JPH0641235B2 - 感熱性孔版フイルム及び原紙 - Google Patents
感熱性孔版フイルム及び原紙Info
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- JPH0641235B2 JPH0641235B2 JP63065888A JP6588888A JPH0641235B2 JP H0641235 B2 JPH0641235 B2 JP H0641235B2 JP 63065888 A JP63065888 A JP 63065888A JP 6588888 A JP6588888 A JP 6588888A JP H0641235 B2 JPH0641235 B2 JP H0641235B2
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- Japan
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- film
- heat
- silicone oil
- base paper
- stick
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、サーマルヘツドにより孔版原版を作成するの
に適した感熱孔版用フイルム及び原紙に関し、さらに詳
しくは一軸または二軸に延伸された熱可塑性フイルム、
好ましくは共重合ポリエステル系フイルムの表面に特定
のシリコーンオイルからなるステイツク防止層を設け
て、製版時のサーマルヘツドとの熱融着を防止し、印刷
物の解像度を向上させた感熱孔版用フイルム及び原紙に
関する。
に適した感熱孔版用フイルム及び原紙に関し、さらに詳
しくは一軸または二軸に延伸された熱可塑性フイルム、
好ましくは共重合ポリエステル系フイルムの表面に特定
のシリコーンオイルからなるステイツク防止層を設け
て、製版時のサーマルヘツドとの熱融着を防止し、印刷
物の解像度を向上させた感熱孔版用フイルム及び原紙に
関する。
(従来の技術) 感熱孔版原版の作成方法として、サーマルヘツドによる
デジタル製版(以下、TH法と略す)と赤外線やキセノ
ンフラツシユ光を照射する方法(以下、閃光法と略す)
が既に公知となつている。特に該TH法は静電複写(P
PC)と比較して、多数枚になると印刷コストが安価で
ある、高速印刷が可能である等の理由でオフイス、学校
等に急速に普及している。ところが、TH法では穿孔時
に該ヘツドと感熱孔版原紙のフイルム(以下、フイルム
と略す)が熱融着(ステイツク)して穿孔部の拡大、変
形(これによつて印刷物の文字が太つたり滲んだりす
る)、さらにはフイルムの破れ、剥れ等の問題が発生し
ている。TH法において、製版時、該ヘツドの表面温度
は通常数ミリ秒の間に300〜500℃程度にまで達
し、その結果、該ヘツドとフイルムはほとんどの場合瞬
間的にステイツク現象を起こす。この場合、該ヘツドの
発熱素子のわずかな部分にでも熱融着が発生しても、閃
光法とは異なつて該ヘツド(発熱部)とフイルムは絶え
ず相対的に移動しているため、前述の様な重大な問題が
発生する。
デジタル製版(以下、TH法と略す)と赤外線やキセノ
ンフラツシユ光を照射する方法(以下、閃光法と略す)
が既に公知となつている。特に該TH法は静電複写(P
PC)と比較して、多数枚になると印刷コストが安価で
ある、高速印刷が可能である等の理由でオフイス、学校
等に急速に普及している。ところが、TH法では穿孔時
に該ヘツドと感熱孔版原紙のフイルム(以下、フイルム
と略す)が熱融着(ステイツク)して穿孔部の拡大、変
形(これによつて印刷物の文字が太つたり滲んだりす
る)、さらにはフイルムの破れ、剥れ等の問題が発生し
ている。TH法において、製版時、該ヘツドの表面温度
は通常数ミリ秒の間に300〜500℃程度にまで達
し、その結果、該ヘツドとフイルムはほとんどの場合瞬
間的にステイツク現象を起こす。この場合、該ヘツドの
発熱素子のわずかな部分にでも熱融着が発生しても、閃
光法とは異なつて該ヘツド(発熱部)とフイルムは絶え
ず相対的に移動しているため、前述の様な重大な問題が
発生する。
さらに最近、高速製版、低エネルギー製版化、高解像度
化を目的として、穿孔感度を向上させたフイルム(以
下、高感度フイルムと記す)が提案されている(特開昭
62−282983号公報など)。市販のサーマルヘツ
ドによるデジタル製版機は、市販の約2μmの結晶化ポ
リエステル系フイルム(融点;245〜260℃)と典
具帖紙等の多孔性支持体とを貼合せた感熱孔版原紙(以
下、原紙と略す)用に穿孔エネルギーを特別にアツプし
ており、この様な高エネルギーの製版機に高感度フイル
ムを用いた原紙をかけるとステイツクが著しい。また、
高感度フイルムは通常のフイルムと異なつた特殊な使用
方法が考えられている。高感度フイルムは、多孔性支持
体と貼合せず、厚物(5μm以上)の単独フイルムのみ
を印刷原版として使用する(支持体不要原紙)ことがで
きる(台紙を仮接着して、ワードプロセツサー等により
製版した後、剥離して原版とすることもできる)。この
場合、ステイツクの問題が解決されれば、支持体による
ベタ部のボソつき感がなく、従来の原紙よりも有利に高
品質印刷が行なえる。しかし、通常フイルムが厚くなる
程サーマルヘツドとの熱融着は大きくなる傾向にある
(特開昭60−48398)。
化を目的として、穿孔感度を向上させたフイルム(以
下、高感度フイルムと記す)が提案されている(特開昭
62−282983号公報など)。市販のサーマルヘツ
ドによるデジタル製版機は、市販の約2μmの結晶化ポ
リエステル系フイルム(融点;245〜260℃)と典
具帖紙等の多孔性支持体とを貼合せた感熱孔版原紙(以
下、原紙と略す)用に穿孔エネルギーを特別にアツプし
ており、この様な高エネルギーの製版機に高感度フイル
ムを用いた原紙をかけるとステイツクが著しい。また、
高感度フイルムは通常のフイルムと異なつた特殊な使用
方法が考えられている。高感度フイルムは、多孔性支持
体と貼合せず、厚物(5μm以上)の単独フイルムのみ
を印刷原版として使用する(支持体不要原紙)ことがで
きる(台紙を仮接着して、ワードプロセツサー等により
製版した後、剥離して原版とすることもできる)。この
場合、ステイツクの問題が解決されれば、支持体による
ベタ部のボソつき感がなく、従来の原紙よりも有利に高
品質印刷が行なえる。しかし、通常フイルムが厚くなる
程サーマルヘツドとの熱融着は大きくなる傾向にある
(特開昭60−48398)。
現在ステイツク防止法として数多くの特許出願がなされ
ている。それ等には、脂肪酸金属塩をコートしたもの
(特開昭60−19592号公報)、リン酸エステル型
界面活性剤のオーバーコート層を設けたもの(特開昭6
1−125897号公報)、シリコーン離型層(固体)
を設けたもの(特開昭60−97891号公報など)、
シリコーンオイル等の流動性潤滑剤を塗布する手段を製
版機中に設けたもの(特開昭60−154068号公
報、特開昭63−30295号公報)等がある。しか
し、穿孔感度を低下させないで且つ高品質な印刷ができ
る様な正確な穿孔はできていない。また、サーマルヘツ
ドの発熱部が汚れる、経時的にステイツク防止効果が不
安定である等、充分満足のいく効果が得られていないの
が現状である。また、特に高感度フイルムに対する高エ
ネルギー域での有効なステイツク防止法は見い出されて
いない。
ている。それ等には、脂肪酸金属塩をコートしたもの
(特開昭60−19592号公報)、リン酸エステル型
界面活性剤のオーバーコート層を設けたもの(特開昭6
1−125897号公報)、シリコーン離型層(固体)
を設けたもの(特開昭60−97891号公報など)、
シリコーンオイル等の流動性潤滑剤を塗布する手段を製
版機中に設けたもの(特開昭60−154068号公
報、特開昭63−30295号公報)等がある。しか
し、穿孔感度を低下させないで且つ高品質な印刷ができ
る様な正確な穿孔はできていない。また、サーマルヘツ
ドの発熱部が汚れる、経時的にステイツク防止効果が不
安定である等、充分満足のいく効果が得られていないの
が現状である。また、特に高感度フイルムに対する高エ
ネルギー域での有効なステイツク防止法は見い出されて
いない。
(発明が解決しようとする問題点) 感熱孔版原版を作成する際の熱融着の問題は、TH法、
閃光法共に発生する。しかし閃光法の場合、熱融着する
対象がフイルムと原稿で相対的移動がないので多少融着
点があつても冷却後剥離するために問題にはならない
が、前述の様にTH法では熱融着が重大な問題となる。
また、穿孔のために付加されるエネルギーは閃光法より
もTH法の方が一般に小さいと言われており、ステイツ
ク防止等のために該フイルム面上に層を設けた場合、該
層の材質による特性及びその付着量がフイルムの穿孔感
度を大きく左右する。
閃光法共に発生する。しかし閃光法の場合、熱融着する
対象がフイルムと原稿で相対的移動がないので多少融着
点があつても冷却後剥離するために問題にはならない
が、前述の様にTH法では熱融着が重大な問題となる。
また、穿孔のために付加されるエネルギーは閃光法より
もTH法の方が一般に小さいと言われており、ステイツ
ク防止等のために該フイルム面上に層を設けた場合、該
層の材質による特性及びその付着量がフイルムの穿孔感
度を大きく左右する。
従つて、フイルムの穿孔感度を低下させずに少量で安定
にステイツクや該ヘツドへのカス付着を防止できるステ
イツク防止層を設けることが実用上非常に重要である。
にステイツクや該ヘツドへのカス付着を防止できるステ
イツク防止層を設けることが実用上非常に重要である。
ここで、シリコーンオイルは高い離型性を示し、また温
度に対して安定である。しかし、サーマルヘツド製版時
の該ヘツドとのステイツク防止剤として使用した例があ
まりない。シリコーンオイルは一般に常温で液状である
ために、原紙に塗布して重ねて保存している間に、その
種類によつては接触している(特にロール巻きの場合)
典具帖紙等の多孔性支持体にシリコーンオイルが「転
移」して(特開昭61−295098号公報)ステイツ
ク防止効果が低下する。このため、製版機中に塗布手段
を設ける方法が提案されている(特開昭63−3029
5号公報)。
度に対して安定である。しかし、サーマルヘツド製版時
の該ヘツドとのステイツク防止剤として使用した例があ
まりない。シリコーンオイルは一般に常温で液状である
ために、原紙に塗布して重ねて保存している間に、その
種類によつては接触している(特にロール巻きの場合)
典具帖紙等の多孔性支持体にシリコーンオイルが「転
移」して(特開昭61−295098号公報)ステイツ
ク防止効果が低下する。このため、製版機中に塗布手段
を設ける方法が提案されている(特開昭63−3029
5号公報)。
また、ある種のシリコーンオイルをステイツク防止剤と
して使用した例が示されているが、いずれも充分に好ま
しい結果は得られていない。例えば、ポリエステル系フ
イルムに水溶性シリコーンオイルを用いた場合、ステイ
ツク防止効果が充分ではない(特開昭60−13129
8の明細書中の比較例など)、シリコーンオイルを用い
た場合、得られた印刷物はインクの滲みが多い(特開昭
62−238792号公報)等の欠点がある。
して使用した例が示されているが、いずれも充分に好ま
しい結果は得られていない。例えば、ポリエステル系フ
イルムに水溶性シリコーンオイルを用いた場合、ステイ
ツク防止効果が充分ではない(特開昭60−13129
8の明細書中の比較例など)、シリコーンオイルを用い
た場合、得られた印刷物はインクの滲みが多い(特開昭
62−238792号公報)等の欠点がある。
(問題点を解決するための手段及び作用) 本発明者らは、上述の問題点を解決すべく鋭意研究した
結果、シリコーンオイル中でもある特定のシリコーンオ
イルが格段のステイツク防止効果を発揮することを見い
出して本発明に到達した。
結果、シリコーンオイル中でもある特定のシリコーンオ
イルが格段のステイツク防止効果を発揮することを見い
出して本発明に到達した。
即ち、本発明は、サーマルヘツドによつて製版される感
熱性孔版フイルムにおいて、該フイルムのサーマルヘツ
ドが接する面にアミノ変性シリコーンオイルを構成成分
としたステイツク防止層を設けたことを特徴とする感熱
性孔版フイルム、及びフイルムと多孔質状支持体を貼合
せ且つ該フイルムの非接着面にアミノ変性シリコーンオ
イルを構成成分とするステイツク防止層を設けたことを
特徴とする感熱性孔版用原紙である。
熱性孔版フイルムにおいて、該フイルムのサーマルヘツ
ドが接する面にアミノ変性シリコーンオイルを構成成分
としたステイツク防止層を設けたことを特徴とする感熱
性孔版フイルム、及びフイルムと多孔質状支持体を貼合
せ且つ該フイルムの非接着面にアミノ変性シリコーンオ
イルを構成成分とするステイツク防止層を設けたことを
特徴とする感熱性孔版用原紙である。
本発明に用いられるフイルムとしては、ポリエステル
(好ましくは共重合ポリエステル)系、ナイロン(好ま
しくは共重合ナイロン)系、ポリオレフイン系、ポリス
チレン系、アクリル酸誘導体系、エチレン・ビニルアル
コール系、ポリカーボネート系共重合体等が挙げられ
る。
(好ましくは共重合ポリエステル)系、ナイロン(好ま
しくは共重合ナイロン)系、ポリオレフイン系、ポリス
チレン系、アクリル酸誘導体系、エチレン・ビニルアル
コール系、ポリカーボネート系共重合体等が挙げられ
る。
好ましくは、該フイルムの穿孔感度が高いものがより有
効であり、そのためにはフイルムを構成している状態に
おける熱可塑性樹脂が実質的に非晶質なレベルから結晶
化度15%までの範囲のものが良い。より好ましくは、
該フイルムが実質的に非晶質なレベルのものである。こ
こで、実質的に非晶質なレベルのフイルムとは、まずそ
の原料がDSC法(但し、10℃/分の昇温スピードで
測定した場合)でも融点がほとんど見られないものであ
る場合と、また加工法(急冷法等)等により結晶化を抑
制したものでの場合等がある。好ましくは前者である。
効であり、そのためにはフイルムを構成している状態に
おける熱可塑性樹脂が実質的に非晶質なレベルから結晶
化度15%までの範囲のものが良い。より好ましくは、
該フイルムが実質的に非晶質なレベルのものである。こ
こで、実質的に非晶質なレベルのフイルムとは、まずそ
の原料がDSC法(但し、10℃/分の昇温スピードで
測定した場合)でも融点がほとんど見られないものであ
る場合と、また加工法(急冷法等)等により結晶化を抑
制したものでの場合等がある。好ましくは前者である。
また、上記結晶化度は簡易的には上記の結晶化度が明確
化したサンプルをDSC法で測定し、被測定用サンプル
で測定した溶解エネルギーの面積比で求めても良い。好
ましくは、密度法、X線法等で予め検量しておき、DS
C法で結晶状態を変えることなく測定するのが良い(昇
温条件等)。
化したサンプルをDSC法で測定し、被測定用サンプル
で測定した溶解エネルギーの面積比で求めても良い。好
ましくは、密度法、X線法等で予め検量しておき、DS
C法で結晶状態を変えることなく測定するのが良い(昇
温条件等)。
該フイルムはさらに好ましくは共重合ポリエステルを主
体としたものであり、且つ該フイルムが実質的に非晶質
なレベルのものである。また、最も好ましくは、原料と
しての該共重合ポリエステルが実質的に非晶質であるこ
とである。ここで、実質的に非晶質のポリエステルと
は、通常市販されているその結晶融点(DSC法によ
る)が245〜260℃にある所謂高結晶性ポリエチレ
ンテレフタレートを主体とした樹脂とは異なり、まず原
料としてのその重合体単体及び混合成分よりなる重合体
または重合体同士をブレンドした組成物状にて、充分ア
ニール処理して平衡状態としたものをX線法によつて結
晶化度を固定し、このサンプルを標準にして測定した密
度法(密度の測定は、JIS K-7112に準拠)による結晶化
度が10%以下のものであり、好ましくは5%以下、よ
り好ましくはDSC法でも融点がほとんど見られないも
のである。実質的に非晶質のポリエステルは、ポリマー
を構成する単量体で詳しく説明すれば、酸成分としてテ
レフタル酸及びその異性体、それ等の誘導体、脂肪族ジ
カルボン酸、それ等の誘導体等より選ばれる1種または
2種以上の酸成分を利用し、次にグリコール(アルコー
ル)成分として、エチレングリコール、その誘導体(ポ
リエチレングリコール等)、アルキレングリコール類
(トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール等)、脂肪族飽和環状グ
リコール類(シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン
ジメタノール、シクロヘキサンジアルキルオール類
等)、芳香族環、例えばビスフエノール核を有するジオ
ール等より選ばれる1種または2種以上のグリコール成
分を利用して重合するものである。好ましくは、両成分
の内、少なくともアルコール成分を共重合化したもので
あり、その比率は前述の共重合ポリエステルのレベルと
同一である。次に詳しいその好ましい組合せは、酸成分
としてテレフタル酸を主体として選び、場合によつては
異性体(イソフタル酸、フタル酸)を少量(15モル%
以下)のレベルで含んでも良い。またアルコール成分と
してエチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノー
ルを主体とした混合成分を重合したものである。より好
ましくは、酸成分として上記同様のテレフタル酸を主体
としたものを選び、アルコール成分としてエチレングリ
コールと1,4−シクロヘキサンジメタノールを主体と
したものを選び、共重合したアルコール成分の内の多量
成分をなす上記両者の比率は、エチレングリコールが6
0〜80モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール
が40〜20モル%であり、さらに好ましくは前者が6
4〜75モル%、後者が36〜25モル%、最も好まし
くは前者が67〜73モル%、後者が33〜27モル%
である。
体としたものであり、且つ該フイルムが実質的に非晶質
なレベルのものである。また、最も好ましくは、原料と
しての該共重合ポリエステルが実質的に非晶質であるこ
とである。ここで、実質的に非晶質のポリエステルと
は、通常市販されているその結晶融点(DSC法によ
る)が245〜260℃にある所謂高結晶性ポリエチレ
ンテレフタレートを主体とした樹脂とは異なり、まず原
料としてのその重合体単体及び混合成分よりなる重合体
または重合体同士をブレンドした組成物状にて、充分ア
ニール処理して平衡状態としたものをX線法によつて結
晶化度を固定し、このサンプルを標準にして測定した密
度法(密度の測定は、JIS K-7112に準拠)による結晶化
度が10%以下のものであり、好ましくは5%以下、よ
り好ましくはDSC法でも融点がほとんど見られないも
のである。実質的に非晶質のポリエステルは、ポリマー
を構成する単量体で詳しく説明すれば、酸成分としてテ
レフタル酸及びその異性体、それ等の誘導体、脂肪族ジ
カルボン酸、それ等の誘導体等より選ばれる1種または
2種以上の酸成分を利用し、次にグリコール(アルコー
ル)成分として、エチレングリコール、その誘導体(ポ
リエチレングリコール等)、アルキレングリコール類
(トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール等)、脂肪族飽和環状グ
リコール類(シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン
ジメタノール、シクロヘキサンジアルキルオール類
等)、芳香族環、例えばビスフエノール核を有するジオ
ール等より選ばれる1種または2種以上のグリコール成
分を利用して重合するものである。好ましくは、両成分
の内、少なくともアルコール成分を共重合化したもので
あり、その比率は前述の共重合ポリエステルのレベルと
同一である。次に詳しいその好ましい組合せは、酸成分
としてテレフタル酸を主体として選び、場合によつては
異性体(イソフタル酸、フタル酸)を少量(15モル%
以下)のレベルで含んでも良い。またアルコール成分と
してエチレングリコール及びシクロヘキサンジメタノー
ルを主体とした混合成分を重合したものである。より好
ましくは、酸成分として上記同様のテレフタル酸を主体
としたものを選び、アルコール成分としてエチレングリ
コールと1,4−シクロヘキサンジメタノールを主体と
したものを選び、共重合したアルコール成分の内の多量
成分をなす上記両者の比率は、エチレングリコールが6
0〜80モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール
が40〜20モル%であり、さらに好ましくは前者が6
4〜75モル%、後者が36〜25モル%、最も好まし
くは前者が67〜73モル%、後者が33〜27モル%
である。
本発明に用いるフイルムの厚みは、典具帖紙、ポリエス
テル紗等の多孔性支持体を貼合せて用いる場合、好まし
くは0.5〜7μm、より好ましくは0.7〜5μmで
ある。また経済性、簡易性、高解像性等より多孔性支持
体不要のドツト状穿孔を利用する場合は、フイルムの作
業性、操作性、強度、ドツトとドツトの間の残存部の強
度等から、5〜15μm好ましくは6〜13μm、より
好ましくは8〜12μmである。
テル紗等の多孔性支持体を貼合せて用いる場合、好まし
くは0.5〜7μm、より好ましくは0.7〜5μmで
ある。また経済性、簡易性、高解像性等より多孔性支持
体不要のドツト状穿孔を利用する場合は、フイルムの作
業性、操作性、強度、ドツトとドツトの間の残存部の強
度等から、5〜15μm好ましくは6〜13μm、より
好ましくは8〜12μmである。
本発明で使用される多孔性支持体には、印刷インクの透
過が可能で、フイルムが穿孔する加熱条件でも変形を起
こさない天然繊維、再生繊維、合成繊維等を原料とした
単体またはこれ等を混合した薄葉紙、不織布、織布等が
挙げられる。不織布タイプの薄葉紙の場合は、30〜3
g/m2の目付のもの、好ましくは20〜4g/m2、より
好ましくは15〜4g/m2のものである。また織布タイ
プのメツシユ状の場合は、500〜15メツシユ、好ま
しくは300〜50メツシユ、より好ましくは250〜
80メツシユであり、印刷に必要な解像度によつて適当
なものを選定すれば良い。特に好ましくは、0.5〜5
デニールのポリエステル繊維または再生セルロース繊維
または両者の混合物等よりなる不織布タイプの多孔性支
持体である。
過が可能で、フイルムが穿孔する加熱条件でも変形を起
こさない天然繊維、再生繊維、合成繊維等を原料とした
単体またはこれ等を混合した薄葉紙、不織布、織布等が
挙げられる。不織布タイプの薄葉紙の場合は、30〜3
g/m2の目付のもの、好ましくは20〜4g/m2、より
好ましくは15〜4g/m2のものである。また織布タイ
プのメツシユ状の場合は、500〜15メツシユ、好ま
しくは300〜50メツシユ、より好ましくは250〜
80メツシユであり、印刷に必要な解像度によつて適当
なものを選定すれば良い。特に好ましくは、0.5〜5
デニールのポリエステル繊維または再生セルロース繊維
または両者の混合物等よりなる不織布タイプの多孔性支
持体である。
以上に述べた感熱性孔版及び原紙を市販の印刷機、ワー
ドプロセツサー、フアクシミリ等の高エネルギーのサー
マルヘツドで製版した場合、フイルム表面にステイツク
防止処理を施こさないとほとんどの場合ステイツク現象
が発生する。本発明者らは、TH法による印刷原版の作
成(フイルムの穿孔)について研究を進めた結果、次の
様な重要な点があることが判明した。
ドプロセツサー、フアクシミリ等の高エネルギーのサー
マルヘツドで製版した場合、フイルム表面にステイツク
防止処理を施こさないとほとんどの場合ステイツク現象
が発生する。本発明者らは、TH法による印刷原版の作
成(フイルムの穿孔)について研究を進めた結果、次の
様な重要な点があることが判明した。
まず第1に、前述のごとく、閃光法における熱融着とT
H法における熱融着は同様に取扱えない。TH法におい
ては、サーマルヘツドの熱素子とフイルムが加熱下で相
対的に移動しているので、ほんのわずかな融着点が発生
しても問題になる。特に本発明においては、好ましくは
高感度フイルムを使用しているものである。該高感度フ
イルムは非晶質または結晶性の低い材料を使用している
ので、穿孔溶融時ベトツキやすく、またメルト状のポリ
マーが凝集して固まりを作りやすいので、ステイツクの
発生が著しい。このため、わずかな融着点をも防止する
には、ステイツク防止層は均一で且つ特に通常になく有
効なものでなければならない。該層が固体層では穿孔時
の伝熱を阻害し且つ伝熱を不均一にしてしまう。また薄
い均一層を形成するのは困難である。第2に、同様にヘ
ツドとフイルムは相対的に移動していることから、均一
な層を形成しえても種類によつては該ヘツドにこすりと
られてしまう場合がある。よつて、穿孔を阻害するくら
いまで多量に形成しても場合によつてはステイツクが発
生する。また第3に、本発明においては前述の様に支持
体不要原紙も対象にしており、多孔性支持体が不要であ
るが故にステイツクに対して特に敏感である。
H法における熱融着は同様に取扱えない。TH法におい
ては、サーマルヘツドの熱素子とフイルムが加熱下で相
対的に移動しているので、ほんのわずかな融着点が発生
しても問題になる。特に本発明においては、好ましくは
高感度フイルムを使用しているものである。該高感度フ
イルムは非晶質または結晶性の低い材料を使用している
ので、穿孔溶融時ベトツキやすく、またメルト状のポリ
マーが凝集して固まりを作りやすいので、ステイツクの
発生が著しい。このため、わずかな融着点をも防止する
には、ステイツク防止層は均一で且つ特に通常になく有
効なものでなければならない。該層が固体層では穿孔時
の伝熱を阻害し且つ伝熱を不均一にしてしまう。また薄
い均一層を形成するのは困難である。第2に、同様にヘ
ツドとフイルムは相対的に移動していることから、均一
な層を形成しえても種類によつては該ヘツドにこすりと
られてしまう場合がある。よつて、穿孔を阻害するくら
いまで多量に形成しても場合によつてはステイツクが発
生する。また第3に、本発明においては前述の様に支持
体不要原紙も対象にしており、多孔性支持体が不要であ
るが故にステイツクに対して特に敏感である。
また、フイルムの厚みが厚い程、ステイツク防止処法が
強力でなければならないことが判明している。また前述
のごとく、例えば0.5〜5デニールのポリエステル繊
維を主体とした多孔性支持体を本発明では好ましくは使
用する。この場合、該支持体不要原紙と同様にステイツ
クが発生しなければ鮮明な印刷物が得られる。しかし、
該支持体は腰がなくステイツクが発生すると原紙がゆが
んだり(従つて像がゆがむ)製版機中で原紙づまり等の
トラブルを発生する。高感度フイルムを用いた場合、特
に注意が必要となることはいうまでもない。
強力でなければならないことが判明している。また前述
のごとく、例えば0.5〜5デニールのポリエステル繊
維を主体とした多孔性支持体を本発明では好ましくは使
用する。この場合、該支持体不要原紙と同様にステイツ
クが発生しなければ鮮明な印刷物が得られる。しかし、
該支持体は腰がなくステイツクが発生すると原紙がゆが
んだり(従つて像がゆがむ)製版機中で原紙づまり等の
トラブルを発生する。高感度フイルムを用いた場合、特
に注意が必要となることはいうまでもない。
以上の知見により、本発明のステイツク防止処法に到達
した。即ち本発明においては、高エネルギー域から低エ
ネルギー域の各種材質からなるサーマルヘツドによつて
もフイルムの穿孔感度を落とすことなくステイツクが防
止され、フイルムを正確に穿孔し、また高エネルギーで
の高速製版が可能な原紙が初めて得られるものである。
それは、サーマルヘツドが接するフイルム表面に、特定
のアミノ変性シリコーンオイルを構成成分としたステイ
ツク層を設けることである。
した。即ち本発明においては、高エネルギー域から低エ
ネルギー域の各種材質からなるサーマルヘツドによつて
もフイルムの穿孔感度を落とすことなくステイツクが防
止され、フイルムを正確に穿孔し、また高エネルギーで
の高速製版が可能な原紙が初めて得られるものである。
それは、サーマルヘツドが接するフイルム表面に、特定
のアミノ変性シリコーンオイルを構成成分としたステイ
ツク層を設けることである。
本発明に用いられる有効成分としてのアミノ変性シリコ
ーンオイルは下記式(I)でその概略が示されるが、これ
に限定されるものではなく好ましい例として挙げる。
ーンオイルは下記式(I)でその概略が示されるが、これ
に限定されるものではなく好ましい例として挙げる。
(但し、Rは-CH3または-OCH3、Xは-CH2CH2CH2NHCH2CH
2NH2または-CH2CH2CH2NH2、m+n=2〜2000であ
る。) アミノ変性シリコーンオイルのステイツク防止効果は、
他のシリコーンオイル(例えば、ジメチルシリコーンオ
イル、エーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シ
リコーンオイル等)に比べて格段の効果を示す。特にポ
リエステル系フイルムに対しては有効である。この理由
について詳しくは不明であるが、該シリコーンオイルは
繊維、塗膜等に強い吸着性があり、フイルムを構成する
ポリマーの特性(官能基等の分子構造、これに伴うフイ
ルムの表面特性等)とが相俟つて格段のステイツク防止
効果を示すものと思われる。
2NH2または-CH2CH2CH2NH2、m+n=2〜2000であ
る。) アミノ変性シリコーンオイルのステイツク防止効果は、
他のシリコーンオイル(例えば、ジメチルシリコーンオ
イル、エーテル変性シリコーンオイル、アルキル変性シ
リコーンオイル等)に比べて格段の効果を示す。特にポ
リエステル系フイルムに対しては有効である。この理由
について詳しくは不明であるが、該シリコーンオイルは
繊維、塗膜等に強い吸着性があり、フイルムを構成する
ポリマーの特性(官能基等の分子構造、これに伴うフイ
ルムの表面特性等)とが相俟つて格段のステイツク防止
効果を示すものと思われる。
また該アミノ変性シリコーンの粘度は特に限定しない
が、揮発性、熱安定性を考慮すると分子量がある程度以
上必要となり(従つて前記式(I)中のm,nも限定され
る)、従つて該粘度も制限を受ける。製版機中での機械
的滑り(滑りが悪いと画像がゆがんだり、原紙が送り込
まれず原紙づまり等の問題が発生する)をも考慮する
と、該粘度はJIS K-2283に準拠し測定した値が、25℃
において好ましくは100〜1,000,000CS(センチストー
クス)、より好ましくは500〜20,000CS、最も好まし
くは1,000〜10,000CSである。
が、揮発性、熱安定性を考慮すると分子量がある程度以
上必要となり(従つて前記式(I)中のm,nも限定され
る)、従つて該粘度も制限を受ける。製版機中での機械
的滑り(滑りが悪いと画像がゆがんだり、原紙が送り込
まれず原紙づまり等の問題が発生する)をも考慮する
と、該粘度はJIS K-2283に準拠し測定した値が、25℃
において好ましくは100〜1,000,000CS(センチストー
クス)、より好ましくは500〜20,000CS、最も好まし
くは1,000〜10,000CSである。
ステイツク防止層に構成する他の成分としては、該アミ
ノ変性シリコーンオイルのステイツク防止効果を阻害し
ないものが選ばれ、さらに好ましくは、例えば転移、フ
イルム内部への吸収等を防止し、またステイツク防止効
果を増長させるものであれば良い。これ等には、例えば
固形の微粒子(5μm以下)としてシリカ、タルク、カ
ーボン、グラフアイト、モリブテン系化合物、マイカ等
の無機物、及び脂肪酸単体、界面活性剤類、そのうち好
ましくは非イオン系界面活性剤、例えば脂肪酸エステル
類がある。また他に脂肪酸アミド、樹脂等の微粒子(5
μm以下)などがある。また、帯電防止剤、伝熱を向上
させる物質、他の種類のシリコーンオイル(アルキル変
性シリコーンオイル等)等を添加しても良い。さらに、
該ステイツク防止層はアミノ変性シリコーンオイルを構
成成分としたステイツク防止層であり、全体量として好
ましくは0.0001〜 1.5g/m2程度である。該下限は前述
の有効成分である該アミノ変性シリコーンオイルの絶対
量であり、少なくとも0.0001g/m2である。これは、前
述の他の成分、特に非イオン系界面活性剤で希釈(例え
ば、希釈倍率の上限が200 倍程度まで)した場合でもあ
てはまるものとする。また上記上限はステイツク防止性
能から制限されるものではなく、ベトツキ、熱が奪われ
ることによる感度低下等から制限されるものであり、一
般に1.5g/m2程度である。該ステイツク防止層を構
成する他の物質によつても多少異なるが、より好ましく
は、 0.001〜0.5g/m2であり、更に好ましくは 0.0
05〜0.3g/m2である。要は、該アミノ変性シリコーンオ
イルがフイルムを欠落なく均一に覆つていれば良い。
ノ変性シリコーンオイルのステイツク防止効果を阻害し
ないものが選ばれ、さらに好ましくは、例えば転移、フ
イルム内部への吸収等を防止し、またステイツク防止効
果を増長させるものであれば良い。これ等には、例えば
固形の微粒子(5μm以下)としてシリカ、タルク、カ
ーボン、グラフアイト、モリブテン系化合物、マイカ等
の無機物、及び脂肪酸単体、界面活性剤類、そのうち好
ましくは非イオン系界面活性剤、例えば脂肪酸エステル
類がある。また他に脂肪酸アミド、樹脂等の微粒子(5
μm以下)などがある。また、帯電防止剤、伝熱を向上
させる物質、他の種類のシリコーンオイル(アルキル変
性シリコーンオイル等)等を添加しても良い。さらに、
該ステイツク防止層はアミノ変性シリコーンオイルを構
成成分としたステイツク防止層であり、全体量として好
ましくは0.0001〜 1.5g/m2程度である。該下限は前述
の有効成分である該アミノ変性シリコーンオイルの絶対
量であり、少なくとも0.0001g/m2である。これは、前
述の他の成分、特に非イオン系界面活性剤で希釈(例え
ば、希釈倍率の上限が200 倍程度まで)した場合でもあ
てはまるものとする。また上記上限はステイツク防止性
能から制限されるものではなく、ベトツキ、熱が奪われ
ることによる感度低下等から制限されるものであり、一
般に1.5g/m2程度である。該ステイツク防止層を構
成する他の物質によつても多少異なるが、より好ましく
は、 0.001〜0.5g/m2であり、更に好ましくは 0.0
05〜0.3g/m2である。要は、該アミノ変性シリコーンオ
イルがフイルムを欠落なく均一に覆つていれば良い。
さらにまた、該ステイツク防止層の形成法としては、塗
布、スプレー、フイルムを構成するポリマーへの練込
み、共押出法により他層から転写する等の方法がある。
布、スプレー、フイルムを構成するポリマーへの練込
み、共押出法により他層から転写する等の方法がある。
(実施例) 以下、実施例をあげて本発明をさらに説明するが、これ
に限定されるものではない。
に限定されるものではない。
実施例及び比較例 実質的に非晶質な共重合ポリエステル(イーストマン・
コダツク社製、商品名;KODAR PETG6763をT
−ダイで押出してシートを形成し、該シートをステレツ
チヤーで90℃において二軸方向に3.5×3.5倍に
延伸して2μm及び8μmのフイルムを得た。このう
ち、2μmのフイルムに坪量11g/m2のポリエステル
繊維を主体とした薄葉紙(湿式法により製造)を酢酸ビ
ニル系接着剤のメタノール溶液を用いて貼合せて感熱孔
版原紙を作成した(原紙A)。
コダツク社製、商品名;KODAR PETG6763をT
−ダイで押出してシートを形成し、該シートをステレツ
チヤーで90℃において二軸方向に3.5×3.5倍に
延伸して2μm及び8μmのフイルムを得た。このう
ち、2μmのフイルムに坪量11g/m2のポリエステル
繊維を主体とした薄葉紙(湿式法により製造)を酢酸ビ
ニル系接着剤のメタノール溶液を用いて貼合せて感熱孔
版原紙を作成した(原紙A)。
尚、接着剤の付着量が乾燥後で3g/m2になる様に該溶
液の濃度を調製しそれを用いた。また、8μmのフイル
ムは、150メツシユのポリエステル紗を接着剤を用い
ずに重ね合わせて穿孔時の台紙として使用し、後で剥離
してフイルムのみを原版とした(原紙B)。
液の濃度を調製しそれを用いた。また、8μmのフイル
ムは、150メツシユのポリエステル紗を接着剤を用い
ずに重ね合わせて穿孔時の台紙として使用し、後で剥離
してフイルムのみを原版とした(原紙B)。
これらの原紙に、第1表に示す溶液をワイヤーバーで塗
布して感熱孔版フイルム及び原紙を製造し、該フイルム
及び原紙の評価を行つた。その結果を第2表に示す。評
価方法は以下に示す通りである。
布して感熱孔版フイルム及び原紙を製造し、該フイルム
及び原紙の評価を行つた。その結果を第2表に示す。評
価方法は以下に示す通りである。
(1) ステイツク防止効果及び印刷物の評価 上述のごとく処理した各原紙を、市販のサーマルヘツド
の最もエネルギーの高いグループのものとしてパーソナ
ルワープロ、ワードボーイPW−70キヤノン社製、32×
32ドツトの印字マトリツクスで、印字スピード8.5
文字/秒のもの)を選びこれの印字濃度レベル「濃」
(印字エネルギー最大)で製版した(サーマルヘツド表
面温度の最大値は約500℃)後、孔版用印刷機リソグ
ラフAP7200(理想科学工業社製)で印刷した。印字パ
ターンとしては、数字、ひらがな、漢字、ベタ部を含む
特殊記号(10.5ポイントのJISサイズ印字)12
6個で構成し、全記号数のうちステイツクが発生し孔部
が広がりまたはフイルムが裂けて、従つて印刷するとイ
ンクの黒部が記号のサイズ以上に広がつた状態の記号数
を数え、該記号の割合が、2%未満を○として合格ライ
ンとし、2〜5%を△(以下は不合格)、5〜80%を
×、80%以上を××として表示した。また、印刷物が
鮮明なものを○(最も鮮明なものを◎)、多少孔の拡大
があり印刷が滲んで鮮明度が落ちるものを△、ステイツ
クが多く印刷物が不鮮明なもの、またはフイルムの穿孔
が不充分で印刷物が読み難いものを×とした。
の最もエネルギーの高いグループのものとしてパーソナ
ルワープロ、ワードボーイPW−70キヤノン社製、32×
32ドツトの印字マトリツクスで、印字スピード8.5
文字/秒のもの)を選びこれの印字濃度レベル「濃」
(印字エネルギー最大)で製版した(サーマルヘツド表
面温度の最大値は約500℃)後、孔版用印刷機リソグ
ラフAP7200(理想科学工業社製)で印刷した。印字パ
ターンとしては、数字、ひらがな、漢字、ベタ部を含む
特殊記号(10.5ポイントのJISサイズ印字)12
6個で構成し、全記号数のうちステイツクが発生し孔部
が広がりまたはフイルムが裂けて、従つて印刷するとイ
ンクの黒部が記号のサイズ以上に広がつた状態の記号数
を数え、該記号の割合が、2%未満を○として合格ライ
ンとし、2〜5%を△(以下は不合格)、5〜80%を
×、80%以上を××として表示した。また、印刷物が
鮮明なものを○(最も鮮明なものを◎)、多少孔の拡大
があり印刷が滲んで鮮明度が落ちるものを△、ステイツ
クが多く印刷物が不鮮明なもの、またはフイルムの穿孔
が不充分で印刷物が読み難いものを×とした。
(2) 非転写性 上述の様に薄層を形成した感熱孔版原紙を10枚重ねて
50kg/m2の重りを載せて、35℃で1週間放置した。
その後、上述した方法によりステイツク防止効果を測定
して、放置前・後でステイツク防止効果に変化のないも
のを○、多少効果の低下が認められるものを△、著しく
低下するものを×とした。ただし、放置前においてもス
テイツクが5%以上発生するものについては測定したか
つた(第2表中、−で表示)。
50kg/m2の重りを載せて、35℃で1週間放置した。
その後、上述した方法によりステイツク防止効果を測定
して、放置前・後でステイツク防止効果に変化のないも
のを○、多少効果の低下が認められるものを△、著しく
低下するものを×とした。ただし、放置前においてもス
テイツクが5%以上発生するものについては測定したか
つた(第2表中、−で表示)。
実施例はすべて鮮明な印刷物が得られ、且つ非転写性に
優れていた。特に、支持体不要原紙(原紙B)は最も鮮
明な印刷物が得られた(実施例5)。
優れていた。特に、支持体不要原紙(原紙B)は最も鮮
明な印刷物が得られた(実施例5)。
アミノ変性シリコーンオイルを用いると極微量でも効果
が有り、他のシリコーンオイル(例えば、ジメチルシリ
コーンオイル系のもの、エーテル変性タイプのもの、ア
ルキル変性タイプのもの等)と比較して格段の効果が認
められる。
が有り、他のシリコーンオイル(例えば、ジメチルシリ
コーンオイル系のもの、エーテル変性タイプのもの、ア
ルキル変性タイプのもの等)と比較して格段の効果が認
められる。
実施例6 前述のKF864をオレイン酸モノグリセライド(理研
ビタミン社製、リケマールOL−100)で1/100 に希
釈し前述の実施例1〜4のごとく、原紙Aに塗布して評
価を行つた。塗布量は乾燥後の重量で0.1g/m2であ
つた。その結果、ステイツク防止効果、印刷物及び非転
写性は前述の評価方法ですべて「○」であつた。
ビタミン社製、リケマールOL−100)で1/100 に希
釈し前述の実施例1〜4のごとく、原紙Aに塗布して評
価を行つた。塗布量は乾燥後の重量で0.1g/m2であ
つた。その結果、ステイツク防止効果、印刷物及び非転
写性は前述の評価方法ですべて「○」であつた。
以上の如く、該アミノ変性シリコーンオイルは1/100 に
希釈したものを塗布しても上述のごとく有効であつた。
また、界面活性剤(実施例6に示したリケマールOL−
100など)を共存させると均一塗布が容易となるばか
りか、多孔性支持体(例えば典具帖紙など)に該ステイ
ツク防止剤が転移しても印刷用インキをはじく現象が全
く見られず、試し刷り(やれ紙)の枚数を減少できた。
希釈したものを塗布しても上述のごとく有効であつた。
また、界面活性剤(実施例6に示したリケマールOL−
100など)を共存させると均一塗布が容易となるばか
りか、多孔性支持体(例えば典具帖紙など)に該ステイ
ツク防止剤が転移しても印刷用インキをはじく現象が全
く見られず、試し刷り(やれ紙)の枚数を減少できた。
(発明の効果) 本発明によれば、サーマルヘツドとフイルムの耐ステイ
ツク性が大幅に改良され、感熱孔版印刷の高解像度化が
可能となり、また本発明の感熱孔版原紙は広い製版条件
下(高エネルギー従つて高温域から低エネルギー従つて
低温域まで、及び高エネルギーでの高速製版)で使用可
能、支持体不要穿孔等の用途等に使用が可能となりその
用途拡大等が図れる。また静電複写(PPC)よりも品
質の高い印刷物が得られる結果となる。
ツク性が大幅に改良され、感熱孔版印刷の高解像度化が
可能となり、また本発明の感熱孔版原紙は広い製版条件
下(高エネルギー従つて高温域から低エネルギー従つて
低温域まで、及び高エネルギーでの高速製版)で使用可
能、支持体不要穿孔等の用途等に使用が可能となりその
用途拡大等が図れる。また静電複写(PPC)よりも品
質の高い印刷物が得られる結果となる。
Claims (2)
- 【請求項1】サーマルヘツドによつて製版される感熱性
孔版フイルムにおいて、該フイルムのサーマルヘツドが
接する面にアミノ変性シリコーンオイルを構成成分とし
たステイツク防止層を設けたことを特徴とする感熱性孔
版フイルム - 【請求項2】フイルムと多孔性支持体を貼合せ、且つ該
フイルムの非接着面にアミノ変性シリコーンオイルを構
成成分とするステイツク防止層を設けたことを特徴とす
る感熱性孔版原紙
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63065888A JPH0641235B2 (ja) | 1988-03-22 | 1988-03-22 | 感熱性孔版フイルム及び原紙 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63065888A JPH0641235B2 (ja) | 1988-03-22 | 1988-03-22 | 感熱性孔版フイルム及び原紙 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01238992A JPH01238992A (ja) | 1989-09-25 |
JPH0641235B2 true JPH0641235B2 (ja) | 1994-06-01 |
Family
ID=13299961
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63065888A Expired - Lifetime JPH0641235B2 (ja) | 1988-03-22 | 1988-03-22 | 感熱性孔版フイルム及び原紙 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0641235B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03161396A (ja) * | 1989-11-21 | 1991-07-11 | Tomoegawa Paper Co Ltd | 感熱孔版用原紙 |
JPH03193393A (ja) * | 1989-12-22 | 1991-08-23 | Dainippon Printing Co Ltd | 感熱謄写版原紙 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6027303B2 (ja) * | 1980-08-11 | 1985-06-28 | 花王株式会社 | タンポンのアプリケ−タ− |
JPS58153697A (ja) * | 1982-03-10 | 1983-09-12 | Tomoegawa Paper Co Ltd | 感熱孔版原紙 |
JPS59218893A (ja) * | 1983-05-26 | 1984-12-10 | Tomoegawa Paper Co Ltd | 感熱孔版原紙 |
JPS61143195A (ja) * | 1984-12-17 | 1986-06-30 | Dainippon Printing Co Ltd | 感熱転写用シ−ト |
JPS61295098A (ja) * | 1985-06-24 | 1986-12-25 | Riso Kagaku Corp | 感熱孔版原紙 |
JPS62170392A (ja) * | 1986-01-24 | 1987-07-27 | Riso Kagaku Corp | 感熱性孔版原紙 |
JPS62238792A (ja) * | 1986-04-09 | 1987-10-19 | Asia Genshi Kk | 感熱性孔版原紙 |
JPS6444787A (en) * | 1987-08-12 | 1989-02-17 | Toray Industries | Paper for stencil printing |
-
1988
- 1988-03-22 JP JP63065888A patent/JPH0641235B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01238992A (ja) | 1989-09-25 |
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