JP2964945B2 - 接触式磁気ディスク装置 - Google Patents

接触式磁気ディスク装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータの外
部記憶装置等に用いられる接触式磁気ディスク装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報記憶ファイルの分野におい
て、高記録密度化が着実に向上している。磁気ディスク
装置では、情報を読み書きする磁気ヘッドと情報を保持
している磁気ディスク媒体との間隔(以下「スペーシン
グ」という。)を小さくすることが高密度化の重要な要
素の一つとなっている。スペーシングを小さくするため
に、磁気ヘッドを空気の動圧力で浮上させる方式に代わ
り、磁気ヘッドを磁気ディスク媒体上に直接接触させる
接触式磁気ディスク装置が開発されている(例えば、H.
Hamilton: Journal of the Magnetic Society of Japa
n, Vol.15, Supplement No.S2(1991)483 又は特願平5
−508808号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の接触式
磁気ディスク装置は、磁気へッドスライダと磁気ディス
ク媒体とを高速で接触させるために、次のような問題が
あった。.磁気ヘッドスライダ及び磁気ディスク媒体
が摩耗損傷しやすい。.磁気ディスク媒体上での磁気
ヘッドスライダの跳躍が大きくなることにより、スペー
シング変動が大きくなるので、記録密度が上がりにく
い。
【0004】また、特開平5−151735号公報に
は、磁気ディスク媒体表面の炭素保護膜上に潤滑剤を被
覆することが開示されている。この潤滑剤は、ダイキン
社の「DEMNUM SP」からなる1つの極性基を有
するパーフロロポリエーテル又はポリ−1−デセンから
なる炭化水素潤滑剤である。しかし、このような潤滑剤
(液体)は、膜形成能力が小さいため磁気ヘッドスライ
ダの摩耗を防ぐことは困難である。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、上記問題点を解決して
耐摩耗性及び信頼性を向上させることにより、高記録密
度化を容易にした接触式磁気ディスク装置(以下、単に
「磁気ディスク装置」という。)を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気ディス
ク装置は、下地体上に結合層及びその上のポリブテンか
らなる2層潤滑膜を被覆した薄膜磁気ディスク媒体と、
この薄膜磁気ディスク媒体上に直接接触することにより
当該薄膜磁気ディスク媒体に対して情報の記録又は再生
を行う接触型磁気ヘッドと、この接触型磁気ヘッドを装
着した磁気ヘッドスライダと、この磁気ヘッドスライダ
を支持する磁気へッドスライダ支持機構とを備えてい
る。前記潤滑膜は、粘度が100cSt以上かつ10万
cSt以下、好ましくは1万cStのポリブテンであ
る。前記磁気へッドスライダ支持機構は、前記磁気ヘッ
ドスライダを例えば500mg重以下の荷重で支持する
ものである。
【0007】また、前記潤滑膜は、粘度が100cSt
(センチストークス)以上かつ10万cSt以下のポリ
ブテンとしてもよいし、又は粘度が100cSt以下若
しくは10万cSt以上のポリブテンの混合体としても
よい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の発明の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0009】図1及び図3に示すように、本発明の磁気
ディスク装置1は、記録再生素子8が設けられた接触型
磁気ヘッド3と、接触型磁気ヘッド3を500mg以下
の荷重で支持する支持ばね6が取り付けられたヘッドア
ーム4と、磁気ディスク媒体2とから構成されている。
磁気ディスク媒体2は、下地体15上に結合層14とポ
リブテン10との2層からなる潤滑剤が被覆されたもの
である。下地体15は、基板13上に磁性薄膜12が被
覆され、さらに磁性薄膜12上に保護膜11が被覆され
たものである。ポリブテン10は、具体的には以下の基
本構造を有する有機化合物であり、その一つの系列は以
下の一般式で表される。
【0010】
【化1】
【0011】ポリブテンの粘度は、nの数により定ま
り、nが3〜70の範囲では19.5cSt〜120万
cStとなる。ポリブテンは、線状のポリマーであり、
特開平5−151735号公報に開示されているポリ−
1−デセンやパーフロロポリエーテルなどの他のポリマ
ーに比べて、液状を保ったまま分子量又は粘度を広範に
変えることができる。すなわち、液体潤滑膜として耐摩
耗性に優れた特性を示す。
【0012】図3は、本発明の実施態様を示し、潤滑膜
16が結合層14とポリブテン10との2層からなる場
合である。この場合、結合層14の液体分子は、下地体
15と良く結合する以下の基本構造を有する有機化合物
であり、その一つの系列は以下の一般式で表される。
【0013】G1 −R1 −G2 ・・・・・ 式
【0014】ここで、G1 又はG2 は、−OH,−CO
OH,−COOR,−OOCC(CH3 )=CH2 ,−
NH2 ,−N(CH3 2 ,−CH=CH2 ,−NC
O,−SO3 H,−N=N−NH2 から選ばれる官能基
である。ただしR1 はCh 2h +1または−C6 5 (ベ
ンゼン環),−Cn 2n+16 5 (hおよびnは1以
上4以下の整数)である。官能基は2重結合やベンゼン
環などのπ電子を持つものよりは、酸素を含むもの特に
OHやCOOHなどの官能基あるいはアミノ基,スルホ
ン酸基などの官能基がより強い相互作用力を有するため
望ましい。また特願平4−40631号公報に開示され
た官能基を使用する事もできる。
【0015】R1 はCj 2j,[Cj 2jO]で表され
るX(H,F,Cl,Br,Iのいずれか)を含む炭素
鎖である。jは1以上6以下の整数である。n,i,j
が大きくなりすぎると常温で固体になるため記載した上
限を有する。
【0016】例えば、 (1)エチレングリコール:HOCH2 CH2 OH (2)プロピレングリコール:H3 CCH(OH)CH
2 OH (3)トリメチレングリコール:HO(CH2 3 OH (4)1,4 −ブタンジオール:HO(CH2 4 OH (5)1,3 −ブチレングリコール:H3 CCH(OH)
CH2 CH2 OH (6)1,5 −ペンタンジオール:HO(CH2 5 OH (7)オクタンジオール:H3 CC2 4 CH(OH)
CH(C2 5 )CH2OH (8)グリセリン:CH2 (OH)CH2 (OH)CH
2 (OH) (9)ジグリセリン:H2 C(OH)CH(OH)CH
2 OCH2 CH(OH)CH2 (OH) (10)ジプロピレングリコール:(H3 CCH(O
H)CH2 2 O (11)ポリエチレングリコール:HO(CH2 CH2
O)n CH2 CH2 OH 但し、nは分子量190〜630で決まる整数である。
【0017】他、(12)ジエチレングリコール,(1
3)トリエチレングリコール,(14)ヘプタエチレン
グリコール,(15)ジョードメタン,(16)ジブロ
モメタン,(17)ジブロモオクタン,(18)ジブロ
モブタン,(19)ジブロモヘキサン,(20)ジメチ
ルスルフォキシド,(21)ジクロロヘキサン,(2
2)ジクロロオクタン,(23)ジオキサン,(24)
メタクリレートコポリマー,(25)しゅう酸エステ
ル,(26)マロン酸エステル,こはく酸エステル,
((27)こはく酸ジメチルエステル,(28)こはく
酸モノエチルエステル,(29)こはく酸メチルエチル
エステル,(30)こはく酸ジ−2−オキシエチルエス
テル,(31)こはく酸ジアリルエステル,(32)こ
はく酸エチルエステルニトリルなど),(33)グルタ
ル酸エステル,(34)アジピン酸エステル,(35)
ピメリン酸エステル,(36)スベリン酸エステル,
(37)アゼライン酸エステル,(38)セバシン酸エ
ステル,マレイン酸エステル(例えば(39)マレイン
酸ジメチルエステル:H3 COOCCH=CHCOOC
3),(40)フマル酸エステル,(41)フタール
酸エステル,(42)イソフタール酸エステル,(4
3)テレフタール酸エステル,(44)グリコール酸エ
ステルまた以下に示すポリエーテルポリオールなどが挙
げられる。
【0018】また結合層14の液体分子のさらに別の系
列は、以下の一般式で表されるシリコーンオイル類であ
る。
【0019】
【化2】
【0020】例えば、(100)末端シラノールポリジ
メチルシロキサン(G5 :OH,G6 :H,R9
10:CH3 ,n=7〜4000),末端アルコールポ
リジメチルシロキサン(例えば、(101)末端カルビ
ノール(G5 :HOCH2 CH2 O−, G6:−CH2
CH2 OH,R9 ,R10:CH3 ,nは分子量2400
に相当する整数), (102)末端ヒドロキシルプロピ
ル(G5 :HOCH2 CH2 CH2 O−,G6 :−CH
2 CH2 CH2 OH,R9 ,R10:CH3 ,nは分子量
2400に相当する整数)),(103)ポリジメチル
ヒドロキシエチレンオキシドメチルシロキサン(G5
−OSi(CH3 3 ,G6 :−(Si(CH3 )(O
CH2 CH2 OH)O)m Si(CH3 3 ,R9 およ
びR10:CH3 ,m=3,nは分子量50〜4000に
相当する整数),(104)末端アセトキシポリジメチ
ルシロキサン(G5 :−OOCCH3 ,G6 :−Si
(CH3 2 OOCCH3 ,R9 ,R10:−CH3 ,n
は分子量36000に相当する整数),(105)末端
ジメチルアミノポリジメチルシロキサン(G5 :−N
(CH3 3 ,G6 :−Si(CH3 2 N(CH3
3 ,R9 ,R10:−CH3 ,nは分子量425〜600
に相当する整数),(106)末瑞エトキシポリジメチ
ルシロキサン(G5 :−OC2 5 ,G6 :−C
2 5 ,R9 ,R10:−CH3 ,nは分子量360〜4
50に相当する整数),(107)末端ステアロキシポ
リジメチルシロキサン(G5 :C1735COO−,
6 :OC17CH35,R9 ,R10:CH3 ,nは分子量
360〜450に相当する整数),(108)末端アミ
ノ基ポリジメチルシロキサン(G5 :H2 NC3
6 −,G6 :−Si(CH3 2 3 6 NH2
9 ,R10:−CH3 ,n=1),(109)末端カル
ボキシルプロピルポリジメチルシロキサン(G5 :HO
OCC3 6 −,G6 :Si(CH3 3 3 6 CO
OH,R9 ,R10:−CH3 ),(110)末端カルボ
キシルプロピルT構造ポリジメチルシロキサン(G5
HOOCC3 6 −,G6:−[Si(CH3 2 O]
k Si(CH3)3 ,R9 ,R10:−O[Si(CH
32O]l Si(CH3 3 ,ここでn,k,lは分子量
100〜10000に相当する整数),
【化3】 (114)末端メタクリルロキシプロピルポリジメチル
シロキサン(G5 :CH2 =C(CH3 )COOC3
6 ,G6 :−Si(CH3 2 3 6 OOCC(CH
3 )=CH2 ,R9 ,R10:−CH3 ,nは分子量38
7に相当する整数),(115)ポリジメチルメタクリ
ロキシプロピルメチルシロキサン(G5 ,G6 :(CH
3 3 ,SiO−,G6 :−[Si(CH3 2 O]a
Si(CH3 3 ,R9 :−C3 6 OOCC(C
3 )=CH2 ,R10:−CH3 ,n,aは分子量10
0〜1000に相当する整数),(116)ポリメルカ
プトプロピルメチルシロキサン(G5 :(CH3 3
iO−,G6 :−Si(CH3 3 ,R9 :−C3 6
SH,R10:−CH3 ,nは分子量100〜1000に
相当する整数)等が挙げられる。
【0021】その他上記一般式からはずれるシリコーン
オイルとして例えば、ビス(アミノプロピルジメチルシ
リル)ベンゼン(117)H2 NC3 6 Si(C
3 2 6 4 Si(CH3 2 3 6NH2があ
る。
【0022】また結合層14に用いる液体分子のさらに
別の系列は、以下の一般式で表される。
【0023】 G7 CF2 [OC2 4 r [OCF]s OCF2 7 ・・・ 式
【0024】ここで、G7 は、COOCH3 ,COO
H,CH2 OH,CONHC6 3 (CH3 )NCO
(Isと表す),またはPi(ピペロニル基)、r,s
は分子量1000一10000に相当する整数でr/s
は0.5〜2.0の間である。
【0025】例えば、 (200)HOCH2 CF2 [OC2 4 r [OCF
2 s OCF2 CH2 OH (r/s=0.8,分子量
2300) (201)HOOCCF2 [OC2 4 r [OC
2 s OCF2 COOH(r/s=0.8,分子量2
000) (202)H3 COOCCF2 [OC2 4 r [OC
2 s OCF2 COOCH3 (r/s=0.8,分
子量2200) (203)PiCF2 [OC2 4 r [OCF2 s
OCF2 Pi (r/s=0.8,分子量2000) (204)IsCF2 [OC2 4 r [OCF2 s
OCF2 Is (r/s=0.8,分子量2500) (205)H3 C(Si(CH3 2 O)f Si(CH
3 3 (分子量423000) (206)H3 C(Si(CH3 2 O)f Si(CH
3 3 (分子量162) (207)F[CF(CF3 )CF2 O]d 2 4
OOH (分子量7000) (208)F[CF(CF3 )CF2 O]d 2 4
2 OH (分子量4500) (209)F(C3 6 O)e 2 4 COOCH3
(分子量4000) (2l0)F(C3 6 O)e 2 4 COOCH2
6 5 (分子量4100) (2ll)F(C3 6 O)e 2 4 COOH (分
子量3300) (2l2)F(C3 6 O)e 2 4 CH2 OH
(分子量3400)等が挙げられる。
【0026】上記結合層を形成する潤滑剤分子は、保護
膜と結合して潤滑膜がヘッドの摩擦により除去されるの
を防止することができるが、分子の自由度がないため潤
滑性に劣り単独では耐摩耗性をもたらすことはできな
い。しかし前記のポリブテンのような官能基を有しない
潤滑層と2層にすることにより優れた耐摩耗性をもたら
すことができる。
【0027】また、本発明の磁気ディスク装置を構成す
る磁気ヘッドスライダ支持機構は、バネとして有効な材
料であるステンレス,燐青銅,シリコン,アルミナなど
の材料を用いることができる。さらに、磁気ヘッドスラ
イダ又は接触パッドは、フェライト,アルミナ,アルミ
ナと炭化チタンとの焼結体,酸化ベリリウムと炭化チタ
ンとの焼結体,アルミナとSiCとの焼結体,チタン酸
カルシウム,チタン酸バリウム,グラッシーカーボン,
非晶質カーボン,SiO2 ,ZrO2 ,TiO2 ,窒化
ほう素,サファイア,Si,ダイアモンドなど多くの硬
質材料を用いることができる。
【0028】また、潤滑膜の下地体にも、非晶質カーボ
ン,水素添加非晶質カーボン,ダイアモンド,ダイアモ
ンド状カーボン,BN,CNx(xは0から0.5),
SiO2 ,ZrO2 ,TiO2 などの硬質薄膜を用いる
ことができる。
【0029】
【実施例】次に、参考例1について説明する。図1は本
発明の磁気ディスク装置1の基本構成を示す平面図で、
2は磁気ディスク媒体、3は接触型磁気ヘッド、6は支
持ばね、4はヘッドアーム、5はアクチュエータ、7は
ベースである。図2は本発明の参考例を示す磁気ヘッド
と磁気ディスクとの関係を示す側面図であり、磁気ヘッ
ドは荷重100ミリグラムの接触型磁気ヘッド3,記録
再生素子8,支持ばね6,ヘッドアーム4からなる。磁
気ディスクは基板13,磁性薄膜12,保護膜11から
なる下地体15と潤滑層としてポリブテン膜10からな
る。
【0030】接触型磁気ヘッド3は、アルミナと炭化チ
タンの焼結体表面に、1ナノメータ厚のダイアモンドラ
イクカーボン薄膜をプラズマ化学蒸着法により被覆した
ものを用いた。接触型磁気ヘッド端面に記録再生素子8
を形成し、長さ10mm、幅0.5mm、厚さ0.03
mmのステンレス製支持ばね6でヘッドアーム4にとり
つけ、さらにアクチュエータ5に取り付けた。
【0031】磁気ディスク媒体2は、ガラスを用いた基
板13上に下地膜9の上に磁性薄膜12として、CoP
tCrをスパッタ法により30nm成膜し、その上に保
護膜11としてスパッタ法により水素l0%添加カーボ
ンを2nm成膜して下地体15を作製した。またその上
に潤滑膜として粘度が10cStから1000万cSt
(センチストークス)のポリブテン10をヘキサン溶液
から浸せき法により5ナノメータ被覆して作製した。
【0032】上記の磁気ヘッドと磁気ディスクを組み合
わせてベース7に組み込み、磁気ディスク装置1を作製
した。
【0033】次に、参考例2として、参考例1と同様に
して、但し潤滑層として粘度19cStと120万cS
tのポリブテン混合物(モル比1対1)膜10を、5ナ
ノメータ厚形成して磁気ディスク装置を作製した。
【0034】次に、参考例3として、参考例1と同様に
して、但し潤滑層として粘度125cStと12万cS
tのポリブテン混合物(モル比1対1)膜10を、5ナ
ノメータ厚形成して磁気ディスク装置を作製した。
【0035】次に実施例として、参考例1と同様にし
て、但し図3に示すように潤滑層として分子量630の
ポリエチレングリコールをイソプロピルアルコール溶液
から浸せき法により2ナノメータ厚形成し、さらにその
上に参考例l,2,および3と同様のポリブテン膜を3
ナノメータ厚形成して磁気ディスク装置を作製した。
【0036】比較例1として特開平5−151735号
公報に開示されたようなパーフロロポリエーテルを実施
例1と同様にして、但しパーフロロオクタン溶液から浸
せき法により5ナノメータの厚さで下地体上に被覆して
磁気ディスク装置を作製した。
【0037】比較例2として特開平5−151735号
公報に開示されたパーフロロポリエーテルに水酸基がつ
いた水酸基変性パーフロロポリエーテルをパーフロロオ
クタン溶液から浸せき法により2ナノメータ厚で被覆
し、その上に官能基無しのパーフロロポリエーテルをパ
ーフロロオクタン溶液から3ナノメータ厚で浸せき塗布
し磁気ディスクを作製した。
【0038】上記参考例1,2,3,および実施例およ
び比較例1および2の磁気ディスク装置を毎分5400
回転で1000時間運転した後、磁気ヘッド表面の摩耗
体積を原子間力顕微鏡で測定した。その結果、図4に示
すように摩耗量はポリブテンの粘度に大きく依存し、低
粘度側と高粘度側で大きいことが分かった。摩耗は90
00cStで最小となる。これは高粘度側では、潤滑膜
形成能力が大きく磁気ヘッドの摺動による膜破断が生じ
にくい一方、拡散による自己修復性が弱いためであり、
低粘度側ではその逆となるからである。粘度が100か
ら10万cStの間が摩耗が小さくなることが分かる
が、それらの範囲外の粘度を有するポリブテンであって
参考例2および参考例3のように参考例3のような混
合体であれば摩耗を減らすことができる。また結合層と
組み合わせることによりさらに摩耗を減らすことができ
る。しかし比較例1および2の潤滑膜は耐摩耗特性に劣
り、また2層にしてもその効果が無いことが分かった。
【0039】また図5に磁気ヘッドの荷重を変えたとき
の磁気ヘッドの摩耗量を示す。荷重が500ミリグラム
より小さいときに特に本発明のポリブテンが優れている
ことが分かる。これはポリブテンが低荷重領域で膜形成
能力が高いためである。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る磁気ディスク装置によれ
ば、磁気記録再生素子からなる接触型磁気ヘッドと、こ
の接触型磁気ヘッドを装着した磁気ヘッドスライダと、
この磁気ヘッドスライダを支持する磁気へッドスライダ
支持機構と、下地体上に結合層及びその上のポリブテン
からなる2層潤滑膜を被覆した薄膜磁気ディスク媒体と
を備えたことにより、耐摩耗性及び信頼性を向上でき
る。なお、結合層の材料としてポリエチレングリコール
を例示したが、明細書に記した他の結合層も同様の効果
があることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ディスク装置の第一実施形態を示
す概略平面図である。
【図2】図1の磁気ディスク装置において、接触型磁気
ヘッドと磁気ディスク媒体がポリブテンを介して接触し
た状態を示す側面図である。
【図3】本発明の磁気ディスク装置の実施形態を示し、
接触型磁気ヘッドと磁気ディスク媒体が結合層とポリブ
テンの2層の潤滑層を介して接触した状態を示す側面図
である。
【図4】本発明の磁気ディスク装置において、接触型磁
気ヘッドの摩耗量とポリブテンの粘度の関係を表すグラ
フである。
【図5】本発明の磁気ディスク装置において、接触型磁
気ヘッドの摩耗量と荷重の関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1 磁気ディスク装置 2 磁気ディスク媒体 3 接触型磁気ヘッド 4 ヘッドアーム 5 アクチュエータ 6 支持ばね 7 ベース 8 記録再生素子 10 ポリブテン 11 保護膜 12 磁性薄膜 13 基板 14 結合層 15 下地体 16 潤滑層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/72 C10M 107/08 C10N 40:18 G11B 25/04 WPI/L(QUESTEL) CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下地体上に結合層及びその上のポリブテン
    からなる2層潤滑膜を被覆した薄膜磁気ディスク媒体
    と、この薄膜磁気ディスク媒体上に直接接触することに
    より当該薄膜磁気ディスク媒体に対して情報の記録又は
    再生を行う接触型磁気ヘッドと、この接触型磁気ヘッド
    を装着した磁気ヘッドスライダと、この磁気ヘッドスラ
    イダを支持する磁気ヘッドスライダ支持機構とを備え、
    前記潤滑膜は、粘度が100cSt以上かつ10万cS
    t以下のポリブテンである接触式磁気ディスク装置。
  2. 【請求項2】 前記潤滑膜は、粘度が1万cStのポリブ
    テンである請求項記載の接触式磁気ディスク装置。
  3. 【請求項3】 前記潤滑膜は、粘度が100cSt以下の
    ポリブテンと10万cSt以上のポリブテンとの混合体
    である請求項記載の接触式磁気ディスク装置。
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