JPH0641845A - フラノ - Google Patents

フラノ

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JPH0641845A
JPH0641845A JP4190359A JP19035992A JPH0641845A JP H0641845 A JPH0641845 A JP H0641845A JP 4190359 A JP4190359 A JP 4190359A JP 19035992 A JP19035992 A JP 19035992A JP H0641845 A JPH0641845 A JP H0641845A
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JP
Japan
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twist
yarn
less
yarns
twisted
Prior art date
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Pending
Application number
JP4190359A
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English (en)
Inventor
Shiro Nagata
司郎 永田
Kiyoshi Murakami
清 村上
Kan Otsu
完 大津
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 この発明のフラノは、撚方向が異なる2本の
糸を撚係数120〜140で上撚してなる双糸を用いて
織成している。 【効果】(1) ドレープ性と柔軟性をもち、しかも適度な
ハリ、コシももっている。 (2) 着用中に毛羽の乱れ(モモケ)が起りにくい。 (3) 綾目が目立たない。 (4) 可撓性にすぐれ、仕立て映えがする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、羊毛織物、特にフラ
ノの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のフラノは同方向に下撚りした単糸
同士を逆方向に上撚りしてなる双糸を用いている。例え
ば、撚係数105でZ撚した1/60の単糸同士を撚係
数80でS撚してなる双糸を用いている。
【0003】そして、製織後の仕上工程では、通常の羊
毛織物に比べて、縮絨の度合(仕上り幅/織上り幅×1
00(%))を大きくしている。すなわち、通常の羊毛
織物では経方向、緯方向とも約90%の縮絨であるが、
フラノの場合は、経方向は77%、緯方向は81%に縮
絨している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のフ
ラノは、使用する双糸が下撚と上撚の方向が逆方向であ
って、上撚は双方の単糸を解撚する方向にかかる。すな
わち、使用する糸は甘撚りとなる。加えて、織成後の縮
絨度合が大きい。この2つの要因により、織地はハリ、
コシがあって肉厚感はあるが、柔軟性とドレープ性に欠
ける。
【0005】また、単糸は双方とも撚りが甘くなるの
で、毛羽が非常に出やすくなり、着用中に毛羽が乱れ
て、いわゆるモモケが生じる。
【0006】さらに、単糸同士の下撚方向が同じで上撚
がこれとは逆方向であることに起因して、綾目が目立
つ。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明においては、撚
方向が異なる2本の単糸を上撚してなる双糸を用いてい
る。すなわち、それぞれ逆方向のZ撚とS撚とに下撚し
た2本の単糸を上撚して双糸を作る。上撚はZ撚、S撚
のいずれでもよい。上撚の撚係数は120〜140であ
る(撚係数は、番手の逆数の平方根に1インチ当りの撚
数を乗じた値である)。この双糸を用いてフラノを織成
している。
【0008】
【作 用】一方の単糸の下撚方向と上撚方向とは同じで
あるので、この単糸は強撚糸となる。上撚係数も従来の
フラノに比して大であって、双糸全体としても強撚糸と
なる。この結果、原糸が充分な伸度と糸強力とを持ち、
また、織地が薄地となるので、織地は、ドレープ性と柔
軟性をもち、さらに、可撓性にすぐれ、仕立映えがす
る。
【0009】また、他方の単糸の下撚方向と上撚方向と
は逆であり、この単糸自体の撚は弱くなるため、織成さ
れたフラノ地は、上記のようにドレープ性などを有して
いるにもかかわらず、適度なハリ、コシを保持してい
る。
【0010】また、フラノの独特の風合は毛羽にある
が、この発明では、前記のように、単糸の一方のみが甘
撚であるので、毛羽のもどりや毛羽の出方がよくなる。
つまり、毛羽の乱れが起りにくい。
【0011】さらに、2本の単糸の下撚方向が逆である
ので、綾目が目立つ不具合もない。
【0012】
【実施例】原糸としては、Z撚またはS撚の60番手の
単糸2本を、Z撚またはS撚で上撚して得た双糸を用い
る。また、Z撚の60番手の単糸とS撚の48番手の単
糸とをZ撚した双糸を用いてもよく、その他適当な糸番
手と撚方向を採用することができる。図1には、一実施
例として、Z撚の単糸(1)とS撚の単糸(2)とをS
撚で上撚してなる原糸(3)が示されている。
【0013】上撚係数は120〜140の範囲で適宜に
選択する。上撚係数が120より小さいと、原糸が充分
に強撚糸とならず、織地はドレープ性などにおいて優れ
たものとならない。また、糸強力や伸度も不足する。上
撚係数が140より大きいと、糸がふくらみに欠け、撚
切れが生じる可能性がある。
【0014】織組織として2/2の綾織などを用いる。
右上りの綾織であるが、2本の単糸の撚方向が異なるた
めに、綾目は見えにくい従来品よりも、生地規格幅を広
くした。すなわち、従来品の幅は190cmであるが、
この実施例では196cmとした。これは、整理工程に
おいて適度な幅入れをすることにより織物に伸度をもた
せ、剪断特性を改善するためである。
【0015】整理工程は、従来品と同様に、次の手順で
行う。 洗絨 → 縮絨 → 洗絨 → 乾 燥 → 起毛 →
剪毛 →起毛 → 剪毛 → ハケ → プレス →
蒸絨
【0016】この発明で用いる原糸は伸度が大きいため
に、整理工程における幅入れ加工は従来品に比して容易
である。縮絨度合は従来に比べて少し小さく、経方向が
82〜85%、緯方向が87%である。
【0017】実施例1と比較例1 前記の条件で織地を作成し、実施例1とした。また、
「従来の技術」の項に示す条件で織地を作成し、比較例
1とした。両者のその他の条件は表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】実施例1と比較例1の織地の物性を比較し
た結果を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2に示すように、実施例1の織地は、比
較例1のものに比して、ドレープ係数と剪断特性の値が
小さく、低荷重伸度の値が大きい。このことから、実施
例1のものがドレープ性、可撓性、柔軟性において優れ
ていることがわかる。
【0022】ドレープ係数は0.550以下が、低荷重
伸度は経方向、緯方向ともに5.0%以上が、また、剪
断特性のうち、剛さは0.990g/cm・deg以下
が、0.5°のヒステリシスは0.940g/cm以下
が、5°のヒステリシスは2.400g/cm以下が、
それぞれ好ましいと推定される。
【0023】さらに、実施例1と比較例1の織地につい
てマーチンディール法(JIS L1096−E)によ
る毛羽の乱れテストをした。摩擦回数が300回と50
0回のものについて目視判定をしたところ、毛羽の乱れ
は明らかに実施例1のものが少なかった。
【0024】さらに、前記の比較例1とは別に、比較例
2の織地を作成した。これは、原糸が2/48×2/4
8双糸であり、上撚係数105、縮率22%であり、そ
の他の条件は比較例1と同様である。実施例1と比較例
2の織地をKES風合評価システムにより評価した。
【0025】KES風合評価システムは、Kawaba
ta Evaluation Systemの略称であ
り、京都大学川端季雄教授が考案した評価法である。ま
ず、その概要を説明する。
【0026】この評価法においては、下記の4つの測定
機で6項目の特性値を測定し、その測定値から計算によ
りハンドバリュー値(レーダーチャート)を求める。 KES−FB1 引張り・剪断試験機 1)引張り特性 LT : 線形性 WT : 引張り仕事量 (gf・cm/cm・cm) RT : 回復性 (%) EMT : 500g/cm荷重での伸び率 (%) 2)剪断特性 G : 剪断硬さ (gf/cm・degree) 2HG : 回復性<0.5度での> (gf/cm) 2HG5: 回復性<5度での> (gf/cm) KES−FB2 純曲げ試験機 3)曲げ特性 B : 曲げ剛性 (gf・cm・cm/c
m) 2HB : 曲げヒステリシス (gf・cm/cm) KES−FB3 圧縮試験機 4)圧縮特性 LC : 線形性 WC : 圧縮仕事量 (gf・cm/cm・cm) RC : 圧縮回復率 (%) T : 0.5g荷重時の布の厚み (mm) T : 50 g荷重時の布の厚み (mm) KES−FB4 表面試験機 5)摩擦特性 MIU : 平均摩擦係数の積分値 MMD : 摩擦係数の変動 6)表面特性 SMD : 表面粗さ (μ)
【0027】以上の測定値から、計算式により、用途別
(例えば、男スーツ地秋冬服用、婦人外衣用薄地など)
のハンドバリューを求める。また、風合のハンドバリュ
ー値としては、0をその感覚が全くない、10を非常に
強いとして、その間を判別できる幅で区切った数値で複
雑な式で計算される。
【0028】さて、実施例1と比較例2とについて、K
ES風合評価システムで定める上記の特性値を測定した
結果を表3に示す。各値は、経糸と緯糸についての測定
値の平均値である。実施例1が、比較例2に比して、引
張り特性においてはEM、WT、RTが大きく、LTが
小さく、曲げ特性と剪断特性においては各測定値が小さ
く、摩擦特性と表面特性とにおいは各測定値が大きく、
圧縮特性にいおては、LCが大きく、WCとRCとが小
さい。さらに、厚みと重量は、いずれも、実施例1が小
さい。そして、EMは6.0000%以上が、LTは
0.7000以下が、WTは10.0000g・cm/
cm以上が、RTは64.8000%以上が、Bは
0.2000g・cm/cm以下が、2HBは0.1
000g・cm/cm以下が、Gは1.6000g・c
m/deg以下が、2HGは1.6000g/cm以下
が、2HG5は5.0000g/cm以下が、MIUは
0.1110以上が、MMは0.0200以上が、SM
Dは4.0000micron以上が、LCは2.20
00以上が、WCは2.0000g・cm/cm以下
が、RCは60.0000%以下が、Tは1.0000
mm以下が、Wは29.0000mg/cm以下が、
それぞれ好ましい。
【0029】
【表3】
【0030】つぎに、前記の測定値に基づいて、KES
法にしたがって、「標準化された基本風合い」を求め
る。「標準化された基本風合い」は前記の基本特性の組
合せ値からなる。これらの組合せ値と、その実用的意味
とを、表4と表5「衣服着用時の形態や変形挙動に関与
する基本特性の組合せ値とその意味(KES法)」にま
とめた。
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】表4と表5の組合せ値を実施例1と比較例
2とについて求めた結果を表6に示す。実施例1は、比
較例2に比して、B/Wは小さく、ドレープ性が大きい
ことを示しており、2HB/Wと2HB/Bは小さく、
形態の保持性が高いことを示しており、また、2HG/
Gも小さい。さらに、MMD/SMDは小さく、なめら
かで肌ざわりがよいことを示しており、WC/W、WC
/T、W/Tは大きく、柔かいことを示しており、ま
た、「Bending length」「Unbend
ing length」ともに小さくドレープ性に富ん
でいることを示している。また、B/Wは0.0070
以下が、2HB/Wは0.0030以下が、2HB/B
は0.4500以下が、2HG/Gは0.9800以下
が、MMD/SMDは0.0049以下が、WC/Wは
0.0685以上が、WC/Tは2.0000以上が、
W/Tは28.0000以上が、Bending le
ngthは0.1900以下が、Unbending
lengthは0.0550以下が、それぞれ、好まし
いと推定される。
【0034】
【表6】
【0035】最後に、実施例1と比較例2のものについ
て、ハンドバリューを表7に示す。実施例1のものが、
比較例2に比して、KOSHI、NUMERI、FUK
URAMIにおいて、また、トートルハンドバリュー
(T.H.V)においても値が小さいことがわかる。K
OSHIは7.0000以下が、NUMERIは3.0
000以下が、FUKURAMIは6.0000以下
が、T.H.Vは2.8000以下が、好ましいと推定
される。
【0036】
【表7】
【0037】
【発明の効果】この発明のフラノは次のような優れた効
果を有する。
【0038】(1) ドレープ性と柔軟性をもち、しかも適
度なハリ、コシももっている。
【0039】(2) 着用中に毛羽の乱れ(モモケ)が起り
にくい。
【0040】(3) 綾目が目立たない。
【0041】(4) 可撓性にすぐれ、仕立て映えがする。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す。
【符号の説明】
1,2……単糸 3 ……双糸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撚方向が異なる2本の単糸を撚係数12
    0〜140で上撚してなる双糸を用いて織成したことを
    特徴とするフラノ。
JP4190359A 1992-07-17 1992-07-17 フラノ Pending JPH0641845A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4190359A JPH0641845A (ja) 1992-07-17 1992-07-17 フラノ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4190359A JPH0641845A (ja) 1992-07-17 1992-07-17 フラノ

Publications (1)

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JPH0641845A true JPH0641845A (ja) 1994-02-15

Family

ID=16256879

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JP4190359A Pending JPH0641845A (ja) 1992-07-17 1992-07-17 フラノ

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JP (1) JPH0641845A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012211408A (ja) * 2011-03-31 2012-11-01 Japan Wool Textile Co Ltd ミルド織編物
WO2019116591A1 (ja) * 2017-12-11 2019-06-20 雅信 ▲高▼橋 衣服用織編物及びこれを用いた衣服

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012211408A (ja) * 2011-03-31 2012-11-01 Japan Wool Textile Co Ltd ミルド織編物
WO2019116591A1 (ja) * 2017-12-11 2019-06-20 雅信 ▲高▼橋 衣服用織編物及びこれを用いた衣服
JPWO2019116591A1 (ja) * 2017-12-11 2021-02-04 雅信 ▲高▼橋 衣服用織編物及びこれを用いた衣服

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