JPH0644925A - X線イメージ管、およびこれに使用するアルミニウム合金材とその製造方法 - Google Patents
X線イメージ管、およびこれに使用するアルミニウム合金材とその製造方法Info
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- JPH0644925A JPH0644925A JP7163793A JP7163793A JPH0644925A JP H0644925 A JPH0644925 A JP H0644925A JP 7163793 A JP7163793 A JP 7163793A JP 7163793 A JP7163793 A JP 7163793A JP H0644925 A JPH0644925 A JP H0644925A
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Abstract
良好な画像を得ることのできるX線イメージ管を提供す
る。 【構成】 アルミニウム基合金からなる入力窓4を有す
る外囲器と、この外囲器内に入力窓4に対向して配置さ
れ、基板5、この基板5上に形成された入力蛍光体層6
およびこの入力蛍光体層6上に形成された光電面7から
なる入力蛍光体面とを具備し、前記アルミニウム基合金
は、3〜6重量%のMgおよび0.01〜0.5重量%
のZrを含むことを特徴とするX線イメージ管。
Description
影に好適なX線イメージ管、およびこのX線イメージ管
に使用するアルミニウム合金材とその製造方法に関す
る。
おいて被写体のX線透過像を得るために使用される。
窓を構成する材質としては、当然のことながらX線をよ
く透過すること、および、X線の散乱の少ないことが要
求される。
め、入力窓もそれに耐える強度が要求される。更にコス
ト的にも、X線イメージ管を構成する他の部品とのバラ
ンスが求められる。
ては、これまでアルミニウムやチタニウムが用いられて
いる。
断や工業用(例えば非破壊検査)などの分野で広く利用
されている。X線イメージ管は動きのあるX線の像をリ
アルタイムで可視光の像に変換できること、被曝線量が
フイルムを使用したシステムと比較して低減できること
など優れた特徴があり、その応用範囲も広範になってい
る。
診断にX線イメージ管を使用することが検討されてい
る。乳ガンの診断は軟組織の検査であるため、比較的低
いエネルギーのX線、例えば約20KVから40KVの
X線管電圧によって発生したX線が使用される。
紙や樹脂でできた製品の検査にやはり低いエネルギーの
X線の使用が検討されている。
線イメージ管を構成する入力窓のX線に対する透過率が
問題となる。
さ、そしてX線のエネルギーによって決定される。X線
のエネルギーが高いほど透過率は高くなり、窓の厚さが
小さいほど透過率は高い。また一般に原子番号の小さい
元素ほど透過率は高くなる。ところで、X線イメージ管
の入力窓として使用されているアルミニウムやチタニウ
ムのX線の透過率は、図8に示すような値である。図8
において、縦軸はX線透過率(単位は%)、横軸はX線
エネルギー(単位はKV)をそれぞれ示し、点線aがア
ルミニウム(厚さ1mm)、実線bがチタニウム(厚さ
250μm)の場合を示している。
場合、実用上十分なX線の透過率を得るためには、厚さ
は250μm程度に抑える必要がある。この程度の薄い
材料は、管内が真空であるため大気圧との差により、完
成後のX線イメージ管の入力窓部は凹形の外観構造を有
している。また、チタニウム製の入力窓をX線イメージ
管に組み込む際は、入力窓とステンレス製のリングとを
スポット溶接などで接合する。このステンレス製のリン
グは、さらにFe−Ni−Co合金製リングと溶接さ
れ、Fe−Ni−Co合金製リングは、外囲器の一部で
あるガラス容器と接合される。
使用する場合、入力窓はステンレス製のリングと、一定
の温度、一定の圧力の下で溶接される。しかし、アルミ
ニウムは機械的な強度がチタニウムより弱いため、厚さ
は約1mmに、また大気圧に耐えるように入力窓の外面
は凸形の構造にしている。
V程度の低いエネルギーのX線に対してはアルミニウム
の方が透過率は高い。したがって、X線のエネルギーが
低い場合は、入力窓の材料としてはチタニウムよりアル
ミニウムの方が適している。
含まれる不純物の種類や量、さらにその処理条件によっ
て、いろいろな種類があり、また機械的、熱的特性も異
なっている。
ルミニウムの材料は次のように分類される。なお型名
A.A.は、The Aluminium Assoc
iation,Inc.にて制定されたものを指してい
る。
99%以上のアルミ。
強度が低い。
金。ジュラルミン。
金。
し増加させた。
金。
上させた。 A.A.5000番系:Al- Mg系合金。
系合金。
系合金。
工性に劣る。
る材質に必要な条件として、以下のものが挙げられる。
く、X線イメージ管の製造工程の一つである排気工程に
おけるベーキング温度(200℃〜400℃)でも大気
圧に耐える強度を有すること。
いこと。
は、A.A.5000番系か6000番系であり、これ
らの材料が実際に使用されている。
の製造工程の中でステンレス製のリングと接合される。
材とステンレス製のリングとを400℃以上の温度で、
圧力をかけて接合する。この接合は、高い温度と圧力の
もとで、アルミニウム材とステンレスの分子が相互に相
手の中に拡散することによって行われる。このとき、ア
ルミニウム材の温度が高いため、アルミニウム材の内部
で変化が生じる。例えばA.A.6000番系のアルミ
ニウム材の場合、接合する際の高温状態から温度が下降
する過程、そして、250℃付近でのベーキング過程で
Mg2Si系の析出物が生じる。
説明する。
図9(a)に示すようにAl結晶粒が粗大化して粗粒2
1となり、高温からの冷却途中において(特にA.A.
6000番系では)、図9(b)に示すように、結晶粒
界にMg2Si相22が析出する。このMg2Si相2
2の析出物はX線の透過率がアルミニウムと異なる。析
出物とアルミニウムとのX線の透過率の相違は、X線の
エネルギーが50KV以上の場合は、その差が小さく問
題にならない。
のエネルギーが30KV以下になると大きくなる。その
結果、均一なX線が入力窓に入射しても析出物のあると
ころとないところでX線を透過する量が異なる。
材を加工して入力窓にすると、析出物の存在が原因とな
って、X線イメージ管で生成する可視光の像に析出物の
分布に応じた斑(むら)が発生する。
ム材においては、高温状態でアルミニウムの再結晶が起
こり、アルミニウム材の内部でアルミニウムの粗大結晶
粒が生じる。アルミニウムの粗大結晶粒はその周辺のア
ルミニウムと結晶の方位が異なる。
の回折条件が相違し、X線の透過率に差が生じる。この
場合もX線のエネルギーが小さくなると、粗大結晶粒が
ある部分とない部分とで、6000番系のアルミニウム
材の場合と同様にX線の透過率に大きな差が生じる。
と、X線の透過率T1は、 T1=exp(ーμt1) で表わせる。
透過率T2は、 T2=exp(ーμt2) となる。
2=exp[μ(t2ーt1)]となる。
透過係数である。
t1)は正となり、T1/T2>1となる。またμはX
線のエネルギーが小さいと大きくなるので、T1/T2
はX線のエネルギーが小さくなると大きくなる。即ち、
X線のエネルギーが小さいほど透過率の差が大きくな
り、このことがX線イメージ管で生成される可視光の像
に斑(むら)を発生するものと考えられる。
際、わずかなX線の透過率の差も強調されたものにな
る。
粒に起因すると考えられる生成画像の斑(むら)は、今
後、より大きな障害となる可能性が高い。
用いても、斑(むら)のない良好な画像を得ることがで
きるX線イメージ管、およびこれに使用するアルミニウ
ム合金材とその製造方法を提供することにある。
は、アルミニウム基合金からなる入力窓を有する外囲器
と、この外囲器内に入力窓に対向して配置され、基板、
およびこの基板上に形成された入力蛍光体層、この入力
蛍光体層上に形成された光電面からなる入力蛍光面とを
具備し、前記アルミニウム基合金は、3〜6重量%のM
g、および0.01〜0.5重量%のZrを含んでい
る。
重量%のMgおよび0.05〜0.2重量%のZrを含
んでいる。
〜1重量%のMn、および0.01〜0.5重量%のC
r、0.01〜0.5重量%のSc、0.01〜0.0
5重量%のTiからなる群から選ばれた金属元素の少な
くとも1種を更に含んでいる。
径0.01〜0.05μmの金属間化合物を5個/μm
3以上含んでいる。
ニウム基合金からなる入力窓を有する外囲器と、この外
囲器内に入力窓に対向して配置され、基板、およびこの
基板上に形成された入力蛍光体層、この入力蛍光体層上
に形成された光電面からなる入力蛍光面とを具備し、前
記アルミニウム基合金は、3〜6重量%のMg、およ
び、0.01〜0.5重量%のZr、0.1〜0.4重
量%のFe、0.05〜0.2重量%のSi、0.1〜
1重量%のMnを含んでいる。
るアルミニウム合金材は、3〜6重量%のMgおよび
0.01〜0.5重量%のZrを含み、残部は不純物か
らなり、不純物のFeとSiが、Fe≦0.4重量%、
Si≦0.2重量%で、X線透過量が実質的に均一であ
る。
〜1重量%のMn、および、0.01〜0.5重量%の
Cr、0.01〜0.5重量%のSc、0.01〜0.
05重量%のTiからなる群から選ばれた少なくとも1
種を含んでいる。
径が0.01〜0.05μmの金属間化合物を、5個/
μm3以上含んでいる。
は、3〜6重量%のMgおよび0.01〜0.5重量%
のZrを含み、あるいは、更に0.1〜1重量%のM
n、および0.01〜0.5重量%のCr、0.01〜
0.5重量%のSc、0.01〜0.05重量%のTi
からなる群から選ばれた金属元素の少なくとも1種を含
み、残部はAlと不純物とからなり、不純物のFeとS
iが、Fe≦0.4重量%、Si≦0.2重量%である
アルミニウム合金鋳塊を、400〜530℃で1〜20
時間の均質化処理を施し、常法で熱間圧延を行い、その
後、冷間圧延を行いまたは行わずに、再結晶をさせるた
めの熱処理をし、加工度10%以上の最終冷間圧延を行
うことを特徴としている。
して、3〜6重量%、好ましくは4〜5重量%のMg、
および0.01〜0.5重量%、好ましくは0.05〜
0.2重量%のZrを含むアルミニウム基合金を使用す
る。
基合金の最も基本的な添加元素で、強度の増加に寄与す
る役割を果たす。Mgの添加量が3重量%未満では、2
50℃における材料強度が120MPa以下となり、入
力窓の厚みを0.8mm以下とするために必要な強度が
得られない。Mgの添加量が6重量%を越えると、熱間
圧延時にアルミニウム基合金が割れやすくなり、工業化
が困難である。
時に、Al3Zr相として均一かつ微細に析出し、拡散
接合時の高温保持中に結晶粒が粗大化することを抑制す
る役割を果たす。Zrの添加量が0.01重量%未満で
は、このような役割を果たすことができない。Zrの添
加量が0.5重量%を越えると、Al3Zr相の粗大化
合物を形成しやすくなり、X線イメージ管に使用した場
合に、得られる可視光線に濃淡むらが生じる。この濃淡
むらは、被写体の欠陥と見誤る恐れがある。
は、添加成分として、更にMn、Cr、Sc、Tiの1
種または2種以上を含有してもよい。
る。また、Zrと同様に、拡散接合時の高温状態で結晶
粒が粗大化することを抑制する効果も有する。MnをZ
rと併用することにより、Zrだけの場合よりも、一
層、結晶粒の粗大化を抑制できる。Mnの添加量は、
0.1〜1.0重量%、好ましくは0.3〜0.6重量
%である。0.1重量%未満では、その効果を発揮する
ことができず、1.0重量%を越えると、熱間圧延時に
アルミニウム基合金が割れやすくなり、工業化が困難で
ある。また、1.0重量%を越えると、造塊時に不純物
であるFeと結合して、Al−Fe−Mn系の粗大化合
物が形成されやすくなり、X線イメージ管に使用した際
に、得られる可視光像に濃淡むらが生じる。この濃淡む
らは、被写体の欠陥と見誤る恐れがある。
の均質化処理時に、Al7Cr相として均一かつ微細に
析出し、拡散接合時の高温状態で結晶粒の粗大化を抑制
する効果を有する。ただし、Al7Cr相はAl3Zr
相よりも粗大化しやすい。Crの添加量は、0.01〜
0.5重量%、好ましくは0.05〜0.2重量%であ
る。0.01重量%未満では、その効果を発揮すること
ができず、0.5重量%を越えると、Al7Cr相の粗
大化合物を形成しやすくなる。したがって、X線イメー
ジ管に使用すると、得られる可視光像に濃淡むらが生
じ、この濃淡むらを、被写体の欠陥と見誤る恐れがあ
る。
基合金の均質化処理時に、Al3Sc相として均一かつ
微細に析出し、拡散接合時の高温状態で結晶粒の粗大化
を抑制する。Scの添加量は、0.01〜0.5重量
%、好ましくは0.05〜0.2重量%である。0.0
1重量%未満では、その効果を発揮することができず、
0.5重量%を越えると、Al3Sc相の粗大化合物を
形成しやすくなり、X線イメージ管に使用した場合、得
られる可視光像に濃淡むらが生じる。この濃淡むらは、
被写体の欠陥と見誤る恐れがある。また、Scは高価な
ため、0.5重量%を越えると製造コストが高くなる。
する効果がある。また、熱間圧延時に結晶粒径を均一に
する効果もある。Tiの添加量は、0.01〜0.05
重量%、好ましくは0.01〜0.03重量%である。
0.01重量%未満では、その効果を発揮することがで
きず、0.05重量%を越えると、Al3Ti相の粗大
化合物を形成しやすくなり、X線イメージ管に使用した
場合、得られる可視光像に濃淡むらが生じる。この濃淡
むらは、被写体の欠陥と見誤る恐れがある。
は、0.1〜0.4重量%のFe、0.05〜0.2重
量%のSiを含有してもよい。これらFe、Siは、通
常、アルミニウム地金中に含まれる不純物である。Fe
が0.4重量%を越えると、Al−Fe−Mn系の粗大
化合物が形成されやすくなり、好ましくない。Feの量
は少ない方がよいが、そのためにはAl地金の純度を上
げなければならず、製造コストが上昇する。したがって
0.1重量%が下限である。
i相が不均一に析出しやすくなり、X線イメージ管に使
用したとき、得られる可視光像に濃淡むらが生じる。F
eの場合と同様、Siの量は少ない方がよいが、そのた
めにはAl地金の純度を上げなければならず、製造コス
トが上昇する。したがって0.1重量%が下限である。
るアルミニウム基合金は、通常、均質化処理が施され
る。均質化処理は、遷移元素系金属間化合物(Al3Z
r、Al7Cr、Al3Sc)の分散状態を制御するた
めに行われる。
好ましい。400℃未満では、上記金属間化合物の析出
速度が遅くなり、目標とする分散状態に達するまでに長
時間を要し、工業的に不利である。530℃を越える
と、上記金属間化合物が粗大化しやすくなり、Al結晶
粒の粗大化を抑制する効果が低下し、また、Mg濃度が
高い場合は、均質化処理の際に共晶融解が発生し、熱間
圧延時に割れやすくなり、好ましくない。
囲である場合は、保持時間は1〜20時間が好ましい。
保持時間が1時間未満では、遷移元素系金属間化合物の
分散状態を所望の状態にすることができず、拡散接合時
に、Al結晶粒の粗大化の抑制が困難となる。保持時間
が20時間を越えると、工業的に不利であるだけでな
く、上記金属間化合物の粗大化を招き、好ましくない。
質化処理の条件によって制御される。拡散接合時(53
0℃以下で1時間以内の熱処理)に、Al結晶粒の粗大
化を抑制するには、0.01〜0.05μmのサイズの
化合物が1μm3当たり5個以上あればよい。5個未満
の場合には、拡散接合時にAlの結晶粒径が100μm
以上となってしまい、X線イメージ管に使用した場合
に、得られる可視光像に濃淡むらが生じやすい。
結晶粒径は、100μmを越えると、可視光像に濃淡む
らが生じやすくなり、好ましくない。結晶粒径が30μ
m以下であれば、このような問題は全く生じない。
ジ管を使用するX線診断装置について説明する。
線2は被写体3を透過する。被写体3を透過したX線2
は、X線イメージ管を構成する外囲器の入力窓4を通し
て入力基板5に入射する。なおX線イメージ管の入力窓
4は金属製であり、また、入力基板5の上には、X線を
光に変換する入力蛍光体層6と、光を電子に変換する光
電面7とが構成されている。
より形成される電子レンズによって加速、集束され、出
力蛍光体層9に達する。そして、出力蛍光体層9におい
て可視光に変換される。この可視光をフイルムやTVカ
メラなどで撮影し、X線診断が行われる。
抜き出して示したもので、参照符号10はX線イメージ
管の入力窓を示し、ステンレス製のリング11に接合さ
れている。
5000番のグループのAl- Mg系合金中に重量比で
0.15重量%のCr、および0.15%のZrを添加
したアルミニウム基合金を用いている。このアルミニウ
ム基合金からなるアルミニウム材は、予め20%程度引
き伸ばした平板なものが用いられ、図のように凸形に加
工される。
r、および0.15重量%のZrを含むため、これら含
有物による析出物が材料の中に分散する。これら含有物
による析出物は、アルミニウム材の入力窓がステンレス
製のリングと接合されるときに、400〜500℃の高
温状態にさらされるが、そのとき、アルミニウム材の内
部に発生するアルミニウム結晶の粗大粒化を抑えるよう
に作用する。したがって、このアルミニウム材を入力窓
に使用しても、アルミニウムの粗大結晶粒の成長が抑え
られ、X線の透過率に不均一さが生じない。
る。Al−Mg系合金にZr等を添加すると、高温状態
でも、Al3Zrの微細析出物23によってAl結晶粒
21の粗大化が抑制される。このため、斑(むら)が生
じにくくなる。
化、縦軸(右)を金属間化合物の粗大化とした場合の相
関を示すグラフである。
粒の粗大化しやすさ(実線)は、Zr添加量(重量%)
が0.01%未満で大きくなり、溶接時などAl結晶粒
が粗大化しやすくなる。
量%)が0.5%を越えると、Al3Zr相などの金属
間化合物の粗大化が大きくなり好ましくない。
として加工する工程で、大気圧に耐える構造となるよう
に、アルミニウム材を凸形にプレス加工、あるいは絞り
加工している。この加工の際に、アルミニウム材は約2
0%引き伸ばされる。ところで、アルミニウム材はその
引き伸ばされる度合いによって、高温状態での粗大結晶
粒の発生のしやすさが相違する。
中に内部歪みが蓄積する。この内部歪みが蓄積する密度
は、引き伸ばされる度合いが大きいほど高くなる。
の内部における粗大結晶粒の発生にそれほど影響はな
い。しかし歪み量が高くなると、良く知られているよう
に粗大結晶粒の発生が促進される。粗大結晶粒の発生
は、引き伸ばされる度合いが20〜30%で最大とな
り、それ以上になると低下する。
ルミニウム材を使用する場合、アルミニウム材を凸形の
面に加工すると、その際、約20%の引き伸ばしを受
け、粗大結晶粒の発生がちょうど促進される状態にな
る。
き伸ばしてあるアルミニウム材を用い、このアルミニウ
ム材を凸形の面に加工している。したがってアルミニウ
ム材は加工前の引き伸ばし分と加工による引き伸ばし分
とで約40%の引き伸ばしとなり、粗大結晶粒化が抑え
られる。
r、Mn、Crをいくつか組み合わせた複数種類の組成
のアルミニウム基合金の鋳塊に対し、480℃で5時間
の均質化処理を施し、さらに300〜480℃の温度域
で熱間圧延を行い、厚さ2mmの板にした。次に、板の
厚さが0.75mmとなるまで冷間圧延を施し、さらに
350℃で4時間の中間熱処理を施し、次いで、最終冷
間圧延を施して厚さが0.6mmの板にした。その後、
板の延性(張り出し性)を向上させるために、150℃
で4時間の熱処理を行い、最終の板にした。
る観察を行い、0.01〜0.05μmのサイズの遷移
元素系金属間化合物の分散状態を画像解析した。また、
最終の板について、250℃での引っ張り強度を調べ
た。さらに、拡散接合後の結晶粒径についても調べた。
また、この板材を入力窓に使用してX線イメージ管を構
成し、そのとき、X線イメージ管から得られる可視光像
の画質についても評価した。なお、これらの観察結果を
図4に示している。
用いた。X線管31から出たX線を、X線イメージ管3
2で可視光像に変換する。そして、可視光像を、タンデ
ム光学系33を通してTVカメラ34で撮像する。ま
た、TVカメラ34から出力される画像信号をデジタル
画像処理装置35で処理し、TVモニター36で再生し
た。なお、デジタル画像処理には様々な種類があるが、
ここでは次の2つの処理を行った。
る。静止画像のTV信号を平均化すると、信号に乗って
いるランダムノイズが打ち消し合い、ノイズの減少した
画像になる。
小な階調の変化を視認する。
に埋もれない微小な階調の変化が検知できる。
従来のX線イメージ管の場合、X線エネルギーが50K
eVと高いときは、画像処理を行っても「むら」は観察
されなかった。しかし、X線エネルギーが20KeVと
低くなると、画像処理によってX線の透過率の差が強調
され「むら」が観察された。TVモニタ上に現れた「む
ら」を図6に示す。また、TVモニタの中央部を通る走
査線上の輝度をグラフにすると、図7のように凹凸が見
られる。図7は、縦軸が輝度、そして横軸が走査線上の
位置を示している。なお、複数種類の組成のアルミニウ
ム基合金に対する観察結果が、図4に示されているが、
本発明に係る試料、No.1〜4は、拡散接合後の結晶
粒径が30μm以下で、可視光像も良好である。また、
250℃での材料強度も120MPa以上で、薄肉化が
可能である。
o.5は、Zrを添加しない例で、拡散接合後の結晶粒
径が粗大化し、また、良質な画像が得られない。また、
試料No.6は、Zrの添加量が少ない例で、No.5
と同様の問題がある。試料No.7は、Mgの添加量が
少ない例で、250℃での材料強度が小さく、X線イメ
ージ管の入力窓に使用すると、真空脱気の際に変形し
た。また、試料No.8は、Zrの添加量が多すぎる例
で、100μmを越えるサイズのAl3Zr化合物が形
成され、X線イメージ管の入力窓に使用すると可視光像
に濃淡むらが発生した。
でも斑(むら)のない良好な画像を得ることのできるX
線イメージ管が実現できる。
を示す図である。
る。
よび金属間化合物の粗大粒のでき易さとの関係を示す図
である。
観察結果を示す図である。
る。
す図である。
を示す図である。
(b)は、図(a)の一部を拡大して示す図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 アルミニウム基合金からなる入力窓を有
する外囲器と、この外囲器内に入力窓に対向して配置さ
れ、基板、および、この基板上に形成された入力蛍光体
層、この入力蛍光体層上に形成された光電面からなる入
力蛍光面とを具備し、前記アルミニウム基合金は、3〜
6重量%のMg、および0.01〜0.5重量%のZr
を含むことを特徴とするX線イメージ管。 - 【請求項2】 前記アルミニウム基合金は、4〜5重量
%のMg、および0.05〜0.2重量%のZrを含む
ことを特徴とする請求項1記載のX線イメージ管。 - 【請求項3】 前記アルミニウム基合金は、0.1〜1
重量%のMn、および、0.01〜0.5重量%のC
r、0.01〜0.5重量%のSc、0.01〜0.0
5重量%のTiからなる群から選ばれた金属元素の少な
くとも1種を、さらに含む請求項1記載のX線イメージ
管。 - 【請求項4】 前記アルミニウム基合金は、平均直径
0.01〜0.05μmの金属間化合物を5個/μm3
以上含む請求項1記載のX線イメージ管。 - 【請求項5】 アルミニウム基合金からなる入力窓を有
する外囲器と、この外囲器内に入力窓に対向して配置さ
れ、基板、および、この基板上に形成された入力蛍光体
層、この入力蛍光体層上に形成された光電面からなる入
力蛍光面とを具備し、前記アルミニウム基合金は、3〜
6重量%のMg、および、0.01〜0.5重量%のZ
r、0.1〜0.4重量%のFe、0.05〜0.2重
量%のSi、0.1〜1重量%のMnを含むことを特徴
とするX線イメージ管。 - 【請求項6】 3〜6重量%のMg、および0.01〜
0.5重量%のZrを含み、残部は不純物からなり、不
純物のFeとSiが、Fe≦0.4重量%、Si≦0.
2重量%であることを特徴とするX線透過量が実質的に
均一であるアルミニウム合金材。 - 【請求項7】 0.1〜1重量%のMn、および、0.
01〜0.5重量%のCr、0.01〜0.5重量%の
Sc、0.01〜0.05重量%のTiからなる群から
選ばれた少なくとも1種を含む請求項6記載のX線透過
量が実質的に均一であるアルミニウム合金材。 - 【請求項8】 平均直径が0.01〜0.05μmの金
属間化合物を、5個/μm3以上含むことを特徴とする
請求項6または請求項7記載のX線透過量が実質的に均
一であるアルミニウム合金材。 - 【請求項9】 3〜6重量%のMg、および0.01〜
0.5重量%のZrを含み、あるいは、更に0.1〜1
重量%のMn、および0.01〜0.5重量%のCr、
0.01〜0.5重量%のSc、0.01〜0.05重
量%のTiからなる群から選ばれた金属元素の少なくと
も1種を含み、残部はAlと不純物とからなり、不純物
のFeとSiが、Fe≦0.4重量%、Si≦0.2重
量%であるアルミニウム合金鋳塊を、400〜530℃
で1〜20時間の均質化処理を施し、常法で熱間圧延を
行い、その後冷間圧延を行いまたは行わずに、再結晶を
させるための熱処理をし、加工度10%以上の最終冷間
圧延を行うことを特徴とするX線透過量が実質的に均一
であるアルミニウム合金材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07163793A JP3668498B2 (ja) | 1992-03-31 | 1993-03-30 | X線イメージ管、およびこれに使用するx線イメージ管用アルミニウム合金材の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-74810 | 1992-03-31 | ||
JP7481092 | 1992-03-31 | ||
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0644925A true JPH0644925A (ja) | 1994-02-18 |
JP3668498B2 JP3668498B2 (ja) | 2005-07-06 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP07163793A Expired - Lifetime JP3668498B2 (ja) | 1992-03-31 | 1993-03-30 | X線イメージ管、およびこれに使用するx線イメージ管用アルミニウム合金材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3668498B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009127075A (ja) * | 2007-11-21 | 2009-06-11 | Kobe Steel Ltd | パルスレーザ溶接用アルミニウム合金材及び電池ケース |
WO2022115463A1 (en) * | 2020-11-24 | 2022-06-02 | Arconic Technologies Llc | Improved 5xxx aluminum alloys |
-
1993
- 1993-03-30 JP JP07163793A patent/JP3668498B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009127075A (ja) * | 2007-11-21 | 2009-06-11 | Kobe Steel Ltd | パルスレーザ溶接用アルミニウム合金材及び電池ケース |
WO2022115463A1 (en) * | 2020-11-24 | 2022-06-02 | Arconic Technologies Llc | Improved 5xxx aluminum alloys |
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