JPH0640064A - グレーズドセラミック基板の製造方法 - Google Patents

グレーズドセラミック基板の製造方法

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JPH0640064A
JPH0640064A JP21839292A JP21839292A JPH0640064A JP H0640064 A JPH0640064 A JP H0640064A JP 21839292 A JP21839292 A JP 21839292A JP 21839292 A JP21839292 A JP 21839292A JP H0640064 A JPH0640064 A JP H0640064A
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JP
Japan
Prior art keywords
glaze
ceramic substrate
glaze layer
softening point
convex portion
Prior art date
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Pending
Application number
JP21839292A
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English (en)
Inventor
Masahiro Kato
正博 加藤
Kazuaki Nakanishi
一晃 中西
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】セラミック基板の少なくとも一主面のほぼ全面
にグレーズ層を形成する工程、このグレーズ層の表面の
所定部分を残して他の部分をサンドブラストにより研削
する工程、並びに該グレーズ層をグレーズの軟化点より
も高い温度で加熱する工程を備えることを特徴とするグ
レーズドセラミック基板の製造方法。 【効果】グレーズの軟化点に依存することが無く、かつ
グレーズを一旦セラミック基板の全面に焼き付けてから
凸部を形成するので、種々の大きさの凸部を有するグレ
ーズ層を自在かつ安定に形成することができ、適用範囲
が広い。しかも製造工程において、劇薬を必要としない
ので、安全である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、グレーズドセラミッ
ク基板及びその製造方法に関し、特に熱転写型もしくは
熱昇華型などのように良好な印字特性が要求されるサー
マルヘッド用の絶縁基板に好適に利用され得る。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ等のサーマルヘッド用の絶
縁基板は、アルミナ等のセラミック基板の表面にグレー
ズ層が形成され、その上に窒化タンタル等の発熱抵抗体
や電極が形成された構造となっている。そして、電圧が
印加されて発熱した発熱抵抗体を感熱紙や熱転写リボン
に押圧してこれらに印字する際、前記グレーズ層は蓄熱
層となって、熱を感熱紙や熱転写リボン側に効率よく伝
達する働きをする。
【0003】このようなグレーズ層には、蓄熱層として
優れた蓄放熱特性が要求されるほか、感熱紙等への良好
な接触性が要求される。従って、グレーズ層の形状とし
ては、発熱抵抗体が形成される部分のみを凸状にして、
熱効率及び接触効率の向上が図られている。
【0004】従来、グレーズ層を凸状に形成する方法と
しては、(1)セラミック基板の主面上にスクリーン印
刷等の手段によりガラス含有ペーストを発熱抵抗体形成
部分に帯状に塗布し、これを焼き付ける周知の方法、
(2)セラミック基板上に先ず第1のガラスペーストで
開口部が設けられるように印刷し、次いで第2のガラス
ペーストでこの開口部に印刷し、両ガラスペーストを同
時に焼き付ける方法(特公平1−24753号公報)、
(3)セラミック基板のほぼ全面にガラスペーストを印
刷し、焼き付けた後、凸状となる部分以外をエッチング
し、加熱する方法(特公平4−83778号公報)など
が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記周知方法
では、スクリーンマスクの欠損、印刷時もしくは焼き付
け時のグレーズとセラミックとのはじき現象などのた
め、凸部形状が変化することがある。しかもはじき現象
に起因して波長の短い凹凸が数多く発生する。したがっ
て局部平坦度の良好なものを安定的且つ安価に製造する
ことは困難であった。そして、発明者等が研究したとこ
ろ、振幅が大きくても波長の長い大きなうねりは、セラ
ミック基板のグレーズ層形成面と反対面に放熱板等を接
着固定することによって、解消されるものの、波長の短
い凹凸は解消されないため、印字特性を劣化させること
が判明した。
【0006】また、特公平1−24753号公報に記載
の方法では、第1のガラスペーストと第2のガラスペー
ストの軟化点が同じである場合、焼き付け後に凸形状を
維持することが困難である。従って、凸形状を維持する
ために、第1のガラスペーストの軟化点を第2のガラス
ペーストの軟化点よりも200℃以上も高くする必要が
あるが、これではグレーズ用ガラスペーストの選択範囲
がきわめて限られてしまい、ガラス原料コスト、熱伝導
率、表面平滑性などの他の特性のいずれかを犠牲にしな
ければならない。
【0007】最後の特公平4−83738号公報に記載
の方法では、ガラスを除去する必要上、エッチングの際
に弗酸、硝酸、硫酸などの劇薬を使用しなければならな
いから、安全上好ましくない。
【0008】本発明の目的は、これら従来の課題を解決
し、グレーズの軟化点に依存すること無く、安全な手段
で、局部平坦度の良好なグレーズドセラミック基板を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】その手段は、セラミック
基板の少なくとも一主面のほぼ全面にグレーズ層を形成
する工程(以下、「第1工程」という)、このグレーズ
層の表面の所定部分を残して他の部分をサンドブラスト
により研削する工程(以下、「第2工程」という)、並
びに該グレーズ層をグレーズの軟化点よりも高い温度で
加熱する工程(以下、「第2工程」という)を備えるこ
とを特徴とするグレーズドセラミック基板の製造方法に
ある。
【0010】ここで、第1工程は、具体的には、例えば
アルミナ等からなる厚さ0.6〜1.6mm程度のセラ
ミック基板の少なくとも一主面のほぼ全面に、スクリー
ン印刷、ディッピング印刷などによってガラス粉末含有
ペーストを塗布し、加熱してペースト中の有機成分を除
去した後、高温でガラス粉末を軟化溶融させて焼き付け
るようなものである。ガラス粉末含有ペーストを塗布す
る厚さは、焼き付け後にグレーズ層が50〜100μm
となる程度がよい。
【0011】第2工程は、焼き付けられたグレーズ層の
表面に、例えば、感光性乳剤を塗布し乾燥した後、所定
部分のみ露光、現像、エッチングを行うことによって、
凸部形成予定面をマスキングし(凸部形成予定面以外の
面は、露出させる)、アランダム等の砥粒を高圧の空気
とともに吹き付けてグレーズ層の露出面を研削し、感光
性乳剤を溶剤等で除去するようなものである。この場合
のエッチング液は、感光性乳剤を除去できる性質のもの
であればよく、劇薬である必要はない。第3工程は、第
2工程で得られた凸状部を有するグレーズ層を、例え
ば、グレーズの軟化点よりも200度高い温度で加熱す
るようなものである。
【0012】
【作用】前記従来の周知方法において、セラミック基板
とグレーズとのはじき現象は、セラミックとグレーズと
の界面で起こるところ、本発明の場合、先ず第1工程で
セラミック基板の主面のほぼ全面にグレーズが形成され
ることから、上記のような界面が、主面上には存在しな
い。従って、はじき現象及びこれに伴うグレーズ層表面
の波長の短い鋭利な凹凸が生じるのを防止できる。
【0013】第2工程では、凸部形成予定面以外の面
が、劇薬の不要なサンドブラストにより研削されるの
で、安全である。しかもグレーズの軟化点に依存するこ
と無く所望の凸部を形成することができる。第3工程で
は、第2工程において生じた砥粒の痕跡を均して消失さ
せるとともに、マスキングされた表面を一層平滑にす
る。
【0014】かくして得られたグレーズドセラミック基
板は、グレーズ層の凸部表面の平坦度が、表面方向の長
さ2.7mmあたり振幅1μm以下というもので、凸部
表面に波長の短い鋭利な凹凸が存在する割合が、きわめ
て少なく、感熱紙や感熱リボンへの接触性に優れたもの
である。
【0015】
【実施例】
−実施例1− MgO−CaO−B23−Al23−SiO2系ガラス
粉末 にエチルセルロース系バインダー、可塑剤及び有
機溶媒を添加してガラス粉末含有ペーストを調整した。
表面粗度Ra0.3μmのセラミック基板(アルミナA
23含有量96%)の片側主面全面に、上記ガラス粉
末含有ペーストを厚さ200μmにスクリーン印刷し、
乾燥後、温度1200℃で加熱して、厚さ100μmの
全面グレーズ層を形成した(第1工程)。このグレーズ
の転移点は、688℃、軟化点は、945℃であった。
【0016】次に、感光性樹脂を含む乳剤をグレーズ層
の全面に塗布し乾燥し、凸部形成予定面を除く部分に露
光、現像、エッチングを行い、凸部形成予定面のみ幅
0.65mmの帯状にマスキングを行った。そして、ア
ルミナ99.5%以上のアランダム(#80)を圧力1
0kg/cm2の空気とともにグレーズ層表面に吹き付
けた。その後、乳剤を全部除去し、洗浄した。これによ
って、グレーズ層のうち、マスキングされていない部分
が研削された(第2工程)。最後に温度1100℃で加
熱する(第3工程)ことによって、グレーズ層に幅0.
65mmの凸部を有する本発明グレーズドセラミック基
板を製造した。
【0017】こうして、このグレーズドセラミック基板
のグレーズ層凸部頂面とグレーズ層研削面との間に、5
0μmの段差を形成した。グレーズ層の凸部の表面性状
を観察したところ、表面方向の長さ4.5mmあたり最
大振幅1μmであった。
【0018】グレーズ層凸部の表面性状のプロファイル
を図1に示す。図1は、ろ波うねり曲線(JIS B0
610)のカットオフ値を0.8mm、測定長を25.
0mm、水平方向倍率を2000倍、鉛直方向倍率を2
倍として、測定したグラフであり、横軸は、水平方向長
さ、縦軸は、鉛直方向長さを示す(以下、図2〜図4も
同様。)。
【0019】−実施例2− 第2工程において、研削によって除去するガラスの量を
異ならせる以外は、実施例1と同一条件で本発明グレー
ズドセラミック基板を製造した。こうして、このグレー
ズドセラミック基板のグレーズ層凸部頂面とグレーズ層
研削面との間に、70μmの段差を形成した。グレーズ
層の凸部の表面性状を観察したところ、表面方向の長さ
3.8mmあたり最大振幅1μmであった。グレーズ層
凸部の表面性状のプロファイルを図2に示す。
【0020】−実施例3− 第2工程において帯状にマスキングする幅が0.75m
mである以外は、実施例2と同一条件で、グレーズ層に
幅0.75mmの凸部を有する本発明グレーズドセラミ
ック基板を製造した。
【0021】こうして、このグレーズドセラミック基板
のグレーズ層凸部頂面とグレーズ層研削面との間に、7
0μmの段差を形成した。グレーズ層の凸部の表面性状
を観察したところ、表面方向の長さ4.2mmあたり最
大振幅1μmであった。グレーズ層凸部の表面性状のプ
ロファイルを図3に示す。
【0022】−実施例4− 第2工程において帯状にマスキングする幅が0.85m
mである以外は、実施例2と同一条件で、グレーズ層に
幅0.85mmの凸部を有する本発明グレーズドセラミ
ック基板を製造した。
【0023】こうして、このグレーズドセラミック基板
のグレーズ層凸部頂面とグレーズ層研削面との間に、7
0μmの段差を形成した。グレーズ層の凸部の表面性状
を観察したところ、表面方向の長さ3.6mmあたり最
大振幅1μmであった。グレーズ層凸部の表面性状のプ
ロファイルを図4に示す。
【0024】−比較例− 比較のために実施例1の第1工程において、セラミック
基板の片側全面ではなく、幅1.2mmの部分のみに印
刷したことと、第2工程を経ていないこと以外は、実施
例1のグレーズドセラミック基板の製造方法と同一条件
で部分グレーズドセラミック基板を製造した。
【0025】この部分グレーズドセラミック基板のグレ
ーズ層表面と非グレーズ面との間には、60μmの段差
が形成されていたが、グレーズ層の表面性状を観察した
ところ、表面方向の長さ1.9mmあたり最大振幅1μ
mであった。グレーズ層の表面性状のプロファイルを図
5に示す。
【0026】
【発明の効果】本発明製造方法によって得られるグレー
ズドセラミック基板は、グレーズ層の凸部表面の平坦度
が、表面方向の長さ2.7mmあたり振幅1μm以下と
いうもので、凸部表面に波長の短い鋭利な凹凸が存在す
る割合が、きわめて少ない。従って、サーマルヘッドと
して用いた場合、感熱紙や感熱リボンへの接触性に優れ
たものとなり、きめの細かい綺麗な印字を行うことが可
能である。
【0027】また、本発明製造方法は、グレーズの軟化
点に依存することが無く、かつグレーズを一旦セラミッ
ク基板の全面に焼き付けてから凸部を形成するので、種
々の大きさの凸部を有するグレーズ層を自在かつ安定に
形成することができ、適用範囲が広い。しかも製造工程
において、劇薬を必要としないので、安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のグレーズドセラミック基板を用い
て、グレーズ層凸部の表面性状を測定したプロファイル
である。
【図2】実施例2のグレーズドセラミック基板を用い
て、グレーズ層凸部の表面性状を測定したプロファイル
である。
【図3】実施例3のグレーズドセラミック基板を用い
て、グレーズ層凸部の表面性状を測定したプロファイル
である。
【図4】実施例4のグレーズドセラミック基板を用い
て、グレーズ層凸部の表面性状を測定したプロファイル
である。
【図5】比較例のグレーズドセラミック基板を用いて、
グレーズ層の表面性状を測定したプロファイルである。
【手続補正書】
【提出日】平成4年9月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】グレーズ層凸部の表面性状のプロファイル
を図1に示す。図1は、ろ波うねり曲線(JIS B0
610)のカットオフ値を0.8mm、測定長を25.
0mm、水平方向倍率を2倍、鉛直方向倍率を2000
倍として、測定したグラフであり、横軸は、水平方向長
さ、縦軸は、鉛直方向長さを示す(以下、図2〜図4も
同様。)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板の少なくとも一主面のほ
    ぼ全面にグレーズ層を形成する工程、このグレーズ層の
    表面の所定部分を残して他の部分をサンドブラストによ
    り研削する工程、並びに該グレーズ層をグレーズの軟化
    点よりも高い温度で加熱する工程を備えることを特徴と
    するグレーズドセラミック基板の製造方法。
JP21839292A 1992-07-23 1992-07-23 グレーズドセラミック基板の製造方法 Pending JPH0640064A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0819795A1 (en) 1996-02-01 1998-01-21 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd. Hydraulic circuit for hydraulic machine
JP2013071384A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Toshiba Hokuto Electronics Corp サーマルプリントヘッドの製造方法
CN114656291A (zh) * 2022-02-21 2022-06-24 蒙娜丽莎集团股份有限公司 一种哑光表面的蚀刻装饰陶瓷砖及其制备方法
CN115500011A (zh) * 2022-11-03 2022-12-20 四川富乐华半导体科技有限公司 一种用于dpc陶瓷基板加工的定位方法

Cited By (5)

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CN114656291B (zh) * 2022-02-21 2023-10-20 蒙娜丽莎集团股份有限公司 一种哑光表面的蚀刻装饰陶瓷砖及其制备方法
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