JPH0644578Y2 - 工作機械における配管構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、移動する主軸頭を供えた工作機械における油
気圧給排用の管の配設構造に関するものである。

＜従来の技術＞ 工作機械には油給排のための多数の管が配設されてい
る。コラムに主軸頭を昇降動可能に設けた工作機械にお
いては、主軸頭に接続する管はコラムの横や上部に配管
している。

＜考案が解決しようとする課題＞ 前記のような昇降動する主軸頭への配管は、主軸頭の昇
降動に追従して管も移動するよう弛みを持たせて配管す
る必要があり、この管の弛みを許容するためにコラムサ
イドやコラム上部に大きなスペースを必要としている。
殊に、コラム上部に配管する場合はケーブルガイドを必
要とし、コスト高となっている。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、上記従来の問題点を改善した配管構造を提供
するもので、その特徴とする構成はベッド上に中空のコ
ラムが進退可能に設けられ、このコラムの前面に主軸頭
が昇降動可能に案内された工作機械において、前記コラ
ムの後面に開口部を上下方向に渡って設け、前記コラム
の中空部を前後方向に貫通し後端を前記開口部に位置す
る配管支持部材の前端を前記主軸頭の後部に固着し、前
記配管支持部材の後端に配管取付板を設け、この配管取
り付け板に油気圧部からの油気圧を給排する弛みを有し
た中継配管を取り付け、前記中継配管に接続され前記主
軸頭に接続する配管をコラム中空内を貫通し、かつ前記
配管支持部材に支持したものである。

＜作用＞ 上記の構成により、コラム内への配管を可能とし、コラ
ム内を貫通する配管は配管支持部材に支持された状態で
主軸頭の昇降動と一体的に移動する。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第１図
において、１はベッド、２は前記ベッド１上に矢印Ａ方
向に進退可能に設置された中空のコラムである。３は前
記コラム２の進退移動用の送りねじであり、サーボモー
タ４によって正逆回転される。

４はコラム２の前面に上下方向に形成された案内面であ
り、これに軸頭５が矢印Ｂで示すように昇降動可能に案
内されている。10は主軸頭の送りねじであり、コラム２
の上面に設置したサーボモータ11によって正逆回転され
る。この送りねじ10には主軸頭５の後面に取り付けられ
たボールナット用のブラケット13に保持しているボール
ナット12が螺合している。

前記主軸頭５には主軸６が回転自在に軸承されており、
主軸頭５の上面に設置された主軸用モータ７によって回
転駆動する。さらに、主軸頭５の上面には減速機構切替
シリンダ８や工具アンクランプ用シリンダ９が設置さ
れ、主軸頭５の側面にはクーラント供給口23や軸受潤滑
油供給口24が設けられている。

14は油気圧部と接続されている配管通し管であり、コラ
ム２の後方でベッド１に支持部材15を介して固定されて
いる。

前記コラム２の後面には上下方向に渡って開口部16が設
けられ、前記コラム２の中空部を前後方向に貫通する配
管支持部材17が主軸頭５の後部に固定されている。この
配管支持部材17は、例えば状のケースであり、その前
端が前記ボールナット用ブラケット13に固着した配管支
持部材取り付けブラケット18に取り付けられ、配管支持
部材17の後端は前記コラム２の後面の開口部16に位置し
ている。また、配管支持部材17の後端には多数の管接手
20を有する配管取付板19が固設され、この配管取付板19
と前記配管通し管14の間に中継配管21が弛みを有して接
続されている。

一方、前記配管取付板19と主軸頭５の減速機構切替シリ
ンダ８、工具アンクランプシリンダ９、クーラント供給
口23及び軸受潤滑油供給口24との間には配管25が接続さ
れている。この配管25はコラム２の中空内を貫通し、か
つ前記配管支持部材17に支持され、主軸頭５に明けられ
た通し穴22を通って主軸頭５側へ配管される。

本考案は上記の配管構造であるから、コラム２内の中空
を貫通し、かつ配管支持部材17に支持されている配管25
は主軸頭５の昇降動では配管支持部材17が主軸頭５と一
体に昇降動するため、コラム２の中空内で主軸頭５の昇
降動に追従して昇降する。このとき、一端が配管取付板
19に取り付けられている中継配管21は弛みによって前記
昇降動を吸収する。

さらに、コラム２の進退移動では、配管25は配管支持部
材17に支持されたままでコラム２と一体に移動する。こ
のときも中継配管21は、その弛みによってコラム２の進
退移動を吸収するものである。

尚、上記では油気圧配管についてのみ説明したが、電線
の配線にも油気圧配管と共に適用することができる。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案によると、主軸頭へ接続する配管
を、主軸頭の後部に固着しかつコラムの中空内をコラム
と一体に昇降動する配管支持部材に支持し、コラム中空
内を貫通した配管構造であるから、配管はコラム中空内
に納められ、従来のマシンスペースに加えて配管用のス
ペースをコラムサイドまたはコラム上部に必要としてい
た問題点が解消される。また、ケーブルガイドが不要と
なり、コストが安くなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は本考案による
配管構造を具備した工作機械の要部断面側面図、第２図
は第１図においてベッドを除いた平面図である。 １……ベッド、２……コラム、５……主軸頭、16……開
口部、17……配管支持部材、19……配管取付板、21……
中継配管、25……配管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ベッド上に中空のコラムが進退可能に設け
   られ、このコラムの前面に主軸頭が昇降動可能に案内さ
   れた工作機械において、前記コラムの後面に開口部を上
   下方向に渡って設け、前記コラムの中空部を前後方向に
   貫通し後端を前記開口部に位置する配管支持部材の前端
   を前記主軸頭の後部に固着し、前記配管支持部材の後端
   に配管取付板を設け、この配管取り付け板に油気圧部か
   らの油気圧を給排する弛みを有した中継配管を取り付
   け、前記中継配管に接続され前記主軸頭に接続する配管
   をコラム中空内を貫通し、かつ前記配管支持部材に支持
   して成る工作機械における配管構造。