JPH0640958U - 画像形成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電器のグリッド板の平面精度を出し、感光
体の帯電電位を均一化して高画質の記録画像を得ること
ができる画像形成装置を提供する。 【構成】 シールド板１０の開口部端面の少なくとも両
端に突起部１０ａを突設し、グリッド板１１を弾性的に
撓ませながらこの突起部１０ａに押し付けてシールド板
１０に組み付けるようにした。 【効果】 グリッド板１１の平面精度はシールド板１０
の開口部端面の寸法精度で決定されるので、この寸法精
度を出しておけばグリッド板１１の平面性を確保でき、
またグリッド板１１をシールド板１０に簡単に組み付け
ることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、感光体上に形成された静電潜像をトナー粒子にて顕像化し、転写材 に転写して定着させる画像形成装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、電子写真技術による画像形成装置は乾式トナーを使用する機器が主 流を占め、複写機、レーザビームプリンター（ＬＢＰ）等として実用化されてい る。

【０００３】 画像形成の過程で感光体を帯電させる帯電器は一般的にコロナ放電を利用し、 帯状や網目状のグリッド孔を形成しているグリッド板が感光体の電位を制御する ために使用されている。以下図面を参照して、従来の画像形成装置について説明 する。

【０００４】 図５は従来の画像形成装置の構成図、図６は従来の画像形成装置の帯電器の斜 視図である。図５、図６において、１は継目のない閉ループ状樹脂等のベルト基 材の外周面上に、セレン（Ｓｅ）あるいは有機光導電体（ＯＰＣ）等の感光層が 薄膜状に塗布された感光体である。感光体１は３本の感光体搬送ローラ２ａ，２ ｂ，２ｃに支持され、駆動モータ（図示せず）によって感光体搬送ローラ２ａ， ２ｂ，２ｃに沿って矢印Ａ方向に周回動する。ベルト状の感光体１の周囲には矢 印Ａで示す感光体回転方向の順に帯電器３、露光光学系４、ブラック（Ｋ），イ エロー（Ｙ），マゼンタ（Ｍ），シアン（Ｃ）の各色の現像器５Ｋ，５Ｙ，５Ｍ ，５Ｃ、中間転写体ユニット６、感光体クリーニング装置７、及び除電器８が設 けられている。帯電器３はタングステンワイヤ等からなる帯電線９と、この帯電 線９を包囲するように断面コの字状に形成された金属板からなるシールド板１０ 、及びシールド板１０の開口部内面を感光体１に細隙を介して配置されたグリッ ド板１１によって構成されている。帯電線９へ−４ｋｖ〜−５ｋｖ程度の高電圧 を印加することによって帯電線９がコロナ放電を起こしグリッド板１１を介して 感光体１を一様に帯電する。１２は露光光学系４から照射される露光光線である 。露光光線１２は階調変換装置（図示せず）からの画像信号をレーザ駆動回路（ 図示せず）により光強度変調やパルス幅変調して得られ、感光体１上に特定色に 対応する静電潜像を形成する。

【０００５】 各現像器５Ｋ，５Ｙ，５Ｍ，５Ｃにはそれぞれの色に対応したトナーを収納し ており、トナーを帯電させるための現像スリーブ１３Ｋ，１３Ｙ，１３Ｍ，１３ Ｃが設けられている。各色の現像は、各色の回動自在に両端を機体本体に軸支さ れた離接カム１４Ｋ，１４Ｙ，１４Ｍ，１４Ｃを色選択信号に対応して回転させ 、選択された例えば現像器５Ｋを感光体１に当接させて行う。選択外の現像器５ Ｙ，５Ｍ，５Ｃは感光体１から離間している。中間転写体ユニット６は導電性の 樹脂等からなる継ぎ目のないループベルト状の中間転写体１５と、中間転写体１ ５を支持している２本の中間転写体搬送ローラ１６ａ，１６ｂと、中間転写体１ ５へ感光体１上のトナー像を転写するため中間転写体１５を間に挟んで感光体１ に対向して配置される中間転写ローラ１７で構成されている。

【０００６】 １８は中間転写体１５の基準位置を検出する中間転写体基準検知センサーであ り、中間転写体１５の一端部に配置されたスリット等の中間転写体基準マークで 基準位置を検知する。１９は中間転写体１５上の残留トナーを掻き取るための中 間転写体クリーニング装置であり、中間転写体１５上に各色の合成像を形成して いる間は中間転写体１５から離間しており、クリーニングに供する時のみ当接す る。２０は記録紙２１を収納している記録紙カセットである。記録紙２１は記録 紙カセット２０から半月形をした給紙ローラ２２によって１枚ずつ用紙搬送路２ ３へ送り出される。２４は記録紙２１と中間転写体１５上の合成像の位置を一致 させるため、一時的に記録紙２１を停止待機させるためのレジストローラであり 、従動ローラ２５と圧接している。２６は中間転写体１５上の合成像を記録紙２ １に転写するための用紙転写ローラであり、転写時のみ中間転写体１５と接触回 動している。

【０００７】 ２７は内部に熱源を有するヒートローラ２８と加圧ローラ２９とからなる定着 器であり、記録紙２１上に転写された合成像をヒートローラ２８と加圧ローラ２ ９の挾持回転に伴い圧力と熱によって記録紙２１に定着させカラー画像を形成す る。以上のように構成された画像形成装置について、以下その動作について説明 する。

【０００８】 感光体１と中間転写体１５は、それぞれ駆動源（図示せず）により駆動され、 互いの周速が同一の一定速度になるように制御される。さらに中間転写体１５は 基準位置を決定するための中間転写体基準マークを検知する中間転写体基準検知 センサー１８により予め画像形成領域を設定してある。

【０００９】 この状態でまず高圧電源に接続された帯電器３内の帯電線９に−４ｋｖ〜−５ ｋｖ程度の高電圧を印加しコロナ放電を行わせ、感光体１の表面を一様に−７０ ０ｖ程度に帯電させる。次に感光体１を矢印Ａ方向に回転させ一様に帯電された 感光体１の表面上に複数のカラー成分の中の所定の例えばブラック（Ｋ）に相当 するレーザビームの露光光線１２を照射すると、感光体１上の照射された部分は 電荷が消えた静電潜像が形成される。この時の潜像形成開始のタイミングは中間 転写体１５の基準位置を検出する中間転写体基準検知センサー１８からの信号に より決定される。一方、現像器５Ｋは、中間転写体基準検知センサー１８で基準 位置を検出して、所定時間経過後に離接カム１４Ｋの回転により矢印Ｂ方向に押 され感光体１に当接する。一方当接直前にトナーを表面に有する現像スリーブ１ ３Ｋに−３００ｖ程度の負電位を印加する。トナーに予め負電位を与えておけば 、感光体１上の露光光線１２が照射され電荷がなくなった部分にのみトナーが付 着し、いわゆるネガポジプロセスによる現像が行われる。現像が終了した現像器 ５Ｋは離接カム１４Ｋの１８０度回転により、感光体１との当接位置から離間位 置へ移動する。現像器５Ｋにより感光体１上に形成されたトナー像は中間転写体 １５に各色毎に感光体１と接触配置された中間転写ローラ１７に＋８００ｖの高 電圧を印加することにより転写される。感光体１から中間転写体１５へ転写され なかった残留トナーは感光体クリーニング装置７により除去され、さらに除電器 ８により感光体１上の電荷は除去される。

【００１０】 次にシアン（Ｃ）の色が選択されると、離接カム１４Ｃが回転し今度は現像器 ５Ｃを感光体１の方向へ押し感光体１へ当接させシアン（Ｃ）の現像を開始する 。４色を使用する複写機あるいはプリンタの場合は上記現像の動作を４回順次繰 り返し行い中間転写体１５上に４色のブラック（Ｋ）、シアン（Ｃ）、マゼンタ （Ｍ）、イエロー（Ｙ）のトナー像を重ね合成像を形成する。この時、記録紙２ １は記録紙カセット２０から用紙搬送路２３に沿って送られ、合成像を転写する タイミングをとるレジストローラ２４で停止している。

【００１１】 中間転写体１５上に形成された合成像は、今まで離間していた用紙転写ローラ ２６が中間転写体１５に接触し、用紙転写ローラ２６に＋１０００ｖ程度の高電 圧を印加すると共に、圧力によってレジストローラ２４から搬送される記録紙２ １に一括転写される。用紙転写ローラ２６により記録紙２１上に完全に転写され なかった中間転写体１５上の残留トナーは中間転写体クリーニング装置１９によ り除去される。続いてトナー像の転写された記録紙２１は定着器２７に送られ、 ここでヒートローラ２８の熱と加圧ローラ２９の挾持圧によって定着されカラー 画像として出力される。中間転写体クリーニング装置１９は１回の合成像が得ら れるまで、中間転写体１５とは離れており、用紙転写ローラ２６により合成像が 記録紙２１に転写された後接触状態になり、残留トナーが除去される。以上の動 作にて１枚の画像の記録を完了し、高画質のカラー記録画像が得られる。ここで 、図６を用いて帯電器３について説明する。

【００１２】 図６において、グリッド板１１は、一方の端をグリッド板１１の端に開けられ た穴を絶縁性部材３０の突起部に入れ、他方の端を押さえ板３１で押さえ、バネ ３２で引く構成で支持している。このグリッド板１１にはグリッド孔が開けられ ており、感光体１の表面と細隙を介して配置される。

【００１３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記従来の構成では、グリッド板１１を支持する絶縁性部材３０ の位置精度及びグリッド板１１の撓みの影響によって、帯電線９に平行な平面を グリッド板１１が保持できないという問題点を有していた。また、グリッド板１ １とシールド板１０の端面との間に間隙が生じ、帯電線９に高電圧を印加した際 にグリッド板１１が振動するため、感光体１の帯電電位が均一化できず画像が劣 化し、更には一方のグリッド板１１の端を固定し、他方の端をバネ３２で引く構 成のため、組立ての自由度が低く組立性が悪いという問題点を有していた。

【００１４】 本考案は、上記従来の問題点を解決し、高品質な画像を得ることができる画像 形成装置を提供することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記問題点を解決するため、グリッド板の両端をシールド板の開口部 端面に弾性的に押接する押圧手段を備えた。

【００１６】

【作用】

本考案は上記構成により、グリッド板がシールド板に弾性的に撓みながら押接 されるので、グリッド板はシールド板により帯電線に平行な平面を確保すること ができる。

【００１７】

【実施例】

次に、図面を参照しながら本考案の一実施例を説明する。

【００１８】 図１は本考案の一実施例における画像形成装置の構成図、図２は本考案の一実 施例における画像形成装置の帯電器の斜視図、図３は本考案の一実施例における 画像形成装置の帯電器の分解斜視図、図４は本考案の一実施例における画像形成 装置のグリッド板の支持構造を示す側面図である。ここで、従来の画像形成装置 と同じ構成部材については同じ符号を付与して詳細な説明を省略する。

【００１９】 図２及び図３において、シールド板１０は帯電線９を包囲するように断面コの 字形に形成されており、その開口部にグリッド板１１が配置される。シールド板 １０の端に組み込まれてグリッド板１１を支持する絶縁性部材３０は、シールド 板１０の開口部端面に比べて高くなっており、グリッド板１１の一方の端は、押 さえ板５０でシールド板１０へ押さえられており、グリッド板１１の他方の端は 、押さえ板３１でバネ３２の力によりシールド板１０へ押さえられるようになっ ている。シールド板１０の開口部端面には両端及び中央に突起部１０ａ，１０ｂ が突設されており、これらの突起部１０ａ，１０ｂで、グリッド板１１の中央部 を局所的に支持するようにしている。従来例の画像形成装置と同じ動作について は詳細な説明を省略する。ここで、図４を参照しながらグリッド板１１の支持構 造を説明する。

【００２０】 図示するように絶縁性部材３０はシールド板１０の開口部端面に対して高くな っているため、グリッド板１１は押さえ板３１および押さえ板５０で押さえられ た状態でシールド板１０の開口部端面の突起部１０ａ，１０ｂに弾性的に撓ませ ながら押接されて密着している。このようにすることにより、グリッド板１１の 平面度はシールド板１０の開口部端面形状の寸法精度に依存することとなり、シ ールド板１０の開口部端面の寸法精度さえ出しておけば、帯電線９に平行な平面 を精度良く容易に確保でき、しかもグリッド板１１をシールド板１０に簡単に組 み付けることができる。

【００２１】

【考案の効果】

以上のように本考案は、グリッド板の両端をシールド板の開口部端面に弾性的 に押接する押圧手段を備えたことにより、グリッド板がシールド板に弾性的に撓 みながら押接されるので、グリッド板はシールド板により帯電線に平行な平面を 確保することができるとともに、帯電線に高電圧を印加する時に発生するグリッ ド板の振動を抑制できるので、帯電電位が均一化して画像劣化を防止することが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例における画像形成装置の構成
図

【図２】本考案の一実施例における画像形成装置の帯電
器の斜視図

【図３】本考案の一実施例における画像形成装置の帯電
器の分解斜視図

【図４】本考案の一実施例における画像形成装置のグリ
ッド板の支持構造を示す側面図

【図５】従来の画像形成装置の構成図

【図６】従来の画像形成装置の帯電器の斜視図

【符号の説明】

１ 感光体 ３ 帯電器 ９ 帯電線 １０ シールド板 １０ａ 突起部 １０ｂ 突起部 １１ グリッド板 ３０ 絶縁性部材 ３１ 押さえ板 ５０ 押さえ板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】感光層が塗布された感光体と、前記感光体
   を一様に帯電する帯電手段とを備え、前記帯電手段を帯
   電線と、前記帯電線を包囲するように形成すると共に開
   口部を前記感光体に対向して配設したシールド板と、グ
   リッド孔が開けられ前記感光体の表面と細隙を介して配
   置した弾性を有するグリッド板と、前記グリッド板の両
   端を前記シールド板へ弾性的に押接する押圧手段とで構
   成したことを特徴とする画像形成装置。
2. 【請求項２】前記シールド板の開口部端面に突起部を形
   成したことを特徴とする請求項１記載の画像形成装置。