JPH0642429A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

燃料噴射制御装置

Info

Publication number
JPH0642429A
JPH0642429A JP4217312A JP21731292A JPH0642429A JP H0642429 A JPH0642429 A JP H0642429A JP 4217312 A JP4217312 A JP 4217312A JP 21731292 A JP21731292 A JP 21731292A JP H0642429 A JPH0642429 A JP H0642429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
valve
armature
solenoid
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4217312A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Yamaguchi
利夫 山口
Atsushi Ueda
敦 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zexel Corp filed Critical Zexel Corp
Priority to JP4217312A priority Critical patent/JPH0642429A/ja
Priority to DE69302062T priority patent/DE69302062T2/de
Priority to EP93305575A priority patent/EP0588475B1/en
Priority to KR1019930013899A priority patent/KR0140184B1/ko
Priority to US08/094,890 priority patent/US5370095A/en
Publication of JPH0642429A publication Critical patent/JPH0642429A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ソレノイドバルブを用いて燃料噴射を制御す
る燃料噴射制御装置において、ソレノイドの経時的な変
形や浸食を低減し、併せて、弁体の摺動部の隙間からリ
ークする高圧燃料によってアーマチュアを収納するアー
マチュア室の圧力が異常に高圧になるのを防ぐ。 【構成】 燃料噴射ポンプの高圧側と低圧側との間に設
けられたソレノイドバルブに、アーマチュアを収納する
アーマチュア室と、弁体のアーマチュアを有しない一端
周囲に形成された低圧側と接続しないバランス室とを連
通する連通路を設け、低圧側に伝搬する高周圧力波が連
通路を介してアーマチュア室に伝搬されないようにし、
圧力上昇防止経路を設けて、弁体の摺動部の隙間からア
ーマチュア室にリークする高圧燃料によってアーマチュ
ア室内が異常に高圧になることを防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ディーゼルエンジン
等に用いられる燃料噴射ポンプの噴射量制御装置、より
詳しくは、ポンプの高圧側と低圧側との間に設けられる
ソレノイドバルブにより噴射量を制御する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】噴射量制御装置として、従来、燃料噴射
ポンプの圧縮室に通じる高圧側と燃料導入口に通じる低
圧側との間にソレノイドバルブを設け、吸入行程時に高
圧側と低圧側を連通させて圧縮室に低圧側からの燃料を
導入し、圧縮行程時に高圧側と低圧側とを遮断して圧縮
室内の燃料を噴射するようにしたものは公知である。
【0003】本出願人によって開発されているこの種の
噴射量制御装置は、ソレノイドバルブの弁体とこの弁体
と協動するアーマチュアとを接続し、弁頭部の周囲に高
圧燃料を逃がすスピル室を、また、アーマチュアの周囲
にこのアーマチュアを収納するアーマチュア室を形成
し、弁体のスムーズな動きを確保するために弁体の内部
または周囲にスピル室とアーマチュア室とを接続する連
通路を形成し、これらスピル室とアーマチュア室との圧
力バランスをとるようしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
技術においては、噴射終わりに高圧側からスピルする燃
料が1500Kg/cm2と非常に高圧で、ソレノイドバルブ
の開成に伴って瞬間的に低圧側に逃げた燃料により、図
5に示されるように、スパイク状の高周圧力波が前記連
通路を介してスピル室からアーマチュア室へ伝搬し、ア
マーチュアを回り込んでソレノイド表面にぶつかり、ス
テータやコイルをコーティングする樹脂材を経時的に変
形または浸食してしまう不都合があった。
【0005】そこで、この発明においては、弁体の動き
をスムーズにする圧力バランスをとる連通路を確保しつ
つも、スピル室からアーマチュア室への高周圧力波の伝
搬を抑え、もってソレノイドの経時的な変形や浸食を低
減するようにした噴射量制御装置を提供することを課題
としている。また、この発明の他の目的は、弁体の摺動
部の隙間からリークする高圧燃料によってアーマチュア
室内が異常に高圧になることを防ぐことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかして、この発明の要
旨とするところは、燃料噴射ポンプの圧縮室に通じる高
圧側と低圧側との間に、該高圧側と低圧側との連通状態
を調節するソレノイドバルブを有し、このソレノイドバ
ルブは、前記低圧側と接続するスピル室に弁座と着座す
る弁頭部を収納しこの弁頭部の前後で摺動部を備えた弁
体と、この弁体の一端に接続しアーマチュア室に収納さ
れたアーマチュアと、前記弁体を燃料噴射ポンプの圧縮
行程時において閉成するよう前記アーマチュアを動かす
ソレノイドと、このソレノイドの電磁力に抗して前記弁
体を付勢するリターンスプリングとを有して成り、前記
ソレノイドバルブに、前記アーマチュア室と前記弁体の
反アーマチュア側端の周囲に形成されたバランス室とを
連通する連通路を設けると共に、前記アーマチュア室の
圧力上昇を防ぐ圧力上昇防止経路を設けたことにある。
【0007】ここで、アーマチュア室の圧力上昇を抑え
る圧力上昇防止経路は、摺動部のクリアランスを調整
し、弁体とバランス室との間の摺動部のクリアランスを
弁体とアーマチュアとの間の摺動部のクリアランスをよ
り大きくすることで構成しても、また、摺動部のクリア
ランスを調整する代わりに、弁体とアーマチュアとの間
の摺動部より、該摺動部を介して漏れようとする高圧余
剰油を逃がし通路を介してスピル室へ逃がす構成として
もよい。
【0008】
【作用】したがって、連通路によって弁体のアーマチュ
ア側端と、反アーマチュア側端とに等しい油圧がかかる
ので、ソレノイドへの電磁力とリターンスプリングのバ
ネ力との大きさに基づいて弁体がスムーズに移動する。
即ち、ソレノイドへ通電されない吸入行程時において
は、リターンスプリングによって弁頭部が弁座から離反
し、低圧燃料が低圧側から高圧側へ入り、燃料噴射ポン
プの圧縮室に供給され、ソレノイドへの通電が開始され
る圧縮行程時においては、ソレノイドの電磁力によりア
ーマチュアが吸引されて弁頭部が弁座に着座し、圧縮室
内の燃料が圧縮される。噴射終わり等において、高圧側
から低圧側へ高圧燃料が戻されても、連通路は直接スピ
ル室と接続されているわけではなく、摺動部のクリアラ
ンスを介してのみスピル室と連通しているので、高周圧
力波のアーマチュア室への伝搬がほとんどない。
【0009】上述の構成においては、弁頭部とアーマチ
ュアとの間に位置する弁体の摺動部のクリアランスは、
圧縮行程時におけるアーマチュア室への高圧油のリーク
をできるだけ抑えるために通常小さく設定されるが、ク
リアランスをいくら小さくしてもこの隙間よりアーマチ
ュア室へ高圧燃料がリークし、アーマチュア室圧が徐々
に高まり、異常に高圧になることが心配される。そのた
め、圧力上昇防止経路によってアーマチュア室の圧力上
昇を抑えるようになっている。
【0010】ここで、圧力上昇防止経路が、例えば、弁
頭部とバランス室との間の摺動部のクリアランスを弁頭
部とアーマチュアとの間の摺動部のクリアランスをより
大きくすることで構成される場合には、アーマチュア室
に高圧油がリークしても、連通路、バランス室を通っ
て、弁頭部とバランス室との間の摺動部のクリアランス
からスピル室へ圧力が逃げ、アーマチュア室内は常時低
圧状態に保持される。
【0011】また、圧力上昇防止経路が、弁頭部とアー
マチュアとの間の摺動部よりスピル室へ高圧余剰油を戻
す戻し通路によって構成される場合には、弁頭部とアー
マチュアとの間の摺動部のクリアランスを介して、高圧
側からアーマチュア室へリークしようとする余剰油が、
アーマチュア室に至る前に戻し通路に入り、低圧側へ戻
され、このため、アーマチュア室内を常時低圧に保つこ
とが可能となる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0013】図1において、燃料噴射装置は、例えばデ
ィーゼル機関の各気筒内に燃料を噴射供給するユニット
インジェクタ方式の噴射ポンプ1を有し、この噴射ポン
プ1は、プランジャバレル2の基部に形成されたシリン
ダ3にプランジャ4が摺動自在に挿入され、プランジャ
バレル2とプランジャ4とで囲まれた部分に圧縮室5が
形成されている。前記プランジャ4は、これに連結され
たタペット6とプランジャバレル2との間に介在された
スプリング7により、プランジャバレル2から遠ざかる
方向(図の上方向)へ常時付勢されている。タペット6
は、図示しない機関の駆動軸に形成されたカムと当接し
ており、駆動軸が回転すると、前記スプリング7と協働
してプランジャ4を往復動させるようになっている。
【0014】プランジャ4の先端には、ホルダ部8がホ
ルダナット9をもって組付けられ、このホルダ部8に
は、スペーサ10を介してノズル11がリテーニングナ
ット12をもって連結されている。ホルダ部8には、ス
プリング収納室13が形成され、このスプリング収納室
13に収納されたノズルスプリング14により、図示し
ないノズルの針弁を図中右方向に押圧するようになって
いる。ノズル11は、その構造自体周知のもので、プラ
ンジャ先端の圧縮室5から所定圧以上の高圧燃料が吐出
孔16、ホルダ部8に形成された連通孔17、スペーサ
10に形成されたバルブ18及びノズル11に供給され
ると針弁が開かれ、ノズル先端に形成された噴孔から燃
料が噴射されるようになっている。
【0015】ソレノイドバルブ20は、図2にも示され
るように、プランジャバレル2に設けられた弁ハウシン
グ21に弁体22を摺動自在に挿入させ、弁ハウジング
21に弁体22の中程に設けられた弁頭部23と当接す
る弁座24を設け、弁頭部23を覆うように弁ハウジン
グ21にネジ止めされたヘッダ25との間に弁頭部23
を収納するスピル室27が形成されている。
【0016】ここで、弁体22は、弁頭部が形成された
第1の弁体部材22aと、この第1の弁体部材22aに
連結された第2の弁体部材22bとから構成されてい
る。より具体的に説明すれば、第1の弁体部材22a
は、弁頭部23からヘッダ側に延設された連結片28を
有し、この連結片は、弁頭部23に続いて形成された小
径部28aと、この小径部28aの先端に一体に形成さ
れた大径部28bとから成り、これに対して、第2の弁
体部材22bは、第1の弁体部材22aとの対向面を含
むように側方から切り欠かれた結合凹部29を有し、こ
の結合凹部29は、小径部28aを覆う浅い凹部29a
に大径部28bを挿嵌する深い凹部29bが続いて形成
されて成り、前記連結片28と軸方向において係合し、
径方向において幾分の遊びを有した状態で連結されてい
る。
【0017】また、第1の弁体部材22aは、弁ハウジ
ング21のヘッダ25と反対側にネジ止めされているホ
ルダ30を挿通し、その先端にアーマチュア31が螺合
されている。このホルダ30には、スペーサ32を介し
てソレノイド収納バレル33がホルダナット34により
組付けられており、前記アーマチュア31は、ホルダ3
0とスペーサ32との間に形成されたアーマチュア室3
5に収納され、スペーサ32の取付孔36を介してソレ
ノイド収納バレル33に収納されたソレノイド37と対
峙している。このソレノイド37は、ステータ38内に
コイル39を収納して成り、ステータ38の端面をスペ
ーサ32の端面に揃えてある。前記ホルダ30には、弁
体22の側面に形成されたスプリング受け40との間に
スプリング収納室41が形成され、このスプリング収納
室41に弁頭部23を弁座24から常時離反する方向へ
付勢するリターンスプリング42が収納されている。し
たがって、ソレノイド37への通電がある場合にのみ、
アーマチュア31がリターンスプリング42に抗してス
テータ38に吸引され、弁頭部23が弁座24に着座す
るようになっている。また、スプリング収納室41とア
ーマチュア室35は、連通路65によって連通してい
る。
【0018】また、第2の弁体部材22bは、ヘッダ2
5に形成された挿入孔43に摺動自在に挿入されてい
る。ヘッダ25の挿入孔43は、外方から調節栓44で
気密良く閉塞されており、この調節栓44により弁体2
2のストッパ45が構成され、調節栓44の螺合量を調
節することでソレノイドバルブ20の最大開口量がアジ
ャストできるようになっている。
【0019】しかして、弁体自体は、弁頭部23の前
後、即ち、第1の弁体部材22aの弁ハウジング21と
の接触部、および第2に弁体部材22bのヘッダ25と
の接触部において摺動部46a,46bが形成されてい
る。
【0020】弁体22の弁頭部23よりリターンスプリ
ング側の部位には、径を幾分小さくした環状凹部47が
形成され、この環状凹部47は、弁頭部23が弁座24
から離れているときに、高圧側と低圧側との間で燃料を
一方から他方ヘ導くための連通溝として機能しいてい
る。
【0021】また、燃料供給通路48は、プランジャバ
レル2に形成され燃料導入口48aを有し、一端がシリ
ンダ3のプランジャ側面と常時臨む位置に形成された環
状溝48cに開口する流入孔48b、一端が環状溝48
cに開口し、他端がスピル室27へ連通する供給通路4
8d及び前記環状凹部47に一端が接続され、他端が前
記圧縮室5に開口の供給通路48eとより成り、前記ソ
レノイドバルブ37にて通路48a、48b、48c、
48d、は低圧側となり、通路48eは高圧側となる。
【0022】燃料導入口48aから流入された燃料は、
プランジャ4が上行する吸入行程時に低圧側から高圧側
へ供給されて圧縮室5に導かれ、プランジャ4が下行す
る圧縮行程時に弁頭部23が弁座24に着座すると、圧
縮室内で圧縮されてノズル11から噴射される。また、
圧縮行程時に弁頭部23が弁座24から離反すると、高
圧側の燃料は環状凹部47を介して逆に低圧側へリーク
し、噴射が終了するようになっている。
【0023】尚、52は、ヘッダ25に穿設された燃料
出口路であり、図示しないオーバーフローバルブに接続
されて余剰低圧燃料を燃料タンクに戻している。また、
53は高圧側の供給通路48eを閉塞する盲栓である。
【0024】さらに、前記挿入孔43、第2の弁体部材
22b、及び調節栓44で囲まれた部分にバランス室5
5が形成され、このバランス室55とアーマチュア室3
5は連通路56により連通され、同圧力に保つことで弁
体22のスムーズな動きを確保している。この実施例に
おいて連通路は、アーマチュア室35からホルダ30、
弁ハウシング21、及びヘッダ25にかけて穿設された
縦孔56aと、ヘッダ25の側面からバランス室55に
かけて穿設され、その途中で縦孔の先端と接続する横孔
56bとから成り、横孔56bは、盲栓57でヘッダ側
面の開口端が閉塞されている。
【0025】また、スピル室27とアーマチュア室35
との間の摺動部46aのクリアランスは、スピル室27
とバランス室55との間の摺動部46bのクリアランス
より小さく設定され、摺動部46aの隙間を介して高圧
側からアーマチュア室35へリークする燃料をできるだ
け少なくすると共に、摺動部46bの隙間により圧力上
昇防止経路が構成されてスピル室27とバランス室55
相互間の燃料の流動を、流通抵抗が大きいながらも積極
的に許している。
【0026】上記ソレノイド37への通電は、コントロ
ールユニット70により制御されるもので、このコント
ロールユニット70は、A/D変換器、マルチプレク
サ、マイクロコンピュータ、メモリ、駆動回路等により
構成され、エンジンの回転状態を検出する回転検出部7
1、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検
出するアクセル開度検出部72、駆動軸に取り付けられ
て駆動軸が基準角度位置に達する毎にパルスを発生する
基準パルス発生部73、針弁のリフトタイミングを検出
する針弁リフトセンサ74等からの各信号を入力するよ
うになっている。そして、これらの信号に基づいて通電
開始および終了タイミング等が演算され、圧縮行程時に
おいてソレノイド37へ必要時間通電し、ソレノイドバ
ルブ20の閉弁期間を制御している。
【0027】上記構成において、燃料噴射ポンプの吸入
行程においては、ソレノイド35への通電がないためア
ーマチュア31がリターンスプリング42によってステ
ータ38から離反し、同時に弁頭部23が弁座24から
離れ、燃料導入口51から低圧側に導入された低圧燃料
が環状凹部47を介して高圧側に導かれ、圧縮室5に供
給される。そして、圧縮行程においては、ソレノイド3
7への通電が開始されるので、アーマチュア31がステ
ータ38に吸引され、弁頭部23が弁座24に着座す
る。これにより、低圧側と高圧側との連通状態が遮断さ
れて圧縮室5内の燃料が圧縮され、ノズル11から噴射
される。
【0028】圧縮行程後期においては、ソレノイド37
への通電がなくなるので、再び、弁頭部23が弁座24
から離れ、高圧側の高圧燃料が環状凹部47を介して低
圧側へ戻され、高圧側の圧力が急に低下して噴射を終え
る。高圧燃料が低圧側に戻される際には、前述の如く高
周波の圧力波がスピル室27と連通する各所に伝搬され
ようとするが、スピル室27とアーマチュア室35は、
直接連通されていないので、高周圧力波がアーマチュア
室35に伝搬されることがない。この場合、スピル室2
7とバランス室55との間の摺動隙間は幾分緩やかに形
成されているので、この隙間を介してスピル室27から
バランス室55に圧力波が伝搬し、連通路56を介して
アーマチュア室35に伝わることも考えられるが、摺動
部46bのクリアランス自体は流通抵抗の大きい小さな
ものであるので、アーマチュア室35への高周圧力波の
伝搬はほとんどないと考えてよい。
【0029】このため、アーマチュア31を回り込んで
ソレノイド37表面に至る高周圧力波が無くなるので、
ステータ38表面やコイル39をコーティングしている
樹脂等への衝撃がなく、経時的な変形や浸食を防ぐこと
ができるものである。
【0030】また、弁座23が弁頭部24に着座してソ
レノイドバルブ20が閉成する圧縮行程においては、摺
動部46aの隙間をいくら小さくしても、高圧側からア
ーマチュア室35への高圧余剰燃料のリークを避けられ
ず、アーマチュア室内の圧力が徐々に高まろうとする
が、摺動部46bのクリアランス(圧力上昇防止経路)
は摺動部46aのクリアランスより大きく形成されてい
るので、アーマチュア室35と連通路56を介して接続
しているバランス室55からスピル室27へ圧力が逃
げ、アーマチュア室35の高圧化を防止できるものであ
る。
【0031】図3及び4において、この発明に係る他の
実施例が示され、以下、前記実施例と同一構成箇所は同
一番号を付して説明を省略し、異なる点についてのみ説
明する。
【0032】ソレノイドバルブ20は、スピル室27と
アーマチュア室35との間の摺動部46aの途中に、高
圧側から摺動隙間をリークしようとする高圧余剰燃料を
低圧側へ逃がす逃がし通路60が形成され、この逃がし
通路60により、圧力上昇防止経路が構成されている。
この逃がし通路60は、種々の構成が考えられ、その一
例として、図3においては、弁ハウジング21の摺動部
46aと臨む部位に環凹状に削設されたリークストッパ
61を形成し、このリークストッパ61とスピル室27
とをリーク孔62を介して連通して構成されている。ま
た、図4においては、前記リーク孔62が弁体22に形
成されているもので、リーク孔62を、前記リークスト
ッパ61に開口するよう第1の弁体部材22aの径方向
に穿設された横通孔62aと、この横通孔62aに一端
が開口し、他端が第1の弁体部材22aの先端から第2
の弁体部材22bの結合凹部29に開口する縦通孔62
bとによって構成し、同様にリークストッパ61とスピ
ル室27とを連通している。
【0033】このような構成によれば、高圧側からアー
マチュア室35への高圧余剰燃料のリークを抑えること
ができるので、アーマチュア室35の高圧化を防止でき
る。このため、前記実施例のように、摺動部46bのク
リアランスを、摺動部46aのクリアランスより大きく
する構成は必ずしも必要でないが、たとえば、弁体22
を実施例と異なり一つの弁体部材で構成し、縦通孔62
bをバランス室55に開口する構成とすれば、スピル室
27とバランス室55との間の摺動部46bのクリアラ
ンスを大きくする前記構成が必要となる。
【0034】尚、この実施例においては、燃料噴射ポン
プ1としてユニットインジェクタを用いた場合を示した
が、本発明にかかる制御は、分配型や列型等、噴射ポン
プの形式を問わず利用できるものである。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
ソレノイドバルブの弁体の両端に連通路によって等圧を
かけ、弁体の中程に形成された弁頭部を収納するスピル
室に対してアーマチュア室とバランス室とを摺動部によ
って区画したので、高圧側から低圧側にスピルする高圧
燃料による圧力波がアーマチュア室に伝搬することがな
くなり、ソレノイドの経時的な変形や浸食を低減するこ
とができる。また、ソレノイドバルブに圧力上昇防止経
路が設けられているので、アーマチュア室圧を低圧状態
に維持することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料噴射装置の実施例を示す概略
構成図である。
【図2】図1に係る燃料噴射装置のソレノイドバルブを
示す拡大図断面である。
【図3】ソレノイドバルブの他の実施例を示す拡大断面
図である。
【図4】ソレノイドバルブの更に他の実施例を示す拡大
断面図である。
【図5】ソレノイドバルブのアーマチュア室内の圧力変
動を示す実験データである。
【符号の説明】
1 噴射ポンプ 5 圧縮室 20 ソレノイドバルブ 22 弁頭部 23 弁頭部 24 弁座 27 スピル室 35 アーマチュア室 37 ソレノイド 42 リターンスプリング 55 バランス室 56 連通路 60 逃がし通路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料噴射ポンプの圧縮室に通じる高圧側
    と低圧側との間に、該高圧側と低圧側との連通状態を調
    節するソレノイドバルブを有し、このソレノイドバルブ
    は、前記低圧側と接続するスピル室に弁座と着座する弁
    頭部を収納しこの弁頭部の前後で摺動部を備えた弁体
    と、この弁体の一端に接続しアーマチュア室に収納され
    たアーマチュアと、前記弁体を燃料噴射ポンプの圧縮行
    程時において閉成するよう前記アーマチュアを動かすソ
    レノイドと、このソレノイドの電磁力に抗して前記弁体
    を付勢するリターンスプリングとを有して成り、前記ソ
    レノイドバルブに、前記アーマチュア室と前記弁体の反
    アーマチュア側端の周囲に形成されたバランス室とを連
    通する連通路を設けると共に、前記アーマチュア室の圧
    力上昇を防ぐ圧力上昇防止経路を設けたことを特徴とす
    る燃料噴射制御装置。
JP4217312A 1992-07-23 1992-07-23 燃料噴射制御装置 Pending JPH0642429A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4217312A JPH0642429A (ja) 1992-07-23 1992-07-23 燃料噴射制御装置
DE69302062T DE69302062T2 (de) 1992-07-23 1993-07-15 Kraftstoffeinspritzvorrichtung
EP93305575A EP0588475B1 (en) 1992-07-23 1993-07-15 Fuel injection device
KR1019930013899A KR0140184B1 (ko) 1992-07-23 1993-07-22 연료분사제어장치
US08/094,890 US5370095A (en) 1992-07-23 1993-07-22 Fuel-injection device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4217312A JPH0642429A (ja) 1992-07-23 1992-07-23 燃料噴射制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0642429A true JPH0642429A (ja) 1994-02-15

Family

ID=16702190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4217312A Pending JPH0642429A (ja) 1992-07-23 1992-07-23 燃料噴射制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0642429A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1030524A (ja) * 1996-04-01 1998-02-03 Diesel Technol Co 内燃エンジンのための燃料噴射器組立体及びその製造方法
JP2019015274A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 ヤンマー株式会社 燃料噴射ポンプ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1030524A (ja) * 1996-04-01 1998-02-03 Diesel Technol Co 内燃エンジンのための燃料噴射器組立体及びその製造方法
JP2019015274A (ja) * 2017-07-10 2019-01-31 ヤンマー株式会社 燃料噴射ポンプ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5370095A (en) Fuel-injection device
US6820858B2 (en) Electromagnetic valve for controlling an injection valve of an internal combustion engine
US5357933A (en) Fuel injection device
EP0619423B1 (en) Fuel injection system
JP2632711B2 (ja) 燃料噴射装置
JPH07189851A (ja) 内燃機関用の燃料噴射装置
US6651625B1 (en) Fuel system and pump suitable for use therein
EP1536130B1 (en) Accumulator fuel injection apparatus
JPH0568639B2 (ja)
JPH0642429A (ja) 燃料噴射制御装置
KR20060028699A (ko) 귀환 레일 내의 압력 맥동이 감소된 연료 분사 시스템
JP5708092B2 (ja) インジェクタ
JPH11351105A (ja) 内燃機関用燃料噴射弁
JPH0642371A (ja) 燃料噴射制御装置
US8382007B2 (en) Fuel injection valve
JP2006161716A (ja) コモンレール式燃料噴射装置
JPH0688557A (ja) 電磁制御式燃料噴射装置
JP5321418B2 (ja) 燃料噴射弁
JP3687313B2 (ja) 蓄圧式燃料噴射装置
JP2510890Y2 (ja) 燃料噴射装置
JP3518028B2 (ja) 燃料噴射ノズル
JP2000002164A (ja) 蓄圧式燃料噴射装置
US6526942B2 (en) Common rail type fuel injecting device
JP2024012239A (ja) インジェクタ
JP3796735B2 (ja) 燃料噴射弁