JPH06200974A - 流体封入式防振装置 - Google Patents

流体封入式防振装置

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JPH06200974A
JPH06200974A JP35845192A JP35845192A JPH06200974A JP H06200974 A JPH06200974 A JP H06200974A JP 35845192 A JP35845192 A JP 35845192A JP 35845192 A JP35845192 A JP 35845192A JP H06200974 A JPH06200974 A JP H06200974A
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JP
Japan
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magnet
coil
diaphragm
fluid
magnetic flux
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Application number
JP35845192A
Other languages
English (en)
Inventor
Rentaro Kato
錬太郎 加藤
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体室の内圧を制御する振動板に対して、大
きな駆動力を及ぼすことのできる駆動手段を備えた流体
封入式防振装置を提供すること。 【構成】 流体室32の壁部の一部を構成する振動板2
7の背後に、環状のギャップ部62を有するヨーク部材
50を配設し、かかるギャップ部62を形成する径方向
対向面に内側磁石58と外側磁石60を配すると共に、
それら内外磁石58,60の対向面を略同一面積とし、
且つ各磁石58,60の動作点における磁束密度を飽和
磁束密度の略1/2に設定する一方、それら内外磁石5
8、60の対向面間に形成されたギャップ部62内にコ
イル68を変位可能に配設し、前記振動板27に連結す
ることにより、該コイル68への通電にて該振動板27
を加振するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、装置内部に形成された流体室の
壁部の一部を加振して内圧を制御することにより、防振
特性を切換制御するようにした液体封入式防振装置に係
り、特に流体室の壁部を電磁力によって加振するように
した流体封入式防振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装される防振装置の一種として、それぞれ防振連結乃
至は支持される部材の各一方に取り付けられる第一の支
持金具と第二の支持金具を、それら両金具間に介装され
たゴム弾性体にて、弾性的に連結せしめてなる構造の防
振装置が知られており、例えば、自動車用エンジンマウ
ントやサスペンション・ブッシュ等として用いられてき
ている。
【0003】また、近年では、より高度な防振特性を実
現するための一つの手法として、かかる防振装置に対し
て、壁部の一部がゴム弾性体にて構成された、内部に所
定の非圧縮性流体が封入されてなる流体室を設け、振動
入力時に惹起される流体室の内圧を制御することによ
り、防振特性を入力振動等に応じて切換制御するように
した流体封入式の構造が、種々提案されている。
【0004】例えば、特開昭59−1828号公報や特
開昭59−1829号公報,実開平3−73741号公
報等には、流体室の壁部の一部を振動板にて構成し、こ
の振動板を電磁力にて加振することにより、流体室の内
圧を制御せしめて、防振特性を入力振動等に応じて切換
制御するようにしたものが、提案されている。
【0005】しかしながら、それらの公報に開示されて
いる従来構造の流体封入式防振装置にあっては、何れ
も、永久磁石とコイルとによって、振動板を駆動する電
磁力が生ぜしめられるようになっているが、永久磁石に
よって形成される磁路が開磁路形態とされており、その
ため、コイルが配置される領域の磁束密度を効率的に確
保することができないところから、特に入力振動荷重の
大きな中乃至低周波数域の振動入力時には、振動板の駆
動力を十分に確保することが難しく、流体室の有効な内
圧制御が困難となって、実用上、満足できる防振特性を
得ることができないという問題があった。
【0006】すなわち、このような流体封入式防振装置
においては、有効な防振特性を得るために、コンパクト
で且つ軽量な構造をもって、振動板を駆動するための大
きな電磁力を確保することが要求されるのである。
【0007】そこで、本願出願人は、先に、特願平4−
216301号において、振動板の背後に、該振動板側
に開口する環状のギャップ部を有するヨーク部材を配設
すると共に、該ヨーク部材における外周側ギャップ部形
成面に円筒形状を呈する永久磁石を配設せしめて環状の
磁路を形成する一方、ギャップ部に沿って周方向に延び
るリング状のコイルを変位可能に配設して、該コイルを
振動板に連結せしめることにより、かかるコイルへの通
電にて振動板を加振するようにした流体封入式防振装置
を提案した。
【0008】かくの如き構造の流体封入式防振装置にお
いては、コイルが配設される領域が、閉磁路形態をもっ
て形成された磁路上のギャップ部として形成されること
に加え、永久磁石によって磁気ギャップ面が構成されて
いることから、漏れ磁束が有利に抑えられて、可動コイ
ルに対して大きな磁束密度の磁界が及ぼされ得るのであ
り、以て、振動板に対する駆動力としての電磁力を効率
的に得ることができるのである。
【0009】ところが、このような先の出願に係る流体
封入式防振装置においても、より一層大きな振動板に対
する加振力が要求される場合には、未だ、充分な電磁力
を高い効率をもって得ることが難しかった。
【0010】すなわち、大きな電磁力を得ることは、磁
石およびコイルを大型化することによって可能である
が、図2にモデル的に示された駆動力発生部において、
発生電磁力を増大すべく磁石2およびコイル4の軸方向
長さ:Lを2倍にしたときの電磁力の増加量を算出する
と、下記[数1]において導かれる(式A)から明らか
なように、僅かに√2倍にしかならず、決して効率的で
はない。なお、図2中、6は磁路を形成するヨークであ
り、8は磁路上に形成された環状の磁気ギャップであ
る。
【0011】
【数1】
【0012】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、コンパクトで且つ軽量な構造をもって、よ
り一層大きな電磁力を効率的に得ることのできる振動板
駆動手段を備えた、改良された流体封入式防振装置を提
供することにある。
【0013】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、互いに所定距離を隔てて配
された第一の支持金具と第二の支持金具を、それらの間
に介装されたゴム弾性体にて連結せしめて、内部に所定
の非圧縮性流体が封入された流体室を、かかるゴム弾性
体にて壁部の一部を構成して設けると共に、該流体室の
壁部の他の一部を、前記第二の支持金具によって変位可
能に支持された振動板にて構成する一方、該振動板の背
後に、該振動板側に開口する環状のギャップ部を有する
ヨーク部材を配設すると共に、該ヨーク部材のギャップ
部形成面に永久磁石を配設せしめて環状の磁路を形成
し、かかる磁路上の前記ギャップ部に沿って周方向に延
びるリング状のコイルを変位可能に配設して、該コイル
を前記振動板に連結せしめることにより、かかるコイル
への通電にて該振動板を加振するようにした流体封入式
防振装置において、前記永久磁石として、それぞれ円筒
形状を呈し、内外周部が磁極部とされた内側磁石および
外側磁石を用い、前記ヨーク部材におけるギャップ部の
内側面および外側面に配設せしめて、それら内側磁石と
外側磁石の径方向対向面間に前記ギャップ部を形成する
と共に、それら内側磁石と外側磁石の径方向対向面を略
同一面積とする一方、該内側磁石および該外側磁石の動
作点における磁束密度を、何れも、飽和磁束密度の略1
/2に設定したことにある。
【0014】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0015】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
た自動車用エンジンマウントの一具体例が示されてい
る。かかる図において、10は第一の支持金具、12は
第二の支持金具であり、互いに所定距離を隔てて対向配
置されていると共に、それらの間に介装されたゴム弾性
体14にて、互いに弾性的に連結されている。そして、
かかるエンジンマウントにあっては、第一の支持金具1
0および第二の支持金具12の各一方が、パワーユニッ
ト側またはボデー側に取り付けられることにより、パワ
ーユニットをボデーに対して防振支持せしめるようにな
っている。
【0016】より詳細には、第一の支持金具10は、そ
れぞれ開口周縁部に外フランジ部20,22が設けられ
た略有底円筒形状を呈する上金具16と下金具18と
が、開口側において互いに重ね合わされて、外フランジ
部20,22においてボルト連結されることにより構成
されている。なお、上金具16の底壁部には、取付ボル
ト19が、外方に突出して立設されており、この取付ボ
ルト19により、かかる第一の支持金具10が、パワー
ユニット側またはボデー側に取り付けられるようになっ
ている。
【0017】また、この第一の支持金具10の内部に
は、上下金具16,18間において、それら上下金具1
6,18の凹部23,25により、空所が形成されてい
る。そして、この空所内に、略薄肉の円板形状を呈する
可撓性膜24が収容配置されており、外周縁部を、上下
金具16,18の外フランジ部20,22間で挟持され
ることにより装着されている。即ち、この可撓性膜24
により、かかる空所が、上金具16の凹部23側と下金
具18の凹部25側とに流体密に二分されているのであ
る。
【0018】一方、第二の支持金具12は、略大径の円
環形状を呈しており、第一の支持金具10の下金具18
に対して、軸方向に所定距離を隔てて対向位置せしめら
れている。そして、これら第一の支持金具10と第二の
支持金具12との間には、ゴム弾性体14が介装されて
おり、該ゴム弾性体14にて、それら両金具10,12
が、弾性的に連結されている。かかるゴム弾性体14
は、テーパが付された円筒形状を呈しており、その小径
側の開口端面に対して下金具18の筒壁部外周面が固着
されている一方、大径側の開口端面に対して第二の支持
金具12の軸方向端面が固着されている。即ち、このゴ
ム弾性体14は、下金具18と第二の支持金具12とを
有する一体加硫成形品として形成されているのである。
【0019】また、かかるゴム弾性体14にて、第一の
支持金具10と第二の支持金具12が連結されることに
より、それらの間に、第二の支持金具12の内孔を通じ
て外部に開口する凹所26が形成されている。即ち、図
1から明らかなように、テーパの付いた円筒形状のゴム
弾性体14の小径側の開口部が第一の支持金具10にて
閉塞されることにより、凹所26が、ゴム弾性体14内
に形成され、そして該ゴム弾性体14の大径側の開口部
に、環状の第二の支持金具12が取り付けられているこ
とによって、かかる凹所26が、第二の支持金具12の
内孔に接続されているのである。
【0020】さらに、第二の支持金具12の内部には、
前記凹所26の開口部に位置して、振動板27が配設さ
れている。この振動板27の外周縁部には、径方向外方
に広がる円環板状の支持ゴム28を介して、同じく円環
板状の取付リング30が取り付けられており、この取付
リング30が第二の支持金具12に対して、複数本のボ
ルト31にて固定されることにより、かかる振動板27
が、第二の支持金具12に装着されている。従って、こ
の振動板27は、第二の支持金具12に対し、支持ゴム
28の弾性変形に基づいて変位可能に、取り付けられて
いるのである。
【0021】また、かかる振動板27の第二の支持金具
12への装着により、前記凹所26の開口部が流体密に
覆蓋されている。そして、そこに所定の非圧縮性流体が
封入された受圧室32が形成されている。なお、かかる
封入流体としては、例えば水やアルキレングリコール、
ポリアルキレングリコール、シリコーン油等が、好適に
用いられる。
【0022】すなわち、この受圧室32にあっては、そ
の壁部の一部がゴム弾性体14にて構成されており、第
一の支持金具10と第二の支持金具12との間への振動
入力時に、かかるゴム弾性体14の弾性変形に基づい
て、内圧変動が惹起されるようになっているのである。
なお、このことから明らかなように、本実施例では、か
かる受圧室32にて流体室が構成されている。
【0023】また一方、前記第一の支持金具10の内部
に形成された空所のうち、下金具18の凹部25側に
も、受圧室32と同一の非圧縮性流体が封入されてい
る。それによって、かかる下金具18の凹部25によ
り、可撓性膜24の変形に基づいて容易に容積変化が許
容される平衡室34が形成されている。なお、可撓性膜
24を挟んで、平衡室34と反対側に位置する、上金具
16の凹部23側の空所は、かかる可撓性膜24の変形
を許容する空気室36とされている。
【0024】更にまた、それら受圧室32と平衡室34
とを仕切る隔壁を構成する下金具18の底壁部には、円
板金具38が重ね合わされて、ボルト固定されている。
この円板金具38には、下金具18に対する重ね合わせ
面上に、周方向に延びる周溝40が設けられている。そ
れによって、下金具18に重ね合わされた際、それら円
板金具38と下金具18との重ね合わせ面間において、
周方向に所定長さで延び、その周方向両端部が、下金具
18および円板金具38に設けられた連通孔42,44
を通じて、受圧室32および平衡室34に連通されたオ
リフィス通路46が形成されている。
【0025】そして、振動入力時に受圧室32に内圧変
動が惹起された際、受圧室32と平衡室34との間で、
オリフィス通路46を通じての流体の流動が生ぜしめら
れることにより、かかる流体の流動作用乃至は共振作用
に基づいて、所定の防振効果が発揮されることとなるの
である。なお、本実施例では、オリフィス通路46を通
じて流動せしめられる流体の共振作用に基づいて、シェ
イク等の低周波大振幅振動の入力時に高減衰効果が発揮
され得るように、オリフィス通路46の長さや断面積等
が、チューニングされている。
【0026】一方、第二の支持金具12には、本発明に
従うところの、振動板27を駆動するための電磁駆動手
段48が装着されており、受圧室32の壁部の一部を構
成する振動板27の背後に位置せしめられている。
【0027】ところで、かかる電磁駆動手段48は、鉄
等の強磁性材料にて形成されたヨーク部材50を有して
いる。このヨーク部材50は、円形ブロック形状の内側
ヨーク部52と、該内側ヨーク部52の径方向外方に所
定距離を隔てて同一軸心上に位置せしめられた円筒形状
の外側ヨーク部54とが、軸方向一方の端部において、
円板形状の接続ヨーク部56により連結されてなる形状
とされている。
【0028】また、かかるヨーク部材50における内側
ヨーク部52の外周面上には、円筒形状の内側磁石58
が外嵌され、該内側ヨーク部52の先端部に固定されて
いる。更にまた、外側ヨーク部54の内周面上には、円
筒形状の外側磁石60が嵌め込まれ、該外側ヨーク部5
4の開口部に固定されている。
【0029】そして、これら内側磁石58および外側磁
石60は、何れも、希土類磁石等の永久磁石であって、
円筒形状を呈しており、径方向内側にN又はSの何れか
一方の磁極が、径方向外側に他方の磁極がそれぞれ形成
されてなる、互いに同一の磁極構造を有するものであ
る。
【0030】すなわち、かくの如き内側磁石58および
外側磁石60が配設されていることにより、ヨーク部材
50(内側ヨーク部52,外側ヨーク部54,接続ヨー
ク部56)によって、一つの閉磁路形態を有する磁路が
形成されているのであり、また、かかる磁路上には、内
側磁石58の外周面と外側磁石60の内周面との径方向
対向面間において、周方向に延びる環状の磁気ギャップ
部62が、形成されているのである。
【0031】また、ここにおいて、内側磁石58および
外側磁石60は、磁気ギャップ部62を挟んで対向する
面が、互いに略同一の面積をもって形成されている。そ
れによって、これら内側磁石58と外側磁石60の径方
向対向面間に形成される磁気ギャップ部62の断面積
も、径方向において略一定とされているのである。
【0032】更にまた、これら内側磁石58および外側
磁石60は、何れも、動作点での磁束密度(Bd)が、
飽和磁束密度(Br)の略1/2になるように設定され
ている。なお、動作点での磁束密度を飽和磁束密度の略
1/2にするためには、使用する永久磁石の種類によっ
ても異なるが、一般に、パーミアンス係数が略1になる
ように設計されることとなる。
【0033】すなわち、このように内外磁石58,60
における対向面の面積を略同一とすると共に、各磁石5
8,60の動作点での磁束密度を飽和磁束密度の略1/
2とすれば、両磁石58,60相互の影響により、各磁
石58,60および磁気ギャップ部62において、何れ
も、磁石58,60の飽和磁束密度に略近い磁束密度を
得ることができるのである。
【0034】そして、かくの如く内外磁石58,60が
取り付けられたヨーク部材50は、外側ヨーク部54の
開口周縁部に形成された外フランジ部72において、第
二の支持金具12にボルト固定されており、磁気ギャッ
プ部62が、内側に向って開口する状態で、組み付けら
れている。
【0035】一方、前記振動板27の外側面には、合成
樹脂やアルミニウム等の非磁性材料にて形成された有底
円筒形状のボビン64が、その底部において、ボルト及
びナットにて固定されている。そして、このボビン64
の円筒形状の筒壁部66が、前記内外磁石58、60の
径方向対向面間に形成された磁気ギャップ部62内に、
軸方向に相対的に移動可能に挿入配置されており、更
に、この筒壁部66の外周面に対して、円環状乃至は円
筒状のコイル68が固定されている。これによって、コ
イル68とボビン64とが、磁気ギャップ部62内にお
いて、内外磁石58,60やヨーク部材50に対して、
一体的に相対変位可能とされているのである。なお、こ
のボビン64に取り付けられたコイル68には、外部か
ら、図示しないリード線を通じて、所定の電流が通電さ
れるようになっている。
【0036】従って、上述の如き構造とされたエンジン
マウントにおいては、コイル68に交番電流を通電する
ことにより、コイル68に対して、フレミングの左手の
方向に従う電磁力(ローレンツ力)が発生し、それによ
って、かかるコイル68が装着されたボビン64を介し
て、振動板27に対し、駆動力が及ぼされることとな
る。そして、このコイル68に対する通電を制御し、入
力振動によって生ぜしめられる受圧室32の内圧変動に
応じて、振動板27を加振することにより、受圧室32
の内圧を制御することができるのであり、それによっ
て、マウントの防振特性を、適宜、変更することが可能
となるのである。
【0037】具体的には、例えば、低周波振動の入力時
には、振動板27を、入力振動と同位相で振動させて、
受圧室32の内圧を積極的に発生せしめ、オリフィス通
路46を通じて流動せしめられる流体の流通量の増大を
図ることにより、優れた減衰特性を発揮させることがで
きるのであり、また、中乃至高周波数振動の入力時に
は、振動板27を、入力振動と逆位相で振動させて、受
圧室32の内圧を吸収乃至は軽減せしめることにより、
優れた振動遮断特性を発揮させることができるのであ
る。
【0038】そこにおいて、上記した構造のエンジンマ
ウントにあっては、電磁駆動手段48のコイル68が配
設される磁気ギャップ部62が、閉磁路形態をもって形
成された磁路上に形成されていることに加え、かかる磁
気ギャップ62の形成面が永久磁石によって構成されて
いることから、漏れ磁束が極めて有効に防止され得て、
該磁気ギャップ部62における磁束密度が効率的に確保
され得るのである。
【0039】しかも、かかるエンジンマウントにおいて
は、磁気ギャップ部62を挟んで対向位置する内側と外
側とに、それぞれ永久磁石58,60が配設されている
ことから、磁気ギャップ部62において、それら両磁石
58,60の動作点における磁束密度を相加した大きな
磁束密度を、有利に得ることができるのである
【0040】また、それに加えて、内側磁石58と外側
磁石60の対向面の面積が略同一に設定されていると共
に、各磁石58,60の動作点における磁束密度が、飽
和磁束密度の略1/2に設定されていることから、特別
な磁石を用いることなく、磁気ギャップ部62におい
て、磁石58,60の略飽和磁束密度:Brに相当する
略最大の磁束密度を、容易に得ることができるのであ
る。
【0041】そして、それ故、かかるエンジンマウント
においては、コイル68への通電時に大きな電磁力が発
生せしめられて、振動板27の駆動力を有利に確保する
ことができるのであり、以て、目的とする防振効果が、
有効に且つ安定して発揮され得ることとなるのである。
【0042】また、上述の説明から明らかなように、か
かるエンジンマウントにおいては、内側磁石58のみを
配置する場合に比べて、それと略同一重量の外側磁石6
0を付加することにより、磁気ギャップ部62における
磁束密度を、略2倍とすることができ、それによって、
コイル68に生ぜしめられる電磁力が略2倍とされるこ
とから、従来技術の欄に記載したように永久磁石(2)
およびコイル(4)の大きさを増大させることに比べ
て、大きな電磁力、延いては振動板27に及ぼされる駆
動力を、極めて効率的に得ることができるのである。
【0043】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0044】例えば、前記実施例では、受圧室32に対
して、オリフィス通路46を通じて連通された平衡室3
4が設けられていたが、それらオリフィス通路や平衡室
は、必ずしも設ける必要はない。
【0045】そして、それらオリフィス通路や平衡室を
有しない防振装置であっても、受圧室(流体室)の内圧
を制御することにより、防振特性の切換制御に基づく、
前述の如き効果は、有効に発揮され得ることとなる。
【0046】また、永久磁石を含んで磁路を形成するヨ
ーク部材の具体的構造は、前記実施例のものに限定して
解釈されるものでは決してなく、要求される防振装置の
形状や大きさ等に応じて、適宜、変更され得るものであ
り、例えば、第二の支持金具によって、ヨーク部材の一
部を構成することも可能である。
【0047】加えて、前記実施例では、ゴム弾性体14
を振動入力方向に挟んだ両側部分に、それぞれ第一の支
持金具10と第二の支持金具12が対向して固着され
た、所謂非筒型の防振装置に対して、本発明を適用した
ものの具体例を示したが、その他、例えば、互いに径方
向に所定距離を隔てて配された第一の支持金具としての
内筒金具と第二の支持金具としての外筒金具とを、それ
らの間に介装されたゴム弾性体にて連結せしめてなる、
所謂筒型の防振装置に対しても、本発明は、同様に適用
され得るものである。
【0048】また、前記実施例では、本発明を自動車用
エンジンマウントに対して適用したものの具体例を示し
たが、その他、本発明は、自動車用ボデーマウントやデ
フマウント、サスペンション・ブッシュ、或いは自動車
以外の各種装置における防振装置に対しても、同様に、
適用され得ることは、勿論である。
【0049】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0050】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、ギ
ャップ部を形成する磁路が閉磁路形態をもって形成され
ており、永久磁石の漏れ磁束が効果的に抑えられること
に加え、ギャップ部を挟んで対向配置された内側磁石と
外側磁石の相互的作用によって、ギャップ部の磁束密度
が効率的に確保され得ることから、特別な磁石を用いる
ことなく、かかるギャップ部において、内側磁石および
外側磁石の動作点における略飽和磁束密度:Brを容易
に得ることができるのである。
【0051】そして、それ故、かかる流体封入式防振装
置においては、コイルへの通電時に大きな電磁力が生ぜ
しめられ得て、振動板の駆動力を有利に確保することが
できるのであり、以て、目的とする防振効果が、有効に
且つ安定して発揮され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての自動車用エンジンマ
ウントを示す縦断面図である。
【図2】前の出願において提案した駆動力発生部の構造
を概略的に示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
10 第一の支持金具 12 第二の支持金具 14 ゴム弾性体 27 振動板 28 支持ゴム 32 受圧室 48 電磁駆動手段 50 ヨーク部材 58 内側磁石 60 外側磁石 62 磁気ギャップ部 64 ボビン 68 コイル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに所定距離を隔てて配された第一の
    支持金具と第二の支持金具を、それらの間に介装された
    ゴム弾性体にて連結せしめて、内部に所定の非圧縮性流
    体が封入された流体室を、かかるゴム弾性体にて壁部の
    一部を構成して設けると共に、該流体室の壁部の他の一
    部を、前記第二の支持金具によって変位可能に支持され
    た振動板にて構成する一方、該振動板の背後に、該振動
    板側に開口する環状のギャップ部を有するヨーク部材を
    配設すると共に、該ヨーク部材のギャップ部形成面に永
    久磁石を配設せしめて環状の磁路を形成し、かかる磁路
    上の前記ギャップ部に沿って周方向に延びるリング状の
    コイルを変位可能に配設して、該コイルを前記振動板に
    連結せしめることにより、かかるコイルへの通電にて該
    振動板を加振するようにした流体封入式防振装置におい
    て、 前記永久磁石として、それぞれ円筒形状を呈し、内外周
    部が磁極部とされた内側磁石および外側磁石を用い、前
    記ヨーク部材におけるギャップ部の内側面および外側面
    に配設せしめて、それら内側磁石と外側磁石の径方向対
    向面間に前記ギャップ部を形成すると共に、それら内側
    磁石と外側磁石の径方向対向面を略同一面積とする一
    方、該内側磁石および該外側磁石の動作点における磁束
    密度を、何れも、飽和磁束密度の略1/2に設定したこ
    とを特徴とする流体封入式防振装置。
JP35845192A 1992-12-26 1992-12-26 流体封入式防振装置 Pending JPH06200974A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6565072B2 (en) * 2000-09-28 2003-05-20 Tokai Rubber Industries, Ltd. Damping actuator and active vibration damping device equipped with the actuator
US6785447B2 (en) 1998-10-09 2004-08-31 Fujitsu Limited Single and multilayer waveguides and fabrication process
JP2007523475A (ja) * 2004-02-11 2007-08-16 ソウル ナショナル ユニバーシティー インダストリー ファウンデーション 電磁気力を用いたアクチュエータ及びそれを用いた遮断器

Cited By (3)

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