JPH0644627A - 光磁気ディスク - Google Patents
光磁気ディスクInfo
- Publication number
- JPH0644627A JPH0644627A JP4323199A JP32319992A JPH0644627A JP H0644627 A JPH0644627 A JP H0644627A JP 4323199 A JP4323199 A JP 4323199A JP 32319992 A JP32319992 A JP 32319992A JP H0644627 A JPH0644627 A JP H0644627A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magneto
- optical disk
- fine particles
- protective coat
- inorganic compound
- Prior art date
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- Paints Or Removers (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 磁界変調光磁気ディスクの耐摺動性保護コー
トであって、スライダーの滑走面にその安定浮上を妨げ
る突起の無い光磁気ディスクを実現し、潤滑剤の安定供
給を可能とする。 【構成】 磁界変調光磁気ディスク上に、表面改質剤3
により吸着質を被覆した無機化合物微粒子2、多孔質無
機化合物微粒子、表面改質を施していない無機化合物微
粒子の単独あるいは2種類以上を混合した微粒子と、潤
滑剤4と、ラジカル重合性化合物1とを主成分とする保
護コート7を設ける。
トであって、スライダーの滑走面にその安定浮上を妨げ
る突起の無い光磁気ディスクを実現し、潤滑剤の安定供
給を可能とする。 【構成】 磁界変調光磁気ディスク上に、表面改質剤3
により吸着質を被覆した無機化合物微粒子2、多孔質無
機化合物微粒子、表面改質を施していない無機化合物微
粒子の単独あるいは2種類以上を混合した微粒子と、潤
滑剤4と、ラジカル重合性化合物1とを主成分とする保
護コート7を設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、映像や音声の情報ある
いはコード情報を記録するための光磁気ディスクに関す
る。
いはコード情報を記録するための光磁気ディスクに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光磁気ディスクは高密度記録メデ
ィアとして注目されてきている。光磁気ディスクは略同
心円状の案内溝が形成された基板上に保護膜と記録膜と
保護膜と反射膜と保護コートを順次形成した構成がよく
用いられる。基板はポリカーボネートなどの光学的に透
明な材料でつくられている。記録膜はTbFeCoなどの
希土類と遷移金属の合金でつくられている。保護膜はシ
リコン窒化膜などでつくられ、記録膜の酸化防止のため
に必要である。反射膜はアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金でつくられており、再生信号の検出効率の向上と
熱拡散の制御のために設置される。保護コートは紫外線
硬化型樹脂で形成されており、防湿効果を高めるために
用いられる。
ィアとして注目されてきている。光磁気ディスクは略同
心円状の案内溝が形成された基板上に保護膜と記録膜と
保護膜と反射膜と保護コートを順次形成した構成がよく
用いられる。基板はポリカーボネートなどの光学的に透
明な材料でつくられている。記録膜はTbFeCoなどの
希土類と遷移金属の合金でつくられている。保護膜はシ
リコン窒化膜などでつくられ、記録膜の酸化防止のため
に必要である。反射膜はアルミニウムまたはアルミニウ
ム合金でつくられており、再生信号の検出効率の向上と
熱拡散の制御のために設置される。保護コートは紫外線
硬化型樹脂で形成されており、防湿効果を高めるために
用いられる。
【0003】磁界変調記録は光磁気ディスクに対する情
報の記録方式の一つである。この方式のメリットは従来
の光磁気ディスクに比べて情報の重ね書きができる点と
マーク長記録に適しているという点である。
報の記録方式の一つである。この方式のメリットは従来
の光磁気ディスクに比べて情報の重ね書きができる点と
マーク長記録に適しているという点である。
【0004】磁界変調記録は、対物レンズで絞った非変
調レーザ光を光磁気ディスクの案内溝に沿って走査し、
同時にバイアス磁界を変調して、記録膜のレーザ光が照
射された部分の磁化の向きを変えて記録する方式であ
る。変調したバイアス磁界を発生する手段としては、例
えば磁気ディスク装置に用いられている浮動型磁気ヘッ
ドがある。
調レーザ光を光磁気ディスクの案内溝に沿って走査し、
同時にバイアス磁界を変調して、記録膜のレーザ光が照
射された部分の磁化の向きを変えて記録する方式であ
る。変調したバイアス磁界を発生する手段としては、例
えば磁気ディスク装置に用いられている浮動型磁気ヘッ
ドがある。
【0005】変調した電流を磁気ヘッドのコイルに流す
ことでバイアス磁界を変調できる。しかし、記録膜の磁
化を反転するために必要な磁界は磁気ヘッドの近傍に限
定されるため、記録膜のレーザ光照射部分と磁気ヘッド
の距離はできる限り短くしなければならない。
ことでバイアス磁界を変調できる。しかし、記録膜の磁
化を反転するために必要な磁界は磁気ヘッドの近傍に限
定されるため、記録膜のレーザ光照射部分と磁気ヘッド
の距離はできる限り短くしなければならない。
【0006】浮動型磁気ヘッドは磁気ヘッドとスライダ
ー及びその支持機構で構成されている。その構成は、光
磁気ディスクの回転中に磁気ヘッドが保護コート上を気
体潤滑作用により低浮上できる構成である。このため、
記録膜のレーザ光照射部分を磁気ヘッドの近傍の磁界有
効領域内に保持することができる。そして、磁気ヘッド
及びスライダーの支持機構を簡素にするためにコンタク
ト・スタート/ストップ(以下CSSと略す)方式が必須
である。
ー及びその支持機構で構成されている。その構成は、光
磁気ディスクの回転中に磁気ヘッドが保護コート上を気
体潤滑作用により低浮上できる構成である。このため、
記録膜のレーザ光照射部分を磁気ヘッドの近傍の磁界有
効領域内に保持することができる。そして、磁気ヘッド
及びスライダーの支持機構を簡素にするためにコンタク
ト・スタート/ストップ(以下CSSと略す)方式が必須
である。
【0007】CSSを行い記録の安定性を確保するため
には、スライダーが滑走する光磁気ディスクの保護コー
トに対して以下に記載する条件を満足する必要がある。
には、スライダーが滑走する光磁気ディスクの保護コー
トに対して以下に記載する条件を満足する必要がある。
【0008】1、スライダーの安定な浮上及び滑走を妨
げる異物が保護コート表面に存在しない。
げる異物が保護コート表面に存在しない。
【0009】2、磁気ヘッドまたはスライダーが保護コ
ートに接触する如何なる場合でも記録膜の記録情報が破
壊されない。
ートに接触する如何なる場合でも記録膜の記録情報が破
壊されない。
【0010】3、磁気ヘッドまたはスライダーが保護コ
ートに接触する如何なる場合でもスライダーの滑走及び
浮上が妨げられない。
ートに接触する如何なる場合でもスライダーの滑走及び
浮上が妨げられない。
【0011】4、光磁気ディスクの回転停止時に起動力
を越える吸着力が保護コートとスライダー間に発生しな
い。
を越える吸着力が保護コートとスライダー間に発生しな
い。
【0012】上記の条件を満たすために、熱硬化型樹脂
とアルミナ微粒子と潤滑剤から構成された保護コートを
用い、さらに保護コート上にフッ化炭素系オイル皮膜を
設けたものが提案されている(特開昭63−22964
3号公報)。
とアルミナ微粒子と潤滑剤から構成された保護コートを
用い、さらに保護コート上にフッ化炭素系オイル皮膜を
設けたものが提案されている(特開昭63−22964
3号公報)。
【0013】図8に従来の光磁気ディスクの断面模式図
を示す。図8において、21は熱硬化性樹脂、2はアルミ
ナ微粒子、22は潤滑剤、23はフッ炭素系オイル皮膜、5
は透明な基板、6は記録膜や保護膜で構成される記録媒
体である。
を示す。図8において、21は熱硬化性樹脂、2はアルミ
ナ微粒子、22は潤滑剤、23はフッ炭素系オイル皮膜、5
は透明な基板、6は記録膜や保護膜で構成される記録媒
体である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の構成では、磁気ヘッドの浮上安定性が悪く、記録
の不完全な箇所が随所にみられることが判明した。この
問題点を解決するために本発明者らが検討を進めたとこ
ろ、図8に示すように保護コート中に含まれているアル
ミナ微粒子2が凝集し、保護コート表面にスライダーの
浮上を妨げる突起が形成されていることがわかった。
従来の構成では、磁気ヘッドの浮上安定性が悪く、記録
の不完全な箇所が随所にみられることが判明した。この
問題点を解決するために本発明者らが検討を進めたとこ
ろ、図8に示すように保護コート中に含まれているアル
ミナ微粒子2が凝集し、保護コート表面にスライダーの
浮上を妨げる突起が形成されていることがわかった。
【0015】光磁気ディスクの回転時に、この突起とス
ライダーが衝突しスライダーの安定な浮上を妨げる現象
や、スライダーとの衝突により、突起から剥離したアル
ミナ微粒子2と熱硬化性樹脂21が一体となった組成物が
保護コート上に散乱し、あるいはスライダーに付着し
て、スライダーの安定した浮上を阻害する現象に起因し
て、記録膜へのバイアス磁界が不足しエラーが増加する
という問題のあることが明らかになった。
ライダーが衝突しスライダーの安定な浮上を妨げる現象
や、スライダーとの衝突により、突起から剥離したアル
ミナ微粒子2と熱硬化性樹脂21が一体となった組成物が
保護コート上に散乱し、あるいはスライダーに付着し
て、スライダーの安定した浮上を阻害する現象に起因し
て、記録膜へのバイアス磁界が不足しエラーが増加する
という問題のあることが明らかになった。
【0016】本発明の目的は、浮上型磁気ヘッドを備え
た光磁気ドライブ装置に用いる、安定したバイアス磁界
の印加が可能な磁界変調記録用光磁気ディスクを提供す
ることである。
た光磁気ドライブ装置に用いる、安定したバイアス磁界
の印加が可能な磁界変調記録用光磁気ディスクを提供す
ることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、光磁気ディスクの保護コートの表面状態に関して以
下の性能が与えられる必要がある。
に、光磁気ディスクの保護コートの表面状態に関して以
下の性能が与えられる必要がある。
【0018】1、保護コートの表面形状はスライダーの
浮上走行及び滑走走行に支障が無い程度に平滑である。
且つ、保護コートの表面形状はスダイダーとの吸着が防
止できる程度の表面粗さが要求される。当該表面粗さ
は、最大表面粗さの表示で0.03〜0.1μmが好ましい。
浮上走行及び滑走走行に支障が無い程度に平滑である。
且つ、保護コートの表面形状はスダイダーとの吸着が防
止できる程度の表面粗さが要求される。当該表面粗さ
は、最大表面粗さの表示で0.03〜0.1μmが好ましい。
【0019】2、保護コートの潤滑性は保護コートに吸
蔵された潤滑剤によってもたらされる。従って、適量の
潤滑剤が保護コートの表面に長期にわたって保持される
保護コートの構成が必要である。
蔵された潤滑剤によってもたらされる。従って、適量の
潤滑剤が保護コートの表面に長期にわたって保持される
保護コートの構成が必要である。
【0020】3、光磁気ディスクの耐スクラッチ性を高
めるためには、保護コートの硬度は高いことが望まし
い。特にスライダー材質としてセラミックスを利用する
場合には、この要求度はさらに高まる。
めるためには、保護コートの硬度は高いことが望まし
い。特にスライダー材質としてセラミックスを利用する
場合には、この要求度はさらに高まる。
【0021】上記の要求項目を満足するために、本発明
の光磁気ディスクは、表面改質剤によって表面が改質さ
れた無機化合物微粒子と、ラジカル重合性化合物と、潤
滑剤とを主たる成分とする組成物を保護コートとして備
えた構成である。
の光磁気ディスクは、表面改質剤によって表面が改質さ
れた無機化合物微粒子と、ラジカル重合性化合物と、潤
滑剤とを主たる成分とする組成物を保護コートとして備
えた構成である。
【0022】
【作用】本発明において、保護コートの主成分の一つで
あるラジカル重合性化合物は、光学的記録媒体の保護コ
ートに通常使用されている硬化型樹脂を使用することが
できる。例えば、光硬化型樹脂組成物、熱硬化型樹脂組
成物、電子線硬化型樹脂組成物、常温硬化型樹脂組成物
などがあげられる。これらの中で紫外線硬化型樹脂組成
物、特にフォスファゼン系の樹脂組成物をそのプレポリ
マー成分として有する樹脂組成物が好ましい。フォスフ
ァゼン系の紫外線硬化型樹脂はPとNからなるホスファ
ゼン骨格を有し硬化性基を6個備えているため、その硬
度が鉛筆硬度で9Hにも達する。従って、保護コートの
硬度を確保する点でこの採用は非常に適している。
あるラジカル重合性化合物は、光学的記録媒体の保護コ
ートに通常使用されている硬化型樹脂を使用することが
できる。例えば、光硬化型樹脂組成物、熱硬化型樹脂組
成物、電子線硬化型樹脂組成物、常温硬化型樹脂組成物
などがあげられる。これらの中で紫外線硬化型樹脂組成
物、特にフォスファゼン系の樹脂組成物をそのプレポリ
マー成分として有する樹脂組成物が好ましい。フォスフ
ァゼン系の紫外線硬化型樹脂はPとNからなるホスファ
ゼン骨格を有し硬化性基を6個備えているため、その硬
度が鉛筆硬度で9Hにも達する。従って、保護コートの
硬度を確保する点でこの採用は非常に適している。
【0023】また、無機化合物微粒子としては、アルミ
ナ、シリカ、ジルコニア、シリコンナイトライド、シリ
コンカーバイド、タングステンカーバイド、チタニア、
マグネシア、フォルステライト、ステアタイト、ムライ
ト、コージライト、チタン酸カリウム、チタン酸バリウ
ムなどが利用でき、特に制限されるものではない。しか
し、保護コートの厚みが3〜50μm、好ましくは5〜10
μmの厚みに制限されるため、無機化合物微粒子の中心
粒径は0.05〜0.5μm、粒子径分布は0.02〜2μmが好ま
しいため、均一な粒子径分布を有する製品が入手可能で
比較的硬度が高いアルミナ、シリカ、ジルコニア、窒化
珪素、炭化珪素等が好ましい。保護コートの厚みは3μ
mより薄いと機械的な保護性に対して強度不足になるお
それがあり、保護コートの厚みが50μmを越えると硬化
時の収縮により記録再生特性に支障を与える基板の変形
を生じるおそれがある。
ナ、シリカ、ジルコニア、シリコンナイトライド、シリ
コンカーバイド、タングステンカーバイド、チタニア、
マグネシア、フォルステライト、ステアタイト、ムライ
ト、コージライト、チタン酸カリウム、チタン酸バリウ
ムなどが利用でき、特に制限されるものではない。しか
し、保護コートの厚みが3〜50μm、好ましくは5〜10
μmの厚みに制限されるため、無機化合物微粒子の中心
粒径は0.05〜0.5μm、粒子径分布は0.02〜2μmが好ま
しいため、均一な粒子径分布を有する製品が入手可能で
比較的硬度が高いアルミナ、シリカ、ジルコニア、窒化
珪素、炭化珪素等が好ましい。保護コートの厚みは3μ
mより薄いと機械的な保護性に対して強度不足になるお
それがあり、保護コートの厚みが50μmを越えると硬化
時の収縮により記録再生特性に支障を与える基板の変形
を生じるおそれがある。
【0024】保護コート中の無機化合物微粒子の量は約
5〜50重量%が適している。5重量%を下回る含有量で
は、保護コートの見かけの硬度が低下してスライダーの
滑走特性と磁気ヘッドのクラッシュに対する耐久性が悪
化し、保護コートの表面粗さが0.03μm以下になるため
ディスク静止時にスライダーと保護コートの吸着のおそ
れがある。約50重量%以上では、保護コートの表面粗さ
が0.1μmを越えるため、スライダーの滑走走行時の安定
性が損なわれる。
5〜50重量%が適している。5重量%を下回る含有量で
は、保護コートの見かけの硬度が低下してスライダーの
滑走特性と磁気ヘッドのクラッシュに対する耐久性が悪
化し、保護コートの表面粗さが0.03μm以下になるため
ディスク静止時にスライダーと保護コートの吸着のおそ
れがある。約50重量%以上では、保護コートの表面粗さ
が0.1μmを越えるため、スライダーの滑走走行時の安定
性が損なわれる。
【0025】無機化合物微粒子の表面改質剤として例え
ば下記のいずれかの化学式で表される金属石鹸類を利用
できる。
ば下記のいずれかの化学式で表される金属石鹸類を利用
できる。
【0026】
【化4】(R−COO)nM, R−SO3M, (RO)n−PO2M (R;アルキル基、 M;金属イオン、 n=1〜4)。
【0027】また、アルキルエーテル、アルキルエステ
ル、アルキルアミン、アルキルアミド、グリセリンエス
テル、ソルビタンエステルなどに代表されるポリエチレ
ングリコールエーテルの界面活性剤またはポリエチレン
グリコールエステルの界面活性剤も利用可能であり、ポ
リアクリル酸エステル、ポリアミン、フッ素樹脂、シリ
コーン樹脂及び下記の化学式で表されるいずれかの化合
物などがあげられる。
ル、アルキルアミン、アルキルアミド、グリセリンエス
テル、ソルビタンエステルなどに代表されるポリエチレ
ングリコールエーテルの界面活性剤またはポリエチレン
グリコールエステルの界面活性剤も利用可能であり、ポ
リアクリル酸エステル、ポリアミン、フッ素樹脂、シリ
コーン樹脂及び下記の化学式で表されるいずれかの化合
物などがあげられる。
【0028】
【化5】(R)m−M−(OR’)n (R;アルキル基、 M;Si,Ti,Al、R’;C
H3,C2H5,C3H7、 n=1〜3、m=1〜3)。
H3,C2H5,C3H7、 n=1〜3、m=1〜3)。
【0029】表面改質剤による無機化合物微粒子の表面
改質は、表面改質剤を原液もしくは溶剤で希釈した状態
で無機化合物微粒子と混合し、常温もしくは加熱処理に
より無機化合物微粒子表面に表面改質剤を付着または反
応させて行う。その付着量または反応量は通常約1〜3
重量%であるが、効果を勘案して適宜増減させることが
できる。
改質は、表面改質剤を原液もしくは溶剤で希釈した状態
で無機化合物微粒子と混合し、常温もしくは加熱処理に
より無機化合物微粒子表面に表面改質剤を付着または反
応させて行う。その付着量または反応量は通常約1〜3
重量%であるが、効果を勘案して適宜増減させることが
できる。
【0030】表面改質を施すことにより、無機化合物微
粒子とラジカル重合性化合物の親和性が良くなり、無機
化合物微粒子のラジカル重合性化合物への分散性が向上
する。
粒子とラジカル重合性化合物の親和性が良くなり、無機
化合物微粒子のラジカル重合性化合物への分散性が向上
する。
【0031】潤滑剤は長鎖炭化水素系の脂肪酸及び脂肪
酸エステル、フッ素化炭素系、シリコン誘導体、脂肪酸
塩、脂肪酸アミドなどから数種類を併用して利用するこ
とができるが、炭化水素系の脂肪酸や脂肪酸エステル、
フッ素化炭素系が良好な潤滑性を確保する上で好まし
い。
酸エステル、フッ素化炭素系、シリコン誘導体、脂肪酸
塩、脂肪酸アミドなどから数種類を併用して利用するこ
とができるが、炭化水素系の脂肪酸や脂肪酸エステル、
フッ素化炭素系が良好な潤滑性を確保する上で好まし
い。
【0032】潤滑剤を保護コート中に蓄える機能を増す
ことは、保護コートの表面に長期にわたって潤滑剤を保
持する上で重要である。すなわち、潤滑剤は潤滑すべき
保護コートの表面を僅かな分子層を有する極めて薄い均
一な表面フィルムで覆うことで有効な潤滑作用を発揮す
る。しかし、保護コート上の潤滑剤は、CSSの繰り返
しによるスライダーへの移動、大気中への蒸発、ほこり
の付着などの理由により保護コート上から微量ずつ減少
する。このため長時間経過後に潤滑作用が乏しくなる。
この潤滑剤の減少を補うために、保護コート上の潤滑剤
が減少すると、保護コート中に吸蔵された潤滑剤が保護
コートの表面ににじみ出て潤滑剤を保護コート表面に供
給する。潤滑剤はラジカル重合性化合物中の空隙、及び
ラジカル重合性化合物に混入した無機化合物微粒子の表
面に吸蔵される。本発明では潤滑剤を吸蔵する場所とし
て、無機化合物微粒子に形成した微小孔及び個々の無機
化合物微粒子が接触した場合の接点近傍の隙間を利用す
ることで含有できる潤滑剤の量を増量している。
ことは、保護コートの表面に長期にわたって潤滑剤を保
持する上で重要である。すなわち、潤滑剤は潤滑すべき
保護コートの表面を僅かな分子層を有する極めて薄い均
一な表面フィルムで覆うことで有効な潤滑作用を発揮す
る。しかし、保護コート上の潤滑剤は、CSSの繰り返
しによるスライダーへの移動、大気中への蒸発、ほこり
の付着などの理由により保護コート上から微量ずつ減少
する。このため長時間経過後に潤滑作用が乏しくなる。
この潤滑剤の減少を補うために、保護コート上の潤滑剤
が減少すると、保護コート中に吸蔵された潤滑剤が保護
コートの表面ににじみ出て潤滑剤を保護コート表面に供
給する。潤滑剤はラジカル重合性化合物中の空隙、及び
ラジカル重合性化合物に混入した無機化合物微粒子の表
面に吸蔵される。本発明では潤滑剤を吸蔵する場所とし
て、無機化合物微粒子に形成した微小孔及び個々の無機
化合物微粒子が接触した場合の接点近傍の隙間を利用す
ることで含有できる潤滑剤の量を増量している。
【0033】無機化合物微粒子の比表面積をBET吸着
等温式に従った値で100〜1000m2/gとすることによ
り、無機化合物微粒子の表面積が増加し、保護コートに
吸蔵可能な潤滑剤量が増量され、保護コート表面への潤
滑剤の供給を安定的に行うことができる。
等温式に従った値で100〜1000m2/gとすることによ
り、無機化合物微粒子の表面積が増加し、保護コートに
吸蔵可能な潤滑剤量が増量され、保護コート表面への潤
滑剤の供給を安定的に行うことができる。
【0034】また、無機化合物微粒子を一次粒子と凝集
粒子の混合体とすることにより、凝集した微粒子の接触
箇所近傍に吸蔵される潤滑剤の量が増加する。以下にこ
の増加量を示す。
粒子の混合体とすることにより、凝集した微粒子の接触
箇所近傍に吸蔵される潤滑剤の量が増加する。以下にこ
の増加量を示す。
【0035】2個の同一半径の無機化合物微粒子が独立
に存在する場合と、接触して存在する場合の保持可能な
潤滑剤の量を比較する。同一半径の球状の無機化合物微
粒子のみが存在し、その表面を覆う潤滑剤の厚みが一定
であると仮定する。無機化合物微粒子の半径をr、無機
化合物微粒子の表面を覆う潤滑剤の厚みをtとすると2
個の無機化合物微粒子が独立に存在する場合の潤滑剤の
量Viは次式(1)で表される。 Vi=(8/3)π{(r+t)3−r3}・・・(1)。
に存在する場合と、接触して存在する場合の保持可能な
潤滑剤の量を比較する。同一半径の球状の無機化合物微
粒子のみが存在し、その表面を覆う潤滑剤の厚みが一定
であると仮定する。無機化合物微粒子の半径をr、無機
化合物微粒子の表面を覆う潤滑剤の厚みをtとすると2
個の無機化合物微粒子が独立に存在する場合の潤滑剤の
量Viは次式(1)で表される。 Vi=(8/3)π{(r+t)3−r3}・・・(1)。
【0036】一方、2個の無機化合物微粒子が接触して
存在する場合の潤滑剤量Vcは次式(2)で表され、Vcと
Viの差は次式(3)となる。 Vc=(4/3)π{(r+t)3−2r3}+2πr(r+t)2・・・(2) Vc−Vi=(2/3)π(r+t)2(r−2t)・・・(3)。
存在する場合の潤滑剤量Vcは次式(2)で表され、Vcと
Viの差は次式(3)となる。 Vc=(4/3)π{(r+t)3−2r3}+2πr(r+t)2・・・(2) Vc−Vi=(2/3)π(r+t)2(r−2t)・・・(3)。
【0037】本発明の場合はr>tであるため、Vc>
Viとなり、保護コートに吸蔵可能な潤滑剤量は無機化
合物微粒子の接触箇所が多いほど、換言すれば、無機化
合物微粒子の凝集物が多いほど増える。
Viとなり、保護コートに吸蔵可能な潤滑剤量は無機化
合物微粒子の接触箇所が多いほど、換言すれば、無機化
合物微粒子の凝集物が多いほど増える。
【0038】但し、この凝集物は保護コート表面に突起
を形成する確率を増加させるため、凝集物の大きさと保
護コートの厚みに対して相対的な制限が必要である。す
なわち保護コートの厚みは凝集物の最大長さの1.2倍以
上必要で、好ましくは1.5倍以上必要である。
を形成する確率を増加させるため、凝集物の大きさと保
護コートの厚みに対して相対的な制限が必要である。す
なわち保護コートの厚みは凝集物の最大長さの1.2倍以
上必要で、好ましくは1.5倍以上必要である。
【0039】保護コートは以上記述したラジカル重合性
化合物と表面改質したアルミナ微粒子と潤滑剤とを混合
して光磁気ディスクの光磁気記録媒体膜面に形成され
る。形成方法はスピンコート法やスクリーン印刷法を用
い、所定の厚みに塗布した後、加熱または光や電子線の
照射によりラジカル重合性化合物の硬化反応を促進し保
護コートを形成する。
化合物と表面改質したアルミナ微粒子と潤滑剤とを混合
して光磁気ディスクの光磁気記録媒体膜面に形成され
る。形成方法はスピンコート法やスクリーン印刷法を用
い、所定の厚みに塗布した後、加熱または光や電子線の
照射によりラジカル重合性化合物の硬化反応を促進し保
護コートを形成する。
【0040】上記構成により、ラジカル重合性化合物中
に分散した無機化合物微粒子がほぼ完全に一次粒子に分
散され、無機化合物微粒子の凝集物が原因として発生す
る保護コート表面の突起を無くすることができるため、
スライダーの浮上走行性が安定し、記録時の磁界印加が
確実に行なわれ、記録の信頼性を確保することができる
光磁気ディスクを得ることができる。
に分散した無機化合物微粒子がほぼ完全に一次粒子に分
散され、無機化合物微粒子の凝集物が原因として発生す
る保護コート表面の突起を無くすることができるため、
スライダーの浮上走行性が安定し、記録時の磁界印加が
確実に行なわれ、記録の信頼性を確保することができる
光磁気ディスクを得ることができる。
【0041】また、保護コートを構成する無機化合物微
粒子の比表面積を限定することや、表面改質した無機化
合物微粒子と表面改質を施していない無機化合物微粒子
を混合して用い、保護コートの厚みを限定することによ
り、高温多湿という劣悪条件下でも、記録の信頼性を確
保することができる。
粒子の比表面積を限定することや、表面改質した無機化
合物微粒子と表面改質を施していない無機化合物微粒子
を混合して用い、保護コートの厚みを限定することによ
り、高温多湿という劣悪条件下でも、記録の信頼性を確
保することができる。
【0042】
【実施例】以下実施例について、図面を参照しながら説
明する。図1は本発明の第1の実施例に於ける光磁気デ
ィスクの断面模式図である。図1において、1はラジカ
ル重合性化合物の一例であるそのプレポリマー成分の化
学式が化6で示されるホスファゼン系紫外線硬化型樹脂
(出光化学工業製、商品名PPZ)である。但し
明する。図1は本発明の第1の実施例に於ける光磁気デ
ィスクの断面模式図である。図1において、1はラジカ
ル重合性化合物の一例であるそのプレポリマー成分の化
学式が化6で示されるホスファゼン系紫外線硬化型樹脂
(出光化学工業製、商品名PPZ)である。但し
【0043】
【化6】
【0044】2は無機化合物微粒子の一例である中心粒
径が0.4μmのアルミナ微粒子(住友化学工業製、商品名
AKP−50)、3はアルミナ微粒子2の表面改質のた
めにアルミナ微粒子2の表面に付着させた化学式が下記
化7で示されるアルコキシシランである。
径が0.4μmのアルミナ微粒子(住友化学工業製、商品名
AKP−50)、3はアルミナ微粒子2の表面改質のた
めにアルミナ微粒子2の表面に付着させた化学式が下記
化7で示されるアルコキシシランである。
【0045】
【化7】
【0046】4はステアリン酸nブチルとオレイルオレ
ート(竹本油脂製、商品名MTL−103)を1:2の割
合で配合した潤滑剤、5は略同心円状の溝が形成された
光学的に透明なポリカーボネートからなる基板、6は基
板5の溝形成面上にSiNを主成分とする保護膜とTbF
eCoを主成分とする記録膜とSiNを主成分とする保護
膜とAlを主成分とする反射膜をスパッタリング法など
の薄膜形成手段で順次で形成した光磁気記録媒体、7は
光磁気記録媒体6上に形成されたホスファゼン系紫外線
硬化型樹脂1とアルコキシシラン3で表面改質されたア
ルミナ微粒子2と潤滑剤4とを主体とする保護コートで
ある。
ート(竹本油脂製、商品名MTL−103)を1:2の割
合で配合した潤滑剤、5は略同心円状の溝が形成された
光学的に透明なポリカーボネートからなる基板、6は基
板5の溝形成面上にSiNを主成分とする保護膜とTbF
eCoを主成分とする記録膜とSiNを主成分とする保護
膜とAlを主成分とする反射膜をスパッタリング法など
の薄膜形成手段で順次で形成した光磁気記録媒体、7は
光磁気記録媒体6上に形成されたホスファゼン系紫外線
硬化型樹脂1とアルコキシシラン3で表面改質されたア
ルミナ微粒子2と潤滑剤4とを主体とする保護コートで
ある。
【0047】アルコキシシラン3を溶剤で希釈し、この
希釈溶液にアルミナ微粒子2を撹拌混合し、加熱改質す
ることでアルミナ微粒子2の表面にアルコキシシラン3
を付着させる。アルコキシシラン3の付着量はアルミナ
微粒子2に対して1.5重量%である。この表面改質した
アルミナ微粒子2をサンドミル(シンマルエンタープラ
イゼズ製)で約20分間分散させてスラリーを調整し、こ
のスラリーに潤滑剤4を混合し、この混合物をスピンコ
ート法にて光磁気記録媒体6上に塗布し、ついで紫外線
を照射してホスファゼン系紫外線硬化型樹脂1を硬化さ
せる。保護コート7中のアルミナ微粒子2の量は10重量
%であり、潤滑剤4の量は10重量%である。
希釈溶液にアルミナ微粒子2を撹拌混合し、加熱改質す
ることでアルミナ微粒子2の表面にアルコキシシラン3
を付着させる。アルコキシシラン3の付着量はアルミナ
微粒子2に対して1.5重量%である。この表面改質した
アルミナ微粒子2をサンドミル(シンマルエンタープラ
イゼズ製)で約20分間分散させてスラリーを調整し、こ
のスラリーに潤滑剤4を混合し、この混合物をスピンコ
ート法にて光磁気記録媒体6上に塗布し、ついで紫外線
を照射してホスファゼン系紫外線硬化型樹脂1を硬化さ
せる。保護コート7中のアルミナ微粒子2の量は10重量
%であり、潤滑剤4の量は10重量%である。
【0048】以上のように構成された光磁気ディスクを
図2に示すドライブ装置に装着して磁気ヘッド及びスラ
イダー走行特性及び記録特性を調べた。図2において、
10は4mm×4mmの双胴形のテーパーフラットなスライダ
ー、11はコイルと磁心などで構成された磁気ヘッド、12
は上に示した保護コートが形成された光磁気ディスク、
13はディスク回転駆動装置、14はジンバルバネ、サスペ
ンションバネ、ロードビームで構成したスライダー支持
機構、15は対物レンズ、16は半導体レーザとフォトダイ
オードと偏光ビームスプリッタとコリメータレンズ等で
構成された光ヘッド、17はミラー、18はリニアモーター
とスライドガイド等で構成された移動機構、19はレーザ
光である。レーザ光19は光磁気ディスク12の基板5に照
射され、スライダー10と磁気ヘッド11は保護コート7の
形成面に設置される。以下の実験はディスク回転駆動装
置13の回転数が3600rpm、記録位置はφ70mmで行った。
図2に示すドライブ装置に装着して磁気ヘッド及びスラ
イダー走行特性及び記録特性を調べた。図2において、
10は4mm×4mmの双胴形のテーパーフラットなスライダ
ー、11はコイルと磁心などで構成された磁気ヘッド、12
は上に示した保護コートが形成された光磁気ディスク、
13はディスク回転駆動装置、14はジンバルバネ、サスペ
ンションバネ、ロードビームで構成したスライダー支持
機構、15は対物レンズ、16は半導体レーザとフォトダイ
オードと偏光ビームスプリッタとコリメータレンズ等で
構成された光ヘッド、17はミラー、18はリニアモーター
とスライドガイド等で構成された移動機構、19はレーザ
光である。レーザ光19は光磁気ディスク12の基板5に照
射され、スライダー10と磁気ヘッド11は保護コート7の
形成面に設置される。以下の実験はディスク回転駆動装
置13の回転数が3600rpm、記録位置はφ70mmで行った。
【0049】図3は、図2に示したドライブ装置に光磁
気ディスク12を装着し、回転駆動装置13を駆動し、スラ
イダー10及び磁気ヘッド11が浮上走行した場合の、スラ
イダー10の振動をスライダー10に取り付けたサーチコイ
ルで検出した振動波形である。図3(A)は本発明の一実
施例における光磁気ディスク12の保護コート7上でスラ
イダー10を浮上した場合の振動波形であり、図3(B)は
比較のために示す従来例の構成に於ける光磁気ディスク
の場合のスライダー10を浮上した時の振動波形、図3
(C)は光磁気ディスク12が回転を停止中の振動波形であ
る。図3(A)と図3(C)はその波形がほぼ一致している
ため、本発明の一実施例における光磁気ディスクの保護
コート7上ではスライダー10は安定した浮上が達成され
ていると考えられる。また、このときの記録/再生時の
エラー発生率は、同一条件による記録の際に図3(A)に
対応するものが5×10~6、図3(B)に対応するものが5
×10~5であった。本実施例に用いた磁気ヘッド11は光磁
気ディスク12の記録箇所から50μm以上離れるとバイア
ス磁場不足で信号の記録が完全に行えないため、従来例
の構成における光磁気ディスク12の保護コート7上には
磁気ヘッド11に50μm以上の振動を与える突起が多数存
在すると考えられる。
気ディスク12を装着し、回転駆動装置13を駆動し、スラ
イダー10及び磁気ヘッド11が浮上走行した場合の、スラ
イダー10の振動をスライダー10に取り付けたサーチコイ
ルで検出した振動波形である。図3(A)は本発明の一実
施例における光磁気ディスク12の保護コート7上でスラ
イダー10を浮上した場合の振動波形であり、図3(B)は
比較のために示す従来例の構成に於ける光磁気ディスク
の場合のスライダー10を浮上した時の振動波形、図3
(C)は光磁気ディスク12が回転を停止中の振動波形であ
る。図3(A)と図3(C)はその波形がほぼ一致している
ため、本発明の一実施例における光磁気ディスクの保護
コート7上ではスライダー10は安定した浮上が達成され
ていると考えられる。また、このときの記録/再生時の
エラー発生率は、同一条件による記録の際に図3(A)に
対応するものが5×10~6、図3(B)に対応するものが5
×10~5であった。本実施例に用いた磁気ヘッド11は光磁
気ディスク12の記録箇所から50μm以上離れるとバイア
ス磁場不足で信号の記録が完全に行えないため、従来例
の構成における光磁気ディスク12の保護コート7上には
磁気ヘッド11に50μm以上の振動を与える突起が多数存
在すると考えられる。
【0050】図4はCSS動作を20万回まで繰り返した
場合の、ディスク回転駆動装置12の立上がり時間を表し
たものである。図4においてパラメーターはアルミナ微
粒子2の含有量であり、比較のために従来例による光磁
気ディスクの特性も示す。アルミナ微粒子2の含有量が
5重量%(wt%で表示)より少ない場合、保護コート7
の見かけの硬度が低くなり、スライダー10の繰り返し滑
走にともない保護コート7の表面粗さが小さくなるた
め、スライダー10と保護コート7が吸着しCSS10000
回程度で立ち上がり時間が急激に上昇する。アルミナ微
粒子2の含有量が50重量%を越えるとスライダーの滑走
走行時の抵抗が増し、立ち上がり時間がCSS初期から
長い。
場合の、ディスク回転駆動装置12の立上がり時間を表し
たものである。図4においてパラメーターはアルミナ微
粒子2の含有量であり、比較のために従来例による光磁
気ディスクの特性も示す。アルミナ微粒子2の含有量が
5重量%(wt%で表示)より少ない場合、保護コート7
の見かけの硬度が低くなり、スライダー10の繰り返し滑
走にともない保護コート7の表面粗さが小さくなるた
め、スライダー10と保護コート7が吸着しCSS10000
回程度で立ち上がり時間が急激に上昇する。アルミナ微
粒子2の含有量が50重量%を越えるとスライダーの滑走
走行時の抵抗が増し、立ち上がり時間がCSS初期から
長い。
【0051】以上のように、本実施例によれば、アルコ
キシシラン3で被覆したアルミナ微粒子2と潤滑剤4と
ホスファゼン系紫外線硬化型樹脂1とを主成分とする保
護コート7を設けることにより、スライダー10と保護コ
ート7の吸着現象がなく、スライダー10の滑走走行及び
浮上走行に支障を与えず、磁気ヘッド11によるバイアス
磁界の印加が安定に行える光磁気ディスクを提供するこ
とができる。
キシシラン3で被覆したアルミナ微粒子2と潤滑剤4と
ホスファゼン系紫外線硬化型樹脂1とを主成分とする保
護コート7を設けることにより、スライダー10と保護コ
ート7の吸着現象がなく、スライダー10の滑走走行及び
浮上走行に支障を与えず、磁気ヘッド11によるバイアス
磁界の印加が安定に行える光磁気ディスクを提供するこ
とができる。
【0052】なお、本実施例ではラジカル重合性化合物
としてホスファゼン系紫外線硬化型樹脂1を用いたが、
鉛筆硬度が2H以上の硬度を有するものであれば同様の
効果を得ることができる。また、本実施例では無機化合
物微粒子としてアルミナ微粒子2を用いたが、中心粒径
が0.05〜0.5μm、粒径分布は0.02〜2μm以下であれ
ば、シリカ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素、チタニ
ア、マグネシア、フォルステライト、ステアタイト、ム
ライト、コージライト、チタン酸カリウム、チタン酸バ
リウムなどの微粒子が利用できる。
としてホスファゼン系紫外線硬化型樹脂1を用いたが、
鉛筆硬度が2H以上の硬度を有するものであれば同様の
効果を得ることができる。また、本実施例では無機化合
物微粒子としてアルミナ微粒子2を用いたが、中心粒径
が0.05〜0.5μm、粒径分布は0.02〜2μm以下であれ
ば、シリカ、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素、チタニ
ア、マグネシア、フォルステライト、ステアタイト、ム
ライト、コージライト、チタン酸カリウム、チタン酸バ
リウムなどの微粒子が利用できる。
【0053】そして、比表面積(BETの式による)が10
0〜1000m2/gの範囲の無機化合物微粒子を使用するこ
とにより潤滑剤の保護コート中での吸蔵能力を高め、潤
滑剤4の保護コート7表面への供給能力を高め、摺動耐
久性を高めることができる。
0〜1000m2/gの範囲の無機化合物微粒子を使用するこ
とにより潤滑剤の保護コート中での吸蔵能力を高め、潤
滑剤4の保護コート7表面への供給能力を高め、摺動耐
久性を高めることができる。
【0054】
【表1】
【0055】図5は、表1に示す比表面積(BETの式
による)を有するアルミナ微粒子2を5重量%含む保護
コート7を備えた光磁気ディスクを60℃の温度で80%相
対湿度環境下で15分に1回の時間間隔でCSSと記録/
再生を繰り返した場合の経過時間に対する再生C/Nの
変化を示したものである。図5から明らかなように、比
表面積(BETの式による)が大きくなればCSS特性の
劣化による信号品質の低下開始時期が延びる。この傾向
はアルミナ微粒子2以外の上述した無機化合物微粒子で
も同様であり、従って高温環境などの過酷な条件下で光
磁気ディスクを使用する場合には比表面積が100m2/g
以上の無機化合物微粒子を使用することは有効である。
による)を有するアルミナ微粒子2を5重量%含む保護
コート7を備えた光磁気ディスクを60℃の温度で80%相
対湿度環境下で15分に1回の時間間隔でCSSと記録/
再生を繰り返した場合の経過時間に対する再生C/Nの
変化を示したものである。図5から明らかなように、比
表面積(BETの式による)が大きくなればCSS特性の
劣化による信号品質の低下開始時期が延びる。この傾向
はアルミナ微粒子2以外の上述した無機化合物微粒子で
も同様であり、従って高温環境などの過酷な条件下で光
磁気ディスクを使用する場合には比表面積が100m2/g
以上の無機化合物微粒子を使用することは有効である。
【0056】また、本実施例では無機化合物微粒子の表
面改質剤としてアルコキシシランを使用したが、表面改
質剤は金属石鹸類や、アルキルエーテル、アルキルエス
テル、アルキルアミン、アルキルアミド、グリセリンエ
ステル、ソルビタンエステルなどのポリエチレングリコ
ールエステルの界面活性剤またはポリエチレングリコー
ルエーテルの界面活性剤、ポリアクリル酸エステル、ポ
リアミン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、チタンカップ
リング剤、アルミニウムカップリング剤でも同様な効果
を得ることができる。
面改質剤としてアルコキシシランを使用したが、表面改
質剤は金属石鹸類や、アルキルエーテル、アルキルエス
テル、アルキルアミン、アルキルアミド、グリセリンエ
ステル、ソルビタンエステルなどのポリエチレングリコ
ールエステルの界面活性剤またはポリエチレングリコー
ルエーテルの界面活性剤、ポリアクリル酸エステル、ポ
リアミン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、チタンカップ
リング剤、アルミニウムカップリング剤でも同様な効果
を得ることができる。
【0057】さらに、本実施例では潤滑剤としてステア
リン酸nブチルとオレイルオレートを使用したが、潤滑
剤としてはこれに限定されるものではなく、長鎖炭化水
素系の脂肪酸及び脂肪酸エステル、フッ素化炭素系、シ
リコン誘導体、脂肪酸塩、脂肪酸アミドなどから数種類
を併用して利用することができ、また、パーフルオロポ
リエーテルなどのフッ素化炭素系の潤滑剤を保護コート
形成後その上に塗布して併用することは耐環境性のさら
なる向上をもたらすことができる。
リン酸nブチルとオレイルオレートを使用したが、潤滑
剤としてはこれに限定されるものではなく、長鎖炭化水
素系の脂肪酸及び脂肪酸エステル、フッ素化炭素系、シ
リコン誘導体、脂肪酸塩、脂肪酸アミドなどから数種類
を併用して利用することができ、また、パーフルオロポ
リエーテルなどのフッ素化炭素系の潤滑剤を保護コート
形成後その上に塗布して併用することは耐環境性のさら
なる向上をもたらすことができる。
【0058】そして、本実施例では保護コート7は光磁
気記録媒体6上に直接形成したが、好ましくは光磁気記
録媒体6と保護コート7の間に無機組成物及び有機組成
物を単独であるいは混合状態で介在させ、保護コート7
と光磁気記録媒体6との接着強度を向上させるのがよ
い。
気記録媒体6上に直接形成したが、好ましくは光磁気記
録媒体6と保護コート7の間に無機組成物及び有機組成
物を単独であるいは混合状態で介在させ、保護コート7
と光磁気記録媒体6との接着強度を向上させるのがよ
い。
【0059】本実施例は浮上型磁気ヘッドに対する効果
を開示したが、常時摺動型の磁気ヘッドでも効果があ
る。
を開示したが、常時摺動型の磁気ヘッドでも効果があ
る。
【0060】以下本発明の第2の実施例の光磁気ディス
クについて、図面を参照しながら説明する。図6は本発
明の第2の実施例における光磁気ディスクの断面模式図
を示したものである。図6において、1はラジカル重合
性化合物の一例であるそのプレポリマー成分が化6で示
されるホスファゼン系紫外線硬化型樹脂(出光化学工業
製、商品名PPZ)、2は無機化合物微粒子の一例であ
る中心粒径が0.4μmのアルミナ微粒子(住友化学工業
製、商品名AKP−50)、3はアルミナ微粒子2の表
面改質のためにアルミナ微粒子2の表面に付着させた化
7で示されるアルコキシシランである。
クについて、図面を参照しながら説明する。図6は本発
明の第2の実施例における光磁気ディスクの断面模式図
を示したものである。図6において、1はラジカル重合
性化合物の一例であるそのプレポリマー成分が化6で示
されるホスファゼン系紫外線硬化型樹脂(出光化学工業
製、商品名PPZ)、2は無機化合物微粒子の一例であ
る中心粒径が0.4μmのアルミナ微粒子(住友化学工業
製、商品名AKP−50)、3はアルミナ微粒子2の表
面改質のためにアルミナ微粒子2の表面に付着させた化
7で示されるアルコキシシランである。
【0061】4はステアリン酸nブチルとオレイルオレ
ート(竹本油脂製、商品名MTL−103)を1:2の割
合で配合した潤滑剤、5は略同心円状の溝が形成された
光学的に透明なポリカーボネートからなる基板、6は基
板5の溝形成面上にSiNを主成分とする保護膜とTbF
eCoを主成分とする記録膜とSiNを主成分とする保護
膜とAlを主成分とする反射膜をスパッタリング法など
の薄膜形製手段で順次で形成した光磁気記録媒体、7は
光磁気記録媒体6上に形成したホスファゼン系紫外線硬
化型樹脂1とアルコキシシラン3で表面改質をしたアル
ミナ微粒子2と表面改質を施していないアルミナ微粒子
2と潤滑剤4とを主体とする保護コートである。
ート(竹本油脂製、商品名MTL−103)を1:2の割
合で配合した潤滑剤、5は略同心円状の溝が形成された
光学的に透明なポリカーボネートからなる基板、6は基
板5の溝形成面上にSiNを主成分とする保護膜とTbF
eCoを主成分とする記録膜とSiNを主成分とする保護
膜とAlを主成分とする反射膜をスパッタリング法など
の薄膜形製手段で順次で形成した光磁気記録媒体、7は
光磁気記録媒体6上に形成したホスファゼン系紫外線硬
化型樹脂1とアルコキシシラン3で表面改質をしたアル
ミナ微粒子2と表面改質を施していないアルミナ微粒子
2と潤滑剤4とを主体とする保護コートである。
【0062】アルミナ微粒子2の分散性を制御すること
により、保護コート7中に吸蔵可能な潤滑剤4の量を増
加させることができる。この分散性の制御は図6に示す
ように表面改質を施したアルミナ微粒子2と表面改質を
施していないアルミナ微粒子2を混合して保護コート7
中に混入させる。この操作により、アルミナ微粒子2の
凝集物が保護コート7中に形成され、アルミナ微粒子2
どうしの接触箇所の近傍に潤滑剤4が保持され、保護コ
ート7の潤滑剤4の吸蔵能力が向上する。
により、保護コート7中に吸蔵可能な潤滑剤4の量を増
加させることができる。この分散性の制御は図6に示す
ように表面改質を施したアルミナ微粒子2と表面改質を
施していないアルミナ微粒子2を混合して保護コート7
中に混入させる。この操作により、アルミナ微粒子2の
凝集物が保護コート7中に形成され、アルミナ微粒子2
どうしの接触箇所の近傍に潤滑剤4が保持され、保護コ
ート7の潤滑剤4の吸蔵能力が向上する。
【0063】図7は保護コート7に混合するアルコキシ
シラン3で表面改質したアルミナ微粒子2と表面改質し
ていないアルミナ微粒子2の混合比に対して、ガスクロ
マトグラフィーで定量した潤滑剤4の量と、アルミナ微
粒子2の凝集に起因して出現する保護コート7表面の高
さが0.4μmを越える突起の発生密度をプロットしたもの
である。突起の発生密度は保護コート7の厚みをパラメ
ータにしてプロットしている。保護コート7の厚みはア
ルミナ微粒子2の凝集物の最大長さに対して規格化して
いる。表面改質したアルミナ微粒子2の割合が約40%を
下回ると保護コート7に吸蔵される潤滑剤4の量が飽和
する。この時、保護コート7の厚みがアルミナ微粒子2
の凝集体の最大長さの1.2倍以上では突起の出現はスラ
イダーの浮上に支障がなく、また1.5倍以上では突起の
出現は表面改質したアルミナ微粒子2を100%使用した
場合とほぼ同等になる。
シラン3で表面改質したアルミナ微粒子2と表面改質し
ていないアルミナ微粒子2の混合比に対して、ガスクロ
マトグラフィーで定量した潤滑剤4の量と、アルミナ微
粒子2の凝集に起因して出現する保護コート7表面の高
さが0.4μmを越える突起の発生密度をプロットしたもの
である。突起の発生密度は保護コート7の厚みをパラメ
ータにしてプロットしている。保護コート7の厚みはア
ルミナ微粒子2の凝集物の最大長さに対して規格化して
いる。表面改質したアルミナ微粒子2の割合が約40%を
下回ると保護コート7に吸蔵される潤滑剤4の量が飽和
する。この時、保護コート7の厚みがアルミナ微粒子2
の凝集体の最大長さの1.2倍以上では突起の出現はスラ
イダーの浮上に支障がなく、また1.5倍以上では突起の
出現は表面改質したアルミナ微粒子2を100%使用した
場合とほぼ同等になる。
【0064】以上のように、本実施例によればアルコキ
シシラン3で被覆し表面改質したアルミナ微粒子2と表
面改質を施していないアルミナ微粒子2と潤滑剤4とホ
スファゼン系紫外線硬化型樹脂1を主成分とする保護コ
ート7を設けることにより、潤滑剤の吸蔵量が多くなり
長期間にわたってスライダー10と保護コート7の吸着現
象がなく、スライダー10の滑走走行及び浮上走行に支障
を与えず、磁気ヘッド11によるバイアス磁界の印加が安
定に行える光磁気ディスクを提供することができる。
シシラン3で被覆し表面改質したアルミナ微粒子2と表
面改質を施していないアルミナ微粒子2と潤滑剤4とホ
スファゼン系紫外線硬化型樹脂1を主成分とする保護コ
ート7を設けることにより、潤滑剤の吸蔵量が多くなり
長期間にわたってスライダー10と保護コート7の吸着現
象がなく、スライダー10の滑走走行及び浮上走行に支障
を与えず、磁気ヘッド11によるバイアス磁界の印加が安
定に行える光磁気ディスクを提供することができる。
【0065】また、本実施例では無機化合物微粒子の表
面改質剤としてアルコキシシランを使用したが、表面改
質剤は金属石鹸類や、アルキルエーテル、アルキルエス
テル、アルキルアミン、アルキルアミド、グリセリンエ
ステル、ソルビタンエステルなどのポリエチレングリコ
ールエステルの界面活性剤またはポリエチレングリコー
ルエーテルの界面活性剤、ポリアクリル酸エステル、ポ
リアミン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、チタンカップ
リング剤、アルミニウムカップリング剤でも同様な効果
を得ることができる。
面改質剤としてアルコキシシランを使用したが、表面改
質剤は金属石鹸類や、アルキルエーテル、アルキルエス
テル、アルキルアミン、アルキルアミド、グリセリンエ
ステル、ソルビタンエステルなどのポリエチレングリコ
ールエステルの界面活性剤またはポリエチレングリコー
ルエーテルの界面活性剤、ポリアクリル酸エステル、ポ
リアミン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、チタンカップ
リング剤、アルミニウムカップリング剤でも同様な効果
を得ることができる。
【0066】さらに、本実施例では潤滑剤としてステア
リン酸nブチルとオレイルオレートを使用したが、潤滑
剤としてはこれに限定されるものではなく、長鎖炭化水
素系の脂肪酸及び脂肪酸エステル、フッ素化炭素系、シ
リコン誘導体、脂肪酸塩、脂肪酸アミドなどから数種類
を併用して利用することができ、また、パーフルオロポ
リエーテルなどのフッ素化炭素系の潤滑剤を保護コート
形成後その上に塗布して併用することは耐環境性のさら
なる向上をもたらすことができる。
リン酸nブチルとオレイルオレートを使用したが、潤滑
剤としてはこれに限定されるものではなく、長鎖炭化水
素系の脂肪酸及び脂肪酸エステル、フッ素化炭素系、シ
リコン誘導体、脂肪酸塩、脂肪酸アミドなどから数種類
を併用して利用することができ、また、パーフルオロポ
リエーテルなどのフッ素化炭素系の潤滑剤を保護コート
形成後その上に塗布して併用することは耐環境性のさら
なる向上をもたらすことができる。
【0067】そして、本実施例では保護コート7は光磁
気記録媒体6上に直接形成したが、好ましくは光磁気記
録媒体6と保護コート7の間に無機組成物及び有機組成
物を単独であるいは混合状態で介在させ、保護コート7
と光磁気記録媒体6との接着強度を向上させるのがよ
い。
気記録媒体6上に直接形成したが、好ましくは光磁気記
録媒体6と保護コート7の間に無機組成物及び有機組成
物を単独であるいは混合状態で介在させ、保護コート7
と光磁気記録媒体6との接着強度を向上させるのがよ
い。
【0068】本実施例は浮上型磁気ヘッドに対する効果
を開示したが、常時摺動型の磁気ヘッドでも効果があ
る。
を開示したが、常時摺動型の磁気ヘッドでも効果があ
る。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明は、上記実施例から
明らかなように、表面改質された無機化合物微粒子とラ
ジカル重合性化合物と潤滑剤からなる組成物をスライダ
ーの滑走面に保護コートとして設けることにより、無機
化合物微粒子がほぼ完全に一次粒子に分散され、無機化
合物微粒子の凝集物が無くなり、スライダーの滑走面に
その安定浮上を妨げる突起が無い光磁気ディスクを実現
できる効果を有する。
明らかなように、表面改質された無機化合物微粒子とラ
ジカル重合性化合物と潤滑剤からなる組成物をスライダ
ーの滑走面に保護コートとして設けることにより、無機
化合物微粒子がほぼ完全に一次粒子に分散され、無機化
合物微粒子の凝集物が無くなり、スライダーの滑走面に
その安定浮上を妨げる突起が無い光磁気ディスクを実現
できる効果を有する。
【0070】また、無機化合物微粒子をBET吸着等温
式に従って測定した比表面積が100〜1000m2/gの多孔
質微粒子で構成すること、または/そして表面改質され
た無機化合物微粒子と表面改質されていない無機化合物
微粒子で構成することにより保護コートの表面に潤滑剤
を供給するに充分な潤滑剤を保護コートに含浸すること
ができ、CSS特性の経年劣化がなく信号記録の長期安
定性が確保できる光磁気ディスクを提供できる。
式に従って測定した比表面積が100〜1000m2/gの多孔
質微粒子で構成すること、または/そして表面改質され
た無機化合物微粒子と表面改質されていない無機化合物
微粒子で構成することにより保護コートの表面に潤滑剤
を供給するに充分な潤滑剤を保護コートに含浸すること
ができ、CSS特性の経年劣化がなく信号記録の長期安
定性が確保できる光磁気ディスクを提供できる。
【図1】本発明の第1の実施例における光磁気ディスク
の要部断面模式図である。
の要部断面模式図である。
【図2】本発明の第1の実施例のおける光磁気ディスク
を光磁気ドライブ装置に組み込んだ場合の要部構成図で
ある。
を光磁気ドライブ装置に組み込んだ場合の要部構成図で
ある。
【図3】本発明の第1の実施例のおける光磁気ディスク
の実験に用いたドライブ装置のスライダーに取り付けた
サーチコイルの出力波形図である。
の実験に用いたドライブ装置のスライダーに取り付けた
サーチコイルの出力波形図である。
【図4】本発明の第1の実施例のおける光磁気ディスク
のCSS回数に対するディスク回転駆動装置の立ち上が
り時間の変化を示す特性図である。
のCSS回数に対するディスク回転駆動装置の立ち上が
り時間の変化を示す特性図である。
【図5】本発明の第1の実施例のおける光磁気ディスク
の再生C/Nの経時変化を示す特性図である。
の再生C/Nの経時変化を示す特性図である。
【図6】本発明の第2の実施例における光磁気ディスク
の要部断面模式図である。
の要部断面模式図である。
【図7】本発明の第2の実施例における保護コートに混
合する表面改質を施したアルミナ微粒子と表面改質を施
していないアルミナ微粒子の混合比に対する保護コート
中の潤滑剤の量と保護コート表面の突起の発生密度の関
係を示す特性図である。
合する表面改質を施したアルミナ微粒子と表面改質を施
していないアルミナ微粒子の混合比に対する保護コート
中の潤滑剤の量と保護コート表面の突起の発生密度の関
係を示す特性図である。
【図8】従来の光磁気ディスクの要部断面模式図であ
る。
る。
1…ホスファゼン系紫外線硬化型樹脂、 2…アルミナ
微粒子、 3…アルコキシシラン、 4…潤滑剤、 5
…基板、 6…光磁気記録媒体、 7…保護コート、
10…スライダー、 11…磁気ヘッド、 12…光磁
気ディスク、13…ディスク回転駆動装置、 14…ス
ライダー支持機構、 15…対物レンズ、 16…光ヘ
ッド、 17…ミラー、 18…移動機構、 19…レ
ーザ光。
微粒子、 3…アルコキシシラン、 4…潤滑剤、 5
…基板、 6…光磁気記録媒体、 7…保護コート、
10…スライダー、 11…磁気ヘッド、 12…光磁
気ディスク、13…ディスク回転駆動装置、 14…ス
ライダー支持機構、 15…対物レンズ、 16…光ヘ
ッド、 17…ミラー、 18…移動機構、 19…レ
ーザ光。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日野 泰守 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (11)
- 【請求項1】 表面改質が施された無機化合物微粒子と
ラジカル重合性化合物と潤滑剤とを主たる成分とする組
成物を保護コートとして備えたことを特徴とする光磁気
ディスク。 - 【請求項2】 表面改質が施された無機化合物微粒子と
表面改質が施されていない無機化合物微粒子とラジカル
重合性化合物と潤滑剤とを主たる成分とする組成物を保
護コートとして備えたことを特徴とする光磁気ディス
ク。 - 【請求項3】 表面改質が下記の化学式のいずれかで表
される金属石鹸類によることを特徴とする請求項1また
は2記載の光磁気ディスク。 【化1】(R−COO)nM, R−SO3M, (RO)n−PO2M (R;アルキル基、 M;金属イオン、 n=1〜4) - 【請求項4】表面改質がアルキルエーテルやアルキルエ
ステル、アルキルアミン、アルキルアミド、グリセリン
エステル、ソルビタンエステルなどのポリエチレングリ
コールエステルの界面活性剤またはポリエチレングリコ
ールエーテルの界面活性剤によることを特徴とする請求
項1または2記載の光磁気ディスク。 - 【請求項5】表面改質が下記の化学式で表される化合物
によることを特徴とする請求項1または2記載の光磁気
ディスク。 【化2】(R)m−M−(OR’)n (R;アルキル基、 M;Si,Ti,Al、R’;C
H3,C2H5,C3H7、 n=1〜3、m=1〜3) - 【請求項6】表面改質がポリアクリル酸エステルまたは
ポリアミンによることを特徴とする請求項1または2記
載の光磁気ディスク。 - 【請求項7】無機化合物微粒子がアルミナ、シリカ、ジ
ルコニア、窒化珪素、炭化珪素のいずれか1種、または
2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1また
は2記載の光磁気ディスク。 - 【請求項8】無機化合物微粒子が5〜50重量%の範囲で
含まれることを特徴とする請求項1または2記載の光磁
気ディスク。 - 【請求項9】無機化合物微粒子の中心粒径が0.05〜0.5
μm、粒径分布が0.02〜2μmの範囲であることを特徴と
する請求項1または2記載の光磁気ディスク。 - 【請求項10】ラジカル重合性化合物が下記の化学式で
示されるホスファゼン系紫外線硬化型樹脂であることを
特徴とする請求項1または2記載の光磁気ディスク。 【化3】 - 【請求項11】無機化合物微粒子がBET吸着等温式に
従って測定した比表面積が100〜1000m2/gの多孔質微
粒子であることを特徴とする請求項1または2記載の光
磁気ディスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4323199A JPH0644627A (ja) | 1991-12-02 | 1992-12-02 | 光磁気ディスク |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31793391 | 1991-12-02 | ||
JP3-317933 | 1992-05-27 | ||
JP4-134690 | 1992-05-27 | ||
JP13469092 | 1992-05-27 | ||
JP4323199A JPH0644627A (ja) | 1991-12-02 | 1992-12-02 | 光磁気ディスク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0644627A true JPH0644627A (ja) | 1994-02-18 |
Family
ID=27316936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4323199A Pending JPH0644627A (ja) | 1991-12-02 | 1992-12-02 | 光磁気ディスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0644627A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6996046B2 (en) | 2001-12-14 | 2006-02-07 | Hitachi, Ltd. | Information recording apparatus and method |
US10434566B2 (en) | 2016-03-18 | 2019-10-08 | Honda Motor Co., Ltd. | Casting device |
-
1992
- 1992-12-02 JP JP4323199A patent/JPH0644627A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6996046B2 (en) | 2001-12-14 | 2006-02-07 | Hitachi, Ltd. | Information recording apparatus and method |
US10434566B2 (en) | 2016-03-18 | 2019-10-08 | Honda Motor Co., Ltd. | Casting device |
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