JP2007185666A - アーク溶接ロボットの制御方法 - Google Patents

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英知 阪下
Yasuhiro Kamishina
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Abstract

【課題】教示された溶接長を一定に維持することができるアーク溶接ロボットの制御方法を提供する。
【解決手段】溶接開始点及び溶接終了点を入力として溶接終了点に到達させるのに必要な複数の計画補間点を算出し、溶接トーチをこの計画補間点へと移動を開始させる補間点計画ステップと、溶接状態を監視する計測器から入力される溶接速度変更指令に基づいて計画補間点及び溶接終了点を溶接線前後方向にシフトさせるための修正補間点及び修正溶接終了点を溶接中刻々と算出し、前記溶接トーチを修正補間点及び修正溶接終了点に移動させる補間点修正ステップと、溶接トーチが修正溶接終了点に到達するまでに溶接終了点に到達したかを判定し、到達した場合は移動を停止して溶接を終了し、到達しなかった場合には修正溶接終了点及び溶接終了点を入力として補間点計画ステップに戻る溶接終了判定ステップと、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アーク溶接時に溶接長を常に一定値に維持するアーク溶接ロボットの制御方法に関するものである。
従来から、教示された溶接線に沿ってマニピュレータに取り付けられた溶接トーチを移動させながらアーク溶接を行う産業用ロボットが広く採用されている。この移動制御は、まず、作業者が教示した溶接開始点、溶接終了点、溶接速度を入力として軌道計画演算を行う。この演算の結果、溶接トーチを溶接終了点に到達させるのに必要な総所要時間、軌道計画位置である補間点(以下、計画補間点という。)等を算出する。そして、溶接トーチを計画補間点に順次移動させながら溶接を行い、最終的に溶接終了点に到達させるという従来公知の手法である。
さらに近年では、溶接中にレーザセンサ、アークセンサ等の計測器によって溶接施工状態を監視しながら、ワークの開先幅誤差等による溶接条件のばらつきを抑制して溶接を安定化させるために、溶接トーチの移動速度(以下、溶接速度という。)をリアルタイムに変更することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
溶接中に溶接速度を変更する方法としては、溶接トーチを現在位置から溶接終了点へ到達させるための総所要時間を再算出する方法と、総所要時間は変えずに移動目標位置(計画補間点及び溶接終了点)を修正する方法とがある。
前者は、溶接トーチの現在位置、溶接終了点及び変更後の溶接速度の三者が、既値である場合に採用する。すなわち、上述した従来公知の方法と同様に、既値である三者の値を入力として再び軌道計画演算を行い、総所要時間、計画補間点等を再算出するというものである。
後者は、変更後の溶接速度が不定値である場合に採用する方法である。この方法の場合は、溶接速度が不定値であるために、上記した従来公知の手法によって総所要時間、計画補間点等を算出することができない。したがって、予め計画した総所要時間は変えずに、移動目標位置である計画補間点及び溶接終了点を溶接線前後方向に溶接中刻々と修正することによって溶接速度を変更するという手段を採る。
特許文献1は、上記した前者の方法を採用したものであって、ワークの開先をレーザセンサでトラッキングし、トラッキング結果に基づいて溶接条件の1つである溶接速度を変更する方法が開示されている。より詳細には、溶接トーチに先行した位置に配置したレーザセンサでワークの開先をトラッキングして開先幅の変動値を算出し、この開先幅変動値と予め定めた開先幅−溶接速度テーブルとに基づいて、変更後の溶接速度を決定する。そして、溶接トーチの現在位置、溶接終了点及び変更後の溶接速度の三者の値を入力として再び軌道計画演算を行い、溶接トーチが現在位置から溶接終了点に到達するまでの総所要時間を再算出することによって溶接速度を変更している。
一方で、上記した後者の方法を採用する方が良い場合がある。造船、貯油タンク等の大型溶接建造物の鋼壁を溶接する手法であるエレクトロガスアーク溶接が特にこの場合に相当する。エレクトロガスアーク溶接方法とは、垂直に立てられ突き合わせられた2枚の鋼板によって形成される開先に水冷の摺動当金を当てて、この摺動当金と開先とで囲まれる空間に溶接トーチから溶接ワイヤを連続的に送給してアークを発生させ、溶接トーチと摺動当金とを同時に略垂直方向に移動させてアークにより形成された溶融池を上昇させ、上記の空間を溶着金属で埋める溶接方法である(特許文献2参照)。
以下、このエレクトロガスアーク溶接を産業用ロボットで行う場合を例に取り、所要時間は変えずに移動目標位置である各計画補間点及び溶接終了点を修正することによって溶接速度を変更する方法について説明する。
エレクトロガスアーク溶接を行う場合において、溶接トーチは作業者が設定した一定の溶接速度で移動する。一方、溶融池の上昇速度は、ワークの開先幅誤差、溶融池の凝固速度のばらつき等によって一定にならない。例えば、溶融池の上昇速度が溶接速度を上回ると、溶接ワイヤの先端が溶融池と短絡することによってアークが不安定になったり、溶融池が摺動当金から溢れたりする場合がある。また、溶融池の上昇速度が溶接速度を下回るとアークが不安定になるために、溶着金属によって開先を安定して埋めることができない場合がある。そこで、近年では、溶融池の上昇変化量を計測器によって検出し、この溶融池上昇変化量に基づいて計画補間点及び溶接終了点を、溶接線の前後方向に溶接中刻々と修正することによって、溶融池の上昇速度と溶接速度を一致させる提案がなされている。
図4は、上記したエレクトロガスアーク溶接ロボットのブロック図である。同図において、マニピュレータ1はロボット制御装置4からの動作制御信号Mcによって動作制御される。溶接トーチ2はマニピュレータ1の手首部に取り付けられた取付部材6に取り付けられており、マニピュレータ1の動作によってワークWの開先内を略垂直の進行方向Zに進行する。摺動当金3は、溶接トーチ2と同様に取付部材6に取り付けられている。溶接トーチ2と摺動当金3との配置は、溶融池と溶接トーチ2の先端との距離が最適となるように固定されている。このため、摺動当金3は溶接トーチ2との距離を維持して進行方向Zに進行する。溶接電源5は、ロボット制御装置4からの電流制御信号Ic及び電圧制御信号Vcによって制御され、溶接電流Iwを溶接トーチ2に供給し、溶接電圧VwをワークW・溶接トーチ2間に印加する。ティーチペンダント8は、マニピュレータ1を溶接開始点に移動させて溶接を開始させる等の一連の作業を教示するための装置である。マニピュレータ1の一連の移動作業は、教示データとしてロボット制御装置4に予め記憶されている。
アークに伴って形成される溶融池は、摺動当金3で保持されるので溶接トーチ2と摺動当金3との移動に伴って上昇する。溶融池の下部は冷却されることによって凝固するので、開先が埋められていく。このように、溶接トーチ2の移動に伴って溶融池を上昇させながら開先を埋めて溶接していく。
倣い制御装置11は、溶接電源5から出力される溶接電流Iwを中継して溶接トーチ2に供給する構成になっているため、溶接電流Iwを検出することができる。より詳細には、溶接電流Iwは、倣い制御装置11内の電流取得素子IDによってアナログ電圧Idに変換され、ADコンバータACによってデジタル値Acに変換されて演算回路DSに入力される。演算回路DSは、溶融池上昇変化量Dsを算出し、溶接速度変更指令Dcとしてロボット制御装置4に送信する。
溶融池上昇変化量Dsは、次に示す方法によって算出可能である。まず、溶融池・溶接トーチ間距離の検出値を溶接電流Iwに基づいて求める。すなわち、(溶融池・溶接トーチ間距離検出値)=(溶接電流Iw)×(電位経度K)で求めることができる。電位経度Kとは、溶接電流に応じた距離を求めるための換算係数であり、予め倣い制御装置11に定めている。そして、溶融池上昇変化量Dsは、溶融池・溶接トーチ間距離検出値と、作業者が予め設定した溶融池・溶接トーチ間距離設定値との偏差であるので、(溶融池上昇変化量Ds)=(溶融池・溶接トーチ間距離検出値)−(溶融池・溶接トーチ間距離設定値)によって、容易に求めることができる。
以下、ロボット制御装置4の動作を説明する。図5は、算出された計画補間点が溶接線前後方向に修正される様子を説明するための図である。同図において、溶接開始点Spと溶接終了点Epは、作業者が教示した位置である。溶接線Wdは、溶接開始点Spと溶接終了点Epとで形成される。溶接線Wdの矢印方向がいわゆる溶接線方向であり、溶接トーチが移動する方向である。
教示された溶接開始点Spと溶接終了点Epとで溶接線Wdを算出し、この溶接線Wdを複数の計画補間点に分割する軌道計画演算を行って、溶接線Wdを計画補間点m1、m2、m3、m4、…に分割する。溶接を行う際には、まず溶接トーチ2を溶接開始点Spに移動させる。次に、ロボット制御装置4から溶接開始信号を溶接電源5に出力する。この結果、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwが出力され、溶接開始点Spにおいてアークが発生する。アークが発生すると、溶接トーチ2を順次計画補間点に移動させて最終的に溶接終了点Epに到達させる。摺動当金3は、上述したように溶接トーチ2との距離を所定距離に維持して移動する。
溶接トーチ2を溶接開始点Spに到達させた後、第1の目標位置である計画補間点m1に移動させる。溶接トーチ2が計画補間点m1に到達すると、すぐさま次の目標位置である計画補間点m2への移動を開始させる。
ロボット制御装置4は溶接速度変更指令Dcを受信すると、溶融池上昇変化量Dsに基づき、計画補間点m2に到達するまでの間に計画補間点m3の位置補正量Dt1を求める。位置補正量とは、溶融池上昇変化量に当該計画補間点補正を行うまでの位置補正量累積値を加算したものである。すなわち、(当該計画補間点の位置補正量)=(算出した溶融池上昇変化量)+(累積位置補正量)となる。1点目(計画補間点m3)の補正の場合は、累積位置補正量は0となっている。したがって、ここでは、位置補正量Dt1=Dsとなる。
そして、次の移動目標である計画補間点m3に対して位置補正量Dt1を加算する。計画補間点m3における位置座標値[Xm3、Ym3、Zm3]のZ成分に対して位置補正量Dt1を加算することによって、修正補間点m3n(位置座標値=[Xm3、Ym3、Zm3+Dt1])が算出される。Z成分に加算することは、計画補間点m3の位置を溶接線前後方向に修正することを意味している。
溶接トーチ2が計画補間点m2に到達すると、すぐさま次の目標位置である修正補間点m3nへの移動を開始させる。
さらに、ロボット制御装置4は溶接速度変更指令Dcを受信すると、溶融池上昇変化量Dsに基づき、修正補間点m3nに到達するまでの間に位置補正量Dt2を求める。上述したように、位置補正量はそれまでの累積値を考慮する必要があるため、(位置補正量Dt2)=(溶融池上昇変化量Ds)+(位置補正量Dt1)となる。そして、次の移動目標である計画補間点m4に対して位置補正量Dt2を加算する。計画補間点m4における位置座標値[Xm4、Ym4、Zm4]のZ成分に対して位置補正量Dt2を加算することによって、修正補間点m4n(位置座標値=[Xm4、Ym4、Zm4+Dt2])が算出される。以上のように、位置補正量及び修正補間点の算出を、溶接終了点Epの修正後の位置である修正溶接終了点Epnを算出するまで繰り返す。修正溶接終了点Epnは、溶接終了点Epに位置補正量Dteが加算された位置に算出される。そして、溶接トーチ2は、修正溶接終了点Epnに到達する。
このように、溶接速度変更指令を受信し、溶融池上昇変化量に基づいて位置補正量を算出して計画補間点及び溶接終了点を溶接線前後方向に修正し、溶接トーチをこれら修正補間点及び修正溶接終了点に移動することによって、溶接速度が溶融池の上昇速度と一致するようにしている。しかしながら、この方法は以下に示す課題を抱えている。
特開平7−080643号公報 特開平9−108841号公報
図6(a)〜(c)は、計画補間点が溶接線前後方向に修正されることによって変化する溶接長を説明するための図である。同図において、溶接開始点Sp、溶接終了点Ep、溶接線Wdは、図5と同符号を付与したものと同一であるので説明を省略する。溶接長Lwは、溶接線Wdの長さを示している。
同図(a)は、溶接トーチを溶接開始点Spから溶接終了点Epに到達させるための軌道計画演算を行って、計画補間点m1、m2、m3、…、mp、…、mzが図示する位置に算出された様子を示している。
同図(b)は、平均的に+値(正値)となるような位置補正量Dt1、Dt2、…、Dtp、…、Dtz、Dteが順次算出され、同図(a)に示した計画補間点m2、m3、mp、mzがそれぞれ修正補間点m2n、m3n、mpn、mznに、溶接終了点Epが修正溶接終了点Epnに修正された様子を示している。図示するように、修正補間点mpn、…、mzn及び修正溶接終了点Epnが溶接終了点Epを通り過ぎた位置に算出されている。この結果、溶接トーチは溶接終了点Epを通り過ぎても溶接を継続しながら移動し、修正溶接終了点Epnまで到達することになる。すなわち、溶接トーチが修正溶接終了点Epnに到達したときの溶接長は、図示する長さ(溶接長Lwo)になり、設定した溶接長Lwを超える。
同様に、同図(c)は、平均的に−値(負値)となるような位置補正量Dt1、Dt2、…Dteが順次算出され、同図(a)の計画補間点m2、m3及び溶接終了点Epがそれぞれ修正補間点m2n、m3n及び修正溶接終了点Epnに修正された様子を示している。図示するように、溶接終了点Epの修正位置である修正溶接終了点Epnが本来の溶接終了点Epよりも手前の位置に算出されている。この結果、溶接トーチは修正溶接終了点Epnで停止して溶接を終了する。すなわち、溶接トーチが修正溶接終了点Epnに到達したときの溶接長は、図示する長さ(溶接長Lws)になり、設定した溶接長Lwよりも短くなる。
このように、位置補正量が平均的に+値(正値)になると、本来の溶接終了点Epを通り過ぎても修正溶接終了点Epnに到達するまで溶接が継続するために、本来溶接を行うべきでない箇所まで溶接されてしまうという課題を有している。また、位置補正量が平均的に−値(負値)になると、本来の溶接終了点Epの手前の位置で溶接が終了してしまうために、溶接の仕残しが発生するという課題を有している。
上記した課題を回避するために、従来は、本来の溶接終了点よりもさらに先の位置にダミーとなる溶接終了点を教示し、本来の溶接終了点の位置には機械的なリミットスイッチを設けることによって、計画補間点が溶接線の進行方向側または逆方向側のどちらに修正されても、必ずリミットスイッチの位置で強制的に停止するように作業者自身が工夫を施している。しかしながら、この場合は、溶接トーチがリミットスイッチに接触したことを検出してロボットを強制的に停止させる等の教示工数、リミットスイッチの製作費用及び設置工数が多大になるという課題を有している。
本発明は、計画補間点を溶接線前後方向に修正しても、リミットスイッチ等を設置することなく、教示された溶接長を一定に維持することができるアーク溶接ロボットの制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、教示された溶接開始点と溶接終了点とで形成される溶接線に沿ってマニピュレータに取り付けられた溶接トーチを移動させながら溶接を行い前記溶接終了点に到達させるアーク溶接ロボットの制御方法において、
前記溶接開始点及び前記溶接終了点を入力として前記溶接終了点に到達させるのに必要な複数の計画補間点を予め算出し、溶接トーチをこの計画補間点へと移動を開始させる補間点計画ステップと、
溶接状態を監視する計測器から入力される溶接速度変更指令に基づいて前記計画補間点及び前記溶接終了点を前記溶接線前後方向にシフトさせるための修正補間点及び修正溶接終了点を溶接中刻々と算出し、前記溶接トーチをこれら修正補間点及び修正溶接終了点に移動させる補間点修正ステップと、
溶接トーチが前記修正溶接終了点に到達するまでに前記溶接終了点に到達したかを判定し、到達した場合は移動を停止して溶接を終了し、到達しなかった場合には前記修正溶接終了点及び前記溶接終了点を入力として前記補間点計画ステップに戻る溶接終了判定ステップと、を有することを特徴とするアーク溶接ロボットの制御方法である。
本発明によれば、予め算出した計画補間点を溶接線の前後方向に修正しても、溶接トーチが修正溶接終了点に到達するまでに本来の溶接終了点に到達したかを判定し、到達した場合は移動を停止して溶接を終了し、到達しなかった場合には修正溶接終了点と本来の溶接終了点との位置に基づいて本来の溶接終了点に到達させるのに必要な計画補間点を算出して移動と修正を継続する。この結果、計画補間点が溶接線の進行方向側または逆方向側のどちらに修正されても、必ず本来の溶接終了点で移動を停止して溶接を終了するので、教示された溶接長を一定値に維持することができる。
[実施の形態1]
発明の実施の形態を実施例に基づき図面を参照して説明する。以下の実施の形態では、上述したエレクトロガスアーク溶接ロボットの場合を例に説明する。
図1は、本発明の処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図において、補間点計画ステップ(ステップS1〜S2)及び補間点修正ステップ(ステップS3〜S4)は、従来と同様の処理である。すなわち、ステップS1において、教示された溶接開始点と溶接終了点とで溶接線を算出し、この溶接線を複数の計画補間点に分割する軌道計画演算を行って、計画補間点を算出する。ステップS2において、計画補間点への移動を開始する。ステップS3において、溶接速度変更指令及び溶融池上昇変化量に基づいて、修正補間点を算出する。ステップS4において、算出した修正補間点へ移動する。以下、ステップS5〜S7の処理である溶接終了判定ステップについて説明する。
ステップS5において、溶接トーチが溶接終了点に到達したか否かを判定する。到達したと判定した場合(Yesの場合)はステップS7に移り、溶接トーチの移動を停止して溶接を終了する。到達していないと判定した場合(Noの場合)は、ステップS6に移る。溶接トーチが溶接終了点に到達したか否かの判定は、ステップS4で溶接トーチが修正補間点へ到達する度に、溶接開始点から修正補間点に到達するまでの総移動距離と、溶接開始点から溶接終了点までの教示溶接長とを比較することによって行う。この判定方法の詳細については後述する。
ステップS6において、溶接トーチが修正溶接終了点に到達したか否かを判定する。到達していないと判定した場合(Noの場合)は、補間点修正ステップに戻る。到達したと判定した場合(Yesの場合)は、補間点計画ステップに戻る。判定方法の詳細については後述する。
そして、補間点修正ステップに戻った場合は、修正補間点の算出と移動を繰り返す。補間点計画ステップに戻った場合は、修正溶接終了点及び溶接終了点を入力として計画補間点を算出して移動を開始する。
このように、溶接トーチが修正溶接終了点に到達するまでに溶接終了点に到達したかを判定し、到達した場合は移動を停止して溶接を終了し、到達しなかった場合には修正溶接終了点及び溶接終了点を入力として補間点計画ステップに戻る、という溶接終了判定ステップを有している。
以下、図2及び図3を参照して、計画補間点が溶接線前後方向に修正された場合の動作を説明する。
図2は、修正溶接終了点が溶接終了点を超えた位置に算出された場合に溶接トーチを本来の溶接終了点で強制的に停止させる動作を説明するための図である。同図において、溶接開始点Sp、溶接終了点Ep、溶接線Wd、計画補間点m1〜mz、修正補間点m2n〜m3nは、図6(b)と同符号を付与した同一のものであるので説明を省略する。
同図は、計画補間点mqが位置補正量Dtqの分だけ修正されて、修正補間点mqnが溶接終了点Epを超えた位置に算出された場合を想定している。同図において、教示溶接長Tdは、溶接開始点Spと溶接終了点Epとに基づいて算出される距離である。総移動距離Mdは、溶接トーチ2が溶接開始点Spから修正補間点mqnに到達するまでに移動した距離である。
計画補間点間移動距離ΔLは、予め算出された計画補間点間の移動距離であり、計画補間点の位置修正が行われない限り一定値である。計画補間点間移動距離ΔLは、溶接速度60cm/分であれば0.1[mm]、溶接速度120cm/分であれば0.2[mm]である。一般的に溶接速度120cm/分を超えるような溶接は少ないので、溶接時の計画補間点間移動距離ΔLは、最大で0.2[mm]と考えて良い。
修正補間点間移動距離ΔLqは修正補間点間の移動距離であって、エレクトロガスアーク溶接の場合は、計画補間点間移動距離ΔLに図5で説明した溶融池上昇変化量を加えた値となる。計画補間点を修正するために加算する位置補正量はそれまでの位置補正量の累積値を考慮するために、数mm〜数cmの大きな値になる可能性があるが、計画補間点毎に都度検出される溶融池上昇変化量は、正常に溶接が行われている限り、最大で0.05[mm]程度である。これを超えるような溶融池上昇変化量を検出して計画補間点の修正を行うと、逆にアークが不安定になるために溶融池上昇変化量の上限値を設けることによって位置補正量を制限する場合もある。したがって、溶接が正常に行われている場合の修正補間点間移動距離ΔLqは、最大で0.2〜0.25[mm]の範囲の値である。
図1で説明したように、溶接トーチ2が修正補間点に到達する度に、総移動距離と教示溶接長とを比較することよって溶接終了点Epに到達したか否かを判定する。厳密に言えば、溶接終了点Epと修正補間点との位置が全く一致することは、まずない。そこで、総移動距離が教示溶接長と全く同値か、または超えたときに、溶接トーチ2が溶接終了点Epに到達したと判断する。同図の場合、修正補間点mqnに到達した段階で(総移動距離Md)>(教示溶接長Td)となるため、溶接トーチ2が溶接終了点Epに到達したと判定する。そして、残りの計画補間点my、mzを破棄して移動を停止し、溶接を終了する。
ここで、総移動距離Mdが教示溶接長Tdを上回ることを判定基準にするために、わずかながら溶接長が伸びてしまうが、この点については問題ない。理由を以下に説明する。
上述したように、エレクトロガスアーク溶接が正常に行われている場合の修正補間点間移動距離ΔLqは0.2〜0.25[mm]の範囲の値である。すなわち、総移動距離Mdが教示溶接長Tdを上回る距離は最大でも0.25[mm]程度となる。この程度であれば、溶接終了点Epを超えたとしても溶接施工上、何ら問題はない。また、エレクトロガスアーク溶接以外の溶接で、仮に上記修正補間点間移動距離ΔLqが2倍の値になったとしても総移動距離Mdが教示溶接長Tdを上回る距離は最大でも0.5[mm]程度である。この場合も溶接施工上、何ら問題はない。したがって、修正補間点が溶接終了点を超えた段階で、溶接終了点に到達したと判断して良い。
図3は、修正溶接終了点が溶接終了点よりも手前の位置に算出された場合に計画補間点を再算出して移動を継続する動作を説明するための図である。同図において、溶接開始点Sp、溶接終了点Ep、溶接線Wd、計画補間点m1〜m3、修正補間点m2n〜m3n、修正溶接終了点Epn、教示溶接長Td、総移動距離Mdは図2と同符号を付与した同一のものであるので説明を省略する。
同図(a)は、修正溶接終了点Epnが位置補正量Dteの分だけ溶接終了点Epよりも手前の位置に算出された場合を想定している。図1で説明したように、溶接トーチ2を修正補間点に到達させる度に総移動距離と教示溶接長とを比較することによって溶接終了点Epに到達したか否かを判定する。同図(a)の場合は、溶接トーチ2が溶接終了点Epに到達していないので、さらに、溶接トーチ2が修正溶接終了点Epnに到達したか否かを判定する。ロボット制御装置は、計画補間点又は溶接終了点のどの位置を修正したかを認識可能であるために、溶接トーチ2が修正溶接終了点Epnに到達したことは容易に判定できる。例えば、予め算出した計画補間点の総数を記憶しておき、修正補間点を算出して移動する度に処理済み修正補間点数としてカウントしておく。そして、計画補間点の総数と処理済み修正補間点数を比較することによって溶接トーチが修正溶接終了点に到達したことを判定すればよい。この判定の結果、溶接トーチ2が修正溶接終了点Epnに到達したと判定されるので、補間点計画ステップに戻り、以下に説明する動作を行う。
同図(b)は、補間点計画ステップに戻った後、計画補間点を再算出する動作を説明するための図である。溶接線Wdnは、修正溶接終了点Epn及び溶接終了点Epとに基づいて算出された新たな溶接線である。そして、この溶接線Wdnに基づいて計画補間点n1、n2、n3を算出して、計画補間点n1への移動を開始すると共に、計画補間点n2以降に対して位置補正量を加算することによって位置修正を継続する。
以上説明したように、予め算出した計画補間点を溶接線の前後方向に修正しても、溶接トーチが修正溶接終了点に到達するまでに本来の溶接終了点に到達したかを判定し、到達した場合は移動を停止して溶接を終了し、到達しなかった場合には修正溶接終了点と本来の溶接終了点との位置に基づいて本来の溶接終了点に到達させるのに必要な計画補間点を算出して移動と修正を継続する。この結果、計画補間点が溶接線の進行方向側または逆方向側のどちらに修正されても、必ず本来の溶接終了点で移動を停止して溶接を終了するので、教示された溶接長を一定値に維持することができる。
本発明の処理の流れを説明するためのフローチャートである。 修正溶接終了点が溶接終了点を超える位置に算出された場合に溶接トーチを本来の溶接終了点で強制的に停止させる動作を説明するための図である。 修正溶接終了点が溶接終了点よりも手前の位置に算出された場合に計画補間点を再算出して移動を継続する動作を説明するための図である。 エレクトロガスアーク溶接ロボットのブロック図である。 算出された計画補間点が溶接線前後方向に修正される様子を説明するための図である。 計画補間点が溶接線前後方向に修正されることによって変化する溶接長を説明するための図である。
符号の説明
1 マニピュレータ
2 溶接トーチ
3 摺動当金
4 ロボット制御装置
5 溶接電源
6 取付部材
8 ティーチペンダント
11 倣い制御装置
AC ADコンバータ
Ac デジタル値
Dc 溶接速度変更指令
DS 演算回路
Ds 溶融池上昇変化量
Dt1 位置補正量
Dt2 位置補正量
Dte 位置補正量
Dtp 位置補正量
Dtq 位置補正量
Dty 位置補正量
Ep 溶接終了点
Epn 修正溶接終了点
Ic 電流制御信号
Id アナログ電圧
ID 電流取得素子
Iw 溶接電流
K 電位経度
Lw 溶接長
Lwo 溶接長
Lws 溶接長
m1 計画補間点
m2 計画補間点
m2n 修正補間点
m3 計画補間点
m3n 計画補間点
m4 計画補間点
m4n 修正補間点
Mc 動作制御信号
Md 総移動距離
mp 計画補間点
mpn 修正補間点
mq 計画補間点
mqn 修正補間点
my 計画補間点
myn 修正補間点
mz 計画補間点
mzn 修正補間点
n1 計画補間点
n2 計画補間点
n3 計画補間点
Sp 溶接開始点
Td 教示溶接長
Vc 電圧制御信号
Vw 溶接電圧
W ワーク
Wd 溶接線
Wdn 溶接線
Z 進行方向
ΔL 計画補間点間移動距離
ΔLq 修正補間点間移動距離

Claims (1)

  1. 教示された溶接開始点と溶接終了点とで形成される溶接線に沿ってマニピュレータに取り付けられた溶接トーチを移動させながら溶接を行い前記溶接終了点に到達させるアーク溶接ロボットの制御方法において、
    前記溶接開始点及び前記溶接終了点を入力として前記溶接終了点に到達させるのに必要な複数の計画補間点を予め算出し、溶接トーチをこの計画補間点へと移動を開始させる補間点計画ステップと、
    溶接状態を監視する計測器から入力される溶接速度変更指令に基づいて前記計画補間点及び前記溶接終了点を前記溶接線前後方向にシフトさせるための修正補間点及び修正溶接終了点を溶接中刻々と算出し、前記溶接トーチをこれら修正補間点及び修正溶接終了点に移動させる補間点修正ステップと、
    溶接トーチが前記修正溶接終了点に到達するまでに前記溶接終了点に到達したかを判定し、到達した場合は移動を停止して溶接を終了し、到達しなかった場合には前記修正溶接終了点及び前記溶接終了点を入力として前記補間点計画ステップに戻る溶接終了判定ステップと、を有することを特徴とするアーク溶接ロボットの制御方法。


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