ifが増加する。そして、電
子供給層の部分のみ高濃度にドープし、第3の半導体層
の部分を低濃度にドープし、(ドーピング濃度×厚み)
の増加を抑制しているので、破壊耐圧を大きくできる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【実施例】図1に本発明の1実施例を示す。この電力F
ETは、半絶縁性基板、例えばGaAs基板20を有し
ている。このGaAs基板20上には、バッファ層、例
えばノンドープGaAs層22が形成されている。この
ノンドープGaAs層22は、例えば1μmの厚さに形
成されている。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】このノンドープGaAs層22上に、ヘテ
ロ接合構造24が形成されている。このヘテロ接合構造
4は、第1の半導体層、例えば電子供給層28と、こ
れの下側に設けられた第2の半導体層、例えばチャンネ
ル層26とからなり、このチャンネル層26は、ノンド
ープGaAs層22上に設けられている。このチャンネ
ル層26と電子供給層28との界面には、ヘテロ接合が
形成されている。その結果、この接合面に二次元電子ガ
ス層30が形成される。このチャンネル層26として
は、飽和速度VsがGaAsよりも大きいので、ノンド
ープのInx Ga1 - X Asが用いられている。また、電
子供給層28には、Inx Ga1 - X Asよりも電子親和
力が小さく、かつ深い不純物順位が少なく、これに例え
ば不純物としてシリコンをドープした際に、そのドーピ
ング濃度Ndと、キャリア濃度Nがほぼ一致するGaA
sを用いている。Inx Ga1 - X Asの飽和速度Vs
は、そのInの組成比xに依存し、xと共に増加する。
GaAsとInx Ga1-x Asとは、格子整合ができな
いので、格子不整合による転位が発生する臨界膜厚より
も小さい厚さにチャンネル層26の厚さを制限する必要
がある。臨界膜厚はxの増大と共に減少し、チャンネル
としてx=15%、厚さが150ÅがGaAsとのヘテ
ロ接合に対し最適とされている。従って、この実施例で
は、チャンネル層26の厚さを150Åとしている。ま
た、GaAsのキャリア濃度Nを1.5×1018cm-3
とした場合、電子供給層28の厚さdは、二次元電子濃
度Nsと、キャリア濃度Nとの比Ns/Nで求められ、
後述するようにNsを0.888×1012cm-2と選択
しているので、厚さdは計算上約60Åで充分である。
しかし、後述するように、この電子供給層26はMBE
等によって製造されるので、製造裕度を見越して、約1
00Åの厚さとされている。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】このヘテロ接合構造24の電子供給層28
上には、第3の半導体層、例えばN- ショットキーゲー
ト空乏層用GaAs層32が形成されている。このGa
As層32の中央には、公知の多段リセス34が形成さ
れ、このリセス34内に金属製のゲート電極36が設け
られ、このゲート電極36の両側にソース電極38及び
ドレイン電極40が形成されている。なお、ゲート電極
36のゲート長は例えば0.5μmである。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】図2は、ゲート幅をそれぞれ150μmと
した従来のGaAsのMESFETと、この実施例のF
ETの最大チャンネル電流If、破壊耐圧VB、相互コ
ンダクタンスgmの比較である。従来のGaAsでは、
Ifが400mA/mm、VBが27V、最大gmが
60ms/mm(VDS=3V)であるのに対し、この実
施例のFETでは、VBが25V、Ifが460mA/
mm、gmが221ms/mm(VDS=3V)と破壊耐
圧VBを劣化させることなく、If、gmを向上させる
ことができる。gmは上述したように、gmはεZVs
/Wで表されるので、この実施例では、飽和速度Vsが
速くなっているので、gmも向上している。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】上記の実施例では、電子供給層28として
GaAs層を用いたが、これに代えてAlX Ga1-X
s(0<x≦0.2)を使用してもよい。また、上記の
実施例では、ヘテロ接合構造24として電子供給層28
の下側にチャンネル層26を1層だけ設けたものを示し
たが、電子供給層28の上下にそれぞれヘテロ接合を形
成するように電子供給層28の上下に1層ずつチャンネ
ル層26を設けてもよい。無論、電子供給層28として
AlX Ga1-X As(0<x≦0.2)を使用した場合
も同様である。また、上記の実施例では、ヘテロ接合構
造24として電子供給層28の下側にチャンネル層26
を1層だけ設けたものを示したが、このように対にした
ものを複数対設けてもよい。無論、電子供給層28とし
てAlXGa1-X As(0<x≦0.2)を使用した場
合も同様である。但し、この場合には、各電子供給層に
おける単位面積当たりの電荷量の合計値と、ショットキ
ーゲート空乏層用GaAs層32における単位面積当た
りの電荷量との加算値が、上述した2.4×1012ch
arge/cm2以下となるように、各電子供給層の厚さとドー
ピング濃度とを選択する必要がある。無論、この場合で
も、電子供給層28としてAlX Ga1-X As(0<x
≦0.2)を使用することができる。また、ショットキ
ーゲート空乏層用GaAs層32を第3の半導体層とし
て使用したが、これに代えてInx Ga 1-xAs(x>
0)層を使用することもできる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 24 ヘテロ接合構造 26 チャンネル層(第2の半導体層) 28 電子供給層(第1の半導体層) 32 N- ショットキーゲート空乏層用GaAs層(第
3の半導体層) 36 ゲート電極 38 ソース電極 40 ドレイン電極
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 深い順位を殆ど無視できる上にドープさ
    れた第1の半導体層からなる少なくとも1つの電子供給
    層と、この第1の半導体層よりも電子親和力の大きいノ
    ンドープの第2の半導体層からなる少なくとも1つのチ
    ャンネル層と、によって構成された少なくとも1つのヘ
    テロ接合を有するヘテロ接合構体と、このヘテロ接合構
    体上に設けられ上記電子供給層と同じ導電型にドープさ
    れた第3の半導体層と、この第3の半導体層上に設けら
    れたゲート電極、ソース電極及びドレイン電極とを、具
    備し、第3の半導体層のドープ量を上記電子供給層より
    も小さくしたことを特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電界効果トランジスタに
    おいて、上記電子供給層がGaAs、上記チャンネル層
    がInGaAs、第3の半導体層がGaAsであること
    を特徴とする電界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電界効果トランジスタに
    おいて、上記電子供給層がAlGaAs、上記チャンネ
    ル層がInGaAs、第3の半導体層がGaAsである
    ことを特徴とする電界効果トランジスタ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電界効果トランジスタに
    おいて、上記ヘテロ接合構体が、上記電子供給層の両側
    にそれぞれヘテロ接合を形成するように上記電子供給層
    の両側にそれぞれチャンネル層を設けたものであること
    を特徴とする電界効果トランジスタ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の電界効果トランジスタに
    おいて、上記ヘテロ接合構体が、ヘテロ接合を形成して
    いる電子供給層とチャンネル層との対を複数対有するこ
    とを特徴とする電界効果トランジスタ。
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