JP2583551Y2 - スラブ型枠用デッキプレート - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、スラブ型枠板として、
合板に代えて使用されるデッキプレートに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】この種のデッキプレートとして、下側に
突出する断面三角形などの補強用リブがプレートの曲げ
加工により一体成形され、連続したフラットな表面を有
するものが知られている。このようなデッキプレート
は、合板に代わるスラブ型枠として使用されるものであ
るが、スラブコンクリートと接する表面側がフラットで
あって、スラブコンクリートとの結合力は殆ど生じない
ので、デッキプレート両端を梁用鉄骨に溶接固着するこ
とが出来ない鉄筋コンクリート構造の場合、デッキプレ
ート端部を梁用型枠の上端に載置すると共に、当該デッ
キプレート端縁を梁用型枠内に突出させておき、当該デ
ッキプレート端縁を梁部コンクリート内に食い込ませる
ことにより、梁用型枠解体除去時に当該デッキプレート
が落下するのを防止するようにしていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】このような従来の方法
では、梁部コンクリート内に食い込むデッキプレート端
縁が梁部の強度を低下させることになるので、デッキプ
レート端縁の梁部コンクリート内への食い込み量を１０
ミリメートル以下に抑えることが要求されている。しか
しながら、コンクリートに所期強度が生じる以前に梁用
型枠を解体除去するのが普通であるから、梁部コンクリ
ート内へのデッキプレート端縁の食い込み量を少なくす
ると、梁用型枠解体除去時にデッキプレートが脱落する
危険性が大きくなるばかりでなく、仮にデッキプレート
の脱落を免れたとしても、当該デッキプレートの補強用
リブに配管などを吊り下げようとした場合、その荷重で
デッキプレートが脱落する危険性も大きくなる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は上記のような従
来の問題点を解決するために成されたものであって、そ
の特徴を後述する実施例の参照符号を括弧付きで付して
示すと、下側に突出する補強用リブ(6) がプレート(7)
の曲げ加工により一体成形され、連続したフラットな表
面を有するスラブ型枠用デッキプレート(1) であって、
アンカー用プレート(11)を備え、当該アンカー用プレー
ト(11)は、デッキプレート(1) の表面(7a)上に全体が重
なるように載置され且つその一端部(12)が当該デッキプ
レート(1) に固着されたもので、折曲起立させることの
出来る他端部(13)に貫通孔(14)を有する点に特徴を有す
る。

【０００５】

【実施例】以下、本考案の一実施例を添付の例示図に基
づいて説明すると、図１に於いて、１は本考案によるデ
ッキプレートであり、２は梁用型枠である。この梁用型
枠２は、梁側面用型枠３と梁底面用型枠４とから成り、
従来周知の支持手段（図示省略）により床面から支持さ
れる。デッキプレート１は、従来周知のようにその端部
５が梁用型枠２の梁側面用型枠３に於ける上端棧木３ａ
上に載置固定され、スラブ型枠として使用されている。

【０００６】上記のようにスラブ型枠として使用される
デッキプレート１には、図１〜図３に示すように、下側
に突出する補強用リブ６がプレート７の曲げ加工により
一体成形されている。この補強用リブ６は、図２では一
つの補強用リブ６のみを示しているが、適当間隔おきに
並列するものであって、梁用型枠２に載置固定される端
部５では、図１に示すように当該補強用リブ６の端部を
斜めに押しつぶしている。また、この補強用リブ６は、
当該補強用リブ６を形成する両側板部８ａ，８ｂにより
断面三角形部分９と垂直な基部１０とを形成させたもの
である。当該デッキプレート１の表面、即ちプレート７
の表面７ａは、実質的にコンクリートが入り込むような
凹溝部のない、連続したフラットなものである。

【０００７】而して、当該デッキプレート１の表面上に
はアンカー用プレート１１が取付けられている。このア
ンカー用プレート１１は、図１Ｂに示すようにデッキプ
レート１の表面、即ちプレート７の表面７ａ上に全体が
重なるように載置され且つその一端部１２が当該デッキ
プレート１にスポット溶接１５により固着されたもの
で、折曲起立させることの出来る他端部１３に貫通孔１
４が設けられている。当該アンカー用プレート１１とデ
ッキプレート１との固着方向は、図示のようなスポット
溶接１５の他、リベットや、アンカー用プレート１１の
一端部１２に貫通孔を設けて当該貫通孔内でデッキプレ
ート表面７ａとアンカー用プレート１１とを溶接する方
法など、如何なる方法であっても良い。

【０００８】上記の構成によれば、デッキプレート１を
梁用型枠２間に架設した後、または架設前に各アンカー
用プレート１１の他端部１３を略９０度上方に折曲起立
させておくことにより、図１Ａに示すようにコンクリー
トを打設してスラブ１６及び梁部１７を築造した場合、
デッキプレート１の各アンカー用プレート１１に於ける
起立他端部１３がスラブ１６内に入り込み、当該起立他
端部１３が貫通孔１４を介してスラブ１６のコンクリー
トと強固に結合することになる。

【０００９】なお、補強用リブ６の断面形状は、上記実
施例のものに限定されるものではなく、例えば両側板部
８ａ，８ｂが重なって形成される垂直な基部１０の高さ
（巾）が非常に小さくて、リブ全体が断面三角形に見え
るようなものであっても良いし、三角形部分９がなく
て、両側板部８ａ，８ｂの重なりから成る断面Ｌ形、ま
たは断面倒立Ｔ形のものなどでも良い。

【００１０】

【考案の作用及び効果】以上のように使用し得る本考案
のデッキプレートによれば、アンカー用プレートの起立
他端部がスラブコンクリート内に入り込んで、当該デッ
キプレートとスラブコンクリートとの結合強度を増大さ
せる。従って、図１に示すように梁部１７内に入り込む
デッキプレート端縁５ａの突出量Ｄが少なくとも、梁用
型枠２を解体除去したとき（コンクリートに所謂４週強
度が生じる以前）にデッキプレートがそれ自体の重量で
脱落することはなくなる。換言すれば、梁部内へのデッ
キプレート端縁の食い込み量を小さくし、場合によって
は無くして、梁部の強度低下を解消することが出来、し
かもデッキプレートをスラブコンクリートに強固に結合
させておくことが出来るので、当該デッキプレートの補
強用リブに配管などを吊り下げることも安全に行える。

【００１１】しかも本考案の構成によれば、アンカー用
プレートは、その全体がデッキプレート表面に重なった
状態で取付けられており、使用前に貫通孔を有する端部
を折曲起立させれば良いので、使用前のデッキプレート
の運搬や格納に際してアンカー用プレートが邪魔になる
ことはなく、このようなアンカー用プレートのないデッ
キプレートと同様に取り扱うことが出来て便利である。
また、板材を曲げ加工しないでそのままアンカー用プレ
ートとして取付けることが出来るので、安価に実施し得
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 Ａ図は本考案一実施例に係るデッキプレート
の使用状態を示す縦断側面図であり、Ｂ図はアンカー用
プレートの使用前の状態を示す要部の拡大縦断側面図で
ある。

【図２】 同デッキプレートの要部の拡大正面図であ
る。

【符号の説明】

１ デッキプレート ２ 梁用型枠 ５ デッキプレート端部 ６ 補強用リブ ７ プレート ８ａ 補強用リブを形成する側板部 ８ｂ 補強用リブを形成する側板部 １１ アンカー用プレート １２ アンカー用プレート一端部 １３ アンカー用プレート他端部 １４ 貫通孔 １５ スポット溶接 １６ スラブ １７ 梁部

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下側に突出する補強用リブ(6) がプレート
   (7) の曲げ加工により一体成形され、連続したフラット
   な表面を有するスラブ型枠用デッキプレート(1) であっ
   て、アンカー用プレート(11)を備え、 アンカー用プレート(11)は、デッキプレート(1) の表面
   (7a)上に全体が重なるように載置され且つその一端部(1
   2)が当該デッキプレート(1) に固着されたもので、折曲
   起立させることの出来る他端部(13)に貫通孔(14)を有す
   るスラブ型枠用デッキプレート。