JPH0640317A - 制動制御装置 - Google Patents

制動制御装置

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JPH0640317A
JPH0640317A JP19836692A JP19836692A JPH0640317A JP H0640317 A JPH0640317 A JP H0640317A JP 19836692 A JP19836692 A JP 19836692A JP 19836692 A JP19836692 A JP 19836692A JP H0640317 A JPH0640317 A JP H0640317A
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秀明 井上
Hirotsugu Yamaguchi
博嗣 山口
Shinji Matsumoto
真次 松本
Naoki Maruko
直樹 丸古
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ヨーレイトF/B制動力制御でヨーレイト偏
差の小さな時に作動を禁止する不感帯を設定する場合
に、大きめの不感帯による作動頻度等の適切な低減と、
不感帯による制御不連続性の軽減との両立を実現する。 【構成】 装置のコントロールユニットは、制御開始前
まではヨーレイト偏差εが不感帯設定用の所定値ε0
越えるか否かを判断する(ステップ104, 105) 。値ε0
は大きめに設定しておくことができる。値ε0 を越える
までは左右制動力差制御の作動を禁止する(同106, 10
8, 109)。一方、一度その不感帯を越え、偏差εに応じ
た目標左右差ΔP(S)に基づき左右の制動力に差をつ
ける制御に突入すると(同104, 105, 107, 108, 109)、
以後制動終了までその不感帯を充分な値にまで小とす
る。例えば、不感帯をゼロとする(同110, 111) 。当初
の不感帯は大きくでき、かつ、制動レーンチェンジでも
制御の不連続は発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の制動力制御装置
に関し、特に制動力を調整し車両挙動を制御する場合に
いわゆる制御不感帯を設定して制動力制御を行う制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】制動力制御装置として、例えばヨーレイ
トフィードバック(F/B)ABSにおいて、ヨーレイ
トをフィードバックして制動力を調整して車両挙動を制
御するにあたり、西独公開特許3,731,756 に記載された
ごとくF/B制御での偏差が小さい場合には制動力の調
整を行わない、いわゆる不感帯を設けるものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような不感帯
は、これを設定することにより制御系のアクチュエータ
の作動頻度を下げることができるものであるが、しか
し、その設定する不感帯の大きさが適切でなく、不感帯
が小さい構成であると、その分、アクチュエータを作動
させて制動力を調整する頻度は高まり、従って、不感帯
を大きく設定した場合に比し、例えばアクチュエータの
耐久性が問題となり、また、アクチュエータの作動音等
がドライバに不快感を与えるといった可能性も大きくな
る。
【0004】その一方、かかる不感帯を大きく設定する
と、上記の点は解消できるものの、制御の不連続が発生
し易く、制動力制御により車両挙動の乱れを改善し操安
性を向上させようとする本来の機能を発揮させにくくす
る場合が生ずる。
【0005】図8は後記でも参照するが、ヨーレイトF
/B制動力制御において目標ヨーレイトと実ヨーレイト
とのヨーレイト偏差εに基づき制動力を制御する(目標
値に対し実際値が下回っている、あるいは上回っている
かに応じ回頭性をあるいは安定性を高めるよう車両の挙
動を制御する)場合に、その偏差εにつき、±ε0 の制
御不感帯を設定したシステムでの制動レーンチェンジの
ときのタイミングチャートを示してある。
【0006】ヨーレイトF/B制動力制御は、そのよう
なレーンチェンジにおいても、車両の操安性向上に効果
を発揮し得るものであるところ、同図にみられるよう
に、不感帯をつけると、その制動レーンチェンジの場合
に、特にハンドル切り返しのときに、制御が不連続とな
り、その不連続性はフィーリングの悪化等の要因とな
る。この現象は、不感帯の幅(大きさ)−ε0 〜+εを
大きめに設定すれば、それだけ顕著なものになることと
なり、制御性にも影響を与えることになる。従って、不
感帯を設定する場合、それを小さく設定して上記のよう
な制御の不連続等を避けようとすることと、不感帯を大
きめに設定してできるだけアクチュエータの作動頻度等
を少なくしようということとは、両立しがたい。
【0007】また、上記のような不感帯を設定するにあ
たり、いわゆるヒステリシスを設けるということが考え
られる。図9はその場合の例を示してあり、同図(a)
は、偏差εがε0 を越えたら制御ON(作動)とするも
のの、制御中からのOFF(非作動)方向への切換えに
ついては、偏差εがε=0(図示では、OFFは極端な
場合としてゼロとしてある例である)となったら、制御
OFFとするものである。
【0008】しかしながら、このようなヒステリシスを
不感帯に適用したとしても、同図(b)に示す如くに、
依然として制御の不連続は残ることとなり、不感帯を設
定することにより制動レーンチェンジ等でのフィーリン
グの悪化、制御性の低下を根本的に解消する手段とはな
り得ず、同様に、前述した2つの面からの両立を図るこ
ともできない。
【0009】本発明の目的は、従って、いわゆる制御不
感帯を設定する場合に、制御の作動頻度をそれによって
所望の程度に下げることもできると共に、たとえ制動レ
ーンチェンジ等でも制御の不連続に起因するフィーリン
グの悪化等をも防止し得て、容易にそれらの両立を図る
ことのできる制動力制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によって、下記の
制動力制御装置が提供される。舵角を含む車両の走行状
態に基づき目標ヨーレイトを算出する目標ヨーレイト算
出手段と、車両の発生ヨーレイトを検出するヨーレイト
検出手段と、前記目標ヨーレイトと発生ヨーレイトとの
偏差を算出する偏差算出手段と、該偏差に応じて制御対
象車輪の目標制動力を算出する目標制動力算出手段と、
かく算出される目標制動力となるように車輪制動力を制
御する制動力制御手段とを有する制動力制御装置であっ
て、前記制御手段は、前記偏差が第1の所定値をこえる
まではその作動を禁止し、前記偏差が該第1の所定値を
こえた場合には、制動終了が検出されるまでは第1の所
定値をより小さな値である第2の所定値に変更する変更
手段を有する制動力制御装置である。
【0011】
【作用】本制動力制御装置では、その目標ヨーレイト算
出手段で算出される目標ヨーレイトとそのヨーレイト検
出手段で検出の発生ヨーレイトとの偏差が偏差算出手段
により算出されると共に、目標制動力算出手段が該偏差
に応じて制御対象車輪の目標制動力を算出し、かく算出
される目標制動力となるように制動力制御手段が車輪制
動力を制御するところ、制御手段は、上記偏差が第1の
所定値をこえるまではその作動を禁止する一方、上記偏
差が第1の所定値をこえた場合には、制動終了が検出さ
れるまでは第1の所定値をより小さな値である第2の所
定値に変更する。よって、制御開始までは非作動域(い
わゆる不感帯)はこれを大きめに設定しておくことがで
きる上に、一旦それをこえて制御が開始され実行されれ
ば、制動が終了するまではその非作動域(不感帯)を充
分な値まで小さくし得、従って、たとえ制動レーンチェ
ンジの切り返しにあっても制御の不連続によるフィーリ
ングの悪化防止を実現でき、しかも同時に、制御の不所
望な作動の低減も達成でき、両者の両立を図ることを可
能ならしめる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図2は本発明装置の一実施例を示す。左右前
輪10, 11はステアリングホイール14により転舵されて車
両を操舵し、左右後輪12, 13はプロペラシャフト16及び
ディファレンシャルギヤ17を介しエンジン駆動されて車
両を走行させる。
【0013】図中、18はブレーキペダル、19は倍力装
置、20はマスターシリンダで、ブレーキペダル18の踏込
力に応じたマスターシリンダ20からのマスターシリンダ
液圧P m は、コントロールユニット21と共に制動力制御
装置を構成するアクチュエータ22に供給する。アクチュ
エータ22はコントロールユニット21による制御下でアン
チスキッド作動時はマスターシリンダ液圧Pm の一方を
後輪12, 13がロックしないよう調圧しつつ夫々のホイー
ルシリンダ23, 24に共通の後輪制動液圧(ブレーキ液
圧)PR として供給し、マスターシリンダ液圧Pm の他
方を前輪10, 11がロックしないよう個々に調圧しつつ夫
々のホイールシリンダ25, 26に個々の前輪制動液圧(ブ
レーキ液圧)P1 ,P2 として供給する。なお、後輪制
動液圧PR の供給系にはプロポーショニングバルブ(P
バルブ)27を挿入する。
【0014】アクチュエータ22は各供給系に液圧制御用
の電磁弁を備え、これら電磁弁をもってコントロールユ
ニット21からの制動液圧制御信号に応じ制動液圧PR ,
1,P2 を個々に制御し、ホイールシリンダ圧の調整
をなす。各電磁弁は、既知のアンチスキッド制御(AB
S制御)用の減圧、保圧(保持)、増圧制御可能なON
・OFF制御型の三位置電磁弁を使用し、減圧位置の時
対応液圧を減圧し、保圧位置の時対応液圧を保持し、増
圧位置の時対応液圧を元圧であるマスターシリンダ液圧
m に向け増圧するものとする。
【0015】コントロールユニット21には、後2輪12,
13の平均回転数であるプロペラシャフト16の回転数を検
出する後輪回転センサ28からの回転数信号、左前輪10の
回転数を検出する左前輪回転センサ29からの回転数信
号、及び右前輪11の回転数を検出する右前輪回転センサ
30からの回転数信号を入力すると共に、ステアリングホ
イール(ハンドル)14の回転角(舵角)θを検出する舵
角センサ15からの信号、及び車両の実ヨーレイト(d/
dt)φを検出するヨーレイトセンサ31(ヨーレイト検
出手段)からの信号を入力する。コントロールユニット
21にはまた、ブレーキスイッチ(SW)32からの信号、
及びマスターシリンダ液圧Pm を検出するマスターシリ
ンダ液圧センサ33からの信号を入力する。
【0016】制動力制御手段に相当するコントロールユ
ニット21はマイクロコンピュータを含み、基本的には、
制動時、ヨーイングモーメントにより車両挙動の制御を
行うときは、目標ヨーレイトと実際のヨーレイトとの偏
差に応じ車両挙動を目標の特性になるようヨーレイトF
/B方式による制動力制御を行う。
【0017】即ち、コントロールユニット21は、その演
算処理回路において後述の制御プログラムに従い、舵角
及び車速等から目標ヨーレイトを算出すると共に、目標
ヨーレイトと実際のヨーレイトとの偏差を算出し、その
ヨーレイト偏差に応じてここでは前輪左右で制動力差を
発生させるべく左右輪の目標制動力差(目標液圧差)を
算出し、その目標値になるように制御対象車輪のホイー
ルシリンダ圧をアクチュエータ22によって調整するよう
制動力差制御を実行する。また該当するときはアンチス
キッド制御を実行するよう、アクチュエータ22に対する
制御も行う。なお、本実施例では、目標ヨーレイト算出
手段、偏差算出手段、目標制動力算出手段は、夫々コン
トロールユニット21の一部が相当する。
【0018】通常のアンチスキッド制御については、車
輪回転数から基準車輪回転数を各輪毎に算出し、その基
準車輪回転数と実際の車輪回転数とから車輪スリップ率
を算出して、その車輪スリップ率に応じてホイールシリ
ンダ圧を調整することによって行うことができる。
【0019】コントロールユニット21はまた、上記ヨー
レイトF/B制御に関しては、制御不感帯を設定し、そ
の制動力の調整機能の作動を一定条件下で禁止する制御
をも行うと共に、その非作動域の変更制御をも実行す
る。即ち、前記ヨーレイト偏差を監視し、それが第1の
所定値を越えるまではその制動力差制御の作動を禁止す
ることとする一方、一度、該偏差が第1の所定値を越え
ることとなった場合には、その制動力制御開始後、制動
終了が検出されるまでは第1の所定値をより小さな値で
ある第2の所定値に変更する(不感帯変更)。従って、
本実施例では、かかる変更手段も、コントロールユニッ
ト21の一部が相当する。
【0020】ここに、上記変更制御については、好適例
では第2の所定値が値0、即ち実質的に不感帯をゼロと
するよう切換えることによって行うことができ、また制
動終了検出はブレーキSWのOFF検知で行うことがで
きる。
【0021】図3,4は、コントロールユニット21内の
マイクロコンピュータにより実行される上記の作動禁止
域の切り換え処理を含む制動力制御プログラムの一例を
示すフローチャートである。本プログラムは一定時間毎
に実行される。
【0022】図3において、まず、ステップ100 では、
各センサ及びブレーキSWからの信号に基づき、舵角
θ、ヨーレイト(d/dt)φ、車輪回転数ωi (i=
1,2,R)、マスターシリンダ圧Pm 、ブレーキSW
のON,OFF情報を読み込む。次に、ステップ101 で
目標ヨーレイト(d/dt)φM の算出を行う。
【0023】ここでは、舵角θと車速V(Vは、ABS
制御で行なわれている手法により、車輪回転数を用いて
車体速(擬似車速)を算出し、これを車速値Vとする)
とから、例えば図5に示すような特性に基づいて定常的
なヨーレイト(d/dt)φ O を算出し、その定常ヨー
レイト(d/dt)φO (=f(θ,V))に1次のフ
ィルタをかけた値のものを目標ヨーレイト(d/dt)
φM とし、次式に従って算出するものとする。
【数1】 (d/dt)φM =(d/dt)φO /(1+τs) ---(1) ここに、τは1次のフィルタの時定数(本実施例では70
ms)で、sはラプラス演算子を表す。
【0024】次いで、ステップ102 で目標ヨーレイト
(d/dt)φM と実ヨーレイト(d/dt)φとの偏
差εを、次式
【数2】 ε=(d/dt)φM −(d/dt)φ ---(2) により算出する。次のステップ103 では、上記の如くに
得られる偏差εにより前輪左右に発生すべき制動力差Δ
P(S)を算出する。ここに、図6は、上記偏差εに応
じて設定される左右の制動力差の目標値ΔP(S)の特
性の一例を示し、これに基づいて上記算出を行う。
【0025】続くステップ104 (図4)では、フラグF
L がセット(=値1)されているか否かを判断する。該
フラグFL は、値1で本制動力差制御が動作しているこ
とを意味するもので、具体的には、一度その制動力の左
右差調整の制御に突入するとその制御開始のタイミング
でセットされ(ステップ107)、かくて一旦セットされた
後は後述のステップ111 でリセット(=値0)される
(本プログラム例ではブレーキSWがOFFするとリセ
ットされる)フラグである。
【0026】上記ステップ104 でのチェックの結果、フ
ラグFL がリセットされていると、従って左右制動力差
制御の開始前ならステップ105 へ進む一方、答えがYe
sでセットされていれば、即ち左右制動力差制御が既に
開始されているときは、ステップ110 へ処理を進める。
【0027】ステップ105 では、前記ステップ103 で求
めた偏差εの絶対値が所定値ε0 より大きいか否かを判
断し、その答えがYESの場合は、即ち偏差εが大きけ
れば当該偏差εに応じて算出した左右制動力差の目標値
ΔP(S)はその算出値のままの状態で、ステップ107
でフラグFL をセットしてステップ108 以下へ進む一
方、偏差εが小さければ、ステップ106 でΔP(S)を
ゼロにしてステップ108へ処理を進める。
【0028】ここに、上記偏差εに関しそのチェックの
ための所定値ε0 は不感帯を設定するためのものである
が、これについてはアクチュエータ22の作動頻度をでき
るだけ下げようとの観点から、若干大きめの値に設定し
てある。このように、かかる値ε0 を任意に大きめの値
にして、本制動力差制御に入りにくくすることができる
上、後述の不感帯変更処理により制御の不連続性回避と
いう面との両立も図ることができる。本実施例では、所
定値ε0 はε0 =5 deg/sとするものとする。
【0029】ステップ108 は、当該時点で得られている
制動力差目標値ΔP(S)に従って、マスターシリンダ
圧Pm 値を基準として、前輪左右のホイールシリンダ圧
の目標値P1 (S) ,P2 (S) を次式によって算出し、決
定する処理である。
【数3】P1 (S) =Pm −ΔP(S) ----(3a) P2 (S) =Pm +ΔP(S) ----(3b) ただし、P1(S),P2(S) ≦Pm
【0030】本実施例では、後輪はいわゆる1チャンネ
ル方式なので、左右圧力制御は行なわれず(ABSにつ
いても、通常のABSのみ行う)、また、TCSのよう
な増圧機能を有しないため、制御対象ホイールシリンダ
圧はマスターシリンダ圧以上に上げられず、従って、目
標圧の設定は上記の如きものとなる。続くステップ109
は、その目標圧P1 (S) ,P2 (S) になるようにアクチ
ュエータ22の前輪左右の対応する電磁弁をON−OFF
してホイールシリンダ圧を調整制御する処理であり、こ
れにより該当するときは左右制動力差制御を実行する。
【0031】上述のようにしてステップ104 →ステップ
105 →ステップ106 →ステップ108,109 で処理が進めら
れると、ステップ106 でΔP(S)=0と再設定される
結果、上記式3a, 3bの右辺第2項は値0で、従って偏差
εが所定値±ε0 を越えるまでは、即ち例えば図7のケ
ースでεが±ε0 の範囲内で収まるか、あるいは偏差ε
があってもその±ε0 の不感帯を越えていない時刻t1
までは、左右の制動力の調整機能の作動は禁止され、前
輪左右のホイールシリンダ圧P1,P2 はともにブレーキ
ペダルの踏込みにより発生するマスターシリンダ圧Pm
のままとなる。その間、制御は作動せず、アクチュエー
タ22のON−OFF電磁弁の作動音も発生しない。な
お、図7は制動レーンチェンジのケースで、時刻t0
ブレーキペダルが踏込まれ、ドライバはレーンチェンジ
を行うべくステアリングホイールを操作している。
【0032】一方、図7に示すように、一度、偏差εが
所定値ε0 を越えることとなる場合には、そのタイミン
グ(時刻t1 )で左右制動力差制御が開始され(ステッ
プ104 →105 →107 →108 →109 )、偏差εに応じて求
められている制動力差目標値ΔP(S)がそのまま式3
a, 3bに適用される。
【0033】即ち、ステップ107 が実行され、フラグF
L がセットされる結果、次回ループ以後は、ステップ10
4 からは、前記ステップ105 の偏差εについての所定値
ε0に関するチェック処理は経ないで、前記ステップ10
8, 109が実行されることとなる。ステップ104 でフラグ
L がセットされていると(これは、既述のように、一
度、偏差εが所定値ε0 をこえたことを意味してい
る)、ステップ110 へ進み、本実施例では、ここでブレ
ーキSW32がONしているか否かを判断し、ONしてい
れば、ブレーキ操作中で制動が終了していないと判断し
て、そのままステップ108 以下が実行され、従って目標
となる左右制動力差が生成され、その時のヨーレイト偏
差εに応じた車両挙動制御が遂行される。
【0034】このようにして、一旦制御が作動すると、
本プログラム例では、直接ステップ110 からステップ10
8 へ進む結果、不感帯は実質的にゼロ(不感帯を設けな
い状態と同様の作動)となり、制御期間中は制御の不連
続性を生じないで制動力差制御が行われていくことにな
る(図7)。しかして、ステップ110 でブレーキSW32
のOFFが検出されたならば、そこで制動が終了したと
判断し、そのときはステップ111 においてフラグFL
リセットし、これによりリセット後の次回ループ以降
は、再び、フラグFL がセットされない限り、常に、作
動の禁止はステップ104 からステップ105 へ進む過程で
その所定値ε0 に基づき判断することとする。
【0035】以上のような制御により、制御不感帯を設
定する場合においても、当初はその不感帯を大きめに設
定しておき、一度、その不感帯を越えて左右の制動力に
差をつける調整が行われると、制動が終了するまで、不
感帯を充分な値まで小さくする(本例では、不感帯をゼ
ロとする)ことができる。従って、たとえ制動レーンチ
ェンのハンドル切り返しのときでも、本制御に従えば、
図7に示すように、図8や図9の場合のようには制御が
不連続となることも避けられ、不連続によるフィーリン
グの悪化を防止することができる。図8,図9におい
て、そのε0 値を本プログラム例のステップ105 で適用
する比較値としてのε0 値と同様に大きめの値とすれば
するほど、より不連続性が大きなものとなるのに対し、
本制御では、そのようなこともなく、しかも不感帯を大
きめに設定してアクチュエータの作動頻度を少なくした
いということも同時に実現できる。
【0036】本実施例では、ドライバによるブレーキ操
作には始まりがあれば終りがあることに着目し、ブレー
キペダルの踏込み、及びドライバがブレーキペダルを離
す時点を夫々その始期、終期ととらえ、これを利用し
て、ブレーキ作動中に一度でも偏差εがε0 を越えるよ
うならその後は、即ち図7の時刻t1 後は、そのブレー
キ操作中は操舵応答安定性を重視して不感帯をゼロとす
ることもでき、よって、その制御開始後は全く不連続性
を発生させないようにすることもできる上、ドライバ自
身がその意思によって制動状態を解けば、そのときから
は、制御上、所望の大きめの不感帯がつけられるのであ
り、アクチュエータ22の耐性の点やその作動音等の軽減
という面と、車両挙動を制動力制御の実行によって制御
するという本来の機能を適切に発揮させ、実現するとい
う面との両者を高度に両立させることができる。
【0037】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。例えば、上記では3チャンネルのABS搭
載車に前輪制動力差制御を適用した場合であるが、4チ
ャンネルのABSシステムの制動力制御系等、その他に
も広く適用できるし、非ABS車の制動力制御に適用で
きることも勿論である。また、制動終了検出手段をブレ
ーキSWとしたが、それは、これと共にまたはこれに代
えて車速ゼロで検出するようにしてもよい。更に、上記
では制御開始後の非作動域の変更は、不感帯をゼロとす
ることによって行ったが、不感帯をゼロとする態様に限
られるわけではなく、より小さな値に変更する態様で実
施することができる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、制動力制御にいわゆる
不感帯を導入するにあたり、制御の作動頻度を所望の程
度にまで下げるようにしつつ、かつ、制動レーンチェン
ジでも制御の不連続によるフィーリングの変化、制御性
の低下を避けつつ、不感帯を設定することができ、容易
にそれらの両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明制動力制御装置の概念図である。
【図2】本発明装置の一実施例を示すシステム図であ
る。
【図3】同例におけるコントロールユニットの制御プロ
グラムの一例を示す図で、その一部を示すフローチャー
トである。
【図4】同じく、他の一部を示すフローチャートであ
る。
【図5】同プログラムに適用できる目標ヨーレイトの設
定のための定常ヨーレイト特性の一例を示す図である。
【図6】同じく、ヨーレイト偏差に応じ設定する左右制
動力差の特定の一例を示す図である。
【図7】制御内容の説明に供するタイミングチャートの
一例を示す図である。
【図8】不感帯を設定した場合の制動レーンチェンジ等
での作動の説明に供する図である。
【図9】ヒステリシスを更に適用した場合での作動内容
を説明する図である。
【符号の説明】
10, 11 前輪 12, 13 後輪 14 ステアリングホイール 15 舵角センサ 17 ディファレンシャルギヤ 18 ブレーキペダル 20 マスターシリンダ 21 コントロールユニット 22 アクチュエータ 23〜26 ホイールシリンダ 27 プロポーショニングバルブ 28 後輪回転センサ 29 左前輪回転センサ 30 右前輪回転センサ 31 ヨーレイトセンサ 32 ブレーキスイッチ 33 マスターシリンダ圧センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸古 直樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵角を含む車両の走行状態に基づき目標
    ヨーレイトを算出する目標ヨーレイト算出手段と、車両
    の発生ヨーレイトを検出するヨーレイト検出手段と、前
    記目標ヨーレイトと発生ヨーレイトとの偏差を算出する
    偏差算出手段と、該偏差に応じて制御対象車輪の目標制
    動力を算出する目標制動力算出手段と、かく算出される
    目標制動力となるように車輪制動力を制御する制動力制
    御手段とを有する制動力制御装置であって、 前記制御手段は、前記偏差が第1の所定値をこえるまで
    はその作動を禁止し、前記偏差が該第1の所定値をこえ
    た場合には、制動終了が検出されるまでは第1の所定値
    をより小さな値である第2の所定値に変更する変更手段
    を有することを特徴とする制動力制御装置。
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JPH042558A (ja) * 1990-04-17 1992-01-07 Toyota Motor Corp トラクションステア装置

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