JPH0640717A - 板状塩基性炭酸カルシウム - Google Patents

板状塩基性炭酸カルシウム

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JPH0640717A
JPH0640717A JP4212311A JP21231192A JPH0640717A JP H0640717 A JPH0640717 A JP H0640717A JP 4212311 A JP4212311 A JP 4212311A JP 21231192 A JP21231192 A JP 21231192A JP H0640717 A JPH0640717 A JP H0640717A
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calcium carbonate
slaked lime
basic calcium
carbon dioxide
reaction
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Hideo Yamada
英夫 山田
Naomichi Hara
尚道 原
Hiroyoshi Suzuki
博良 鈴木
Toshio Kadokura
利夫 門倉
Fumikazu Saito
文和 斉藤
Masahiro Machida
雅広 町田
Kenji Doi
賢次 土居
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Chichibu Lime Industry Co Ltd
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Agency of Industrial Science and Technology
Chichibu Lime Industry Co Ltd
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    • D21H19/385Oxides, hydroxides or carbonates
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分散性の極めて良好な、多角形の板状塩基性
炭酸カルシウムを提供する 【構成】 分散度が1.5以下であり、かつ板状部分の
平均径が0.2〜2.0μm、平均厚みが0.05〜
0.25μm、平均径/平均厚みの比が4〜20である
板状塩基性炭酸カルシウム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分散性の極めて良好
な、多角形の板状塩基性炭酸カルシウムに関する。さら
に詳しくは、本発明は、紙、ゴム、プラスチック、塗料
などの製造における顔料や充填剤として有用な、優れた
白色度や光沢性、平滑性およびインキ吸収性などの品質
特性と良好な作業性とを与えることのできる、分散性の
極めて良好な、多角形の板状塩基性炭酸カルシウムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】わが国においては、一般的な沈降性炭酸
カルシウムとして、立方形、紡錘状、柱状、針状、連鎖
状などの各種の形状を有するものが市販されている。そ
れらの用途としては、製紙やゴム、プラスチック、塗料
工業などの分野があるが、当該分野で広く一般的に使用
されている板状のカオリンやタルク等に代わって、炭酸
カルシウムがさらに多用されるためには、板状の形状を
有するものの出現が切望されている。しかし、工業的に
は未だ、品質面からも、コスト面からも、確立されるに
至っていないのが現状である。
【0003】上記要求に応えるべく、特公昭62−32
130、特開昭61−219715および特開昭62−
113718において、XCaCO3 ・YCa(OH)
2 ・ZH2 Oの組成式で示される板状の塩基性炭酸カル
シウムもしくはその複合体の製造が提案され、その工業
化が試みられている。しかし、これらの提案の方法によ
る塩基性炭酸カルシウムおよびその複合体は、いずれも
分散性が不良な凝集品としてしか得られず。光沢性、イ
ンキ吸収性などの特性が十分でなく、また作業性も不満
足のものとなり、従って有効な用途開発も進まず、工業
化も今一歩の段階にあるのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
における如き、電気伝導度、pH、あるいは炭酸化率等を
もって、炭酸ガスの吹込速度を制御するだけで、炭酸化
反応を行う方法では、得られる製品にはいずれも分散性
の不良な凝集物が多量に混在し、十分な性能品質の製品
を得ることはできなかったのである。
【0005】しかして、本発明の目的は、上記の如き従
来技術の欠点を解消して、分散性の極めて良好な、多角
形の板状塩基性炭酸カルシウムを提供することにある。
即ち、本発明は、例えば、製紙工業において塗工用顔料
として用いる場合に、カオリンクレーはおろかサチンホ
ワイトなみの白色度、光沢性、インキ受理性、平滑度な
どの品質特性において優れ、かつ、作業性においても問
題がなく、ストリーク、塗りむらなどの欠点を生じない
板状塩基性炭酸カルシウムを提供しようとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するべく、特に特公昭62−32130に記載
の方法の工業化を試みるに当たって、上記問題点の解決
について鋭意研究を重ねた結果、種々の凝集粒子の発生
のメカニズムは、反応の進行において、その結晶化過程
でむらが発生し、結晶の核生成反応と結晶の成長反応と
が同時に入りまじって行われることにあり、これらを区
別してやれば、分散性の良好なものを製造し得ることを
見出した。即ち、従来法では管理されていない生石灰の
活性度およびその生石灰を消和して得られる消石灰乳中
の消石灰粒子の粒子径に着目し、これらの活性度と粒子
径の両者の種々の組み合わせに対応して相対炭酸ガス吹
込速度の最大値を一定範囲以下に制御しながら、消石灰
乳を炭酸化することによって、上記本発明の目的を達成
し得ることが見出されたのである。
【0007】即ち、本発明によれば分散性良好な板状塩
基性炭酸カルシウムが提供されるのであって、この板状
塩基性炭酸カルシウムは、分散度が1.5以下であり、
かつ板状部分の平均径が0.2〜2.0μm、平均厚み
が0.05〜0.25μm、平均径/平均厚みの比(ア
スペクト比)が4〜20であることを特徴とする。
【0008】本発明にかかる板状塩基性炭酸カルシウム
は、組成式XCaCO3 ・YCa(OH)2 ・ZH2
(但し、X=2とした場合、Y=0.5〜1.0であ
り、Z=0.7〜1.5であるものとする)で示される
ものであるのが好ましく、また板状結晶粒子の平均径
(Dav)に対して0.5Dav〜2.0Davの径を
有する粒子が全体の80%以上、特に90%以上を占め
るものであるのが好ましい。
【0009】上記本発明の板状塩基性炭酸カルシウム
は、本発明に従い、生石灰の活性度が200〜400で
あり、その消和物である消石灰乳の篩分最大粒度が44
μm〜250μmである時、これらの活性度および篩分
最大粒度のそれぞれの組み合わせに対応して反応液の電
気伝導度の一次降下点までの相対炭酸ガス吹込速度の最
大値を23ml/min・g−Ca(OH)2 〜3ml/min・g
−Ca(OH)2 の範囲で炭酸ガスを導入することによ
り、消石灰乳を炭酸化し、反応液の電気伝導度の二次降
下進行中の任意の点で炭酸ガスの導入を停止することに
より製造することができる。
【0010】
【作用】本発明の方法および従来方法により得られた塩
基性炭酸カルシウムの代表例につき、走査型電子顕微鏡
(SEM)写真および遠心沈降式粒度分布測定装置(島
津製SA−CP3)により行った測定の結果を下記の表
1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】本発明方法により得られる板状塩基性炭酸
カルシウムは、そのSEM写真(図1)に見られる如
く、四角形乃至八角形程度の多角形を示し、かつ、板状
部分の粒子径がよく揃っており、個々の粒子にまで極め
てよく分散していることが観察される。一方、従来法に
よる場合には、個々の粒子が数十個程度集合して、大き
な凝集塊を構成していることが観察される。(図2)
【0013】ここで、分散性の良否を、分散度即ち遠心
沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3)による50%
平均径(D50)μm/走査型電子顕微鏡(SEM)によ
る平均径μmの比をもって定義すると、上記表1に見ら
れるように、本発明方法の場合は分散度=0.32/
0.3=1.07と、ほとんど理論値即ち1に近い値を
示すが、一方従来法の場合には分散度=3.74/0.
4=9.35と甚だ高い値を示していることが判る。一
般に、遠心沈降式粒度分布測定装置による測定において
は、超音波分散を行うので、単なる物理的結合による集
合体であれば、比較的容易に個々の粒子までに分散する
筈であるが、従来法の場合にはD50=3.74μmを示
し、SEM観察の板状部分の平均径0.4μmに比して
極めて大きい値を示し、強固な凝集物となっていること
がわかる。しかるに、本発明方法の場合には、SEM測
定による平均径0.3μmに対し、D50=0.32μm
とほとんど一致しており、極めて良好な分散状態を示し
ていることがわかる。
【0014】一方、かかる凝集品は、良好な分散品と比
較すると、例えば、製紙塗工試験を行った場合、光沢
性、平滑性、インキ受理性等において明らかに劣ったも
のになるという欠点を有している。また、かかる凝集品
は超音波分散処理では容易に分散し難い。そこで、仮
に、凝集品を振動ミルで約30分間湿式破枠を行い、S
EM観察およびSA−CP3で粒度をみると、凝集物は
細分化されてしまい、板状形状が失われ、粒状物に変化
する(図13および図14)。このものを用いて製紙塗
工テストを行ったところ、白紙光沢、印刷光沢、平滑性
等が低下することが確認された(表4)。
【0015】一方、本発明に係る、平均粒径0.3μm
と0.7μmの板状塩基性炭酸カルシウムを使用してサ
チンホワイト、市販の軽質炭酸カルシウム等との比較塗
工試験を行った(実施例8)ところ、本発明品は市販軽
質炭酸カルシウムに比して、光沢性、インキ受理性およ
び平滑性において数段優っており、高品質の結果を示す
サチンホワイトに比しても優るとも劣らぬ値を示してい
る。更に、サチンホワイトに比して、強度のみならず、
塗料粘度、ストリーク、塗りむら等作業性上の性能にお
いても格段に優れた結果を与えることが判明した(表4
および5)。
【0016】更に、本発明に係る板状塩基性炭酸カルシ
ウムは、驚くべきことに、単味顔料の二者配合即ち本発
明品とカオリンクレーとの配合および市販の軽質炭酸カ
ルシウムとカオリンクレーとの配合における比較におい
て、各単味顔料の特性を維持しつつ、しかも相乗的効果
を発揮して、光沢性の面で従来の定説を覆すが如き優れ
た結果を与えることがわかった(表6)。
【0017】本発明に係る板状塩基性炭酸カルシウムの
水性スラリーを加熱熟成(50℃×3日間)すると、製
紙塗工テストの白紙光沢および印刷光沢において優れた
結果を示し、測定値において2%程度の上昇となった
(表7)。
【0018】本発明の板状塩基性炭酸カルシウムの水性
スラリーから、例えば、噴霧乾燥を行って得た乾燥製品
は、ディゾルバーなどによって容易に水に再分散する。
このようにして、その60重量%濃度のスラリーを作
り、これの分散度を測定すると、ほとんどもとの分散状
態を示していることが認められた。これを用いて製紙塗
工テストを行ったところ、処理前の製品を用いた場合に
比較して、品質に差はほとんど認められなかった(表
8)。
【0019】本発明に係る板状塩基性炭酸カルシウムの
組成式は、図5および図11に示す熱重量分析(TG曲
線)およびガス分析の結果から、XCaCO3 ・YCa
(OH)2 ・ZH2 Oで示され、図6および図12のX
線回折図には、塩基性炭酸カルシウムのピークのみで、
カルサイトおよび消石灰のピークはほとんど見当たらな
い。熱重量分析の結果から、本発明の塩基性炭酸カルシ
ウムの組成式は、X=2とした場合、Y=0.5〜1.
0、Z=0.7〜1.5の範囲で示される多角形の板状
塩基性炭酸カルシウムであると認められる。
【0020】本発明の分散性良好な板状塩基性炭酸カル
シウムは、例えば、次のようにして製造することができ
る。
【0021】生石灰の活性度とその消和物である消石灰
乳の篩分最大粒度との種々の組み合わせに対応して、反
応液の電気伝導度の一次降下点までの相対炭酸ガス吹込
速度の最大値の所定範囲で消石灰乳を炭酸化するもので
ある。まず、生石灰の反応性の評価目安となる活性度と
して、本発明者らは、これを粗粒滴定法(4N−HC
l、1〜4.76mm粒度、50g法)の5分値でもって
区分した。次いで、上記生石灰を消和して得られた消石
灰乳を区分に従い、篩分けする。篩分けして得た消石灰
乳に水を添加して、消石灰濃度を区分に従い、調整す
る。炭酸化反応を開始する時の消石灰乳の温度を区分に
従い、調節する。
【0022】次いで、炭酸ガスを消石灰乳中に導入し
て、炭酸化反応を行うが、相対炭酸ガス吹込速度を次式
で表し、区分に従い、炭酸化を実施する。
【0023】相対炭酸ガス吹込速度=炭酸ガス導入量
(ガス導入量×CO2 容量%、標準状態):ml/min/消
石灰乳中のCa(OH)2 量:g
【0024】この区分に従った相対炭酸ガス吹込速度で
炭酸化を行えば、一次降下点の電気伝導度の値は常に7
mS/cm 以上に保持される。反応の終点は反応液の電気伝
導度の二次降下進行中の任意の点であってよく、この点
で炭酸ガスの導入を停止する。好ましくは、反応の終点
は反応液の電気伝導度の二次降下時の値が4〜5mS/cm
の範囲であり、さらに好ましくは4.5mS/cm である。
【0025】以上を総合して、製造条件を一覧表として
示すと、例えば、下記表2の通りとなる。
【0026】
【表2】
【0027】尚、本発明者の検討によれば、このとき、
生石灰の活性度が200〜400の範囲で相対炭酸ガス
吹込速度の最大値は、23〜3ml/min・g−Ca(O
H)2となることが認められた。
【0028】望ましい分散性良好な板状塩基性炭酸カル
シウムの製造条件としては、生石灰の活性度が高い場合
(例えば350)には相対炭酸ガス吹込速度は大きく
(例えば10〜19ml/min・g−Ca(OH)2 )、活
性度が低い場合(例えば250)には相対炭酸ガス吹込
速度を小さく(例えば5〜11ml/min・g−Ca(O
H)2 )する必要がある。
【0029】同一の活性度(例えば350)の生石灰で
は、消石灰乳の篩分最大粒度が粗い程(例えば250μ
m)、相対炭酸ガス吹込速度は小さく(例えば10ml/m
in・g−Ca(OH)2 )、細かい程(例えば44μ
m)相対炭酸ガス吹込速度は大きくできる(例えば19
ml/min・g−Ca(OH)2 )。同一の消石灰乳の篩分
最大粒度では(例えば74μm)生石灰の活性度が高い
程(例えば350)相対炭酸ガス吹込速度は大きく(例
えば18ml/min・g−Ca(OH)2 )、生石灰の活性
度が低い程(例えば250)相対炭酸ガス吹込速度を小
さくする必要がある(例えば10ml/min・g−Ca(O
H)2 )。
【0030】相対炭酸ガス吹込速度について、この制限
範囲を越えると、塩基性炭酸カルシウムは得られ難く、
たとえ得られたとしても、分散性の良好なものを得るこ
とはできない。また、あまりにも極端に低い相対炭素ガ
ス吹込速度では生産性が低く、実用上好ましくない。
【0031】同一の活性度(例えば350)の生石灰を
乾式消和して得られた消石灰を原料として、上記製造条
件の下で作製したものは、形が不揃いで、凝集物が多
く、結晶形に関しても板状の外に粒状、糸状など各種の
ものが混在していた。
【0032】篩分け後に炭酸化されるCa(OH)2
濃度は、活性度の高い程(例えば350)、上限が低く
なる(例えば12重量%以下、好ましくは10重量%以
下)。逆に活性度が低い程(例えば250)、上限濃度
は高くなる(例えば15重量%以下、好ましくは13重
量%以下)。一方、下限濃度としては、5重量%以上、
好ましくは8重量%以上であるのがよく、これ以下では
生産性が低くなるので好ましくない。
【0033】次に、反応開始時点の消石灰乳の温度は、
生石灰の活性度が高い程(例えば350)、上限は低く
なる(例えば13℃以下、好ましくは10℃以下)。こ
の上限温度(例えば13℃)以上では良好な分散性の塩
基性炭酸カルシウムは得られない。一方、下限温度は5
℃以上(好ましくは8℃以上)であり、これ以下では反
応速度が遅く、生産性が低くなるので好ましくない。
【0034】いかなる場合にも、反応液の電気伝導度が
一次降下点に達するまでは反応液の温度を18℃以下に
保持する必要がある。18℃以上では、分散性の良好な
る板状塩基性炭酸カルシウムは得られない。必要の場合
には冷却を行ってもよい。導入する炭酸ガスは、単独ガ
スであっても、空気等の混合ガスであってもよい。また
石灰石の焼成時の排出炉ガス(CO2 濃度約30%)を
用いることもできる。
【0035】製紙用、ゴム用、プラスチック用等の各用
途に応じて所要最適粒径を得たい場合には、使用する生
石灰の活性度、その生石灰を消和した消石灰乳の篩分け
最大粒度に従い、反応開始温度および消石灰乳のCa
(OH)2 濃度を調節し、相対炭酸ガス吹込速度を制御
することによって、望ましい粒径のものを得ることがで
きる。また、その粒度分布も任意に調節することがで
き、この点も本発明の1つの特長である。
【0036】反応過程における炭酸化度の調節は、次の
ように行うことができる。即ち、炭酸ガスの吹込みを前
述の相対炭酸ガス吹込速度の制限範囲以下で行えば、一
次降下点の電気伝導度の値は常に7mS/cm 以上に保持さ
れる。一次降下点を通過した後は、上記制限範囲にしば
られることなく、炭酸ガスの吹込速度を増大することは
可能である。反応の終点は反応液の電気伝導度の二次降
下進行中の任意の点であってよく、この点で炭酸ガスの
導入を停止する。
【0037】一次降下点での電気伝導度が7mS/cm より
下がると、塩基性炭酸カルシウムの生成は全く困難とな
る。さらに、反応の終点は二次降下の中間点即ち電気伝
導度として4〜5mS/cm の範囲、実際上は4.5mS/cm
でもって行うことが大切である。電気伝導度の降下速度
は非常に速いので、反応の終点時には注意が肝要であ
る。反応終了時の電気伝導度の値が5mS/cm 以上では未
反応の消石灰が残存してくるので好ましくない。一方、
4mS/cm 以下ではカルサイトの生成が始まり、これが生
成物中に混入してくるので好ましくない。
【0038】上記の他に反応に影響を与える装置的要因
として、反応槽の寸法、攪拌翼の形状と回転速度、炭酸
ガス吹込手段等があり、これらを適宜適切に選択するこ
とが肝要である。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る板状塩基性炭酸カルシウム
は、極めて良好な分散性を有し、粒径を任意に調節する
ことが可能であり、かつ、粒度分布巾も極めて小さい。
また、純度的にも極めて高品質のものである。
【0040】製紙用の塗工剤として用いた場合、本発明
の板状塩基性炭酸カルシウムは、白色度、光沢性、イン
ク受理性、平滑性などについては、従来のカオリンクレ
ーや市販の軽質炭酸カルシウムに比して数段優れた効果
を示し、サチンホワイトに比して同等の効果となり、作
業性や経済面ではこれらよりもはるかに優れた効果が期
待できる。尚、製紙塗工用の他にも、ゴムおよびプラス
チックの充填剤や塗料用顔料として有効に利用し得る。
【0041】
【実施例】次に、本発明の板状塩基性炭酸カルシウムお
よびその製造方法について、実施例によりさらに説明す
る。
【0042】実施例1:本発明(活性度350) 活性度350の工業用生石灰2.4kgを40℃の水1
7.6kgの中に投入し、攪拌しながら、15分間消和を
行う。その後分級機で篩分けし、74μm通過の消石灰
乳を取り出し、これに水を加えて消石灰濃度10重量%
の消石灰乳20kgを得た。これを反応容器(内径345
×高さ360mm、内容積40l)に入れ、攪拌しながら
(かい型羽根、径100mm、500rpm )10℃に冷却
後、100%濃度の炭酸ガスを25l/min の速度で導入
する。この時の相対炭酸ガス吹込速度は12.5ml/min
・g−Ca(OH)2 である。
【0043】反応開始から少なくとも15分間は冷却を
続け、15℃以下に液温を保持した後電気伝導度を4.
5mS/cm で炭酸ガスの吹込を停止した。反応条件および
結果を後記の表3に示す。
【0044】反応生成物を走査型電子顕微鏡(SEM)
で観察したところ、平均粒径0.3μm、厚み0.08
μmの板状の形状を有していた(図1)。凝集部分は皆
無で、個々の粒子にまでよく分散されている。
【0045】一方、遠心沈降式粒度分布測定装置(島津
製、SA−CP3)で求めた平均粒径(50%値:
50)は、0.32μmであって(図3)、これはSE
Mから求めた値0.3とよく一致している。このときの
分散度は0.32/0.3=1.07である。このこと
からも、本発明によると凝集部分がほとんど無く、極め
て良好な分散状態の板状塩基性炭酸カルシウムが得られ
ることがわかる。
【0046】結晶粒径も0.2〜0.8μmの範囲にあ
り、その巾も小さいことがわかる。一方、厚みは0.0
8であり、従ってアスペクト比は4である。また、この
生成物の熱重量分析(TG曲線)(図5)およびX線回
折(図6)を行った結果からは、カルサイト、消石灰の
ピークはほとんど認められず、2CaCO3 ・0.63
Ca(OH)2 ・0.86H2 Oの組成式を有する塩基
性炭酸カルシウムであることが確認された。
【0047】比較例1−1:凝集品 実施例1と同じく消和して、篩分けを行うことなく、消
石灰濃度11重量%の消石灰乳を20kg調製した。この
消石灰乳を10℃に冷却した後、100%濃度の炭酸ガ
スを20l/min (相対炭酸ガス吹込速度=9.1ml/min
・g−Ca(OH)2 )で吹き込み、炭酸化し、電気伝
導度が4.5mS/cm になったときに反応を停止した。反
応条件および結果を表3に示す。反応生成物をSEMで
観察すると(図2)、0.3〜0.7μmの一次粒子
(平均0.4μm)が凝集して、約3.0〜4.0μm
大の二次粗大凝集粒子を形成していた。
【0048】図4にSA−CP3による測定の結果を示
す。分散度を求めると、3.74/0.4=9.35と
甚だ大きい値を示している。相対炭酸ガス吹込速度は1
0ml/min・g−Ca(OH)2 以下であり、本発明に規
定の条件内であるが、消石灰乳の篩分けを実施していな
いために凝集品となった。
【0049】比較例1−2:粒状炭酸カルシウム 実施例1と同じく消和して、74μmで消石灰乳の篩分
けを行って、消石灰濃度10重量%の消石灰乳を20kg
調製した。この消石灰乳を10℃に冷却後100%濃度
の炭酸ガスを37l/min (相対炭酸ガス吹込速度=1
8.5ml/min・g−Ca(OH)2 )で吹き込んだ。反
応を開始して約10分後に電気伝導度が2mS/cm まで低
下し、同時に反応液の粘度も増加して、ゲル化した。引
き続き炭酸ガスの吹き込みを続けると電気伝導度は再び
上昇して粘度は元の状態に戻った。更に炭酸ガスの吹き
込みを続けると電気伝導度が再び低下し始めたので、電
気伝導度が4.5mS/cm になったときに反応を停止し
た。反応条件および結果を表3に示す。
【0050】反応生成物をSEMで観察すると、0.1
μm以下の微細な粒状のカルサイト型炭酸カルシウムで
あった。消石灰乳の篩分けを実施しても、相対炭酸ガス
吹込速度を本発明の限度以上で炭酸化を行うと、板状塩
基性炭酸カルシウムは得られなかった。
【0051】実施例2:本発明(活性度250) 活性度250の工業用生石灰260gを、40℃の水1
760gの中に投入し、攪拌しながら、15分間消和を
行う。その後分級機で篩分けし、44μm通過の消石灰
乳を取り出し、これに水を加えて消石灰濃度10重量%
の消石灰乳2kgを得た。これを反応容器(内径150×
高さ220mm、内容積4l)に入れ、攪拌しながら(か
い型羽根、径60mm,700rpm )10℃に冷却後、1
00%濃度の炭酸ガスを0.34l/min の速度で導入す
る。この時の相対炭酸ガス吹込速度は1.7ml/min・g
−Ca(OH)2 に当たる。電気伝導度4.5mS/cm で
炭酸ガスの吹き込みを停止した。反応条件および結果を
表3に示す。
【0052】反応生成物をSEMで観察したところ、平
均径0.8μm、厚み0.15μmの板状を有していた
(図7)。凝集部分はほとんど無く、良好な分散状態を
示している。
【0053】一方、SA−CP3で求めた平均粒径(D
50)は0.88μmであって(図9)、これはSEMの
値0.8μmとよく一致している。分散度は0.88/
0.8=1.1である。このことからも、本発明による
板状塩基性炭酸カルシウムは、凝集部分がほとんど無
く、極めて良好な分散状態にあることがわかる。結晶粒
径も0.5〜1.5μmの範囲にあり、その巾も小さい
ことがわかる。一方、厚みは0.15μmであり、アス
ペクト比は0.88/0.15≒6である。
【0054】また、この生成物のTG曲線(図11)、
ガス分析およびX線回折図(図12)から、カルサイ
ト、消石灰のピークは見当たらず、2CaCO3 ・0.
72Ca(OH)2 ・0.96H2 Oの組成式を有する
塩基性炭酸カルシウムであることが確認された。
【0055】比較例2−1:凝集品 実施例2と同じく消和して、篩分けを行うことなく、消
石灰濃度13重量%の消石灰乳を2kg調製した。この消
石灰乳を10℃まで冷却後、100%濃度の炭酸ガスを
0.34l/min (相対炭酸ガス吹込速度=1.3ml/min
・g−Ca(OH)2 )で吹き込み、炭酸化して、電気
伝導度が4.5mS/cm で吹き込みを停止した。反応条件
および結果を表3に示す。
【0056】反応生成物をSEMで観察すると、約1.
3μmの一次粒子が強力に凝集して、約4〜5μm大の
二次粗大粒子を構成していた(図8)。次にSA−CP
3による測定の結果を示す(図10)。分散度をもとめ
ると、4.4/1.3=3.4と非常に高い値を示して
いることがわかる。本例においても、比較例1−1と同
じく、相対炭酸ガス吹込速度が本発明に規定する条件内
にあっても、消石灰乳の篩分けを実施していないために
凝集品となることを示している。
【0057】比較例2−2:粒状炭酸カルシウム 実施例2と同じく消和し、44μmで消石灰乳の篩分け
を行って、消石灰濃度10重量%の消石灰乳を2kg調製
した。この消石灰乳を10℃まで冷却後、100%の濃
度の炭酸ガスを2.5l/min (相対炭酸ガス吹込速度=
12.5ml/min・g−Ca(OH)2 )で吹き込み、冷
却しながら炭酸化すると、反応開始後約10分で電気伝
導度が5mS/cm まで低下して、またすぐ上昇した。引き
続き炭酸ガスの吹き込みを続けると、約20分後に再び
低下しはじめ、電気伝導度が4.5mS/cm で炭酸ガスの
吹き込みを停止した。反応条件および結果を表3に示
す。反応生成物をSEMで観察すると、0.1μm以下
の微細な粒状のカルサイト型炭酸カルシウムであった。
比較例1−2と同じく消石灰乳の篩分けを実施しても、
相対炭酸ガスの吹込速度を本発明の限度以上で炭酸化を
行うと、板状塩基性炭酸カルシウムは得られなかった。
【0058】実施例3:(高活性度−篩分粒径−相対炭
酸ガス吹込速度)関係 実施例1に用いたと同じ活性度350の工業用生石灰2
40gを40℃の水1740gの中に投入し、攪拌しな
がら15分間消和を行う。消石灰乳の篩分け粒径および
炭酸ガスの吹込速度の条件を各種変更して炭酸化反応を
行った。反応を電気伝導度4.5mS/cm で停止した。反
応条件および結果を表3に示す。
【0059】高活性度の生石灰の場合、消石灰乳の篩分
け粒度別に対応して、相対炭酸ガス吹込速度の最大値が
あり、それ以下で炭酸化を行う必要があることがわか
る。
【0060】実施例4:(低活性度−篩分粒径−相対炭
酸ガス吹込速度)関係 実施例2に用いたと同じ活性度250に工業用生石灰2
60gを40℃の水1740gの中に投入し、攪拌しな
がら15分間消和を行う。消石灰乳の篩分け粒度および
炭酸ガスの吹込速度の条件を各種変更して炭酸化反応を
行った。反応を電気伝導度4.5mS/cm で停止した。反
応条件および結果を表3に示す。
【0061】低活性度の生石灰の場合、消石灰乳の篩分
け粒度別に対応して、相対炭酸ガス吹込速度の最大値が
あり、それ以下で炭酸化を行う必要があることがわか
る。
【0062】実施例5:(炭酸ガス濃度の影響) 実施例4で調製した消石灰乳を44μmで篩分けして得
た消石灰乳2kgを10℃に冷却し、炭酸ガス(100%
濃度)の吹込量を2l/min とし、これに窒素ガスを混合
して、炭酸ガス濃度を変えて、炭酸化反応を行った。反
応を電気伝導度4.5mS/cm で停止した。反応条件およ
び結果を表3に示す。
【0063】生成した板状塩基性炭酸カルシウムの粒径
は炭酸ガスの濃度の低下とともに大きくなる傾向にある
ことがわかる。
【0064】実施例6:(反応開始時の温度の影響) 実施例5で調製した消石灰乳を冷却し、反応開始時の消
石灰乳の温度を変化させて、炭酸化反応を行った。反応
条件および結果を表3に示す。
【0065】生成した板状塩基性炭酸カルシウムの粒径
は反応開始時の消石灰乳の温度の上昇とともに大きくな
る傾向にあることがわかる。
【0066】実施例7:一次降下点での温度限界 実施例6で調製した消石灰乳を冷却し、16℃に調整
後、炭酸化反応を開始し、電気伝導度の一次降下点での
消石灰乳の温度を変化させて炭酸化反応を行った。反応
条件および結果を表3に示す。
【0067】一次降下点での反応温度が18℃を超える
と、もはや分散性の良好な板状塩基性炭酸カルシウムは
得られないことがわかる。
【0068】実施例8:塗工試験 反応容器40lの規模で、生石灰の活性度、炭酸ガスの
濃度を変えて、任意の粒径の板状塩基性炭酸カルシウム
を調製した。反応条件および結果を表3に示す。平均粒
径0.3μmと0.7μmの2種類の分散性の良好な板
状塩基性炭酸カルシウムの水性スラリーを得た。得られ
たスラリーを脱水してウェットケーキとした後、これを
水に再分散せしめて60重量%の濃度のスラリーとし
た。
【0069】次いで、このものを使って塗工試験を行っ
た。以下においては、これらを03品および07品と呼
称する。
【0070】対照試料として下記のものを使用した。 (1)比較例1−1,2−1の凝集物のある板状塩基性
炭酸カルシウムの機械的破砕品 (2)サチンホワイト:市販品 (3)軽質炭酸カルシウム:市販品 (4)本発明品(03品)の加熱品(上記60%スラリ
ーを50℃で3日間加熱熟成したもの) (5)カオリンクレー:市販品 (6)本発明品(03品)の噴霧乾燥品(反応により得
られた塩基性炭酸カルシウムスラリーを噴霧乾燥し、こ
の乾燥品を水に再分散せしめて60%スラリーとしたも
の) (7)重質炭酸カルシウム:市販品
【0071】塗工試験は下記条件で行った。 (1)コート原紙:約80g/m2上質紙 (2)塗工方法:ワイヤバー手塗り 使用ワイヤバー:NO. 12 塗被量≒20g/m2 (3)カラー配合 1)カラーピグメントの種類および配合比(固形分とし
て) 下記の配合品(配合割合:表4〜8)100部 カオリンクレー サチンホワイト 重質炭酸カルシウム 軽質炭酸カルシウム 本発明品および破砕品 2)バインダー ラテックス(SBR系) 10部 澱粉(酸化澱粉系) 5部 3)潤滑剤(ステアリン酸系) 1.0部 4)分散剤(ポリカルボン酸系) 0.6部 5)塗被液 固形物濃度≒60% (4)スーパーカレンダー処理条件 線圧 100kg/cm 温度 55℃ 通過回数 3回 カレンダー速度 8m/min (5)測定方法 白色度 ハンター白色度計“MR−2” 白紙光沢 グロスメーター“GM−260” 印刷光沢 グロスメーター“GM−260” K&N白度低下 ハンター白色度計“MR−2”2
分値。 使用インク:フタロシアニンブルー 印刷 RI印刷試験機 使用インク:TV12,Red 回転数:30rpm RI Dry Pick TV18 Red 60rpm 、5段階評価。 B粘度 BL型、60rpm 塗工試験の結果は下記の通りである。
【0072】[I]市販品との比較(表4) 配合割合:供試品15部/カオリンクレー85部 (1)本発明の03品と07品の比較において、白色
度、印刷光沢ともに03品が優る。一方、RI Dry Pick
強度は07品が優っている。 (2)板状塩基性炭酸カルシウムで凝集物のあるものを
機械的破砕しても、良好な分散性は得られず、白紙光
沢、印刷光沢ともに本発明品より劣る。 (3)サチンホワイトと本発明品とを比較すれば、大同
小異であり、優るとも劣らぬ結果である。作業性ではは
るかに本発明品が優れている。 (4)市販軽質炭酸カルシウムと本発明品とを比較すれ
ば、明らかに本発明品が白紙光沢、印刷光沢ともに優っ
ている。
【0073】[II]市販品との比較(表5) 配合割合:試供品30部/重炭酸カルシウム30部/カ
オリンクレー40部 (1)市販軽質炭酸カルシウムと本発明品とを比較すれ
ば、白紙光沢、印刷光沢ともに本発明品の方が優れた結
果を示している。
【0074】[III]カラー配合の混合相乗効果(表
6) カオリン、本発明品(03品)、市販軽質炭酸カルシウ
ムを、それぞれ、単味(100部)および配合(配合割
合:供試品20部/カオリン80部)で用いた。 (1)本発明品とカオリンの組み合わせの場合は、それ
ぞれの単味の白色光沢、印刷光沢より、いずれも優れた
値をとり、相乗効果が期待される好結果を得た。 (2)一方、市販軽質炭酸カルシウムとカオリンの組み
合わせの場合には、上記に引き換え、それぞれの単味の
値の中間的な値となった。
【0075】[IV]加熱効果(50℃×3日間、表
7) (1)加熱により白紙光沢、印刷光沢ともに明らかに向
上した。
【0076】[V]乾燥品試験(噴霧乾燥品、表8) (1)スラリーとこれを噴霧乾燥した粉末との比較塗工
試験では、両者間にはほとんど差はないといえる。 (2)乾燥粉末状態で、市販軽質炭酸カルシウムとの比
較試験においても、白紙光沢、印刷光沢ともに数段本発
明品が優れていることがわかる。
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】
【0080】
【表6】
【0081】
【表7】
【0082】
【表8】
【0083】
【表9】
【0084】
【表10】
【0085】
【表11】
【0086】
【表12】
【0087】
【表13】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図、実施例1で得られた塩基性炭酸カルシ
ウムの結晶粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図2】比較例1−1で得られた塩基性炭酸カルシウム
の結晶粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例1で得られた塩基性炭酸カルシウムの結
晶粒径の遠心沈降式粒度分布測定装置による測定結果を
示すグラフである。
【図4】比較例1−1で得られた塩基性炭酸カルシウム
の結晶粒径の遠心沈降式粒度分布測定装置による測定結
果を示すグラフである。
【図5】実施例1の熱重量分析における温度と減量変化
との関係を示すグラフである。
【図6】実施例1で得られた生成物のX線回折図であ
る。
【図7】実施例2で得られた塩基性炭酸カルシウムの結
晶粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図8】比較例2−1で得られた塩基性炭酸カルシウム
の結晶粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】実施例2で得られた塩基性炭酸カルシウムの結
晶粒径の遠心沈降式粒度分布測定装置による測定結果を
示すグラフである。
【図10】比較例2−1で得られた塩基性炭酸カルシウ
ムの結晶粒径の遠心沈降式粒度分布測定装置による測定
結果を示すグラフである。
【図11】実施例2についての熱重量分析の結果を示す
図である。
【図12】実施例2についてのX線回折の結果を示す図
である。
【図13】凝集物の破砕品の走査型電子顕微鏡写真であ
る。
【図14】凝集物の破砕品の遠心沈降式粒度分布測定装
置による測定結果である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 17/67 (72)発明者 原 尚道 佐賀県鳥栖市宿町字野々下807番地1 工 業技術院九州工業技術試験所内 (72)発明者 鈴木 博良 東京都中央区新川一丁目8番6号 秩父石 灰工業株式会社内 (72)発明者 門倉 利夫 東京都中央区新川一丁目8番6号 秩父石 灰工業株式会社内 (72)発明者 斉藤 文和 東京都中央区新川一丁目8番6号 秩父石 灰工業株式会社内 (72)発明者 町田 雅広 東京都中央区新川一丁目8番6号 秩父石 灰工業株式会社内 (72)発明者 土居 賢次 東京都中央区新川一丁目8番6号 秩父石 灰工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散度が1.5以下であり、かつ板状部
    分の平均径が0.2〜2.0μm、平均厚みが0.05
    〜0.25μm、平均径/平均厚みの比が4〜20であ
    ることを特徴とする、分散性良好な板状塩基性炭酸カル
    シウム。
  2. 【請求項2】 組成式XCaCO3 ・YCa(OH)2
    ・ZH2 Oで示される、請求項1記載の板状塩基性炭酸
    カルシウム。但し、X=2とした場合、Y=0.5〜
    1.0であり、Z=0.7〜1.5であるものとする。
  3. 【請求項3】 板状部分の平均径(Dav)に対して
    0.5Dav〜2.0Davの径を有する粒子が全体の
    80%以上を占める、請求項1記載の板状塩基性炭酸カ
    ルシウム。
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