JPH0579049B2 - - Google Patents

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JPH0579049B2
JPH0579049B2 JP13218988A JP13218988A JPH0579049B2 JP H0579049 B2 JPH0579049 B2 JP H0579049B2 JP 13218988 A JP13218988 A JP 13218988A JP 13218988 A JP13218988 A JP 13218988A JP H0579049 B2 JPH0579049 B2 JP H0579049B2
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amino acid
cancer
acid
amino acids
arginine
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JP13218988A
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Kyoshi Mukai
Tasuku Sugimoto
Juzo Kawashima
Tokuo Kuwahata
Heizo Shingu
Yutaka Hibino
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は癌用アミノ酸製剤、詳しくは癌患者に
適用して、栄養補給による体力の維持、体重増加
等を計り得るのみならず、癌細胞による優先的血
漿蛋白摂取を阻害して腫瘍の発育を抑制可能な癌
治療効果を奏するアミノ酸製剤に関する。 従来技術とその課題 従来より、例えば術後患者等の経口的に栄養を
摂取できない患者等に対し非経口的に栄養を補給
して体力維持、改善等を行なう栄養補給液として
は種々の組成のアミノ酸輸液が知られており、広
く用いられている。之等公知のアミノ酸輸液の組
成は、総じて経口栄養学的知見に基づいて決定さ
れており、画一的に例えば人乳、鶏卵、人血清ア
ルブミン等の人体に必要な栄養源であるアミノ酸
組成を模している。しかるに之等公知のアミノ酸
輸液はこれを癌患者に適用する時には、それ本来
の栄養補給による体力の維持作用が発現される反
面、上記栄養源は同時に体内の癌細胞にも亦栄養
を補給するかたちとなり、殊に癌細胞は血漿蛋白
をその有力な窒素源として優先源に摂取する所か
ら、むしろ癌細胞の増殖を助長し、全く症状の改
善や体重の増加は期待できない。また進行性癌患
者の多くは悪液質に陥つて栄養状態が著しく低下
しており、これに伴つて免疫力も低下している。
そこで癌患者の免疫能の回復をはかるため、現在
種々の化学療法剤を用いた治療法が行なわれてい
るが、近年、癌の増殖を栄養面からコントロール
しようという試みがなされ、アミノ酸製剤の投与
によつて特殊な栄養状態を作り、これにより癌細
胞の代謝のバランスを乱し、癌細胞の蛋白合成を
抑制し、腫瘍の発育を阻止しようとする研究が行
なわれている。 即ち、ある特定のアミノ酸の欠乏状態或いは過
剰状態を人為的につくることにより、生体、特に
癌細胞の代謝のバランスを乱し、癌細胞の蛋白合
成を抑制しようとする、所謂「アミノ酸インバラ
ンス」の考えがそれである。アミノ酸欠乏インバ
ランスに関する従来の研究としては生体内のアミ
ノ酸代謝を考慮して必須アミノ酸に関するものが
中心であり、特にメチオニン、スエニルアラニ
ン、バリン、イソロイシン等を任意に欠乏させた
アミノ酸輸液が提案されている〔特公昭61−
54007号公報、特開昭62−135420号公報、特開昭
62−135421号公報、最新医学、28(5),934
(1973)等参照〕。アミノ酸増量インバランス療法
には、特定のアミノ酸を与えて積極的に腫瘍の増
殖を抑制する方法と、担癌状態での代謝バランス
の変調を必要なアミノ酸を多く与えることによつ
て是正する方法がある。前者の方法としてアルギ
ニンを過剰に添加した高アルギニン含有輸液の研
究があり、後者の方法として高分枝鎖アミノ酸含
有輸液の研究がある〔新薬と臨床,26(10),
1877(1977)、防衛医大誌,(1),(1982)、J.
Parent.Enter,Nutr.,(4),428(1985)、外
科と代謝・栄養、16:499(1982)、外科と代謝・
栄養19:126(1985)等参照〕。 しかしながら、報告されたいずれのアミノ酸製
剤も尚充分な腫瘍増殖抑制効果及び栄養状態改善
効果を奏し得るわけではなく、期待される延命効
果も認め難い。即ち公知のアミノ酸インバランス
を利用する療法は、腫瘍細胞のアミノ酸代謝のみ
を選択的に阻害し、正常細胞乃至正常組織の代謝
に全く障害を及ぼさない理想的なものとは言い難
く、腫瘍増殖抑制効果が認められるといえども積
極的な栄養状態の改善、それに伴う免疫能回復等
は期待できない。 インバランス療法は癌の増殖を抑制させるもの
の、生理的に不適切な組成のアミノ酸を投与する
ことから正常組織での窒素利用率の低下は避けら
れず、著しく代謝失調を惹起して栄養障害を進行
させる。バリン欠乏インバランスに関する動物実
験では体重減少、低蛋白、低アルブミン血症、脂
肪肝などの副作用が報告されている〔日本静脈・
経腸栄養研究誌2:216(1987)〕。 アルギニンの投与による成長ホルモン,プロラ
クチン,インスリン,グルカゴンの分泌作用が知
られており、それが創傷治癒、免疫能賦活作用に
関与していると考えられている〔JPEN,10,
227,(1986)」。しかしアルギニンの単独静脈内投
与による急激なホルモンレベルの増加に対しては
十分な注意が必要と考えられており公知のアルギ
ニン過剰のアミノ酸製剤にあつては、その臨床面
への応用に多くの考慮されるべき問題が残されて
いる。 以上のようにアミノ酸インバランスを癌治療に
利用しようとする試みは古くから種々研究されて
いるが、未だ理想的組成の癌用アミノ酸製剤は開
発されていない。勿論腫瘍組織と正常組織との蛋
白代謝上の決定的な差異すら未だ明らかではな
く、腫瘍細胞の代謝に破綻をきたすべきアミノ酸
組成もまた発見されるに至つておらず、かかる組
成と目的とする腫瘍増殖抑制効果との関連性も尚
解明されていない現状にある。 課題を解決するための手段 本発明者らは兼ねてより癌治療と栄養補給との
両者を兼ねたアミノ酸製剤につき鋭意研究を進め
てきたが、その過程において、上記アミノ酸製剤
にアルギニンの癌に対する作用および栄養薬理学
的作用(窒素節約作用,筋蛋白分解抑制作用,内
分泌作用,免疫能賦活作用)を導入する着想か
ら、癌治療と同時に癌患者の栄養状態、免疫能等
の改善、延命効果等を計ることを目的として、更
に腫瘍の病理組織学的研究、アミノ酸組成の量的
及び質的変動と腫瘍増殖抑制効果との関連性、上
記アミノ酸組成の変動による血中遊離アミノ酸パ
ターンの変化、癌患者の臨床学的及び栄養学的知
見等を総合して詳細に検討を行なつた。 本発明は上記総合的検討結果を基礎として完成
されたものであり、その要旨は、少なくとも下記
のアミノ酸を含有し、それらの遊離アミノ酸換算
組成が以下のものであることを特徴とする癌用ア
ミノ酸製剤にある。 ア ミ ノ 酸 組成範囲(重量%) L−ロイシン 8.0〜16.0 L−イソロイシン 4.0〜9.0 L−バリン 4.0〜9.0 L−リジン 6.0〜13.0 L−トレオニン 3.0〜6.0 L−トリプトフアン 1.0〜2.0 L−メチオニン 2.0〜5.0 L−システイン 0.5〜2.0 L−フエニルアラニン 3.0〜7.0 L−チロジン 0.2〜1.0 L−ヒスチジン 2.0〜5.0 L−アルギニン 30.0〜60.0 L−アラニン 0.5〜2.0 アミノ酢酸 0.5〜2.0 L−セリン 0.2〜1.0 L−プロリン 0.5〜2.0 L−アスパラギン酸 0.1〜0.5 L−グルタミン酸 0.1〜0.5 本発明のアミノ酸製剤は、上記組成を有する
点、殊に下記(1)〜(4)の点において特徴付けられ
る。 (1) アルギニンの配合量を、総アミノ酸重量の30
〜60重量%としたこと、 (2) 分枝鎖アミノ酸(L−ロイシン、L−イソロ
イシン及びL−バリン)の配合量を多くしたこ
と、 (3) 必須アミノ酸をアルギニン以外の非必須アミ
ノ酸に対して多くしたこと、及び (4) アスパラギン酸とグルタミン酸の配合量を相
対的に少なくしたこと。 本発明のアミノ酸製剤は上記特徴を有すること
に基づいて、その利用によつて、従来のアミノ酸
製剤を用いる療法からは全く予期できない癌細胞
減少効果及びそれによる癌患者に対する顕著に優
れた延命効果、制癌効果を発現し、しかもアミノ
酸製剤本来の栄養補給による体力維持、改善効果
並びに免疫能改善効果は実質的に損われず、また
従来のアミノ酸インバランス製剤に見られる如き
有害作用の誘発等も全く認められないものであ
る。従つて本発明アミノ酸製剤の利用によれば、
癌患者に対してより理想的な栄養補給を施行で
き、癌細胞の増殖抑制と栄養状態の改善並びに免
疫能の回復をはかり得、他の制癌剤使用による副
作用症状の軽減化、或いはより多量の制癌剤投与
や放射線療法が可能となり、かかる併用療法にお
いて一層の効果が期待できる。 本発明アミノ酸製剤の好ましい処方は、下記範
囲のアミノ酸組成(総アミノ酸重量に対する各遊
離アミノ酸の重量%にて表示する、以下同じ)か
ら選択される。 ア ミ ノ 酸 組成範囲(重量%) L−ロイシン 10.0〜14.0 L−イソロイシン 5.0〜8.0 L−バリン 5.0〜8.0 L−リジン 7.0〜12.0 L−トレオニン 3.0〜5.0 L−トリプトフアン 1.2〜1.8 L−メチオニン 3.0〜5.0 L−システイン 0.7〜1.0 L−フエニルアラニン 4.0〜7.0 L−チロジン 0.3〜0.5 L−ヒスチジン 3.0〜5.0 L−アルギニン 30.0〜60.0 L−アラニン 1.1〜1.7 アミノ酢酸 0.8〜1.2 L−セリン 0.4〜0.6 L−プロリン 0.6〜1.0 L−アスパラギン酸 0.1〜0.3 L−グルタミン酸 0.1〜0.3 本発明アミノ酸製剤の特に好ましい処方は、以
下の組成範囲から選択される。 ア ミ ノ 酸 組成範囲(重量%) L−ロイシン 10.5〜12.9 L−イソロイシン 6.0〜7.4 L−バリン 6.0〜7.4 L−リジン 8.6〜10.6 L−トレオニン 3.8〜4.8 L−トリプトフアン 1.3〜1.7 L−メチオニン 3.2〜4.0 L−システイン 0.7〜0.9 L−フエニルアラニン 4.7〜5.9 L−チロジン 0.3〜0.5 L−ヒスチジン 3.4〜4.2 L−アルギニン 40.0〜50.0 L−アラニン 1.2〜1.6 アミノ酢酸 0.9〜1.1 L−セリン 0.4〜0.6 L−プロリン 0.7〜0.9 L−アスパラギン酸 0.1〜0.3 L−グルタミン酸 0.1〜0.3 また、本発明アミノ酸製剤は、分枝鎖アミノ酸
の配合量を全アミノ酸の20重量%以上、好ましく
は20〜30重量%とし、アルギニンを除く非必須ア
ミノ酸に対する必須アミノ酸の割合を重量比で
3.0以上、好ましくは4.0〜7.0の範囲としたもので
あるのがよい。 上記組成の本発明アミノ酸製剤は、これを適用
する癌患者に対し、特にそのN−バランスの改
善、体重増加、血中アミノ酸バランスの改善、総
蛋白量の増大等の栄養補給効果及び免疫能回復効
果において非常に優れている。 以上のように本発明アミノ酸製剤は、得異的に
腫瘍細胞の増殖を遅延させ、これに基づいて、癌
患者の血中アミノ酸値を正常化させて、腫瘍の増
殖抑制と体蛋白の補給を行ない、栄養状態並びに
患者の免疫能を改善させ、ひいては患者の延命を
はかるころができると共に、中毒症状や他の副作
用、有害作用等の誘発のおそれを確実に回避する
ことができる。 本発明のアミノ酸製剤を構成する各アミノ酸は
結晶状アミノ酸であるのが好ましく、これらは通
常遊離アミノ酸の形態で用いられるが特に遊離形
態である必要はなく、薬理学的に許容される塩、
例えばナトリウム塩、カリウム塩等の金属塩、塩
酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、酢酸塩、乳酸塩、リン
ゴ酸等の有機酸塩等の形態で、又は生体内で加水
分解されて遊離アミノ酸に変換されるエステルの
形態で用いることもできる。上記の塩及びエステ
ルの具体例としては、例えばL−リジン塩酸塩、
L−リジン酢酸塩、L−リジンリンゴ酸塩、L−
アルギニン塩酸塩、L−ヒスチジン塩酸塩、水和
物、L−メチオニンメチルエステル、L−メチオ
ニンエチルエステル等を挙げることができる。ま
た、上記アミノ酸はその一部又は全部をN−アシ
ル誘導体、例えばN−アセチル−L−チロジン、
N−アセチル−L−トリプトフアン、N−アセチ
ル−L−プロリン等の形態で用いてもよい。之等
誘導体の形態での利用は、遊離アミノ酸形態での
利用では溶解度が低く、沈澱が生じる危険がある
場合に特に有効であり、また之等誘導体は得られ
るアミノ酸製剤に、必要に応じて還元糖を配合す
る場合に見られるおそれのあるメイラード反応に
よる褐変現象を有利に抑制できる。更に、上記ア
ミノ酸は二種以上のアミノ酸の塩、例えばL−ア
ルギニン−L−グルタミン酸塩、L−リジン−L
−アスパラギン酸塩等或いは同種又は異種のアミ
ノ酸をペプチド結合させたジペプチド等のオリゴ
ペプチドの形態、例えばL−チロシル−L−チロ
シン、L−アラニル−L−チロシン、L−アルギ
ニル−L−チロシン等としても利用することがで
きる。 更にまた、L−システインはその一部又は全部
をL−シスチン及び/又はL−、メチオニンで、
又L−チロシンの一部又は全部をL−フエニルア
ラニンで代替することも可能である。 尚上記遊離アミノ酸以外の形態で各アミノ酸を
用いる場合、之等の使用量は、遊離アミノ酸に換
算した量が、上記特定の範囲に入るように決定さ
れるものとする。 本発明の癌用アミノ酸製剤は、上記各種形態の
アミノ酸又はその誘導体を、遊離アミノ酸として
前述した特定範囲となるように配合した製剤形態
で投与される。該形態は通常のアミノ酸輸液にお
ける如く、末梢静脈或いは中心静脈等の経静脈内
投与に適した注射剤とされるのが好ましいが、経
腸投与に適した液剤又は用時に溶解して使用され
る粉末製剤とすることもできる。上記各製剤の調
製は常法に従い、適当な薬理担体又は希釈剤を用
いて行なわれ、之等担体及び希釈剤としては、製
剤分野で慣用される各種のものをいずれも使用で
きる。特に好ましい液剤形態への調製は、例えば
代表的には注射用蒸留水等に上記アミノ酸又はそ
の誘導体を混合溶解し、必要に応じて、例えば亜
硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜
硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等の安定化
剤、塩酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、コ
ハク酸、フマル酸、水酸化ナトリウム等のPH調節
剤、その他通常のアミノ酸輸液に配合されること
の知られている各種の添加剤等を加え、得られる
水溶液を加熱滅菌又は無菌過等により無菌化す
ることにより実施される。また用時に溶解して利
用される粉末製剤は、同様にして常法に従い、各
種添加剤を加え又は加えることなく、例えば凍結
乾燥等の適当な手段により、容易に調製すること
ができる。 上記で調製される本発明の癌用アミノ酸輸液
は、通常そのPHを3.0〜8.0、好ましくは4.0〜7.5
に調製され用いられる。そのアミノ酸濃度は通常
のアミノ酸輸液と特に異ならず、一般には8.0〜
16.0W/V%程度、好ましくは10.0〜14.0W/V
%程度とするのがよい。 また本発明アミノ酸製剤の使用及び調製に当つ
ては、配合されたアミノ酸の利用率を倍加し、之
等アミノ酸の生体内での蛋白への合成を助け、或
いはエネルギー源としての消費を抑制して、癌患
者に対してより理想的な栄養補給を行ない、癌細
胞の増殖抑制と栄養状態の改善、及び免疫能の回
復をより確実ならしめ、ひいては他の制癌剤使用
による副作用症状の軽減化、或いはより多量の制
癌剤投与や放射線療法等の併用療法を可能にする
ために、本発明製剤に更に、例えばグルコース、
フルクトース、キシリトール、ソルビトール、マ
ルトース等の糖質やグリセリン等の多価アルコー
ル等を添加配合することもでき、之等以外にも通
常のアミノ酸輸液に添加配合できることの知られ
ている各種成分例えば、脂質、ビタミン類、電解
質、微量元素等を任意に添加配合して、所謂高カ
ロリー輸液として使用することもできる。 尚、上記各種成分は予めこれらを本発明癌用ア
ミノ酸製剤に添加配合して、一剤に調製すること
もできる。 上記脂質としては、例えば大豆油、綿実油、ゴ
マ油、卵黄レシチン、大豆レシチン等を、ビタミ
ン類としては、例えばビタミンA、ビタミンB、
ビタミンB2、ビタミンB6、ニコチン酸、パント
テン酸、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、
ビオチン、葉酸等を、電解質としては、例えば塩
化ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化カリウム、
硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化カル
シウム、リン酸二カリウム、リン酸−ナトリウム
等を、微量元素としては例えば鉄、亜鉛、マンガ
ン、銅、ヨウ素、コバルト等をそれぞれ挙げるこ
とができる。 本発明の癌用アミノ酸製剤の投与量は、通常の
アミノ酸輸液のそれと同様にすればよく、一般に
は1日成人一人当り約100〜2000ml、好ましくは
約200〜1000mlを目安として、これを投与される
癌患者の病理状態、栄養状態、年齢、体重等に応
じて適宜に増減させることができる。 本発明のアミノ酸製剤の癌患者への適用の好ま
しい一実施方法としては、該アミノ酸製剤を、通
常癌の化学療法剤として用いられる制癌剤の単剤
もしくは多剤併用療法と組合せる方法を例示する
ことができる。上記制癌剤としては、例えば5−
フルオロウラシル(5−FU、協和醗酵工業株式
会社製)、マイトマイシン(Mitomycin−C、協
和醗酵株式会社製)、フトラフール(FT−207、
大鵬薬品工業株式会社製)、エンドキサン
(Endoxaan、塩野義製薬株式会社製)、トヨマイ
シン(Toyomycin、武田薬品工業株式会社製)
等を利用することができる。この制癌剤との多剤
併用療法の実施に当り、制癌剤は予めこれを本発
明のアミノ酸製剤と混合して一剤として投与する
こともでき、また制癌剤のみをアミノ酸製剤とは
別個に経口、経静脈投与することもできる。制癌
剤の併用量は、之等制癌剤の種類に応じて適宜に
決定され、通常之等制癌剤の用いられる量と略々
同程度とすることができるが、本発明のアミノ酸
製剤自体が優れた腫瘍増殖抑制効果を奏し得るも
のであるため、通常用いられる量よりかなり少量
とすることによつても充分な癌治療効果を奏し
得、また制癌剤を大量投与することもできる。 実施例 以下、本発明を一層明らかにするため、本発明
癌用アミノ酸製剤の製造例を実施例として挙げ、
次いで試験例を挙げる。 実施例 1 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 14.00 L−イソロイシン 8.00 L−バリン 8.00 L−リジン 11.55 L−トレオニン 5.15 L−トリプトフアン 1.80 L−メチオニン 4.30 L−システイン 1.00 L−フエニルアラニン 6.30 L−チロジン 0.50 L−ヒスチジン 4.50 L−アルギニン 50.00 L−アラニン 1.65 アミノ酢酸 1.25 L−セリン 0.60 L−プロリン 1.00 L−アスパラギン酸 0.20 L−グルタミン酸 0.20 総遊離アミノ酸 120.00 上記組成となる量の各アミノ酸結晶を、注射用
蒸留水に添加して攪拌溶解した後、安定化剤とし
て適量の亜硫酸水素ナトリウムを加え、注射用蒸
留水を追加して全量を1とし、更にPH調整剤と
して微量の酢酸を用いてPHを7.0とした。次いで、
得られたアミノ酸水溶液を無菌過し、500mlの
ガラスバイアル瓶に充填し、窒素置換後、容器を
密封し、これをオートクレーブ中、110℃下に40
分間滅菌処理して、本発明の癌用アミノ酸輸液
(総遊離アミノ酸濃度:12.0W/V%)を得た。 実施例 2 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 9.60 L−イソロイシン 10.44 L−バリン 10.80 L−リジン 15.48 L−トレオニン 7.20 L−トリプトフアン 2.16 L−メチオニン 4.32 L−システイン 2.16 L−フエニルアラニン 8.40 L−チロジン 0.60 L−ヒスチジン 5.64 L−アルギニン 36.36 L−アラニン 2.04 アミノ酢酸 2.16 L−セリン 1.08 L−プロリン 0.72 L−アスパラギン酸 0.48 L−グルタミン酸 0.36 総遊離アミノ酸 120.00 実施例1と同様にして上記組成の本発明癌用ア
ミノ酸輸液(総遊離アミノ酸濃度:12.0W/V
%)を得た。 実施例 3 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 10.92 L−イソロイシン 6.60 L−バリン 6.60 L−リジン 7.20 L−トレオニン 3.60 L−トリプトフアン 1.20 L−メチオニン 2.40 L−システイン 0.60 L−フエニルアラニン 3.60 L−チロジン 0.36 L−ヒスチジン 2.40 L−アルギニン 72.00 L−アラニン 0.60 アミノ酢酸 0.60 L−セリン 0.24 L−プロリン 0.84 L−アスパラギン酸 0.12 L−グルタミン酸 0.12 総遊離アミノ酸 120.00 実施例1と同様にして、上記組成の本発明癌用
アミノ酸輸液(総遊離アミノ酸濃度:12.0W/V
%)を得た。 実施例 4 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 15.00 L−イソロイシン 12.10 L−バリン 12.10 L−リジン 16.80 L−トレオニン 8.80 L−トリプトフアン 3.20 L−メチオニン 8.00 L−システイン 3.20 L−フエニルアラニン 10.40 N−アセチル−チロジン 1.97 (L−チロジンとして 1.60) L−ヒスチジン 8.00 L−アルギニン 48.00 L−アラニン 3.20 アミノ酢酸 3.20 L−セリン 1.60 L−プロリン 3.20 L−アスパラギン酸 0.80 L−グルタミン酸 0.80 総遊離アミノ酸 160.00 実施例1と同様にして、上記組成の本発明癌用
アミノ酸輸液(総遊離アミノ酸濃度:16.0W/V
%)を得た。 実施例 5 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 15.00 L−イソロイシン 13.28 L−バリン 13.98 L−リジン 12.60 L−トレオニン 8.96 L−トリプトフアン 2.24 L−メチオニン 4.64 L−システイン 1.28 L−フエニルアラニン 5.30 L−チロジン 0.60 L−ヒスチジン 3.40 L−アルギニン 72.00 L−アラニン 2.88 アミノ酢酸 1.92 L−セリン 0.80 L−プロリン 0.80 L−アスパラギン酸 0.16 L−グルタミン酸 0.16 総遊離アミノ酸 160.00 実施例1と同様にして、上記組成の本発明癌用
アミノ酸輸液(総遊離アミノ酸濃度:16.0W/V
%)を得た。 実施例 6 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 10.85 L−イソロイシン 6.10 L−バリン 6.10 L−リジン 8.80 L−トレオニン 4.10 L−トリプトフアン 1.35 L−メチオニン 3.35 L−システイン 1.35 L−フエニルアラニン 4.70 L−チロジン 0.60 L−ヒスチジン 3.40 L−アルギニン 24.00 L−アラニン 1.35 アミノ酢酸 1.35 L−セリン 0.65 L−プロリン 1.35 L−アスパラギン酸 0.30 L−グルタミン酸 0.30 総遊離アミノ酸 80.00 実施例1と同様にして、上記組成の本発明癌用
アミノ酸輸液(総遊離アミノ酸濃度:8.0W/V
%)を得た。 実施例 7 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 8.80 L−イソロイシン 5.05 L−バリン 5.05 L−リジン 7.20 L−トレオニン 3.20 L−トリプトフアン 1.10 L−メチオニン 2.70 L−システイン 0.65 L−フエニルアラニン 4.00 L−チロジン 0.30 L−ヒスチジン 2.85 L−アルギニン 36.00 L−アラニン 1.05 アミノ酢酸 0.70 L−セリン 0.40 L−プロリン 0.65 L−アスパラギン酸 0.15 L−グルタミン酸 0.15 総遊離アミノ酸 80.00 実施例1と同様にして、上記組成の本発明癌用
アミノ酸輸液(総遊離アミノ酸濃度:8.0W/V
%)を得た。 実施例 8 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 11.65 L−イソロイシン 6.65 L−バリン 6.65 L−リジン 9.65 L−トレオニン 4.30 L−トリプトフアン 1.50 L−メチオニン 3.60 L−システイン 0.85 L−フエニルアラニン 5.25 L−チロジン 0.40 L−ヒスチジン 3.75 L−アルギニン 41.65 L−アラニン 1.40 アミノ酢酸 1.05 L−セリン 0.50 L−プロリン 0.85 L−アスパラギン酸 0.15 L−グルタミン酸 0.15 総遊離アミノ酸 100.00 実施例1と同様にして、上記組成の本発明癌用
アミノ酸輸液(総遊離アミノ酸濃度:10.0W/V
%)を得た。 実施例 9 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 14.30 L−イソロイシン 10.30 L−バリン 10.30 L−リジン 13.50 L−トレオニン 6.05 L−トリプトフアン 2.10 L−メチオニン 5.05 L−システイン 1.20 L−フエニルアラニン 7.40 L−チロジン 0.55 L−ヒスチジン 5.25 L−アルギニン 58.30 L−アラニン 1.95 アミノ酢酸 1.45 L−セリン 0.70 L−プロリン 1.20 L−アスパラギン酸 0.20 L−グルタミン酸 0.20 総遊離アミノ酸 140.00 実施例1と同様にして、上記組成の本発明癌用
アミノ酸輸液(総遊離アミノ酸濃度:14.0W/V
%)を得た。 実施例 10 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 14.00 L−イソロイシン 8.00 L−バリン 8.00 L−リジン・塩酸塩 14.43 (L−リジンとして 11.55) L−トレオニン 5.15 L−トリプトフアン 1.80 L−メチオニン 4.30 L−システイン 1.00 L−フエニルアラニン 6.30 L−チロジン 0.50 L−ヒスチジン 4.50 L−アルギニン 50.00 L−アラニン 1.65 アミノ酢酸 1.25 L−セリン 0.60 L−プロリン 1.00 L−アスパラギン酸 0.20 L−グルタミン酸 0.20 総遊離アミノ酸 120.00 実施例1と同様にして、上記組成の本発明癌用
アミノ酸輸液(総遊離アミノ酸濃度:12.0W/V
%)を得た。 実施例 11 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 14.00 L−イソロイシン 8.00 L−バリン 8.00 L−リジン・リンゴ酸塩 22.14 (L−リジンとして 11.55) L−トレオニン 5.15 L−トリプトフアン 1.80 L−メチオニン 4.30 L−システイン 1.00 L−フエニルアラニン 6.30 L−チロジン 0.50 L−ヒスチジン 4.50 L−アルギニン 50.00 L−アラニン 1.65 アミノ酢酸 1.25 L−セリン 0.60 L−プロリン 1.00 L−アスパラギン酸 0.20 L−グルタミン酸 0.20 総遊離アミノ酸 120.00 実施例1と同様にして、上記組成の本発明癌用
アミノ酸輸液(総遊離アミノ酸濃度:12.0W/V
%)を得た。 実施例 12 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 14.00 L−イソロイシン 8.00 L−バリン 8.00 L−リジン 11.55 L−トレオニン 5.15 N−アセチル−L−トリプトフアン2.17 (L−トリプトフアンとして 1.80) L−メチオニン 4.30 L−システイン 1.00 L−フエニルアラニン 6.30 L−チロジン 0.50 L−ヒスチジン 4.50 L−アルギニン 50.00 L−アラニン 1.65 アミノ酢酸 1.25 L−セリン 0.60 L−プロリン 1.00 L−アスパラギン酸 0.20 L−グルタミン酸 0.20 総遊離アミノ酸 120.00 実施例1と同様にして、上記組成の本発明癌用
アミノ酸輸液(総遊離アミノ酸濃度:12.0W/V
%)を得た。 実施例 13 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 14.00 L−イソロイシン 8.00 L−バリン 8.00 L−リジン 11.55 L−トレオニン 5.15 L−トリプトフアン 1.80 L−メチオニン 4.30 L−システイン 1.00 L−フエニルアラニン 6.30 L−チロジン 0.50 L−ヒスチジン 4.50 L−アルギニン・一塩酸塩 60.47 (L−アルギニンとして 50.00) L−アラニン 1.65 アミノ酢酸 1.25 L−セリン 0.60 L−プロリン 1.00 L−アスパラギン酸 0.20 L−グルタミン酸 0.20 総遊離アミノ酸 120.00 実施例1と同様にして、上記組成の本発明癌用
アミノ酸輸液(総遊離アミノ酸濃度:12.0W/V
%)を得た。 実施例 14 ア ミ ノ 酸 組成(g/) L−ロイシン 14.00 L−イソロイシン 8.00 L−バリン 8.00 L−リジン 11.55 L−トレオニン 5.15 L−トリプトフアン 1.80 L−メチオニン 4.30 L−システイン 1.00 L−フエニルアラニン 6.30 L−チロジン 0.50 L−ヒスチジン塩酸塩−水和物 6.08 (L−ヒスチジンとして 4.50) L−アルギニン 50.00 L−アラニン 1.65 アミノ酢酸 1.25 L−セリン 0.60 L−プロリン 1.00 L−アスパラギン酸 0.20 L−グルタミン酸 0.20 総遊離アミノ酸 120.00 実施例1と同様にして、上記組成の本発明癌用
アミノ酸輸液(総遊離アミノ酸濃度:12.0W/V
%)を得た。 試験例 1 以下、上記各実施例で調製した本発明の癌用ア
ミノ酸輸液につき、これを動物実験に供した結果
を詳述する。 1 毒性(LD50)値 1群5頭のウイスター(Wistar)系ラツト
(6週齢雄性)を用い、本発明癌用アミノ酸輸液
(実施例1)の所定量を経静脈内投与(5ml/
Kg/分)し、その急性毒性値を求めた。 その結果、LD50値は46.5ml/Kgであつた。 実施例2〜15で得た本発明癌用アミノ酸製剤に
おける上記LD50値も、すべて略々上記と同様で
あつた。 2 薬理効果 腫瘍抑制効果、栄養補給効果及び免疫賦活効果実
験 1 実験方法 実験に先立ち、下記第1表に記載の如く、担
癌動物を作成した。
【表】 第1表の通り作成した各移植腫瘍毎の担癌動物
について、それぞれ之等を3群(、及び
群)に分け、腫瘍を接種した2日後から、各群ラ
ツトに、以下の輸液投与を行なつた。 即ち、群には、実施例1で調製した本発明ア
ミノ酸輸液を含む高カロリー輸液(1日の注入量
300ml/Kg、その中に実施例1のアミノ酸輸液100
ml/Kg、50%グルコース液120ml/Kg及び電解質、
ビタミンを含む)を、無拘束下で、7日間、頚静
脈より連続注入した。 群及び群には、それぞれ下記第2表に示す
対照アミノ酸輸液を含む高カロリー輸液(1日の
注入量300ml/Kg、その中に対照アミノ酸輸液を
群と等アミノ酸量、50%グルコース液120ml/
Kg及び群と等量の電解質、ビタミンを含む)
を、同一条件下に、頚静脈より連続注入した。
【表】 尚、※1は実施例1に記載の本発明癌用アミノ
酸輸液を、※2はVuj−N処方に従う市販品「パ
ンアミンS」(大塚製薬工場社製)を、※3はア
ルギニン増加アミノ酸輸液〔J.Parent.Enter.
Nutr.,,428(1985)〕をそれぞれ示す。 2 腫瘍抑制効果実験 各腫瘍移植後8日目に、それぞれの供試動物
を屠殺して、腫瘍を摘出し、その重量を測定し
て、平均値を求めた。 前記第1表に示す担癌動物No.1(吉田肉腫)
を用いて得られた上記結果を第1図に、また前
記第1表に示す担癌動物No.2(佐藤肺癌)を用
いて得られた上記結果を第2図にそれぞれ示
す。各図において縦軸は腫瘍重量(g)を、横
軸は各群(群、群、群)を示す。 第1図及び第2図より明らかな通り、本発明
アミノ酸輸液を用いた高カロリー輸液によれ
ば、吉田肉腫及び佐藤肺癌のいずれの実験腫瘍
に対しても、優れた腫瘍増殖抑制効果の認めら
れることが判る。 3 栄養補給効果実験 上記第1表に示す担癌動物No.1の吉田肉腫を
用いた実験において、各群供試動物の高カロリ
ー輸液期間中における体重変化率(実験前値を
基準とした体重変化量の百分率)、累積窒素出
納及び血清アルブミン量をそれぞれ調べた。 それらの結果を、各群供試動物の平均値にて
第3図、第4図及び第5図にそれぞれ示す。各
図において縦軸は、第3図では上記平均体重変
化率(%)を、第4図では体重当たりの累積窒
素量(g/Kg)を、第5図では血清中のアルブ
ミン量(g/dl)をそれぞれ示し、横軸は各群
を示す。 上記第3図乃至第5図より明らかな通り、本
発明アミノ酸輸液を利用した群(群)では、
対照群(群及び群)よりも良好な体重増
加、窒素出納及び血清アルブミンの維持が認め
られ、従つて本発明アミノ酸輸液は栄養学的効
果においても優れたものであることが判つた。 4 免疫賦活効果実験 第1表に示す担癌動物No.2(佐藤肺癌)を用
いて1)に示した実験を繰返し、各高カロリー
輸液投与群(群〜群)について、日本免疫
学会編免疫実験操作法B、第1417頁(1976年)
に記載の方法に準じて、フイトヘマグルチニン
(PHA,phytohemagglutinin)幼若化率を以
下の通り求めた。 即ち、腫瘍移植後8日目に各群の供試動物を
屠殺して脾臓を摘出し、これから得られる細胞
浮遊液1×106個/0.1mlに、3H−チミジンの
1μCi/50μ及びPHA(デイフコ社製のものの
50倍希釈液)の0.1mlを含有する培養液を加え
て、3日間無菌培養(37℃、5%CO2インキユ
ベーシヨン)し、各群供試動物の脾細胞培養液
を得た。尚、対照として上記同一の細胞浮遊液
にPHAを含まない培養液の同量を加えて同様
にして培養を行なつた。 上記各培養終了後、各培養液中より細胞を回収
し、細胞内に取込まれた3H−チミジンの放射能
を測定し、対照とする上記PHAを含まない培養
液を用いた液における測定値を基準として、これ
に対するPHAを含む培養液を利用した各群供試
動物の脾細胞培養液の測定値比(SI)の平均値を
求めた。 得られた結果を第6図に示す。図において縦軸
は上記測定値比率(SI)を、横軸は各群を示す。 上記第6図より、本発明アミノ酸輸液の利用に
よれば、明らかに優れた免疫賦活効果の認められ
ることが判る。 発明の効果 本発明の癌用アミノ酸製剤は、上記した通りそ
の癌患者への適用によつて、勿論経口投与も可能
ではあるが、殊に経口的に栄養源を摂取すること
ができないか又は困難な癌患者に対して経静脈内
投与或いは経管投与によつて、蛋白源であるアミ
ノ酸を充分に補給し、且つ癌細胞を顕著に増殖抑
制し、また該患者の栄養状態並びに免疫能を迅速
に改善できる一方、公知のこの種アミノ酸インバ
ランスを利用した製剤等でしばしば認められた中
毒症状或いは脂肪肝等の有害作用を誘発するおそ
れも全くなく、非常に有効なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、薬理効果試験の2)腫瘍
抑制効果実験に従う実験結果を示すグラフであ
る。第3図、第4図及び第5図は、薬理効果試験
の3)栄養学的効果実験に従う実験結果を示すグ
ラフである。第6図は、薬理効果試験の4)免疫
賦活効果実験に従う実験結果を示すグラフであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくとも下記のアミノ酸を含有し、遊離ア
    ミノ酸換算組成が以下のものであることを特徴と
    する癌用アミノ酸製剤。 ア ミ ノ 酸 組成範囲(重量%) L−ロイシン 8.0〜16.0 L−イソロイシン 4.0〜9.0 L−バリン 4.0〜9.0 L−リジン 6.0〜13.0 L−トレオニン 3.0〜6.0 L−トリプトフアン 1.0〜2.0 L−メチオニン 2.0〜5.0 L−システイン 0.5〜2.0 L−フエニルアラニン 3.0〜7.0 L−チロジン 0.2〜1.0 L−ヒスチジン 2.0〜5.0 L−アルギニン 30.0〜60.0 L−アラニン 0.5〜2.0 アミノ酢酸 0.5〜2.0 L−セリン 0.2〜1.0 L−プロリン 0.5〜2.0 L−アスパラギン酸 0.1〜0.5 L−グルタミン酸 0.1〜0.5 2 L−ロイシン、L−イソロイシン及びL−バ
    リンからなる分枝鎖アミノ酸の含量が全アミノ酸
    の20重量%以上である請求項1記載のアミノ酸製
    剤。 3 L−アルギニンを除く非必須アミノ酸に対す
    る必須アミノ酸の重量比が3.0以上である請求項
    1記載のアミノ酸製剤。
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