JPH0643335U - 球面摺動型ブッシュ組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 球面摺動型ブッシュ組立体において、ベアリ
ングシートの抜け外れ防止リングとゴム製ダストブーツ
の強度部材とを兼用することで部品点数を削減してコス
トダウンを図る。 〔構成〕 外周に球面部１０を凸形に有する内筒金具１
２と、内周にこの球面部１０に嵌合される球面部１４を
有して内筒金具１２の外周に嵌着されるベアリングシー
ト１６と、ベアリングシート１６の外周に嵌着される外
筒金具１８と、内筒金具１２の外周にシール接触するゴ
ム製ダストブーツ２０を一体化して外筒金具１８の一方
の側面にあてがわれてかしめ固定される第１リング２２
と、内筒金具１２の外周にシール接触するゴム製ダスト
ブーツ２０を一体化して外筒金具１８の他方の側面とベ
アリングシートの側面にあてがわれてかしめ固定される
第２リング２４と、からなることを特徴とする球面摺動
型ブッシュ組立体。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車のサスペンション等に多く用いられる球面摺動型ブッシュ組 立体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種の球面摺動型ブッシュ組立体としては、実開平１−１７１９１７号公報 に示されるものがある。即ち、内筒金具の外周に樹脂材等のベアリングシートを 球面嵌合するとともに、ベアリングシートの外周に外筒金具を嵌着したものであ る。そして、ベアリングシートの部分にダスト等が侵入するのを防ぐために、こ の部分の両側で、外筒金具と内筒金具とをゴム製ダストブーツで連結したもので ある。

【０００３】 ところで、この場合、ベアリングシートが内筒金具から抜け外れないようにす る必要があるが、これを前記した先行例のものは金属製の抜け防止リングを外筒 金具の内周に嵌着することで達成している。又、ダストブーツを強固に取り付け るため、これに金属製のリングを一体化し、このリングを外筒金具に圧入して固 定する方法をとっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従って、部品点数が増えるとともに、組立も複雑になり、コストが高くなる欠 点がある。これに対して実開昭６３−１３７１４２号公報には前記した抜け防止 リングを廃したものが示されているが、ベアリングシートとゴム製ダストブーツ とを直接接触させているため、ベアリングシートの位置が決まらないという欠点 がある。 本考案は、このような課題を解決するものであって、要するに、ベアリングシ ートの抜け防止兼位置決めリングをゴム製ダストブーツの強度部材と兼用したも のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

以上の課題を解決するため、本考案は、外周に球面部を凸形に有する内筒金具 と、内周にこの球面部に嵌合される球面部を有して内筒金具の外周に嵌着される ベアリングシートと、ベアリングシートの外周に嵌着される外筒金具と、内筒金 具の外周にシール接触するゴム製ダストブーツを一体化して外筒金具の一方の側 面にあてがわれてかしめ固定される第１リングと、内筒金具の外周にシール接触 するゴム製ダストブーツを一体化して外筒金具の他方の側面とベアリングシート の側面にあてがわれてかしめ固定される第２リングと、からなることを特徴とす る球面摺動型ブッシュ組立体を提供したものである。

【０００６】

【作用】

以上の手段をとることにより、第２リングはベアリングシートの抜け外れ防止 と位置決めを兼ねるものになるとともに、ゴム製ダストブーツと一体化されて一 部品となる。従って、部品点数が削減されるとともに、組立も容易になる。更に 、第１リングと第２リングとは共用化され、この面でも部品点数を削減する。

【０００７】

【実施例】

図１は本考案に係る球面摺動型ブッシュ組立体の断面図であるが、この球面摺 動型ブッシュ組立体は、外周に球面部１０を凸形に有する内筒金具１２と、内周 にこの球面部１０に嵌合する球面部１４を凹形に有して内筒金具１２に嵌着され る樹脂材等のベアリングシート１６と、ベアリングシート１６の外周に嵌着され る外筒金具１８と、内筒金具１２の外周にシール接触するゴム製ダストブーツ２ ０を一体化して外筒金具１８の一方の側面にあてがわれてかしめ固定される第１ リング２２と、内筒金具１２の外周にシール接触するゴム製ダストブーツ２０を 一体化して外筒金具１８の他方の側面とベアリングシート１６の側面にあてがわ れてかしめ固定される第２リング２４とから構成される。

【０００８】 図２はこの球面摺動型ブッシュ組立体の組立方法を示す断面図であるが、先ず 、内筒金具１２に対してポリアセタール等の含油性の樹脂で構成されるベアリン グシート１６を一方向から挿入して嵌合する。このとき、ベアリングシート１６ の球面部１４の径小の部分が内筒金具１２の球面部１０の径大部分をくぐらなけ ればならないが、ベアリングシート１６の挿入側外周に軸方向に何本かのスリッ ドを設けておき、この部分が拡がることでそれを可能にする。

【０００９】 次に、外筒金具１８をベアリングシート１６の外周に嵌着するのであるが、そ の挿入方向はベアリングシート１６の挿入方向とは逆にする。これは、挿入下手 側に径小部２６を設けているからであり（ベアリングシート１６もこれに対応さ せておく）、これによって外筒金具１８は挿入方向に抜けてしまうのが規制され る。尚、外筒金具１８の両側面の外周側には、後述する第１リング２２及び第２ リング２４をかしめ固定するための延長部２８をそれぞれ形成しておく。

【００１０】 最後に、第１リング２２及び第２リング２４を外筒金具１８の両側面にそれぞ れあてがい、延長部２８を折り曲げてかしめ固定する。第１リング２２及び第２ リング２４とも金属でできており、側方にゴム製ダストブーツ２０が一体化（加 硫接着）されたものであるが、以上によって固定されたときにはその裾部３０が 内筒金具１２にシール接触するように設計されている。これにより、ベアリング シート１６の部分にダストや水分が侵入するのを防ぐとともに、充填されたグリ スの漏出等も防がれる。この意味から、内筒金具１２の外周に溝３２を形成し、 ゴム製ダストブーツ２０の裾部３０をこの溝３２に嵌め込むようにすれば、その シール性が高まる。

【００１１】 ところで、このとき、外筒金具１８の径小部２６側の側面にあてがわれる第１ リング２２は外筒金具１８だけに接触しているが、第２リング２４は外筒金具１ ８とベアリングシート１６の両方の側面にあてがわれる。従って、第２リング２ ４はベアリングシート１６の抜け外れを防止していることになるが、同時に、こ れがかしめ固定される際にベアリングシート１６を圧縮することになるから、摺 動トルクを調整したりする位置決めを兼ねるものとなる。

【００１２】

【考案の効果】

以上、本考案は、前記したものであるから、即ち、ベアリングシートの抜け外 れ防止や位置決めを兼ねるリングとゴム製ダストブーツとは一体化されて一部品 となるから、部品点数が削減できるとともに、組立も容易になる。そして、これ らリング、即ち、第１リング及び第２リングは同じ形状のものでよいことになっ て共用化できるから、この面からもコストダウンができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る球面摺動型ブッシュ組立体の断面
図である。

【図２】本考案に係る球面摺動型ブッシュ組立体の組立
状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１０ 内筒金具の球面部 １２ 内筒金具 １４ ベアリングシートの球面部 １６ ベアリングシート １８ 外筒金具 ２０ ゴム製ダストブーツ ２２ 第１リング ２４ 第２リング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周に球面部を凸形に有する内筒金具
   と、内周にこの球面部に嵌合される球面部を有して内筒
   金具の外周に嵌着されるベアリングシートと、ベアリン
   グシートの外周に嵌着される外筒金具と、内筒金具の外
   周にシール接触するゴム製ダストブーツを一体化して外
   筒金具の一方の側面にあてがわれてかしめ固定される第
   １リングと、内筒金具の外周にシール接触するゴム製ダ
   ストブーツを一体化して外筒金具の他方の側面とベアリ
   ングシートの側面にあてがわれてかしめ固定される第２
   リングと、からなることを特徴とする球面摺動型ブッシ
   ュ組立体。