JPH0644979Y2 - サイデイングボ−ドの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は建物の外壁面を構成するサイディングボードの
取付構造に関する。

＜従来の技術＞ 建物の外壁面に取付けられる金属性のサイディングボー
ド、特に横長尺状のサイディングボードを複数枚下見張
りするものにおいては、先ず外壁面最下段にスタータ金
具を定着し、最下段のサイディングボードを取付ける。
このスタータ金具に対し、サイディングボードに設けた
係合辺を嵌め込む。そして該サイディングボードに設け
た取付辺を、上段に位置するサイディングボードの下部
に設けた係合辺と係合させる。順次同様にして、上方に
所謂下見張りしてゆく。

そして最上段に位置するサイディングボードにおいて
は、上部の取付辺を直接外壁面に釘打ちし、又は押え材
内に単に挿着させている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 上述の如く、サイディングボードに取付辺を設ける際
に、サイディングボードと外壁面の端部が一致しなけれ
ば、サイディングボード自体を切断したり特別な役物を
用いて納まりよく取付けなければならない。特に後者の
押え材内に挿着させた場合は、外風圧によってサイディ
ングボード自体がバタツキ，暴れを起こさない様止め付
けなければならない。

何れにおいても取付施工が複雑となって能率低下、更に
は取付け後のクレームとして指摘される。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は上記問題点に鑑み案出されたもので、開口部を
有する建物の壁面に、この開口部を除いて長尺状のサイ
ディングボードを複数枚下見張りするものにおいて、前
記壁面の開口部の上辺では、回り縁材内に一対の押え材
を背面対向状態に配置し、その前側の押え材に下辺を切
断して形成したサイデンィングボードの下部を挿入して
係着させたことを特徴とするものである。

＜作用＞ すなわち、開口部の上辺においては背面対向状態に位置
された一対の押え材のうち前側にサイディングボードの
下部に挿入係着することで、後側の押え材により両押え
材が弾性的に係着され、サイディングボードの可動を吸
収する。

＜実施例＞ 以下図面に基づき本考案のサイディングボードの取付構
造を詳細に説明する。

第１図は最上段のサイディングボードの上部を定着する
為の押え材１を示す一部省略斜視図である。この押え材
１は例えば所定の高さを有する長尺状のアルミ材から成
り、基部11の上部12を弾性を有する状態に折返し、この
折返し辺13と基部11との間に空間ｏを形成する。又折返
し辺13の下端を空間ｏ内方向に向けて係止辺14を形成し
たものである。全体に側断面略 状を為している。

尚基部11には、取付自由度を得る為に横長状の釘穴15,1
5が形成されている。

第２図は最上段に取付けられるサイディングボード２を
示す一部省略斜視図である。

通常サイディングボード２はVPC,アルミ材等の薄板材か
ら成り、横長尺状に押圧成型され、又ロールホーミング
加工等によって成型される。斯かるサイディングボード
２は長手方向略二分割した位置に、下表面部21と上表面
部22を形成し、下表面部21の下部には裏面方向に屈曲さ
れた係合辺23が形成され、図示はしないが、上表面部22
の上部には、前記係合辺23と対称に係合辺が形成され
る。この係合辺は上段のサイディングボードの係合辺13
と嵌合する（下見張り工法）。

上記の下見張り工法において外壁面の最上部では、サイ
ディングボードが納まらない場合がある。すなわち最上
段のサイディングボードの上部と最上部とが一致せず、
特にボードの上部が余る場合は上辺の余った分をカッタ
ー等によって切断しなければならない。

この場合は、長手方向適宜幅にサイディングボードを切
起して第２図の如く上部24を形成し、その上部24の近傍
に専用治具を介して切起し辺25,25を突設する。

すなわち外壁面の上部では第３図に示す如く上記押え材
１を、空間ｏを下向きにして定着する。取着手段として
は、釘ｎ等を釘穴15,15…に打ち付ければよい。そして
図例の如く、押え材１の空間ｏ内に上述したサイディン
グボード２の上部24を挿入する。すると切起し片25,25
は折返し辺13を外方に押し拡げて挿入され、完全に挿入
された後に係止辺14の上面が切起し辺25の下面に当接す
る。しかもサイディングボード２の上部24は基部11側に
押圧された状態となる。

尚天井４等が設けられた入隅部では第４図に示す如く押
さえ材１の外側に回り縁材５を配設して見切りをよくす
ることも可能である。

一方、建物開口部ｗの上辺においては、その上辺とサイ
ディングボードの下部とが一致しない場合が生ずる。こ
の際は、前記同様第５図で示す如くサイディングボード
２の下部をカッター等で切断する。この下部では通常ス
ターターが使用できないので回り縁材５内において、第
５図のＸ−Ｘ線矢視断面図である第６図で示す如く、一
対の押え材1a,1bを使用する。すなわちサイデイングボ
ード２の切断近傍には前記とは上下を逆にした切起し片
25,25を上記同様に突設するとともに、回り縁材５内で
は押え材1aと1bを前後に背面対向させ、前側の押え材1a
の空間ｏ内に切起し片25を挿入する。これによりサイデ
ィングボード２の切断部分は押え材1aを介して取付けら
れ、かつ又後方の押え材1bの弾力によって回り縁材５内
の押え材1a,1bはサイディングボード２の揺動等を吸収
し、その結果サイディングボード２自体にバタツキや暴
れが生じない。

＜考案の効果＞ 以上の様に本考案の取付構造は、建物の上端や開口部の
上辺では押え材に対してサイディングボードを単に挿入
すればよく。従って取付施工が簡易、確実となり、かつ
又外風圧による暴れやバタツキが生じない等極めて実用
的効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、押え材を説明する一部省略斜視図、 第２図は、サイディングボードを示す一部省略斜視図、 第３図は、押え材の空間にサイディングボード上部を挿
入する状態を示す側断面概略図、 第４図は、最上段のサイディングボードを取付ける状態
を示す断面概略図、 第５図は、他の実施例を説明する一部省略斜視図、 第６図は、第５図に於けるＸ−Ｘ線矢視断面図である。 １…（1a,1b）押え材,12…上部,14…係止辺， ２…サイディングボード,24…上部,25,25…切起し片， ｗ…開口部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】開口部を有する建物の壁面に、該開口部を
   除いて長尺状のサイディングボードを複数枚下見張りす
   るものにおいて、 前記壁面の開口部の上辺では、回り縁材内に一対の押え
   材を前後背面対向状態に配置し、その前側の押え材に下
   辺を切断して形成したサイデンィングボードの下部を挿
   入して係着させたことを特徴とするサイディングボード
   の取付構造。
2. 【請求項２】前記サイディングボードと押え材とは、サ
   イディングボードに形成された切起し片と押え材の係止
   辺とを掛止させてなることを特徴とする実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のサイディングボードの取付構造。