JPH0642573A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

流体封入式防振装置

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JPH0642573A
JPH0642573A JP4216299A JP21629992A JPH0642573A JP H0642573 A JPH0642573 A JP H0642573A JP 4216299 A JP4216299 A JP 4216299A JP 21629992 A JP21629992 A JP 21629992A JP H0642573 A JPH0642573 A JP H0642573A
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JP
Japan
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bobbin
diaphragm
permanent magnet
yoke
metal fitting
Prior art date
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Pending
Application number
JP4216299A
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English (en)
Inventor
Rentaro Kato
錬太郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動コイルを保持するボビンの底部内面と第
一のヨークとの間に形成される内部空間における空気ば
ね作用を解消して、振動板の加振制御を高め、流体室の
内圧制御能力を、より有効に向上することのできる流体
封入式防振装置の提供。 【構成】 流体室の壁部の一部を構成する振動板の背後
に、永久磁石を配設すると共に、該永久磁石の両極部に
第一のヨーク及び第二のヨークをそれぞれ接続して、環
状のギャップ部を有する磁路を形成し、またかかるギャ
ップ部の対向面間に、駆動コイルを筒壁部にて保持する
ボビンとを一体的に変位可能に配設し、更に該ボビンの
壁部を貫通して、該ボビンの底部内面と前記第一のヨー
クとの間に形成される内部空間を、該ボビンの外側の空
間に連通せしめる連通手段を設けると共に、該ボビンを
前記振動板に連結せしめて、駆動コイルへの通電にて、
前記振動板を加振するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車のエンジンマウント等に
用いられる流体封入式防振装置に係り、特に流体室の壁
部の一部を振動板にて構成し、該振動板を加振して内圧
を制御することにより、防振特性を切換制御するように
した流体封入式防振装置において、該振動板を効率的に
加振せしめて、流体室の内圧制御能力を有利に高めるこ
とのできる流体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装される防振装置の一種として、それぞれ、防振連結
乃至は支持される部材の各一方に取り付けられる第一の
支持金具と第二の支持金具とを、それら両部材間に介装
されたゴム弾性体にて、弾性的に連結せしめてなる防振
装置が知られており、例えば、自動車用エンジンマウン
トやサスペンション・ブッシュ等として用いられてきて
いる。
【0003】また、近年では、より高度な防振特性を実
現するための一つの手段として、かかる防振装置に対し
て、壁部の一部がゴム弾性体にて構成された、内部に所
定の非圧縮性流体が封入されてなる流体室を設け、振動
入力時に惹起される該流体室の内圧変化を制御すること
により、防振特性を入力振動等に応じて切換制御するよ
うにした流体封入式の構造が、種々提案されている。
【0004】例えば、特開昭59−1828号公報や特
開昭59−1829号公報、或いは実開平3−7374
1号公報等には、流体室の壁部の一部を変位可能な振動
板にて構成して、この振動板を永久磁石とコイルにより
惹起せしめられる電磁力にて加振することにより、流体
室の内圧を制御せしめて、防振特性を入力振動等に応じ
て切換制御するようにしたものが、提案されている。
【0005】しかしながら、それら公報に開示されてい
る如き、従来構造の流体封入式防振装置にあっては、何
れも、永久磁石によって形成される磁路が開磁路形態と
されているため、磁束密度が略一定の値をとる領域を形
成することができず、またコイルが置かれる領域の磁束
密度を効果的に確保し得ないのであり、それ故、振動板
の安定した駆動力を、十分に確保することが難しく、満
足できる防振特性を得ることができないという問題があ
った。
【0006】このため、本願出願人は、先に、特願平3
−339876号等において、振動板の背後に配された
永久磁石の両極部に、第一のヨーク及び第二のヨーク
を、それぞれ、接続して、それら第一のヨークと第二の
ヨークとの端部対向面間に、環状のギャップ部を有する
磁路を形成し、更にかかるギャップ部に沿って、周方向
に延びるリング状の駆動コイルを変位可能に配すると共
に、該駆動コイルを前記振動板に連結せしめて、該駆動
コイルへの通電にて、前記振動板を加振するようにした
流体封入式防振装置を提案した。
【0007】かくの如き構造にあっては、駆動コイルが
配設されることとなる領域が、閉磁路形態をもって形成
された磁路上において、ヨークが対向位置せしめられた
ギャップ部として形成されることから、かかる領域にお
いて、十分且つ均一な磁束密度が確保され得るのであ
る。そのため、そのような構造とされた流体封入式防振
装置おいては、目的とする防振特性が、高度に且つ安定
して発揮され得ることとなったのである。
【0008】しかるに、上記の如き流体封入式防振装置
について、本発明者らが、更に検討を加えたところ、実
用上、無視できない問題が内在していることが明らかと
なった。
【0009】すなわち、そのような流体封入式防振装置
においては、永久磁石の振動板側に配された第一のヨー
クと該振動板に連結されるボビンとの対向面間に形成さ
れる空間が、ボビン内において略密閉状態となるように
なるところから、振動板が加振せしめられた際、かかる
ボビン内部空間が、振動板に対して、空気ばねとして作
用し、そのため、振動板の振動が阻害されて、かかる振
動板の加振制御に基づく、流体室の内圧制御能力が低下
してしまうのである。
【0010】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景にして為されたものであって、その解決課題とす
るところは、永久磁石の振動板側に配された第一のヨー
クと該振動板に連結されるボビンとの対向面間に形成さ
れるボビン内部空間において惹起される空気ばねの作用
を解消乃至は可及的に低減せしめて、振動板の加振制御
を効率的に高め、以て流体室の内圧制御能力の、より有
効な向上を図ることにある。
【0011】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、(a)互いに所定距離を隔
てて配された第一の支持金具及び第二の支持金具と、
(b)該第一の支持金具と該第二の支持金具との間に介
装されて、それら両支持金具を連結するゴム弾性体と、
(c)該ゴム弾性体にて壁部の一部が構成されて、内部
に所定の非圧縮性流体が封入された流体室と、(d)前
記第二の支持金具に対して変位可能に支持されて、該流
体室の壁部の一部を構成する振動板と、(e)該振動板
の背後に配設された、二つの磁極部が該振動板の変位方
向に位置するブロック状の永久磁石と、(f)該永久磁
石の前記振動板側の一方の磁極部に接続された盤状の第
一のヨークと、(g)前記永久磁石の前記振動板とは反
対側の他方の磁極部に接続されて、該第一のヨークの外
周端面との対向面間に環状のギャップ部を形成する第二
のヨークと、(h)有底筒形状を呈し、その底部外側に
おいて前記振動板に連結される一方、その筒壁部が前記
環状のギャップ部内に挿入せしめられて、前記第一のヨ
ーク及び永久磁石の少なくとも一部を覆うように配置さ
れ、それら第一のヨーク及び永久磁石に対して出入り可
能とされたボビンと、(i)該ボビンの壁部を貫通して
設けられた、該ボビンの底部内面と前記第一のヨークと
の間に形成される内部空間を該ボビンの外側の空間に連
通せしめる連通手段と、(j)前記ボビンの筒壁部に保
持され、前記ギャップ部に沿って周方向に延びるリング
状の駆動コイルとを設け、かかる駆動コイルへの通電に
て前記振動板を加振せしめるようにしたことにある。
【0012】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の代表的な実施例について、図面を参照し
つつ、詳細に説明することとする。
【0013】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
た自動車用エンジンマウントが示されている。かかる図
において、10は第一の支持金具、12は第二の支持金
具であり、互いに所定距離を隔てて対向配置されている
と共に、それらの間に介装されたゴム弾性体14にて、
互いに弾性的に連結されている。そして、かかるエンジ
ンマウントにあっては、第一の支持金具10及び第二の
支持金具12の各一方が、パワーユニット側またはボデ
ー側に取り付けられることにより、パワーユニットをボ
デーに対して防振支持せしめるようになっている。
【0014】より詳細には、第一の支持金具10は、そ
れぞれ、有底円筒形状を呈する上金具16と下金具18
とから構成されている。上金具16は、筒壁部が円筒形
状とされていると共に、その開口部に外フランジ部20
が形成されている。また、下金具18は、筒壁部が開口
側に向かって拡開するテーパ筒形状とされていると共
に、その開口部に外フランジ部22が形成されている。
そして、それら上下の金具16,18が、開口側におい
て重ね合わされて、両外フランジ部20,22において
ボルト連結されることにより、第一の支持金具10が構
成されているのである。なお、上金具16の底壁部に
は、取付ボルト23が、外方に突出して立設されてお
り、この取付ボルト23により、かかる第一の支持金具
10が、パワーユニット側またはボデー側に取り付けら
れるようになっている。
【0015】また、この第一の支持金具10の内部に
は、上下金具16,18間において、それら上下金具1
6,18の凹部24,26により、空所が形成されてい
る。そして、この空所内に、略薄肉の円板形状を呈する
可撓性膜25が収容配置されており、その外周縁部を、
上下金具16,18の外フランジ部20,22間で挟持
されることにより、装着されている。即ち、この可撓性
膜25により、かかる空所が、上金具16の凹部24側
と下金具18の凹部26側とに、流体密に、二分されて
いるのである。
【0016】一方、第二の支持金具12は、略大径の円
環ブロック形状を呈しており、第一の支持金具10の下
金具18に対して、軸方向に所定距離を隔てて対向位置
せしめられている。そして、これら第一の支持金具10
と第二の支持金具12との間には、ゴム弾性体14が介
装されており、該ゴム弾性体14にて、それら両金具1
0,12が、弾性的に連結されている。なお、かかるゴ
ム弾性体14は、テーパが付された円筒形状を呈してお
り、その小径側の開口端面に対して、下金具18の筒壁
部外周面が固着されている一方、大径側の開口端面に対
して、第二の支持金具12の軸方向端面が固着されてい
る。即ち、このゴム弾性体14は、下金具18と第二の
支持金具12とを有する一体加硫成形品として形成され
ているのである。
【0017】また、かかるゴム弾性体14にて、第一の
支持金具10と第二の支持金具12とが連結されること
により、それらの間に、第二の支持金具12の内孔を通
じて外部に開口する凹所28が形成されている。
【0018】さらに、第二の支持金具12の内部には、
前記凹所28の開口部に位置して、略薄肉円板形状を有
する振動板30が配設されている。この振動板30の外
周縁部には、径方向外方に広がる円環板状の支持ゴム3
2を介して、取付リング34が取り付けられており、こ
の取付リング34が第二の支持金具12に対してボルト
固定されることにより、かかる振動板30が、第二の支
持金具12に装着されている。即ち、この振動板30
は、第二の支持金具12に対して、支持ゴム32の弾性
変形に基づいて、変位可能に取り付けられているのであ
る。
【0019】また、かかる振動板30の第二の支持金具
12への装着により、前記凹所28の開口部が流体密に
覆蓋されている。そして、そこに、所定の非圧縮性流体
が封入された受圧室36が形成されているのである。な
お、かかる封入流体としては、例えば水やアルキレング
リコール、ポリアルキレングリコール、シリコーン油等
が、好適に用いられる。
【0020】すなわち、この受圧室36にあっては、壁
部の一部がゴム弾性体14にて構成されており、第一の
支持金具10と第二の支持金具12との間における振動
入力時に、かかるゴム弾性体14の弾性変形に基づい
て、内圧変動が惹起されるようになっているのである。
なお、このことから明らかなように、本実施例では、か
かる受圧室36にて流体室が構成されている。
【0021】また一方、前記第一の支持金具10の内部
に形成された空所のうち、下金具18の凹部26側に
も、受圧室36と同一の非圧縮性流体が封入されてい
る。それによって、かかる下金具18の凹部26によ
り、可撓性膜25の変形に基づいて、容易に容積変化が
許容される平衡室38が形成されている。なお、可撓性
膜25を挟んで、平衡室38と反対側に位置する、上金
具16の凹部24側の空所は、かかる可撓性膜25の変
形を許容する空気室40とされている。
【0022】更にまた、それら受圧室36と平衡室38
とを仕切る隔壁を構成する下金具18の底壁部には、円
板金具42が重ね合わされて、ボルト固定されている。
この円板金具42には、下金具18に対する重ね合わせ
面上に、周方向に延びる周溝44が設けられている。そ
れによって、下金具18に重ね合わされた際、それら円
板金具42と下金具18との重ね合わせ面間において、
周方向に所定長さで延び、その周方向両端部が、下金具
18及び円板金具42に設けられた連通孔を通じて、受
圧室36及び平衡室38に連通せしめられたオリフィス
通路46が形成されている。
【0023】そして、振動入力時に受圧室36に内圧変
動が惹起された際、受圧室36と平衡室38との間で、
オリフィス通路46を通じての流体の流動が生ぜしめら
れることにより、かかる流体の流動作用乃至は共振作用
に基づいて、所定の防振効果が発揮されることとなるの
である。なお、本実施例では、オリフィス通路46を通
じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、シェ
イク等の低周波大振幅振動の入力時に高減衰効果が発揮
され得るように、オリフィス通路46の長さや断面積等
が、チューニングされている。
【0024】さらに、前記第二の支持金具12には、電
磁駆動手段48が装着されており、受圧室36の壁部の
一部を構成する前記振動板30の背後に配設されてい
る。
【0025】かかる電磁駆動手段48は、二つの磁極部
が前記振動板30の変位方向(図中、上下方向)に位置
する、円形ブロック状の永久磁石50を有している。そ
して、この永久磁石50は、開口周縁部に外フランジ部
52が設けられた有底円筒状を呈する底金具54の内部
に収容さており、該底金具54の底部中央に対して、振
動板30側とは反対側の磁極側端面が当接して配されて
いる。
【0026】また、かかる永久磁石50における振動板
30側の磁極側端面には、略厚肉の円盤形状を呈する端
部金具56が、当接して配されている。ここにおいて、
この端部金具56の外径は、永久磁石50よりも大径
で、且つ底金具54の筒壁部内径よりも小径とされてお
り、永久磁石50から径方向外方に、所定寸法で突出せ
しめられている。そして、この端部金具56と底金具5
4とが、複数本の固定ボルト58に連結固定されること
により、永久磁石50が、それら両金具54、56間で
挟持されて、固定せしめられている。
【0027】更にまた、底金具54の開口部には、略円
環形状の周縁金具60が配設され、ボルト固定されてい
る。そして、この周縁金具60は、底金具54の開口部
において、径方向内方に突出して位置せしめられてお
り、その外周面が底金具54に当接せしめられる一方、
その内周面が、端部金具56の外周面に対して、径方向
に所定距離隔てて対向せしめられている。
【0028】また、これら底金具54、端部金具56及
び周縁金具60が、何れも、鉄等の強磁性材料にて形成
されており、それによって、永久磁石50の周囲に、略
閉磁路形態の磁路が形成されていると共に、かかる磁路
上に位置する端部金具56と周縁金具60との径方向対
向面間において、周方向に連続した円環状乃至は円筒状
のギャップ部62が形成されているのである。
【0029】すなわち、このことから明らかなように、
本実施例では、端部金具56によって、永久磁石の振動
板側の一方の磁極部に接続されて磁路を形成する、盤状
の第一のヨークが構成されている一方、底金具54と周
縁金具60によって、永久磁石の振動板側とは反対側の
他方の磁極部に接続されて磁路を形成すると共に、該第
一のヨークの外周端面との対向面間に、環状のギャップ
部を形成する第二のヨークが構成されているのである。
なお、底金具54と端部金具56とを連結する前記固定
ボルト58は、アルミニウム合金等の非磁性材料にて形
成されており、磁路の短絡が防止されている。
【0030】さらに、かかる磁路を形成する端部金具5
6の上方には、合成樹脂やアルミニウム合金等の非磁性
材料にて形成されたボビン64が、所定距離を隔てて配
設されている。このボビン64は、中央部の厚肉部65
と外周部の薄肉部66との段付き形状にて形成された底
壁部67と、該底壁部67の該薄肉部66の外周縁部に
おいて、軸方向に所定高さ突出して連続して延びる筒壁
部68とからなり、全体として略有底筒形状をもって形
成されている。
【0031】そして、かかるボビン64にあっては、そ
の筒壁部68が、磁路上のギャップ部62内に挿入され
て、該筒壁部68の内周面において、端部金具56及び
永久磁石50の少なくとも一部を覆うように位置せしめ
られている一方、該筒壁部68と、ギャップ部62を形
成する対向面との間に、僅かな隙間が形成され、それに
よって、軸方向に変位可能とされているのである。
【0032】また、このボビン64の筒壁部68が位置
せしめられたギャップ部62内には該ギャップ部62に
沿って、周方向に延びる、円環状乃至は円筒状の駆動コ
イル69が配設位置せしめられており、ボビン64の筒
壁部68の外周面に固定されている。そして、それによ
って、駆動コイル69とボビン64とが、ギャップ部6
2内で、一体的に変位可能とされているのである。
【0033】なお、特に、本実施例では、かかる駆動コ
イル69の軸方向長さが、ギャップ部62を形成する周
縁金具60の軸方向長さよりも、所定寸法長く設定され
ており、後述する如きギャップ部62内での駆動コイル
69の変位時にも、駆動コイル69が、かかる周縁金具
の軸方向端部よりも、軸方向内方に入り込まないよう
に、換言すれば、駆動コイル69の軸方向端部が、ギャ
ップ部62内に埋没しないようにされている。即ち、そ
れによって、駆動コイル69の変位時にも、該駆動コイ
ル69に対して、略一定の磁束密度が及ぼされるように
なっているのである。また、図中、70は、駆動コイル
69の給電用リード線であり、底金具54に設けられた
貫通孔72を通じて、内部に導かれている。
【0034】一方、ボビン64の底壁部67における薄
肉部66には、軸方向に貫通して、該ボビン64と前記
端部金具56との対向面間に形成される、略密閉状態と
された内部空間74とボビン64の外側の空間とを連通
する連通孔76が、形成されている。
【0035】そこにおいて、図2に示されるように、か
かる連通孔76は、前記薄肉部66の径方向略中央部に
位置して、周方向に、等間隔に複数個(この場合は8
個)配設せしめられている。そして、これによって、前
記内部空間74内の空気が、ボビン64の外側の空間に
対して、十分に且つ容易に出入りが可能とされているの
である。即ち、このことから明らかなように、本実施例
にあっては、かかる連通孔76によって、ボビンの壁部
を貫通して設けられた、該ボビンの底部内面と第一のヨ
ークとの間に形成される内部空間を該ボビンの外側の空
間に連通せしめる連通手段が、構成されているのであ
る。
【0036】そして、かくの如く構成された電磁駆動手
段48は、その底金具54の外フランジ部52が、第二
の支持金具12の軸方向端面に重ね合わされてボルト固
定されると共に、ボビン64が、その底壁部67の厚肉
部65の外周面において、振動板30の背面に重ね合わ
されてボルト固定されることにより、一体的に組み付け
られている。また、そのような組付状態下では、ボビン
64に装着された駆動コイル69が、電磁駆動手段48
における磁路のギャップ部62上の略中央部に位置せし
められるようになっている(図1参照)。
【0037】それ故、上述の如き構造とされたエンジン
マウントにおいては、駆動コイル69に交番電流を通電
することにより、駆動コイル69に対してフレミングの
左手の法則に従う電磁力(ローレンツ力)が発生し、そ
れによって、かかる駆動コイル69が装着されたボビン
64を介して、振動板30に対して電流に比例する駆動
力が及ぼされることとなる。そして、この駆動コイル6
9に対する通電を制御し、入力振動によって生ぜしめら
れる受圧室36の内圧変動に応じて、振動板30を加振
することにより、受圧室36の内圧を制御することがで
きるのであり、それによって、マウントの防振特性を、
適宜、変更することが可能となるのである。
【0038】具体的には、例えば、低周波振動の入力時
には、振動板30を、入力振動と同位相で振動させて、
受圧室36の内圧を積極的に発生せしめ、オリフィス通
路46を通じて流動せしめられる流体の流通量の増大を
図ることにより、高減衰特性を発揮させることができる
のであり、また、中乃至高周波振動の入力時には、振動
板30を、入力振動と逆位相で振動させて、受圧室36
の内圧を吸収乃至は軽減せしめることにより、低動ばね
特性を発揮させることができるのである。
【0039】そして、特に、かかるエンジンマウントに
あっては、駆動コイル69が配設された領域の磁界が、
閉磁路上のギャップ部62によって形成されているた
め、そこにおける磁束密度を十分に且つ均一に確保する
ことができ、またそれによって、駆動コイル69に対し
て、大きな磁束密度が安定的に及ぼされて、大きな電磁
力が安定的に発生せしめられることとなり、振動板30
の駆動力を十分に且つ容易に確保することが可能となっ
て、流体室の有効な内圧制御が可能となり、以て目的と
する防振特性が、十分に且つ安定して発揮され得るので
ある。
【0040】しかも、かかるエンジンマウントにあって
は、ボビン64の底壁部67における薄肉部66に、ボ
ビン64の内側と外側の空間を連通する連通孔76が形
成されているところから、駆動コイル69への通電によ
る振動板30の変位時において、該振動板30が下方に
変位せしめられた際には、ボビン64と端部金具56と
の対向面間に形成される内部空間74内の空気が、振動
板30の変位量に相当する分だけ、連通孔76を通じ
て、ボビン64の外側の空間に排出され、また振動板3
0が上方に変位せしめられた際には、その変位量に対応
する量の空気が、連通孔76を通じて、ボビン64の外
側の空間から、かかる内部空間74内へ流入することと
なる。そのため、かかるエンジンマウントにおいては、
そのような振動板30の変位により、該内部空間74内
の空気の圧縮若しくは減圧に伴って惹起される、該振動
板30に対する空気ばねの作用が実質的に解消され得
て、振動板30の加振制御が高精度に為され得ることと
なり、それによって、流体室の内圧の制御能力が効率的
に高められ得、以て目的とする防振特性が、より有効に
向上せしめられ得るのである。
【0041】また、かかる空気ばねの作用によっては、
特に、振動板30の高周波での振動が、著しく阻害され
るのであるが、かかる構造によれば、そのような高周波
での振動板30の加振も良好に為され得ることから、高
周波振動の入力時における流体室の内圧を、より高精度
に制御し得る利点をも、有するのである。
【0042】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0043】例えば、前記実施例では、ボビン64に対
して、該ボビン64の内側と外側の空間を連通せしめる
連通手段たる連通孔76が、周方向に、等間隔に8個設
けられていたが、その個数や配設位置、及び径の大きさ
等は、これに限定されるものでは決してなく、振動板の
変位量や適用される防振装置の形状、大きさ等によっ
て、適宜、変更され得るものである。
【0044】また、前記実施例では、ボビン64が振動
板30に対して別体構造とされ、ボルト及びナットにて
連結されているが、それらボビン及び振動板は、射出成
形等によって一体的に形成され、そしてその筒壁部の上
部や底壁部の外周縁部に、連通孔が形成されてなる構造
ののものであっても、何等差し支えないのである。
【0045】さらに、前記実施例では受圧室36に対し
て、オリフィス通路46を通じて連通された平衡室38
が設けられていたが、それらオリフィス通路や平衡室
は、必ずしも設ける必要はない。
【0046】そして、それらオリフィス通路や平衡室を
有しないマウント装置であっても、ボビンの内側の、略
密閉状態とされた空間とボビンの外側の空間とを連通せ
しめる連通手段を設けることにより、振動板の加振制御
の向上に基づく、前述の如き効果は、有効に発揮され得
ることとなる。
【0047】また、前記実施例では、駆動コイル69の
軸方向長さが、周縁金具60の軸方向長さよりも、所定
寸法長く設定されていたが、駆動コイルの変位時にも、
周縁金具の軸方向端部よりも突出しないように、かかる
駆動コイルの軸方向長さを、周縁金具よりも、十分に短
くすることも可能であり、またそうすることによって
も、上記の如き構成によるものと同様な効果が得られる
こととなる。
【0048】加えて、前記実施例では、本発明を自動車
用エンジンマウントに対して適用したものの具体例を示
したが、その他、自動車用ボデーマウントやデフマウン
ト、サスペンション・ブッシュ、或いは自動車以外の各
種装置における防振装置装置に対しても、同様に、適用
され得ることは、勿論である。
【0049】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0050】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、振
動板と共に加振せしめられるボビンに対して、該ボビン
の底部内面と第一のヨークとの間に形成される内部空間
を、該ボビンの外側の空間に連通せしめる連通手段が形
成されているところから、かかる内部空間において惹起
される、振動板に対する空気ばねの作用が実質的に解消
され得て、該振動板の加振制御が高精度に為され得るこ
ととなり、それによって、流体室の内圧の制御能力が有
利に高められ得、以て目的とする防振特性の向上が、従
来装置に比して、より有効に図られ得ることとなったの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての自動車用エンジンマ
ウントを示す縦断面図である。
【図2】図1に示された本発明に従う自動車用エンジン
マウントにおけるボビンの平面説明図である。
【符号の説明】
10 第一の支持金具 12 第二の支持金具 14 ゴム弾性体 30 振動板 32 支持ゴム 36 受圧室 48 電磁駆動手段 50 永久磁石 54 底金具 56 端部金具 60 周縁金具 62 ギャップ部 64 ボビン 67 底壁部 68 筒壁部 69 駆動コイル 74 内部空間 76 連通孔

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)互いに所定距離を隔てて配された
    第一の支持金具及び第二の支持金具と、(b)該第一の
    支持金具と該第二の支持金具との間に介装されて、それ
    ら両支持金具を連結するゴム弾性体と、(c)該ゴム弾
    性体にて壁部の一部が構成されて、内部に所定の非圧縮
    性流体が封入された流体室と、(d)前記第二の支持金
    具に対して変位可能に支持されて、該流体室の壁部の一
    部を構成する振動板と、(e)該振動板の背後に配設さ
    れた、二つの磁極部が該振動板の変位方向に位置するブ
    ロック状の永久磁石と、(f)該永久磁石の前記振動板
    側の一方の磁極部に接続された盤状の第一のヨークと、
    (g)前記永久磁石の前記振動板とは反対側の他方の磁
    極部に接続されて、該第一のヨークの外周端面との対向
    面間に環状のギャップ部を形成する第二のヨークと、
    (h)有底筒形状を呈し、その底部外側において前記振
    動板に連結される一方、その筒壁部が前記環状のギャッ
    プ部内に挿入せしめられて、前記第一のヨーク及び永久
    磁石の少なくとも一部を覆うように配置され、それら第
    一のヨーク及び永久磁石に対して出入り可能とされたボ
    ビンと、(i)該ボビンの壁部を貫通して設けられた、
    該ボビンの底部内面と前記第一のヨークとの間に形成さ
    れる内部空間を該ボビンの外側の空間に連通せしめる連
    通手段と、(j)前記ボビンの筒壁部に保持され、前記
    ギャップ部に沿って周方向に延びるリング状の駆動コイ
    ルとを設け、かかる駆動コイルへの通電にて前記振動板
    を加振せしめるようにしたことを特徴とする流体封入式
    防振装置。
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