JPH0644906Y2 - ワーク搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ワークをワーク受け台に載せた状態でチェー
ンコンベアにより搬送する搬送装置の改良に関する。

（従来の技術） 従来より、この種のワーク搬送装置として、例えば実開
昭61−8641号公報に開示されているように、ワークをロ
ーラコンベアの多数個のローラの転動動作により所定の
作業ステーションに搬送するようにしたものが一般によ
く知られている。

（考案が解決しようとする課題） ところが、上記の従来のワーク搬送装置では、その搬送
機能として当然ながら多数個のローラを要することか
ら、コンベアの構造が複雑化し、設備コストが高くなる
という問題があった。さらには、上述の如くワークをロ
ーラコンベアにより搬送する場合、ワークがワーク搬送
方向と直交する方向に移動する、いわゆる横ずれ現象が
生ずるおそれがあることから、従来より、ワークの落下
等による安全対策上の見直しが要望されていた。

本考案はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目
的とするところは、ワーク搬送手段として上述の如きロ
ーラコンベアに替えてチェーンコンベアを採用し、ワー
クをワーク受け台に載せた状態で上記チェーンコンベア
により搬送するに際し、上記ワーク受け台をチェーンコ
ンベアのチェーン上を移動させるためのローラをワーク
受け台側に設け、かつこのローラの形状を改良すること
により、ローラコンベアの場合に比べて移動手段として
のローラの数を極端に減少せしめ得、これによりコンベ
アの構造の簡素化を図って設備コストを低減せんとする
ことにある。さらには、ワーク受け台の横ずれ現象を防
止し、ワークの落下等による危険を排除して安全対策の
向上を図らんとすることにある。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、本考案の解決手段は、ワー
クをワーク受け台に載せた状態でチェーンコンベアによ
り搬送する搬送装置を対象とし、この場合、上記チェー
ンコンベアのチェーンレール上に設けられたチェーン上
を転動可能な複数個のローラを上記ワーク受け台に設け
る。さらに、該各ローラの両側に一対の外鍔状のガイド
部を設け、該両ガイト部を上記チェーンの両側面に対向
させることにより上記各ローラのワーク搬送方向と直交
する方向への移動を規制するようにする。

（作用） 上記の構成により、本考案では、ワーク受け台に載せら
れたワークは、上記ワーク受け台に設けられた複数個の
ローラの転動動作によりチェーンコンベアのチェーンレ
ール上に設けられたチェーン上を移動せしめられること
から、ローラコンベアの場合に比べて移動手段としての
ローラの数が極端に少なくなり、コンベアの構造が簡素
化になって設備コストが低減する。

さらには、上記各ローラの両側に設けられた一対の外鍔
状のガイド部が上記チェーンの両側面に対向せしめられ
ていることから、上記各ローラがワーク搬送方向と直交
する方向に移動しようとしても、その移動が上記両ガイ
ド部によって規制され、よってワーク受け台の横ずれ現
象が確実に防止され、ワークの落下等による危険がなく
なって安全対策の向上が図られる。また、上記各ローラ
はチェーンにて横移動が防止されているため、特別なガ
イド部材を必要とせず、コストがかからない。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第２図および第３図は自動車等車両に内装されるフロン
トおよびリヤシートＷ（以下、必要に応じ、単にシート
Ｗと略称する）を車体に組み付ける場合に、該シートＷ
をシート組付けステーションＳに搬送するための本考案
の実施例に係るワーク搬送装置Ａの全体を概略的に示
す。

１は、トラック等のシート搬入車２に載せられた複数の
シートW,W,…を卸すためのデッキ、3,3は、該デッキ１
に卸された各シートＷをワーク受け台４に載せた状態
で、デッキ１に並設された走行路５に沿ってシート送出
し位置まで走行し、昇降移動することにより上記各シー
トＷをシート送出し口に対応位置せしめるトラバースで
ある。上記走行路５には、例えば車種や色等の規格の異
なる２種類のライト側フロントシートW,Wをそれぞれ搬
入するための上下２段の第１搬入レーン6,6が走行路５
と直交する方向に延びるように配置され、該各第１搬入
レーン６には、チェーンコンベア７が配置されていて、
上記ライト側フロントシートＷをワーク受け台４に載せ
た状態で上記チェーンコンベア７によりリフター８まで
搬送するようになされている。

また、上記両第１搬入レーン6,6の隣には、同じく規格
の異なる２種類のレフト側フロントシートW,Wをそれぞ
れ搬入するための上下２段の第２搬入レーン9,9が配置
され、該各第２搬入レーン９にも、チェーンコンベア７
が配置されていて、上記レフト側フロントシートＷをワ
ーク受け台４に載せた状態で上記チェーンコンベア７に
より別のリフター８まで搬送するようになされている。
そして、上記両第１および第２搬入レーン6,9に搬入さ
れた各シートＷを各々のチェーンコンベア７で各リフタ
ー８まで搬送し、該各リフター８の上昇動作により上方
のシート組付けステーションＳに受け渡すようになされ
ている。

さらに、上記両第２搬入レーン9,9の隣には、ワーク受
け台４を返送するための上下２段の第１および第２返送
レーン10,10が配置され、該各第１および第２返送レー
ン10にも、チェーンコンベア７が配置されていて、上記
各シートＷをシート組付けステーションＳに受け渡した
後の空の各ワーク受け台４を上記デッキ１まで返送する
ようになされている。また、その隣には、リヤシート搬
入用の１段の第１および第２搬入レーン６′,9′と、ワ
ーク受け台返送用の２段の第１および第２返送レーン1
0′,10′とが並設されているが、これらは、上述したフ
ロントシート搬入および搬出用のものと同一に構成され
ているので、その詳細な説明は省略する。

また、本考案の特徴として、上記ワーク受け台４の底面
には、第１図に拡大詳示するように、複数個（４個）の
ローラ11,11…が各軸14回りに回動可能に取り付けられ
ている。そして、該各ローラ11は、シートＷをワーク受
け台４に載せて搬送中はその自重により回動せず、チェ
ーンコンベア７と共に移動する一方、ワーク受け台４
（シートＷ）を上記トラバース３から第１および第２搬
入レーン6,9等に移動させたり、第１および第２搬入レ
ーン6,9等から各リフター８に移動させたりするときに
は、作業者がワーク受け台４を押すことによって、上記
第１および第２搬入レーン6,9等の各チェーンコンベア
７のチェーンレール12,12上に設けられたチェーン13,13
上を転動せしめられるようになされている。

さらに、上記各ローラ11の両側には、一対の外鍔状のガ
イド部11a,11aが形成され、該両ガイド部11a,11aは上記
各チェーン13の両側面に対向せしめられている。そし
て、上記各チェーンコンベア７によるシートＷ搬送中
や、ワーク受け台４（シートＷ）をトラバース３から第
１および第２搬入レーン6,9等に移動させたりするとき
などに、上記各ローラ11がワーク搬送方向と直交する方
向に移動しようとするのを上記両ガイド部11a,11aで規
制市、ワーク受け台４が横ずれしないようにしている。

このように、本実施例では、シートＷを載せるワーク受
け台４に複数個のローラ11,11,…を転動可能に設け、上
記ワーク受け台（シートＷ）を各ローラ11の転動動作に
よりチェーンコンベア７のチェーンレール12,12上に設
けられたチェーン13,13上を移動させるようにしたこと
から、ローラコンベアの場合に比べて移動手段としての
ローラ11の数を極端に減少せしめ得、これによりコンベ
アの構造の簡素化を図って設備コストを低減することが
できる。

さらには、上記各ローラ11の両側に一対の外鍔状のガイ
ド部11a,11aを設け、該両ガイド部11a,11aを上記各チェ
ーン13の両側面に対向させることにより上記各ローラ11
のワーク搬送方向と直交する方向へ移動を規制している
ことから、ワーク受け台４の横ずれ現象を確実に防止し
得、これによりワーク受け台４に載せられているシート
Ｗの落下等による危険を排除して安全対策の向上を図る
ことができる。また、上記各ローラ11の横移動をチェー
ン13にて防止しているため、特別なガイド部材を設けず
に済み、コストを低減することができる。

なお、上記実施例では、ワーク搬送装置Ａを自動車等車
両に装備されるシートＷの搬送用に適用した場合を例示
したが、これに限らず、他のワークを搬送する場合にも
適用可能なことは勿論である。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、チェーンコンベ
アのチェーンレール上に設けられたチェーン上を転動可
能な複数個のローラをワーク受け台に設け、かつ上記各
ローラのワーク搬送方向と直交する方向への移動を規制
する一対の外鍔状のガイド部を上記ローラの両側に設け
たので、ローラの数の現象によりコンベアの簡素化を図
って設備コストを低減することができる。さらには、ワ
ークが落下しないようにワーク受け台の横ずれ現象を防
止して安全対策の向上を図ることができる。また、上記
各ローラの横移動を特別なガイド部材を用いることなく
上記チェーンにて防止でき、コストを低減することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はワーク受け台を
一部破断して示す側面図、第２図および第３図はワーク
搬送装置の全体概略構成図およびその詳細を示す拡大図
である。 ４……ワーク受け台、７……チェーンコンベア、11……
ローラ、11a……ガイド部、12……チェーンレール、13
……チェーン、Ａ……ワーク搬送装置、Ｗ……シート。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−73466（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−208852（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−258015（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−212316（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−8641（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−129018（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭55−14186（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭61−30978（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭55−53530（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭55−7452（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ワークをワーク受け台に載せた状態でチェ
   ーンコンベアにより搬送する搬送装置であって、上記ワ
   ーク受け台には、上記チェーンコンベアのチェーンレー
   ル上に設けられたチェーン上を転動可能な複数個のロー
   ラが設けられ、かつ該各ローラの両側には、一対の外鍔
   状のガイド部が設けられ、該両ガイド部を上記チェーン
   の両側面に対向させるにより上記各ローラのワーク搬送
   方向と直交する方向への移動を規制するようになされて
   いることを特徴とするワーク搬送装置。