JPH0640780Y2 - 仮設呼び樋受具兼ドレーン打込み固定具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は建築物において、１フロア分のコンクリート
打設直後に、下の階の仕上げ工事を降雨時にも施工する
ことができるようにした仮設呼び樋受具兼ドレーン打込
み固定具に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、建築建物の工事において、打込み型のドレーンを
使用した場合においては、打込み型ドレーンを型枠上に
セットし、コンクリートを打設した後ベニヤ板等からな
る型枠を解体して、樋工事を施工することにより、雨水
等を本設の樋に流している。また、型枠を解体した後、
本設の樋と同径の短管を仮セットし、それにゴムホース
を取り付けて外部に流している《第２図（ｂ）》。この
場合にはドレーンの径が種々あるため、その径にあった
ゴムホースを準備する必要があった。しかもいずれの場
合においても、コンクリート打設からベニヤ板製型枠の
解体までのコンクリート硬化養生期間は、ドレーンに樋
を接続することができないため漏水防止の方法がなかっ
た。そのため、樋を接続するまでの期間は屋上より漏水
があり、下の階の仕上げ工事において水に弱い仕上げ材
を使用する工事ができない。

また、実開昭58-72325号公報に記載されたような、可撓
性のあるパイプに接続された漏斗状の排水受けと、これ
を排水孔に吊り下げるためにドレーン用排水孔の上面に
係合するフックとを有する仮設排水装置を使用し、降雨
時にも下の階の内装工事を可能とすることが行なわれて
いる《第２図（ｃ）》。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら上記従来の仮設排水装置においても、打設
したコンクリートの硬化前にはコンクリート打設用の型
枠ベニヤ板があり、ドレーン用の排水孔の上面にフック
を取り付けることは不可能であり、その間下の階の内装
工事を行なうことはできない。

そこでこの考案は、打設したコンクリートの硬化前にも
ドレーン用の排水孔から降雨等による排水を建築建物の
外部に排出して、その間下の階の内装工事を行なうこと
を可能とするために開発したものである。

〔問題を解決するための手段〕

すなわちこの考案の仮設呼び樋受具兼ドレーン打込み固
定具は、コンクリート打設用の型枠に、ルーフドレーン
をコンクリートで打込むためのルーフドレーン用受枠
と、樋受口を兼ねた樋受具を固定し、この樋受具に可撓
性ホースを取り付けたことを特徴とするものである。

また上記において、樋受具が上端に外向きフランジを備
え、外周に雄ネジ部を形成した第１の短管と、やはり上
端に外向きフランジを備え、内周に雌ネジ部を形成した
第２の短管とからなることも特徴の１つとしている。

〔実施例〕

次に、この考案に係る仮設呼び樋受具兼ドレーン打込み
固定具の一実施例を図面に基いて説明する。

第１図において、１はベニヤ板等からなるコンクリート
打設用の型枠で、ルーフドレーンを設置する位置に所定
サイズの取付孔２が開設されている。この取付孔２に
は、コンクリートで打込むためのルーフドレーン用受枠
と、樋受口を兼ねた樋受具３が固定される。そしてこの
樋受具３に可撓性ホース５が取り付けられる。

上記樋受具３は、一対の短管11,12からなり、第１の短
管11は上端に外向きフランジ13を有し、フランジ13部お
よび短管11部の外周にそれぞれ雄ネジ14,15が形成され
ている。また第２の短管12も、上端に外向きフランジ16
を有し、そして内周に雌ネジ17が形成されている。

上記第１の短管11は、コンクリート打設用の型枠１に開
設した取付孔２に挿通され、上記フランジ13によって取
付孔２に吊り下げられる。この状態で、下端内周に雌ネ
ジ21が形成されたドレーン４が、上記雄ネジ14に雌ネジ
21を螺着することにより、第１の短管11に取り付けられ
る。

次いで第２の短管12が、第１の短管11の雄ネジ15に雌ネ
ジ17を螺着することにより取り付けられ、外向きフラン
ジ16が型枠１の下面に当接して、第１の短管11のフラン
ジ13とで型枠１を挟着するようになっている。

当該フロアのコンクリートはこの状態で、上記ドレーン
４と型枠１とによって形成されたスペースに打設され
る。そして、上記第２の短管12の下部にゴムホース等の
可撓性ホース５が取り付けられ、作業が完了する。

この考案の仮設呼び樋受具兼ドレーン打込み固定具の使
用に際しては、先ず第１の短管11を、型枠１に開設した
取付孔２に挿通して、上記フランジ13によって取付孔２
に吊り下げる。この状態でドレーン４が、上記雄ネジ14
に雌ネジ21を螺着することにより、第１の短管11に取り
付けられる。

次に第２の短管12を、第１の短管11の雄ネジ15に雌ネジ
17を螺着することにより取り付け、フランジ13,16で型
枠１を挟着する。

この状態で、上記ドレーン４と型枠１とによって形成さ
れたスペースにコンクリートを打設し、上記第２の短管
12の下部にゴムホース等の可撓性ホース５が取り付けら
れるのである。このようにして作業が完了すると、降雨
時にも排水はドレーン４から可撓性ホース５を通って屋
外に排出され、下の階の内装作業を行なうことができ
る。

またコンクリートの養生が終った後は、第２の短管12を
外して型枠１を解体し、その後短管12を再度もとの位置
にはめ直すと、元のようにドレーン位置から排水するこ
とができ、そのまま内装工事を続けることができる。

さらに、本設の樋をドレーン４に取り付けるには、第１
および第２の短管11,12を外して施工すればよく、樋工
事をドレーン４の工事を行なわないで簡単に行なうこと
ができる。

このメリットを第２図（ａ）に基いて説明すると、上記
コンクリート打設の時点から養生期間を含めて内装工事
が施工でき、作業効率の面で非常に大きい効果がある。

〔考案の効果〕

この考案の仮設呼び樋受具兼ドレーン打込み固定具は以
上のように形成したので、従来の仮設排水装置のように
コンクリートの養生期間を待つまでもなく内装工事を行
なうことができ、非常に能率よく建築工事を行なうこと
ができ、大幅な工期の短縮となる。

また第１の短管の取付孔を小さくすることができ、型枠
の加工が簡単で、しかもその再利用が簡単に行なえるよ
うになった。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る仮設呼び樋受具兼ドレーン打込
み固定具の一実施例を示す断面図、第２図は工期中にお
ける作業開始時点を示す概略図である。 １…型枠、２…取付孔 ３…樋受具、４…ドレーン ５…可撓性ホース 11,12…短管、13,16…フランジ 14,15…雄ネジ、17,21…雌ネジ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コンクリート打設用の型枠に、ルーフドレ
   ーンをコンクリートで打込むためのルーフドレーン用受
   枠と、樋受口を兼ねた樋受具を固定し、この樋受具に可
   撓性ホースを取り付けたことを特徴とする仮設呼び樋受
   具兼ドレーン打込み固定具。
2. 【請求項２】樋受具が上端に外向きフランジを備え、外
   周に雄ネジ部を形成した第１の短管と、やはり上端に外
   向きフランジを備え、内周に雌ネジ部を形成した第２の
   短管とからなる請求項１記載の仮設呼び樋受具兼ドレー
   ン打込み固定具。