JPH0643101U - 柱脚金物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】軽量な柱脚金物を提供する。 【構成】アンカーボルト１０が貫通するボルト穴２を底
板１に設け、該底板１に前記アンカーボルト１０に螺着
するナット１２又は該ナット１２の下に介在させる座金
１１が着座する台座部３を形成し、前記底板１上に鉄骨
柱と接合するための突出部４を設け、該突出部４の外方
基部を外方に向って高さを減じる傾斜面５に形成した柱
脚金物において、前記傾斜面５を、該傾斜面５よりも勾
配が急な斜面又は実質的に垂直な垂直面６で切除して前
記台座部５に接続したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は土木建築構造物の鉄骨柱をコンクリート基礎上に建てる際に使用する 柱脚金物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来鉄骨柱に柱脚金物を溶接接合する場合、鋼板製のベースプレートを使用し 、鋼板製のリブプレートによって補強する方法が採用されてきている。しかしな がら上記方法においては、鋼板製のベースプレートを直接鉄骨柱に溶接接合する ため、溶接歪によってベースプレートが湾曲する。このため加熱による歪矯正お よび機械加工による修正作業を必要とし、更に鋼板製のリブプレートを溶接する と溶接歪が増加して修正作業が煩雑になる等の欠点がある。

【０００３】 上記の欠点を解決するために、鋳造若しくは鍛造によって製作した柱脚金物が 提案され、溶接作業の省力化、使用鋼材量の低減および底板の湾曲現象の防止の 効果を挙げている（例えば特公昭５１−４７９６３号、同５６−３０４２５号公 報）。この柱脚金物は図６に示すように、アンカーボルト（図示せず）が貫通す るボルト穴２を底板１に設け、該底板１にアンカーボルトに螺着するナット（同 前）の下に介在させる座金（同前）が着座する台座部３を形成し、底板１上に鉄 骨柱（同前）と接合するための突出部４を設け、該突出部４の外方基部を外方に 向って高さを減じる傾斜面５に形成した柱脚金物であり、その際底板の台座部３ は傾斜面５と直接接続されていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の柱脚金物では台座部３と傾斜面５とが直接接続しているから、台座 部３の肉厚ｔ′が不必要に厚くなり、その結果重量が増大し、取扱い、運搬等が 煩雑であるという問題点があった。特に近年において軽量かつ安価な柱脚金物の 要求が増加しており、上記構成のものではこのような要求を満足させることがで きない。 したがって本考案は、より軽量な柱脚金物を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、底板の台座部にいわゆる座ぐりを設けることによって上記目的を達 成したものであり、すなわちアンカーボルトが貫通するボルト穴を底板に設け、 該底板に前記アンカーボルトに螺着するナット又は該ナットの下に介在させる座 金が着座する台座部を形成し、前記底板上に鉄骨柱と接合するための突出部を設 け、該突出部の外方基部を外方に向って高さを減じる傾斜面に形成した柱脚金物 において、前記傾斜面を、該傾斜面よりも勾配が急な斜面又は実質的に垂直な垂 直面で切除して前記台座部に接続したことを特徴とする柱脚金物である。

【０００６】

【作用】

突出部に接合される鉄骨柱に外力が作用すると、突出部の付け根において最も 大きい曲げモーメントが作用するから、付け根での底板の肉厚は一定限度以下に 薄くすることができない。また突出部の付け根から底板の各辺に向かうに従って 、底板に作用する曲げモーメントは徐々に減少するから、突出部の外方を傾斜面 に形成することはできるものの、その勾配は曲げモーメントの減少割合を越える ほど急峻にすることはできない。すなわち突出部の付け根から底板の各辺に向か うに従って、底板の肉厚を徐々に減じることはできるものの、その肉厚を薄くす るには限度がある。 他方、台座部の肉厚は突出部の付け根からアンカーボルトまでの距離とアンカ ーボルトの設計強度によって決定され、上記傾斜面が台座部に至ったときの肉厚 ほどは必要としない。したがって台座部の近傍において傾斜面をより急峻な斜面 又は垂直面で切除して台座部に接続しても、剛性および耐力として必要な値を確 保することができ、且つこの構成によって柱脚金物の軽量化を実現できる。

【０００７】

【実施例】

本考案の実施例を図面によって説明する。図１〜３は本考案の第１実施例の柱 脚金物を示し、この実施例の柱脚金物はＢＯＸ型の鉄骨柱に用いられるものであ る。この柱脚金物の底板１にはアンカーボルト１０が貫通するボルト穴２が設け られており、アンカーボルト１０には座金１１を介してナット１２が螺着される が、底板１の上面にはこの座金１１の台座部３が水平に形成されている。底板１ 上には鉄骨柱（図示せず）と接合するための突出部４が設けられており、突出部 ４の外方基部は外方に向って高さを減じる傾斜面５に形成されている。底板１の 台座部３は、傾斜面５にいわゆる座ぐりによって形成されており、すなわち傾斜 面５は垂直面６で切除された後に台座部３に接続されている。 本実施例は以上のように形成されており、すなわち台座部３は座ぐりによって 形成されているから、台座部３での底板１の肉厚ｔは、従来例での肉厚ｔ′より も薄く形成することができ、この結果柱脚金物の軽量化を図ることができる。図 ２中１点鎖線は従来例での台座部を示す。

【０００８】 次に図４は本考案の第２実施例を示し、この実施例の柱脚金物は丸形柱に用い るものである。また図５は本考案の第３実施例を示し、この実施例の柱脚金物は Ｈ形柱に用いるものである。これら両実施例においても、台座部３は座ぐりによ って形成されており、したがって柱脚金物の軽量化を図ることができる。

【０００９】

【考案の効果】

本考案によれば、剛性および耐力として必要な値を確保することができ、しか も柱脚金物の軽量化を図ることができ、したがってコストの低減を実現すること ができる。また台座部の肉厚が薄くなったことにより、柱脚金物の突出部と鉄骨 柱とを溶接するときの作業空間が広がり、溶接作業の作業性の向上が達成できる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例の平面図

【図２】図１中Ａ−Ａ線断面図

【図３】同Ｂ−Ｂ線断面図

【図４】第２実施例の平面図

【図５】第３実施例の平面図

【図６】図２に対応する従来例の左半断面図

【符号の説明】

１…底板 ２…ボルト穴 ３
…台座部 ４…突出部 ５…傾斜面 ６
…垂直面 １０…アンカーボルト １１…座金 １
２…ナット

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 富田 昭夫 東京都港区元赤坂一丁目２番７号 鹿島建 設株式会社内 (72)考案者 佐藤 邦昭 東京都港区元赤坂一丁目２番７号 鹿島建 設株式会社内 (72)考案者 中村 嘉宏 東京都港区元赤坂一丁目２番７号 鹿島建 設株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】アンカーボルトが貫通するボルト穴を底板
   に設け、該底板に前記アンカーボルトに螺着するナット
   又は該ナットの下に介在させる座金が着座する台座部を
   形成し、前記底板上に鉄骨柱と接合するための突出部を
   設け、該突出部の外方基部を外方に向って高さを減じる
   傾斜面に形成した柱脚金物において、 前記傾斜面を、該傾斜面よりも勾配が急な斜面又は実質
   的に垂直な垂直面で切除して前記台座部に接続したこと
   を特徴とする柱脚金物。