JPH0639548A - 自動溶接方法 - Google Patents

自動溶接方法

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JPH0639548A
JPH0639548A JP21854192A JP21854192A JPH0639548A JP H0639548 A JPH0639548 A JP H0639548A JP 21854192 A JP21854192 A JP 21854192A JP 21854192 A JP21854192 A JP 21854192A JP H0639548 A JPH0639548 A JP H0639548A
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JP
Japan
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welding
groove
welding method
torch
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JP21854192A
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Inventor
Iwao Shimizu
巖 清水
Norimitsu Baba
則光 馬場
Hiroshi Tachikawa
博 立川
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中途姿勢の開先部でも、自動で溶接を行うこ
とができる自動溶接方法を提供する。 【構成】 ステップS10で、設定されたティーチング
プログラムを呼び出し、これにより溶接電流・溶接電圧
・溶接速度等の溶接条件が設定され、また本実施例の場
合開先部の形状に応じて、第1溶接層から第3溶接層ま
では、第1溶接方法を用いて溶接し、第4溶接層から第
7溶接層までは、第2溶接方法を用いて溶接することが
設定される。ステップS11では、第1溶接層から第3
溶接層までを溶接するために、第1溶接方法のプログラ
ムが呼び出され、第4溶接層から第7溶接層までを溶接
するために、ステップS12で第2溶接方法のプログラ
ムが呼び出される。このようにティーチングデータに基
づいて2つの溶接方法を切り換えて使用することによ
り、中途姿勢の開先部を溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厚板の自動溶接方法に
関し、特に開先部の形状の変化に対応して、開先部を自
動で溶接する自動溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、厚板の開先部を溶接する種々
の溶接方法が提案されている。図23は開先部の形状及
び姿勢を示す図である。実際の溶接では、例えば球状の
ガスタンクを溶接するときのように、図23に示す全て
の姿勢の開先部を溶接する必要がある。図23に示す開
先部の姿勢のうち、(イ)で示す下向き姿勢の開先部、
(ロ)で示す上向き姿勢の開先部、及び(ハ)や(ニ)
で示す横向き姿勢の開先部については従来の溶接方法で
自動で溶接を行うことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、例えば図22の(ホ)や(ヘ)で示すよう
に、横向き姿勢から下向き姿勢に変わる途中の中途姿勢
の開先部、及び図22の(ト)や(チ)で示すように、
横向き姿勢から上向き姿勢に変わる途中の中途姿勢の開
先部を溶接するときには、自動溶接装置の操作者が判断
して溶接条件の設定を変更する必要があった。例えば、
中途姿勢の開先部(ト)を溶接する場合、第3層目まで
は、両端に開先壁部があり、第4層以降は一方の端は開
先壁部であるが、他方の端は開先開放部となる。このた
め、操作者は第3層目までは、両端に開先壁部がある場
合に適した溶接条件を設定して溶接を行い、第4層目以
降は一方が開先開放部である場合に適した溶接条件に変
更して溶接を行っていた。このように、従来の溶接方法
では、中途姿勢の開先部を溶接する場合、自動で溶接す
ることができないという問題があった。
【0004】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、中途姿勢の開先部でも、自動で溶接を行うこと
ができる自動溶接方法を提供することを目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の自動溶接方法は、溶接継手部の開先形状を
指示して、溶接トーチの移動を制御することにより開先
部の各溶接層を1又は複数のパスにより溶接する自動溶
接方法において、両端が開先壁部である開先部を溶接す
る第1溶接方法と、一端が開先壁部で他端が開先開放部
である開先部を溶接する第2溶接方法とを具備し、前記
指示のあった開先形状に応じて、前記各溶接層を前記第
1溶接方法及び第2溶接方法のうちの一方又は双方を用
いて溶接することを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明は前記の構成によって、溶接継手部の開
先形状がテーチィングされたときに、各溶接層を第1溶
接方法若しくは第2溶接方法、又は第1溶接方法と第2
溶接方法の双方を用いて溶接するので、中途姿勢の開先
部を溶接する場合でも、例えば、初めは第1溶接方法を
使用し、後に第2溶接方法を使用することにより、人手
を煩わすことなく、自動で溶接方法を切り換えて、溶接
を行うことができる。また、ある一の溶接層の前半部分
を第1溶接方法て溶接し、後半部分を第2溶接方法で溶
接することもできる。
【0007】
【実施例】以下に本発明の第1実施例を図1乃至図9を
参照して説明する。図1は本発明の第1実施例である自
動溶接方法を実施するための自動溶接装置の概略図であ
る。図1に示す自動溶接装置は、溶接機10と制御装置
100とからなり、溶接機10はレール部11と、その
レール部11に沿って移動自在に構成された台車部20
と、台車部20に設けられた伸縮自在な伸縮腕30を介
して取着された溶接トーチ支持部40と、溶接トーチ支
持部40によって支持された溶接トーチ50とを備え
る。
【0008】制御装置100は、モータMx により伸縮
腕30の伸縮を制御して溶接トーチ50のx軸方向にお
ける移動を調整するx軸方向移動制御部60と、モータ
yにより台車部20を移動することにより溶接トーチ
50のy軸方向(溶接方向)における移動を調整するy
軸方向移動制御部62と、モータMz により溶接トーチ
支持部40のz軸方向における移動を制御することによ
り溶接トーチ50のz軸方向における移動を調整するz
軸方向移動制御部64と、モータMr により溶接トーチ
50の姿勢を制御する姿勢制御部66と、装置全体を制
御する主制御部70と、溶接に必要なデータを記憶する
メモリ71及び共有メモリ72と、操作用のスイッチや
ティーチングデータを入力するための入力部等を有する
操作部80とを備える。尚、x,y,zは各々空間直行
座標軸を表している。また、74はI/Oポートであ
る。
【0009】図示しない溶接用ワイヤ供給装置によって
送られた溶接用のワイヤは、溶接トーチ50から送りだ
され、溶融されて開先部に積層される。本実施例では図
23の(ト)で示す中途姿勢の開先部を自動で溶接する
場合について説明する。図2は図23の(ト)で示す中
途姿勢の開先部の概略斜視図である。一般に厚板の開先
部を溶接する場合には、多層溶接になる。
【0010】本実施例の方法で溶接するには、予め開先
部の始端のA、B、Cの3点をティーチングし、また終
端のD、E、Fの3点をティーチングして開先形状を認
識させる。また、このとき図23に示す開先部の傾斜角
度αやβを入力してもよい。これらの情報は操作部より
入力する。また、これらの情報の入力は手動で行っても
よいし、自動計測して入力してもよい。主制御部70
は、これらの情報に基づいて、AD間、BE間、CF間
を直線補完することにより開先部の形状の変化を認識
し、更に溶接方向、溶接層数、溶接層の厚さを設定す
る。なお、開先部の始端と終端とが曲線状に変化してい
る場合には、その旨を指示することにより、AD間、B
E間、CF間を円弧補完することも可能である。尚、図
23では開先部を7層に分けた例を示しているが、これ
は、開先部の形状に応じて、例えば10層以上に分けて
溶接してもよい。また、開先部の形状が一定の場合は、
終端のD、E、Fはいずれか一点のみをティーチングす
れば足りる。
【0011】図3は本実施例の方法の主手順を示す図で
ある。ステップS10で、上記のように設定したティー
チングプログラムを呼び出し、これにより溶接電流・溶
接電圧・溶接速度等の溶接条件が設定され、また本実施
例の場合開先部の形状に応じて、第1溶接層から第3溶
接層までは、第1溶接方法を用いて溶接し、第4溶接層
から第7溶接層までは、第2溶接方法を用いて溶接する
ことが設定される。ステップS11では、第1溶接層か
ら第3溶接層までを溶接するために、第1溶接方法のプ
ログラムが呼び出され、第4溶接層から第7溶接層まで
を溶接するために、ステップS12で第2溶接方法のプ
ログラムが呼び出される。
【0012】次に、第1溶接層から第3溶接層までを溶
接する第1溶接方法について、詳述する。第1溶接層か
ら第3溶接層までの各溶接層は、両端に開先壁部がある
開先部を溶接する場合であるので、説明の都合上、図4
に示す、両端に開先壁部がある開先部を用いて説明す
る。
【0013】図5は本実施例の第1溶接方法の手順を示
す図である。上記のように設定したティーチングプログ
ラムを呼び出し、溶接電流・溶接電圧・溶接速度等の溶
接条件を設定した後、ステップS102で、溶接トーチ
50を溶接の始端に移動し、シールドガスを供給してア
ーク溶接を開始し、x軸方向移動制御部60により溶接
トーチ50を溶接方向に直角な方向(X方向)に移動す
る(ステップS103)。ステップS104では、実際
に溶接しているときの溶接電流の値を検知し、その値を
積算して平均値を算出する。一般に、開先部の中央部に
比べて開先壁部では、溶接電流が大きくなるので、溶接
電流が前記の平均値より予め定めた一定値以上に大きく
なったときにこれを検知する(ステップS105)。溶
接電流が一定値以上大きくなったことを検知しなけれ
ば、ステップS104に戻って、X方向の溶接を続行
し、検知すれば、ステップS106に移行する。
【0014】ステップS106で、溶接電流の大きくな
った位置が、予め入力した終端であるか否かを判断す
る。終端でなければ、ステップS1061に移行して、
溶接条件を変更する。本実施例の場合は、開先壁部を検
知しているので、溶接電流(又は溶接電圧)を上げ、溶
接速度を速くして熱量を増やした後、y軸方向移動制御
部62により溶接トーチ50を溶接方向(Y軸方向)に
溶接幅の分だけステップ状に移動する(ステップS10
7)。これにより、開先壁部における溶け込み不足を防
止する。ステップS1071ではステップS1061で
変更した溶接条件を元に戻し、ステップS108で、x
軸方向移動制御部60により、溶接方向に直角な方向で
あってステップS103での移動方向とは逆の方向に移
動する。以下、ステップS104からステップS108
の動作を繰り返して開先部の溶接を行う。そして、ステ
ップS106で溶接電流の大きくなった位置が、予め定
めた終端であると判断すれば、クレータ処理をした後、
アークを止め、シールドガスを止め(ステップS10
9)、待拠位置に移動する(ステップS110)。ステ
ップS111で次に溶接する層があるか否か判断し、溶
接する層があれば、溶接を開始する始端に溶接トーチを
移動し(ステップS112)、更にステップS103に
戻って上記の手順を繰り返して次の層の溶接を行う。ま
た、ステップS111で次に溶接する層がなければ、第
2溶接方法のプログラムに移行する。
【0015】上記の第1溶接方法によれば、開先壁部で
は、溶接条件を変更し熱量を増やして溶接するので、開
先壁部における溶け込みの安定化を図ることができ、ま
た溶接ビードの形状を一定にすることができる。溶接条
件を変更する際に溶接速度をも変更して速くしたのは、
溶ける金属量を一定にするためである。また、第1溶接
方法によれば、溶接電流の値を検知することにより、開
先壁部を検出して、溶接の方向を変えているので、リア
ルタイムで溶接を制御することができ、したがって開先
部の形状が図6に示すように変化する場合でも、従来の
1サイクル遅れの制御に比べて、より確実に開先壁部ま
で、溶接を行うことができる。
【0016】第1溶接方法によれば、図4及び図6に示
すように、ウィービング軌跡が矩形波状となる。すなわ
ち、第1溶接方法では、溶接速度の制御がX軸方向又は
Y軸方向の速度の制御となり、X軸方向とY軸方向の双
方について同時に速度を制御していた従来の方法に比べ
て、溶接速度の制御が容易となる。更に、従来の方法で
は、予めウィービングの中心及びその幅を設定して溶接
を行っていたが、本方法では、このような設定は不要と
なり、ティーチングが容易になる。
【0017】また、上記の方法によれば、ウィービング
軌跡が矩形波となるので、従来のウィービング軌跡がサ
イン波形状又は鋸刃状となる場合に比べて、より溶接面
を平坦に仕上げることができる。
【0018】なお、上記の第1溶接方法では、溶接電流
の値を検知することにより、開先壁部の位置を検知して
いたが、溶接電圧の値を検知するか、あるいは溶接電流
と溶接電圧の双方の値を同時に検知することにより、開
先壁部の位置を検知するようにしてもよい。また、開先
部の形状は、上記のV字状に限らず、逆V字状、I字
状、レ字状等であってもよい。
【0019】次に、第4溶接層から第7溶接層までを溶
接する第2溶接方法について、詳述する。第4溶接層か
ら第7溶接層までの各溶接層は、一方の端に開先壁部が
あり、他方の端に開先開放部がある開先部を溶接する場
合であるので、説明の都合上、図7及び図8に示す、一
端が開先壁部、他端が開先開放部である開先部を用いて
説明する。
【0020】図9は本実施例の第2溶接方法の手順を示
す図である。上記のようにして第1溶接方法のプログラ
ムが終了した後、ティーチングプログラムに基づき、溶
接電流・溶接電圧・溶接速度等の溶接条件を設定し、ス
テップS402で、溶接トーチ50を溶接の始端、本実
施例では第4溶接層の始端に移動し、シールドガスを供
給してアーク溶接を開始し、x軸方向移動制御部60に
より溶接トーチ50を溶接方向に直角な方向(x軸方
向)、すなわちB4点側に向かって移動する(ステップ
S403)。ステップS404では、実際に溶接してい
るときの溶接電流の値を検知し、その値を積算して平均
値を算出する。一般に、開先部の中央部に比べて開先壁
部では、溶接電流が大きくなるので、溶接電流が前記の
平均値より予め定めた一定値以上に大きくなったか否か
を検知する(ステップS405)。溶接電流が一定値以
上大きくなったことを検知しなければ、ステップS40
4に戻って、x軸方向の溶接を続行し、検知すれば、ス
テップS406に移行する。
【0021】ステップS406で、溶接電流の大きくな
った位置が、予め入力した溶接の終端であるか否かを判
断する。終端でなければ、ステップS4061で溶接条
件を変更した後、y軸方向移動制御部62により溶接ト
ーチ50を溶接方向(y軸方向)に溶接幅の分だけステ
ップ状に移動する(ステップS407)。この場合は開
先壁部を検知しているのであるから、例えば溶接電流
(又は溶接電圧)を上げ、溶接速度を速くし、熱量を増
やして溶接を行うことにより、開先壁部における溶け込
みの不足を防止する。そして、ステップS4071に移
行し、ステップS4061で変更した溶接条件をもとに
戻した後、ステップS408で、x軸方向移動制御部6
0により、溶接方向に直角な方向であってステップS4
03での移動方向とは逆の方向に移動する。
【0022】次に、主制御部70は前述したティーチン
グに基づいて開先開放部の位置を認識して記憶している
ので、溶接トーチが開先開放部に到達したか否かを判断
する(ステップS409)。到達していなければ、ステ
ップS408に戻って前述の方向に移動し、到達してい
れば、ステップS4091で溶接条件を変更した後、ス
テップS410に移行してy軸方向移動制御部62によ
り溶接トーチ50を溶接方向(y軸方向)に溶接幅の分
だけステップ状に移動する。この場合は、開先開放部に
到達しているので、例えば溶接電流(又は溶接電圧)を
低くし、溶接速度を遅くし、熱量を増やして溶接を行う
ことにより開先開放部における溶け落ちを防止する。ス
テップS411では、ステップS410で移動した位置
が溶接の終端であるか否かを判断する(ステップS41
1)。終端でなければ、ステップS4111に移行し、
ステップS4091で変更した溶接条件をもとに戻した
後、ステップS412でステップS403と同じ移動方
向に溶接トーチを移動して溶接を行い、以下、ステップ
S404からステップS412の動作を繰り返して開先
部の溶接を行う。
【0023】そして、ステップS406で溶接電流の大
きくなった位置が、予め定めた終端であると判断したと
き、又はステップS411で終端と判断したときには、
クレータ処理をした後、アークを止め、シールドガスを
止め(ステップS413)、待拠位置に移動する(ステ
ップS414)。ステップS415で次に溶接する層が
あるか否か判断し、溶接する溶接層があれば、次の溶接
層の溶接を開始する始端に溶接トーチを移動し(ステッ
プS416)、更にステップS403に戻って上記の手
順を繰り返して次の溶接層の溶接を行う。また、ステッ
プS415で次に溶接する溶接層がなければ、溶接を終
了する。
【0024】上記の第2溶接方法によれば、溶接トーチ
の折り返し点では、溶接条件を変更し熱量を制御して溶
接するので、開先壁部における溶け込みの安定化を図る
ことができ、また開先開放部における溶け落ちを防止す
ることができる。これにより溶接ビードの形状を一定に
することができる。溶接条件を変更する際に溶接速度を
も変更したのは、溶ける金属量を一定にするためであ
る。また、本方法によれば、溶接電流の値を検知するこ
とにより、開先壁部を検出して、溶接の方向を変えてい
るので、リアルタイムで溶接を制御することができ、し
たがって開先部の開先壁部の形状が急激に変化する場合
でも、確実に開先壁部まで、自動で溶接を行うことがで
きる。
【0025】本発明者等は、25mm厚のSPV−50
Q鋼板を、1.6mmφの溶接ワイヤを用いて、シール
ドガスとしてCO2 ガスを25l/min流し、各溶接
層(各パス)の溶接条件を表1に示すように設定して、
自動溶接を行った結果、良好な溶接結果を得ることがで
きた。
【0026】
【表1】
【0027】第2溶接方法によれば、図7に示すよう
に、ウィービング軌跡が矩形波状となり、各溶接層を一
のパスにより溶接することができる。したがって、従来
の多層多パス溶接の方法に比べて、パス間に欠陥が出に
くくなり、しかも自動化が容易になる。
【0028】なお、上記の方法では、溶接電流の値を検
知することにより、開先壁部の位置を検知していたが、
溶接電圧の値を検知するか、あるいは溶接電流と溶接電
圧の双方の値を同時に検知することにより、開先壁部の
位置を検知するようにしてもよい。
【0029】また、上記の第2溶接方法では、開先開放
部は開先部のティーチングデータに基づいて計算により
検知したが、開先開放部は機械的センサ、画像処理装
置、光レーザセンサ等を用いて検知してもよい。更に、
溶接トーチが開先開放部にきたときには、溶接電流の値
が中央部の平均値よりも小さくなるので、たとえば溶接
電流を検知することにより、開先開放部の位置を検知し
てもよい。特に、第5溶接層以降では、前の溶接層の溶
接ビードの形状が開先開放部で傾斜するので、開先開放
部の検知が容易になる。したがって、第5溶接層以降の
み溶接電流の値を検知することにより開先開放部を検知
してもよい。
【0030】次に、本発明の第1溶接方法の他の例につ
いて図10及び図11をも参照して説明する。本方法で
は、両端に開先壁部があるが、図10に示すように開先
壁部が一様でなく、一部にA2で示す凹部(図2では一
点鎖線で示す部分)がある開先部を溶接する場合につい
て説明する。
【0031】図11は本方法の手順を示す図である。上
述した第1溶接方法と同様にしてティーチングプログラ
ムを呼び出し、溶接電流・溶接電圧・溶接速度等の溶接
条件を設定した後、ステップS202で溶接トーチ50
を溶接の始端に移動し、シールドガスを供給してアーク
溶接を開始し、x軸方向移動制御部60により溶接トー
チ50を溶接方向に直角な方向(X方向)に移動する
(ステップS203)。ステップS204では、実際に
溶接しているときの溶接電流の値を検知し、その値を積
算して平均値を算出する。一般に、開先部の中央部に比
べて開先壁部では、溶接電流が大きくなるので、溶接電
流が前記の平均値より予め定めた一定値以上に大きくな
ったときにこれを検知する(ステップS205)。溶接
電流が一定値以上大きくなったことを検知しなければ、
ステップS206に移行する。
【0032】ステップS206では、現在の溶接位置が
開先壁部の推定値を越えたか否かを判断する。ここで、
開先壁部の推定値とは、予め入力された開先部の開先角
度から現在溶接している層の開先壁部の位置を予め算出
したものである。この開先壁部の推定値は各層毎に双方
の壁について算出される。また、この開先壁部の推定値
は、過去2回の層を溶接した際に得た開先壁部の情報に
基づいて現在溶接している層の開先壁部の位置を推定し
てもよい。尚、この推定値を決定する際には、溶接ビー
ドの高さを考慮することにより、より正確な推定値を得
ることができる。ステップS206で現在の溶接位置が
開先壁部の推定値を越えていなければ、ステップS20
3に戻ってX方向の溶接を続行し、もし越えていれば、
ステップS2071に移行する。この後の処理について
は後述する。
【0033】ステップS205で溶接電流が一定値以上
大きくなったことを検知し、開先壁部を検知すれば、そ
の位置を記憶し(ステップS207)、ステップS20
71に移行して、溶接条件を変更する。この場合は、開
先壁部を検知しているので、溶接電流(又は溶接電圧)
を上げ、溶接速度を速くして熱量を増やした後、y軸方
向移動制御部62により溶接トーチをY軸方向にステッ
プ状に移動する(ステップS208)。これにより開先
壁部における溶け込み不足を防止する。ステップS20
9では、その検知した位置が予め入力した終端であるか
否かを判断し、その位置が終端でなければ、その位置が
前層の溶接をしたときに前層の推定値を越えたか否かを
判断する(ステップS210)。前層の溶接をしたとき
に前層の推定値を越えた溶接をしていなければ、ステッ
プS2101でステップS2071で変更した溶接条件
をもとに戻し、X軸方向に移動して溶接を行い(ステッ
プS211)、ステップS203に戻り溶接電流の値を
検知する。以下、上述したステップS203からステッ
プS211までの各ステップの処理を行うことにより開
先部の溶接を行う。そして、ステップS209で、溶接
している位置が予め設定した終端にくれば、これを検知
してクレータ処理をした後、アークを止め、シールドガ
スを止め(ステップS212)、待拠位置に移動する
(ステップS213)。ステップS214で、次に溶接
する層があるか否か判断し、溶接する層があれば、溶接
を開始する始端に溶接トーチを移動し(ステップS21
5)、ステップS216で、溶接を開始する始端が前層
で推定値を越えて溶接したか否かを判断する。推定値を
越えて溶接していれば、ステップS217に移行してY
軸方向にステップ状に移動した後、ステップS216で
その位置が前層で推定値を越えて溶接したか否かが判断
される。そして、前層で推定値を越えて溶接しなかった
位置まで、溶接トーチを移動した後、ステップS203
に戻って上記の手順を繰り返し、次の層の溶接を行う。
【0034】ところで、例えば図10に示すように、開
先部の一部(A2部分)の高さが他の部分に比べて低い
場合、A2部分の溶接層の溶接を行っているときに、ス
テップS205で開先壁部を検知できないので、このま
までは、このA2部分のX軸方向の移動を停止すること
ができない。この場合、ステップS206でこの溶接層
(図10の場合第5層目)のA2部分の溶接を行う際に
溶接位置が上述した推定値を越えたか否かを判断し、推
定値を越えた場合は、その推定値より一定値(数ミリ)
だけ移動した後、ステップS2071に移行して溶接条
件を変更する。この場合、開先壁部ではないので、熱量
があまり上昇しないように溶接電流(又は溶接電圧)を
若干低くし、溶接速度を遅くして溶接を行いながら、Y
軸方向にステップ状に移動する。以下同様にして、開先
壁部を検知しない場合でも、A2部分の溶接を自動で行
うことができる。
【0035】そして、次の溶接層(図10では6層目)
の溶接を行うときには、溶接位置がA2部分にくると、
ステップS210で前層(図10では5層目)で推定値
を越えたか否かが判断され、この場合、A2部分は前層
で推定値を越えて溶接しているので、A2部分での溶接
を行わずに、つまりステップS211に移行せずに、ス
テップS208に移行してもう一度、Y軸方向にステッ
プ状に溶接トーチを移動する。移動した位置が、溶接終
端ではなく、しかもまだA2部分であれば、再びステッ
プS208に移行して、Y軸方向にステップ状に移動す
る。このようにして、次の溶接層(図10の6層目)の
溶接を行うときには、A2部分の溶接を行うことなく、
他の部分だけを溶接することができる。
【0036】なおA2部分が、たとえば溶接を開始する
始端であるときには、上述したようにステップS216
でこれを検知して、その始端の溶接を行わずに、Y軸方
向のステップ状の移動を繰り返し、A2部分を溶接する
ことなく、A2部分の次の部分から次の溶接層(図10
の6層目)の溶接を行う。
【0037】上記の方法によれば、溶接トーチの折り返
し点では、溶接条件を変更し熱量を制御して溶接するの
で、開先壁部における溶け込みの安定化を図ることがで
き、また開先壁部のない折り返し点でも、溶け込み量を
一定にすることができる。これにより溶接ビードの形状
を一定にすることができる。溶接条件を変更する際に溶
接速度をも変更したのは、溶ける金属量を一定にするた
めである。また、上記の方法によれば、例えば部分的な
板厚の違い、目違い、裏当てとの隙間、仮付けビード、
クロスビードの処理状況等が原因で、開先部の高さが場
所により異なる場合でも、その高さに応じた溶接層数の
溶接を自動で行うことができる。
【0038】また、上記の方法によれば、溶接電流の値
を検知することにより、開先壁部を検出して、溶接の方
向を変えているので、リアルタイムで溶接を制御するこ
とができ、したがって開先部の形状が図4に示すように
変化する場合でも、従来の1サイクル遅れの制御に比べ
て、より確実に開先壁部まで、溶接を行うことができ
る。その他の作用・効果は、上述の第1溶接方法と同様
である。尚、第2溶接方法についても、第1溶接方法の
他の例と同様に処理を行うことにより、開先部の高さが
場所により異なる場合でも、その高さに応じた溶接層数
の溶接を自動で行うことができる。
【0039】次に、本発明の第2実施例について図12
乃至図20をも参照して説明する。第2実施例では、特
殊な高級鋼を自動で溶接する場合について説明する。本
実施例でも、図2に示すような中途姿勢の開先部を7層
に分けて溶接する場合を例に挙げて説明する。尚、本実
施例においても、図1に示す自動溶接装置を使用するも
のとする。
【0040】特殊な高級鋼、例えば低温用鋼や高張力鋼
の場合、800°Cから500°Cのときの冷却速度を
制御する必要がある。このため、溶接入熱の上限やパス
間の温度が指定される。溶接入熱と他の溶接条件とは次
式で示す関係を持っている。 v=60IE/Q 但し、I:溶接電流(A) E:溶接電圧(V) Q:溶接入熱(J) v:溶接方向における速度(溶接速度)(cm/分) ところで、溶接時に溶接電流や溶接電圧を変えると、溶
接プールの大きさが変わり、ビード形状が平滑でなくな
るので、これらの溶接条件は変えることができない。本
実施例では、各溶接層の各パスのウィービング幅を制限
することにより、溶接速度を制御し、これにより溶接入
熱を制御することとしている。尚、上式で求められる溶
接速度vは、下限値であり、これ以上溶接速度vが小さ
くなると、溶接入熱Qが大きくなってしまう。
【0041】本実施例の方法で溶接するには、予め開先
部の始端、終端、開先形状(例えば高さ24mmのV字
状)等の情報を操作部より入力する。これらの値の入力
は手動で行ってもよいし、自動計測して入力してもよ
い。主制御部70は、これらの情報に基づいて溶接層数
や溶接層の厚さ、及び各溶接層におけるパス数を決定
し、更に前記溶接入熱の上限に基づいて、各溶接層のパ
ス数及び、溶接方向に直角な方向に溶接トーチを移動す
るときの速度(x軸方向の移動速度)を算出する。そし
て、これらの値に基づいて各溶接層の各パスの溶接を行
う。
【0042】以下、中途姿勢の開先部であって、且つ開
先部の平面形状が図12に示すように広く、またその開
先幅が一定でない高級鋼を自動溶接する場合の手順につ
いて説明する。第1実施例と同様にして、開先形状のテ
ィーチングを行う。次に、図3に示すステップS10
で、設定したティーチングプログラムを呼び出し、これ
により溶接電流・溶接電圧・溶接速度等の溶接条件が設
定され、また本実施例の場合開先部の形状に応じて、第
1溶接層から第3溶接層までは、第1溶接方法を用いて
溶接し、第4溶接層から第7溶接層までは、第2溶接方
法を用いて溶接することが設定される。更に、本実施例
の場合、予め各溶接層を幾つのパスで行うかを設定する
こともできる。ステップS11では、第1溶接層から第
3溶接層までを溶接するために、第1溶接方法のプログ
ラムが呼び出され、第4溶接層から第7溶接層までを溶
接するために、ステップS12で第2溶接方法のプログ
ラムが呼び出される。
【0043】次に、本実施例の第1溶接方法について詳
述する。図13乃至図15は本実施例の第1溶接方法の
手順を示す図である。ティーチングデータに基づいて、
溶接電流・溶接電圧・x軸方向における移動速度等の溶
接条件を設定した後、ステップS302で、溶接トーチ
50を溶接の始端に移動し、シールドガスを供給してア
ーク溶接を開始し、x軸方向移動制御部60により溶接
トーチ50を開先壁部A3の始端から溶接方向に直角な
方向(x軸方向)に移動して(ステップS303)第1
パスの溶接を行う。ステップS304では、x軸方向の
移動が予め定めた移動量の上限値であるか否かを判断す
る。移動した地点が上限値であれば、その位置の座標を
記憶し(ステップS305)、ステップS3051で溶
接条件を変更した後、y軸方向移動制御部62により溶
接トーチ50を溶接方向(y軸方向)に溶接幅の分だけ
ステップ状に移動する(ステップS306)。この場
合、折り返し位置は開先壁部ではないので、溶接条件を
変更することにより、例えば溶接電流(又は溶接電圧)
を上げ、溶接速度を速くすることにより、熱量を増やし
て図16(a)に示すように折り返し位置における溶接
ビードの形状を滑らかにし、次のパスにおける溶接ビー
ドとの馴染みを良くする。或いは、溶接電流(又は溶接
電圧)を下げ、溶接速度を遅くして溶接を行うことによ
り、熱量を減らして図16(b)に示すように折り返し
位置における溶接ビードの形状を段差状とし、次のパス
における、前のパスの折り返し位置の検知を容易にす
る。このように折り返し位置における溶接条件を変更す
ることにより、溶接ビードの形状を所望の形状に制御す
ることができる。ステップS307では、その移動した
位置がそのパス、この場合は第1パスの終了端であるか
否かを判断する。終了端でなければ、ステップS307
1に移行して溶接条件をもとに戻した後、更にステップ
S308で、x軸方向移動制御部60により、溶接方向
に直角な方向であってステップS303での移動方向と
は逆の方向に移動して溶接を行う。
【0044】ステップS304の判断で移動量が上限値
でなければ、実際に溶接しているときの溶接電流の値を
検知し、その値を積算して平均値を算出する(ステップ
S309)。一般に、開先部の中央部に比べて開先壁部
では、溶接電流が大きくなるので、溶接電流が前記の平
均値より予め定めた一定値以上に大きくなったか否かを
検知する(ステップS310)ことにより開先壁部B3
を検知する。溶接電流が一定値以上大きくなったことを
検知しなければ、ステップS304に戻って、x軸方向
の溶接を続行して移動量の上限値を検知する。なお、例
えば第2パスの溶接を行っているときに、ステップS3
10で、溶接電流が一定値以上大きくなったことを検知
すれば、現在溶接している溶接層の図12の開先壁部B
3を検知したことになり、したがって、その部分につい
てこれ以上溶接を行わないようにするために、その部分
の溶接層の溶接が終了したことと、その部分の位置の座
標を記憶する(ステップS311)。尚、ステップS3
10で開先壁部B3を検知してステップS3051に移
行したときには、溶接電流(又は溶接電圧)を上げ、溶
接速度を速くし、熱量を増やして溶接を行い、開先壁部
への溶け込み不足を防止する。
【0045】次に、ステップS312では、現在の溶接
が第1パスであるか否かを判断する。今は第1パスの溶
接を行っているので、ステップS313に移行してステ
ップS309と同様にして溶接電流を検知することによ
り、溶接位置が図12の開先壁部A3に到達したか否か
を判断する(ステップS314)。開先壁部A3に到達
していなければ、ステップS308に戻ってx軸逆方向
移動を続け溶接を行い、開先壁部A3に到達していれ
ば、ステップS3141で溶接条件を変更した後、y軸
方向移動制御部62により溶接トーチ50を溶接方向
(y軸方向)に溶接幅の分だけステップ状に移動する
(ステップS315)。この場合、開先壁部に到達して
いるので、例えば溶接電流(又は溶接電圧)を上げ、溶
接速度を速くし、熱量を増やして溶接を行うことによ
り、開先壁部への溶け込み不足を防止する。ステップS
316では、その移動した位置がそのパス、この場合は
第1パスの終了端であるか否かを判断する。終了端でな
ければ、ステップS3161に移行し、ステップS31
41で変更した溶接条件をもとに戻した後、ステップS
317で、x軸方向移動制御部60により、溶接方向に
直角な方向であってステップS303での移動方向と同
方向に溶接トーチを移動して溶接を行う。
【0046】以下、上述したステップS304からステ
ップS317まで処理を繰り返して溶接を行うことによ
り第1パスの溶接を行う。ステップS307か又はステ
ップS316において第1パスの溶接が終了したことを
検知すれば、ステップS318に移行して、クレータ処
理をした後、アークを止め、シールドガスを止め(ステ
ップS318)、待拠位置に移動する(ステップS31
9)。
【0047】ステップS320では、次のパスがあるか
否かを判断する。これは、例えばステップS311で当
該溶接部分についてその溶接層の溶接が終了している
か、終了していないかを判断して記憶しているので、ま
だ、その溶接層の溶接が終了していなければ、次のパス
があることになる。次のパスがあれば、ステップS32
1に移行して第2パスの溶接位置に移動する。次のパス
への移動位置は、ステップS305の処理で、おり返し
た位置の座標を記憶しているので、この座標を基準にし
て決定することができる。なお、ステップS305で
は、単に折り返し位置の座標を記憶するだけでなく、各
折り返し地点の間を直線補完した情報をも記憶すること
により、第2パスの溶接を行っているときに、溶接トー
チが第1パスの一の折り返し地点と、次の折り返し地点
との間の中間点に戻ってきた場合でも、前記直線補完し
た情報に基づいてその中間点から折り返して溶接を行う
ことができる。また、例えば図12に示す第4パスの場
合、溶接の開始位置はC3地点となる。この位置はステ
ップS311の処理で、開先壁部B3を検知して、おり
返した位置の座標を記憶しているので、この情報に基づ
き第3パスでまだ開先壁部B3を検知していない最初の
点C3の位置の座標を決定する。なお、予め入力された
開先部の開先形状の情報に基づいて、各溶接層毎のパス
数を算出し、算出したパス数では開先部の開先壁部B3
を検出できない部分については、さらにパス数を増加さ
せ、また算出したパス数よりも少ないパス数で開先壁部
B3を検出した部分については、以後のパスでその部分
の溶接を行わないことにより、各溶接層の溶接を行うよ
うにしてもよい。これにより、各溶接層の終了をより確
実なものとすることができる。
【0048】第2パス以降の溶接も、第1パスとほぼ同
様にして溶接を行う。第2パスの溶接が第1パスの溶接
と異なる点は、図12に示すように第1パスでは、開先
端部A3と移動量の上限値の位置との間で折り返して溶
接を行っているのに対して、第2パス以降では前のパス
の溶接端部、第2パスの場合D3E3曲線から第2パス
の移動量の上限値までの間を折り返して溶接する点が異
なる。このため、ステップS312で第1パスの溶接か
否かを判断し、第2パス以降の場合、第1パスのステッ
プS314の代わりに、ステップS322に移行してス
テップS305で記憶した前のパスの折り返し位置、す
なわち溶接端部に到達したか否かを判断する。到達して
いれば、ステップS3141で溶接条件を変更した後、
ステップS315に移行してその位置から折り返し、以
下前述の第1パスと同様にして溶接を行う。なおこの場
合、開先壁部ではないが、溶接条件を変更することによ
り、例えば溶接電流(又は溶接電圧)を上げ、溶接速度
を速くして溶接を行うことにより、前のパスの溶接部分
をも溶かして溶接ビードの形状を一定にすることができ
る。
【0049】各パスの溶接が全て終了すると、ステップ
S320からステップS323に移行し、次の溶接層が
あれば、次の溶接層の溶接始端に溶接トーチを移動し、
以下上述の手順に従って、次の溶接層の各パスを順次溶
接し、第2溶接層及び第3溶接層の各溶接層の溶接を終
了したときに、ステップS323でこれを判断し、第2
溶接方法のプログラムを実行する。
【0050】また、高級鋼の場合、パス間の温度が指定
されることがある。この場合、あるパスを溶接した後、
そのパスの溶接部分の温度が一定以下に下がらなけれ
ば、次のパスの溶接を行うことができない。このように
パス間の温度が指定された場合は、溶接部分の温度を測
定する手段を設け、各パスの溶接終了後に、ステップS
321で次のパスのスタート地点に移動する前又は後
に、前のパスで行った溶接部分の温度が指定された温度
以下に下がっているか否かを判断する処理ステップを挿
入することにより、容易に対応することができる。
【0051】上記の本実施例によれば、溶接トーチの折
り返し点では、溶接条件を変更し熱量を制御して溶接す
るので、開先壁部における溶け込みの安定化を図ること
ができ、また開先壁部のない折り返し点でも、溶け込み
量を制御することができる。これにより溶接ビードの形
状を一定にすることができる。溶接条件を変更する際に
溶接速度をも変更したのは、溶ける金属量を一定にする
ためである。また、本実施例によれば、溶接入熱が指定
された場合でも、x軸方向の移動速度を制御して溶接速
度を制御することにより、指定された溶接入熱の上限値
で溶接を行うことができる。
【0052】また、本実施例の第1溶接方法では、第2
パス以降は、各パスの溶接端部の位置の座標を記憶する
ことにより、その記憶情報に基づいて折り返して溶接し
ていたが、溶接端部の情報を記憶する代わりに、溶接電
流及び溶接電圧のうち一方又は双方を検知してその値が
所定値に変化するのを検知することにより、前のパスの
溶接端部を検知してもよい。その他の作用・効果は第1
実施例の第1溶接方法と同様である。
【0053】次に第2実施例の第2溶接方法について詳
述する。図17は第4溶接層から第7溶接層までを溶接
するときの開先部の平面形状であり、図12と同様にそ
の平面形状が一定でない場合を示す図である。図18乃
至図20は本実施例の第2溶接方法の手順を示す図であ
る。上記のようにして第1溶接方法のプログラムが終了
した後、ティーチングプログラムに基づき、溶接電流・
溶接電圧・溶接速度等の溶接条件を設定し、ステップS
502で、溶接トーチ50を溶接の始端、この場合第4
溶接層の溶接開始端(開先開放部A側)に移動し(ステ
ップS502)、シールドガスを供給してアーク溶接を
開始し、x軸方向移動制御部60により溶接トーチ50
を溶接方向に直角な方向(x軸方向)、すなわち開先壁
部Bに向かって移動して(ステップS503)第1パス
の溶接を行う。ステップS504では、x軸方向の移動
が予め定めた移動量の上限値であるか否かを判断する。
移動した地点が上限値であれば、その位置の座標を記憶
し(ステップS505)、ステップS5051で溶接条
件を変更した後、y軸方向移動制御部62により溶接ト
ーチ50を溶接方向(y軸方向)に溶接幅の分だけステ
ップ状に移動する(ステップS506)。この場合、折
り返し位置は開先壁部でも、開先開放部でもなく、単に
折り返すだけであるので、溶接条件を変更することによ
り、例えば溶接電流(又は溶接電圧)を上げ、溶接速度
を速くし、熱量を増やして溶接することにより、第1溶
接方法と同様に図16(a)に示すように折り返し位置
における溶接ビードの形状を滑らかにし、次のパスにお
ける溶接ビードとの馴染みを良くする。或いは、溶接電
流(又は溶接電圧)を下げ、溶接速度を遅くし、熱量を
減らして溶接を行うことにより、図16(b)に示すよ
うに折り返し位置における溶接ビードの形状を段差状と
し、次のパスにおける、前のパスの折り返し位置の検知
を容易にする。このように折り返し位置における溶接条
件を変更することにより、溶接ビードの形状を所望の形
状に制御することができる。ステップS507では、そ
の移動した位置がそのパス、この場合は第1パスの終了
端であるか否かを判断する。終了端でなければ、ステッ
プS5071に移行し、ステップS5051で変更した
溶接条件をもとに戻した後、ステップS508で、x軸
方向移動制御部60により、溶接方向に直角な方向であ
ってステップS503での移動方向とは逆の方向に移動
して溶接を行う。
【0054】ステップS504の判断で移動量が上限値
でなければ、実際に溶接しているときの溶接電流の値を
検知し、その値を積算して平均値を算出する(ステップ
S509)。一般に、開先部の中央部に比べて開先壁部
では、溶接電流が大きくなるので、溶接電流が前記の平
均値より予め定めた一定値以上に大きくなったか否かを
検知する(ステップS510)ことにより開先壁部を検
知する。溶接電流が一定値以上大きくなったことを検知
しなければ、ステップS504に戻って、x軸方向の溶
接を続行して移動量の上限値を検知する。なお、例えば
図17に示す第2パスの溶接を行っているときに、ステ
ップS510で、溶接電流が一定値以上大きくなったこ
とを検知すれば、現在溶接している溶接層の開先壁部を
検知したことになり、したがって、その部分についてこ
れ以上溶接を行わないようにするために、その部分の溶
接層の溶接が終了したことと、その部分の位置の座標を
記憶する(ステップS511)。尚、ステップS510
で開先壁部を検知した後にステップS5051に移行し
たときには、溶接条件の変更は、例えば溶接電流(又は
溶接電圧)を上げ、溶接速度を速くして熱量を増やす。
このように溶接条件を変更して溶接を行うことにより開
先壁部への溶け込み不足を防止する。ステップS512
では、現在の溶接が第1パスであるか否かを判断する。
今は第1パスの溶接を行っているので、ステップS51
4に移行する。
【0055】次に、主制御部70は、前述したティーチ
ングに基づいて開先開放部の位置を認識して記憶してい
るので、溶接トーチが開先開放部に到達したか否かを判
断する(ステップS514)。開先開放部に到達してい
なければ、ステップS508に戻ってx軸逆方向移動を
続け溶接を行い、開先開放部に到達していれば、ステッ
プS5141で溶接条件を変更した後、y軸方向移動制
御部62により溶接トーチ50を溶接方向(y軸方向)
に溶接幅の分だけステップ状に移動する(ステップS5
15)。この場合、開先開放部に到達しているので、例
えば溶接電流(又は溶接電圧)を低くし、溶接速度を遅
くし、熱量を減らして溶接を行うことにより、開先開放
部における溶け落ちを防止することができる。ステップ
S516では、その移動した位置がそのパス、この場合
は第1パスの終了端であるか否かを判断する。終了端で
なければ、ステップS5161に移行し、ステップS5
141で変更した溶接条件をもとに戻した後、ステップ
S517で、x軸方向移動制御部60により、溶接方向
に直角な方向であってステップS503での移動方向と
同方向に溶接トーチを移動して溶接を行う。
【0056】以下、上述したステップS504からステ
ップS517まで処理を繰り返して溶接を行うことによ
り第1パスの溶接を行う。ステップS507か又はステ
ップS516において第1パスの溶接が終了したことを
検知すれば、ステップS518に移行して、クレータ処
理をした後、アークを止め、シールドガスを止め(ステ
ップS518)、待拠位置に移動する(ステップS51
9)。
【0057】ステップS520では、次のパスがあるか
否かを判断する。これは、例えばステップS511で当
該溶接部分についてその溶接層の溶接が終了している
か、終了していないかを判断して記憶しているので、ま
だ、その溶接層の溶接が終了していなければ、次のパス
があることになる。次のパスがあれば、ステップS52
1に移行して第2パスの溶接位置に移動する。次のパス
への移動位置は、ステップS505の処理で、折り返し
た位置の座標を記憶しているので、この座標を基準にし
て決定することができる。なお、ステップS505で
は、単に折り返し位置の座標を記憶するだけでなく、各
折り返し地点の間を直線補完した情報をも記憶すること
により、第2パスの溶接を行っているときに、溶接トー
チが第1パスの一の折り返し地点と、次の折り返し地点
との間の中間点に戻ってきた場合でも、前記直線補完し
た情報に基づいてその中間点から折り返して溶接を行う
ことができる。また、例えば図17に示す第4パスの場
合、溶接の開始位置はC5地点となる。この位置はステ
ップS511の処理で、開先壁部を検知して折り返した
位置の座標を記憶しているので、この情報に基づいてC
5地点の座標を決定することができる。なお、予め入力
された開先部の開先形状の情報に基づいて、各溶接層毎
のパス数を算出し、算出したパス数では開先部の開先壁
部を検出できない部分については、さらにパス数を増加
させ、また算出したパス数よりも少ないパス数で開先壁
部を検出した部分については、以後のパスでその部分の
溶接を行わないことにより、各溶接層の溶接を行うよう
にしてもよい。これにより、各溶接層の終了をより確実
なものとすることができる。
【0058】第2パス以降の溶接も、第1パスとほぼ同
様にして溶接を行う。第2パスの溶接が第1パスの溶接
と異なる点は、図17に示すように第1パスでは、開先
開放部と移動量の上限値の位置との間で折り返して溶接
を行っているのに対して、第2パス以降では前のパスの
溶接端部、第2パスの場合、D5E5曲線から第2パス
の移動量の上限値までの間を折り返して溶接する点が異
なる。このため、ステップS512で第1パスの溶接か
否かを判断し、第2パス以降の場合、第1パスのステッ
プS514の代わりに、ステップS522に移行してス
テップS505で記憶した第1パスの折り返し位置、す
なわち溶接端部に到達したか否かを判断する。到達して
いれば、ステップS5141で溶接条件を変更した後、
ステップS515に移行してその位置から折り返して溶
接を行う。この場合、前のパスの溶接ビードをも溶かし
て溶接を行うために、例えば溶接電流(又は溶接電圧)
を若干上げ、溶接速度も若干速くし、熱量を若干増やし
て溶接を行うことにより前のパスとの繋ぎを確実に行う
ことができる。以下、前述の第1パスと同様にして溶接
を行う。
【0059】各パスの溶接が全て終了すると、ステップ
S520からステップS523に移行し、次の溶接層が
あれば、次の溶接層の溶接始端に溶接トーチを移動し、
以下上述の手順に従って、第5溶接層から第7溶接層ま
での各溶接層の各パスを順次溶接し、第7溶接層の溶接
を終了したときに、ステップS523でこれを判断し、
自動溶接を終了する。
【0060】ところで、高級鋼の場合、パス間の温度が
指定されることがある。この場合、あるパスを溶接した
後、そのパスの溶接部分の温度が一定以下に下がらなけ
れば、次のパスの溶接を行うことができない。このよう
にパス間の温度が指定された場合は、溶接部分の温度を
測定する手段を設け、各パスの溶接終了後に、ステップ
S521で次のパスのスタート地点に移動する前又は後
に、前のパスで行った溶接部分の温度が指定された温度
以下に下がっているか否かを判断する処理ステップを挿
入することにより、容易に対応することができる。
【0061】上記の第2溶接方法によれば、溶接トーチ
の折り返し点では、溶接条件を変更し熱量を制御して溶
接するので、開先壁部における溶け込みの安定化を図る
ことができ、また開先開放部における溶け落ちを防止す
ることができ、更に開先壁部や開先開放部以外の折り返
し位置における溶け込み量を制御することができる。こ
れにより溶接ビードの形状を一定にすることができる。
溶接条件を変更する際に溶接速度をも変更したのは、溶
ける金属量を一定にするためである。また、本方法によ
れば、溶接入熱が指定された場合でも、x軸方向の移動
速度を制御して溶接速度を制御することにより、指定さ
れた溶接入熱の上限値で溶接を行うことができる。
【0062】本発明者等は、25mm厚のSPV−50
Q鋼板を、1.6mmφの溶接ワイヤを用いて、シール
ドガスとしてCO2 を25l/min流し、自動溶接を
行った結果、良好な溶接結果を得ることができた。
【0063】上記の第2溶接方法によれば、溶接電流の
値を検知することにより、開先壁部を検出して、溶接の
方向を変えているので、リアルタイムで溶接を制御する
ことができ、したがって開先部の形状が図18に示すよ
うに変化する場合でも、確実に開先壁部まで、溶接を行
うことができる。その他の作用・効果は第1実施例の第
2溶接方法と同様である。
【0064】尚、上記の第1及び第2実施例では、開先
開放部から開先壁部に向かって溶接する場合について説
明するが、逆に開先壁部から開先開放部に向かって溶接
する場合も同様にして溶接することができる。
【0065】本発明は上記の実施例に限定されるもので
はなく、その要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、開先部の形状は、図21又は図22に示すよう
な形状であってよい。図22に示すように当て板200
を設けて溶接する場合は、例えば始端では、A4,B
4,B’4,C4の4点をティーチングする。また図2
2に示すK字状の開先部の場合、例えば始端では、A
4,B4,C4,A’4,B’4,C’4の6点をティ
ーチングする。また、上記の実施例では、各溶接層を第
1溶接方法又は第2溶接方法で溶接する場合について説
明したが、例えば或る一の溶接層の前半部分を第1溶接
方法で、後半部分を第2溶接方法で溶接し、一の溶接層
を双方の方法を用いて溶接してもよい。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
1溶接方法と第2溶接方法とを具備し、開先部の形状に
応じて、両溶接方法を切り換えて、溶接を行うことによ
り、中途姿勢の開先部を溶接する場合でも、自動で溶接
を行うことができ、したがって特に厚板の溶接に好適な
自動溶接方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である自動溶接方法を実施する
ための自動溶接装置の概略図である。
【図2】本実施例の自動溶接方法により溶接を行う中途
姿勢の開先部の斜視図である。
【図3】本発明の実施例の主手順を示す図である。
【図4】両端に開先壁部がある開先部の斜視図である。
【図5】第1実施例の第1溶接方法の手順を示す図であ
る。
【図6】第1実施例の第1溶接方法で溶接する開先部の
1例を示す平面図である。
【図7】一方の端が開先壁部であり、他方の端が開先開
放部である開先部の斜視図である。
【図8】一方の端が開先壁部であり、他方の端が開先開
放部である開先部の正面図である。
【図9】第1実施例の第2溶接方法の手順を示す図であ
る。
【図10】第1実施例の第1溶接方法の他の例で溶接す
る開先部の斜視図である。
【図11】第1溶接方法の他の例の手順を示す図であ
る。
【図12】第2実施例の第1溶接方法で溶接する開先部
の平面図である。
【図13】第2実施例の第1溶接方法の手順を示す図で
ある。
【図14】第2実施例の第1溶接方法の手順を示す図で
ある。
【図15】第2実施例の第1溶接方法の手順を示す図で
ある。
【図16】第2実施例の折り返し位置の溶接ビードの形
状を示す概略部分拡大断面図である。
【図17】第2実施例の第2溶接方法で溶接する開先部
の平面図である。
【図18】第2実施例の第2溶接方法の手順を示す図で
ある。
【図19】第2実施例の第2溶接方法の手順を示す図で
ある。
【図20】第2実施例の第2溶接方法の手順を示す図で
ある。
【図21】開先部の他の例を示す正面図である。
【図22】開先部の他の例を示す正面図である。
【図23】開先部の形状及び姿勢を説明するための図で
ある。
【符号の説明】
10 溶接機 50 溶接トーチ 60 x軸方向移動制御部 62 y軸方向移動制御部 64 z軸方向移動制御部 70 主制御部 80 操作部 100 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 9/127 508 B 7920−4E 509 A 7920−4E D 7920−4E E 7920−4E

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接継手部の開先形状を指示して、溶接
    トーチの移動を制御することにより開先部の各溶接層を
    1又は複数のパスにより溶接する自動溶接方法におい
    て、両端が開先壁部である開先部を溶接する第1溶接方
    法と、一端が開先壁部で他端が開先開放部である開先部
    を溶接する第2溶接方法とを具備し、前記指示のあった
    開先形状に応じて、前記各溶接層を前記第1溶接方法及
    び第2溶接方法のうちの一方又は双方を用いて溶接する
    ことを特徴とする自動溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記第1溶接方法は、前記開先部の溶接
    を開始する始端から溶接方向に直角な方向に溶接トーチ
    を移動し、溶接電流及び溶接電圧のうち一方又は双方を
    検知してその値が所定値に変化したときに、その変化を
    検知する毎に、溶接トーチを溶接方向に移動した後、検
    知前の移動方向とは逆方向に移動することにより開先部
    の溶接を行うものである請求項1記載の自動溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記第1溶接方法は、前記変化を検知し
    てから溶接トーチを逆方向に移動するまでの間は、溶接
    条件を変更して熱量を制御するものである請求項2記載
    の自動溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記第1溶接方法は、前記溶接電流及び
    溶接電圧のうち一方又は双方を検知することにより、開
    先部の開先壁部又は開先開放部のうち少なくとも一方を
    検知するものである請求項2記載の自動溶接方法。
  5. 【請求項5】 前記第1溶接方法は、前記開先部の溶接
    を開始する始端から溶接方向に直角な方向に溶接トーチ
    を移動し、溶接電流及び溶接電圧のうち一方又は双方を
    検知してその検知値が所定値に変化したときに、その変
    化を検知する毎に、その変化した位置から溶接トーチを
    溶接方向に移動した後、検知前の移動方向とは逆方向に
    移動して溶接を行い、且つ前記変化した位置を記憶して
    おき、該変化した位置に関する情報と、前記開先部の開
    先角度とから今回の層で前記検知値が変化する位置を推
    測し、その推測した位置を越えて溶接しても前記検知値
    が変化しない場合には、推測した位置に対して一定値進
    んだ位置で溶接トーチを溶接方向に移動した後、溶接ト
    ーチを逆方向に移動して溶接を行い、更に次の層では前
    層で前記検知値が変化しなかった位置に対応する部分に
    ついては溶接をしないように溶接トーチの移動を制御す
    るものである請求項1記載の自動溶接方法。
  6. 【請求項6】 前記第1溶接方法は、前記検知値が所定
    値に変化した位置から前記溶接トーチを逆方向に移動す
    るまでの間、及び前記一定値進んだ位置から前記溶接ト
    ーチを逆方向に移動するまでの間は、溶接条件を変更し
    て熱量を制御するものである請求項5記載の自動溶接方
    法。
  7. 【請求項7】 前記第1溶接方法は、前記開先部の開先
    角度が前記指示された開先形状のティーチングデータか
    ら算出されたものである請求項5記載の自動溶接方法。
  8. 【請求項8】 前記第1溶接方法は、前記開先部の開先
    角度が過去2回の層における前記変化した位置に関する
    情報から算出されたものである請求項5記載の自動溶接
    方法。
  9. 【請求項9】 前記第1溶接方法は、前記推測した位置
    が余盛ビードの高さをも考慮したものである請求項5,
    6,7又は8記載の自動溶接方法。
  10. 【請求項10】 前記第1溶接方法は、前記溶接電流及
    び溶接電圧のうち一方又は双方を検知することにより、
    開先部の開先壁部又は開放部のうち少なくとも一方を検
    知するものである請求項5,6,7,8又は9記載の自
    動溶接方法。
  11. 【請求項11】 前記第1溶接方法は、溶接電流及び溶
    接電圧のうち一方又は双方の値が所定値に変化するのを
    検知する検知手段により前記開先部の開先壁部の位置を
    検知し、且つ予め溶接入熱の上限値から溶接速度を算出
    し、その溶接速度に基づいて溶接方向に直角な方向の移
    動量の上限値を算出し、 前記各パスを溶接するときに始端から溶接方向に直角な
    方向に溶接トーチを移動し、 第1パスは溶接トーチが前記移動量の上限値又は前記開
    先部の一方の開先壁部に到達する毎に、溶接トーチを溶
    接方向に移動した後、前記溶接方向に直角な方向の移動
    を逆にして溶接を行い、 第2パス以降のパスは溶接トーチが自己パスの前記移動
    量の上限値又は前のパスの溶接端部に到達する毎に、溶
    接トーチを溶接方向に移動した後、前記溶接方向に直角
    な方向の移動を逆にして溶接を行い、 前記各パスで溶接を行っているときに前記検知手段によ
    り前記開先部の他方の開先壁部を検知したときにはその
    位置で溶接トーチを溶接方向に移動した後、前記溶接方
    向に直角な方向の移動を逆にして溶接を行うものである
    請求項1記載の自動溶接方法。
  12. 【請求項12】 前記第1溶接方法は、前記開先壁部の
    位置を検知してから前記溶接トーチの移動を逆にするま
    での間、及び前記移動量の上限値に到達してから前記溶
    接トーチの移動を逆にするまでの間は、溶接条件を変更
    して熱量を制御するものである請求項11記載の自動溶
    接方法。
  13. 【請求項13】 前記第1溶接方法は、前記移動量の上
    限値が下式 v=60IE/Q 但し、I:溶接電流(A) E:溶接電圧(V) Q:被溶接鋼材の継手性能確保可能な上限溶接入熱
    (J) v:溶接方向における速度(溶接速度)(cm/分) により算出されるものである請求項11又は12記載の
    自動溶接方法。
  14. 【請求項14】 前記第1溶接方法は、前記各パスの溶
    接端部の位置を記憶し、その位置情報に基づいて次のパ
    スの溶接を行うものである請求項11,12又は13記
    載の自動溶接方法。
  15. 【請求項15】 前記第1溶接方法は、前記各パスの溶
    接端部を、溶接電流及び溶接電圧のうち一方又は双方を
    検知してその値が所定値に変化するのを検知することに
    より検知するものである請求項11、12,13又は1
    4記載の自動溶接方法。
  16. 【請求項16】 前記第1溶接方法は、予め入力された
    前記開先部の開先形状の情報に基づいて、各溶接層毎の
    パス数を算出し、算出したパス数では前記開先部の他方
    の開先壁部を検出できない部分については、さらにパス
    数を増加させ、また算出したパス数よりも少ないパス数
    で前記他方の開先壁部を検出した部分については、以後
    のパスでその部分の溶接を行わないものである請求項1
    1,12,13,14又は15記載の自動溶接方法。
  17. 【請求項17】 前記第2溶接方法は、溶接電流及び溶
    接電圧のうち一方又は双方の値が所定値に変化するのを
    検知する第1検知手段により前記開先部の開先壁部を検
    知し、且つ前記開先部の開先開放部の位置を検知する第
    2検知手段により前記開先開放部を検知し、 前記開先部の溶接を開始する開先壁部又は開先開放部の
    始端から溶接方向に直角な方向に溶接トーチを移動し、
    前記第1検知手段により前記開先壁部を検知した後、又
    は第2検知手段により前記開先開放部を検知した後は、
    その検知をする毎に、溶接トーチを溶接方向に移動した
    後、検知前の移動方向とは逆方向に移動することにより
    前記開先部の溶接を行うものである請求項1記載の自動
    溶接方法。
  18. 【請求項18】 前記第2溶接方法は、前記第1検知手
    段により前記開先壁部を検知してから前記溶接トーチを
    逆方向に移動するまでの間、及び前記第2検知手段によ
    り前記開先開放部を検知してから前記溶接トーチを逆方
    向に移動するまでの間は、溶接条件を変更して熱量を制
    御するものである請求項17記載の自動溶接方法。
  19. 【請求項19】 前記第2溶接方法は、前記第2検知手
    段が溶接開始位置の開先形状と溶接終了位置の開先形状
    のティーチングデータに基づき途中を直線補完、又は曲
    線補完することにより前記開先部の開先開放部の位置を
    検知するものである請求項17又は18記載の自動溶接
    方法。
  20. 【請求項20】 前記第2溶接方法は、前記第2検知手
    段が機械的センサ、画像処理装置又は光センサを用いて
    前記開先部の開先開放部の位置を検知するものである請
    求項17又は18記載の自動溶接方法。
  21. 【請求項21】 前記第2溶接方法は、前記第2検知手
    段が、溶接電流及び溶接電圧のうち一方又は双方の値が
    所定値に変化することを検知することにより前記開先部
    の開先開放部の位置を検知するものである請求項17又
    は18記載の自動溶接方法。
  22. 【請求項22】 前記第2溶接方法は、溶接電流及び溶
    接電圧のうち一方又は双方の値が所定値に変化するのを
    検知する第1検知手段により前記開先部の開先壁部の位
    置を検知し、前記開先部の開先開放部の位置を検知する
    第2検知手段により前記開先開放部を検知し、且つ予め
    溶接入熱の上限値から溶接速度を算出し、その溶接速度
    に基づいて溶接方向に直角な方向の移動量の上限値を算
    出し、 前記各パスを溶接するときに前記開先開放部の始端から
    溶接方向に直角な方向に溶接トーチを移動し、 第1パスは溶接トーチが前記移動量の上限値又は前記開
    先部の開先開放部に到達する毎に、溶接トーチを溶接方
    向に移動した後、前記溶接方向に直角な方向の移動を逆
    にして溶接を行い、 第2パス以降のパスは溶接トーチが自己パスの前記移動
    量の上限値又は前のパスの溶接端部に到達する毎に、溶
    接トーチを溶接方向に移動した後、前記溶接方向に直角
    な方向の移動を逆にして溶接を行い、 前記各パスで溶接を行っているときに前記第1検知手段
    により前記開先部の開先壁部を検知したときにはその位
    置で溶接トーチを溶接方向に移動した後、前記溶接方向
    に直角な方向の移動を逆にして溶接を行うものである請
    求項1記載の自動溶接方法。
  23. 【請求項23】 前記第2溶接方法は、前記第1検知手
    段が前記開先壁部を検知してから前記溶接トーチの移動
    を逆にするまでの間、前記第2検知手段が前記開先開放
    部を検知してから前記溶接トーチの移動を逆にするまで
    の間、及び前記溶接トーチが前記移動量の上限値に到達
    してから前記溶接トーチの移動を逆にするまでの間は、
    溶接条件を変更して熱量を制御するものである請求項2
    2記載の自動溶接方法。
  24. 【請求項24】 前記第2溶接方法は、溶接電流及び溶
    接電圧のうち一方又は双方の値が所定値に変化するのを
    検知する第1検知手段により前記開先部の開先壁部の位
    置を検知し、前記開先部の開先開放部の位置を検知する
    第2検知手段により前記開先開放部を検知し、且つ予め
    溶接入熱の上限値から溶接速度を算出し、その溶接速度
    に基づいて溶接方向に直角な方向の移動量の上限値を算
    出し、前記各パスを溶接するときに前記開先壁部の始端
    から溶接方向に直角な方向に溶接トーチを移動し、 第1パスは溶接トーチが前記移動量の上限値又は前記開
    先部の開先壁部に到達する毎に、溶接トーチを溶接方向
    に移動した後、前記溶接方向に直角な方向の移動を逆に
    して溶接を行い、 第2パス以降のパスは溶接トーチが自己パスの前記移動
    量の上限値又は前のパスの溶接端部に到達する毎に、溶
    接トーチを溶接方向に移動した後、前記溶接方向に直角
    な方向の移動を逆にして溶接を行い、 前記各パスで溶接を行っているときに前記第2検知手段
    により前記開先部の開先開放部を検知したときにはその
    位置で溶接トーチを溶接方向に移動した後、前記溶接方
    向に直角な方向の移動を逆にして溶接を行うものである
    請求項1記載の自動溶接方法。
  25. 【請求項25】 前記第2溶接方法は、前記第1検知手
    段が前記開先壁部を検知してから前記溶接トーチの移動
    を逆にするまでの間、前記第2検知手段が前記開先開放
    部を検知してから前記溶接トーチの移動を逆にするまで
    の間、及び前記溶接トーチが前記移動量の上限値に到達
    してから前記溶接トーチの移動を逆にするまでの間は、
    溶接条件を変更して熱量を制御するものである請求項2
    4記載の自動溶接方法。
  26. 【請求項26】 前記第2溶接方法は、前記第2検知手
    段が、溶接開始位置の開先形状と溶接終了位置の開先形
    状のティーチングデータに基づき途中を直線補完、又は
    曲線補完することにより前記開先部の開先開放部の位置
    を検知するものである請求項22,23,24又は25
    記載の自動溶接方法。
  27. 【請求項27】 前記第2溶接方法は、前記第2検知手
    段が機械的センサ、画像処理装置又は光センサを用いて
    前記開先部の開先開放部の位置を検知するものである請
    求項22,23,24又は25記載の自動溶接方法。
  28. 【請求項28】 前記第2溶接方法は、前記第2検知手
    段が溶接電流及び溶接電圧のうち一方又は双方の値が所
    定値に変化することを検知することにより前記開先部の
    開先開放部の位置を検知するものである請求項22,2
    3,24又は25記載の自動溶接方法。
  29. 【請求項29】 前記第2溶接方法は、前記移動量の上
    限値が下式 v=60IE/Q 但し、I:溶接電流(A) E:溶接電圧(V) Q:被溶接鋼材の継手性能確保可能な上限溶接入熱
    (J) v:溶接方向における速度(溶接速度)(cm/分) により算出されるものであることを特徴とする請求項2
    2,23,24,25,26,27又は28記載の自動
    溶接方法。
  30. 【請求項30】 前記第2溶接方法は、前記各パスの溶
    接端部の位置を記憶し、その位置情報に基づいて次のパ
    スの溶接を行うものである請求項22,23,24,2
    5,26,27,28又は29記載の自動溶接方法。
  31. 【請求項31】 前記第2溶接方法は、前記各パスの溶
    接端部を、溶接電流及び溶接電圧のうち一方又は双方を
    検知してその値が所定値に変化するのを検知することに
    より検知するものである請求項22,23,24,2
    5,26,27,28,29又は30記載の自動溶接方
    法。
  32. 【請求項32】 前記第2溶接方法は、予め入力された
    前記開先部の開先形状の情報に基づいて、各溶接層毎の
    パス数を算出し、算出したパス数では前記開先部の他方
    の開先壁部を検出できない部分については、さらにパス
    数を増加させ、また算出したパス数よりも少ないパス数
    で前記他方の開先壁部を検出した部分については、以後
    のパスでその部分の溶接を行わないことを特徴とする請
    求項22,23,24,25,26,27,28,2
    9,30又は31記載の自動溶接方法。
JP21854192A 1992-07-24 1992-07-24 自動溶接方法 Withdrawn JPH0639548A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5587410A (en) * 1994-04-07 1996-12-24 Nippon Shokubai Co., Ltd. Aqueous resin composition
US6395209B2 (en) 1997-09-25 2002-05-28 Mitsubishi Chemical Corporation Deposited plastic film
JP2021016879A (ja) * 2019-07-19 2021-02-15 株式会社神戸製鋼所 積層構造体の製造方法

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