JP2624206B2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ディスク装置

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JP2624206B2
JP2624206B2 JP6337312A JP33731294A JP2624206B2 JP 2624206 B2 JP2624206 B2 JP 2624206B2 JP 6337312 A JP6337312 A JP 6337312A JP 33731294 A JP33731294 A JP 33731294A JP 2624206 B2 JP2624206 B2 JP 2624206B2
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    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/48Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
    • G11B5/58Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
    • G11B5/60Fluid-dynamic spacing of heads from record-carriers
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    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
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    • G11B5/4853Constructional details of the electrical connection between head and arm

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置に関
し、主としてコンピュ−タなどに用いられる磁気ディス
ク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記憶ファイルの分野におい
て、高記録密度化が着実に向上している。そして、磁気
ディスク装置では、情報を読み書きする磁気ヘツドと情
報を保持している記録媒体との間隔(以下“スペ−シン
グ”と称する)を小さくすることが、高密度化の重要な
要素の一つとなっている。このスペ−シングを小さくす
るため、空気ベアリングの代わりに液体ベアリングを用
いた磁気ディスク装置が従来より数多く開発されている
(例えば、特開平4−113568号公報、米国特許第2,969,43
5号明細書、同第3,005,675号明細書、同第3,579,212号
明細書、同第4,633,351号明細書、同第5,202,803号明細
書参照)。
【0003】また、磁気ディスク媒体の最表面に設けた
液体潤滑剤層の表面張力と液体潤滑剤の圧力を利用し、
磁気ヘッドと磁気ディスク媒体とを非接触にして破壊を
防ぎ、かつスペ−シングを小さくすることが提案されて
いる(例えば特開平5−54578号公報参照)。さらに、磁気
ヘッドスライダ及び磁気ヘッドスライダ支持機構を小型
化し、軽荷重にした接触式磁気ディスク装置も開発され
ている(例えば、H.Hamilton“Journal of the Magnetic
of Japan”Vol.15,Supplement No.S2(1991)483及び特
願平5−508808号明細書参照)。
【0004】一方、従来の空気ベアリングを利用する磁
気ディスク装置では、空気による揚力を得るために、磁
気ヘッドスライダに2つから4つの浮揚面パッドを有す
るものが提案されている。例えば、特開平6−36489号公
報には、左右2つの空気ベアリング用の浮揚面パッドに
ついて、特開平6−52645号公報には、前方2つと後方1
つの計3つの空気ベアリング用浮揚面パッドについて、
それぞれ開示されている。
【0005】また、液体ベアリングを用いた磁気ディス
ク装置では、前掲の特開平4−113568号公報には、液体
ベアリング用パッドについて開示されており、該パット
を前後各2つの計4つ配設することが提案されている。
同じく前掲した米国特許第5,202,803号明細書には、前
方2つと後方1つの液体ベアリング用パッドについて、
また、前掲の特開平5−54578号公報にも1つの液体ベア
リング用パッドについて、それぞれ開示されている。
【0006】さらに、特開平6−12808号公報に記載のよ
うに、空気ベアリングと液体ベアリングとを併用するこ
とも提案されている。この場合、3つの浮上面パッドの
内、前方の2つが空気ベアリング用パッドであり、後方
の1つが液体ベアリング用パッドである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の接触
型磁気ディスク装置では、磁気ヘッドスライダと磁気デ
ィスク媒体とが高速で接触するため、磁気ヘッドスライ
ダ及び磁気ディスク媒体が摩耗損傷してしまうという欠
点を有し、また、磁気ディスク媒体上での磁気ヘッドス
ライダの跳躍が大きくなり、このため、スペ−シングが
大きくなり記録密度が上がらないという問題点を有して
いる。
【0008】一方、液体ベアリングを用いた従来の磁気
ディスク装置では、磁気ヘッドスライダ及び磁気ディス
ク媒体の摩耗は減少するが、磁気ディスク媒体上での磁
気ヘッドスライダの跳躍が大きい問題を解決することは
出来ない。以下その理由を詳細に説明する。
【0009】前掲した特開平4−113568号公報、特開平5
−54578号公報、米国特許第2,969,435号明細書、同第3,
005,675号明細書、同第3,579,212号明細書、同第4,633,
351号明細書、同第5,202,803号明細書などに開示されて
いる磁気ディスク装置では、空気ベアリングの代わりに
液体ベアリングを用い、磁気ヘッドスライダを浮上させ
て非接触とし、これにより液体ベアリングの厚さと同等
のスペ−シングが得られることが開示されている。
【0010】しかしながら、液体ベアリングの厚さは20
ナノメ−タ程度であり、磁気ディスク媒体あるいは磁気
ヘッドスライダの表面粗さが数ナノメ−タとスペ−シン
グの5分の1程度にしか減少できないので、毎秒10メ−
タ−以上の高速で磁気ヘッドスライダが磁気ディスク媒
体に追従することは困難である。即ち、前述した磁気ヘ
ッドスライダの跳躍を避けることは困難であるという問
題点を有している。
【0011】その理由を説明すると、前記した各公報及
び米国特許明細書に記載の従来例では、例えば前記した
特開平4−113568号公報に記載のものでは、液体ベアリ
ングにモンテフルオス社のGALDEN D02又はデュボン社の
KRYTOXなどの極性官能基を有しないパ−フロロポリエ−
テルが用いられている。このような非極性のパ−フロロ
ポリエ−テルは、磁気ヘッドスライダあるいは磁気ディ
スク媒体との相互作用が弱いため、これを使用しても磁
気ヘッドスライダの跳躍を防ぐことは困難である。
【0012】また、前掲の米国特許第5,202,803号明細
書には、液体ベアリング用として、ダイキン社のDEMNUM
SPからなる1つの極性基を有するパ−フロロポリエ−
テル又はPOLY-1-DECENEなどの2重結合を有する炭化水
素が開示されている。しかし、このような液体の使用に
おいても、前記と同様、磁気ヘッドスライダあるいは磁
気ディスク媒体との相互作用が弱いため、磁気ヘッドス
ライダの跳躍を防ぐことは困難である。
【0013】また、前記した特開平5−54578号公報に
は、液体ベアリング用として極性末端基を有するパ−フ
ロロポリエ−テルを使用し、その表面張力による引力と
液体ベアリングの圧力による斥力の釣合によりスペ−シ
ングを一定に保つようにすることが開示されている。し
かし、表面張力(γ)による引力(F)は、該公報に記載の
ような曲率半径(R)の球面スライダの場合、例えばバウ
デン・テイバ−著“固体の摩擦と潤滑”(昭和36年,285
頁)に示されているように、次の式(1) ・F=4πRγ………式(1) で表され、スペ−シング(h)には依存しない。
【0014】即ち、上記式(1)によれば、表面張力(γ)
による引力(F)は、スペ−シング(h)の関数として表わ
されるものではないので、このスペ−シング(h)の増大
を防止するような、換言すれば磁気ヘッドスライダの跳
躍を防ぐような引力(F)としては効果がない。
【0015】さらに、極性末端基を有するパ−フロロポ
リエ−テルの表面張力は小さく、磁気ヘッドスライダの
跳躍を防ぐには不足である。この小さい表面張力は、前
記したGALDEN D02やKRYTOXなどの非極性パ−フロロポリ
エ−テルを用いた場合も同様であり、ふっ素を含む有機
物質共通の問題である。
【0016】また、前掲の特開平5−54578号公報、米国
特許第5,202,803号明細書、特開平6−12808号公報に開
示されている1〜3の液体ベアリング用パッドを用いた
磁気ディスク装置では、該パッドと磁気ディスク媒体と
を引きつける液体の引力が弱いため、これも磁気ヘッド
スライダの跳躍を防止することができない。さらに、前
掲の特開平4−113568号公報に開示されている「液体ベ
アリング用パッドを前後各2つの計4つ配設した磁気デ
ィスク装置」では、この4つのパッドが同時に磁気ディ
スク媒体面に接触できないので、これも磁気ヘッドの跳
躍を防止することができない。
【0017】本発明は、以上のような問題点に鑑み成さ
れたものであって、その目的とするところは、前述の諸
問題を解決することにあり、そして、磁気ディスク媒体
上での磁気ヘッドスライダの跳躍を最小にし、高記録密
度で信頼性の高い磁気ディスク装置を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は2発明からな
り、各発明は、いずれも磁気ヘッドスライダ面に接触パ
ッドを配設し、かつ該接触パッドと磁気ディスク媒体と
の間に有機液体を介在させた磁気ディスク装置であっ
て、この液体により接触パッドと磁気ディスク媒体との
間に強い引力を働かせることを意図したものであり、そ
のため、液体の種類や接触パッドの形状及び該パッドの
個数並びにその配列等を総合的に考慮して前記問題点を
解決したものである。
【0019】即ち、本発明は、「磁気記録再生素子から
なる磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを装着した磁気ヘッド
スライダと、該磁気ヘッドスライダを500mg重以下の
荷重で支持する磁気ヘッドスライダ支持機構と、磁気デ
ィスク媒体とを少なくとも備えた磁気ディスク装置にお
いて、(1) 前記磁気ヘッドスライダ面に接触パッドを1
つ以上設け、磁気ディスク媒体と接触パッドとの間に2
以上の極性基を有する液体分子の分子間力を作用させる
ことを特徴とする磁気ディスク装置(請求項1:以下
“第1発明”という)、(2) 前記磁気ヘッドスライダ面
に凸部と平坦部とを有する接触パッドを1つ以上設け、
その平坦部と磁気ディスク媒体との間に非極性もしくは
1以上の極性基を有する液体膜を設けることを特徴とす
る磁気ディスク装置(請求項6:以下“第2発明”とい
う)。」を要旨とする。
【0020】また、上記(1)又は(2)に記載の磁気ディス
ク装置において、 ・磁気ヘッドスライダ面に接触パッドを2つ設け、その
うちの1つを磁気ディスク媒体の進行方向に対して前方
に設け、他の1つを後方に設けること(請求項2,7:後
記図5参照)、 ・同じく磁気ヘッドスライダ面に接触バッドを2つ設
け、磁気ディスク媒体の進行方向に対して直角に設ける
こと(請求項3,8:後記図6参照)、 を本発明の好ましい実施態様とするものである。
【0021】さらに、上記(1)又は(2)に記載の磁気ディ
スク装置において、 ・磁気ヘッドスライダ面に接触パッドを3つ設け、その
うちの2つを磁気ディスク媒体の進行方向に対して前方
に直角に設け、他の1つを後方に設けること(請求項4,
9:後記図7参照)、 ・同じく磁気ヘッドスライダ面に接触バッドを3つ設
け、そのうちの1つを磁気ディスク媒体の進行方向に対
して前方に設け、他の2つを後方に直角に設けること
(請求項5,10:後記図8参照)、 を本発明のより好ましい実施態様とするものである。
【0022】本発明に係る磁気ディスク装置(第1発明
の磁気ディスク装置及び第2発明の磁気ディスク装置を
含む。以下同じ)において、磁気ヘッドスライダ面に接
触パッドを2つ又は3つ設けた本発明の好ましい実施態
様の場合、該接触パッドの磁気ヘッドスライダ面に対す
る配列については、上記したように“磁気ディスク媒体
の進行方向に対して”とする表現を用いた。これは、磁
気ヘッドスライダそれ自体は通常静止状態にあるのに対
し、その下に配置されている磁気ディスク媒体が移動す
るからであり、磁気ヘッドスライダ面に対する接触パッ
ドの配列は、上記の表現が適切であると考えたからであ
る。(以下、本明細書の記載において、この表現を採用
した。)
【0023】また、磁気ヘッドスライダ面に接触パッド
を2つ又は3つ設けた磁気ディスク装置において、この
接触パッドのうち少くとも1つは、磁気記録再生素子か
らなる磁気ヘッドを有する。これを、前記「接触パッド
の1つを磁気ディスク媒体の進行方向に対して前方に設
け、他の2つを後方に直角に設けた磁気ディスク装置:
請求項5,10(後記図8参照)」を例に挙げて説明す
る。
【0024】例えば接触パッド3つのうち、前方に設け
た1つの接触パッドは、磁気記録再生素子からなる磁気
ヘッドを有しないものとし、後方に直角に設けた他の2
つの接触パッドは、いずれも磁気ヘッドを有するものと
することができる。また、前方に設けた1つの接触パッ
ドについては、磁気ヘッドを有するものとし、後方に直
角に設けた他の2つの接触パッドは、いずれも磁気ヘッ
ドを有しないもの又はそのうちの1つだけを有しないも
のとすることができる。このように本発明に係る磁気デ
ィスク装置において、接触パッドのうち、“磁気記録再
生素子からなる磁気ヘッドを有する接触パッド”の数及
びその配設位置について、特に限定するものではない。
【0025】また、本明細書で記載する“接触パッド”
とは、磁気ディスク媒体面に液体ベアリングを介さない
で直接接触する部分が存在することを意味する表現であ
り、一方、従来の液体ベアリング用パッドは、液体ベア
リング上に同パッドが浮上して非接触であるとの基本概
念から用いた用語である。しかし、両者のパットの形態
及びその作用からみて、実質的に相違するものではな
い。そして、接触部が存在するか否かは、基本概念上で
は区別することができるが、スペ−シングが数10ナノメ
−タである領域では、現実の実施形態上、実質的に区別
する意味はない。そこで、以下の明細書記載で従来の液
体ベアリング用パットについても“接触パッド”と表現
する。
【0026】次に、本発明に係る磁気ディスク装置(第
1発明の磁気ディスク装置及び第2発明の磁気ディスク
装置)について詳細に説明する。まず、第1発明の磁気
ディスク装置について説明すると、該装置は、前記した
とおり、磁気記録再生素子からなる磁気ヘッドと、該磁
気ヘッドを装着した磁気ヘッドスライダと、該磁気ヘッ
ドスライダを500mgf以下の荷重で支持する磁気ヘッ
ドスライダ支持機構と、磁気ディスク媒体とを少なくと
も備えた構成からなり、そして、 ・上記磁気ヘッドスライダ面に接触パッドを1つ以上設
け、 ・磁気ディスク媒体と接触パッドとの間に2以上の極性
基を有する液体分子の分子間力を作用させる、 ことを特徴としている。
【0027】第1発明の上記特徴点について、図15〜
17を参照して説明する。なお、図15は、第1発明の
上記特徴点を説明するための図であって、第1発明の磁
気ディスク装置において、接触パッド4と磁気ディスク
媒体6が“2つの極性基12を有する液体分子5”で結合
する様子を模式的に示した図である。また、図16、図
17は、従来の磁気ディスク装置の一例、同装置の他の
例を示す図であって、接触パッド4と磁気ディスク媒体
6との間に“非極性液体分子15を介在させた場合”(図
16)、“1つの極性基12を有する液体分子16を介在さ
せた場合”(図17)の様子を、それぞれ模式的に示した
図である。
【0028】図15に示すように、主鎖13及び2つの極
性基12を有する液体分子5は、接触パッド4の面と磁気
ディスク媒体6とを強い分子間力で架橋させる作用が生
じる。このような架橋作用は、図16に示す非極性液体
分子15や、図17に示す1つの極性基12を有する液体分
子16では生じない。第1発明の磁気ディスク装置は、上
記図15に模式的に示したように、磁気ディスク媒体6
と接触パッド4との間に2以上の極性基12を有する液体
分子5の分子間力を作用させ、この作用により磁気ディ
スク媒体6上での磁気ヘッドスライダ2の跳躍を防止す
るようにしたものである。
【0029】次に、第1発明の磁気ディスク装置で使用
する“2以上の極性基を有する液体分子”について、具
体的に説明する。これは、以下の基本構造をもつ有機化
合物であり、その1つの系列は、次の一般式(1-1)〜(1-
3)で表される炭化水素系化合物である。
【0030】
【0031】
【化1】
【0032】
【化2】
【0033】上記一般式(1-1)〜(1-3)において、G1,G
2,G3,G4は、−OH,−COOH,−COOR,−OOCC(CH3)=CH2,−
NH2,−N(CH3)2,−CH=CH2,−NCO,−SO3H,−N=N-NH2から
選ばれる官能基である。[但し、Rは、−H,−Ch
2h+1又は−C65(ベンゼン環),−Cn2n+165(h
及びnは1〜4の整数)である。]
【0034】官能基としては、2重結合やベンゼン環な
どのπ電子を持つものよりは、酸素を含むもの特に−OH
や−COOHなどの官能基又はアミノ基、スルホン酸基など
の官能基がより強い相互作用力を有するため望ましい。
また、特開平5−217157号公報に開示された官能基を有
する炭化水素系化合物を使用することもできる。
【0035】また、R1〜R8は、Ci2i,[Cj2jO]
で表されるX(H,F,Cl,Br,Iのいずれか、前記Xも同じ)
を含む炭素鎖である。i及びjは1〜6の整数である。
n,i,jが大きくなりすぎると、常温で固体になるた
め、上記した上限を有する。p,qは1以上の整数であ
る。p,qの上限は、やはり常温で固体になる数で定ま
るが、繰り返し単位の種類によりその値は異なるので一
律に定義できない。
【0036】上記一般式(1-1)〜(1-3)に含まれ、そし
て、第1発明の磁気ディスク装置において好適に使用で
きる具体的な有機化合物を例示すれば、次のとおりであ
る。 (1) エチレングリコ−ル:HOCH2CH2OH (2) プロピレングリコ−ル:H3CCH(OH)CH2OH (3) トリメチレングリコ−ル:HO(CH2)3OH (4) 1,4-ブタンジオ−ル:HO(CH2)4OH (5) 1,3-ブチレングリコ−ル:H3CCH(OH)CH2
2OH
【0037】(6) 1,5-ペンタンジオ−ル:HO(CH2)5
OH (7) オクタンジオ−ル:H3CC24CH(OH)CH(C
25)CH2OH (8) グリセリン:CH2(OH)CH2(OH)CH2(OH) (9) ジグリセリン:H2C(OH)CH(OH)CH2OCH
2CH(OH)CH2(OH) (10) ジプロピレングリコ−ル:[H3CCH(OH)C
2]2O (11) ポリエチレングリコ−ル:HO(CH2CH2O)n
2CH2OH(但し、nは分子量190〜630で決まる整数)
【0038】上記化合物以外にさらに例示すると、(12)
ジエチレングリコ−ル,(13)トリエチレングリコ−ル,
(14)ヘプタエチレングリコ−ル,(15)ジョ−ドメタン,
(16)ジブロモメタン,(17)ジブロモオクタン,(18)ジブ
ロモブタン,(19)ジブロモヘキサン,(20)ジメチルスル
フォキシド,(21)ジクロロヘキサン,(22)ジクロロオク
タン、(23)ジオキサン,(24)メタクリレ−トコポリマ
−,(25)しゅう酸エステル,(26)マロン酸エステルを挙
げることができる。
【0039】また、こはく酸エステルとして、例えば(2
7)こはく酸ジメチルエステル,(28)こはく酸モノエチル
エステル,(29)こはく酸メチルエチルエステル,(30)こ
はく酸ジ-2-オキシエチルエステル,(31)こはく酸ジア
リルエステル,(32)こはく酸エチルエステルニトリルな
どを挙げることができる。
【0040】その他、(33)グルタル酸エステル,(34)ア
ジピン酸エステル,(35)ピメリン酸エステル,(36)スベ
リン酸エステル,(37)アゼライン酸エステル,(38)セバ
シン酸エステル、マレイン酸エステル[例えば、(39)マ
レイン酸ジメチルエステル:H3COOCCH=CHCOOCH3)],(4
0)フマル酸エステル,(41)フタ−ル酸エステル,(42)イ
ソフタ−ル酸エスタル,(43)テレフタ−ル酸エステル,
(44)グリコ−ル酸エステルが挙げられる。
【0041】また、次に例示するポリエ−テル、ポリオ
−ルなども用いることができる。
【0042】
【化3】 [例えば(45):nが平均分子量200〜4000の範囲で決ま
る整数]
【0043】
【化4】 [例えば(46):nが平均分子量250〜4000の範囲で決ま
る整数]
【0044】
【化5】 [例えば(47):nが平均分子量400で決まる整数]
【0045】
【化6】 [例えば(48):n,mが平均分子量3000で決まる整数]
【0046】
【化7】 [例えば(49):nが平均分子量2600で決まる整数]
【0047】
【化8】 [例えば(50):nが平均分子量700で決まる整数]
【0048】
【化9】 [例えば(51):n,mが平均分子量4500で決まる整数]
【0049】また、第1発明の磁気ディスク装置で使用
できる“2つ以上の極性基を有する液体分子”の別の系
列は、次の一般式(2)で表されるシリコ−ンオイル類(シ
リコ−ン系化合物)である。
【0050】
【化10】
【0051】上記一般式(2)に含まれ、そして、本発明
において好適に使用できる具体的なシリコ−ンオイル類
を例示すれば、次のとおりである。 (100) 末端シラノ−ルポリジメチルシロキサン [G5:−OH、G6:−H、R9,R10:−CH3、n=7〜4,00
0] 末端アルコ−ルポリジメチルシロキサンであって、例え
ば (101) 末端カルビノ−ル [G5:HOCH2CH2O−、G6:−CH2CH2OH、R9,R10:−C
H3、nは分子量2,400に相当する整数] (102) 末端ヒドロキシルプロピル [G5:HOCH2CH2CH2O−、G6:−CH2CH2CH2OH、R9,R10:
−CH3、nは分子量2,400に相当する整数] (103) ポリジメチルヒドロキシエチレンオキシドメチル
シロキサン[G5:−OSi(CH3)3、G6:−[Si(CH3)(OCH2CH
2OH)O]mSi(CH3)3、m=3、R9,R10:−CH3、nは分子量
50〜4,000に相当する整数] (104) 末端アセトキシポリジメチルシロキサン [G5:−OOCCH3、G6:−Si(CH3)2OOCCH3、R9,R10:−C
H3、nは分子量36,000に相当する整数] (105) 末端ジメチルアミノポリジメチルシロキサン [G5:−N(CH3)2、G6:−Si(CH3)2N(CH3)2、R9,R10:
−CH3、nは分子量425〜600に相当する整数]
【0052】(106) 末端エトキシポリジメチルシロキサ
ン [G5:−OC2H5、G6:−C2H5、R9,R10:−CH3、nは分
子量360〜450に相当する整数] (107) 末端ステアロキシポリジメチルシロキサン [G5:C17H35COO−、G6:−OC17CH35、R9,R10:−C
H3、nは分子量360〜450に 相当する整数] (108) 末端アミノ基ポリジメチルシロキサン [G5:H2NC3H6−、G6:−Si(CH3)2C3H6NH2、R9,R10:
−CH3、n=1] (109) 末端カルボキシルプロピルポリジメチルシロキサ
ン [G5:HOOCC3H6−、G6:−Si(CH3)3C3H6COOH、R9,
10:−CH3] (110) 末端カルボキシルプロピルT構造ポリジメチルシ
ロキサン [G5:HOOCC3H6-、G6:-[Si(CH3)2O]kSi(CH3)3、R9,R
10:-O[Si(C16H32O]lSi(CH3)3、ここでn,k,lは分子量
100〜10,000に相当する整数]
【0053】(111) 末端グリシドキシプロピルポリジメ
チルシロキサン [G5:下記「化11」、G6:下記「化12」、R9,R
10:−CH3、nは分子量363に相当する整数]
【化11】
【化12】
【0054】(112) ポリグリシドキシプロピルメチルシ
ロキサン [G5,G6:−(CH3)3、R9:下記「化13」、R10:−C
H3
【化13】
【0055】(113) ポリグリシドキシプロピルメチルジ
メチルシロキサンコポリマ− [G5:(CH3)3SiO−、G6:−[(Si(CH3)2O]tSi(CH3)3
9:下記「化14」、R10:−CH3、n,tは分子量100
〜1,000に相当する整数]
【化14】
【0056】(114) 末端メタクリロキシプロピルポリジ
メチルシロキサン [G5:CH2=C(CH3)COOC3H6−、G6:−Si(CH3)2C3H6OOCC
(CH3)=CH2、R9,R10:−CH3、nは分子量387に相当する
整数] (115) ポリジメチルメタクリロキシプロピルメチルシロ
キサン [G5,G6:(CH3)3SiO−、G6:−[Si(CH3)2O]aSi(C
H3)3、R9:−C3H6OOCC(CH3)=CH2、R10:−CH3、n,aは
分子量100〜1,000に相当する整数] (116) ポリメルカプトプロピルメチルシロキサン [G5:(CH3)3SiO−、G6:−Si(CH3)3、R9:−C3H6SH、
10:−CH3、nは分子量100〜1,000に相当する整数]
【0057】その他、上記一般式(2)からはずれるシリ
コ−ンオイルも使用でき、例えば (117) ビス(アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン:
2NC36Si(CH3)264Si(CH3)236
2 を挙げることができる。
【0058】また、第1発明の磁気ディスク装置におい
て、“2つ以上の極性基を有する液体分子”のさらに別
の系列として、次の一般式(3)で表される弗素(F)含有
炭化水素系化合物を挙げることができる。
【0059】 但し、上記一般式(3)中、G7は−COOCH3,−COOH,−CH2O
H、又はCONHC6H3(CH3)NCO−(以下“Is”と略記する)
である。また、このG7が次の「化15」で表されるピ
ペロニル基(以下“Pi”と略記する)であってもよい。
【0060】
【化15】
【0061】さらに、上記一般式(3)中のr,sは、分子
量1,000〜10,000に相当する整数であり、r/sは0.5〜
2.0の間である。この種の一般式(3)に含まれる弗素含有
炭化水素系化合物を例示すると、次のものが挙げられ
る。
【0062】(200) HOCH2CF2[OC24r[O
CF2sOCF2CH2OH(但し、r/s=0.8,分子
量2,300) (201) HOOCCF2[OC24r[OCF2sOCF
2COOH(但し、r/s=0.8,分子量2,000) (202) H3COOCCF2[OC24r[OCF2s
CF2COOCH3(但し、r/s=0.8,分子量2,200) (203) PiCF2[OC24r[OCF2sOCF2
i(但し、r/s=0.8,分子量2,000) (204) IsCF2[OC24r[OCF2sOCF2
s(但し、r/s=0.8,分子量2,500)
【0063】以上、第1発明の磁気ディスク装置におい
て使用できる“2つ以上の極性基を有する液体分子”の
具体的な有機化合物を列挙したが、本発明は、これらの
化合物に限定されるものではなく、 ・磁気ディスク装置の通常の使用温度領域(0℃〜80℃)
で液体であること、 ・5年間は蒸発しないこと、 ・毒性及び腐食性がないこと、 ・磁気ディスク媒体の回転によって飛散しないこと、 等の条件に合致すれば、上記に挙げなかった物質でも当
然に使用可能である。
【0064】第1発明の磁気ディスク装置では、前記し
たような“2つ以上の極性基を有する液体分子”を使用
することを特徴とし、これにより前記したように、例え
ば図16のモデル図に示すような極性基を有しない非極
性液体分子15もしくは図17に示すような1つの極性基
を有する液体分子16に比べて、磁気ディスク媒体6と接
触パッド4とを互いに結び付ける力が強く、このため、
磁気ヘッドスライダの跳躍防止効果が顕著である(図1
5参照)。また、第1発明で使用する“2つ以上の極性
基を有する液体分子”について、その分子の長さが長い
ほど、「大きなスペ−シングの場合」でも分子間力が有
効に働くものであり、従って、この場合でも磁気ヘッド
スライダの跳躍を抑制することができるものである。
【0065】なお、第1発明で使用可能な“2つ以上の
極性基を有する液体分子”として列挙したものの一部に
は、特開昭60−202534号公報、特公平6−54539号公報あ
るいは特公平6−10868号公報に開示された有機分子を含
む。しかしながら、上記液体分子は、毎秒10メ−タ−以
上、荷重500ミリグラム以下の接触型磁気ヘッドスライ
ダに限りその特性が発揮されることに着目すべきであ
る。
【0066】これは、軽荷重領域では跳躍力が弱いた
め、前記した図15に模式的に示したように、2つの極
性基12で引き合う分子間力が十分機能するためであると
考えられる。一方、数グラムの大荷重領域では、液体膜
によつて跳躍を防止する効果は全くない。また、大型の
磁気ヘッドでは、空気ベアリングによる浮上力を出すた
めに大面積の浮上面を形成しており、液体膜によるステ
ィクション力が大きく働くことにより接触時の跳躍はむ
しろ大きくなる。
【0067】前掲の特開平5−54578号公報には、前述し
たように、表面張力による引力を利用した液体ベアリン
グに極性末端基を有するパ−フロロポリエ−テルを用い
ることが開示されているが、その極性末端基の数につい
ては言及されていない。第1発明における分子間力を利
用した“2つ以上の極性基を有する液体分子”からなる
液体膜の適用は、そのメカニズムからみて表面張力を利
用した場合と異なり、非極性あるいは1つの極性基を有
する液体膜は使用できず、第1発明の磁気ディスク装置
では、2つ以上の極性基を有する液体分子のみが有効で
ある。
【0068】次に、第2発明の磁気ディスク装置につい
て詳細に説明する。第2発明の磁気ディスク装置は、前
記したとおり、磁気記録再生素子からなる磁気ヘッド
と、該磁気ヘッドを装着した磁気ヘッドスライダと、該
磁気ヘッドスライダを500mgf以下の荷重で支持する
磁気ヘッドスライダ支持機構と、磁気ディスク媒体とを
少なくとも備えた磁気ディスク装置において、 ・磁気ヘッドスライダ面に、凸部と平坦部(凹部)とを有
する接触パッドを1つ以上設け、 ・接触パッドの平坦部と磁気ディスク媒体間に非極性も
しくは1つ以上の極性基を有する液体膜を設ける、 ことを特徴としている。
【0069】まず、第2発明の磁気ディスク装置におけ
る接触パッドを図9に基づいて説明する。なお、図9
は、第2発明の磁気ディスク装置の1例を示す図であっ
て、4は接触パッド、6は磁気ディスク媒体、17は凸部
半径、18は接触パッド平坦部(凹部)、19は接触パッド凸
部、20は液体膜、21はスペ−シング:h、22はメニスカ
ス半径:θ、23は液体接触領域の直径:dを示す。第2
発明における接触パッド4は、図9に示すように、接触
パッド凸部19と接触パッド平坦部(凹部)18とを有する構
造からなる。
【0070】上記のように接触バッド4が凸部19と平坦
部18からなる場合、該平坦部18と磁気ディスク媒体6と
の間に形成された液体膜20の引力(F)は、次の式(2) ・F=Aγcosθ/h……式(2) で表され、液体膜20の接触面積(A)に比例し、また、21
で示すスペ−シング(h)の逆数に比例して大きくなる。
即ち、スペ−シング(h)が小さいほど、また、平坦部の
面積(A)が大きいほど、液体膜20による引力(F)が大き
くなり、磁気ヘッドスライダの跳躍を防止する効果が大
きいことが分かる。
【0071】一方、凸部19に形成された液体膜20の引力
(F’)は、特開平5−54578号公報に記載のものと同様
に、次の式(3) ・F’=4πRγ……式(3) で表され、凸部19の曲率半径:R(図9中の17)にのみ依
存し、スペ−シングhには影響しない。従って、跳躍を
防ぐ効果のある液体の表面張力γによる引力を利用する
には、接触パッド4に平坦部18が存在することが重要で
あることが理解できる。
【0072】第2発明の磁気ディスク装置において、接
触バッド4の凸部19と平坦部18の間隔は、この間隔に液
体分子が存在できる0.6nm以上であれば良い。一方、
この間隔を大きくすると、磁気ヘツドと磁気ディスク媒
体との間隔を大きくすることとなり、その結果、高記録
密度化が図れないので、凸部19と平坦部18の間隔の上限
は50nm以下が適切である。従って、第2発明の磁気デ
ィスク装置において、接触バッド4における凸部19と平
坦部18の間隔は0.6〜50nmが好ましい。
【0073】第2発明の磁気ディスク装置は、前記した
ように、接触パッドの平坦部と磁気ディスク媒体との間
に非極性もしくは1つ以上の極性基を有する液体膜を設
けることを特徴とする。以下、第2発明の磁気ディスク
装置で使用可能なこの種の液体について具体的に説明す
ると、第2発明では、 ・非極性の液体[下記(300)〜(309)の液体] ・1つの極性基を有する液体[下記(310)〜(315)の液
体] ・2つ以上の極性基を有する液体[前記した(1)〜(204)
の液体] を任意に使用することができる。
【0074】(非極性液体の例) (300) F3C(OC24)r(OCF2)sOCF2OCF3(但
し、r/s=0.8,分子量12,000) (301) F3C(OC24)r(OCF2)sOCF2OCF3(r
/s=0.8,分子量2,700) (302) F3C[OCF(CF3)CF2r(OCF2)sOCF
3(r/s=20〜40,分子量6,500) (303) F3C[OCF(CF3)CF2r(OCF2)sOCF
3(r/s=20〜40,分子量1,800) (304) F[CF(CF3)CF2O]d25(分子量8,25
0) (305) F[CF(CF3)CF2O]d25(分子量3,80
0) (306) F(C36O)e25(分子量8,400) (307) F(C36O)e25(分子量2,500) (308) H3C[Si(CH3)2O]fSi(CH3)3(分子量
423,000) (309) H3C[Si(CH3)2O]fSi(CH3)3(分子量
162)
【0075】(1つ極性基を有する液体の例) (310) F[CF(CF3)CF2O]d24COOH(分
子量7,000) (311) F[CF(CF3)CF2O]d24CH2OH(分
子量4,500) (312) F(C36O)e24COOCH3(分子量4,00
0) (313) F(C36O)e24COOCH265(分子量
4,100) (314) F(C36O)e24COOH(分子量3,300) (315) F(C36O)e24CH2OH(分子量3,400)
【0076】次に、本発明に係る磁気ディスク装置(第
1発明及び第2発明の各磁気ディスク装置を含む。以下
同じ)における接触パッドの数及び配設位置に関して、
図4〜8を参照して説明する。なお、図4は1つの接触
パッドを、図5、図6は2つの接触パッドを、図7、図
8は3つの接触パッドをそれぞれ有する磁気ヘッドスラ
イダを示す。図4〜8中、2は磁気ヘッドスライダ、4
は接触パッド、37は磁気ディスク媒体の進行方向を示
す。
【0077】本発明に係る磁気ディスク装置では、図4
に示すように、磁気ヘッドスライダ2に設ける接触パッ
ド4が1つであっても、この磁気ヘッドスライダ2の跳
躍を防止するのに有効であり、これも本発明に包含され
る。しかし、図4に示すように、磁気ディスク媒体の進
行方向37に平行な傾き振動(以下“ピッチング”と称
し、ピッチング24と図示する。)と、進行方向37に直角
な傾き振動(以下“ロ−リング”と称し、ロ−リング25
と図示する。)が生じる。このような傾き振動(ピッチン
グ24及びロ−リング25)は、しばしばスペ−シングが最
小の位置にある磁気ヘッドの記録再生素子の傾きを招く
こととなり、その結果、スペ−シングの変動を生じるこ
とがある。
【0078】従って、接触状態を安定にするためには、
接触パッドを2つあるいは3つ設けることが有効であ
る。この場合、2個よりは3個の方がより安定である。
しかし、3個までは、全ての接触パッドを接触させるこ
とができるが、4個以上では、全ての接触パッドの大き
さを揃えることが難しいため、それらが同時に接触する
ことは困難であり、スペ−シング変動はかえって増大す
る。
【0079】図5のように2個の接触パッド4を進行方
向37に平行に並べた場合、ピッチングは減少するがロ−
リング25は減少しない。逆に、図6のように2個の接触
パッド4を進行方向37に直角に並べた場合、ロ−リング
は減少するが、ピッチング24は減少しない。これに対し
て、図7及び図8のように3つの接触パッド4を設けた
場合、ロ−リングとピッチングの両方を減少させること
ができる。
【0080】以上の事実から、本発明に係る磁気ディス
ク装置では、接触パッドを磁気ヘッドスライダ面に3つ
設けたものが本発明のより好ましい実施態様である。こ
の3つの接触パッドの磁気ヘッドスライダ面への配置
(配列)については、2形態が存在する。即ち、図7のよ
うに、3つの接触パッドのうち、2つを磁気ディスク媒
体の進行方向37に対して前方に直角に設け、他の1つを
後方に設ける場合と、図8のように、1つを磁気ディス
ク媒体の進行方向37に対して前方に設け、他の2つを後
方に直角に設ける場合である。
【0081】どちらの配列でも接触安定性の面では、速
度の小さい場合大きな違いはないが、図7の場合は、進
行方向37の前方に2つの接触パッドを直角に配設するの
で、その面積が大きくなり、空気による浮上力の影響を
受け易い(後記図12参照)。これに対して、図8の場合
は、進行方向37の前方に1つの接触パッドを配設するの
で、その面積が小さく、空気による浮上力の影響を受け
ることが少ない(後記図12参照)。従って、後者の図8に
示す配列が最も優れており、本発明に係る磁気ディスク
装置のより好ましい実施態様である。
【0082】また、本発明に係る磁気ディスク装置にお
いて、磁気ヘッドスライダの大きさ、即ちその質量及び
荷重は重要な要素の1つである。例えば、前掲の米国特
許第5,202,803号明細書に開示された3つの接触パッド
(液体ベアリング用パッド)を用いる磁気ディスク装置で
は、6gfの荷重が用いられているが、本発明に係る磁
気ディスク装置では、磁気ヘッドスライダの跳躍防止効
果を意図するため、500mgf以下の軽荷重とするもの
である。
【0083】本発明に係る磁気ディスク装置における
“磁気ヘッドスライダの跳躍を防止する効果”は、500
mgf重以下の軽荷重領域で特に有効であることは特筆
すべきである(後記図10参照)。これは、大荷重領域で
は、摩擦エネルギ−及び慣性力が大きく、本発明で使用
する前記した液体分子の引力程度で磁気ヘッドスライダ
の跳躍力に打ち勝つことが出来ないからである。
【0084】本発明に係る磁気ディスク装置を構成する
磁気ヘッドスライダ支持機構は、バネとして有効な材料
であるステンレス,燐青銅,シリコン,アルミナなどの
材料で作製することができる。また、磁気ヘッドスライ
ダあるいは接触パッドは、フェライト,アルミナ,アル
ミナと炭化チタンの焼結体,酸化ベリリウムと炭化チタ
ンの焼結体,アルミナとSiCの焼結体,チタン酸カルシ
ウム,チタン酸バリウム,グラッシ−カ−ボン,非晶質
カ−ボン,SiO2,ZrO2,TiO2,窒化ほう素,サファイ
ア,Si,ダイアモンドなど、多くの硬質材料で作製す
ることができる。
【0085】
【実施例】次に、本発明に係る磁気ディスク装置(第1
発明の磁気ディスク装置、第2発明の磁気ディスク装
置)の実施例及び比較例について、図面を参照して説明
するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0086】(本発明に係る磁気ディスク装置を製造す
る実施例A)まず、本発明に係る磁気ディスク装置の製
造法(実施例A)を図1〜3に基づいて説明する。
【0087】なお、図1は、本発明に係る磁気ディスク
装置の基本構成を示す断面図であり、図2は、本発明に
係る磁気ディスク装置で用いる磁気ヘッドスライダの詳
細な構造を示す図であって、そのうち(A)は該磁気ヘッ
ドスライダの断面図、(B)はその一部(基板)の斜視図、
同(C)は接触パッドに係る斜視図である。また、図3
は、本発明に係る磁気ディスク装置の磁気ヘッドスライ
ダ−支持機構及びその一部(磁気ヘッドスライダ−)の詳
細な構造を示す図である。
【0088】本発明に係る磁気ディスク装置14は、図1
に示すように、磁気記録再生素子からなる磁気ヘッド
1、磁気ヘッドスライダ2、磁気ヘッドスライダ支持機
構3、接触パッド4、液体分子5、磁気ディスク媒体
6、電極10、リ−ド線11からなる。なお、図1中の37
は、磁気ディスク媒体の進行方向を示す。
【0089】上記液体分子5は、図1に模式的に示すよ
うに、主鎖13及び2つ以上の極性基12を有するものであ
って、具体的には、例えば前記(1)〜(204)などの液体で
ある(第1発明の場合)。この液体分子5からなる液体を
3nmの厚さでデイップ法により磁気ディスク媒体6上
に成膜した。なお、本発明は、この成膜法に限定される
ものではなく、その他任意の成膜法を採用することがで
きる。
【0090】上記磁気ディスク媒体6は、保護膜7と磁
気記録担体8及び下地体9から構成されている。具体的
には、ガラス基板からなる下地体9の上に磁性記録担体
8としてCoPtCrをスパッタ法により30nm成膜し、さら
にその上に同じくスパッタ法により水素10%添加カ−ボ
ンからなる保護膜7を2nm成膜した。なお、本発明に
おいて、上記下地体9、磁気記録担体8及び保護膜7の
種類、形成方法などが特に限定されるものではなく、公
知の材料、形成方法などを特別な制限なく用いることが
できる。
【0091】また、上記磁気ヘッドスライダ支持機構3
として、長さ10mm、幅0.5mm、厚さ0.03mmのステ
ンレスを用いた。なお、この磁気ヘッドスライダ支持機
構の材質及び寸法についても、本発明で特に限定される
ものではない。
【0092】磁気ヘッドスライダ2は、図2(A)に示す
ように、ヨ−ク27及びリタ−ンヨ−ク30の部分に穴開け
加工されたダイアモンドからなる基板26の上に、銅薄膜
からなるコイル28が形成され、その上にSiO2薄膜からな
る絶縁膜31が被覆され、さらにその上に鉄ニッケル合金
薄膜からなるヨ−ク27が形成されている。上記コイル28
は、電極29につながり[図2(B)参照]、そして、図2
(A)に示すように、金ワイヤ−33によって磁気ヘッドス
ライダ支持機構3上に形成された銅の配線膜32と導通さ
れる。また、上記ヨ−ク27は、リタ−ンヨ−ク30につな
がり、磁束の通路となる。
【0093】接触パッド4は、ダイヤモンドを加工した
接触パッドA34及び中心にヨ−ク27を埋め込んだ接触パ
ッドB35[図2(C)参照]を張り合わせ、さらに基板26
に接着した後、RMAXが0.5nm程度の球面研磨を行って
作製した。このようにして作製した磁気ヘッドスライダ
2を、図3に示すように、銅薄膜の電極36、配線32を有
する磁気ヘッドスライダ支持機構3に接着し、そして、
前記図1に示すような磁気ディスク装置を得た。
【0094】上記のように作製した本実施例Aによる磁
気ディスク装置を用い、但し使用する液体分子5並びに
接触パッド4の形状、その数及び配列箇所を代えた磁気
ディスク装置に係る実施例(第1発明及び第2発明の磁
気ディスク装置に係る実施例)及び比較例を以下に詳記
する。なお、各実施例及び比較例について、後記表1、
表2にまとめて表示した。
【0095】(実施例1〜78:第1発明の磁気ディスク
装置に係る実施例)実施例1〜78は、第1発明の磁気デ
ィスク装置に係る実施例であって、いずれも2以上の極
性基を有する液体分子を用い、かつ平滑なパッド面を有
する接触パッドを磁気ヘッドスライダに設けた磁気ディ
スク装置に係る例であり、各実施例を後記表1に示す。
【0096】後記表1に示すように、“2つ以上の極性
基を有する液体分子”として、実施例1〜51では、前記
(1)〜(51)の炭化水素系化合物を、実施例52〜69では、
(100)〜(117)のシリコ−ン系化合物を、実施例70〜74で
は、(200)〜(204)の弗素含有炭化水素系化合物を用い
た。また、実施例75〜78では、前記(1)の炭化水素系化
合物を使用した。
【0097】更に実施例1〜78は、いずれも平滑なパッ
ド面を有する接触パッドを磁気ヘッドスライダに配設し
たものであるが、このうち実施例1〜74では、図4に示
すように、磁気ヘッドスライダの面に接触パッドを、磁
気ディスク媒体の進行方向37に対して前方に1つ設けた
例である(これを後記表1の「パッド数」欄に“1”と
表示した)。
【0098】一方、実施例75、同76は、接触パッドを2
つ設けたものであり、このうち実施例75は、図5に示す
ように、2つの接触パッドを磁気ディスク媒体の進行方
向37に平行に設けた例であり(これを同欄に“2(P)”
と表示した)、また、実施例76は、図6に示すように、
2つの接触パッドを進行方向37に直角に設けた例である
(これを同欄に“2(V)”と表示した)。
【0099】実施例77、同78は、接触パッドを3つ設け
たものであり、このうち実施例77は、図7に示すよう
に、2つの接触パッドを進行方向37の前方に直角に、他
の1つを後方に設けた例であり(これを同欄に“3(F)
”と表示した)、実施例78は、図8に示すように、1つ
の接触パッドを進行方向37の前方に、他の2つを後方に
直角に設けた例である(これを同欄に“3(B)”と表示
した)。
【0100】上記実施例1〜78の各磁気ディスク装置を
用い、回転する磁気ディスク媒体6上に磁気ヘッドスラ
イダ2を接触パッド4を介して接触させた(前記図1参
照)。このときの荷重は、磁気ヘッドスライダ−支持機
構3をたわませることにより50mgを付与した。そし
て、接触摺動中の磁気ヘッドスライダ2の磁気ディスク
媒体6に対する速度20m/sでの跳躍量を測定し、その
結果を後記表1に示した。
【0101】上記跳躍量は、レ−ザ−ドップラ−振動計
(以下“LDV”と略記する)を用い、レ−ザ−ビ−ムを
磁気ヘッドスライダ2の背面に当て、その反射光の周波
数変化を観察して速度を測定し、さらに該速度を積分す
ることにより変位に換算して求めた。また、LDVを2
台使用し、磁気ヘッドスライダ2の背面の2箇所の変位
を求めることによりロ−ル角又はピッチ角を求めた(こ
のロ−ル角、ピッチ角については、後記参照)。
【0102】(比較例1、比較例2)比較例1、比較例
2では、前記実施例1〜74と同様に平滑なパッド面を有
する接触パッドを1つ用いるが(前記図4参照)、但し2
つ以上の極性基を有する液体分子に代えて前記した(30
0)の有機化合物(非極性)を使用し(比較例1)、また、(3
15)の有機化合物(1つの極性基を有するもの)を使用し
(比較例2)、磁気ディスク装置を作製した。この磁気デ
ィスク装置について、前記実施例と同様、接触摺動中の
磁気ヘッドスライダの磁気ディスク媒体に対する速度20
m/sでの跳躍量を測定し、その結果を表1に付記し
た。
【0103】
【表1】
【0104】上記表1から、磁気ヘッドスライダ面に平
滑なパッド表面を有する接触パッドを1つ設けた磁気デ
ィスク装置において、2以上の極性基を有する液体を使
用した実施例1〜78は、非極性の液体(300)又は1極性の
液体(315)を使用した比較例1、比較例2と比べて格段
に跳躍量が減少していることが認められた。また、いず
れも「2極性液体(1)」を用いたものであるが、接触パ
ッドを1つ設けた実施例1と、接触パッドを2つ又は3
つ設けた実施例75〜78とを比較すると、前者の実施例1
よりも後者の実施例75〜78の方が跳躍量について改善さ
れていることが分かった。さらに、接触パッドを2つ設
けた実施例75、同76と3つ設けた実施例77、同78と比較
すると、後者が跳躍量について改善されていることが分
かった。
【0105】(実施例79〜172、第2発明の磁気ディス
ク装置に係る実施例)実施例79〜172は、第2発明の磁
気ディスク装置に係る実施例であって、いずれも凹凸面
を有する接触パッドを設けた例である。
【0106】ここで、接触パッドに凹凸面を形成する手
段について、図9を参照して説明する。なお、図9は、
第2発明の磁気ディスク装置の1例を説明するための図
であって、凸部と平坦部とを有する接触パッドを設けた
ものであり、この接触パッドと磁気ディスク媒体の間に
液体膜が存在する例を示す図である。図9において、4
は接触パッド、6は磁気ディスク媒体、17は凸部半径:
R、18は接触パッド平坦部(凹部)、20は液体膜、21はス
ペ−シング:h、22はメニスカス半径:θ、23は液体接
触領域の直径:dである。
【0107】接触パッド4の材質としてアルミナ・炭化
チタン焼結体を用い、RMAXが0.2nm程度の球面となる
ように研磨を行った後、酸素イオンを用いたイオンエッ
チングにより食刻を行った。この食刻により炭化チタン
の粒子が選択的に削られ、接触パッド4の表面に、図9
に示すようなアルミナからなる接触パッド凸部19と炭化
チタンからなる接触パッド平坦部(凹部)18が形成され
る。凸部19と平坦部(凹部)18の間隔は2nm程度であ
る。
【0108】実施例79〜172では、上記のように作製し
た凹凸面を有する接触パッドを用いる以外は、前記実施
例Aと同様にして磁気ディスク装置を作製した。このう
ち実施例79〜168は、図4に示すように、磁気ヘッドス
ライダ2の面に接触パッド(凹凸面を有する接触パッド)
4を、磁気ディスク媒体の進行方向37に対して前方に1
つ設けた例である(これを後記表2の「パッド数」欄に
“1”と表示した)。
【0109】一方、実施例169、同170は、凹凸面を有す
る接触パッドを2つ設けたものであり、このうち実施例
169は、図5に示すように、2つの接触パッドを磁気デ
ィスク媒体の進行方向37に平行に設けた例であり(これ
を同欄に“2(P)”と表示した)、また、実施例170は、
図6に示すように、2つの接触パッドを進行方向37に直
角に設けた例である(これを同欄に“2(V)”と表示し
た)。
【0110】実施例171、同172は、凹凸面を有する接触
パッドを3つ設けたものであり、このうち実施例171
は、図7に示すように、2つの接触パッドを進行方向37
の前方に直角に、他の1つを後方に設けた例(これを同
欄に“3(F) ”と表示した)、実施例172は、図8に示
すように、1つの接触パッドを進行方向37の前方に、他
の2つを後方に直角に設けた例である(これを同欄に
“3(B)”と表示した)。
【0111】そして、接触パッドと磁気ディスク媒体間
に使用する液体膜として、実施例79〜152では、後記表
2に示すように、2極性(2つ以上の極性基を有する液
体分子からなる液体)の前記した(1)〜(51)、(100)〜(11
7)、(200)〜(204)を、実施例153〜162では、非極性の前
記した(300)〜(309)を、実施例163〜168は、1つの極性
基を有する前記した(310)〜(315)を用いた例である。ま
た、実施例169〜172では、2極性液体の前記(1)を用い
た例である。
【0112】
【表2】
【0113】上記表2から、いずれも“2極性(1)”を
用いたものであるが、凹凸面を有する接触パッドを1つ
設けた実施例79と、同接触パッドを2つ又は3つ設けた
実施例169〜172とを比較すると、前者の実施例79よりも
後者の実施例169〜172の方が跳躍量について改善されて
いることが分かった。また、接触パッドを2つ設けた実
施例169、170と3つ設けた実施例171、172と比較する
と、接触パッドの多い後者が跳躍量について改善されて
いることが分かった。
【0114】更に、使用した液体膜の各種類についてみ
ると、前記表1及び上記表2から、弗素(F)を含む炭化
水素系液体(200)〜(204)、(300)〜(307)及び(310)〜(31
5)の使用は、シリコ−ン系液体(100)〜(117)、(308)〜
(309)や炭化水素系液体(1)〜(51)の使用に比べて若干跳
躍量が大きいことが分かる。これは、炭化水素系に比較
して表面張力が小さいためであると考えられる。例え
ば、(1)は50.2dyne・cm-1、(200)は17.2dyne・cm-1、(10
0)は21.0dyne・cm-1である。
【0115】また、平滑面を有する接触パッドよりも凹
凸面を有する接触パッドの方が、全体的に跳躍量が小さ
いことも分かる。これは、凹部又は平坦部において、前
記した式(2)『F=Aγcosθ/h』による液体膜の
引力が働き易いためであると考えられる。
【0116】次に、本発明に係る磁気ディスク装置の作
用、利点などについて、図10〜図14を参照して詳細に説
明する。
【0117】まず、図10に、磁気ディスク装置におい
て、液体膜の有・無による磁気ヘッドスライダの跳躍量
(nm)と該磁気ヘッドスライダを支持する荷重(mgf)との
関係を示す。該図から、液体膜が存在する“液体膜有”
の場合は、荷重が小さいほど跳躍量が小さくなり、ま
た、液体膜が存在しない“液体膜無”の場合は、荷重が
小さいほど逆に跳躍量は大きくなることが認められる。
【0118】図10の上記事実から、液体膜の有・無によ
る磁気ヘッドスライダの跳躍量の差は、その荷重が小さ
い程大きくなることが理解できる。しかしながら、従来
の荷重:5×102mgf(500mgf)程度又はそれ以上の磁気ヘ
ッドでは、液体膜の効果は分からなかったが、荷重:50
0mgf以下の軽荷重において、その効果が著しくなること
が分かった。この事実から、第1発明及び第2発明の磁
気ディスク装置において、磁気ヘッドスライダを500mgf
以下(好ましくは100mgf以下、より好ましくは50mgf以
下)の軽荷重で支持することが、この磁気ヘッドスライ
ダの跳躍を防止するのに有効であることが理解できる。
【0119】図11に、本発明に係る磁気ディスク装置に
おいて、平滑な接触パッドの使用(具体的には第1の発
明の実施例9)と凹凸を有する接触パッドの使用(具体的
には第2発明の実施例87)での跳躍量と速度の関係(跳躍
量の速度依存性)を示す。該図から、跳躍量は、いずれ
も速度が大きいほど増加するが、平滑面接触パッドの場
合にはその増加率は非常に大きいが、凹凸面接触パッド
の場合は増加率は小さいことが認められた。この事実か
ら、凹凸面を有する接触パッドを配設した第2発明の磁
気ディスク装置は、平滑な接触パッドを配設した第1発
明のそれよりも好ましいということができる。
【0120】図12は、第2発明の磁気ディスク装置にお
いて、凹凸面を有する接触パッドのパッド数:1〜3を配
設した場合の各ロ−ル角と速度の関係を示す図であっ
て、 ・パッド数が1つ(図4参照)の実施例79 ・パッド数が2つで磁気ディスク媒体の進行方向に平行
に並んだもの(図5参照)の実施例169[2(P)] ・パッド数2つで磁気ディスク媒体の進行方向に直角に
並んだもの(図6参照)の実施例170[2(V)] ・パッド数3つのうち、磁気ディスク媒体の進行方向の
前方に直角に2つ、後方に1つ位置するもの(図7参照)
の実施例171[3(F)] ・パッド数3つのうち、磁気ディスク媒体の進行方向の
前方に1つ、後方に直角に2つ位置するもの(図8参照)
の実施例172[3(B)] の各磁気ヘッドスライダのロ−ル角の速度依存性を示
す。
【0121】図12から、パッド数1とパッド数2[2(P)]
の磁気ヘッドスライダは、速度の増加と共に跳躍量は増
加するが、パッド数3の[3(B)]及びパッド数2[2(V)]の
磁気ヘッドスライダは、跳躍量の速度依存性は殆ど見ら
れない。また、パッド数3の[3(F)]は、10m/s以下の
速度では、[3(B)]と同様、跳躍量の速度依存性は殆どな
いが、それ以上の速度では、急激に跳躍量が増加する。
これは、[3(B)]は空気の動圧の影響を受けにくいのに比
べ、[3(F)]は空気の浮上力の影響を受け易いためである
と考えられる。
【0122】図13に、第2発明の磁気ディスク装置にお
いて、上記図12で示したものと同じ実施例79,169[2
(P)],170[2(V)],171[3(F)],172[3(B)]を使用し、そ
の磁気ヘッドスライダのピッチ角の速度依存性を示す。
該図から、パッド数1とパッド数2[2(V)]の磁気ヘッド
スライダは、速度の増加と共に跳躍量は増加するが、パ
ッド数3の[3(B)]及びパッド数2[2(P)]は、跳躍量の速
度依存性は殆ど見られない。
【0123】また、ロ−ル角の場合と同様に、パッド数
3の[3(F)]は10m/s以下の速度では、[3(B)]と同様、
跳躍量の速度依存性は殆どないが、それ以上の速度で
は、急激に跳躍量が増加する。これは、[3(B)]は空気の
動圧の影響を受けにくいのに比べ、[3(F)]は空気の浮上
力の影響を受け易いためであると考えられる。
【0124】更に、前記ロ−ル角(図12)とピッチ角(図1
3)の両方を考慮した場合、各磁気ヘッドスライダの走行
安定性(ピッチ角の逆数+ロ−ル角の逆数)は、速度が10
m/s以下の場合、 ・『パッド数3[3(B)]及び[3(F)]>パッド数2[2(P)]〜
パッド数2[2(V)]>パッド数1』の順に大きく、10m/
s以上の速度では、 ・『パッド数3[3(B)]>パッド数2[2(P)]〜パッド数2
[2(V)]>パッド数3[3(F)]>パッド数1』 の順に大きいことが分かった。
【0125】なお、第1発明の磁気ディスク装置であっ
て、“2極性(1)”を用い、かつ平滑面を有する接触パ
ッドを設けたものにおいて、実施例1(パッド数1)、実
施例75[2(P)]、実施例76[2(V)]、実施例 77[3(F)]、実
施例78[3(B)]においても、図12及び図13とほぼ同様の結
果が得られた。
【0126】図14に、第2発明の磁気ディスク装置にお
いて、パッド数1で非極性液体(308)を用いた実施例及
び2極性液体(1)を用いた実施例79の場合の[接触パッド
面の凸部と平坦部(凹部)の間隔(RMAXに相当)に対する
跳躍量の変化]を示す。該図から、非極性液体を用いた
ときは、該間隔が0.6nm以下で跳躍量が急激に増加す
ることが認められた。
【0127】上記事実から、第2発明の磁気ディスク装
置において、接触パッドのRMAXは、0.6nm以上が好ま
しいことが理解できる。しかし、2以上の極性基を有す
る液体を用いたときは、接触部以外の部分(例えば接触
部の周り)で液体分子により磁気ディスク媒体と接触パ
ッド間に分子間力が働くので、跳躍量は凸部と凹部の間
隔には依存しないことが分かった。
【0128】以上の説明から明らかなように、本発明に
係る磁気ディスク装置では、従来の磁気ディスク装置と
比較して、少なくとも数分の一から数十分の一の跳躍量
と数倍の走行安定性を確保し得ることが理解できる。ま
た、本発明に係る磁気ディスク装置を用いて、従来の5
倍の線記録密度を得ることができた。
【0129】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、磁気記
録再生素子からなる磁気ヘッドと、該磁気ヘッドを装着
した磁気ヘッドスライダと、該磁気ヘッドスライダを50
0mgf以下の荷重で支持する磁気ヘッドスライダ支持
機構と、磁気ディスク媒体とを少なくとも備えた磁気デ
ィスク装置において、 ・磁気ヘッドスライダ面に接触パッドを1〜3以下設
け、磁気ディスク媒体と接触パッドとの間に2つ以上の
極性基を有する液体分子の分子間力を作用させることに
より、また、 ・磁気ヘッドスライダ面に凸部と平坦部(凹部)を有する
接触パッドを1〜3以下設け、磁気ディスク媒体と接触
パッドとの間に非極性もしくは1つ以上の極性基を有す
る液体分子を設けることにより、磁気ヘッドスライダの
磁気ディスク装置の跳躍を最小にし、高い記録密度を得
ることができる効果が生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ディスク装置の基本構成を示
す断面図。
【図2】本発明に係る磁気ディスク装置で用いる磁気ヘ
ッドスライダの詳細な構造を示す図であって、(A)は該
磁気ヘッドスライダの断面図、(B)はその一部(基板)の
斜視図、(C)は接触パッドに係る斜視図。
【図3】本発明に係る磁気ディスク装置の磁気ヘッドス
ライダ支持機構及びその一部(磁気ヘッドスライダ)の詳
細な構造を示す図。
【図4】本発明に係る磁気ディスク装置の一実施例であ
る、1つの接触パッドを有する磁気ヘッドスライダを示
す図。
【図5】本発明に係る磁気ディスク装置の他の実施例で
ある、磁気ディスク媒体の進行方向に平行に2つの接触
パッドを有する磁気ヘッドスライダを示す図。
【図6】本発明に係る磁気ディスク装置のその他の実施
例である、磁気ディスク媒体の進行方向に直角に2つの
接触パッドを有する磁気ヘッドスライダを示す図。
【図7】本発明に係る磁気ディスク装置のさらに他の実
施例である、磁気ディスク媒体の進行方向の前方に2
つ、後方に1つの合計3つの接触パッドを有する磁気ヘ
ッドスライダを示す図。
【図8】本発明に係る磁気ディスク装置のその上の実施
例である、磁気ディスク媒体の進行方向の前方に1つ、
後方に2つの合計3つの接触パッドを有する磁気ヘッド
スライダを示す図。
【図9】第2発明の磁気ディスク装置の1例を説明する
図であって、凸部と平坦部を有する接触パッドと磁気デ
ィスク媒体の間に液体膜が存在する例を示す図。
【図10】磁気ディスク装置において、液体膜の有・無
による跳躍量と荷重の関係を示す図。
【図11】本発明に係る磁気ディスク装置において、平
滑な接触パッド、凹凸を有する接触パッドの各使用での
跳躍量と速度の関係を示す図。
【図12】第2発明の磁気ディスク装置において、1〜
3の各パッド数を有する場合でのロ−ル角と速度の関係
を示す図。
【図13】第2発明の磁気ディスク装置において、1〜
3の各パッド数を有する場合でのピッチ角と速度の関係
を示す図。
【図14】第2発明の磁気ディスク装置において、非極
性液体と2つの極性基含有液体を有する接触パッドの凸
部と平坦部の間隔と跳躍量の関係を示す図。
【図15】本発明に係る磁気ディスク装置において、接
触パッドと磁気ディスク媒体が2つの極性基を有する液
体分子で結合する様子を模式的に示した図。
【図16】従来の磁気ディスク装置の一例を示す図であ
って、接触パッドと磁気ディスク媒体間に非極性液体分
子を介在させた場合の様子を模式的に示した図。
【図17】従来の磁気ディスク装置の他の例を示す図で
あって、接触パッドと磁気ディスク媒体間に1つの極性
基を有する液体分子を介在させた場合の様子を模式的に
示した図。
【符号の説明】
1 磁気ヘッド 2 磁気ヘッドスライダ 3 磁気ヘッドスライダ支持機構 4 接触パッド 5 2つ以上の極性基を有する液体分子 6 磁気ディスク媒体 7 保護膜 8 磁気記録担体 9 下地体 10 電極 11 リ−ド線 12 極性基 13 主鎖 14 磁気ディスク装置 15 非極性液体分子 16 1つの極性基を有する液体分子 17 凸部半径 18 接触パッド平坦部 19 接触パッド凸部 20 液体膜 21 スペ−シング 22 メニスカス半径 23 液体接触領域の直径 24 ピッチング 25 ロ−リング 26 基板 27 ヨ−ク 28 コイル 29 電極 30 リタ−ンヨ−ク 31 絶縁膜 32 配線膜 33 ワイヤ− 34 接触パッドA 35 接触パッドB 36 電極 37 磁気ディスク媒体の進行方向
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−223001(JP,A) 特開 平2−206001(JP,A) 特開 平2−201701(JP,A) 特開 平2−198001(JP,A) 特開 平2−161601(JP,A) 特開 平1−89016(JP,A) 特開 昭59−148179(JP,A) 特開 平7−161023(JP,A)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録再生素子からなる磁気ヘッド
    と、該磁気ヘッドを装着した磁気ヘッドスライダと、該
    磁気ヘッドスライダを500mgf以下の荷重で支持する
    磁気ヘッドスライダ支持機構と、磁気ディスク媒体とを
    少なくとも備えた磁気ディスク装置において、磁気ヘッ
    ドスライダ面に接触パッドを1つ以上設け、磁気ディス
    ク媒体と接触パッドとの間に2以上の極性基を有する液
    体分子の分子間力を作用させることを特徴とする磁気デ
    ィスク装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気ディスク装置にお
    いて、磁気ヘッドスライダ面に接触パッドを2つ設け、
    そのうちの1つを磁気ディスク媒体の進行方向に対して
    前方に設け、他の1つを後方に設けたことを特徴とする
    磁気ディスク装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の磁気ディスク装置にお
    いて、磁気ヘッドスライダ面に接触パッドを2つ設け、
    磁気ディスク媒体の進行方向に対して直角に設けたこと
    を特徴とする磁気ディスク装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の磁気ディスク装置にお
    いて、磁気ヘッドスライダ面に接触パッドを3つ設け、
    そのうちの2つを磁気ディスク媒体の進行方向に対して
    前方に直角に設け、他の1つを後方に設けたことを特徴
    とする磁気ディスク装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の磁気ディスク装置にお
    いて、磁気ヘッドスライダ面に接触パッドを3つ設け、
    そのうちの1つを磁気ディスク媒体の進行方向に対して
    前方に設け、他の2つを後方に直角に設けたことを特徴
    とする磁気ディスク装置。
  6. 【請求項6】 磁気記録再生素子からなる磁気ヘッド
    と、該磁気ヘッドを装着した磁気ヘッドスライダと、該
    磁気ヘッドスライダを500mgf以下の荷重で支持する
    磁気ヘッドスライダ支持機構と、磁気ディスク媒体とを
    少なくとも備えた磁気ディスク装置において、磁気ヘッ
    ドスライダ面に、凸部と平坦部とを有する接触パッドを
    1つ以上設け、かつ接触パッドの平坦部と磁気ディスク
    媒体間に非極性もしくは1以上の極性基を有する液体膜
    を設けたことを特徴とする磁気ディスク装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の磁気ディスク装置にお
    いて、磁気ヘッドスライダ面に凸部と平坦部とを有する
    接触パッドを2つ設け、そのうちの1つを磁気ディスク
    媒体の進行方向に対して前方に設け、他の1つを後方に
    設けたことを特徴とする磁気ディスク装置。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の磁気ディスク装置にお
    いて、磁気ヘッドスライダ面に凸部と平坦部とを有する
    接触パッドを2つ設け、磁気ディスク媒体の進行方向に
    対して直角に設けたことを特徴とする磁気ディスク装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の磁気ディスク装置にお
    いて、磁気ヘッドスライダ面に凸部と平坦部とを有する
    接触パッドを3つ設け、そのうちの2つを磁気ディスク
    媒体の進行方向に対して前方に直角に設け、他の1つを
    後方に設けたことを特徴とする磁気ディスク装置。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載の磁気ディスク装置に
    おいて、磁気ヘッドスライダ面に凸部と平坦部とを有す
    る接触パッドを3つ設け、そのうちの1つを磁気ディス
    ク媒体の進行方向に対して前方に設け、他の2つを後方
    に直角に設けたことを特徴とする磁気ディスク装置。
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