JPH0640234A - 自動車用空調装置 - Google Patents

自動車用空調装置

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JPH0640234A
JPH0640234A JP24539192A JP24539192A JPH0640234A JP H0640234 A JPH0640234 A JP H0640234A JP 24539192 A JP24539192 A JP 24539192A JP 24539192 A JP24539192 A JP 24539192A JP H0640234 A JPH0640234 A JP H0640234A
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光明 萩野
Junichiro Hara
潤一郎 原
Yuji Ishihara
裕二 石原
Hiroaki Sasaki
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 乗員が風量を自動制御から手動制御に切り替
えるたびに、風量制御特性を補正して、自動制御時の風
量を乗員の気流感に適したものとする。 【構成】 空調装置本体1が駆動され、空調風が風量自
動制御で車室内に吹き出されている状態において、乗員
がブロアファンスイッチ46を操作し、風量が自動制御
から手動制御に切り替えられるたびに、最大風量からそ
れ以下の風量に切り替えられたとき、または、最大風量
以下の風量から最大風量に切り替えられたとき、制御装
置50に記憶された風量制御特性中の最大風量切り替え
値F,Jを、ブロアファンスイッチ46の操作時の目標
吹き出し温度Tofにもとづいて補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動的に車室内の空調状
態を目標空調条件に調節する自動車用空調装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用空調装置の中には、乗員の操作
で設定された設定室温,車室内に設けられた室温センサ
で検出された室温(以下単に検出室温という),車体に
設けられた日射量センサで検出された日射量,車体に設
けられた外気温センサで検出された外気温などの車室内
外の熱環境情報により、最適な目標空調条件としての目
標吹き出し温度を演算し、この目標吹き出し温度にもと
づいて、予め設定された風量制御特性により、空調風を
車室内に吹き出すことにより、車室内の空調状態が目標
空調条件となるようにする、所謂自動空調装置(オート
エアコン)が知られている。
【0003】この自動空調装置における風量自動制御を
説明すると、室温センサ,外気温センサ,室温設定器,
日射量センサなどからの検出室温Tic,外気温Tam
b,設定室温Tset,日射量Qsunを、目標吹き出
し温度式、 Tof=A×Tic+B×Tamb+C×Tset+D
×Qsun+E、 (A,B,C,D,Eは定数) に代入して、目標吹き出し温度Tofを演算する。そし
て、目標吹き出し温度Tofにより、図16に示す風量
制御特性からブロアファンモータ印加電圧Vfanを演
算し、このブロアファンモータを駆動することにより、
風量を自動制御している。
【0004】この目標吹き出し温度Tofとは、自動空
調装置の制御指標として一般に用いられているものであ
り、ある熱環境時に、車室内温度を設定温度Tsetと
するために必要な吹き出し温度として意味づけられてい
る。したがって、目標吹き出し温度Tofが低いほど、
車室内温度が高く、冷房負荷が高いことを意味し、目標
吹き出し温度Tofが高いほど、車室内温度低く、暖房
負荷が高いことを意味している。
【0005】よって、図16に示す風量制御特性におい
て、目標吹き出し温度Tofが、冷房側での最大風量切
り替え値Fよりも低い場合と、暖房側での最大風量切り
替え値Jよりも高い場合には、それぞれ冷房あるいは暖
房の負荷が高いと見ることができるので、ブロアファン
モータ印加電圧Vfanを車両の電源で最大レベルVm
ax(例えば、12V)に設定する。また、冷房側での
最小風量切り替え値G<目標吹き出し温度Tof<暖房
側での最小風量切り替え値Hでは、予め設定された低レ
ベルVLとなるように、目標吹き出し温度Tofの増減
に応じて、予め設定された高レベルVHと低レベルVL
を結んだ直線上の値をとるように、ブロアファンモータ
印加電圧Vfanを設定する。
【0006】したがって、上記風量自動制御によれば、
例えば、夏の炎天下駐車後の冷房初期などのように、冷
房負荷が非常に高い場合には、ブロアファンが最大能力
で駆動し、所謂、クールダウン(急速冷房)が行われ
る。そして、車室内温度が低下し、目標吹き出し温度T
ofが上昇して冷房側での最大風量切り替え値Fとなる
と、ブロアファンモータ印加電圧Vfanは、最大レベ
ルVmaxから高レベルVHへ降下し、その後、目標吹
き出し温度Tofの上昇に伴って徐々に下がって行く。
【0007】しかし、人間の温冷感の中でも気流に対す
る好みは、個人差が激しい項目の1つである。例えば、
冷房時において、最大風量での吹き出し風を嫌う乗員
は、目標吹き出し温度Tofが最大風量切り替え値Fに
到達する前に(目標吹き出し温度Tofが最大風量切り
替え値F以下で)、ブロアファンスイッチを操作して、
ブロアファンモータ印加電圧Vfanを落として、吹き
出し風量を落とす。このような乗員は、クールダウン時
には、ブロアファンスイッチを頻繁に操作し、風量自動
制御での効果を十分に受けることができない。
【0008】そこで、例えば、特開平3−54015号
公報に開示されているように、風量制御特性を乗員の感
覚に合わせて順次補正していく自動空調装置が提案され
ている。この自動空調装置では、目標吹き出し温度To
fが風量制御特性に設定されている最大風量切り替え値
Fに到達する前に、乗員がブロアファンスイッチを操作
し、ブロアファンモータ印加電圧Vfanを最大レベル
Vmaxよりも低い電圧に落とした場合には、一定の値
に設定された補正値αを最大風量切り替え値Fから減算
した値を新しい最大風量切り替え値F=F−αとして更
新し、次回のクールダウン制御時には、この新しい最大
風量切り替え値F=F−αを使用する。逆に、乗員が、
初めの最大風量切り替え値Fよりも高い目標吹き出し温
度Tofで、ブロアファンモータ印加電圧Vfanを再
び最大レベルVmaxに修正した場合には、最大風量切
り替え値Fに補正値αを加算した値を新しい最大風量切
り替え設定値F+αとして更新するようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
3−54015号公報に開示された自動車用空調装置で
は、補正値αが一定値になっているので、風量制御特性
が乗員の期待どうりに修正されない場合が生じる。つま
り、この自動車用空調装置では、最大風量値切り替え値
Fを修正できる機会は、炎天下放置後の乗車初期の車室
内温度が高温である場合で、しかも、一度の乗車中1回
に限られている。しかも、一旦、最大風量切り替え値が
更新された場合には、次回の乗車時には更新された最大
値切り替え値F=F−α、または、F=F+αが採用さ
れる。
【0010】しかし、たった1回だけ、一定の補正値α
を修正しただけで、その乗員に最適な風量制御特性に変
更されるとは限らず、その更新最大値切り替え値F=F
−α、または、F=F+αが気に入らない場合には、再
び、次回の乗車時に、ブロアファンスイッチを操作する
ことになる。
【0011】ところが、ブロアファンスイッチ操作時の
目標吹き出し温度Tofと最大切り替え値値Fとの差が
大きい場合でも、差が小さい場合でも、一定の補正値α
だけの修正であるため、風量を大きく修正して欲しい乗
員であっても、逆に、少しだけ修正して欲しい乗員であ
っても、1回のブロアファンスイッチの操作では、全く
同じ量しか自動的に修正されないことになる。
【0012】そのため、大きく修正して欲しい乗員は、
何回もブロアファンスイッチの操作を繰り返すことにな
り、あまり修正して欲しくない乗員は修正量が大きすぎ
て、再び、元の最大風量切り替え値Fに戻す操作を行う
必要があり、乗員の気流感に対する個人差を十分に満足
するには不十分であった。
【0013】そこで、本発明は、乗員が風量を自動制御
から手動制御に切り替える風量変更情報に応じて、風量
制御特性を補正することにより、自動制御時の風量を乗
員の気流感に適したものとすることを課題にしている。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図1に示
すように、熱環境情報検出手段aから入力された検出室
温,外気温,日射量,設定室温などの車室内外の熱環境
情報により、目標空調条件を演算し、車室内の空調状態
が前記目標空調条件となるように、空調装置本体の送風
手段bを駆動して車室内を空調する風量自動制御手段c
を備えた自動車用空調装置において、乗員の操作により
空調風の風量を自動制御とするか手動制御とするかが選
択可能な風量制御選択手dと、この風量制御選択手段d
の自動制御から手動制御への切り替えにより最大風量か
らそれ以下の風量へと変更されるかあるいは最大風量以
下の風量から最大風量へと変更されたときの目標空調条
件を風量変更情報として記憶する風量変更情報記憶手段
eと、この風量変更情報記憶手段eからの風量変更情報
に応じて前記風量自動制御手段dの最大風量からそれ以
下の風量への切り替え値、あるいは、最大風量以下の風
量から最大風量への切り替え値などの最大風量切り替え
値を補正する風量特性補正手段fと、を備えている。
【0015】第2の発明は、第1の発明において、風量
変更情報記憶手段eに、常に最新の数回分の風量変更情
報を記憶する手段を設けてある。
【0016】第3の発明は、第1の発明において、風量
制御特性補正手段fに、前記風量変更情報記憶手段eに
記憶されている個々の風量変更情報に対して、前記熱環
境情報から演算された目標空調条件を変数とし、常に現
時点の最大風量切り替え値を平均値としたほぼ正規分布
関数によって個々の風量変更情報の重みを演算し、この
重みと、個々の風量変更情報と最大風量切り替え値との
偏差とから演算される補正項により、最大風量切り替え
値を補正する手段を設けてある。
【0017】第4の発明は、第3の発明において、風量
制御特性補正手段fに、補正終了後の経過時間,風量の
手動制御切り替えの操作量,空調制御の使用開始からの
経過時間などから風量制御特性に対する乗員の満足度を
演算し、この満足度に応じて前記正規分布関数に対する
重みの分散を逆比例の関係で設定する手段を設けてあ
る。
【0018】第5の発明は、第1の発明において、風量
制御特性補正手段fに、補正された最大風量切り替え値
から最小風量切り替え値までの中間風量域の風量制御特
性を、中間風量域での風量の自動制御から手動制御への
切り替え状態に応じて、初期設定の風量制御特性と略平
行とするか、あるいは前記補正された最大風量切り替え
値と初期設定の安定風量切り替え値との間で線形補間す
るかを決定して補正する手段を設けてある。
【0019】
【作用】第1の発明では、乗員が風量制御選択手段dを
操作して、風量が自動制御から手動制御に切り替えられ
るごとに、送風手段bが手動制御で駆動される一方、風
量変更情報記憶手段eが、切り替え時の目標空調条件を
風量自動制御手段cから取り込んで風量変更情報として
風量制御特性補正手段fに出力する。すると、風量制御
特性補正手段fが、風量自動制御手段cに補正指令を出
力し、風量自動制御手段cに予め設定された風量制御特
性の最大風量切り替え値を、前記切り替え時の目標空調
条件なる風量変更情報に応じて補正する。これにより、
風量の自動制御時には、補正された風量制御特性にもと
づいて送風手段bが駆動される。
【0020】第2の発明では、第1の発明において、風
量制御特性の最大風量切り替え値の補正に際して、最新
の数回分の風量変更情報を取り込むことにより、通常と
は異なる切り替え操作の影響を少なくする。
【0021】第3の発明では、第1の発明において、風
量制御特性の最大風量切り替え値の補正に際して、過去
分の補正に対する確率と偏差とを取り込むことにより、
より安定した補正を行う。
【0022】第4の発明では、第3の発明において、風
量制御特性に対する乗員の満足度に応じて正規分布関数
に対する重みの分散を逆比例の関係で設定することによ
り、最大風量切り替え値の補正精度を高める。
【0023】第5の発明では、第1の発明において、最
大風量域で風量を自動制御から手動制御に切り替えた風
量変更情報に応じて、中間風量域での風量制御特性を補
正することにより、自動制御時の中間風量域において、
乗員の風量減少への好みと、車室温の設定室温に達する
までの時間短縮との両立を可能とする。
【0024】
【実施例】
第1実施例 図2は、第1実施例としての自動車用空調装置を示して
いる。図2において、空調装置本体1は、前述の送風手
段bとしてのブロアユニット2と、クーリングユニット
3と、ヒータユニット4と、ダクトユニット5とを備え
ている。
【0025】ブロアユニット2には、外気導入口6と、
内気導入口7と、インテークドア8と、ブロアファン9
とを設けてある。外気導入口6は、走行風圧を受けて外
気を導入する。内気導入口7は、車室内の空気を導入す
る。インテークドア8は、後述の制御装置50で駆動さ
れるアクチュエータ10により、外気導入口6と内気導
入口7とを任意の比率で開閉する。ブロアファン9は、
制御装置50で駆動されるアクチュエータとしてのブロ
アファンモータ11により回転駆動する。
【0026】クーリングユニット3には、エバポレータ
12を設けてある。エバポレータ12は、図外のコンプ
レッサと図外のコンデンサと図外の膨張弁などで構成し
た冷凍サイクルから供給される冷媒で、通過する空気を
冷却する。
【0027】ヒータユニット4には、ヒータコア13
と、エアミックスドア14と、エアミックスチャンバ1
5とを設けてある。ヒータコア13は、図外のエンジン
と図外の温水コックと図外の膨張弁などで構成した加熱
サイクルから供給される温水で、通過する空気を暖め
る。エアミックスドア14は、制御装置50で駆動され
るアクチュエータ16により、エバポレータ12を通過
して冷えている空気がヒータコア13を迂回して冷えた
ままの冷気と、エバポレータ12を通過して冷えている
空気がヒータコア13を通過して暖められた暖気との割
合を調整するように、開閉する。
【0028】ダクトユニット5には、デフロスタダクト
17と、ベンチレータダクト18と、足元ダクト19
と、デフロスタドア20と、ベンチレータドア21と、
足元ドア22とを設けてある。デフロスタダクト17
は、インストルメントパネル23に設けられたデフロス
タ吹き出し口24に接続され、図外のフロントウインド
ウに向けて空調風を吹き出す。デフロスタ吹き出し口2
4には、風向設定器としてのルーバ25を設けてある。
ベンチレータダクト18は、インストルメントパネル2
3に設けられたベンチレータ吹き出し口26に接続さ
れ、乗員の上半身に向けて空調風を吹き出す。ベンチレ
ータ吹き出し口26には、風向設定器としてのルーバ2
7,28を設けてある。足元ダクト19の吹き出し口
は、乗員の足元に向けて空調風を吹き出す。デフロスタ
ドア20とベンチレータドア21と足元ドア22それぞ
れは、制御装置50で駆動されるアクチュエータ29,
30,31により、デフロスタダクト17とベンチレー
タダクト18と足元ダクト19とを個別に開閉する。
【0029】インストルメントパネル23の乗員が見易
い部分には、表示器32を設けてある。表示器32は、
制御装置50からの出力により、例えば、熱環境情報、
または、目標空調条件、あるいは、実吹き出し風温など
のような、空調装置の制御情報を、乗員が視認または聴
覚できるように表示するものであって、例えば、発光デ
バイスまたは音声発生デバイスで構成されている。
【0030】熱環境情報検出手段35は、車室内外の複
数の熱環境情報を検出するものであって、室温センサ3
6と、外気温センサ37と、日射量センサ38と、室温
設定器39とで構成されている。室温センサ36は、現
在の車室内の雰囲気温度を検出室温Ticとして検出
し、この検出室温Ticに応じた電気量を制御装置50
に出力する。外気温センサ37は、現在の車室外の雰囲
気温度を外気温Tambとして検出し、この外気温Ta
mbに応じた電気量を制御装置50に出力する。日射量
センサ38は、受光した日射量Qsunに応じた電気量
を制御装置50に出力する。室温設定器39は、一般的
には車室内の乗員の操作し易い部分に配置された図外の
空調操作盤に、エアコンスイッチ(A/Cスイッチ)4
4やオートスイッチ45およびブロアファンスイッチ4
6ならびに吸気モード設定器47さらには吹き出し口モ
ード設定器48と一緒に組み付けられ、乗員の操作で乗
員が希望する温度を設定室温Tsetとして設定し、こ
の設定室温Tsetに応じた電気量を制御装置50に出
力する。
【0031】ブロアファンスイッチ46は、乗員の操作
によって、例えば、「1速」,「2速」,「3速」,
「4速」の1つに相当するブロアファンモータ印加電圧
Vfanmを制御装置50に出力する。ブロアファンス
イッチ46の「1速」,「2速」,「3速」,「4速」
は、低電圧側から高電圧側に順に区分されたものであっ
て、「4速」が最大レベルVmaxと等しくなってい
る。
【0032】なお、オートスイッチ45とブロアファン
スイッチ46とが、風量制御選択手段49になってい
る。
【0033】制御装置50は、前述の風量自動制御手段
cと前述の風量情報記憶手段eと前述の風量制御特性補
正手段fとを含み、エアコンスイッチ44のオン動作に
より起動するマイクロコンピュータに構成されている。
制御装置50は、ブロアファンスイッチ46や吸気モー
ド設定器47および吹き出し口モード設定器48の操作
により、マイクロコンピュータのメモリにシステムベー
スとして予め設定されたマニュアルプログラムにしたが
って、検出室温Ticが設定室温Tsetとなるよう
に、空調装置本体1を駆動制御する。このマニュアルプ
ログラムによる駆動制御において、空調風の風量は、ブ
ロアファンスイッチ46の乗員による操作量で選択され
る。吸気モードは、吸気モード設定器47の乗員による
操作で、内気循環モードと外気導入モードと半内気循環
・半外気導入モードなどの1つが選択される。吹き出し
口モードは、吹き出し口モード設定器48の乗員による
操作で、例えば、ベントモードとフットモードとデフロ
ストモードなどの1つが選択される。
【0034】また、制御装置50は、オートスイッチ4
5のオン動作により、マイクロコンピュータのメモリに
システムベースとして予め設定されたオートプログラム
にしたがって、検出室温Ticと外気温Tambと日射
量Qsunと設定室温Tsetなどの熱環境情報に応じ
て、車室内の熱環境状態が目標熱環境状態となるよう
に、空調装置本体1を駆動制御する。
【0035】なお、図1の符号S1は制御装置50から
アクチュエータ29への信号線、S2は制御装置50か
ら表示器32への信号線である。
【0036】この第1実施例の作用を、図3に示したフ
ローチャートを参照しながら詳述する。
【0037】エアコンスイッチ44がオン動作され、ス
テップ101で、風量制御が始まると、ステップ102
において、初期設定として、ファン最大フラグをオン動
作し、初期制御終了フラグと補正終了フラグとをオフ動
作し、温冷感覚反映タイマをリセット・セットして温冷
感覚反映経過時間tの計時を開始し、ステップ103に
おいて、室温センサ36と外気温センサ37,日射量セ
ンサ38と室温設定器39それぞれから出力された検出
室温Ticと外気温Tambと設定室温Tsetと日射
量Qsunを目標吹き出し温度式、 Tof=A×Tic+B×Tamb+C×Tset+D
×Qsun+E (A,B,C,D,Eは定数) に代入して、目標吹き出し温度Tofを演算する。
【0038】ステップ104において、風量手動制御の
選択がなされているかを判断する。つまり、乗員がオー
トスイッチ45を操作し、風量自動制御が選択されてい
る場合(ステップ104がNO)には、ステップ105
に進んで風量自動制御を行う。逆に、乗員がブロアファ
ンスイッチ46を操作し、風量手動制御が選択されてい
る場合(ステップ104がYES)には、ステップ11
2に進んで風量手動制御を行う。
【0039】すなわち、風量自動制御の場合は、ステッ
プ105において、補正終了フラグをオフ動作し、ステ
ップ106において、目標吹き出し温度Tofを制御装
置50に予め設定された風量制御特性に照合して、ブロ
アファンモータ印加電圧Vfanを演算し、ステップ1
07において、ブロアファンモータ印加電圧Vfanが
最大レベルVmaxかどうかを判断する。ブロアファン
モータ印加電圧Vfanが最大レベルVmaxである場
合(ステップ107がYES)には、ステップ108に
おいて、ファン最大フラグをオン動作する。ブロアファ
ンモータ印加電圧Vfanが最大レベルVmaxでない
場合(ステップ107がNO)には、ステップ109に
おいて、ファン最大フラグをオフ動作する。
【0040】引き続き、ステップ110において、クー
ルダウン、あるいは、ウオームアップ(急速暖房)の初
期制御が終了しているかを判断するために、ブロアファ
ンモータ印加電圧Vfanが、制御装置50に予め設定
された初期制御判定値V0を越えているかを判断する。
初期制御判定値V0は、より多くの乗員が快適と感じる
ことができるようにするために、通常、ステップ105
の風量制御特性に示す高レベルVHより少し低い値に設
定されている。ブロアファンモータ印加電圧Vfanが
初期制御判定値V0より高い場合(ステップ110がY
ES)には、クールダウン中、あるいは、ウオームアッ
プ中であることを意味するので、ステップ122におい
て、ブロアファンモータ20に、ブロアファンモータ印
加電圧Vfanを出力し、ステップ103に戻る。
【0041】逆に、ブロアファンモータ印加電圧Vfa
nが初期制御判定値V0以下の場合(ステップ110が
NO)には、クールダウン、あるいは、ウオームアップ
が終了していることを意味するので、ステップ111に
おいて、初期制御終了フラグをオン動作し、ステップ1
22において、ブロアファンモータ20に、ブロアファ
ンモータ印加電圧Vfanを出力して、ステップ103
に戻る。
【0042】また、風量手動制御の場合は、ステップ1
12において、補正終了フラグがオン動作しているかを
判断する。この補正終了フラグは、エアコンスイッチ4
4がオン動作されるか、あるいは、ブロアファンスイッ
チ46が操作されてからオートスイッチ45が再びオン
動作されて風量の手動制御が解除されるまでの期間にお
いて、補正処理を1回だけに制限するためのフラグであ
る。したがって、補正終了フラグがオン動作している場
合(ステップ112がYES)には、風量が自動制御か
ら手動制御に切り替えられた後に、最大風量切り替え値
FまたはJの補正が行われたことことを意味するので、
ステップ122において、ブロアファンモータ20に、
ブロアファンモータ印加電圧Vfanmを出力し、ステ
ップ103に戻る。
【0043】逆に、補正終了フラグがオン動作していな
い場合(ステップ112がNO)には、風量が自動制御
から手動制御に切り替えられた後に、最大風量切り替え
値FまたはJの補正が行われていないことを意味するの
で、ステップ113において、温冷感覚反映経過時間t
が制御装置50に予め設定された設定時間t0を越えて
いるかを判断する。
【0044】温冷感反映経過時間tが設定時間t0以内
の場合(ステップ113がNO)には、ステップ122
において、ブロアファンモータ20に、ブロアファンモ
ータ印加電圧Vfanmを出力し、ステップ103に戻
る。つまり、空調装置本体1が駆動された直後におい
て、乗員がブロアファンスイッチ46を操作して、風量
を自動制御から手動制御に切り替えるのは、風量自動制
御によって設定された風量に対する不満からではなく、
乗員がオーディオ装置の音楽を聞きたいというように、
空調装置本体1から車室内に吹き出される吹き出し風の
音が気になり、風量を減少する場合、あるいは、デフロ
スタを有効に働かせようとして、風量を増大する場合な
ど、乗員の温冷感覚とは無関係に行われることが多い。
したがって、この設定時間t0中におけるブロアファン
スイッチ46の操作情報からステップ106に示す風量
制御特性を補正するのは、乗員の温冷感覚を正確に反映
したものとは言いがたい。このため、空調装置本体1の
駆動開始から設定時間t0なる一定時間内での風量の自
動制御から手動制御への切り替えにより、風量制御特性
を補正しないようにしている。
【0045】逆に、温冷感覚反映経過時間tが設定時間
0を経過しており、空調装置本体1の駆動開始直後で
ない場合(ステップ113がYES)には、ステップ1
14において、初期制御終了フラグがオン動作している
かを判断する。初期制御終了フラグがオン動作したこと
から、初期制御が終了している場合(ステップ114が
YES)には、クールダウン、あるいは、ウオームアッ
プが終了していることを意味するので、風量制御特性の
補正を行うことなく、ステップ121において、補正終
了フラグをオン動作し、ステップ122において、ブロ
アファンモータ20に、ブロアファンモータ印加電圧V
fanmを出力し、ステップ103に戻る。
【0046】また、初期制御終了フラグがオフ動作して
いることから、クールダウン中、あるいは、ウオームア
ップ中である場合(ステップ114がNO)には、ステ
ップ115において、ファン最大フラグがオン動作して
いるかを判断する。ファン最大フラグがオン動作してい
る場合(ステップ115がYES)には、クールダウン
中に、あるいは、ウオームアップ中に、ステップ104
でのブロアファンスイッチ46の操作で自動制御から手
動制御に切り替えられた風量が、最大風量からそれ以下
の風量に変更されたことを意味するので、風量制御特性
の補正を行うべく、ステップ117に進む。
【0047】逆に、ファン最大フラグがオフ動作してい
る場合(ステップ115がNO)には、ステップ116
において、ブロアファンモータ印加電圧Vfanmが最
大レベルVmaxであるかを判断する。ブロアファンモ
ータ印加電圧Vfanmが最大レベルVmaxである場
合(ステップ116がYES)には、クールダウン中
に、あるいは、ウオームアップ中に、ステップ104で
のブロアファンスイッチ46の操作で自動制御から手動
制御に切り替えられた風量が、最大風量以下の風量から
最大風量に変更されたことを意味するので、風量制御特
性の補正を行うべく、ステップ117に進む。
【0048】さらに、ブロアファンモータ印加電圧Vf
anmが最大レベルVmaxでない場合(ステップ11
6がNO)には、クールダウン中であっても、あるい
は、ウオームアップ中であっても、ステップ104での
ブロアファンスイッチ46の操作で自動制御から手動制
御に切り替えられた風量が、最大風量以下の1つの風量
から最大風量以下の別の風量に変更されたことを意味す
るので、風量制御特性の補正を行うことなく、ステップ
121において、補正終了フラグをオン動作し、ステッ
プ122において、ブロアファンモータ20に、ブロア
ファンモータ印加電圧Vfanmを出力し、ステップ1
03に戻る。
【0049】一方、ステップ117においては、目標吹
き出し温度Tofをステップ106に示す風量制御特性
中の最小風量切り替え値Gと比較して、冷房運転中か暖
房運転中かを判断する。目標吹き出し温度Tofが最小
風量切り替え値G以下の場合(ステップ117がYE
S)には、冷房運転中であることを意味するので、ステ
ップ118において、風量制御特性中の冷房側でのデー
タベースを更新し、ステップ120において、最大風量
切り替え値Fの補正演算を行う。
【0050】逆に、目標吹き出し温度Tofが最小風量
切り替え値Gよりも大きい場合(ステップ117がN
O)には、暖房運転中であることを意味するので、ステ
ップ119において、風量制御特性中の暖房側でのデー
タベースを更新し、ステップ120において、最大風量
切り替え値Jの補正演算を行う。
【0051】ここで、ステップ118,119でのデー
タベースは、不揮発性ラム(RAM)に保存されてお
り、人間の温冷感覚に応じて容量を決定してある。つま
り、冷房側および暖房側でのデータベースは、その季節
や時期での乗員の温冷感覚を常に反映した知識をもとに
風量制御特性中の最大風量切り替え値F,Jを補正する
ことができるように、補正対象となった最新N回のブロ
アファンスイッチ46の操作時の目標吹き出し温度To
fを記憶している。そして、N+1回目の目標吹き出し
温度Tofを記憶する場合には、最も古い回の目標吹き
出し温度Tofを忘却する。上記Nの値は、例えば20
回というように、予め設定してある。これにより、最近
の20回までのブロアファンスイッチ46の操作時の目
標吹き出し温度Tofから、最大風量切り替え値F,J
の補正演算を行うことができ、使用時の季節や乗員の体
調に最適な風量制御の学習ができる。
【0052】また、ステップ120での補正演算は、次
のように行う。冷房時については、ステップ118のデ
ータベースのうち、i回目の目標吹き出し温度Tofを
Tof(i)とすると、補正量ΔFは、冷房側補正演算
式、
【0053】
【数1】
【0054】から計算される。ここで、Kはゲイン定数
である。W(Tof(i))は、目標吹き出し温度To
fの関数であって、風量の自動制御から手動制御への切
り替え回数毎の補正幅に対する重みである。この関数W
(Tof(i))は、図4に示すように、Tof=Fが
平均値となる略正規分布の形状をしている。そして、最
大風量切り替え値Fが更新された場合には、更新された
最大風量切り替え値Fが過去N回の平均値となる。つま
り、重みは、目標吹き出し温度Tofが最大切り替え値
Fに近いほど大きくなっている。これにより、例えば、
通常は最大風量切り替え値Fの近辺で、風量の自動制御
から手動制御への切り替えを行っていた乗員が、何らか
の要因で、最大風量切り替え値Fから離れたところで、
風量の自動制御から手動制御への切り替えを行っても、
その突発的な影響が小さくなる。また、最初に設定され
ていた最大風量切り替え値Fから離れたところで、風量
の自動制御から手動制御への切り替えを行い易い乗員の
場合でも、更新された最大風量切り替え値Fが、常に平
均値となるため、最初に設定されていた最大風量切り替
え値Fから離れた値に数回で補正され、一旦、補正され
ると、この補正された最大風量切り替え値F近傍での重
みが大きくなり、乗員の特性に即した最大風量切り替え
値Fの補正が可能となる。そして、ΔFが演算される
と、F=F+ΔFが、冷房運転中の新しい最大風量切り
替え値となる。
【0055】また、暖房運転中も上記と同様の方法によ
って補正される。すなわち、補正量ΔJは、暖房側補正
演算式、
【0056】
【数2】
【0057】から演算され、J=J+ΔJが、暖房運転
中の新しい最大風量切り替え値となる。
【0058】そして、ステップ120で最大風量切り替
え値の補正演算が行われた後は、ステップ121におい
て、補正終了フラグをオン動作し、ステップ122にお
いて、ブロアファンモータ20に、ブロアファンモータ
印加電圧Vfanmを出力し、ステップ103に戻る。
【0059】要するに、この第1実施例によれば、空調
装置本体1が駆動され、空調風が風量自動制御で車室内
に吹き出されている状態において、乗員がブロアファン
スイッチ46を操作し、風量が自動制御から手動制御に
切り替えられるたびに、空調装置本体1の駆動開始から
所定の設定時間t0以上経過していて(ステップ113
がYES)、クールダウン中、あるいは、ウオームアッ
プ中であって(ステップ114がNO)、最大風量から
それ以下の風量に切り替えられたとき(ステップ115
がYES)、または、最大風量以下の風量から最大風量
に切り替えられたとき(ステップ115がNOで、ステ
ップ116がYES)、つまり、最大風量域での風量制
御特性中の最大風量切り替え値F,Jが、冷房側と暖房
側とに準じて、最近のN回のブロアファンスイッチ46
の操作時の目標吹き出し温度Tofにもとづく重みW
(Tof(i))により、補正される。よって、最大風
量切り替え値F,Jは、使用時の季節や乗員の体調など
に最適な値に補正される。しかも、風量が自動制御から
手動制御に切り替えられるたびに、風量制御特性が最適
値に補正されるので、メモリ容量が少なくて済む。
【0060】第2実施例 この第2実施例では、風量が自動制御から手動制御に切
り替えられたとき、ブロアファンモータ印加電圧Vfa
nmがマイクロコンピュータのCPUの1スキャンの間
に変更されたかどうか判断するようにした点に特徴があ
る。したがって、この第2実施例は、図5に示したフロ
ーチャートにもとづいて説明する。なお、この第2実施
例の説明において、自動車用空調装置としての各構成部
品名に付した符号は、図2にもとづくものである。
【0061】エアコンスイッチ44がオン動作され、ス
テップ201で、風量制御が始まると、ステップ202
において、初期設定として、ファン最大フラグをオン動
作し、初期制御終了フラグと補正終了フラグとをオフ動
作し、ステップ203において、検出室温Ticと外気
温Tambと設定室温Tsetと日射量Qsunとから
目標吹き出し温度Tofを演算し、ステップ204にお
いて、風量手動制御の選択がなされているかを判断す
る。つまり、乗員がオートスイッチ45を操作し、風量
自動制御が選択されている場合(ステップ204がN
O)には、ステップ205に進んで風量自動制御を行
う。逆に、乗員がブロアファンスイッチ46を操作し、
風量手動制御が選択されている場合(ステップ204が
YES)には、ステップ212に進んで風量手動制御を
行う。
【0062】すなわち、風量自動制御の場合は、ステッ
プ205において、補正終了フラグをオフ動作し、ステ
ップ206において、目標吹き出し温度Tofを制御装
置50に予め設定された風量制御特性に照合して、ブロ
アファンモータ印加電圧Vfanを演算する。そして、
ブロアファンモータ印加電圧Vfanが最大レベルVm
axである場合(ステップ207がYES)には、ステ
ップ208において、ファン最大フラグをオン動作し、
ブロアファンモータ印加電圧Vfanが最大レベルVm
axでない場合(ステップ207がNO)には、ステッ
プ209において、ファン最大フラグをオフ動作する。
引き続き、ブロアファンモータ印加電圧Vfanが初期
制御判定値V0より高い場合(ステップ210がYE
S)には、クールダウン中、あるいは、ウオームアップ
中であることを意味するので、ステップ224におい
て、ブロアファンモータ20に、ブロアファンモータ印
加電圧Vfanを出力し、ステップ203に戻る。
【0063】逆に、ブロアファンモータ印加電圧Vfa
nが初期制御判定値V0以下の場合(ステップ210が
NO)には、クールダウン、あるいは、ウオームアップ
が終了していることを意味するので、ステップ211に
おいて、初期制御終了フラグをオン動作し、ステップ2
24において、ブロアファンモータ20に、ブロアファ
ンモータ印加電圧Vfanを出力して、ステップ203
に戻る。
【0064】また、風量手動制御の場合は、ステップ2
12において、乗員のブロアファンスイッチ46の操作
量により選択されたブロアファンモータ印加電圧Vfa
nmが、マイクロコンピュータの1スキャン前のブロア
ファンモータ印加電圧Vfanmと同じかどうかを判断
する。ブロアファンモータ印加電圧Vfanmがマイク
ロコンピュータの1スキャンの間に変更された場合(ス
テップ212がYES)には、ステップ213におい
て、風量切り替えタイマをリセット・セットして風量切
り替え安定経過時間tfの計時を開始し、変更されなか
った場合(ステップ212がNO)には、ステップ21
4において、風量切り替え安定経過時間tfが制御装置
50に予め設定された設定時間t1を越えているかを判
断する。
【0065】風量切り替え安定経過時間tfが設定時間
1以内の場合(ステップ214がNO)には、ステッ
プ224において、ブロアファンモータ20に、ブロア
ファンモータ印加電圧Vfanmを出力し、ステップ2
03に戻る。つまり、ブロアファンスイッチ46の操作
により、風量が自動制御から手動制御に切り替えられ、
ブロアファンモータ印加電圧Vfanmが変更された場
合でも、設定時間t1なる所定の猶予期間を設けること
によって、乗員がブロアファンスイッチ46を短時間に
連続操作している間は、風量制御特性を直ちに補正せ
ず、乗員によるブロアファンスイッチ46の操作が、あ
る値に落ち着いたところで、風量制御特性の補正を実行
するようにしている。
【0066】逆に、風量切り替え安定経過時間tfが設
定時間t1を経過しており、乗員によるブロアファンス
イッチ46の操作が、ある値に落ち着いた場合(ステッ
プ214がYES)には、ステップ215において、補
正終了フラグがオン動作しているかを判断する。
【0067】補正終了フラグがオン動作している場合
(ステップ215がYES)には、風量が自動制御から
手動制御に切り替えられた後に、最大風量切り替え値F
またはJの補正が行われたことを意味するので、ステッ
プ224において、ブロアファンモータ20に、ブロア
ファンモータ印加電圧Vfanmを出力し、ステップ2
03に戻る。
【0068】逆に、補正終了フラグがオン動作していな
い場合(ステップ215がNO)には、風量が自動制御
から手動制御に切り替えられた後に、最大風量切り替え
値FまたはJの補正が行われていないことを意味するの
で、ステップ216において、初期制御終了フラグがオ
ン動作しているかを判断する。初期制御終了フラグがオ
ン動作したことから、クールダウン、あるいは、ウオー
ムアップが終了している場合(ステップ216がYE
S)には、ステップ223において、補正終了フラグを
オン動作し、ステップ224において、ブロアファンモ
ータ20に、ブロアファンモータ印加電圧Vfanmを
出力し、ステップ203に戻る。
【0069】また、初期制御終了フラグがオフ動作して
いることから、クールダウン中、あるいは、ウオームア
ップ中である場合(ステップ216がNO)には、ステ
ップ217において、ファン最大フラグがオン動作して
いるかを判断する。ファン最大フラグがオン動作してい
る場合(ステップ217がYES)には、クールダウン
中に、あるいは、ウオームアップ中に、ステップ204
でのブロアファンスイッチ46の操作で自動制御から手
動制御に切り替えられた風量が、最大風量からそれ以下
の風量に変更されたことを意味するので、風量制御特性
の補正を行うべく、ステップ219に進む。
【0070】逆に、ファン最大フラグがオフ動作してい
る場合(ステップ217がNO)には、ステップ218
において、ブロアファンモータ印加電圧Vfanmが最
大レベルVmaxであるかを判断する。ブロアファンモ
ータ印加電圧Vfanmが最大レベルVmaxである場
合(ステップ218がYES)には、クールダウン中
に、あるいは、ウオームアップ中に、ステップ204で
のブロアファンスイッチ46の操作で自動制御から手動
制御に切り替えられた風量が、最大風量以下の風量から
最大風量に変更されたことを意味するので、風量制御特
性の補正を行うべく、ステップ219に進む。
【0071】さらに、ブロアファンモータ印加電圧Vf
anmが最大レベルVmaxでない場合(ステップ21
8がNO)には、クールダウン中であっても、あるい
は、ウオームアップ中であっても、ステップ204での
ブロアファンスイッチ46の操作で自動制御から手動制
御に切り替えられた風量が、最大風量以下の風量から最
大風量以下の風量に変更されたことを意味するので、風
量制御特性の補正を行うことなく、ステップ223にお
いて、補正終了フラグをオン動作し、ステップ224に
おいて、ブロアファンモータ20に、ブロアファンモー
タ印加電圧Vfanmを出力し、ステップ203に戻
る。
【0072】一方、ステップ219においては、目標吹
き出し温度Tofをステップ206に示す風量制御特性
中の最小風量切り替え値Gと比較して、冷房運転中か暖
房運転中かを判断する。目標吹き出し温度Tofが最小
風量切り替え値G以下の場合(ステップ219がYE
S)には、冷房運転中であることを意味するので、ステ
ップ220において、風量制御特性中の冷房側でのデー
タベースを更新し、ステップ222において、前記第1
実施例で示した冷房側補正演算式を利用して、最大風量
切り替え値Fの補正演算を行う。
【0073】逆に、目標吹き出し温度Tofが最小風量
切り替え値Gよりも大きい場合(ステップ219がN
O)には、暖房運転中であることを意味するので、ステ
ップ221において、風量制御特性中の暖房側でのデー
タベースを更新し、ステップ222において、前記第1
実施例で示した暖房側補正演算式を利用して、最大風量
切り替え値Jの補正演算を行う。
【0074】そして、ステップ222で最大風量切り替
え値の補正演算が行われた後は、ステップ223におい
て、補正終了フラグをオン動作し、ステップ224にお
いて、ブロアファンモータ20に、ブロアファンモータ
印加電圧Vfanmを出力し、ステップ203に戻る。
【0075】要するに、この第2実施例によれば、空調
装置本体1が駆動され、空調風が風量自動制御で車室内
に吹き出されている状態において、乗員がブロアファン
スイッチ46を操作し、風量が自動制御から手動制御に
切り替えられるたびに、乗員によるブロアファンスイッ
チ46の操作が、あるブロアファンモータ印加電圧Vf
anmに落ち着いて(ステップ214がYES)、クー
ルダウン中、あるいは、ウオームアップ中であって(ス
テップ216がNO)、最大風量からそれ以下の風量に
切り替えられたとき(ステップ217がYES)、また
は、最大風量以下の風量から最大風量に切り替えられた
とき(ステップ217がNOで、ステップ218がYE
S)、つまり、最大風量域での風量制御特性中の最大風
量切り替え値F,Jが、冷房側と暖房側とに準じて、最
近のN回のブロアファンスイッチ46の操作時の目標吹
き出し温度Tofにもとづく重みW(Tof(i))に
より、補正される。よって、最大風量切り替え値F,J
は、ブロアファンスイッチ46の操作中を除いて、使用
時の季節や乗員の体調などに最適な値に補正される。
【0076】第3実施例 この第3実施例では、風量が自動制御から手動制御に切
り替えられたとき、最大風量域での風量制御特性の補正
のみならず、中間風量域での風量制御特性の補正も行う
ようにした点に特徴がある。したがって、この第3実施
例を、図6に示したフローチャートにもとづいて説明す
る。なお、この第3実施例の説明においても、自動車用
空調装置としての各構成部品名に付した符号は、図2に
もとづくものである。
【0077】エアコンスイッチ44がオン動作され、ス
テップ301で、風量制御が始まると、ステップ302
において、初期設定として、ファン最大フラグをオン動
作し、初期制御終了フラグと補正終了フラグとをオフ動
作し、ステップ303において、検出室温Ticと外気
温Tambと設定室温Tsetと日射量Qsunとから
目標吹き出し温度Tofを演算する。
【0078】次に、ステップ304において、目標吹き
出し温度Tofを制御装置50に予め設定された風量制
御特性に照合して、ブロアファンモータ印加電圧Vfa
nを演算する。ステップ305において、風量手動制御
の選択がなされているかを判断する。つまり、乗員がオ
ートスイッチ45を操作し、風量自動制御が選択されて
いる場合(ステップ305がNO)には、ステップ30
5に進んで風量自動制御を行う。逆に、乗員がブロアフ
ァンスイッチ46を操作し、風量手動制御が選択されて
いる場合(ステップ305がYES)には、ステップ3
12に進んで風量手動制御を行う。
【0079】すなわち、風量自動制御の場合は、ステッ
プ306において、補正終了フラグをオフ動作し、そし
て、ブロアファンモータ印加電圧Vfanが最大レベル
Vmaxである場合(ステップ307がYES)には、
ステップ308において、ファン最大フラグをオン動作
し、ブロアファンモータ印加電圧Vfanが最大レベル
Vmaxでない場合(ステップ307がNO)には、ス
テップ309において、ファン最大フラグをオフ動作す
る。
【0080】引き続き、ブロアファンモータ印加電圧V
fanが初期制御判定値V0より高い場合(ステップ3
10がYES)には、クールダウン中、あるいは、ウオ
ームアップ中であることを意味するので、ステップ32
5において、ブロアファンモータ20に、ブロアファン
モータ印加電圧Vfanを出力し、ステップ303に戻
る。
【0081】逆に、ブロアファンモータ印加電圧Vfa
nが初期制御判定値V0以下の場合(ステップ310が
NO)には、クールダウン、あるいは、ウオームアップ
が終了していることを意味するので、ステップ311に
おいて、初期制御終了フラグをオン動作し、ステップ3
25において、ブロアファンモータ20に、ブロアファ
ンモータ印加電圧Vfanを出力して、ステップ303
に戻る。
【0082】また、風量手動制御の場合は、ステップ3
12において、乗員のブロアファンスイッチ46の操作
量により選択されたブロアファンモータ印加電圧Vfa
nmが、マイクロコンピュータの1スキャン前のブロア
ファンモータ印加電圧Vfanmと同じかどうかを判断
する。ブロアファンモータ印加電圧Vfanmがマイク
ロコンピュータの1スキャンの間に変更された場合(ス
テップ312がYES)には、ステップ313におい
て、風量切り替えタイマをリセット・セットして風量切
り替え安定経過時間tfの計時を開始し、変更されなか
った場合(ステップ312がNO)には、ステップ31
4において、風量切り替え安定経過時間tfが制御装置
50に予め設定された設定時間t1を越えているかを判
断する。
【0083】風量切り替え安定経過時間tfが設定時間
1以内の場合(ステップ314がNO)には、ステッ
プ325において、ブロアファンモータ20に、ブロア
ファンモータ印加電圧Vfanを出力し、ステップ30
3に戻る。
【0084】逆に、風量切り替え安定経過時間tfが設
定時間t1を経過しており、乗員によるブロアファンス
イッチ46の操作が、ある値に落ち着いた場合(ステッ
プ314がYES)には、ステップ315において、補
正終了フラグがオン動作しているかを判断する。補正終
了フラグがオン動作している場合(ステップ315がY
ES)には、風量が自動制御から手動制御に切り替えら
れた後に、風量制御特性の補正が行われたことを意味す
るので、ステップ325において、ブロアファンモータ
20に、ブロアファンモータ印加電圧Vfanmを出力
し、ステップ303に戻る。
【0085】逆に、補正終了フラグがオン動作していな
い場合(ステップ315がNO)には、風量が自動制御
から手動制御に切り替えられた後に、風量制御特性の補
正が行われていないことを意味するので、ステップ31
6において、初期制御終了フラグがオン動作しているか
を判断する。初期制御終了フラグがオン動作しているこ
とから、クールダウン、あるいはウォームアップが終了
している場合(ステップ316がYES)には、中間風
量域での風量制御特性を補正すべく、ステップ321に
進む。
【0086】逆に、初期制御終了フラグがオフ動作して
いることから、クールダウン中、あるいはウォームアッ
プ中である場合(ステップ316がNO)には、ステッ
プ317において、ファン最大フラグがオン動作してい
るかを判断する。ファン最大フラグがオン動作している
場合(ステップ317がYES)には、クールダウン中
に、あるいは、ウォームアップ中に、ステップ304で
のブロアファンスイッチ46の操作で自動制御から手動
制御に切り替えられた風量が、最大風量からそれ以下の
風量に変更されたことを意味するので、最大風量域での
風量制御特性の補正を行うべく、ステップ319に進
む。
【0087】逆に、ファン最大フラグがオフ動作してい
る場合(ステップ317がNO)には、ステップ318
において、ブロアファンモータ印加電圧Vfanmが最
大レベルVmaxであるかを判断する。ブロアファンモ
ータ印加電圧Vfanmが最大レベルVmaxである場
合(ステップ318がYES)には、クールダウン中
に、あるいは、ウォームアップ中に、ステップ304で
のブロアファンスイッチ46の操作で自動制御から手動
制御に切り替えられた風量が、最大風量以下の風量から
最大風量に変更されたことを意味するので、最大風量域
での風量制御特性の補正を行うべく、ステップ319に
進む。
【0088】さらに、ブロアファンモータ印加電圧Vf
anmが最大レベルVmaxでない場合(ステップ31
8がNO)には、クールダウン中に、あるいは、ウォー
ムアップ中に、ステップ204でのブロアファンスイッ
チ46の操作で自動制御から手動制御に切り替えられた
風量が、最大風量以下の風量から最大風量以下の風量に
変更されたことを意味するので、中間風量域での風量制
御特性の補正を行うべく、ステップ321に進む。
【0089】上記風量最大域での風量制御特性の補正の
場合には、ステップ319において、前記第2実施例の
ステップ219,220,221,222と同様に、目
標吹き出し温度Tofがステップ306に示す風量制御
特性中の最小風量切り替え値G以下の場合には、風量制
御特性中の冷房側でのデータベースを更新し、前記第1
実施例で示した冷房側補正演算式を利用して、最大風量
切り替え値Fの補正演算を行い、目標吹き出し温度To
fが最小風量切り替え値Gよりも大きい場合には、風量
制御特性中の暖房側でのデータベースを更新し、前記第
1実施例で示した暖房側補正演算式を利用して、最大風
量切り替え値Jの補正演算を行う。そして、ステップ3
19で最大風量切り替え値F,Gの補正演算を行った後
は、ステップ320において、データベースから過去数
回分の切り換え後のブロアファンモータ印加電圧Vfa
nmの平均値Vmを求める。そして、平均値Vmを制御
装置50に予め設定された規定値Vdと比較し、中間風
量域のF−G間、H−J間の風量制御特性を決定する。
【0090】すなわち、平均値Vmが設定値Vdより大
きい場合には、図7(A)に実線で示したように、補正
演算された最大風量切り替え値F′と最小風量切り替え
値Gとを結ぶ直線のように線形補間する。平均値Vmが
設定値Vdより小さい場合には、図7(B)に仮想線で
示す初期設定なる風量制御特性と平行な、実線で示す直
線へと変更し、この変更された風量制御特性中の最大風
量切り替え値をF′とし、最小風量切り替え値をG′と
する。これは、風量切り換え後の風量の平均が高い乗員
の場合は、急激な風量減少を好まず、ある程度の風量を
確保することを好むことを意味するので、中間風量域の
風量制御特性を図7(A)に示す風量制御特性に変更す
る。逆に、切り換え後の風量平均が低い乗員の場合に
は、風量減少を優先しなければ、風速が高いことによる
嫌みから不快感をもたらすことを意味するので、図7
(B)に示す風量制御特性に変更する。なお、図7
(A),(B)では、冷房側の中間風量域F−G間の補
正のみ示しているが、暖房側の中間風量域H−J間の補
正も全く同様にして変更する。
【0091】引き続き、ステップ324において、補正
終了フラグをオン動作し、ステップ325において、ブ
ロアファンモータ20に、ブロアファンモータ印加電圧
Vfanを出力し、ステップ303に戻る。
【0092】一方、ステップ321へ進んだ場合、すな
わち、最大風量切り換え値F,Gの補正を伴わない、自
動制御から手動制御への切り替え操作の場合には、ブロ
アファンモータ印加電圧Vfanmと、その時点でのブ
ロアファンモータ印加電圧Vfanとを比較し、Vfa
nm>Vfanで、かつ、風量制御特性が図7(B)の
場合には、ステップ322において、図7(C)に示す
ように、風量制御特性を補正する。すなわち、ブロアフ
ァンスイッチ46を操作した時点での目標吹き出し温度
Tofが、ある値KまではF,Gを線形補間した直線と
し、K−G′間は初期設定の中間風量域の風量制御特性
の直線と平行な直線となるように補正する。また、Vf
anm<Vfanで、かつ、風量制御特性が図7(A)
の場合には、ステップ323において、図7(D)に示
すように、風量制御特性を補正する。すなわち、風量が
自動制御から手動制御に切り替えられた時点での目標吹
き出し温度Tofが、ある値Kまでは初期設定の中間風
量域の風量制御特性の直線と平行な直線とし、K−G間
はK,Gを線形補間した直線となるように補正する。な
お、図7(C),(D)では、冷房側の中間風量域F−
G間の補正のみ示しているが、暖房側の中間風量域H−
J間の補正も同様にして変更する。このように補正する
ことによって、乗員の気流嗜好性を踏まえた、より適し
た風量制御特性に補正することができる。
【0093】これらの補正終了後は、ステップ324に
おいて、補正終了フラグをオン動作し、ステップ325
において、ブロアファンモータ20に、ブロアファンモ
ータ印加電圧Vfanmを出力し、ステップ303に戻
る。
【0094】要するに、この第3実施例によれば、クー
ルダウン終了後、または、ウオームアップ終了後におい
て、風量を少なくするように切り替え易い乗員の場合に
は、中間風量域の風量制御特性を風量の落ち方が早くな
る特性に補正し、風量の落ち方を優先した風量制御特性
になる。しかも、その後のブロアファンスイッチ46の
操作によって、室温低下を優先する操作がなされた場合
には、その時点での目標吹き出し温度Tofに応じて、
中間風量域の風量制御特性に室温低下優先の領域を追加
する。また、クールダウン終了後、または、ウオームア
ップ終了後において、風量を多くするように切り替え易
い乗員の場合には、中間風量域の風量制御特性を、風量
の落ちかたが緩やかで、室温の低下を優先させる特性に
補正する。しかも、その後のブロアファンスイッチ46
の操作によって、風量減少を優先する操作がなされた場
合には、その時点での目標吹き出し温度Tofに応じ
て、中間風量域の風量制御特性に風量減少を優先した領
域を追加するように補正する。よって、室温の低下と風
量減少のフィーリングを両立できる風量制御特性に変更
し、より乗員の感覚にマッチした風量制御特性へと補正
することができる。
【0095】なお、第3実施例は、中間風量域での風量
制御特性の決定に切り換え後のブロアファンモータ印加
電圧Vfanmの平均値Vmを用いたが、他の例とし
て、切り換え後のブロアファンモータ印加電圧Vfan
mの内で最も頻度の高い電圧Vmodによって判定して
も良い。すなわち、乗員が風量を4速から3速に落とす
ことが最も多い場合には、風量が徐々に落ちることを好
むと判断し、図7(A)の制御特性に変更する。また、
乗員が風量を4速から1速あるいは2速へ落とすことが
最も多い場合には、風量が急激に落ちることを好むと判
断し、図7(B)の風量制御特性に変更する。
【0096】また、この第3実施例における風量切り替
え値の補正には、次のような例も考えられる。
【0097】(1)最大風量切り換え値のデータベース
には、乗員が風量を自動制御から手動制御に切り換えた
時点での目標吹き出し温度Tofと切り換え後のブロア
ファンモータ印加電圧Vfanmのほかに、図8に示し
た特性によって決定される重みWvを記憶する。この重
みWvは、後述する中間風量域の制御特性決定のために
Vfanmの荷重平均を行うためのものであり、その時
点での目標吹き出し温度Tofが最大風量切り換え値
F,Gから、冷房側では小さいほど、暖房側では大きい
ほど、すなわち、熱負荷の大きいほど大きな値になって
いる。このように設定することによって、熱負荷が大き
いにも拘わらず、風量を落とした場合の荷重平均に及ぼ
す影響度が大きくなる。ここで、重みWvの値は、図8
に示したように、 1<Wv<Wo (Tof<F、J<Tof) Wv=O (F<Tof<J) と設定する。
【0098】そして、ステップ320では次式によって
計算を行い、ブロアファンモータ印加電圧Vfanの降
下幅の荷重平均値ΔVmを求め、ΔVmの値を規定値Δ
Vdと比較することによって、中間風量域のF−G間、
H−J間の風量制御特性を決定する。
【0099】
【数3】
【0100】すなわち、ΔVmがΔVdより大きい場合
には、ブロアファンモータ印加電圧Vfanを大きく落
とす傾向が強いものとして、図7(B)の風量制御特性
に決定し、ΔVmがΔVdよりも小さい場合には、ブロ
アファンモータ印加電圧Vfanをあまり落とさず、室
温を下げることを優先する傾向があるものとして、図7
(A)の風量制御特性に変更する。このように設定する
ことによって、風量を大きく落とすか、または早い時点
に落とし始める乗員には、図7(B)の風量減少優先に
変更し、その逆の場合には、図7(A)の室温低下優先
に変更する。
【0101】なお、Kの値は、その時点の目標吹き出し
温度Tofとしたが、乗員の感覚の時間遅れを考慮した
補正をしても良い。すなわち、乗員が感覚的に制御が気
にいらないと判断した時点は、乗員の身体が生理的に合
わなくなった時点よりも遅れるため、この時間を考慮し
て予め設定した補正項ΔTを用いて、冷房側ではTof
−ΔTをKとし、暖房側ではTof+ΔTをKとする。
このようにすることによって、次回の自動制御時には、
より乗員の温熱生理に適合した補正となる。
【0102】(2)乗員が風量を自動制御から手動制御
に切り替えた時点での目標吹き出し温度Tof(i)の
平均値TMcおよび標準偏差σcを求める。すなわち、
【0103】
【数4】
【0104】
【数5】
【0105】そして、次式によって最大風量切り替え値
を補正する。
【0106】Fnew=Fold−W(TMc,σc)
・(Fold−TMc) (但し、Fnewは更新後の最大風量切り替え値、Fo
ldは更新前の最大風量切り替え値を示す) ここで、W(TMc,σc)は平均値TMcと標準偏差
σcを関数とする重みであり、図9に示す特性を持ち、
Foldを平均値とした略正規分布関数の形をしおり、
標準偏差σcに応じて大きさが変わり、標準偏差σcが
大きいほどが小さくなるように設定される。これによ
り、風量の自動制御から手動制御への切り替え操作が広
い熱環境領域にわたって行われる場合と、狭い熱環境領
域に集中して行われる場合とを区別することができる。
すなわち、乗員が広範囲にわたって風量の自動制御から
手動制御への切り替え操作を行う場合には、その乗員の
熱環境に対する感覚の誤差が大きく、適正な操作ができ
ていないと判断し、重みW(TMc,σc)の絶対値を
小さくすることにより、最大風量切り替え値Fが大きく
補正されない。
【0107】なお、暖房側でも、前記TMc,σc,F
new,FoldをそれぞれTMw,σw,Jnew,
Joldに置換することにより、同様の補正が行われる (3)乗員が風量を自動制御から手動制御に切り替えた
時点での目標吹き出し温度Tof(i)の平均値TMc
および中央値Tmedcを求める。そして、平均値TM
cと中央値Tmedcとの差TMc−Tmedcに応じ
て平均値TMcを補正し、 TMc′=TMc−Kl・(TMc−Tmedc) (但し、Klは定数) によって求めた修正平均値TMc′を用いて、 Fnew=Fold−W(TMc′)・(Fold−T
Mc′) (但し、Fnewは更新後の最大風量切り替え値、Fo
ldは更新前の最大風量切り替え値を示す) によって、最大風量切り替え値Fを補正する。但し、W
(TMc′)はTMc′を関数とする重みであり、図1
0に示すように、前回までの最大風量切り替え値Fol
dを平均値とした略正規分布の形をしている。つまり、
風量の自動制御から手動制御への切り替え操作の分布に
偏りがある乗員の場合でも、中央値Tmedcの平均値
TMcからのずれを考慮に入れて平均値を補正している
ので、風量の自動制御から手動制御への切り替え操作す
る可能性のより高い環境を最大風量切り替え値Fの補正
のパラメータとしている。なお、定数Klに代えて、T
Mc−Tmedcの値に応じた変数を用いてもよい。こ
の場合の暖房側でも、TMc′,TMc,Tmedc,
Fnew,Fold,W(TMc′)をTMw′,TM
w,Tmedw,Jnew,Jold,W(TMw′)
に置換することにより、同様の補正が行われる。
【0108】第4実施例 この第4実施例では、最大風量切り替え値を補正した後
において、補正終了後の経過時間,風量の手動制御切り
替えの操作量,空調制御の使用開始からの経過時間など
から制御特性に対する乗員の満足度を演算し、この満足
度に応じて前記正規分布関数に対する重みの分散を逆比
例の関係で設定するようにした点に特徴がある。したが
って、この第4実施例は、図11および図12に示した
フローチャートにもとづいて説明する。なお、この第4
実施例の説明においても、自動車用空調装置としての各
構成部品名に付した符号は、図2にもとづくものであ
る。
【0109】エアコンスイッチ44がオン動作され、ス
テップ401で、風量制御が始まると、ステップ402
において、初期設定として、ファン最大フラグをオン動
作し、初期制御終了フラグと補正終了フラグとをオフ動
作し、タイマをリセット・セットする。具体的には、空
調装置使用タイマをリセット・セットして使用時間tu
seの計時を開始し、風量制御特性維持タイマをリセッ
ト・セットして現在の風量制御特性維持時間tcont
の計時を開始する。
【0110】引き続き、ステップ403において、検出
室温Ticと外気温Tambと設定室温Tsetと日射
量Qsunとから目標吹き出し温度Tofを演算し、ス
テップ404において、風量手動制御の選択がなされて
いるかを判断する。つまり、乗員がオートスイッチ45
を操作し、風量自動制御が選択されている場合(ステッ
プ404がNO)には、ステップ405に進んで風量自
動制御を行う。逆に、乗員がブロアファンスイッチ46
を操作し、風量手動制御が選択されている場合(ステッ
プ404がYES)には、ステップ412に進んで風量
手動制御を行う。
【0111】すなわち、風量自動制御の場合は、ステッ
プ405において、補正終了フラグをオフ動作し、ステ
ップ406において、目標吹き出し温度Tofを制御装
置50に予め設定された風量制御特性に照合して、ブロ
アファンモータ印加電圧Vfanを演算する。そして、
ブロアファンモータ印加電圧Vfanが最大レベルVm
axである場合(ステップ407がYES)には、ステ
ップ408において、ファン最大フラグをオン動作し、
ブロアファンモータ印加電圧Vfanが最大レベルVm
axでない場合(ステップ407がNO)には、ステッ
プ409において、ファン最大フラグをオフ動作する。
引き続き、ブロアファンモータ印加電圧Vfanが初期
制御判定値V0より高い場合(ステップ410がYE
S)には、クールダウン中、あるいは、ウオームアップ
中であることを意味するので、ステップ427におい
て、ブロアファンモータ20に、ブロアファンモータ印
加電圧Vfanを出力し、ステップ403に戻る。
【0112】逆に、ブロアファンモータ印加電圧Vfa
nが初期制御判定値V0以下の場合(ステップ410が
NO)には、クールダウン、あるいは、ウオームアップ
が終了していることを意味するので、ステップ411に
おいて、初期制御終了フラグをオン動作し、ステップ4
27において、ブロアファンモータ20に、ブロアファ
ンモータ印加電圧Vfanを出力し、ステップ403に
戻る。
【0113】また、風量手動制御の場合は、ステップ4
12において、乗員のブロアファンスイッチ46の操作
量により選択されたブロアファンモータ印加電圧Vfa
nmが、マイクロコンピュータの1スキャン前のブロア
ファンモータ印加電圧Vfanmと同じかどうかを判断
する。ブロアファンモータ印加電圧Vfanmがマイク
ロコンピュータの1スキャンの間に変更された場合(ス
テップ412がYES)には、ステップ413におい
て、風量切り替えタイマをリセット・セットして風量切
り替え安定経過時間tfの計時を開始し、変更されなか
った場合(ステップ412がNO)には、ステップ41
4において、風量切り替え安定経過時間tfが制御装置
50に予め設定された設定時間t1を越えているかを判
断する。
【0114】風量切り替え安定経過時間tfが設定時間
1以内の場合(ステップ414がNO)には、乗員が
ブロアファンスイッチ46を短時間に連続操作している
ことを意味するので、風量制御特性を補正せずに、ステ
ップ427において、ブロアファンモータ20に、ブロ
アファンモータ印加電圧Vfanmを出力し、ステップ
403に戻る。
【0115】逆に、風量切り替え安定経過時間tfが設
定時間t1を経過しており、乗員によるブロアファンス
イッチ46の操作が、ある値に落ち着いた場合(ステッ
プ414がYES)には、ステップ415において、補
正終了フラグがオン動作しているかを判断する。
【0116】補正終了フラグがオン動作している場合
(ステップ415がYES)には、風量が自動制御から
手動制御に切り替えられた後に、最大風量切り替え値F
またはJの補正が行われたことを意味するので、ステッ
プ427において、ブロアファンモータ20に、ブロア
ファンモータ印加電圧Vfanmを出力し、ステップ4
03に戻る。
【0117】逆に、補正終了フラグがオン動作していな
い場合(ステップ415がNO)には、風量が自動制御
から手動制御に切り替えられた後に、最大風量切り替え
値FまたはJの補正が行われていないことを意味するの
で、ステップ416において、初期制御終了フラグがオ
ン動作しているかを判断する。初期制御終了フラグがオ
ン動作したことから、クールダウン、あるいは、ウオー
ムアップが終了している場合(ステップ416がYE
S)には、ステップ423において、補正終了フラグを
オン動作し、ステップ427において、ブロアファンモ
ータ20に、ブロアファンモータ印加電圧Vfanmを
出力し、ステップ403に戻る。
【0118】また、初期制御終了フラグがオフ動作して
いることから、クールダウン中、あるいは、ウオームア
ップ中である場合(ステップ416がNO)には、ステ
ップ417において、ファン最大フラグがオン動作して
いるかを判断する。ファン最大フラグがオン動作してい
る場合(ステップ417がYES)には、クールダウン
中に、あるいは、ウオームアップ中に、ステップ404
でのブロアファンスイッチ46の操作で自動制御から手
動制御に切り替えられた風量が、最大風量からそれ以下
の風量に変更されたことを意味するので、風量制御特性
の補正を行うべく、ステップ419に進む。
【0119】逆に、ファン最大フラグがオフ動作してい
る場合(ステップ417がNO)には、ステップ418
において、ブロアファンモータ印加電圧Vfanmが最
大レベルVmaxであるかを判断する。ブロアファンス
イッチ46で選択されたブロアファンモータ印加電圧V
fanmが最大レベルVmaxである場合(ステップ4
18がYES)には、クールダウン中に、あるいは、ウ
オームアップ中に、ステップ404でのブロアファンス
イッチ46の操作で自動制御から手動制御に切り替えら
れた風量が、最大風量以下の風量から最大風量に変更さ
れたことを意味するので、風量制御特性の補正を行うべ
く、ステップ419に進む。
【0120】さらに、ブロアファンモータ印加電圧Vf
anmが最大レベルVmaxでない場合(ステップ41
8がNO)には、クールダウン中であっても、あるい
は、ウオームアップ中であっても、ステップ404での
ブロアファンスイッチ46の操作で自動制御から手動制
御に切り替えられた風量が、最大風量以下の風量から最
大風量以下の風量に変更されたことを意味するので、風
量制御特性の補正を行うことなく、ステップ426にお
いて、補正終了フラグをオン動作し、ステップ427に
おいて、ブロアファンモータ20に、ブロアファンモー
タ印加電圧Vfanmを出力し、ステップ403に戻
る。
【0121】一方、ステップ419においては、目標吹
き出し温度Tofをステップ406に示す風量制御特性
中の最小風量切り替え値Gと比較して、冷房運転中か暖
房運転中かを判断する。目標吹き出し温度Tofが最小
風量切り替え値G以下の場合(ステップ419がYE
S)には、冷房運転中であることを意味するので、ステ
ップ420において、風量制御特性中の冷房側でのデー
タベースを更新する。逆に、目標吹き出し温度Tofが
最小風量切り替え値Gよりも大きい場合(ステップ41
9がNO)には、暖房運転中であることを意味するの
で、ステップ421において、風量制御特性中の暖房側
でのデータベースを更新する。
【0122】つまり、ステップ422において、現在の
風量制御特性に対する乗員の満足度Vsatを、下記満
足度式、 Vsat=K・tcont+L・tuse+M・|F−
Tof|……(ただし、Tof<Gの場合) Vsat=K・tcont+L・tuse+M・|J−
Tof|……(ただし、Tof>G) (K,L,M:定数) から演算する。ただし、満足度Vsatは、風量制御特
性維持時間tcont、空調制御装置の使用時間tus
eが大きいほど大きく、|F−Tof|または|J−T
of|が小さいほど大きくなるように、定数K,L,M
の値は定められている。
【0123】そして、求められた満足度Vsatに応じ
て、ステップ423において、最大風量切り替え値F,
Jの補正用の重みW関数の標準偏差σc、σwを図11
の関係によって求める。すなわち、満足度Vsatが大
きいほど、標準偏差σc,σwの値を小さくする。
【0124】ここで、風量制御特性維持時間tcont
が大きいということは、乗員がその間、風量制御特性を
補正するような操作をしておらず、現在の風量制御特性
に満足していると判断できる。
【0125】また、使用時間tuseは、エアコンスイ
ッチ44のオン動作によって、空調装置を使用し始めて
から現在にいたるまでの延べ使用時間を表している。使
用開始直後の乗員の操作と使用時間が経過してからの乗
員の操作とは、乗員の満足度Vsatという観点から見
れば意味が異なる。すなわち、使用開始直後の操作で
は、風量制御特性と乗員の好みとの差は最大と考えるこ
とができ、乗員ができるだけ早く自分の好みの風量制御
特性に近づくことを望むため、満足度Vsatを低くし
て、補正幅を大きくし、一方、使用時間tuseが経過
してからの操作では風量制御特性が乗員の好みから大き
くずれていることはないため、満足度Vsatを大きく
して補正幅を小さくしている。
【0126】さらに、乗員のブロアファンスイッチ46
の操作変更幅|F−Tof|または|J−Tof|が大
きいということは、乗員が現在の風量制御特性に満足し
ていないことを意味しており、|F−Tof|または|
J−Tof|が大きいほど満足度Vsatは小さいと判
断できる。
【0127】この補正演算での補正幅に対する重みの関
数の形態は、図10に示すようになっている。すなわ
ち、W(Tof(i))は、Tof=F、Jが平均値と
なる略正規分布の形状をしており、暖房側,冷房側それ
ぞれの標準偏差がσc,σwである。そして、乗員のそ
の時の風量制御特性に対する満足度Vsatによって、
標準偏差σc,σwが異なり、満足度Vsatが高い場
合には標準偏差σc,σwが小さく、最大風量切り替え
値F,Jの補正幅が小さくなる。
【0128】そして、ステップ423で最大風量切り替
え値の補正演算が行われた後は、ステップ424におい
て、前記第1実施例で示した冷房側補正演算式(数1)
または暖房側補正演算式(数2)を利用して、最大風量
切り替え値F,Jの補正演算を行う。この補正演算結果
は、冷房側または暖房側のデータベースに更新される。
【0129】引き続き、ステップ425において、風量
制御特性維持タイマをリセット・セットして風量制御特
性維持時間tcontの計時を開始し、ステップ426
において、補正終了フラグをオン動作し、ステップ42
7において、ブロアファンモータ20に、ブロアファン
モータ印加電圧Vfanmを出力し、ステップ403に
戻る。
【0130】要するに、この第4実施例によれば、空調
装置本体1が駆動され、空調風が風量自動制御で車室内
に吹き出されている状態において、乗員がブロアファン
スイッチ46を操作し、風量が自動制御から手動制御に
切り替えられるたびに、乗員によるブロアファンスイッ
チ46の操作が、あるブロアファンモータ印加電圧Vf
anmに落ち着いて(ステップ414がYES)、クー
ルダウン中、あるいは、ウオームアップ中であって(ス
テップ416がNO)、最大風量からそれ以下の風量に
切り替えられたとき(ステップ417がYES)、また
は、最大風量以下の風量から最大風量に切り替えられた
とき(ステップ417がNOで、ステップ418がYE
S)、つまり、最大風量域での風量制御特性中の最大風
量切り替え値F,Jが、冷房側と暖房側とに準じて、最
近のN回のブロアファンスイッチ46の操作時の目標吹
き出し温度Tofにもとづく重みW(Tof(i))に
より、補正される。また、この最大風量切り替え値F,
Jの補正後において、風量制御特性維持時間tcon
t,ブロアファンスイッチ46の操作変更幅|F−To
f|または|J−Tof|,空調装置の使用開始からの
経過時間tuseなどから風量制御特性に対する乗員の
満足度Vsatを演算し、この満足度Vsatに応じて
正規分布関数に対する重みWの分散を逆比例の関係で設
定する。よって、最大風量切り替え値F,Jは、ブロア
ファンスイッチ46の操作中を除いて、使用時の季節や
乗員の温冷感覚を常に反映した最適な値に補正される。
【0131】また、この第4実施例における満足度Vs
atの求め方の他例について述べる。
【0132】まず、第4実施例では使用時間tuse、
風量制御特性維持時間tcontとしてタイマを用いた
が、これらをそれぞれ使用開始時からの使用回数をカウ
ントする使用回数カウンタCuse、現在の風量制御特
性となってからの使用回数をカウントする風量制御特性
維持回数カウンタCcontを用いて、 Vsat=K・Ccont+L・Cuse+M・|F−
Tof| (Tof<G) Vsat=K・Ccont+L・Cuse+M・|J−
Tof| (Tof>G) (K,L,M:定数) によって計算しても良い。この場合も第4実施例と同様
に、制御特性維持回数カウンタCcont、使用回数カ
ウンタCuseが大きいほど大きく、|F−Tof|ま
たは|J−Tof|が小さいほど大きくなるように、定
数K,L,Mの値は定められている。カウンタを用いる
ことにより、時間計測用のタイマが不必要となるため安
価に実現できる。
【0133】次に、第4実施例では使用時間タイマtu
se、制御特性維持時間タイマtcont、ブロアファ
ンスイッチ46の操作変更幅|F−Tof|または|J
−Tof|のパラメータをそれぞれ独立変数とした線形
結合として満足度Vsatを計算しているが、これを次
式に示すような従属変数としても良い。
【0134】Vsat=M(tuse,tcont)/
|F−Tof|……(ただし、Tof<Gの場合) Vsat=M(tuse,tcont)/|J−Tof
|……(ただし、Tof>Gの場合) ここで、M(tuse,tcont)は、使用時間tu
se,風量制御特性維持時間tcontに応じて、図1
5に示す特性になっている。すなわち、M(tuse,
tcont)の値は、風量制御特性維持時間tcont
の値が大きいほど、しかも、使用時間tuseの値が大
きいほど、大きく設定する。このようにM(tuse,
tcont)の値を設定することにより、風量制御特性
維持時間tcont,使用時間tuseの大きさによっ
て、ブロアファンスイッチ46の操作変更幅|F−To
f|または|J−Tof|の風量制御特性補正幅に対す
る影響度を変更できる。つまり、空調装置の使用開始か
ら間もない期間には、乗員の好みと風量制御特性との差
が大きいため、ブロアファンスイッチ46の操作変更幅
|F−Tof|または|J−Tof|が小さくても大き
く補正されることが望まれるため、小さな操作変更幅|
F−Tof|または|J−Tof|でもM(tuse,
tcont)の値を小さく設定することによって、満足
度Vsatが小さくなり、風量制御特性の補正幅を大き
くすることができる。
【0135】さらに、第4実施例に用いたパラメータに
加えて、最新数回分のブロアファンスイッチ46の操作
変更幅|F−Tof|または|J−Tof|の履歴とし
て、最新数回分の平均値ΔTmfまたはΔTmjを用い
ても良い。すなわち、 Vsat=M(tuse,tcont)・N(ΔTm
f)/|F−Tof|……(ただし、Tof<Gの場
合) Vsat=M(tuse,tcont)・N(ΔTm
j)/|J−Tof|……(ただし、Tof>Gの場
合) によって、満足度Vsatを計算する。そして、N(t
use,tcont)の値はΔTmfまたはTmjの値
が小さいほど、満足度Vsatが大きくなるように設定
する。つまり、ΔTmfまたはΔTmjの値が小さいこ
とは、乗員が現在の風量制御特性に満足しているため、
ブロアファンスイッチ46の操作変更幅|F−Tof|
または|J−Tof|が少ないとみなせるので、満足度
Vsatが大きいと判断できる。したがって、ΔTmf
またはΔTmjが小さいほど、風量制御特性の補正幅が
小さくなるように設定されることになる。ここでは、ブ
ロアファンスイッチ46の操作変更幅|F−Tof|ま
たは|J−Tof|の履歴の代表値として平均値を用い
たが、同様の意味を持つ統計代表値であればこれに限定
されるものではなく、例えばメジアン値またはモード値
であっても良い。
【0136】尚、前述の実施例では最大風量切り替え値
Fを補正するための関数として正規分布関数を用いた
が、三角形状やヒストグラム状に上降する形状あるいは
左右非対称の三角形状等の略正規分布であれば差しつか
えない。
【0137】
【発明の効果】以上のように、第1の発明によれば、空
調風が風量自動制御で吹き出されている状態において、
風量が自動制御から手動制御に切り替えられるたびに、
その切り替え時の目標空調条件なる風量変更情報に応じ
て風量制御特性の最大風量切り替え値を補正するので、
自動制御時の風量を乗員気流感に適したものとすること
ができる。
【0138】第2の発明によれば、風量制御特性の最大
風量切り替え値の補正において、最新の数回分の風量変
更情報を取り込んでいるので、通常とは乗員の通常とは
異なる切り替え操作の影響を少なくすることができる。
【0139】第3の発明によれば、風量制御特性の最大
風量切り替え値の補正において、過去分の補正に対する
確立と偏差とを取り込んでいるので、より安定した補正
が行える。
【0140】第4の発明によれば、補正終了後の経過時
間,風量の手動制御切り替えの操作量,空調制御の使用
開始からの経過時間などから制御特性に対する乗員の満
足度を演算し、この満足度に応じて前記正規分布関数に
対する重みの分散を逆比例の関係で設定するので、最大
風量切り替え値の補正精度が高められる。
【0141】第5の発明では、最大風量域で風量を自動
制御から手動制御に切り替えた風量変更情報に応じて、
中間風量域での風量制御特性を補正するので、自動制御
時の中間風量域において、乗員の風量減少への好みと車
室温の設定室温に達するまでの時間短縮との両立が可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図。
【図2】第1実施例の全体を示す構成図。
【図3】第1実施例のフローチャート。
【図4】第1実施例の補正用の重みを示す特性図。
【図5】第2実施例のフローチャート。
【図6】第3実施例のフローチャート。
【図7】第3実施例の風量制御特性を示す特性図。
【図8】第3実施例の補正用の重みを示す特性図。
【図9】第3実施例の異なる例の補正用の重みを示す特
性図。
【図10】第3実施例の別の補正用の重みを示す特性
図。
【図11】第4実施例のフローチャート。
【図12】第4実施例のフローチャート。
【図13】第4実施例の補正用の重みを示す特性図。
【図14】第4実施例の満足度に対する標準偏差を示す
特性図。
【図15】第4実施例の異なる例の風量制御特性維持時
間に対するM(tcont,tuse)を示す特性図。
【図16】従来例の風量制御特性を示す特性図。
【符号の説明】
a…熱環境情報入力手段 b…送風手段 c…風量制御手段(制御装置) d,49…風量制御選択手段 e…風量変更情報記憶手段 f…風量制御特性補正手段 1…空調装置本体 2…ブロアファン 44…オートスイッチ 45…ブロアファンスイッチ 50…制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 尋章 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱環境情報検出手段から入力された検出
    室温,外気温,日射量,設定室温などの車室内外の熱環
    境情報により、目標空調条件を演算し、車室内の空調状
    態が前記目標空調条件となるように、空調装置本体の送
    風手段を駆動して車室内を空調する風量自動制御手段を
    備えた自動車用空調装置において、 乗員の操作により、空調風の風量を自動制御とするか手
    動制御とするかが選択可能な風量制御選択手段と、 この風量制御選択手段の自動制御から手動制御への切り
    替えにより、最大風量からそれ以下の風量へと変更され
    るか、あるいは、最大風量以下の風量から最大風量へと
    変更されたときの目標空調条件を風量変更情報として記
    憶する風量変更情報記憶手段と、 この風量変更情報記憶手段からの風量変更情報に応じ
    て、前記風量自動制御手段の最大風量からそれ以下の風
    量への切り替え値、あるいは、最大風量以下の風量から
    最大風量への切り替え値などの最大風量切り替え値を補
    正する風量制御特性補正手段と、 を備えたことを特徴とする自動車用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記風量変更情報記憶手段に、常に最新
    の数回分の風量変更情報を記憶する手段を設けたことを
    特徴とする請求項1に記載した自動車用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記風量制御特性補正手段に、前記風量
    変更情報記憶手段に記憶されている個々の風量変更情報
    に対して、前記熱環境情報から演算された目標空調条件
    を変数とし、常に現時点の最大風量切り替え値を平均値
    としたほぼ正規分布関数によって個々の風量変更情報の
    重みを演算し、この重みと、個々の風量変更情報と最大
    風量切り替え値との偏差とから演算される補正項によ
    り、最大風量切り替え値を補正する手段を設けたことを
    特徴とする前記請求項1に記載した自動車用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記風量制御特性補正手段に、補正終了
    後の経過時間,風量の手動制御切り替えの操作量,空調
    制御の使用開始からの経過時間などから風量制御特性に
    対する乗員の満足度を演算し、この満足度に応じて前記
    正規分布関数に対する重みの分散を逆比例の関係で設定
    する手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載した
    自動車用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記風量制御特性補正手段に、補正され
    た最大風量切り替え値から最小風量切り替え値までの中
    間風量域の風量制御特性を、中間風量域での風量の自動
    制御から手動制御への切り替え状態に応じて、初期設定
    の風量制御特性と略平行とするか、あるいは前記補正さ
    れた最大風量切り替え値と初期設定の安定風量切り替え
    値との間で線形補間するかを決定して補正する手段を設
    けたことを特徴とする請求項1に記載した自動車用空調
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001322417A (ja) * 2000-03-09 2001-11-20 Denso Corp 車両用空調装置
JP2007271321A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 National Agriculture & Food Research Organization 水分計

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