JPH0641478U

JPH0641478U - 魚釣用両軸受型リ−ルの制動装置

Info

Publication number: JPH0641478U
Application number: JP8634792U
Authority: JP
Inventors: 泰橋本; 忠古林
Original assignee: ダイワ精工株式会社
Priority date: 1992-11-20
Filing date: 1992-11-20
Publication date: 1994-06-03

Abstract

(57)【要約】【目的】ブレ−キシュ−の遠心力を利用してスプ−ル
を制動する方式で、魚釣り状況、仕掛の種類、その他に
応じて制動力を調節出来ること。【構成】スプ−ル軸３の左側には支持杆４が固定さ
れ、支持杆４の両側にブレ−キシュ−18が夫々径方向に
移動自在に遊嵌されている。リ−ル側板１の筒部1aの外
周には円筒形のブレ−キ部材５の筒部5aが軸方向に移動
自在に嵌合され、円筒形のブレ−キ部材５の円筒部5bの
内周面にはスプ−ル16の回転による遠心力によってブレ
−キシュ−18が摺接される。リ−ル側板１には調整装置
となる制動調節ツマミ６が回動自在に取り付けられ、制
動調節ツマミ６には螺子孔6aが形成されてブレ−キ部材
５に圧入固定や溶着固定で一体的に設けられた螺子部5c
が螺子孔6aに螺合されている。ブレ−キ部材５の円筒部
5bの内周面にはブレ−キ部材５の材質とは異なる制動リ
ング19が嵌合固定され、制動リング19より内側の内周面
には面粗度加工が異なることによる摩擦係数の異なる複
数の摺接面α、β、γが設けられている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、スプ−ル軸の回転に遠心力による制動を掛ける魚釣用両軸受型リ −ルの制動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来魚釣用両軸受型リ−ルの釣糸投擲時におけるスプ−ルの過回転を防止する手段として、ブレ−キシュ−の遠心力を利用してスプ−ルを制動する方式が実開昭56−100187号公報で見られるように知られている。前記公報のブレ−キシュ−の遠心力を利用してスプ−ルを制動する方式では魚釣り状況、仕掛の種類、その他に応じて制動力を調節出来ない欠点がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする問題点は、スプ−ルの過回転を防止する制動力の調節が出来ないことである。

【０００４】本考案の目的は前記欠点に鑑み、ブレ−キシュ−の遠心力を利用してスプ−ルを制動する方式で、魚釣り状況、仕掛の種類、その他に応じて制動力を調節出来る魚釣用両軸受型リ−ルの制動装置を提供することである。

【０００５】

【問題を解決するための手段】

本考案は、リ−ル本体の両側板間に回転自在に支持したスプ−ルと一体的に回転する支持杆にブレ−キシュ−を径方向に移動自在に遊嵌し、前記スプ−ルの回転による遠心力によって前記ブレ−キシュ−が摺接する円筒形のブレ−キ部材をリ−ル本体に設けた魚釣用両軸受型リ−ルの制動装置において、前記ブレ−キシュ−の摺接面となる前記ブレ−キ部材の内周面の軸方向に摩擦係数の異なる摺接面を複数形成し、前記ブレ−キ部材を調整装置により軸方向に移動可能としたことを要旨とするものである。

【０００６】

【作用】

スプ−ル16の回転による遠心力によってブレ−キシュ−18がブレ−キ部材５の円筒部5bの内周面に摺接することによるスプ−ル軸３の制動力は、ブレ−キシュ −18が制動リング19に摺接される時最大である。制動調節ツマミ６が回動されてブレ−キ部材５が右側に前進されると、ブレ− キシュ−18が面粗度加工が異なることによる摩擦係数の異なる複数の摺接面α、 β、γに摺接されると順に制動力が弱く調節される。

【０００７】

【実施例】

以下、図示の実施例によって本考案を説明すると、図１から図３は第１実施例で、図１は魚釣用両軸受型リ−ルの要部断面平面図、図２は魚釣用両軸受型リ− ルの左側の要部拡大断面平面図、図３は魚釣用両軸受型リ−ルの右側の要部拡大断面平面図である。

【０００８】図１で魚釣用両軸受型リ−ルはリ−ル本体Ａが構成される左右両側枠10、11が複数本の支柱12とリ−ル脚固定板13で平行に保持されて左右両側枠10、11の外側には夫々リ−ル側板１、２が取り付けられている。右側枠11には軸受14が、リ−ル側板１に軸受15が設けられてスプ−ル軸３が支持され、スプ−ル軸３に固定したスプ−ル16が左右両側枠10、11間に回転可能に設けられている。スプ−ル16の巻胴部外周には図示しない釣糸が捲回され、スプ−ル軸３の左側の端部3aは図１、図２のように、リ−ル側板１の筒部1a内で軸受15で軸承されると共にスラスト受17に当てられている。

【０００９】スプ−ル軸３の左側には支持杆４が固定され、支持杆４の両側にブレ−キシュ −18が夫々径方向に移動自在に遊嵌されている。支持杆４の両側先端には球部4aが形成されてブレ−キシュ−18が容易に嵌合されると共に、抜け落ちが防止されている。リ−ル側板１の筒部1aの外周には円筒形のブレ−キ部材５の筒部5aが軸方向に移動自在に嵌合されている。円筒形のブレ−キ部材５の円筒部5bの内周面にはスプ−ル16の回転による遠心力によってブレ−キシュ−18が摺接される。リ−ル側板１には調整装置となる制動調節ツマミ６が回動自在に取り付けられている。制動調節ツマミ６には螺子孔6aが形成されてブレ−キ部材５に圧入固定や溶着固定で一体的に設けられた螺子部5cが螺子孔6aに螺合されている。

【００１０】円筒形のブレ−キ部材５の円筒部5bの内周面にはブレ−キ部材５の材質とは異なる制動リング19が嵌合固定され、制動リング19より軸方向内側の内周面には面粗度加工が異なることによる摩擦係数の異なる複数の摺接面が図では３面α、β 、γが設けられている。

【００１１】図１、３のように、スプ−ル軸３の右側には係合部3bと小径部3cが形成されている。小径部3cより右側のスプ−ル軸端部3dはリ−ル側板２の軸受20で軸承されると共に、リ−ル側板２の筒部2a外周に螺合された制動ツマミ21内のスラスト受22に当てられている。リ−ル側板２内のスプ−ル軸３の小径部3cにはピニオン７が摺動自在に嵌合され、スプ−ル軸３の係合部3bとピニオン７の係合部7aがクラッチレバ−23で係合・離脱されるように構成されている。前記ピニオン７には駆動歯車８の歯車8aが噛合され、駆動歯車８はハンドル駆動軸９に回動自在に嵌合されている。

【００１２】ハンドル駆動軸９は右側枠11の軸穴に一端9aが嵌合されて止め板24で抜け止めされ、他側は制動調節ハンドル25の筒部を介してリ−ル側板２に取り付けられた軸受26で軸承されている。ハンドル駆動軸９には雄螺子9bが形成されて制動調節ハンドル25の筒部に形成された雌螺子が螺合されている。ハンドル駆動軸９の一側には鍔部9cが形成されると共に、ハンドル駆動軸９の外周には回り止め部9dが形成されている。ハンドル駆動軸９の外周には逆転防止爪車26と摩擦板27と駆動歯車８と押圧体 28と第２押圧体29と２枚が対向した皿バネ30、31とが嵌合され、摩擦板27と駆動歯車８は回転自在に、逆転防止爪車26と押圧体28と第２押圧体29は回り止め嵌合されて皿バネ31は制動調節ハンドル25の筒部の端面に当接されている。駆動歯車８の一側凹部の中心部分8bには湾曲して環状の弾性体32が嵌められて押圧体28の一側面に当接され、駆動歯車８の一側外周凹部8cにはライニング材33 が接着固定されている。ハンドル駆動軸９の他端にはハンドル34が回り止め嵌合されてナット35で抜け止めされている。逆転防止爪車26にはスプ−ル16の逆回転で係合する逆転防止爪36が係脱自在に臨まされている。

【００１３】スプ−ル16の回転による遠心力によってブレ−キシュ−18がブレ−キ部材５の円筒部5bの内周面に摺接することによるスプ−ル軸３の制動力は、ブレ−キシュ −18が制動リング19に摺接される時最大である。制動調節ツマミ６が回動されてブレ−キ部材５が右側に前進されると、ブレ− キシュ−18が面粗度加工が異なることによる摩擦係数の異なる摺接面α、β、γ に摺接されると順に制動力が弱く調節される。

【００１４】魚釣用両軸受型リ−ルが前記のように構成されてハンドル34が回転されると、制動調節ハンドル25で設定された制動力で駆動歯車８が回転されてピニオン７が回転されると共に、制動ツマミ６で設定された制動力でスプ−ル軸３が回転されてスプ−ル16が回転される。仕掛に獲物が掛かってスプ−ル16に巻回された釣糸が制動力に抗して繰り出されると、逆転防止爪車26に逆転防止爪36が係合され、制動力に抗してスプ−ル16 が逆回転されて釣糸が繰り出される。更に、クラッチレバ−23を押してピニオン７の係合部7aとスプ−ル軸３の係合部3bを離してスプ−ル16をフリ−状態にした後、キャスティングにより所定のポイントへ仕掛けを着水させる時、制動ツマミ６の調節を魚釣り状況、仕掛の種類、その他に応じて設定して制動力を調節すると、バックラッシュを確実に防止できる。

【００１５】前記のように魚釣用両軸受型リ−ルが構成されると、制動ツマミ６の回動調節によるスプ−ル軸３の制動力は、ブレ−キシュ−18がブレ−キ部材５の円筒部5b の内周面に摺接する位置を変えることにより、制動リング19に摺接される最大から、面粗度加工が異なることによる摩擦係数の異なる摺接面α、β、γに摺接される弱い制動力に調節され、魚釣りの諸条件に適した制動力が得られる。

【００１６】図４は第２実施例で、図４は魚釣用両軸受型リ−ルの左側の要部拡大断面平面図である。

【００１７】第２実施例はブレ−キ部材５の軸方向に移動する調整装置の構造が異なり、他の構成は第１実施例と略同一である。第２実施例では、リ−ル側板１の筒部1aの外周に螺子部1bが形成されている。円筒形のブレ−キ部材５の筒部5aの内周には螺子部5dが形成されて螺子部1bに螺合されている。ブレ−キ部材５の円筒部5b外周には歯形5eが形成されている。リ−ル側板１には調整装置となる制動調節ツマミ６′が回動自在に取り付けられてＥリング37で抜け止めされている。制動調節ツマミ６′には歯車6bが形成されて歯形5eに噛合されている。制動調節ツマミ６′が回動されると、ブレ−キ部材５が軸方向に移動される。

【００１８】図５は第３実施例で、図５は魚釣用両軸受型リ−ルの断面平面図である。

【００１９】第３実施例では、リ−ル側板１、２にスプ−ル軸３が回り止め支持されている。スプ−ル軸３には軸受38、39でスプ−ル16が回転可能に軸承されている。スプ−ル16の左端はリ−ル側板１側に突出されて突出部16a の外周に支持杆４が固定され、支持杆４の両側にブレ−キシュ−18が夫々径方向に移動自在に遊嵌されている。リ−ル側板１の筒部1aの外周には円筒形のブレ−キ部材５の筒部5aが軸方向に移動自在に嵌合されている。円筒形のブレ−キ部材５の円筒部5bの内周面にはスプ−ル16の回転による遠心力によってブレ−キシュ−18が摺接される。

【００２０】リ−ル側板１には前記第１実施例と同様に調整装置となる制動調節ツマミ６が回動自在に取り付けられている。制動調節ツマミ６には螺子孔6aが形成されてブレ−キ部材５に圧入固定や溶着固定で一体的に設けられた螺子部5cが螺子孔6aに螺合されている。

【００２１】スプ−ル16の右端はリ−ル側板２側に突出されてその外周に係合部16b が形成されている。リ−ル側板２内のスプ−ル軸３の小径部3cにはピニオン７′が摺動自在に嵌合され、スプ−ル16の係合部16b とピニオン７′の係合部7bがクラッチレバ−23で係合・離脱されるように構成されている。前記ピニオン７′には前記第１実施例と同様に駆動歯車８の歯車8aが噛合され、駆動歯車８はハンドル駆動軸９に回動自在に嵌合されている。

【００２２】第３実施例の動作は、前記第１実施例と同様同一である。

【００２３】前記ブレ−キ部材５を移動する調整装置の構成は図示以外の構造としてもよい。

【００２４】

【考案の効果】

本考案は前述のように構成されると、制動ツマミの回動調節によるスプ−ル軸の制動力は、ブレ−キシュ−がブレ−キ部材の円筒部の内周面に摺接する位置を変えることにより、強い制動力から弱い制動力に調節され、魚釣り状況、仕掛の種類、その他に応じた制動力が得られる等実用上優れた効果を奏する魚釣用両軸受型リ−ルの制動装置を提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例で、魚釣用両軸受型リ−ルの要部断
面平面図である。

【図２】同魚釣用両軸受型リ−ルの左側の要部拡大断面
平面図である。

【図３】同魚釣用両軸受型リ−ルの右側の要部拡大断面
平面図である。

【図４】第２実施例で、魚釣用両軸受型リ−ルの左側の
要部拡大断面平面図である。

【図５】第３実施例で、魚釣用両軸受型リ−ルの要部断
面平面図である。

【符号の説明】

Ａリ−ル本体１、２側板３スプ−ル軸４支持杆５円筒形のブレ−キ部材６、６′ 調整装置（制動調節ツマミ） 16 スプ−ル 18 ブレ−キシュ− 19、α、β、γ 摩擦係数の異なる摺接面

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】リ−ル本体の両側板間に回転自在に支持
したスプ−ルと一体的に回転する支持杆にブレ−キシュ
−を径方向に移動自在に遊嵌し、前記スプ−ルの回転に
よる遠心力によって前記ブレ−キシュ−が摺接する円筒
形のブレ−キ部材をリ−ル本体に設けた魚釣用両軸受型
リ−ルの制動装置において、前記ブレ−キシュ−の摺接
面となる前記ブレ−キ部材の内周面の軸方向に摩擦係数
の異なる摺接面を複数形成し、前記ブレ−キ部材を調整
装置により軸方向に移動可能としたことを特徴とする魚
釣用両軸受型リ−ルの制動装置。