JPH0639600U - 自動車用シートのバックボード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】シートバックの背面にポケット部を備えた自動
車用シートであって、前記ポケット部の内側で且つシー
トバック側に設けられる表皮材を接合した基材からなる
バックボードにおいて、表皮材によるポケット部の表面
への段差発生を防ぐと共に、ポケット部からの品物の出
し入れが容易に行える経済的な自動車用シートのバック
ボードを得ることを目的とする。 【構成】基材５と表皮材４０の接合領域は、ポケット部
３の位置より上とポケット部３の上部とし、基材５に
は、前記表皮材４０の接合領域に、表皮材４０を収納す
る収納用凹部５ａを形成し、前記ポケット部３の内側の
面を平面状としたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はシートバックの背面にポケット部を備えた自動車用シートであって、 ポケット部の内側で且つシートバック側に設けられる表皮材を接合した基材から なるバックボードに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、自動車用シートは、図５に示すように、シートバック１の背面２にポケ ット部３を備えたものがある。 かかる自動車用シートは、図６に示すように、ポケット部の内側で且つシート バック側に設けられる表皮材４を接合した基材５からなるバックボード６がシー トバック１の背面を構成している。３ａはポケット部の開口３ｂを閉塞するバン ドである。 前記バックボード６は、バックボード６に形成した突部７、７とボルト８とに よって、シートバック１に取付けられている。

【０００３】 表皮材４は上部表皮材４ａと、この上部表皮材４ａの下端部４ｂに上端部４ｃ を縫着した下部表皮材４ｄとからなり、上部表皮材４ａがポケット部３の位置よ り上とポケット部３の上部とに接合し、下部表皮材４ｄがポケット部３の内部に 接合している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

表皮材４はポケット部３の内部で、上部表皮材４ａの下端部４ｂと下部表皮材 ４ｄの上端部４ｃとが縫着しているので、上部表皮材４ａと下部表皮材４ｄとの 縫着部分９がポケット部３の方向へ膨出し、ポケット部３の表面に縫着部分９が 段差として表れ、ポケット部３の表面の外観上の見栄えが悪くなるという不具合 があった。 又、ポケット部３に乗員が品物を収納する際、上部表皮材４ａと下部表皮材４ ｄとの縫着部分９に品物が引掛かり、品物のポケット部３への出し入れがやりず らいという不具合もあった。 その上、ポケット部３の内部にも下部表皮材４ｄを接合しているので、その分 コストがかかり、経済性も悪かった。

【０００５】 そこで、本考案は、上記不具合を解消すべくなされたものであり、表皮材によ るポケット部の表面への段差発生を防ぐと共に、ポケット部からの品物の出し入 れが容易に行える経済的な自動車用シートのバックボードを提供することを目的 とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本案に係る自動車用シートのバックボードは、基材 と表皮材の接合領域を、ポケット部の位置より上とポケット部の上部とにし、基 材における表皮材の接合領域に、表皮材を収納する収納用凹部を形成してなるも のである。

【０００７】 基材の収納用凹部に表皮材を収納しているので、ポケット部の内側のバックボ ードの面が平面状となる。 又、ポケット部の位置より上とポケット部の上部とに表皮材を接合しているの で、ポケット部の内部の表皮材が不要となる。

【０００８】

【実施例】

本案に係る一実施例を図１、２に基づいて説明するが、従来品とは基材５と表 皮材４０との構成を異にしているので、基材５と表皮材４０とについて説明し、 他は従来品と同一符号を付し、その説明を省略する。

【０００９】 基材５と表皮材４０の接合領域は、ポケット部３の上の位置とポケット部３の 上部とである。

【００１０】 基材５には、表皮材４０の接合領域に、表皮材４０を収納する収納用凹部５ａ が形成されている。

【００１１】 収納用凹部５ａは、ポケット側の基材５において、ポケット部３の上の位置と ポケット部３の上部とに沿って形成され、この収納用凹部５ａに、表皮材４０が 接着して接合している。

【００１２】 収納用凹部５ａの深さは、表皮材４０の肉厚と略長からなり、収納用凹部５ａ に表皮材４０を接合した際、図２に示すようにポケット部３の内側の基材５と表 皮材４０との間に段差が生じないようにポケット部３の内側の面が平面状になっ ている。

【００１３】 図３は第２実施例を示している。 第２実施例は、表皮材４０の下端部が折返して折返し部４０ｂが形成されてい るものであり、この折返し部４０ｂを収納する深溝５ｂが収納用凹部５ａの下部 に形成されている。

【００１４】 深溝５ｂは収納用凹部５ａよりもその深さが深く、表皮材４０の折返し部４０ ｂが深溝５ｂ内に接着して接合し、基材５と表皮材４０との間に生じる段差の発 生を防止している。

【００１５】 図４は第３実施例を示している。 これは、表皮材４０を上、下に分割し、上、下の各表皮材４１、４２の上端部 と下端部とを各折返して折返し部４１ａ、４２ｂを形成し、上、下表皮材４１、 ４２の各折返し部４１ａ、４２ｂを縫着したものである。

【００１６】 各折返し部４１ａ、４２ｂを収納する深溝５ｂが、収納用凹部５ａに形成され ている。

【００１７】

【考案の効果】

本考案によれば、基材には、表皮材の接合領域に、表皮材を収納する収納用凹 部を形成しているので、ポケット部の内側の表皮材と基材との面が平面状となる 。 そのため、表皮材がポケット部の方向へ膨らまず、ポケット部の表面に段差が 生ずることもなく、外観上ポケット部の見栄えが良くなる。 又、表皮材と基材との間に段差が生じないので、品物が引掛かることもなく、 ポケット部から品物をスムーズに出し入れすることができる。

【００１８】 基材と表皮材の接合領域は、ポケット部の位置より上とポケット部の上部とで あるので、ポケット部の内部の表皮材が不要となり、コストの低減化を図ること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案に係るバックボードの断面図である。

【図２】図１のＡ部分の拡大図である。

【図３】第２実施例を示し、図２と同様な拡大図であ
る。

【図４】第３実施例を示し、図２と同様な拡大図であ
る。

【図５】従来品を用いた自動車用シートの斜視図であ
る。

【図６】図５のVIーVI線に沿う部分断面図である。

【符号の説明】

５ 基材 ４０ 表皮材 ６ バックボード ３ ポケット部 ５ａ 収納用凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートバックの背面にポケット部を備え
   た自動車用シートであって、前記ポケット部の内側で且
   つシートバック側に設けられる表皮材を接合した基材か
   らなるバックボードにおいて、 前記基材と前記表皮材の接合領域は、前記ポケット部の
   位置より上とポケット部の上部とし、 前記基材には、前記表皮材の接合領域に、前記表皮材を
   収納する収納用凹部を形成し、 前記ポケット部の内側の面を平面状としたことを特徴と
   する自動車用シートのバックボード。