JP2007160349A - エレクトロガスアーク溶接ロボットの制御方法 - Google Patents

エレクトロガスアーク溶接ロボットの制御方法 Download PDF

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英知 阪下
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Abstract

【課題】溶融池の上昇速度に影響されることなく常に溶融池・溶接トーチ先端間距離を維持する。
【解決手段】溶接ト−チ2の移動に伴って溶融池が略垂直方向へ移動し、溶接トーチ2に連動させて摺動当金3を移動させて溶融池を保持しながらワークWを溶接するエレクトロガスアーク溶接ロボットの制御方法において、所定周期毎に溶融池・溶接トーチ先端間距離を検出し、この溶融池・溶接トーチ先端間距離検出値と予め定めた溶融池・溶接トーチ先端間距離設定値との偏差である溶融池上昇変化量Dsに基づいて位置補正量を算出し、この位置補正量に基づいて前記補間点の位置を前記溶接線前後方向に修正し、溶接トーチ2をこの修正された補間点に移動させることによって溶融池・溶接トーチ先端間距離を常に設定値に維持する、ことを特徴とするエレクトロガスアーク溶接ロボットの制御方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、立向き上進のエレクトロガスアーク溶接を行う産業用ロボットの制御方法に関するものである。
従来から、造船、貯油タンク等の大型溶接建造物の鋼壁を溶接する手法として、エレクトロガスアーク溶接方法が採用されている。エレクトロガスアーク溶接方法とは、垂直に立てられ突き合わせられた2枚の鋼板によって形成される開先に水冷の摺動当金を当てて、この摺動当金と開先とで囲まれる空間に溶接トーチから溶接ワイヤを連続的に送給してアークを発生させ、溶接トーチと摺動当金とを同時に略垂直方向に移動させてアークにより形成された溶融池を上昇させ、上記の空間を溶着金属で埋める溶接方法である(特許文献1参照)。
近年では、このエレクトロガスアーク溶接を産業用ロボットによって行う提案がなされている。図7は、その構成を示すブロック図である。同図において、マニピュレータ1はロボット制御装置4からの動作制御信号Mcによって動作制御される。溶接トーチ2はマニピュレータ1の手首部に取り付けられた取付部材6に取り付けられており、マニピュレータ1の動作によってワークWの開先内を略垂直の進行方向Zに進行する。摺動当金3は、溶接トーチ2と同様に取付部材6に取り付けられている。溶接トーチ2と摺動当金3との配置は、溶融池と溶接トーチ2の先端との距離が最適となるように固定されている。このため、摺動当金3は溶接トーチ2との距離を維持して進行方向Zに進行する。溶接電源5は、ロボット制御装置4からの電流制御信号Ic及び電圧制御信号Vcによって制御され、溶接電流Iwを溶接トーチ2に供給し、溶接電圧VwをワークW・溶接トーチ2間に印加する。ティーチペンダント8は、マニピュレータ1を溶接開始点に移動させて溶接を開始させる等の一連の作業を教示するための装置である。マニピュレータ1の一連の移動作業は、教示データとしてロボット制御装置4に予め記憶されている。
図8(a)及び(b)は、溶接トーチ2及び摺動当金3を上昇させながら溶接を行う様子を説明するための図である。同図(a)は、図7におけるワークW、溶接トーチ2及び摺動当金3の近傍を拡大した斜視図である。同図(b)は、同図(a)のA−A断面図であって、冷却され凝固した溶融池によって開先が埋めらていく様子を示した図である。同図(a)及び(b)において、ワークW、溶接トーチ2、摺動当金3、取付部材6及び進行方向Zは、図7と同符号を付与したものと同一であるので説明を省略する。支持部材7は、2枚の鋼板から成るワークWを支持するために仮付けされた部材であり、裏当て金の役割も兼ねている。溶接開始点Sp及び溶接終了点Epは、作業者が教示した位置を示している。溶融池31はアークによって形成され、図示するように摺動当金3で保持されて上昇する。
図7、図8(a)及び(b)を参照して、溶接が行われる際の動作を説明する。教示された溶接開始点Spと溶接終了点Epとで溶接線を算出し、この溶接線を複数の補間点に分割する軌道計画演算を行う。これにより、溶接線上に溶接トーチ2の移動目標となる複数の補間点が形成される。溶接を行う際には、まず溶接トーチ2を溶接開始点Spに移動させる。次に、ロボット制御装置4から溶接開始信号を溶接電源5に出力する。この結果、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwが出力され、溶接開始点Spにおいてアークが発生する。アークが発生すると、溶接トーチ2を順次補間点に移動させて最終的に溶接終了点Epに到達させる。摺動当金3は、上述したように溶接トーチ2との距離を所定距離に維持して移動する。
アークに伴って形成される溶融池31は、摺動当金3で保持されるので溶接トーチ2と摺動当金3との移動に伴って上昇する。溶融池31の下部32は冷却されることによって凝固するので、開先が埋められていく。このように、溶接トーチ2の移動に伴って溶融池31を上昇させながら開先を埋めて溶接していく。
特開平9−108841号公報
図9は、摺動当金で溶融池が保持される様子を説明するための図である。同図において、溶接トーチ2、摺動当金3、支持部材7、溶融池31、溶融池の下部32は、図8と同符号を付与した同一のものであるので説明を省略する。同図(c)に示すように、溶融池・溶接トーチ先端間距離Ysが常に所定値に維持されるように、作業者は溶接トーチ2及び摺動当金3の移動速度を決定し予め設定している。より詳細には、指定された開先、ワイヤ送給速度等の施工条件下において、安定な溶接状態となる所望値の溶融池・溶接トーチ先端距離を維持しながら溶接が進行する移動速度に設定する。なお、本明細書で述べている溶融池・溶接トーチ先端間距離とは、図示しているように、アークに伴って形成される溶融池31の表面と、溶接トーチ2の給電チップとの距離のことである。
溶接トーチ2及び摺動当金3は、取付部材6に固定されているので、両者とも設定した移動速度で移動する。しかしながら、ワークWの開先幅の誤差、溶融池31の凝固速度のばらつき等によって溶融池31の上昇速度は一定にならない。例えば、溶融池31の上昇速度が設定した移動速度を上回ると、同図(a)に示すように、溶融池・溶接トーチ先端間距離がY1になる。この場合は、溶接ワイヤ34の先端が溶融池31と短絡することによってアーク33が不安定になったり、溶融池31が摺動当金3から溢れたりする場合がある。また、溶融池31の上昇速度が設定した移動速度を下回ると、同図(b)に示すように、溶融池・溶接トーチ先端間距離がY2になる。この場合もアーク33が不安定になるために、溶着金属によって開先を安定して埋めることができない。
このように、溶融池・溶接トーチ先端間距離の変動が大きいときにはアークが不安定になり溶接が正常に行われない場合が生じる。また、溶融池が摺動当金から溢れたり、逆に開先を埋めることができなかったりする。すなわち、溶融池・溶接トーチ先端間距離が変動するために、良好な溶接施工結果が得られないという問題を抱えている。本発明は、溶融池・溶接トーチ先端間距離が変化したとしてもこの距離を一定に維持することができるエレクトロガスアーク溶接ロボットの制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、第1の発明は、
教示された溶接線に基づいて予め複数の補間点を算出し、
前記補間点を順次経由させてマニピュレータに取り付けられた溶接トーチを略垂直方向へ移動させ、
前記溶接ト−チの移動に伴って溶融池が略垂直方向へ移動し、前記溶接トーチに連動させて摺動当金を移動させて前記溶融池を保持しながらワークを溶接するエレクトロガスアーク溶接ロボットの制御方法において、
所定周期毎に溶融池・溶接トーチ先端間距離を検出し、
この溶融池・溶接トーチ先端間距離検出値と予め定めた溶融池・溶接トーチ先端間距離設定値との偏差である溶融池上昇変化量に基づいて位置補正量を算出し、
この位置補正量に基づいて前記補間点の位置を前記溶接線前後方向に修正し、
前記溶接トーチをこの修正された補間点に移動させることによって前記溶融池・溶接トーチ先端間距離を常に設定値に維持する、ことを特徴とするエレクトロガスアーク溶接ロボットの制御方法である。
第2の発明は、
前記摺動当金を前記マニピュレータの付加軸として移動制御し、前記溶接線に基づいて前記摺動当金の補間点を算出し、この摺動当金の補間点を順次経由させて前記揺動当金を略垂直方向へ移動させ、前記位置補正量に基づいて前記摺動当金の補間点の位置を移動前後方向に修正し、前記摺動当金をこの修正された摺動当金の補間点に移動させる、ことを特徴とする第1の発明に記載のエレクトロガスアーク溶接ロボットの制御方法である。
第1の発明によれば、所定周期毎に溶融池・溶接トーチ先端間距離を検出することによって位置補正量を算出して補間点を溶接線前後方向に修正し、溶接トーチをこの修正後の補間点に移動するようにしたので、溶融池・溶接トーチ先端間距離を設定値に維持することができる。その結果、ワークの開先幅の誤差、溶融池の凝固速度のばらつき等による溶融池・溶接トーチ先端間距離の変化に左右されることなく、常に一定の高溶接品質を得ることができる。
第2の発明によれば、摺動当金をマニピュレータの付加軸としてロボット制御装置で制御するようにしている。溶接時においては、位置補正量に基づく補間点の再算出を溶接トーチだけでなく摺動当金に対しても行うので、溶接トーチ・摺動当金間距離を常に設定値に維持することができる。すなわち、機構的に固定している状態と同等であるために、摺動当金をマニピュレータの付加軸としてロボット制御装置によって制御する場合であっても、第1の発明が有する効果を奏する。さらに、溶接トーチ・摺動当金間距離を作業者の教示により容易に変更することができる。すなわち、材質又は形状の異なるワークに交換する場合において、従来必要だった専用治具を用いた機構的な溶接トーチ・摺動当金間距離の固定作業が必要なく、溶接トーチ・摺動当金間距離の調整作業工数を低減することができる。
[実施の形態1]
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態を表すエレクトロガスアーク溶接ロボットのブロック図である。同図において、ワークW、マニピュレータ1、溶接トーチ2、摺動当金3、ロボット制御装置4、溶接電源5、取付部材6、ティーチペンダント8、進行方向Z、動作制御信号Mc、電流制御信号Ic、電圧制御信号Vc、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwは、図7と同符号を付与したものと同一であるので説明を省略する。以下、図7と異なる部分について説明する。
倣い制御装置11は、溶接電源5から出力される溶接電流Iwを中継して溶接トーチ2に供給する構成になっているため、溶接電流Iwを検出することができる。具体的には、溶接電流Iwは、倣い制御装置11内の電流取得素子IDによってアナログ電圧Idに変換され、ADコンバータACによってデジタル値Acに変換されて演算回路DSに入力される。演算回路DSは、溶融池上昇変化量Dsを算出し、ロボット制御装置4に送信する。以下、溶融池上昇変化量Dsの算出方法を説明する。
図2は、溶融池・溶接トーチ先端間距離を説明するための図である。同図は、溶接中に溶融池31の上昇量が、教示された溶融池・溶接トーチ先端間距離Ys(以下、距離設定値Ysという)を下回った状態を表している。同図中の溶融池・溶接トーチ先端間距離Yk(以下、距離検出値Ykという)を倣い制御装置11によって検出する。同図において、溶接トーチ2、摺動当金3、支持部材7、溶融池31、溶融池の下部32は、図8と同符号を付与した同一のものであるので説明を省略する。
演算回路DSは、距離検出値Ykを溶接電流Iwに基づいて求めることが可能である。すなわち、(距離検出値Yk)=(溶接電流Iw)×(電位経度K)で求めることができる。電位経度Kとは、溶接電流に応じた距離を求めるための換算係数であり、予め倣い制御装置11に定めている。そして、溶融池上昇変化量Dsは、上記距離検出値Ykと予め設定した距離設定値Ysとの偏差であるので、(溶融池上昇変化量Ds)=(距離検出値Yk)−(距離設定値Ys)によって、容易に求めることができる。
なお、溶融池上昇変化量Dsは、ロボット制御装置4又は倣い制御装置11に予め定めた演算周期毎に算出する。本実施例では、溶融池上昇変化量Dsを求める演算周期を軌道計画演算によって算出した各補間点に到達する周期と一致させている。すなわち、各補間点に到達したタイミングで溶接電流Iwを検出して溶融池上昇変化量Dsを算出し、ロボット制御装置4に送信する。ロボット制御装置4からの制御信号が倣い制御装置11に入力されるように構成し、ロボット制御装置4からの要求タイミングに従って溶融池上昇変化量Dsを算出しロボット制御装置4に送信するようにしても良い。
ロボット制御装置4は、上記方法によって算出され受信した溶融池上昇変化量Dsに基づいて位置補正量Dtを算出し、補間点の位置を溶接線前後方向に修正する。そして、動作制御信号Mcによって溶接トーチ2を修正後の補間点に移動させる。以下、ロボット制御装置4が溶融池上昇変化量Dsに基づいて位置補正量Dtを算出し、補間点の位置を修正する動作を説明する。
図3は、ロボット制御装置4が溶接トーチ2の位置を補正する動作を説明するためのフローチャート図である。同図において、溶接開始動作及び補間点算出動作は、従来と同様であるので同図からは省略している。図4は、位置が補正される様子を説明するための図である。同図では、図3のフローチャート図のステップ番号と同一の番号を付与して補正が行われる様子を分かり易く示している。
教示された溶接開始点Spと溶接終了点Epとで溶接線を算出し、この溶接線を複数の補間点に分割する軌道計画演算を行って、溶接線を補間点m1、m2、m3、…(図4参照)に分割する。これにより、溶接線上に溶接トーチ2の移動目標となる複数の補間点が形成される。溶接を行う際には、まず溶接トーチ2を溶接開始点Spに移動させる。次に、ロボット制御装置4から溶接開始信号を溶接電源5に出力する。この結果、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwが出力され、溶接開始点Spにおいてアークが発生する。アークが発生すると、溶接トーチ2を順次補間点に移動させて最終的に溶接終了点Epに到達させる。摺動当金3は、上述したように溶接トーチ2との距離を所定距離に維持して移動する。
溶接トーチ2を溶接開始点Spに到達させた後(ステップS1)、第1の目標位置である補間点m1に移動させる(ステップS2)。溶接トーチ2が補間点m1に到達すると、すぐさま次の目標位置である補間点m2への移動を開始させる(ステップS3)。
ロボット制御装置4は受信した溶融池上昇変化量Dsに基づき、補間点m2に到達するまでの間に補間点m3の位置補正量Dt1を求める(ステップS4)。位置補正量とは、溶融池上昇変化量に当該補間点補正を行うまでの位置補正量累積値を加算したものである。すなわち、(当該補間点の位置補正量)=(算出した溶融池上昇変化量)+(累積位置補正量)となる。1点目(補間点m3)の補正の場合は、累積位置補正量は0となっている。したがって、ここでは、位置補正量Dt1=Dsとなる。
そして、次の移動目標である補間点m3に対して位置補正量Dt1を加算する(ステップS5)。補間点m3における位置座標値[Xm3、Ym3、Zm3]のZ成分に対して位置補正量Dt1を加算することによって、新たな補間点m3n(位置座標値=[Xm3、Ym3、Zm3+Dt1])が算出される。Z成分に加算することは、補間点m3の位置を溶接線前後方向に修正することを意味している。
溶接トーチ2が補間点m2に到達すると、すぐさま次の目標位置である修正された補間点m3nへの移動を開始させる(ステップS6)。
ロボット制御装置4は受信した溶融池上昇変化量Dsに基づき、補間点m3nに到達するまでの間に位置補正量Dt2を求める(ステップS7)。上述したように、位置補正量はそれまでの累積値を考慮する必要があるため、(位置補正量Dt2)=(溶融池上昇変化量Ds)+(位置補正量Dt1)となる。そして、次の移動目標である補間点m4に対して位置補正量Dt2を加算する(ステップS8)。補間点m4における位置座標値[Xm4、Ym4、Zm4]のZ成分に対して位置補正量Dt2を加算することによって、新たな補間点m4n(位置座標値=[Xm4、Ym4、Zm4+Dt2])が算出される。
以上のように、受信した溶融池上昇変化量に基づき、位置補正量及び補間点の再算出を、溶接終了点Epまで繰り返す。
なお、本実施例においては、位置補正量を求める演算周期を軌道計画演算によって算出した各補間点に到達する周期としている。もちろん、演算周期を各補間点への到達周期ではなく、補間点4点毎や8点毎、ウィービングを伴う場合はウィービングの1周期毎といったように、代表となる補間点を選択することによる任意の周期としても良い。すなわち、演算周期は予めロボット制御装置4にて設定しておき、この演算周期に従って代表となる補間点の位置補正量を算出し、全ての補間点を再算出すればよい。この場合は、代表となる補間点に対する位置補正量を、残りの代表でない補間点に対して、分割した補正量を配分するという手法によって容易に全ての補間点の補正を行うことができる。補間点4点毎に演算を行う場合を想定すると、例えば補間点12点目の位置補正量を算出したときは、算出した位置補正量を4で除算した値を補間点9〜11点目に加算することによって新たな補間点を算出すればよい。
以上説明したように所定周期毎に溶接電流値を検出することによって位置補正量を算出して補間点を溶接線前後方向に修正し、溶接トーチをこの修正後の補間点に移動するようにしたので、溶融池・溶接トーチ先端間距離を設定値に維持することができる。その結果、ワークの開先幅の誤差、溶融池の凝固速度のばらつき等による溶融池・溶接トーチ先端間距離の変化に左右されることなく、常に一定の溶接品質を維持することができる。

[実施の形態2]
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態2は、溶接トーチ2と摺動当金3とを取付部材に固定したものとせずに、溶接トーチ2、摺動当金3のそれぞれを独立した機構としてロボット制御装置4によって動作制御する形態である。
図5は、本発明の実施形態2を表すエレクトロガスアーク溶接ロボットのブロック図である。同図において、ワークW、マニピュレータ1、ロボット制御装置4、溶接電源5、ティーチペンダント8、倣い制御装置11、電流取得素子ID、ADコンバータAC、演算回路DS、進行方向Z、動作制御信号Mc、電流制御信号Ic、電圧制御信号Vc、溶接電流Iw、溶接電圧Vw、アナログ電圧Id、デジタル値Ac及び溶融池上昇変化量Dsは、図1と同符号を付与した同一のものであるので説明を省略する。以下、図1と異なる部分のみを説明する。
溶接トーチ2はマニピュレータ1の手首部に取り付けられており、摺動当金3とは独立して動作制御することが可能である。摺動当金3は、ロボット制御装置4によって動作制御されるマニピュレータ1の付加軸であって、上下方向に移動可能な、いわゆる走行軸である。溶接トーチ2及び摺動当金3は、作業者によって予め教示されロボット制御装置4に記憶されている教示データに基づき、ときには同期して、ときには独立して動作制御される。例えば、溶接開始点と溶接終了点とのそれぞれの教示点において、溶接トーチ・摺動当金間距離が所望値になるように教示しておけば、溶接中は溶接トーチ・摺動当金間距離が維持されるように動作制御される。溶接トーチ2のチップ清掃を行うような溶接作業以外は溶接トーチ2と摺動当金3とがそれぞれ独立して移動するように教示しておく。すなわち、同期制御するか独立制御するかは、作業者が教示によって任意に決定することができる。本実施の形態2では、溶接トーチ・摺動当金間距離が維持されるように教示されているものとして説明する。
以下、摺動当金3の補間点に対して位置補正量を加算して新たな補間点を算出する動作を説明する。
図6は、ロボット制御装置4が溶接トーチと摺動当金3との位置を補正する動作を説明するためのフローチャート図である。同図において、点線で囲んだステップは、図3の同符号を付したステップと同じであるので、説明を省略する。以下、実線で示したステップについて説明する。なお、溶接開始動作及び補間点算出動作は、従来と同様であるのでフローからは省略している。
教示された溶接開始点Spと溶接終了点Epとで溶接線を算出し、この溶接線を複数の補間点に分割する軌道計画演算を行って、溶接線を溶接トーチの補間点(m1、m2、m3、…)、摺動当金3の補間点(q1、q2、q3、…)にそれぞれ分割する。これにより、溶接線上に溶接トーチ2及び摺動当金3のそれぞれの移動目標となる複数の補間点が形成される。溶接を行う際には、まず溶接トーチ2と摺動当金3とを同期させて溶接開始点Spに同時に移動させる。次に、ロボット制御装置4から溶接開始信号を溶接電源5に出力する。この結果、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwが出力され、溶接開始点Spにおいてアークが発生する。アークが発生すると、溶接トーチ2及び摺動当金3とを同期させながら順次それぞれの補間点に移動させて最終的に溶接終了点Epに到達させる。
溶接トーチ2と摺動当金3とを溶接開始点Spに到達させる(ステップS1)。そして、溶接トーチ2を第1の目標位置である補間点m1に移動させ、同時に摺動当金3を第1の目標位置である補間点q1に移動させる(ステップS2)。溶接トーチ2が補間点m1に、摺動当金3が補間点q1に到達すると、溶接トーチ2と摺動当金3とを、すぐさま次の目標位置である補間点m2、q2にそれぞれ移動させる(ステップS3)。
次にステップS4の処理を経て、次の移動目標である溶接トーチ2の補間点m3と摺動当金3の補間点q3との両方に対して位置補正量Dt1を加算する(ステップS5)。補間点m3における位置座標値[Xm3、Ym3、Zm3]、補間点q3における位置座標値[Xq3、Yq3、Zq3]のそれぞれのZ成分に対して位置補正量Dt1を加算することによって、溶接トーチ2の新たな補間点m3n(位置座標値=[Xm3、Ym3、Zm3+Dt1])、摺動当金3の新たな補間点q3n(位置座標値=[Xq3、Yq3、Zq3+Dt1])が算出される。溶接トーチ2と摺動当金3との両方のZ成分に同一の位置補正量を加算することは、溶接トーチ2と摺動当金3の両方の補間点の位置を同じ移動量だけ溶接線前後方向に修正することを意味している。
溶接トーチ2及び摺動当金3を補間点m2及び補間点q3にそれぞれ到達させると、すぐさま次の目標位置である修正された補間点m3n、補間点q3nにそれぞれ移動を開始させる(ステップS6)。
次にステップS7の処理を経て、次の移動目標である溶接トーチ2の補間点m4、摺動当金3の補間点q4に対して位置補正量Dt2を加算する(ステップS8)。補間点m4における位置座標値[Xm4、Ym4、Zm4]、補間点q4における位置座標値[Xq4、Yq4、Zq4]のそれぞれのZ成分に対して位置補正量Dt2を加算することによって、溶接トーチ2の新たな補間点m4n(位置座標値=[Xm4、Ym4、Zm4+Dt2])、摺動当金3の新たな補間点q4n(位置座標値=[Xq4、Yq4、Zq4+Dt2])が算出される。
以上のように、溶接電流の検出、位置補正量及び補間点の再算出を、溶接終了点Epまで繰り返す。
以上説明したように、摺動当金をマニピュレータの付加軸としてロボット制御装置で制御するようにしている。溶接時においては、位置補正量に基づく補間点の再算出を溶接トーチだけでなく摺動当金に対しても行うので、溶接トーチ・摺動当金間距離を常に設定値に維持することができる。すなわち、機構的に固定している状態と同等であるために、摺動当金をマニピュレータの付加軸としてロボット制御装置によって制御する場合であっても、第1の発明が有する効果を奏する。さらに、溶接トーチ・摺動当金間距離を作業者の教示により容易に変更することができる。すなわち、材質又は形状の異なるワークに交換する場合において、従来必要だった専用治具を用いた機構的な溶接トーチ・摺動当金間距離の固定作業が必要なく、溶接トーチ・摺動当金間距離の調整作業工数を低減することができる。
本発明の第1実施形態を表すエレクトロガスアーク溶接ロボットのブロック図である。 溶融池・溶接トーチ先端間距離を説明するための図である。 本発明の第1実施形態によって位置補正量を算出し補間点を修正する動作を説明するためのフローチャート図である。 本発明によって補間点の位置が補正される様子を説明するための図である。 本発明の第2実施形態を表すエレクトロガスアーク溶接ロボットのブロック図である。 本発明の第2実施形態によって位置補正量を算出し補間点を修正する動作を説明するためのフローチャート図である。 従来のエレクトロガスアーク溶接ロボットのブロック図である。 溶接トーチ及び摺動当金を上昇させながら溶接を行う様子を説明するための図である。 摺動当金上で溶融池が保持される様子を説明するための図である。
符号の説明
1 マニピュレータ
2 溶接トーチ
3 摺動当金
4 ロボット制御装置
5 溶接電源
6 取付部材
7 支持部材(裏当て金)
8 ティーチペンダント
11 倣い制御装置
31 溶融池
32 溶融池の下部(冷却され凝固した溶融池)
33 アーク
34 溶接ワイヤ
AC ADコンバータ
Ac デジタル値
DS 演算回路
Ds 溶融池上昇変化量
Dt 位置補正量
Ep 溶接終了点
Ic 電流制御信号
ID 電流取得素子
Id アナログ電圧
Iw 溶接電流
K 電位経度
Mc 動作制御信号
Sp 溶接開始点
Vc 電圧制御信号
Vw 溶接電圧
W ワーク
Yk 溶融池・溶接トーチ先端間距離検出値
Ys 溶融池・溶接トーチ先端間距離設定値
Z 進行方向

Claims (2)

  1. 教示された溶接線に基づいて予め複数の補間点を算出し、
    前記補間点を順次経由させてマニピュレータに取り付けられた溶接トーチを略垂直方向へ移動させ、
    前記溶接ト−チの移動に伴って溶融池が略垂直方向へ移動し、前記溶接トーチに連動させて摺動当金を移動させて前記溶融池を保持しながらワークを溶接するエレクトロガスアーク溶接ロボットの制御方法において、
    所定周期毎に溶融池・溶接トーチ先端間距離を検出し、
    この溶融池・溶接トーチ先端間距離検出値と予め定めた溶融池・溶接トーチ先端間距離設定値との偏差である溶融池上昇変化量に基づいて位置補正量を算出し、
    この位置補正量に基づいて前記補間点の位置を前記溶接線前後方向に修正し、
    前記溶接トーチをこの修正された補間点に移動させることによって前記溶融池・溶接トーチ先端間距離を常に設定値に維持する、ことを特徴とするエレクトロガスアーク溶接ロボットの制御方法。
  2. 前記摺動当金を前記マニピュレータの付加軸として移動制御し、前記溶接線に基づいて前記摺動当金の補間点を算出し、この摺動当金の補間点を順次経由させて前記揺動当金を略垂直方向へ移動させ、前記位置補正量に基づいて前記摺動当金の補間点の位置を移動前後方向に修正し、前記摺動当金をこの修正された摺動当金の補間点に移動させる、ことを特徴とする請求項1記載のエレクトロガスアーク溶接ロボットの制御方法。


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