JP2017218361A - 酸素徐放剤及びその製造方法並びに酸素供給方法 - Google Patents

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辰徳 坂口
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龍紀 奥津
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Abstract

【課題】 酸素徐放性能を長期間維持することができ、安全に製造することができ、河川、港湾等の水中に溶出した場合でも環境負荷の大きいリン由来の富栄養化を生じず、植物培地におけるリンのみの増加を回避することができ、かつ、土壌に添加する工程を簡略にすることができる酸素徐放剤を提供すること。【解決手段】 酸素徐放剤は、過酸化水素水と、下記化学式2で表される化合物と、を混合する工程を有する酸素徐放剤の製造方法によって製造される。a2RCO3・b2R(OH)2・c2H2O (化学式2)(a2:1〜5、b2:0〜1、c2:1〜7、R:アルカリ土類金属)【選択図】 なし

Description

本発明は、酸素徐放剤及びその製造方法並びに酸素徐放剤を用いた酸素供給方法に関する。
汚染土壌の浄化方法として、例えば、特許文献1、2には酸素徐放剤を汚染土壌に混合して汚染土壌中に酸素を供給する方法が記載されている。酸素徐放剤は過酸化マグネシウムや過酸化カルシウム等のアルカリ土類金属過酸化物(RO)を含み、下記化学式1に従って酸素を数週間から数ヶ月の長期にわたって緩やかに放出する。この酸素が土壌中の好気性微生物を活性化し、好気性微生物が汚染物質を分解することによって、汚染土壌が浄化される。また、酸素徐放剤が土壌等の植物を育成する培地に酸素を供給することによって植物の育成を促進することも知られている。
RO+HO→(1/2)O+R(OH) (化学式1)
(R:アルカリ土類金属)
しかし、アルカリ土類金属過酸化物を含む酸素徐放剤は化学式1に従って酸素を放出すると同時に、アルカリ土類金属水酸化物(R(OH))を生成する。生成するアルカリ土類金属水酸化物は酸素徐放剤の表面に被膜を形成する。この被膜が酸素徐放剤と水との接触及び酸素の放出を阻害するため、酸素徐放剤は酸素徐放性能を失う。そこで、特許文献1には、金属酸化物、金属過酸化物又は金属炭酸化物をリン酸イオン源(リン酸塩)の存在下で過酸化水素の水溶液と反応させることによってリン酸イオン源がインターカレートされた金属過酸化物(酸素徐放剤)は酸素を放出する期間が実質的に長くなることが記載されている。また、特許文献2には、酸素放出剤(酸素徐放剤)として過酸化カルシウム及び/または過酸化マグネシウム、中和剤としてコハク酸、クエン酸、ピルビン酸、マレイン酸、フマル酸、乳酸、酢酸、蟻酸(ギ酸)、シュウ酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸から選ばれる少なくとも一種の有機酸、または有機酸とその塩の混合物を汚染土壌に添加する方法が記載されている。
特許第3304087号 特許第4964844号
しかし、特許文献1に記載されている金属過酸化物の製造方法は、リン酸イオン源をインターカレートする工程が必要であった。また、また、リン酸イオン源をインターカレートする工程は発熱反応であり、突沸の危険があった。また、リン酸イオン源は、河川、港湾等の水中に溶出した場合に極少量でも環境負荷の大きいリン由来の富栄養化の課題があった。さらに、特許文献2に記載されている汚染土壌の浄化方法は、汚染土壌に中和剤を添加する工程が必要であった。
本発明の幾つかの態様は、酸素徐放性能を長期間維持することができ、安全に製造することができ、河川、港湾等の水中に溶出した場合でも環境負荷の大きいリン由来の富栄養化を生じず、植物培地におけるリンのみの増加を回避することができ、かつ、土壌に添加する工程を簡略にすることができる酸素徐放剤及びその製造方法を提供することを目的とする。本発明の他の態様は、酸素を必要とする環境下において酸素の供給を長期間維持することができる酸素供給方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の第1の態様は、過酸化水素水と、下記化学式2で表される化合物と、を混合する工程を有することを特徴とする酸素徐放剤の製造方法に関する。
RCO・bR(OH)・cO (化学式2)
(a:1〜5、b:0〜1、c:1〜7、R:アルカリ土類金属)
酸素徐放剤の原料として上記化合物を用いると、酸素徐放性能を長期間維持できる酸素徐放剤を製造することができる。また、上記化合物を混合した際、過酸化水素水が急激に温度上昇することはないため、酸素徐放剤を安全に製造することができる。また、過酸化水素水に添加剤を添加する工程が不要になるため、酸素徐放剤の製造工程を簡略にすることができる。また、酸素徐放剤はリンを含まないため、汚染土壌の浄化に用いる場合、河川、港湾等の水中に溶出した場合でも環境負荷の大きいリン由来の富栄養化を生じない酸素徐放剤を製造することができる。植物の育成に用いる場合、植物培地におけるリンのみの増加を回避し、窒素、リン及びカリウムの3大栄養素のバランスを崩さない酸素徐放剤を製造することができる。海底・湖底等(水系)の底質改善に用いる場合、酸素徐放剤による酸素供給とアルカリ土類金属過酸化物から生成するアルカリ土類金属塩によるpH調整により、好気性細菌を活性化し、底質改善、例えば硫化水素の発生を抑制できる酸素徐放剤を製造することができる。さらに、土壌に添加する際に中和剤を添加する工程が不要になるため、汚染土壌の浄化方法や植物の育成方法を簡略にする酸素徐放剤を製造することができる。
(2)本発明の第1の態様では、上記化合物が下記化学式3で表される塩基性炭酸マグネシウム又は下記化学式4で表される塩基性炭酸カルシウムであることが好ましい。塩基性炭酸マグネシウムは過酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウムは過酸化マグネシウムを生成するが、これらは他のアルカリ土類金属過酸化物よりも製造が容易かつ生体安全性が高く、土壌等の植物培地に用いた場合は、肥料としても作用するからである。
MgCO・bMg(OH)・cO (化学式3)
(a:3〜5、b:0〜1、c:3〜7)
2CaCO・Ca(OH)・1.5HO (化学式4)
(3)本発明の第2の態様は、第1の態様の酸素徐放剤の製造方法によって製造されたことを特徴とする酸素徐放剤に関する。酸素徐放剤製造の原料として上記化学式2で表される化合物を用いると、酸素徐放剤は酸素徐放性能を長期間維持することができる。また、上記化学式2で表される化合物と混合する際、過酸化水素水が急激に温度上昇することはないため、酸素徐放剤を安全に製造することができる。また、過酸化水素水に添加剤を添加する工程が不要になるため、酸素徐放剤の製造工程を簡略にすることができる。また、酸素徐放剤はリンを含まないため、汚染土壌の浄化に用いる場合、河川、港湾等の水中に溶出した場合でも環境負荷の大きいリン由来の富栄養化を生じない。また、植物の育成に用いる場合、植物培地におけるリンのみの増加を回避することができ、窒素、リン及びカリウムの3大栄養素のバランスを崩さない。また、水系の底質改善に用いる場合、酸素徐放剤による酸素供給とアルカリ土類金属過酸化物から生成するアルカリ土類金属塩によるpH調整により、好気性細菌を活性化し、底質改善、例えば硫化水素の発生を抑制することができる。さらに、土壌に添加する際に中和剤を添加する工程が不要になるため、汚染土壌の浄化方法や植物の育成方法を簡略にすることができる。
(4)本発明の第3の態様は、第2の態様の酸素徐放剤により酸素を供給することを特徴とする酸素供給方法に関する。酸素を必要とする環境下に酸素徐放剤を添加することにより、酸素の供給を長期間維持することができる。
第2の態様の酸素徐放剤を汚染土壌に添加してもよい。供給される酸素によって好気性微生物が活性化され、汚染土壌を浄化することができ、かつ、浄化性能を長期間維持することができる。また、リンを含まないため、河川、港湾等の水中に溶出した場合でも環境負荷の大きいリン由来の富栄養化を生じることなく汚染土壌を浄化することができる。さらに、汚染土壌に添加する際に中和剤を添加する工程が不要になるため、汚染土壌の浄化方法を簡略にすることができる。
また、第2の態様の酸素徐放剤を土壌等の植物培地に添加してもよい。リンを含まない酸素徐放剤を用いるため、植物培地におけるリンのみの増加を回避することができ、窒素、リン及びカリウムの3大栄養素のバランスを崩さない。さらに、土壌等の植物培地に添加する際に中和剤を添加する工程が不要になるため、植物の育成方法を簡略にすることができる。
また、第2の態様の酸素徐放剤を海底・湖底等(水系)の底質に添加してもよい。リンを含まない酸素徐放剤を用いるため、水中のリン増加を生じることなく、底質への酸素供給とアルカリ土類金属塩による底質のpH調整を行うことができる。このため、好気性細菌が活性化し、底質改善、例えば硫化水素の発生を抑制することができる。さらに、底質に添加する際に中和剤を添加する工程が不要になるため、底質の改善方法を簡略にすることができる。
塩基性炭酸マグネシウム及び水酸化マグネシウム添加後の過酸化水素水の温度を示す。
以下、本発明の好適な実施形態(本実施形態)について詳細に説明するが、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成のすべてが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
(1)酸素徐放剤の製造方法
本実施形態の酸素徐放剤の製造方法は、過酸化水素水と、下記化学式2で表される化合物と、を混合する工程を有する。
RCO・bR(OH)・cO (化学式2)
(a:1〜5、b:0〜1、c:1〜7、R:アルカリ土類金属)
過酸化水素水の濃度は20〜60質量%が好ましく、25〜45質量%がより好ましく、30〜40質量%がさらに好ましい。また、過酸化水素水の温度は、10〜30℃が好ましい。
過酸化水素水と、上記化学式2で表される化合物と、を混合すると、下記化学式5に従ってアルカリ土類金属過酸化物を生成し、残部は未反応の化学式2で表される化合物及び当該化合物の分解物として残留する。
RCO・bR(OH)・cO+d
→dRO+2dO+α (化学式5)
(a:1〜5、b:0〜1、c:1〜7、d≠0、R:アルカリ土類金属)
(α:未反応のaRCO・bR(OH)・cO又はその分解物を含む)
はゼロ以上であり、反応工程上原料と過酸化水素水とを混合することが出来る値である。
上記化学式2で表される化合物は下記化学式3で表される塩基性炭酸マグネシウム及び化学式4で表される塩基性炭酸カルシウムから選択される1又は2であることが好ましい。塩基性炭酸マグネシウム及び塩基性炭酸カルシウムはそれぞれ過酸化マグネシウム及び過酸化カルシウムを生成するが、これらは他のアルカリ土類金属過酸化物よりも製造が容易かつ生体安全性が高く、土壌等の植物培地に用いた場合は、肥料としても作用するからである。本実施形態では化学式2で表される化合物として、下記化学式3で表される塩基性炭酸マグネシウムを用いた。
MgCO・bMg(OH)・cO (化学式3)
(a:3〜5、b:0〜1、c:3〜7)
2CaCO・Ca(OH)・1.5HO (化学式4)
本実施形態では、化学式2で表される化合物として化学式3で表される塩基性炭酸マグネシウムを用いたので、下記化学式6に従って過酸化マグネシウムを生成し、未反応の化学式3で表される塩基性炭酸マグネシウムと、当該塩基性炭酸マグネシウムの分解物である炭酸マグネシウム及び/又は水酸化マグネシウムが残留する。
MgCO・bMg(OH)・cO+d
→dRO+2dO+α (化学式6)
(a:3〜5、b:0〜1、c:3〜7、d≠0)
(α:未反応のaMgCO・bMg(OH)・cO又はその分解物を含む)
はゼロ以上であり、反応工程上原料と過酸化水素水とを混合することが出来る値である。
本実施形態では、上記反応を促進するため、塩基性炭酸マグネシウムを全量添加後、所定時間攪拌を行う。こうして、酸素徐放剤の原料として化学式2又は化学式3で表される化合物を用いることにより、アルカリ土類金属過酸化物を含み、酸素徐放性能を長期間維持できる酸素徐放剤を製造することができる。また、化学式2で表される化合物の量を調整することにより、酸素徐放性能を調整、すなわち長期間にわたって酸素を徐々に放出する物や、短期間で多量の酸素を放出する物を製造することができる。
酸素徐放剤の製造方法は、化学式2で表される化合物と、過酸化水素水と、を混合する工程の後に、酸素徐放剤を回収する工程をさらに有してもよい。酸素徐放剤を回収する方法は、特に制限はないが、例えば、反応液をブフナー漏斗で吸引濾過(吸引脱水工程)して酸素徐放剤を分離し、純水で洗浄した後、箱型乾燥器にて所定温度に所定時間保持して乾燥し(乾燥工程)、酸素徐放剤を回収する。乾燥温度は140℃以下が好ましく、50〜120℃がより好ましく、50〜100℃がさらに好ましい。
(2)酸素徐放剤の応用
本実施形態の酸素徐放剤は下記化学式7に従って酸素を長期にわたって緩やかに放出し、酸素徐放剤中の過酸化マグネシウムは徐々に減少する。
MgO+HO→(1/2)O+Mg(OH) (化学式7)
(2−1)汚染土壌の浄化方法
本実施形態の酸素徐放剤を汚染土壌の浄化方法に用いることができる。汚染土壌の環境下に酸素供給を行うべく、本実施形態の酸素徐放剤を汚染土壌に添加すると、酸素徐放剤は酸素を長期にわたって緩やかに放出し、酸素徐放性能を長期間維持することができる。この酸素が土壌中の好気性微生物を活性化し、好気性微生物が汚染物質を分解することによって、汚染土壌が浄化される。したがって、本実施形態の汚染土壌の浄化方法は、浄化性能を長期間維持することができる。また、酸素徐放剤はリンを含まないため、河川、港湾等の水中に溶出した場合でも環境負荷の大きいリン由来の富栄養化を生じない。さらに、汚染土壌に酸素徐放性能を添加する際に中和剤を添加する工程が不要になるため、汚染土壌の浄化方法を簡略にすることができる。
(2−2)植物の育成方法
本実施形態の酸素徐放剤を植物の育成に用いることができる。酸素徐放剤はリンを含まないため、植物培地におけるリンのみの増加を回避することができ、窒素、リン及びカリウムの3大栄養素のバランスを崩さない。さらに、土壌等の植物培地に酸素徐放性能を添加する際に中和剤を添加する工程が不要になるため、植物の育成方法を簡略にすることができる。
(2−3)水系の底質改善
本実施形態の酸素徐放剤を海底・湖底等(水系)の底質改善に用いることができる。酸素徐放剤による底質への酸素供給とアルカリ土類金属過酸化物から生成するアルカリ土類金属塩による底質のpH調整により、好気性細菌を活性化し、底質改善、例えば、硫化水素の発生を抑制することができる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
(1)酸素徐放剤の製造
35質量%、49gの過酸化水素水を20℃に設定した恒温槽内に複数用意した。過酸化水素水に、純度43%(MgO換算)、平均粒子径6.7μmの下記化学式3で表される塩基性炭酸マグネシウム14gを添加した。
MgCO・bMg(OH)・cO (化学式3)
(a:3〜5、b:0〜1、c:3〜7)
過酸化水素水に塩基性炭酸マグネシウムを全量添加後、20分間攪拌を行い、酸素徐放剤を製造した。反応液をブフナー漏斗で吸引濾過(吸引脱水工程)して酸素徐放剤を分離し、純水で洗浄した後、箱型乾燥器内にて90℃に3時間保持して乾燥し(乾燥工程)、酸素徐放剤を回収した。
比較例として、化学式3で表される塩基性炭酸マグネシウムの代わりに純度67%(MgO換算)、平均粒子径3.3μmの水酸化マグネシウム及び純度90%(MgO換算)、平均粒子径3.4μmの酸化マグネシウムをそれぞれ14g添加して酸素徐放剤を製造した。原料以外は塩基性炭酸マグネシウムのときと同じ処理を行った。
(2)評価方法
(2−1)マグネシウム化合物添加後の過酸化水素水の温度
塩基性炭酸マグネシウムを全量添加した後の過酸化水素水の温度を測定した。比較例として、水酸化マグネシウムを添加した後の過酸化水素水の温度を測定した。
(2−2)酸素徐放剤中のアルカリ土類金属過酸化物の濃度
40℃、相対湿度85%に設定した恒温恒湿槽内に酸素徐放剤を静置し、酸素徐放性能の加速試験を行った。恒温恒湿槽内に静置する前(測定開始時)、及び、所定日数経過した後、酸素徐放剤を分取し、酸素徐放剤及びそれに含まれるアルカリ土類金属過酸化物(RO、実施例では過酸化マグネシウム:MgO)を定量した。アルカリ土類金属過酸化物の定量には過マンガン酸カリウム適定を用いた。下記化学式8から、酸素徐放剤中のアルカリ土類金属過酸化物の濃度を求め、酸素徐放剤の酸素の放出性能を評価した。
酸素徐放剤中のROの濃度=RO/酸素徐放剤 (化学式8)
(2−3)アルカリ土類金属過酸化物の経時変化
測定開始時のアルカリ土類金属過酸化物(実施例は過酸化マグネシウム)の濃度に対する所定日数経過後のアルカリ土類金属過酸化物の濃度の比、即ち、アルカリ土類金属過酸化物の残存割合を求めることにより、アルカリ土類金属過酸化物の経時変化、即ち、酸素徐放剤の酸素徐放性能を評価した。
(3)評価結果
(3−1)マグネシウム化合物添加後の過酸化水素水の温度
図1に塩基性炭酸マグネシウム及び水酸化マグネシウムを添加後の過酸化水素水の温度の経時変化を示す。水酸化マグネシウムを添加した場合、発熱反応により過酸化水素水の温度が上昇しているのに対して、塩基性炭酸マグネシウムを添加した場合、過酸化水素水の温度はほとんど変化しておらず、急激な発熱がないため、酸素徐放剤を安全に製造できることがわかる。
(3−2)酸素徐放剤中のアルカリ土類金属過酸化物の濃度
測定開始時及び所定日数経過後の酸素徐放剤中の過酸化マグネシウムの濃度を表1に示す。
Figure 2017218361
水酸化マグネシウム又は酸化マグネシウムを原料とした場合(比較例)、22日以上経過後の過酸化物濃度の減少幅は3質量%以下であるのに対して、塩基性炭酸マグネシウムを原料とした場合、22日経過後の過酸化物濃度の減少幅が10質量%以上であり、酸素の放出性能が優れることがわかる。したがって、本実施形態の酸素徐放剤は汚染土壌の浄化方法や植物の育成方法に好適である。
(3−3)アルカリ土類金属過酸化物の経時変化
測定開始時(0日)の過酸化マグネシウムの濃度に対する所定日数経過後の過酸化マグネシウムの濃度の比(過酸化マグネシウムの残存割合)を表2に示す。
Figure 2017218361
水酸化マグネシウム及び酸化マグネシウムを原料とした場合(比較例)、22日経過後、残存割合が83%以上であり、かつ、残存割合の減少速度が10日以上経過後は緩やかになっているのに対して、塩基性炭酸マグネシウムを原料とした場合、22日経過後の残存割合が約60%であり、かつ、残存割合の減少速度が22日経過後も維持されており、酸素徐放性能が優れることがわかる。したがって、本実施形態の酸素徐放剤は汚染土壌の浄化方法や植物の育成方法に好適である。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれる。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、酸素徐放剤及びその製造方法並びに酸素供給方法等の構成及び動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形が可能であり、浄化方法の対象物についても汚染土壌に限定されず、酸素徐放剤の混合によって酸素濃度が上昇し、その特性が改善する物であれば、浄化方法の対象物に含まれる。植物の育成方法や水系の底質改善方法についても同様である。

Claims (4)

  1. 過酸化水素水と、下記化学式2で表される化合物と、を混合する工程を有することを特徴とする酸素徐放剤の製造方法。
    RCO・bR(OH)・cO (化学式2)
    (a:1〜5、b:0〜1、c:1〜7、R:アルカリ土類金属)
  2. 請求項1に記載の酸素徐放剤の製造方法において、
    前記化合物が下記化学式3で表される塩基性炭酸マグネシウム及び化学式4で表される塩基性炭酸カルシウムから選択される1又は2であることを特徴とする酸素徐放剤の製造方法。
    MgCO・bMg(OH)・cO (化学式3)
    (a:3〜5、b:0〜1、c:3〜7)
    2CaCO・Ca(OH)・1.5HO (化学式4)
  3. 請求項1又は2に記載の酸素徐放剤の製造方法によって製造されたことを特徴とする酸素徐放剤。
  4. 請求項3に記載の酸素徐放剤により酸素を供給することを特徴とする酸素供給方法。
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