JPH0639849Y2 - 平面加工機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は六面体の被加工物におけ
る六面加工での稼働効率向上を図る平面加工機に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の加工に使用する装置とし
て、特開平４−１０５８１２号公報に見受けられる様
に、スライド台の内側面に、前後方向に移動制御される
ワーク載置台が設けられると共に、スライド台上にワー
クの両側面を加工するミーリングカッターが設けられ、
又昇降制御される取付板にワークの上面を加工するミー
リングカッターが設けられた加工機、又実開昭４７−２
６０８５号公報に見受けられる様に、三方のフレームに
夫々主軸ヘッドが設けられると共に、このフレームに対
し、上下、前後又は左右に移動可能なテーブルを有する
自動工作機械、又実開平２−６１５１９号公報に見受け
られる様に、垂直な軸方向に摺動自在にフライスヘッド
が設けられると共に、該フライスヘッドの軸と直角な軸
方向に摺動自在なフライスヘッドが設けられ、前期２軸
に対し直角となる軸方向に往復するテーブルを有するフ
ライス盤、又実開昭５１−１１１５９１号公報に見受け
られる様に、ワークセツト台にセツトしたワークをロー
タリーヘツドで回転操作するＮＣフライス盤連続稼働装
置等の各種装置が知られている。

【０００３】然しながら、いずれの装置にあっても、加
工エリアに載置できる被加工物は一個であるため、その
段取替え中は加工ができなく稼働効率が悪い欠点を有
し、しかも各加工工具は夫々個別に別方向に移動制御さ
れているため、各加工工具毎に個別な駆動装置が必要と
なる欠点を有していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案は加工中の段取
替えを安全な状態にて可能となして稼働効率を向上させ
ると共に、部品点数を低減させる平面加工機を提供せん
とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案は上記従来技術に
基づく稼働効率等の課題に鑑み、同一テーブル上に載置
した被加工物を同一移動体に装着し、且つ同一駆動源に
よって駆動される２個のフライスにて被加工物の六方面
を加工させることを要旨とする平面加工機を提供して上
記欠点を解消せんとしたものである。

【０００６】以下本考案に係る平面加工機は、旋回駆動
ユニット、マグネットチャクを平行に２組設けたテーブ
ル、第三移動体、平面フライス、側面フライスとにて構
成している。

【０００７】そして、旋回駆動ユニットは基台の他側方
に設けられ、９０度毎に間歇的に回転制御されるもので
あり、又マグネットチャクは被加工物を磁着保持するも
のであってテーブルと共に旋回駆動ユニットによって間
歇回転制御されるものである。

【０００８】又、第三移動体は基台の他側方に設けら
れ、水平部及び垂直部を有し、三次元空間におけるＸ、
Ｙ、及びＺ軸に対して移動制御されるものであり、この
第三移動体の水平部には平面フライス、垂直部には側面
フライスが設けられ、かかる両フライスを第三移動体に
固定する駆動源にて回転制御することによって被加工物
の面を加工するものであって、第三移動体の水平部をテ
ーブル上方に対向位置させ、且つ垂直部をテーブル側方
に対向位置させている。

【０００９】

【作用】本考案にあっては、未加工の被加工物をテーブ
ルのマグネットチャク上に載置し、旋回駆動ユニットを
９０度間歇駆動させて第三移動体の水平部、垂直部に設
ける側面フライスと平面フライスを被加工物の側面と上
面に対向位置させ、そして第三移動体をＸ、Ｙ、及びＺ
軸に対して移動制御して被加工物の２側面と上面の三方
面を側面フライスと平面フライスにて加工する。

【００１０】そして、三方面を加工する被加工物を所定
ロット数連続して処理し、かかるロット数が完了した時
点で、今度は被加工物の加工されていない下方面を上面
と成す様に反転させてテーブルのマグネットチャク上に
載置し、その後は前記加工と同様に順次残りの三方面を
側面フライスと平面フライスにて加工する。

【００１１】

【実施例】以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明
すると、１は本考案に係る六面体の被加工物Ｗにおける
六方面を加工する平面加工機であり、基台２の他側方に
９０度毎に間歇的に回転制御する旋回駆動ユニット３を
配設し、該旋回駆動ユニット３上面には被加工物Ｗを磁
着支持するマグネットチャク４、4aを平行に２組設ける
テーブル５を配設している。

【００１２】又、基台２の一側方には三次元空間におけ
る水平方向のＸ軸（矢印Ｘ）にガイドレール６、6aを平
行に所定長さをもって配設し、該ガイドレール６、6aに
第一移動体７の摺動溝８、8aを摺合させてスライド自在
に装着している。

【００１３】９は第一移動体７を移動制御するサーボモ
ータであり、該サーボモータ９は基台２に固定され、か
かるサーボモータ９と連結するボールスクリュ（図示せ
ず）と第一移動体７とを適宜連繋させ、サーボモータ９
の作動により第一移動体７をＸ軸方向に移動制御してい
る。

【００１４】10は第二移動体であり、第一移動体７の上
面におけるＸ軸と直交する三次元空間における水平方向
のＹ軸（矢印Ｙ）にガイドレール11、11a を平行に所定
長さをもって配設し、該ガイドレール11、11a に第二移
動体10の摺動溝12、12a を摺合させてスライド自在に装
着している。

【００１５】13は第二移動体10を移動制御するサーボモ
ータであり、該サーボモータ13は第一移動体７に固定さ
れ、かかるサーボモータ13と連結するボールスクリュ
（図示せず）と第二移動体10とを適宜連繋させ、サーボ
モータ13の作動により第二移動体10をＹ軸に移動制御し
ている。

【００１６】14は第三移動体であり、該第三移動体14は
水平部15と垂直部16を有し、第二移動体10の両側（Ｘ軸
方向) に垂直に立設した一対の垂直支持壁17、17a の対
向面に三次元空間における垂直方向のＺ軸（矢印Ｚ）に
所定長さをもって設けた摺動溝18、18a に第三移動体14
の垂直部16両側部に設ける突条19、19a を摺合させて第
三移動体14をスライド自在に装着し、該第三移動体14の
水平部15をテーブル５の一側方の上方に対向位置させる
と共に、垂直部16をテーブル５の一側方の側方に対向位
置させている。

【００１７】20は第三移動体14を移動制御するサーボモ
ータであり、該サーボモータ20は第二移動体10に固定さ
れ、かかるサーボモータ20と連結するボールスクリュ
（図示せず）と第三移動体14とを適宜連繋させ、サーボ
モータ20の作動により第三移動体14をＺ軸に移動制御し
ている。

【００１８】21は被加工物Ｗの側面における連続するＡ
及びＢ面を切削加工するフェースミル、フルバックカッ
タ等の側面フライスであり、該側面フライス21は第三移
動体14の垂直部16下方に装着するスピンドル22に装着し
ている。

【００１９】又、スピンドル２２は第三移動体１４の垂
直部１６に固定される駆動源である駆動モータ２３に適
宜機構にて連繋され、駆動モータ２３の作動により回転
制御される。

【００２０】24は被加工物Ｗの上面であるＣ面を切削加
工するフェースミル、フルバックカッタ等の平面フライ
スであり、該平面フライス24は第三移動体14の水平部15
下面に装着するスピンドル25に装着している。

【００２１】又、スピンドル２５は第三移動体１４の垂
直部１６に固定される駆動源である駆動モータ２３に適
宜機構にて連繋され、駆動モータ２３の作動により回転
制御される。

【００２２】尚、各スピンドル２２、２５を回転させる
駆動源である駆動モータ２３は垂直部１６に固定してい
るも、かかる構成には何ら限定されず、第三移動体１４
の水平部１５に駆動モータ２６を固定し、該駆動モータ
２６によってスピンドル２２、２５を連動させることも
可能である。

【００２３】次に本考案に係る平面加工機の作用につい
て説明すると、先ず、六方面を未加工の被加工物Ｗをテ
ーブル５のマグネットチャク４、4a上に載置して磁着保
持し、そして旋回駆動ユニット３を９０度間歇駆動させ
て第三移動体14の水平部15、垂直部16に設ける側面フラ
イス21、平面フライス24と、被加工物Ｗの側面である一
方のＡ面と上面であるＣ面を対向位置させる。

【００２４】そして、サーボモータ９、13及び20を関連
作動させて第一移動体７、第二移動体10を介して第三移
動体14をＸ、Ｙ、及びＺ軸に対して移動制御してＡ面を
側面フライス21により加工する。

【００２５】次に、旋回駆動ユニット３を９０度間歇駆
動させてＡ面と連続するＢ面を側面フライス21と対向位
置させ、その後は前記Ａ面と同様に第三移動体14をＸ、
Ｙ、及びＺ軸に対して移動制御してＢ面を側面フライス
21により加工する。

【００２６】更に、被加工物ＷのＣ面と対抗位置させて
いる平面フライス24を、サーボモータ９、13及び20を関
連作動させて第一移動体７、第二移動体10を介して第三
移動体14をＸ、Ｙ、及びＺ軸に対して移動制御してＣ面
を平面フライス24により加工する。

【００２７】そして、三方面（Ａ、Ｂ、及びＣ面）を加
工する被加工物Ｗを所定ロット数連続処理し、かかるロ
ット数が完了した時点で、今度は被加工物Ｗの加工され
ていないＣ１面を上面と成す様に反転させてテーブル５
のマグネットチャク４、4a上に載置し、その後は前記
Ａ、Ｂ、及びＣ面の加工と同様に順次Ａ１、Ｂ１、及び
Ｃ１面を加工処理して被加工物Ｗの六方面を加工処理す
るのである。

【００２８】尚、本実施例では加工する面をＡ、Ｂ、及
びＣ面の順序にて加工する手順にて説明するも、かかる
手順には何ら限定されず、要するにテーブル５のマグネ
ットチャク４、4aに載置された従来にて被加工物Ｗの三
方面（Ａ、Ｂ、及びＣ面或いはＡ１、Ｂ１、及びＣ１
面）を側面フライス21と平面フライス24にて加工すれば
良い。

【００２９】

【考案の効果】要するに本考案は、基台２の他側方に９
０度毎に間歇的に回転制御する旋回駆動ユニット３を配
設し、該旋回駆動ユニット３上面には六面体の被加工物
Ｗを載置するマグネットチャク４、４ａを平行に２組設
けたテーブル５を配設したので、一方のマグネットチャ
ック４上に載置した被加工物Ｗの加工中であっても、他
方のマグネットチャック４ａが加工エリア外に位置する
ため、被加工物Ｗを安全に段取替えできることにより稼
働効率が向上する。

【００３０】又、基台２の一側方には三次元空間におけ
るＸ、Ｙ、及びＺ軸に対して移動制御される水平部１５
及び垂直部１６を有する第三移動体１４を配設し、該第
三移動体１４の水平部１５をテーブル５上方に対向位置
させ、且つ垂直部１６をテーブル５側方に対向位置させ
ると共に、水平部１５には平面フライス２４を、垂直部
１６には側面フライス２１を設け、該側面フライス２１
および平面フライス２４を第三移動体１４に固定する駆
動源にて回転制御する様にしたので、側面フライス２１
と平面フライス２４を回転制御する駆動源は一つで済む
ため部品点数を低減してコストダウンを図ることができ
ると共に、所定ロット数の未加工の被加工物Ｗにおける
２側面と上面の三方面を側面フライス２１と平面フライ
ス２４にて加工することが出来、続いてかかるロット数
が完了した時点で、今度は被加工物Ｗの加工されていな
い下方面を上面と成す様に反転させてテーブル５上に載
置し、その後順次残りの三方面を側面フライス２１と平
面フライス２４にて加工することが出来、よって加工処
理のために要する作業者を一人として省力化を図ること
が出来ると共に、側面フライス２１、平面フライス２４
の２種類の加工工具のみで良い等その実用的効果甚だ大
なるものである。

【００３１】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る平面加工機の正面図である。

【図２】同上平面加工機の右側面図である。

【図３】同上平面加工機の平面図である。

【図４】被加工物ＷのＡ面を加工する状態の概略平面図
である。

【図５】被加工物ＷのＢ面を加工する状態の概略平面図
である。

【図６】被加工物Ｗの加工面を示す斜視図である。

【符号の説明】

２ 基台 ３ 旋回駆動ユニット ４、4a マグネットチャク ５ テーブル 14 第三移動体 15 水平部 16 垂直部 21 側面フライス 24 平面フライス

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台の他側方に９０度毎に間歇的に回転
   制御する旋回駆動ユニットを配設し、該旋回駆動ユニッ
   ト上面には六面体の被加工物を載置するマグネットチャ
   クを平行に２組設けたテーブルを配設し、又基台の一側
   方には三次元空間におけるＸ、Ｙ、及びＺ軸に対して移
   動制御される水平部及び垂直部を有する第三移動体を配
   設し、該第三移動体の水平部をテーブル上方に対向位置
   させ、且つ垂直部をテーブル側方に対向位置させると共
   に、水平部には平面フライスを、垂直部には側面フライ
   スを設け、該側面フライスおよび平面フライスを第三移
   動体に固定する駆動源にて回転制御する様にしたことを
   特徴とする平面加工機。