JPH0640437U - 内燃機関のクランクジャーナル潤滑装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内燃機関のジャーナルプレーンベアリングに
おいて、エンジンの始動時においてジャーナル部に潤滑
不良を生じさせない手段を提供する。 【構成】 前記ジャーナルプレーンベアリングのローア
ベアリングにおいて、その両側下方縁部に、ベアリング
下部よりの潤滑油の流出を防ぐように構成されたベアリ
ング面の折り返しを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は内燃機関のジャーナルベアリングの潤滑装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の内燃機関のクランクシャフトの軸受部にプレーンベアリングを使用して いる型式のクランクシャフトジャーナルの潤滑については通常図３〜４に示すよ うな潤滑装置により行われている。図３（ａ）はクランクシャフトの斜視図を示 し、１はクランクシャフト、１１はクランクシャフトジャーナル、１２はクラン クピン、１３はクランクアームで、この場合ベアリングは上下に２分割され２は アッパジャーナルベアリング、３はローアジャーナルベアリングである。図３（ ｂ）は図３（ａ）のベアリング部分の部分拡大斜視図で７はジャーナルベアリン グキャップである。図４はこのジャーナルベアリング部分及びクランクシャフト ジャーナル部分の部分拡大図で図４（ａ）はその横断面説明図、図４（ｂ）は、 図４（ａ）のＢ−Ｂ断面図を示す。

【０００３】 上記の構成においてオイルパン８よりオイルポンプ（図示せず）によりシリン ダブロック内のオイルギャラリ４（図４（ａ))に圧送されたオイルは油路５を経 てジャーナルベアリング部に入り、上下に２分割されたベアリング（２，３）と クランクシャフトジャーナル１１との間の遊隙６にオイルを満たしてこの部分を 潤滑した後オイルはオイルパン８に戻される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記の構成による従来のクランクシャフトジャーナル１１の潤滑においては、 エンジンが停止時にオイルポンプも停止し、オイルギャラリ４内のオイルは自然 に落下してオイルパン８に戻るために、クランクシャフトジャーナル部のオイル も流出し、ベアリングの隙間６内に表面張力により僅かに残っている程度である 。したがって次のエンジン始動時においては、先づオイルポンプによりオイルギ ャラリ４内にオイルを満たした後に油路５を経てジャーナル部にオイルが供給さ れるために当初のジャーナル部へのオイルの供給が間に合わず油圧の立ち上がり が遅れ、ジャーナルベアリングの潤滑不良が生ずるという問題がある。 上記の問題点を解決するために、本考案においては、エンジンの始動時におい てジャーナル部における潤滑不良を生じさせないための手段を提供することを目 的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案においては、内燃機関のジャーナルプレ ーンベアリングにおいて、ローアジャーナルベアリングの両側下方縁部にベアリ ング面の折り返しを設け、ジャーナルベアリング下部よりの潤滑油の流出を防ぐ ように構成したクランクジャーナル潤滑装置を提供する。

【０００６】

【作用】

ローアジャーナルベアリングの下部はベアリング面の折り返しによりオイル溜 めが形成されているので常に潤滑油が満たされ、エンジン停止後もオイルが無く なることは無い。したがって、エンジンの始動時にはこのオイル溜め内のオイル によりジャーナルベアリングの潤滑が十分に行われ、潤滑不良となることは無い 。

【０００７】

【実施例】

本発明の実施例を図１〜２に基いて説明する。図において、前記図３〜４と共 通の部分については、同一の符号を付してある。 図１はジャーナルベアリング部分及びクランクシャフトジャーナル部分の部分 拡大図で、図１（ａ）はその横断面説明図、図１（ｂ）は図１（ａ）のＡ−Ａ断 面図を示す。 １はクランクシャフト、１１はクランクシャフトジャーナル、１３はクランク アーム、２はアッパジャーナルベアリング、３はローアジャーナルベアリング、 ４はオイルギャラリ、５は油路、６はクランクシャフトジャーナルとジャーナル ベアリングとの遊隙、すなわち、オイルクリアランス、７はジャーナルベアリン グキャップ、８はオイルパンである。上記の構成において、ローアベアリング３ の両側下方縁部に図示の通りのベアリング面の折り返し３１を設け、この折り返 しによりエンジン停止時においてローアベアリング下部よりオイルが全部流出す ることなくオイルが残留できるオイル溜めが設けられている。また、これに伴い クランクシャフトジャーナル１１とクランクアーム１３との境界面には、このベ アリング折り返しが当らぬように段差１４を設けられている。

【０００８】 図２に前記ローアジャーナルベアリング３の形状を示す。図２（ａ）はその正 面図、（ｂ）は側面図、（ｃ）は斜視図を示し、該ベアリングの下部にベアリン グ面の折り返し３１を設けて、オイル溜め３２を形成している。

【０００９】 上記の構成によりローアジャーナルベアリング３の折り返し３１の高さまでは オイルが常にオイル溜め３２の中に溜まっている。したがって、エンジン始動時 においては、このオイルによりクランクシャフトジャーナルベアリング部の潤滑 が行われることにより、従来のような潤滑不良を生ずることが無い。

【００１０】

【考案の効果】

本考案を実施することにより、クランクシャフトのローアジャーナルベアリン グ下部に常に一定量の潤滑油が保持され、これにより、エンジン始動時において も従来のようなオイルの流失による潤滑不良を生ずることが無く、クランクシャ フトジャーナル部に良好な潤滑が行われる。 また、上記のための装置は構造が簡単であり、コスト的にも有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例のジャーナルベアリング部分及
びクランクシャフトジャーナル部分の部分拡大図を示
し、図１（ａ）はその横断面説明図、図１（ｂ）は図１
（ａ）のＡ−Ａ断面図である。

【図２】前記実施例におけるローアジャーナルベアリン
グの形状を示し、図２（ａ）はその正面図、図２（ｂ）
は側面図、図２（ｃ）はその斜視図である。

【図３】従来の、軸受部にプレーンベアリングを使用し
ているクランクシャフトの斜視図を示し、図３（ａ）は
クランクシャフト及びベアリングの分解斜視図、図３
（ｂ）はクランクシャフトベアリング部分の部分拡大斜
視図である。

【図４】従来のクランクシャフトジャーナル部分及びジ
ャーナルベアリング部分の部分拡大図を示し、図４
（ａ）はその横断面説明図、図４（ｂ）は図４（ａ）の
Ｂ−Ｂ断面図である。

【符号の説明】

１…クランクシャフト １１…クランクシャフトジャーナル １２…クランクピン １３…クランクアーム １４…段差 ２…アッパジャーナルベアリング ３…ローアジャーナルベアリング ３１…ベアリング面の折り返し ３２…オイル溜め ４…オイルギャラリ ５…油路 ６…オイルクリアランス ７…ジャーナルベアリングキャップ ８…オイルパン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 内燃機関のジャーナルプレーンベアリン
   グにおいて、ローアジャーナルベアリング（３）の両側
   下方縁部にベアリング面の折り返し（３１）を設け、ジ
   ャーナルベアリング下部よりの潤滑油の流出を防ぐよう
   に構成したことを特徴とする内燃機関のクランクジャー
   ナル潤滑装置。