JPH0640175A - 安全積層体およびその熱転写レシーバシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】情報保持シートが積層体はそのままで情報を読
取りうるように保護カバーに積層された安全積層体、と
くに情報保持シートが熱転写印刷である積層体に関す
る。また安全積層体用の情報保持シートを製造するのに
適した熱転写レシーバシートに関する。 【構成】橋かけ結合シリコン含有リリース方式によつて
ドープされた熱可塑性染色性ポリマを含有するレシーバ
層１３を備えた転写印刷を有し、全シリコン含量は熱可
塑性染色性ポリマにより0.01−１重量％に減少され、プ
ラスチツク材料のカバーシート２が熱および圧力によ
り、好ましくは別に印刷とカバーシート２の間の接着剤
なしに接合された、安全積層体。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は情報保持シートが積層体はそのま
まで情報を読取りうるように保護カバーに積層された安
全積層体、とくに情報保持シートが熱転写印刷である積
層体に関する。本発明はまた安全積層体用の情報保持シ
ートを製造するのに適した熱転写レシーバシートに関す
る。安全積層体はある種の機械読取り情報（たとえばバ
ーコード）、さらに一般に人が読み取る情報（たとえば
署名および対応するテキスト）およびその併用などの種
々の用途に使用される。その用途範囲は低ないし高安全
度用に亘り、本発明はとくに後者において特殊な利点を
有するが、安全性要求の少ない簡単な用途にも使用する
ことができる。低安全度積層体は単に熱転写印刷面を保
護すること、または特定するため物品に貼付けうる型式
の、たとえば名前、住所および多分所有者の写真を情報
として保持する荷物のラベルのような、読取り可能な情
報を保持する手段を提供することを要求されるにすぎな
い。高度の安全性の用途の例は、積層体が保持される情
報の変更を防止する改ざん防止式としなければならな
い、または情報が改ざんしようとするとき破壊される、
カードキーおよび安全パスである。

【０００２】現在、そのような用途の情報保持シート
は、タイプされた文書および／または適当な署名を有す
る、通常写真の型式の画像情報を保持する少なくとも一
つの面ならびに適当な接着剤を使用して熱可塑性のフイ
ルムに積層された写真のエマルジヨン側を有する。少な
くとも一つの写真およびカバーシートは積層後写真を見
るため十分透明でなければならない。また写真の反対側
に第２のカバーシートを設け二つのカバーシートは写真
が適当な接着剤を使用して接着されるポーチを形成す
る。人、署名、絵および他の型式の情報の画像的表示を
現す手段としての光学的写真の代わりは熱転写印刷であ
る。しかしながら、この技術はあるとくに融通性の点に
おいて利点を有するが、積層が困難である。

【０００３】熱転写印刷は一つ以上の熱的に移転しうる
染料が染料シートから熱的刺激に応じてレシーバーに移
転する過程に対する一般的な用語である。染料シートの
全印刷区域に亘つて均一に広がつた一つ以上の染料を含
有する染料コーテイングを有する薄い基層を備えた染料
シートを使用して、印刷は染料シートの選択された別々
の区域を加熱することによつて実施され、染料コーテイ
ングはレシーバーシートの染色性表面に保持され、それ
により染料をレシーバの対応する区域に転写する。転写
されるパターンの形状は加熱をうける別々の区域の数お
よび位置によつて決定される。カラー印刷は異なつた色
の染料シートによる印刷によつて引続いて同じように実
施され、通常同じ染料シートによつて繰返して均一な印
刷サイズ区域としてえられる。

【０００４】高解像度写真状印刷は、ビデオ、コンピユ
ータ、電子スチールカメラまたは同様の信号発生装置か
らえられる電子信号によつて制御された、プログラム可
能な感熱印刷ヘツドまたはレーザプリンタのような、適
当な印刷装置を使用する熱転写印刷によつて製造するこ
とができる。通常の感熱印刷ヘツドは１mm当たり６個以
上の絵素を印刷する、一般に１絵素当たり２個のヒータ
を備えた、一列の小さなヒータを有する。絵素の密度が
大きくなればなるほど、ポテンシヤル解像度は大きくな
るが、現在利用しうるプリンタは一時に一列しか印刷で
きない。通常ほぼ０から１０msの長さの、高速度の短い
高温パルスによつてそれらを印刷することが望ましい
が、あるプリンタでは１５msまでであり、各絵素温度は
もつとも長いパルスの間通常約３５０℃である。

【０００５】レシーバシートは染色性ポリマ成分のレシ
ーバ層を支持するシート状基層を有し、その中に印刷中
加熱されるとき染料分子が容易に拡散することができ
る。染色性ポリマの例は普通の溶剤に溶解してそれらを
コーテイング組成として基層に塗布することができる飽
和ポリエステルを含んでいる。しかしながら、これらは
熱可塑性ポリマで、軟化温度は印刷中使用される温度以
下で、印刷パルスが短くてもそれらは十分に溶融させて
染料コーテイングとレシーバ層の間に接着し、その結果
単一の絵祖素が加熱されるよりもむしろ、染料コーテイ
ング全体がレシーバに転写される。全転写量は必要なも
の以上に数個の絵素から、二枚のシートが全印刷区域に
亘つて溶着されることまである。

【０００６】印刷中に発生するこのような全転写の問題
を解決するため、レシーバ層上のコーテイングとしてま
たはもつとも普通にレシーバ層自体における、レリーズ
剤添加が種々提案された。とくに有効なレリーズ方式
は、シリコンおよびコーテイングを安定化しかつシリコ
ン転移を防止するための橋かけ結合剤を含んでいる。両
方の反応部分は一般的でないがシリコンを含んでいる。
全シリコン含量は通常２〜８重量％の染色性ポリマ、お
よび少くともほゞすべてのシリコン含有分子と反応する
ため、自由シリコンとして全転写問題を解決することが
できるのに十分な橋かけ結合剤である。遺憾ながら、印
刷中必要なまつたくのレリーズ特性は、そのようなレリ
ーズ方式を含むレシーバ層を安全積層体に必要な保護カ
バーシートに付着させることを困難にする。実際、その
ような目的のためにすでに提案された種々の接着剤の多
くによつて、接着が明らかに達成されたときでさえも、
カバーシートはなおレシーバ層を剥離し（とくに高温に
おいて）レシーバ層に印刷された情報を偽造に対してそ
のまま保護なしにする。

【０００７】そのような高レベルのシリコンがレリーズ
特性のエージングを考慮するため通常好ましいのに対し
て、印刷中の良好なレリーズはエージングしないレシー
バ層内の一層低いシリコン濃度によつてえられることが
分かつた。さらに、きわめて有効なそして安全な接合
は、接着剤層がいつも加えられるとは限らないが、シリ
コンのそのような低有効量しか使用しないでも、達成さ
れることが分かつた。

【０００８】本発明の第１の態様によれば、安全積層体
は、 ａ）橋かけ結合されたシリコン含有レリーズ方式によつ
てドープされた染色性熱可塑性ポリマを有し、全シリコ
ン含量が前記染色性熱可塑性ポリマの0.01〜１重量％の
範囲内にあり、その少なくとも一部に一つ以上の熱転写
染料の印刷が拡散される、レシーバ層を支持するシート
状基層を有する熱転写レシーバシート ｂ）前記レシーバシートに接着された可塑性材料のカバ
ーシートを有し、基礎シートおよびカバーシートの少な
くとも一方は積層体の外部から印刷が見えるのに十分な
透明度を有するものである。

【０００９】カバーシートは、最終積層体の全体の厚さ
の大部分を占めるとしても、支持的カード状シートであ
る。そのようなカバーシートはとくに独立した用途に適
し、クレジツトカード、安全カードおよびカードキーは
その例で、適当な厚さは通常カバーシートが約２００μ
ｍ、レシーバシートは５０μｍである。それが備える支
持体とは別に、カバーシートはレシーバ層およびそれが
備える印刷の保護を奏し、この層はレシーバ基層とカバ
ーとの間に挟持される。そのような用途に対しては、一
般的にたとえば白色顔料を充填され、それが支持する印
刷を見うるようにするために透明である比較的薄い透明
レシーバ基層を備えた、プラスチツクシート（たとえば
塩化ポリビニルまたはポリカーボネート）を使用し、厚
いカバーシートが不透明であることが好ましく、レシー
バ層は基層と不透明なカバーシートとの間に挟持され
る。

【００１０】情報はそのような積層体の両側に、たとえ
ば支持カバーの一方の側の通常の印刷および他方の側の
接着された熱転写印刷によりえることができる。この変
型は一枚のカバーシート両側に接着された印刷レシーバ
ーシートを有する両側の熱転写印刷である。そのような
変型においては、多くの用途において、両方のレシーバ
シートに透明な基層を使用することが好ましく、（それ
らの間に挟持される）カバーシートは不透明で、印刷は
それぞれ一方の側だけからしか見えない。しかしなが
ら、これは特殊な効果に適した透明なカバーシートの使
用を阻止するものでない。支持的カバーシートはそれ自
体積層体であり、これは特殊な表面組織または構造が積
層体の裏面に必要であるか、または同じ機能的特徴（た
とえばカードキーのキー機能）が積層カバーシート層の
間に隠される場合有用である。

【００１１】また安全積層体は、第２のカバーシートを
レシーバシートの裏側すなわちレシーバ層から離れた側
に、レシーバシートを二つのカバーシートの間に挾持す
るように備えることができる。そのような用途に対して
は、透明な熱可塑性フイルムのような一層薄いシートが
一般に好ましい。これらの積層体は両方のカバーシート
がレシーバシートの端を越えて延長する周辺部分を有す
るポーチ積層体を備えている。このポーチ内には印刷さ
れたレシーバシートがそのレシーバ層を上にあるレシー
バ層に接着して固定されている。そのような構造におい
て、レシーバシートの裏側をつねに上にあるカバーシー
トに接着する必要はないが、接着方法は印刷されたレシ
ーバシートの両側にそれをそれがある必要はないにして
も、一般的にこれはその間に薄いフイルムを備えるのが
好ましい。しかしながら、第２のカバーシートが延長さ
れた周辺部分を有しない場合、使用される方法または手
段が第１のカバーシートのレシーバ層に接着するため使
用されたものと異なつているとしても、それを所定位置
に保持するためレシーバシートの裏に接着することが必
要である。

【００１２】上記のように、一層少量のシリコンによつ
て、接着剤層を付加する必要がないほどに、きわめて有
効なかつ安全な接着を達成することができる。実際、本
発明の積層体はカバーシートが直接レシーバシートのレ
シーバ層に接着され、その間にいかなる接着剤の層も存
在しないものである。白色塩化ビニルまたはポリカーボ
ネート成分を充填された熱可塑性カバーシートによつ
て、そのような直接接着が単に積層プレスの加熱によつ
て容易に実施することができる。レシーバ層とカバーシ
ートの間を直接接着するこの驚くべき可能性は積層体の
生産を簡単にするばかりでなく、多くの普通の接着剤が
しばしば流れ出し接着された積層がとくに高温において
自然に離れるために、一層大きい安全性を生ずるもので
ある。

【００１３】このようにして直接接着を達成するのに必
要な最低温度はレシーバのシリコン含量に依存すること
が分かつた。上記範囲の下限はたとえば（他の成分の化
学的特性に従つて）約１００℃で良い接着を生じ、他の
対応する方式における約１％の一層多いシリコン含量は
一層高い積層温度、たとえば１５０℃を必要とする（こ
れらの特殊な値は温度の説明のためのもので、市販のあ
る高温ロール積層機に使用して成功したものであるが、
別の積層機では変更する必要がある。）。

【００１４】上記のように、接着剤のない積層は一層少
ないシリコン量によつてもつとも容易にえられるが、と
くに少ない量たとえば0.05％を使用するとき、印刷前に
レシーバ層の好ましくないエージングを生じないように
することがますます重要となる。しかして（下記の例に
示すように）、本発明が提供するレシーバシートを使用
することにより、とくに低いシリコン含量のレシーバ組
成によつてさえも、実際に問題のない印刷を達成した。
エージングの割合はレシーバが保存される状態にまつた
く依存する。状態がとくに多湿でなくまたとくに高温で
なければ、シリコン含量がまつたく低い場合でさえも、
数ヵ月間完全使用することができる。しかしながら、エ
ージングはレシーバが製造されると直ちに開始し、エー
ジング量の収納状態の見地から、そのようなレシーバは
製造後できるだけ早く使用することが好ましい。古いと
くに低シリコン含量のレレシーバによつて、転写全体は
印刷中いちじるしく良くなる。

【００１５】製造の見地から、一般的に、基層をもつた
めに印刷されたレシーバシートおよび一枚のカバーシー
トより成り、かならずしも必要ではないがレシーバ層お
よびカバーシートは端部全体で連続する積層体が好まし
い。たとえば、レシーバ層は他の二つより面積を小さく
することができるが、その場合、他の接着手段たとえば
カバーシートとレシーバ層によつてカバーされないレシ
ーバ基層のその部分の間を接着するため接着剤を使用す
ることが必要である。一層容易に得られる変型は、基層
の全面積がレシーバ層を有するが、レシーバシートはカ
バーシート面の一部だけをカバーするものである。本発
明の第２の態様によれば、安全積層体を製造する熱転写
レシーバシートは橋かけ結合されたシリコン含有レリー
ズ方式によってドープされた染色性熱可塑性有機ボリマ
を有し、全シリコン含量が染色性熱可塑性ボリマの0.01
〜１重量％の範囲内にある、レシーバ層を支持するシー
ト状基層を有する熱転写レシーバシートを有する。染色
性有機ポリマはレシーバ層組成のバルクを形成する。こ
れは一種のポリマを含むか、または混合物とすることが
できる。とくに適した染色性有機ポリマは飽和ポリエス
テル（すなわち、適当なポリエステルが反復単位当たり
一つ以上の芳香属を含むような、反応性エチレン不飽和
を参照）。市販中のこれらのものの例は、Vitel PE 200
（グツドイヤー社）、およびVylon ポリエステル（東洋
紡）で、103 および200 型がとくに適当である。有機ポ
リマ成分はたとえば塩化ポリビニル／ポリビニルのアル
コールコポリマのような付加的ポリマを含む。

【００１６】好ましいレリーズ方式は、１分子当たり複
数のヒドロキシル属および酸性接触反応状態で上記ヒド
ロキシル属と反応する少くとも一つの有機多官能基Ｎ−
（アルコキシルメチル）アミン樹脂を有する少くとも一
つのシリコンの熱硬化反応物である。シリコンは、分枝
または線状のいずれとすることもできるが、線状のもの
はが流動性が一層よく、基層コーテイング中有用であ
る。ヒドロキシル属はシリコンをポリオキシアルキレン
とコポリマ化することにより末端ヒドロキシルを備えた
分子を有するポリマをうることができ、これらはアミノ
樹脂と反応するのに利用される。そのようなシリコンコ
ポリマの二官能基の例はポリジメチルシロクサン・ポリ
オキシアルキレン・コポリマである。これらは分子当た
り２個の末端ヒドロキシルを備えた線状分子を有し、熱
硬化生成物の多重橋かけ結合をえるため、それらは少く
とも３個の官能基を有するＮ−（アルコキシメチル）ア
ミン樹脂を要する。ヒドロキシオルガノ官能属もまた直
接シリコンバツクボーンにグラフトされ、本発明の組成
に適した橋かけ結合しうるシリコンを製造する。これら
の例の中には、ビス−ヒドロキシアルキル・ポリジメチ
ルシロクサンである、Tegomer HSi 2210が含まれる。僅
か２個の官能基を有し、また一層大きい官能基を有する
橋かけ結合剤も熱硬化を達成するのに必要である。

【００１７】好ましい多官能Ｎ−（アルコキシメチル）
アミン樹脂は、尿素のアルコキシメチル誘導体、グアナ
ミンおよびメラミン樹脂を含む。低アルキル成分（すな
わちＣ_４ブトキシ誘導体までの）は商業的に利用可能で
あり、すべては有効に使用されるが、メトキシ誘導体は
一層揮発性の副産物をあとで除去しうるため一層好まし
い。アメリカン・シアナミド社がCymel の商品名で市販
する種々の等級のその例は、適当な粘性をえるため部分
的にプレポリマ化した形式で使用するのに適した、ヘキ
サメトキシメチルメラミンである。ヘキサメトキシメチ
ルメラミンは置換基からの立体障害に依存する３−６官
能基であり、かつ適当な酸性触媒たとえばｐ−トルエン
スルフオン酸（PTSA）を使用して高度に橋かけ結合した
物質を形成することができる。しかしながら、酸は好ま
しくは最初に加えられたときブロツクされコーテイング
成分の寿命を延長するのが好ましく、その例にはアミン
ブロツクPTSA（たとえばNacure 2530)およびアンモニウ
ムシミレートがある。

【００１８】本出願人は、いかなる自由シリコンも全転
写問題を発生し、少くとも同じ量のアミン樹脂を使用す
ることが好ましいことを発見した。リレーズ方式は多官
能シリコンおよび橋かけ剤が染色性ポリマ成分、混合さ
れた触媒および置換体にまたは以前に置換体に加えられ
た下塗りへのコーテイングとして塗布された混合物に添
加された後硬化される。本発明積層体に使用するのに好
ましいレシーバは、線状ポリエステルとくに配向された
ポリエチレン・テレフタレートのような、平滑な熱可塑
性フイルムである。これらは記載された積層工程中でさ
えも寸法的に安定であり、平滑な光沢のある面を有す
る、透明並びに不透明のいずれにすることもできる。

【００１９】減少したシリコン成分が積層中有効な結合
を可能にする本発明の主要目的に対して、レシーバ層と
基体との間の接合が少くとも積層中に作られるカバーシ
ートに対する接合と同じ強さであることが望ましく、そ
うでなければ、基体とレシーバ層との中間層の結合の失
敗により剥離が発生し、そのような低レベルのリレーズ
剤を使用はするすべての危険性のため利用されない。こ
れは繊維または合成紙のような雑な基体に対する課題で
なく、平滑なプラスチツクフイルムに対する課題であ
り、基体の面はレシーバ層の接着の前に、その接着力を
増進するため予備処理されることが好ましい。とくに、
これは透明な好ましい基体すなわち配向されたポエチレ
ンテレフタレートフイルムから製造された、積層体の安
全性に対する注目すべき改善である。

【００２０】予備処理は、基層の表面構造または接着物
質の表面構造を変更して塗布される層またはレシーバの
双方に良く付着するための化学的または物理的エツチン
グである。プラスチツクフイルムがポリエチレンテレフ
タレートのような線状ポリエステルであるとき、予備処
理はフイルムに作用する膨潤または溶媒効果を有する組
成をフイルム面に塗布することを含んでいる。好ましい
予備処理剤の組成は、アセトンまたはメタノールのよう
な有機溶剤への、ｐ−クロロｍ−クレゾール、２，４−
ジクロロフエノール、２，４，６−または２，４，５ト
リクロロフエノール、４−クロロレゾルシノールまたは
そのような材料の混合物の共通の溶剤への溶解である。
もし望むならば、予備処理溶液はポリマ成分、たとえば
塩化ビニルおよび酢酸ビニルのコポリマを含む。そのよ
うな溶液がフイルム面に塗布された後、レシーバ層成分
を塗布する前に数分間高温で乾燥される。

【００２１】それだけでまたはエツチング処理とともに
使用される接着促進下側層は、レシーバ層に使用される
のと同じ染色性ポリマ（たとえば飽和ポリエステル）を
含むまたはレシーバ層と反応する成分（たとえばレシー
バ層のリレーズ方式に使用される過剰の橋かけ結合剤を
有する橋かけ結合ポリマ）を含むポリマ層である。もし
フイルムが一つ以上の方向の伸長によつて達成される分
子配向法によつて製造されるならば、フイルム製造中に
下方ポリマ層を塗布するのは便利である。通常配向され
るフイルムは二つの互いに垂直な方向に伸長することに
よつて二方向に配向される。下方層は伸長が開始する前
に、また好ましくは連続した二方向の伸長の間に塗布さ
れる。

【００２２】それらのレシーバ層および下方層に加え
て、レシーバシートは、印刷中または前の処理を助ける
ため、ブロツク防止バツクコーテイングおよび／または
帯電防止コーテイングまたは処理のような、他のコーテ
イングを有する。本発明の第２の態様によるレシーバシ
ートはカセツトに包装された長い条片の型式で市販また
は使用されるか、または個々のプリントサイズ部分に切
断されるか、そうでなければ、（これが熱印刷ヘツドま
たは他の印刷方式に関連使用しないとしても）それらが
使用されるどのような印刷機の要求にも適合して、えら
れた特性を完全に利用することができる。

【００２３】以下、本発明を添付図面に示された特殊な
実施例に基づいて説明する。図示の積層体はカバーシー
ト２に接着されたレシーバシート１を有する。レシーバ
は透明二軸配向ポリエチレンエーテルフタレート・フイ
ルム１１（たとえばici 社のOHP 級Melinex ）より成
る。下面１２は（図示の位置で）上記のようにクロロフ
エノール・エツチングによつて予備処理され、レシーバ
層１３を備えている。これは染色性ポリマ並びにシリコ
ンレリーズ方式より成り、乾燥され図示のコーテインク
となる前に有機溶剤中の溶液として塗布される。カバー
シート２はＰＶの白色不透明無光沢のシートであり、そ
れに対してレシーバ層がそれらの間に接着剤の層を介在
させることなく熱および圧力によつて接着される。

【００２４】例 １ 本発明をさらに説明するため、安全積層体は図１に示さ
れたものとして製造される。厚さ５０μｍの透明二軸配
向ポリエステルフイルムは一側でクロロフエノール・エ
ツチングにより予備処理され、ついでシリコン成分のみ
が異なり、下記の成分より成る一連のレシーバ層をコー
テイング成分の一つを使用される。 Vylon 200 １００ 重量部 Tegomer HSi 2210 0.13−0.8 〃〃〃 Cymel 303 0.8 〃〃〃 Nacure 2530 0.2 〃〃〃 Tinuvin 900 2.0 〃〃〃 toluene/MEK 40/60 溶媒混合物 Vylon 200 は染色性線状ポリエステルである。Tegomer
HSi 2210はゴールドシユミツト社によつて市販中のビス
−ヒドロキシアルキル・ポリジメチル・シロクサンで、
Cymel 303 によつて酸性状態で橋かけ結合して印刷中有
効なレリーズ方式を形成する。Nacure 2530 はアミンブ
ロツクされたｐトルエン・スルフオン酸触媒で、Tinuvi
n 900 はＵＶ安定剤である。

【００２５】これらのコーテイング成分は三つの官能基
溶液を混合することによつて作られるが、その一つは染
色性Vylon およびTinuvin ＵＶ吸収剤を含み、第２にCy
mel橋かけ結合剤および第３にTegomer とCymel 材料の
間の橋かけ重合に対して媒作用するTegomer シリコンレ
リーズ剤およびNacure溶液を含む。ついでこれらはコー
テイングの直前に混合され、溶剤の量は全固体成分の１
２％を有する最終溶液がえられる。イン−ライン機械コ
ーテイングを使用して、レシーバ成分はポリエステルフ
イルムのクロロフエノール・プライマ面に被覆され、乾
燥され、硬化されて厚さ約４μｍの染色性層を生ずる。
レシーバシートは清潔かつ透明で、主として単一のカラ
ー染料シートによつてAtlantek熱転写印刷を使用して印
刷され、印刷中発生した全転写の気配なしにオーバーヘ
ツドプロジエクシヨンに適した高質透明度を生ずる。少
数のテストピースが小さい実験室印刷機でも印刷された
が、同じ結果が得られた。

【００２６】印刷されたレシーバシートは厚さ200 μｍ
のポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）カバーシート（Staufen Fo
lien PVC 24.4および27.4級）で、そのレシーバ層はＰ
ＶＣと直接接触している。ロール速度を0.5m／分、温度
を200 ℃、（ローラバイアス用）運転空気圧５気圧に設
定されたOzatec HLR 350高温ロール積層機を使用する
と、積層は二行程で実施されすなわち積層機械に（同じ
速度および圧力で）前進しついで後退して積層品が積層
機械の前方にえられる。接着剤の塗布は実施されなかつ
た。積層体のサンプルは基層およびカバーシートを引離
すことにより安全性をテストされた。すべての積層体は
層の剥離が生ずるよりもMelinex 基層が裂断するという
良い接着力をもつことが分かつた。驚くべきことは、最
終的印刷の品質である。層を形成するのに使用する高温
にも係わらず、染料分子の横流れは極めて少なかつた。
積層印刷は積層前と同じ鮮明さを備え、認識された唯一
の相違点は粒状性の減少であつた。

【００２７】例 ２ 上記の例は異なつた低い積層温度を使用して繰返され
た。120 ℃の低い積層温度は0.3 ％のシリコン含量を使
用するとき例１と同様の結果を生じた。しかしながら、
シリコン含量が多いとき、同じ結果をえるため高温を必
要とすることが分つた。しかして、0.8 ％のシリコン含
量は、積層が 200℃で実施されるとき良い結果がえら
れ、低い温度で積層するとき悪い結果がえられた。 120
℃で積層されるとき、シリコン含量0.8 ％のレシーバは
Melinex 層の裂断に先立つて剥離した。同様に中間のシ
リコン含量は積層の強度に対応する中間の値を生じた。

【００２８】例 ３ 最低の実際の積層温度をシリコン含量と関連させるた
め、いくつかのレシーバコーテイング成分が異なつたシ
リコン量（Tegomer HSi 2210）、および前記例の方法で
製造されかつ印刷された対応するレシーバに対して準備
された。印刷後、これらはそれぞれ、 100℃から始まる
範囲が異なる積層温度を除いて、上記の条件のもとでつ
や消しＰＶＣに積層された。温度は接着レベルが方式の
剥離よりもMelinex 層が裂断するレベルに達するまでそ
れぞれ10℃だけ上昇された。その結果は例４の結果と一
緒に表形式で下記に記載される。

【００２９】例 ４ 前の例に記載された種々の温度における一連の積層は、
ポリカーボネートシート（ＰＶ）がＰＶＣカバーシート
に置換えられることを除いて繰返された。ＰＣシートは
一側がつや消しで他側にはつやがある。両方の面は積層
特性をテストされたが、差異はなかつた。そこで一組の
ＰＶの例だけを下記の表に記載する。

【００３０】

【００３１】上記の表において、シリコン含量は染色性
ポリマの重量％で示され、積層温度は引用されたシリコ
ン含量の積層限界に適合する最低温度である。これらの
新しく製造された低シリコンレシーバシートのいずれに
関しても転写に問題は生じていない。上記結果は、明ら
かに異なったポリマシートを、またそのような異なつた
ポリマに必要なきわめて異なつた温度をどのように使用
して本発明によりきわめて安全な積層体を製造しうるか
を示すものである。しかしながら、異なつたポリマを使
用するとき発見された共通のフアクタは、必要なシリコ
ンの適当量が同じ範囲内にあるということである。

【００３２】例 ５ 低シリコン含量レシーバ層はまた接着剤の中間層を使用
して有利に使用する事ができる。カバーシートは最初強
い白色ポリエステルシート（ICI 社のMelinex990）を高
温溶融接着剤（Vylon)とともにコーテイングすることに
よつて製造された。これはtoluen/MEXの溶液から、Ｋ−
bar を使用して乾燥を遅らせて、コーテイングされた
（高温溶融コーテイングはそのとき装置を利用できれば
好ましい）。印刷は前記例におけるように実施され、つ
いで丁度でき上がつたカバーシートは頂部に設置され、
その接着剤は印刷されたレシーバ層をコーテイングす
る。積層は前記のように高温ロール積層機を使用して実
施される。方法は種々の製造者からのレシーバシートの
サンプルによつて繰返され、すべてはシリコンレリーズ
方式の一層大きい密度を有する。加熱されるならば、え
られた積層体を剥離することは不可能ではない。しかし
ながら、通常の温度で本発明による低シリコン含量を有
する積層体は剥離するのはきわめて困難であり、他のも
のよりいちじるしく困難である。

【００３３】例 ６ この例においても、接着剤層が使用されるが、この場合
接着剤および基体は一緒に同時押出し積層として形成さ
れ、それらの間にとくに良い接合を生ずる。カバーシー
トは二軸配向ポリエチレンテレフタレート・フイルムよ
り成り、同時押出しコーテイングは８２：１８比のエチ
レンエーテルフタレートおよびエチレンエーテルイソフ
タレートのコポリマである（ICI 社のMELINEX 343 ）で
ある。同様の積層条件を使用すると、これもまた低シリ
コン含量を有するレシーバシートによつて良い接合を生
じた。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明による積層体を通る線図的断面図
を示し、各部分は理解を助けるため僅かに離して図示さ
れている。

【符号の説明】

１ レシーバシート ２ カバーシート 11 二軸配向ポリエチレン・エーテルフタレート 13 レシーバ層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール・アンドリユー・エドワーズ イギリス国．エセツクス・シイオー12・４ エヌビイ．ハーウイツク．ドーバーコー ト．チエス・レーン．３ (72)発明者 リチヤード・アントニー・ハン イギリス国．サフオーク・アイピイ１・３ テイイー．イプスウイツチ．ウツドストー ン・アベニユ．22 (72)発明者 ゲーリー・ウエイン・モリソン イギリス国．ロンドン・エヌ22・６イーエ ヌ．ウツドグリーン．レツドベアーズ・ロ ード．19

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】安全積層体であつて、 ａ）橋かけ結合されたシリコン含有レリーズ方式によっ
   てドープされた染色性熱可塑性ボリマを有し、全シリコ
   ン含量が前記染色性熱可塑性ポリマの0.01〜１重量％の
   範囲内にあり、その少なくとも一部に一つ以上の熱転写
   染料の印刷が拡散された、レシーバ層を支持するシート
   状基層を有する熱転写レシーバシート ｂ）前記レシーバシート層に接合された可塑性材料のカ
   バーシートを有し、基礎シートおよびカバーシートの少
   なくとも一方は積層体の外部から印刷が見えるのに十分
   な透明度を有する、前記積層体。
2. 【請求項２】カバーシートは、積層体の全体の厚さの大
   部分を占めるカード状シートである請求項１記載の安全
   積層体。
3. 【請求項３】カバーシートは不透明である請求項２記載
   の安全積層体。
4. 【請求項４】カバーシートはレシーバシートのレシーバ
   層に直接接着され、その間にいかなる接着剤もない請求
   項１記載の安全積層体。
5. 【請求項５】カバーシートは白色充填塩化ポリビニルま
   たはポリカーボネート成分から製造された請求項４記載
   の安全積層体。
6. 【請求項６】基層、レシーバ層およびカバーシートは全
   周に沿つて同延である請求項１記載の安全積層体。
7. 【請求項７】安全積層体を製造するための熱転写レシー
   バシートであつて、橋かけ結合されたシリコン含有レリ
   ーズ方式によってドープされた染色性熱可塑性有機ポリ
   マを有し、全シリコン量が前記染色性熱可塑性ボリマの
   0.01〜１重量％の範囲内にあるレシーバ層を支持するシ
   ート状基層を有する、前記熱転写レシーバシート。
8. 【請求項８】基層は透明な二軸配向ポリエチレンテレフ
   タレートフイルムであり、レシーバ層を支持する表面は
   レシーバ層成分によるコーテイングの前に予備処理さ
   れ、そこにレシーバ層を貼着する前にその接着能力を増
   進し、前記予備処理は基層の表面構造を変化する化学的
   または物理的エツチングの型式であるか、または基層な
   らびにレシーバ層に接着性のよい接着剤をコーテイング
   することである請求項７記載の熱転写レシーバシート。
9. 【請求項９】エツチングする予備処理剤の組成がｐ−ク
   ロロ＝ｍ−クレゾール、２，４−ジクロロフエノール、
   ２，４，６−または２，４，５−トリクロロフエノー
   ル、４−クロロレゾルシノールの有機溶剤溶液、または
   それらの共通の溶剤への混合物である請求項８記載の熱
   転写レシーバシート。