JPH0644872Y2 - 電子部品の収納パック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、チップ型の電子部品を収納する梱包用として
且つ電子部品の実装時に電子部品を個々に送り出す供給
手段として兼用し得る電子部品の収納パックに関するも
のである。

従来の技術 一般に、電子部品の包装形態としてはテーピング，マガ
ジン，袋詰め等の包装方式に代えて、電子部品の複数個
をケース本体の空間内にランダムに収容することにより
収納が極めて簡単で、また、その空間からケース外に電
子部品を個々に送り出させて吸着ヘッドでプリント基板
に装着する電子部品の自動実装機に装備するバルク方式
のものが知られている（特開昭62-280129号、同63-2237
8号、同63-82974号、同63-82975号）。

従来、このバルク方式のものはケース本体の内部に電子
部品を収容する空間を三次元方向の方形状に形成すると
共に、そのケース本体を斜めに位置させるか或いは方形
状の空間から船底状に連続する斜面をケース本体の内部
に設け、この空間の下部側からケース外に連通する送出
路を介して電子部品を空気圧，振動等で個々に送り出す
のが通常である。

考案が解決しようとする課題 然し、このバルク方式の包装用ケースでは電子部品をラ
ンダムに複数個収容する空間から略一個分が通るに足る
隙間状の挿通路を介して電子部品を送り出さねばならな
いから、その挿通路の空間側の開口に電子部品が引っ掛
かることにより電子部品の円滑な送り出しに支障を来た
す事態を招き易い。

茲において、本考案は電子部品を極めて簡単に整列させ
て収容できると共に、その電子部品を確実に送り出し得
る電子部品の収納パックを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 本考案に係る電子部品の収納パックにおいては、矩形の
ケース本体の内部にチップ型の電子部品を複数個整列さ
せて収納する電子部品の収納路を直線状に個設け、この
収納路の片端側にケース外から連通させて電子部品の圧
送エアーを送り込むエアー流入口を設けると共に他端側
に収納路内に収容した電子部品をケース外に送り出す電
子部品の送出口を設け、そのエアー流入口と送出口にケ
ース本体の側面と平行にスライド自在な帯状のシャッタ
ー板を配設することにより構成されている。その収納路
は一列とすることができ、また、並列的に複数列とする
ことができる。

作用 この電子部品の収納パックでは直線状の収納路にチップ
型の電子部品を装填するだけで複数個を整列させて収納
できるばかりでなく、収納路のエアー流入口と電子部品
の送出口に配設した帯状のシャッター板を開いてエアー
流入口から圧送エアーを送入することにより収納路の内
の電子部品を送出口から所定向きに位置させて取り出せ
るようになり、しかも収納路が直線状であるから電子部
品を送出途中に引掛かることなく取り出せるようにな
る。

実施例 以下、第１〜９図を参照して説明すれば、次の通りであ
る。

この電子部品の収納パックは第１図で示すように複数個
の電子部品E,E…を整列させて収容可能で且つケース本
体１の全長に亘る直線状の収納路11,12…をケース本体
１の平坦な内面側に同一間隔で平行に並べて形成し、そ
の収納路11,12…の底部には電子部品を個々的に装填す
る挿入口２を設けられており、この挿入口２から収納路
11,12…の内部に複数個の電子部品E,E…を収納すると共
に、第２図で示すようにケース蓋３を被着固定すること
により電子部品E,E…の梱包件実装時の供給手段として
構成されている。なお、電子部品E,E…の挿入口２はね
じ止め或いは嵌合せ構造で簡単に着脱できる栓体で封止
することができる。また、電子部品E,E…の収納はケー
ス蓋３を取外した状態で収納路11,12…の上部から電子
部品E,E…を装填することによっても可能である。

その収納路11,12…は第３図で示す如くケース本体１の
内面側にのみ凹溝を設けてケース蓋３を被着し、或いは
ケース本体１とケース蓋３の各対向面に凹溝を設けて両
者を組合せることにより形成することもでき、その内面
には電子部品E,E…との摩擦で静電気が発生するのを防
止するべくフッ素コーティング等の帯電防止処理を施す
とよい。この収納路11,12…の両端部には第４図で示す
ようにケース本体１の側面と平行にスリット４を設け、
このスリット４内に樹脂またはバネ材で成形した弾性の
ある帯状のシャッター板５が嵌入されており、このシャ
ッター板５は第５図で示す如く端部の突起50を引いてス
ライドできるようになっている。また、このシャッター
機構は、第６図で示すようにケース本体１及びケース蓋
３の側面に凹溝を設けたシャッターカバー７を固着し、
その凹溝内にシャッター板６を挿入してスライドできる
ようにしてもよい。

なお、ケース本体１及びケース蓋３はプラスチックや
紙，発泡スチロール，アルミ板等で形成すれば軽量にで
き、また、すくなくともケース蓋３を透明なプラスチッ
クで形成することにより内部を透視可能なケースとして
成形できる。

このように構成する電子部品収納パックでは、複数個の
電子部品E,E…を収納路11,12…に装填させて収納ケース
の内部に収容することにより、そのまま市場に出荷する
製品の搬送用箱として用いることができる。この電子部
品E,E…の装填にあたっては電子部品E,E…の生産工程に
連動させて行うのが好ましく、また、電子部品E,E…を
組立て後に別工程で装填してもよい。また、その電子部
品の収納パックは横形または縦型で自動装着機に装備さ
せて電子部品E,E…のプリント基板実装時に電子品E,E…
を個々に送り出す供給手段としても用いることができ
る。その供給装置としては、第７図で示すようにスライ
ドレールＲに沿って移動可能で且つシリンダー（図示せ
ず）と連結されたスライドテーブルＴ上に電子部品の収
納パックを載置すると共に、この収納パックの両側面に
各々ノズル孔Ｎを有する空気圧送機構とシリンダＣで所
定の位置まで往復動可能な受け台Ｄを配置し、この受け
台Ｄと収納パックの隙間にはシリンダーで上下動するシ
ャッターＳを配置し、更に収納パックの両側面側には各
々電子部品の脱落を防止するガイドプレートG,Gを配置
固定することにより構成することができる。このような
構成から成る電子部品の供給装置では、電子部品E,E…
を整列収納した収納パックをスライドテーブルＴ上にビ
ス等で固定した後収納路11,12…の両端部に配設したシ
ャッター板5,5（6,6）をずらして収納路11,12…のエア
ー流入口111,121…並びに電子部品の送出口112,122…を
開放し、空気圧送機構からノズル孔Ｎを介して収納路1
1,12…内に圧送エアーを送入することにより電子部品E,
E…が受け台Ｄ側に移動し、受け台Ｄと収納パックの間
にあるシャッターＳが上下動して送出口112を開閉する
毎にケース外に一個づつ送り出されるようになる。

このケース外に送り出された電子部品Ｅは受け台Ｄに設
けた載置溝Ｍ内に送り込まれ、それと同時に載置溝Ｍの
底部の吸引孔Ｈに接続された真空装置が作動し、電子部
品Ｅは載置溝Ｍ内に吸着固定される。次いで、受け台Ｄ
を取り付けたシリンダーＣが作動して電子部品Ｅが所定
の位置に搬送され、吸着ヘッド等の摘出機構で受け取る
と共に装着ヘッドに転送することによりプリント基板に
装着するべく持ち出すようにできる。

このようにして一列目の収納路11内の電子部品E,E…が
全て送り出されると、第８図に示すようにシャッターＳ
より若干ケース1,3側に配置したフォトセンサーF,Fが収
納路11,12…の上下に設けた検出孔8,9を通して電子部品
Ｅの無状態を検知し、その出力信号によって電子部品収
納パックを載置したスライドテーブルＴがスライドレー
ルＲ上を移動し、二列目の収納路12のエアー流入口121
と送出口122が空気圧送機構のノズル孔Ｎ及び受け台Ｄ
の載置溝Ｍと一致する位置で停止してその収納路12内の
電子部品E,E…が順次一個づつ供給される。同様の工程
を繰り返すことによりこの電子部品収納パックに収容さ
れた電子部品E,E…を全て供給することができるように
なる。

なお、上述した実施例では、収納路の断面を電子部品１
個だけ通過する大きさとしたが、第９図で示すように複
数個同時に通過できる大きさにしてもよい。この場合に
は、収納路21,22…内に電子部品E,E…を積層状態に収納
し、また受け台Ｄの載置溝Ｘも複数個の電子部品を受取
ることができるようにし、吸着ヘッドで１個づつ搬出す
ればよい。また、その収納路を一列とすれば、収納パッ
クをスライド移動させる機構が不要となる。

考案の効果 以上の如く、本考案に係る電子部品の収納パックに依れ
ば、電子部品を収納路に装填させる収納パックの内部に
複数個を収容することにより電子部品の簡易な梱包乃至
は供給手段として適用できるばかりでなく、その収納路
から電子部品を吐出するだけでプリント基板に装着する
電子部品を方向を定めて送り出すことを可能にするもの
である。また、その収納路は直線状であるから電子部品
が送り出し途中で引掛かることがなく、しかも容易に成
形できるので安価に製作することができるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電子部品の収納パックのケース蓋
取外し状態で示す平面図、第２図は同パックの側面図、
第３図は同パックの側断面図、第４図は第１図のＡ矢視
断面図でシャッター板の加入状態を示す説明図、第５図
は第１図のＢ矢視断面図でシャッター板の突起を示す説
明図、第６図はシャッター板の別の配設例を示す説明
図、第７図は本考案に係る電子部品収納パックを適用し
た供給装置の一実施例を示す平面図、第８図は同供給装
置における収納路内の電子部品を検知するフォトセンサ
ーの配置を示す説明図、第９図は本考案に係る電子部品
の収納パックの収納路の別の実施例を示す平面断面図で
ある。 1:ケース本体、3:ケース蓋、5,5（6,6）：シャッター
板、11,12…、21,22…：収納路、111,121…：エアー流
入口、112,122…：電子部品の送出口、E,E…：電子部
品。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】矩形のケース本体（１）の内部にチップ型
   の電子部品（Ｅ）を複数個整列させて収容する電子部品
   の収納路（11,12…（21,22…））を直線状に設け、この
   収納路（11,12…（21,22…））の片端側にケース外から
   連通させて電子部品の圧送エアーを送り込むエアー流入
   口（111,121…）を設けると共に他端側に収納路（11,12
   …）内に収容した電子部品（Ｅ）をケース外に送り出す
   電子部品の送出口（112,122…）を設け、そのエアー流
   入口（111,121…）と送出口（112,122…）にケース本体
   （１）の側面と平行にスライド自在な帯状のシャッター
   板（5,5（6,6））を配設してなることを特徴とする電子
   部品の収納パック。
2. 【請求項２】上記収納路（11,12…（21,22…））を少な
   くとも一列設けたことを特徴とする請求項１記載の電子
   部品の収納パック。
3. 【請求項３】上記収納路（11,12…（21,22…））を並列
   的に複数列設けたことを特徴とする請求項１記載の電子
   部品の収納パック。