JPS6142838A - カラ−受像管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明はカラー受像管に用いられるシャドウマスク、フ
レーム、インナーシールド等の成形性の向上を図り、且
つその熱膨張率を低く抑えて品質の高いカラー画像の表
示を可能ならしめるカラー受像管に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

カラー受像管は一般に第１図に示す構成を有している。

即ち、ガラス外囲器１の一端を構成するネック部２には
、例えばインライン配列の電子銃３が設けられ、この電
子銃３に対向する前記ガラス外囲器１の他端部のフェー
ス部４に、赤・青・緑の蛍光体を区画配列した蛍光面５
を設けている。

この蛍光面５に近接して多数のビーム開孔を有するシャ
ドウマスク６が対向配置されている。このシャドウマス
ク６はフレーム７に係止具８を介して取付けられたもの
で、該フレーム７に（オ地磁気の影響を遮断するべくイ
ンナーシールド９が取付けられている。

しかしてこのように構成されたカラー受＠管にあっては
、前記電子銃３から射出された電子ビーム１１は、前記
ネック部２の根元部に設けられた偏自装置１０による肩
面制御を受けて偏向され、前記シャドウマスク６の開孔
を通過して蛍光面５に射突して蛍光を生起してカラー画
像を形成する。

ところで、上記シャドウマスク６、フレーム７、インナ
ーシールド９は、従来よりエツチング性、および成形性
が良く、また電子ビームの反射軽減に寄与する市化膜を
その表面に形成し易い部材として、リムド鋼やＡ２キル
ド鋼を用いて構成されている。然し乍ら、近時各種のニ
ューメディアに対応するべく、カラー受像管の高品質化
、つまり表示画像の所謂見易さや極細かさが要求され、
上述したリムド鋼やＡ２キルド鋼にて構成されるシャド
ウマスク６、フレーム７、インナーシールド９を用いる
には不具合が生じてきた。

即ち、カラー受像管の動作時には、上記各部材の温度が
３０〜１００℃に上昇し、例えばその熱膨張によってシ
ャドウマスクの成形形状に歪みが発生し、所謂ドーミン
グが生じる。この結果、シャドウマスク６と蛍光面５と
の間の相対的位置関係にずれが生じ、ピユリティードリ
フトと称される色ずれが発生する。特に高品位カラー受
像管では、前記シャドウマスク６の開孔径およびその開
孔ピッチが非常に小さいので、その相対的ずれ量の割合
いが大きくなり、実用に耐えなくなる。

そこで従来より、この種の部材を形成する基材として、
熱膨張係数の小さいＦｅ−Ｎｉ合金、例えばアンバー（
３６Ｆｅ−Ｎｉ　）を用いることが、例えば特公昭４２
−２５４４６号、特開昭５０−５８９７７号、特開昭５
０−６８６５０号等により提唱されている。ところが、
この種のＦｅ−Ｎ１合金は熱伝導性が悪く、蓄熱し易い
ことのみならず、通常のシャドウマスク球面から電子銃
３側への凹み、所謂スプリングバックを生じ易い。この
為、カラー受像管の高品位化を図るには限界があった。

〔発明の目的〕

本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、そ
の目的とするところは、シャドウマスク、フレーム、イ
ンナーシールドを構成する基材を改良して、その表示画
像の高品位化を図ったカラー受像管を提供することにあ
る。

〔発明の概要） 本発明はカラー受像管の構成要素であるシャドウマスク
、フレーム、またはインナーシールドのうちの少なくと
も１つを、Ｎｉが２５〜５０重量％、Ｍｎが０．８〜１
０重量％、残部がＦｅからなる基材で構成してなること
を特徴とするものであり、また特にその表面にＮ　Ｉｒ
Ｍ　ｎｙ　Ｆ　ｅ３−ｘ−ｙ　Ｏ’　４で示されるスピ
ネル構造の黒色酸化膜を被膜形成するようにしたもので
ある。

即ち本発明は、カラー受像管のシャドウマスク、フレー
ム、またはインナーシールドを形成する基材として、Ｎ
ｉが２５〜５０１　ｍ％、Ｍｎが０．８〜１０重量％、
残部がＦｅとなるようにＦｅ−Ｎｉ合金にＭｎを添加し
たものを用い、これによってその基材の熱膨張係数を、
例えば２０〜８０Ｘ１０−７と規定し、またその０．２
％耐力を２２ｋｏ／　ｇｕａ２昼下に規定するようにし
たものである。

例えば今、シャドウマスクについて考えると、一般にそ
の熱膨張係数が低い程好都合であるが、その反面Ｆ　ｅ
−Ｎ　ｉ合金の場合、上記熱膨張係数が２０Ｘ　１０−
　’以下になるとその熱伝導率が著しく悪くなる。この
結果、蓄熱し易くなることのみならず、素材を製造する
上で強加工を繰返すことが必要となり、結局歪の多いシ
ャドウマスクとなる。

しかも、このシャドウマスク素材にエツチングによって
ビーム開孔を形成すると、この加工時にマスク素材が大
きく湾曲する等の多くの不都合が生じる。一方、その熱
膨張係数が８０Ｘ１０−７以上となると、従来のリムド
鋼やＡ２キルド鋼を用いてシャドウマスクを形成する場
合と殆んど変わらなくなり、色ずれに対する改善効果も
望めなくなる。

また一般に、その０．２％耐力が２２ｋｇ／　＋ｕ＋２
以上となると、シャドウマスクに対する空温でのプレス
成形が著しく困難となる。しかも、温間プレス等の高度
なプレス技術を採用しないかぎり、その製造工程が徒に
複雑化し、またその信頼性も低下すると云う不具合があ
る。逆に上記０．２％耐力が６ｋＯ／　ａ＋ｎ＋２以下
になると、基材が柔らかくなり、製造時の基材取扱いだ
けによって歪みを生じ易い。

これ故、その製造上、好ましくない。

しかして、Ｆ　ｅ−Ｎ　ｉ合金にＭＯを添加すると、そ
の添加口に応じて基材の熱膨張係数、およびその０．２
％耐力が変化する。

第２図はＭＯを添加したＦｅ−Ｎｉ合金における、Ｍ　
ｎ添加量に対する熱膨張係数の変化（実線Ａ）、および
この基材を１０００℃で真空焼鈍したときの　０．２％
耐力の変化（破線Ｂ）をそれぞれ示すものである。また
第３図はＭｎを６重量％含む３６Ｎｉ−Ｆｅ合金の焼鈍
温度に対する０、２％耐力の変化（実線Ｃ）を示すもの
であり、参考として３６Ｎｉ−Ｆｅの同様な変化（破Ｉ
Ｄ）も示しである。

これらの特性に示されるように、Ｆｅ−Ｎｉ合金にＭｎ
を添加することは、その素材の熱膨張係数を高める効果
が有る。特に、その素材を５００℃以上（望ましくは６
５０℃以上）で焼鈍したときの。

０．２％耐力を減少させる上で効果が有る。尚、Ｍｎの
添加量を０．８重」％以下とすると、その熱膨張係数を
２０Ｘ　１０−　Ｔ以下にする上で効果があるが、この
場合その素材を１０００℃で焼鈍しても、その０．２％
耐力が２２ｋＯ／　ｍｍ２以下にならないことがある。

従って、その成形時の所望の曲率面を有するシャドウマ
スクを得難く、またスプリングバックも生じ易い。これ
故、カラー受像管の構成部材にそれぞれ要求される諸特
性を満すべく、０．８〜１０重量％の割合いでＭｎをｌ
：ｅ−Ｎｉ合金に添加してなる素材を用いてシャドウマ
スクやフレーム、インナーシールドを構成することは、
高品質なカラー画像を得る為の諸特性に優れた個々の部
材を得る上で多大な効果が有る。しかも、その製造工程
上における不具合を招来することもない。

また上述した素材を用いてシャドウマスクやフレーム、
インナーシールドを構成することは、これらの表面を黒
化処理する上でも効果が有る。即ち、Ｍｎの添加量を１
０重量％以上とすると、その表面に１ｙｌｎの保護酸化
膜、つまり酸化マンガンが形成され易い。この結果、そ
の表面の黒化処理が困難となる。然し乍ら、上述したよ
うにＭｎの添加ｍを規定すると、その基材表面に Ｎ　ｌ、Ｍｎ　　Ｆｅ３．ｒ−ｙＯ４　　（０＜ｘ、ｙ
　　＜３　　）で示されるスピネル−構造の黒色酸化膜
を被膜形成し易くなる。このような黒色酸化膜は、熱放
散性が良く、またＦｅのサイトをＭｎが置換して強度な
膜を形成するのでハウリング防止に効果的であり、また
曙械的応力に対して剥離し難い。またＭｎと類似した効
果をもつものにＣｒがあり、その一部をＣ「で置換して
もかまわない。この際、生成される酸化膜は Ｎ　ｉ、ｒＭｎｙｃｒｚＦｅ３．ｒ−ｙ−ｚ０４　　（
０＜ｘ、ｙ、ｚ　＜３　）の構造をもつ。またこの酸化
膜中に素材の不純物が一部固溶、または侵入してもその
効果が大きく変化するわけではない。ここで不純物とは
ｃ、ｐ。

Ｓｉ　、Ｓ、Ａ９．、Ｃｕ　、Ｚｒ　、Ｂ、Ｃａ　、Ｎ
をさす。従って、例えば隅々まできれいで見易い画像を
得るとのできる平坦なディスプレイ画面を形成するに際
し、剥離のない黒色酸化１！！Ｉを得ること。

および前記電子銃をいためることのない構成を実現する
上で前ｊホした素材を用いることは、非常に効果がある
。また、Ｍ　ｎの添加は、スーパーアンバーのような、
Ｃｏを含んだＦｅ−Ｎｉ合金にも効果的で、その際には
黒化膜中にＣＯが固溶することになる。

〔発明の実施例〕

以下、本発明をシャドウマスクの形成に適用した実施例
につき説明する。

実施例−１ 先ず、３６重量％ＮｉとＦｅとを主成分とし、附随的成
分としｒＣ，ｓｒ　、ｐ、ｓ、ｚｎ　、ｃｕ　。

０、Ｂ、Ｃａをそれぞれｍｍ％で１％以下を含み、更に
ＭｎをＩＩｉ量％含む合金インゴットを準備した。この
合金インゴットを焼鈍、冷間加工を繰返し、厚さ０．１
１ｍの板材を作製した。しかる後、この板材に感光剤を
塗布し、露光、現象、バーニングによるエツチングを施
して多数の孔を有するフラットマスク素材を作製した。

続いてこのフラットマスク素材を洗浄し、剪断した侵、
９００℃で水素中で焼鈍し、プレス加工して曲率半径１
０００ｍｍのフォームドマスクとした。このフォームド
マスクを３０％０２−Ｎ２湿潤雰囲気中で、６２０℃、
３０分間加熱酸化処理した。このようにして完成された
シャドウマスクはスプリングバックの値も低く、熱輻射
率も黒体を１．０とすると０．４となり、色ずれ低減に
効果的であった。このシャドウマスクを、フレームに接
続されパネルに吹込んだ後、蛍光体塗布電子銃のついた
ファンネルと接続の工程を過て偏光装置を嵌込んで、第
１図に示すようなカラー受＠管として組立てた。

実施例−２ 実施例−１と同様な成分を持つエツチング処理済みのフ
ラットマスクを、１１６０℃で真空焼鈍し、曲率半径１
５００ｍｍのフォームドマスクを得た。このフォームド
マスクを用いて、上記実施例−１と同様にしてカラー受
像管を構成した。

実施例−３ ３６重１％ＮｉとＦｅとを主成分とし、附随的成分とし
てＣ，Ｓｉ　、Ｐ、Ｓ、Ｚｎ　、Ｃｕ　、Ｏ，Ｂ。

Ｃａをそれぞれ重量％で１％以下を含み、更にＭＯを４
垂ｍ％含む合金インゴットを早漏した。

この合金インゴットを用いて前記実施例−１と同様な工
程により、カラー受像管を構成した。

実、９１例−４ 実施例−３で示される合金インゴットを用いて、前記実
施例−２で示される工程を経てカラー受像管を構成した
。

これらの各実施例で得られたカラー受像管について、そ
れぞれカラー画像を表示したところ、非常に安定した良
好なカラー画像が得られた。

またこれらの各カラー受像管について、その画面の四隅
におけるピユリティードリフト値を調べたところ、従来
のものにあっては１２０譚程度であったのに対し、実施
例に係るカラー受像管にあっては９０−以下と極めて小
さい値を示した。更には、上記ピユリティードリフトが
生じてから、正常な状態に戻るまでの時間は、従来のも
のの半分以下であった。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、表示画像が明るく
、且つコントラストが強く、更には画面の四隅の色ずれ
が少なく、また像の歪みや外光の反射の少ない良好なカ
ラー画像を表示し得るカラー受像管を実現することがで
きる。つまり、高品質な画像表示を可ロヒとするカラー
受像管を、簡易に、且つ歩留り良く製造することが可能
となる等の絶大なる効果が奏せられる。

【図面の簡単な説明】

第１図はカラー受像管の概略構成を示す図、第２図は３
６Ｎｉ−Ｆｅ合金へのＭｎ添加による熱膨張係数の変化
、およびこの素材の１０００℃真空！！＃［の０．２％
耐力の変化を示す図、第３図は１Ｖｌｎを６重量％含む
３６Ｎｉ−Ｆｅ合金の焼鈍温度に対する０、２％耐力の
変化を示す図である。 １・・・ガラス外囲器、３・・・電子銃、５・・・蛍光
面、６・・・シャドウマスク、７・・・フレーム、９・
・・インナーシールド。 出願人代理人　弁理士　鈴江武彦 第１図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）シャドウマスク、フレーム、またはインナーシー
   ルドのうちの少なくとも１つを、Ｎｉが２５〜５０重量
   ％、Ｍｎが０．８〜１０重量％、残部がＦｅからなる基
   材で構成してなることを特徴とするカラー受像管。
2. （２）Ｎｉが２５〜５０重量％、Ｍｎが０．８〜１０重
   量％、残部がＦｅからなる基材で構成されたシャドウマ
   スク、フレーム、インナーシールドのうちの少なくとも
   １つは、その表面に Ｎｉ＿ｘＭｎ＿ｙＦｅ＿３＿−＿ｘ＿−＿ｙＯ＿４（０
   ＜ｘ、ｙ＜３）で示されるスピネル構造の黒色酸化膜を
   被膜形成したものである特許請求の範囲第１項記載のカ
   ラー受像管。