JPH0640900A - 癌用アミノ酸輸液剤 - Google Patents
癌用アミノ酸輸液剤Info
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Abstract
められる低栄養状態の改善効果に優れ、かつ副作用の少
ない癌用アミノ酸輸液剤を提供することにある。 【構成】癌用アミノ酸輸液剤において、L−アルギニン
とL−オルニチンを含有し、それぞれの含有量が全遊離
アミノ酸の10重量%以上であることを特徴とする。
Description
関する。さらに詳しくは、投与するアミノ酸の組成を変
化させることによって、癌患者の腫瘍の発育、増殖を抑
制すると共に栄養状態を改善する癌用アミノ酸輸液剤に
関する。
定のアミノ酸を欠乏させたり、過剰に投与することによ
って、アミノ酸インバランスの状態を惹起させ、癌細胞
の核酸合成とそれに伴う蛋白合成を抑制し、腫瘍の発
育、増殖を抑制しようとする試みは、近年盛んに行われ
ている。このアミノ酸インバランス療法において、効果
ありとする具体的処方についても種々提案されている。
例えば、特開平1−301619公報には、L−アルギ
ニンと分岐鎖アミノ酸(L−ロイシン、L−イソロイシ
ン及びL−バリン)の含有量を相対的に多くし、L−ア
スパラギン酸とL−グルタミン酸の含有量を相対的に少
なくし、さらに必須アミノ酸をL−アルギニン以外の非
必須アミノ酸に対して相対的に多くした癌用アミノ酸製
剤が、特開平2−306914公報には、L−アルギニ
ンの配合量を相対的に多くし、L−メチオニンの配合量
を相対的に少なくし、さらにL−グルタミン酸、アスパ
ラギン酸を含む非必須アミノ酸を無配合にした癌用アミ
ノ酸製剤がそれぞれ開示されている。これらの癌用アミ
ノ酸製剤は、いずれも栄養状態改善効果を有しているも
のの、腫瘍発育抑制効果については尚充分とは言えず、
未だ著効を示す癌用アミノ酸輸液剤は開発されていな
い。
制効果と、癌患者で認められる低栄養状態の改善効果に
優れ、かつ副作用の少ない癌用アミノ酸輸液剤を提供す
ることにある。
多くしたL−アルギニン・インバランス輸液剤におい
て、従来、核酸合成の前駆体であるとして配合されるこ
とのなかったL−オルニチンの添加効果を種々検討し
た。その結果、L−アルギニンとL−オルニチンを併用
すると、癌患者のアミノ酸バランスを改善し栄養状態改
善効果があること、及び尿素サイクル代謝回転の亢進に
よる核酸合成の抑制に基づく腫瘍発育抑制効果も期待で
きること、とりわけL−オルニチンの適度な添加は腫瘍
発育を抑制しうるとの知見を得、本発明を完成した。
いて、L−アルギニンとL−オルニチンを含有し、それ
ぞれの含有量が全遊離アミノ酸の10重量%以上である
ことを特徴とする癌用アミノ酸輸液剤である。また本発
明の癌用アミノ酸輸液には、上記アミノ酸以外の必須ア
ミノ酸、非必須アミノ酸、ビタミン剤、糖、微量元素及
び脂質を適宜配合することができる。本発明の癌用アミ
ノ酸輸液剤の好ましい組成上の特徴は、(1)L−アル
ギニンとL−オルニチンがそれぞれ全遊離アミノ酸の1
0〜30重量%の範囲にあること、(2)非必須アミノ
酸に対する必須アミノ酸の重量比(E/N)が0.1〜
0.6の範囲にあることである。
酸組成の範囲を示せば、次の通りである。
あって、術前に低栄養状態にあるため手術に耐えられな
い患者とか、手術、その他の原因で経口的に栄養源を摂
取することが出来ないかまたは困難な患者あるいは栄養
源の摂取が不足がちな患者に適用して、蛋白源の補給に
よる低蛋白・低アルブミン血症及びN-バランスの改善
が可能であり、かくして優れた栄養補給を行い得る。よ
り詳しくは、本発明の癌用アミノ酸輸液剤は、特に癌患
者の術前・術後および通常の担癌状態にある患者等に投
与することにより、腫瘍の増殖を抑制し、担癌生体の蛋
白異化を抑制し、糖新生の異常亢進を抑制し、低下した
免疫能をたかめて、癌悪液質状態を改善できる。更に、
本発明の癌用アミノ酸輸液剤は、製剤学的にも安定であ
る。
らず薬理学的に許容される塩、例えばナトリウム塩など
の金属塩、塩酸塩などの鉱酸塩もしくは酢酸塩などの有
機酸塩の形で使用することが出来る。また、上記アミノ
酸はその一部または全部をN-アシル誘導体、例えばN-
アセチル-L-トリプトファン、N-アセチル-L-システ
イン等の形態で用いてもよく、これらは、得られるアミ
ノ酸輸液剤に還元糖を配合する場合等に見られるメイラ
ード反応による褐変現象を有利に抑制できる。さらに、
上記アミノ酸は2種のアミノ酸の塩例えば、L−アルギ
ニンL−グルタミン酸塩、L−リジンL−アスパラギン
酸塩などあるいは同種または異種のアミノ酸をペプチド
結合させたジペプチドの形態としても利用することがで
き、またL−システインは、その一部または全部をL−
シスチンに代替使用することができる。
態のアミノ酸またはその誘導体を遊離アミノ酸として配
合することにより調製される。その調製法は通常のアミ
ノ酸輸液剤のそれらと実質的に異ならず、例えば代表的
には注射用蒸留水等に上記アミノ酸またはその誘導体を
混合溶解し、必要に応じて安定化剤(例えば、亜硫酸水
素ナトリウム等)pH調節剤(例えば、塩酸、酢酸、乳
酸、リンゴ酸、クエン酸または水酸化ナトリウムなど)
及びその他の添加剤を加え、得られる水溶液を加熱滅菌
または無菌ろ過等により無菌化する方法によればよい。
上記で調製される本発明のアミノ酸輸液剤のpHは4.
0〜7.0で好ましくは5.5〜7.0であり、アミノ
酸濃度としては、4〜15重量%、好ましくは7〜12
重量%である。
製にあたっては投与するアミノ酸の利用率を高め、これ
らのアミノ酸の生体内での蛋白への合成を助け、エネル
ギー源として消費を抑制するために例えば、グルコー
ス、フルクトース、キシリトール、ソルビトール、マル
トース等の糖質を添加配合することもでき、これらの糖
質以外にも通常この種のアミノ酸輸液剤に添加配合でき
るることが知られている各種成分例えば、脂質、ビタミ
ン剤、電解質、微量元素等を任意に添加配合することが
出来る。
内または中心静脈内などの経静脈内投与によって投与さ
れる。本発明の癌用アミノ酸輸液剤の投与量は、通常の
アミノ酸輸液剤のそれと同様にすればよく、一般には1
日成人1人当り200〜1000mlを目安として、こ
れを投与される患者の病態、栄養状態、年齢、体重等に
応じて適宜に増減させることが出来る 以下実施例により本発明を詳述する。
射用蒸留水に溶かし、pHを酢酸で中性付近に調整後、
除菌ろ過する。ついで、この溶液をバイアルビンまたは
合成樹脂製バッグに充填し、空間部を窒素置換後密栓し
て常法により加熱滅菌して目的のアミノ酸輸液剤を製造
する。
リュウ系ラット(1群6匹)に、吉田肉腫の細胞106
個/匹背部皮下移植し、移植後4日目から中心静脈内に
留置したシリコンカテーテルより、表4に示した実施例
1のアミノ酸輸液剤を含む高カロリー輸液を無拘束下に
8日間持続投与した。更に表5に示した比較例の既存の
アミノ酸輸液剤(商品名 モリプロン 森下ルセル株式会
社製)についても同様に投与した。投与終了後、体重を
測定し、直ちに、腹部大動脈よりエーテル麻酔下でヘパ
リン全採血してて血液生化学検査(総蛋白量、アルブミ
ン量、トランスフェリン量、ヘマトクリット、ヘモグロ
ビン量、赤血球数、トリグリセライド量、GOT及びG
PT)を行った。同時に、腫瘍組織、肝臓及び胸腺を摘
出してそれぞれの重量を測定した。
与した群と比較液を投与した群の総蛋白量、アルブミン
量及びトウランスフェリン量に、有意差はなく、また、
体重変化は、実施例1のアミノ酸輸液剤を投与した群で
−3.55±3.53g(平均値±標準偏差,n=
6)、比較液のアミノ酸輸液剤を投与した群で−3.5
0±4.13g(平均値±標準偏差,n=6)と有意差
を認めなかった。すなわち、実施例1のアミノ酸輸液剤
は市販の総合アミノ酸輸液剤である比較液と同じ栄養補
給効果を有する。
た群の腫瘍重量は、比較液のアミノ酸輸液剤を投与した
群に比べて、危険率5%以下で有意に減少しており、実
施例1のアミノ酸輸液剤は、腫瘍増殖抑制効果を有す
る。
低下が認められる。表6に示すように、実施例1のアミ
ノ酸輸液剤を投与した群の胸腺重量の減少は、比較液の
アミノ酸輸液剤を投与した群に比べて少なく、実施例1
のアミノ酸輸液剤は、胸腺萎縮に伴う免疫能低下を抑制
する。
た群でのヘマトクリット、ヘモグロビン量及び赤血球数
は、比較液のアミノ酸輸液剤を投与した群に比べて高
く、ほぼ正常値に近い値を示した。すなわち、実施例1
のアミノ酸輸液剤は、担癌状態での貧血症状を改善でき
る効果を有している。
た群は、比較液のアミノ酸輸液剤を投与した群と同様
に、肝機能の指標となる血液生化学検査の結果に顕著な
異常は認めらられず、多くのアミノ酸インバランス製剤
に見られる肝障害を伴う副作用は認められなかった。
効果と、癌患者で認められる低栄養状態の改善効果に優
れ、かつ副作用の少ない癌用アミノ酸輸液剤を提供する
ものである。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 癌用アミノ酸輸液剤において、L−アル
ギニンとL−オルニチンを含有し、それぞれの含有量が
全遊離アミノ酸の10重量%以上であることを特徴とす
る癌用アミノ酸輸液剤。 - 【請求項2】 下記アミノ酸を下記の組成範囲内で含有
することを特徴とする請求項1記載の癌用アミノ酸輸液
剤。 【表1】
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JPH0640900A true JPH0640900A (ja) | 1994-02-15 |
JP3429327B2 JP3429327B2 (ja) | 2003-07-22 |
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JP21561692A Expired - Fee Related JP3429327B2 (ja) | 1992-07-20 | 1992-07-20 | 癌用アミノ酸輸液剤 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0925726A1 (en) * | 1997-12-24 | 1999-06-30 | Michael A. Pellico | Nutritional product with high fat, low carbohydrate and amino acid imbalance |
KR100925516B1 (ko) * | 2002-10-31 | 2009-11-05 | 박래옥 | 아연 및 l-아르기닌을 함유한 항암용 조성물 |
JP2020536096A (ja) * | 2017-10-02 | 2020-12-10 | ユニバーシティ オブ フロリダ リサーチ ファンデーション インコーポレーティッド | 腫瘍成長を阻害するための材料および方法 |
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---|---|---|---|---|
WO2008123298A1 (ja) | 2007-03-26 | 2008-10-16 | Hirofumi Matsui | 癌患者用輸液製剤 |
-
1992
- 1992-07-20 JP JP21561692A patent/JP3429327B2/ja not_active Expired - Fee Related
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