JP4933935B2 - 片面溶接装置および片面溶接方法 - Google Patents
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Description
溶接トーチ2は、開先Vの上方に位置して開先Vの延在する方向に直列に配置されている。これらの溶接トーチ2には、溶接ワイヤ送給装置WFMから溶接ワイヤ(電極)が連続送給される。そして、図1、図2に示すように、複数の溶接トーチ2、2、2を備えることが好ましい。
溶接位置制御部9は、台車移動処理部9Eと、トーチ先端座標メモリ(記憶手段)9Aと、溶接線傾き計算部9Bとを備える。
(ステップS1)
片面溶接装置1の開先倣いセンサ3を開先V内にセットし、溶接トーチ2、2、2のトーチ先端が、開先Vと一致するようにセットする。次に、この時点での溶接トーチ2、2、2の位置座標(トーチ先端座標)を、トーチ先端座標メモリ9Aに記憶する。そして、開先倣いセンサ3による開先倣い動作を開始する。具体的には、開先倣いセンサ3で検知された開先のズレに基づいて、溶接走行台車4の横断方向YLへの移動を溶接位置制御部9で制御しながら、溶接走行台車4を架設方向XLに移動させて、溶接トーチ2、2、2で開先V(被溶接材W1、W2)を溶接する。
そして、横断方向YLへの移動の制御は、リアルタイムに行ってもよいが、溶接走行台車4(溶接トーチ先端)の横断方向における狙い位置(移動量)が±2mmの範囲を超えた場合に行うことが好ましい。
ステップS1の開先倣い動作(被溶接材の溶接)を続行しながら、溶接走行台車4の架設方向の位置座標(現在地)を判断する。位置座標の移動量が所定距離(図6では100mm)増加した(Yes)と判断された場合には、次ステップS3に移行する。ここで、移動量は走行レール移動手段5の走行レール駆動部5bのエンコーダによって検知されたモータの駆動量である。なお、移動量が所定距離増加していない(No)と判断された場合には、移動量が所定距離を超えるまで開先倣い動作(被溶接材の溶接)を続行する。
開先倣いセンサ3で検知された開先Vのズレに基づいて移動制御されたスライダ(台車移動手段)6の移動量(モータ駆動量)、および、走行レール移動手段5の移動量(モータ駆動量)に応じて、溶接トーチ2、2、2の位置座標(現在地)をトーチ先端座標メモリ9Aに記憶する。
ステップS3での位置座標から、溶接線傾き計算部9Bで、図7に示すようにトーチ軌跡(溶接線)の傾きθ1を算出記憶する。この溶接線の傾きの算出記憶は、次ステップS6の開先倣い動作終了まで行い、傾きθ1〜θ4が算出記憶される。実際には、算出された傾きは、算出ごとに更新され、最新の傾きが記憶される。したがって、開先倣い動作終了時には傾きθ4(溶接走行台車4(開先倣いセンサ3)がシーリングビードSの溶接開始側の端部PBに到達する直前に算出記憶された傾き)が記憶されている。
終端検知器10(シーリングビード端部判断部9C)で、開先倣いセンサ3がシーリングビードの溶接開始側の端部PBに到達したかを判断する。具体的には、終端検知器10が被溶接材W1、W2の端部(エンドタブ板Wbの端部)を検知した信号が、シーリングビード端部判断部9Cに入力されたどうかを判断する。開先倣いセンサ3が溶接開始側の端部PBに到達していない(No)と判断された場合には、前記ステップS2〜S4を繰り返し行う。開先倣いセンサ3が溶接開始側の端部PBに到達した(Yes)と判断された場合には、次ステップS6に移行する。
開先倣いセンサ3による開先倣い動作を終了して、次ステップS7に移行する。
(ステップS7)
開先倣いセンサ3を開先Vから上昇して退避させ、前記ステップS4で記憶された溶接線の傾き(最新の溶接線の傾きθ4)に基づいて、溶接位置制御部9(台車移動処理部9E)で横断方向YLへの移動量を算出する。その移動量で溶接走行台車4を横断方向YLへ移動させながら、溶接走行台車4を架設方向XLへ移動させ、溶接トーチ2、2、2による被溶接材W1、W2(シーリングビードS)の溶接を続行する。そして、溶接走行台車4が被溶接材W1、W2の溶接終了位置PEに到達したかを判断する。
前記ステップS7で溶接走行台車4が溶接終了位置PEに到達していない(No)と判断された場合には、溶接走行台車4の架設方向XLへの単位移動量に対する横断方向YLへの移動量、すなわち、溶接トーチ2、2、2のトーチ先端の狙い位置が、許容範囲(±2mmの範囲)を超えているかどうかを判断する。狙い位置が許容範囲を超えていない(No)と判断された場合には、溶接走行台車4の横断方向YLへの移動制御を行わずに前記ステップS7に戻る。狙い位置が許容範囲を超えた(Yes)と判断された場合には、次ステップS9に移行する。
前記ステップS7で算出された溶接走行台車4の横断方向YLへの移動量に基づいて、溶接トーチ(トーチ先端)の狙い位置を位置決めして、前記ステップS7に戻る。
また、本発明に係る片面溶接方法は、前記ステップS8の判断を行わずに、最新の溶接線の傾きθ4で、リアルタイムに溶接走行台車4を横断方向YLへ移動させてシーリングビード部の溶接を行ってもよい。
2 溶接トーチ
3 開先倣いセンサ
4 溶接走行台車
5 走行レール移動手段
6 スライダ(台車移動手段)
9 溶接位置制御部
9A トーチ先端座標メモリ(記憶手段)
9B 溶接線傾き計算部
9E 台車移動処理部
S シーリングビード
V 開先
W1、W2 被溶接材
Claims (3)
- 開先の長手方向の一端側にシーリングビードを有する被溶接材の前記開先の長手方向に沿って架設される走行レールと、前記被溶接材に向けて垂下される溶接トーチを支持する溶接走行台車と、前記溶接走行台車を懸架して、前記溶接走行台車を前記走行レールの架設方向に沿って移動させる走行レール移動手段と、前記溶接走行台車を、前記走行レールの架設方向に直交する横断方向に移動させる台車移動手段と、前記溶接走行台車に支持され、前記溶接トーチに先行して、前記開先内を移動して前記シーリングビードの溶接開始側の端部まで前記開先のズレを検知する開先倣いセンサと、前記溶接走行台車の移動を制御する溶接位置制御部とを備える片面溶接装置であって、
前記溶接位置制御部は、前記溶接トーチの前記架設方向および前記横断方向の位置座標を記憶する記憶手段と、
前記溶接走行台車が前記架設方向へ所定距離移動する毎に前記記憶手段に記憶されている前記位置座標に基づいて溶接線の傾きを算出する溶接線傾き計算部と、
前記開先倣いセンサが前記シーリングビードの溶接開始側の端部に到達するまでは、前記開先倣いセンサで検知された前記開先のズレに基づいて前記溶接走行台車の前記横断方向への移動を制御すると共に、前記開先倣いセンサが前記シーリングビードの溶接開始側の端部に到達した後は、前記溶接線傾き計算部で算出された前記溶接線の傾きに基づいて前記溶接走行台車の前記横断方向への移動を制御する台車移動処理部とを備えることを特徴とする片面溶接装置。 - 前記溶接位置制御部は、前記溶接走行台車が前記架設方向に所定距離移動する毎に、前記溶接傾き計算部で算出された溶接線の傾きを記憶する記憶手段を備え、前記開先倣いセンサが前記シーリングビードの溶接開始側の端部に到達した後は、前記台車移動処理部が、前記記憶手段に記憶されている前記溶接線の傾きに基づいて、溶接走行台車の前記横断方向への移動を制御することを特徴とする請求項1に記載の片面溶接装置。
- 請求項1または請求項2に記載の片面溶接装置を用いて溶接を行なう片面溶接方法において、
前記被溶接材の溶接開始位置から前記シーリングビードの溶接開始側の端部までは、前記開先倣いセンサで検知された前記開先のズレに基づいて前記溶接走行台車の前記横断方向への移動を制御しながら、前記溶接走行台車を前記架設方向に移動させて、前記被溶接材を前記溶接トーチで溶接し、同時に、前記溶接走行台車が前記架設方向に所定距離移動する毎に、前記記憶手段に記憶されている前記位置情報に基づいて溶接線の傾きを算出し、さらに、
前記シーリングビードの溶接開始側の端部を越えて前記被溶接材の溶接終了位置までは、前記開先倣いセンサを前記開先から退避させ、前記開先倣いセンサが前記シーリングビードの溶接開始側の端部に到達する直前に前記溶接線傾き計算部で算出した前記溶接線の傾きに基づいて前記溶接走行台車の前記横断方向への移動を制御しながら、前記溶接走行台車を前記架設方向に移動させて、前記被溶接材を前記溶接トーチで溶接することを特徴とする片面溶接方法。
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