JP2008238227A - 片面溶接装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オペレータによる監視および溶接トーチ先端の軌道修正が不要となり、オペレータの経験によらずに安定した溶接品質を実現でき、溶接の自動化による生産効率の向上を図ることができるとともに、溶接トーチ軌跡の非直線性を補正することが可能となる。
【解決手段】被溶接材の溶接線上に選択された複数の溶接教示点の位置座標を溶接点位置制御手段に教示する溶接点教示手段を備え、前記溶接点位置制御手段は、前記溶接点教示手段によって教示された各溶接教示点の位置座標に基づいて教示倣い係数を求め、溶接時に、前記溶接トーチの現在の位置座標と、前記教示倣い係数とから前記溶接トーチの目標位置座標を計算し、その目標位置座標に基づいて前記台車移動手段による移動量を、前記溶接トーチの走行軌跡が前記溶接線に沿うように制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、造船所における船体ブロック製造ラインの板継ぎ工程等の大板の板継ぎ溶接に使用される片面溶接装置に関するものである。
一般に、造船所における船体の製造に際しては、複数枚の大面積の鉄鋼パネルを突き当て溶接して船体の外板が製造される。この外板の製造における鉄鋼パネルの突き当て溶接には、突き当てた鉄鋼パネルの片面に連続的に設けられる溶接線(開先)に沿って、複数の溶接トーチを移動させながら先行の溶接トーチによって開先を溶融して裏面ビードを形成するとともに、後行の溶接トーチによって表ビードを形成して、片面の1パスで溶接を完了させる片面溶接装置が用いられる。
この片面溶接装置による溶接において、溶接鋼板の板厚が薄く、開先を加工することが難しく、開先センサを使用するための開先のV溝がない場合には、片面溶接装置を操作するオペレータが、溶接中の片面溶接装置を絶えず監視し、溶接トーチ先端が溶接線から外れないように、溶接トーチ先端の軌道修正を行っていた。この片面溶接装置において、溶接トーチ先端が溶接線から外れないようにするために、各種の装置が提案されている。例えば、特許文献1には、開先接触端が溶接開先から外れたことを検出するために、開先と接触する開先接触端を有した傾動自在な検知棒とその接点部の軸回りに配列された複数の検出接点を備えた倣い検知器が開示されている。また、特許文献2には、走行台車に可動台座を設け、案内腕と該案内腕を被溶接材に押圧するバネ装置を取り付けた可動台座に溶接トーチを取り付け、案内部材に沿って走行して溶接を行う走行型自動溶接機が開示されている。
特開平05−104249号公報 実開昭49−127426号公報
しかし、片面溶接装置の溶接において、特に、開先を加工することが難しく、開先センサを使用するための開先のV溝がない場合には、オペレータによる監視および溶接トーチ先端の軌道修正が必要であり、溶接トーチ先端の軌道修正はオペレータの経験によるため、溶接トーチ先端が溶接線から外れることによる溶接不具合が起きる。また、オペレータが付きっ切りになるため、他の作業ができず、生産効率が良くない等の問題があった。特に、溶接線が非直線状である場合には、オペレータによる監視および溶接トーチ先端の軌道修正が必要であり、生産効率を低下させる原因となる。さらに、大面積の鋼板パネルの突き当て溶接に用いられるサブマージアーク溶接の場合には、フラックスによって溶接線が隠れ、オペレータが溶接トーチ先端を監視することが困難となるため、これらの問題が顕著となる。また、開先の曲り具合やオペレータの技量の優劣により溶接品質にばらつきを生じ易い、という問題もあった。
また、被溶接材の長手方向に架設される走行レールは、継ぎ目等によって曲がり、正確な直線性を有しない場合がある。これは、各走行レールが有する固有の特性となり、これに起因して、走行レールの架設方向に沿って走行する溶接トーチの軌跡が非直線性を示す問題がある。
そこで、本発明の課題は、検知することが可能なV溝等の開先がなくても、オペレータによる監視および溶接トーチ先端の軌道修正が不要となり、オペレータの経験によらずに安定した溶接品質を実現でき、溶接の自動化による生産効率の向上を図ることができるとともに、溶接トーチ軌跡の非直線性を補正することが可能な片面溶接装置を提供することにある。
請求項1に係る発明の片面溶接装置は、被溶接材の溶接線の長手方向に沿って架設される走行レールと、前記被溶接材に向けて垂下される溶接トーチを支持する溶接走行台車と、前記溶接走行台車を懸架して、前記走行レールの架設方向に沿って移動する走行レール移動手段と、前記溶接走行台車を、前記走行レールの架設方向に直交する横断方向に移動させる台車移動手段とを備える片面溶接装置であって、前記被溶接材の溶接線上に選択された複数の溶接教示点の位置座標を溶接点位置制御手段に教示する溶接点教示手段を備え、前記溶接点位置制御手段が、前記溶接点教示手段によって教示された各溶接教示点の位置座標に基づいて教示倣い係数を求め、溶接時に、前記溶接トーチの現在の位置座標と、前記教示倣い係数とから前記溶接トーチの目標位置座標を計算し、その目標位置座標に基づいて前記台車移動手段による移動量を、前記溶接トーチの走行軌跡が前記溶接線に沿うように制御することを特徴とする。
この片面溶接装置では、溶接点教示手段によって教示された各溶接教示点の位置座標に基づいて教示倣い係数を求め、溶接時に、溶接トーチの現在の位置座標と、教示倣い係数とから計算される目標位置座標に基づいて、台車移動手段による移動量を制御して、前記溶接トーチの走行軌跡を溶接線に沿うようにすることができ、オペレータによる監視および溶接トーチ先端の軌道修正が不要となる。
請求項2に係る発明の片面溶接装置は、前記溶接点位置制御手段が、前記溶接点教示手段によって教示された複数の溶接教示点の位置座標を記憶する教示位置記憶部と、前記教示位置記憶部に記憶された各溶接教示点の位置座標に基づいて、隣接した溶接教示点の間の前記溶接トーチの移動区間における教示倣い係数を計算する教示倣い係数計算部と、前記教示倣い係数を記憶する教示倣い係数記憶部と、前記台車移動手段による前記溶接走行台車の移動を制御する台車移動制御手段と、前記走行レール移動手段の移動量から前記溶接トーチの現在の位置座標を求め、求めた前記溶接トーチの現在の位置座標と、前記教示倣い係数記憶部に記憶された教示倣い係数とに基づいて前記溶接トーチの目標位置座標を計算し、その目標位置座標に前記溶接トーチが位置するように、前記台車移動制御手段によって前記台車移動手段の移動量を制御する溶接トーチ目標位置制御部とを備えることを特徴とする。
この片面溶接装置では、教示位置記憶部に記憶された各溶接教示点の位置座標に基づいて、教示倣い係数計算部において、隣接した溶接教示点の間の溶接トーチの移動区間における教示倣い係数を計算して教示倣い係数記憶部に記憶し、溶接トーチ目標位置制御において、走行レール移動手段の移動量から溶接トーチの現在の位置座標を求め、求めた溶接トーチの現在の位置座標と、教示倣い係数記憶部に記憶された教示倣い係数とに基づいて溶接トーチの目標位置座標を計算し、その目標位置座標に溶接トーチが位置するように、台車移動制御手段によって台車移動手段の移動量を制御することによって、溶接トーチの走行軌跡を溶接線に沿うようにすることができ、オペレータによる監視および溶接トーチ先端の軌道修正が不要となる。
請求項3に係る発明の片面溶接装置は、前記溶接線上の選択された溶接教示点Pn(nは1以上の整数)について教示された教示位置座標を(Xn,Yn)(Xは前記走行レールの架設方向に沿った溶接トーチの座標、Yは前記架設方向に直交する横断方向に沿った溶接トーチの座標)、前記溶接線に沿って前記溶接教示点Pnと隣接する溶接教示点Pn+1の教示位置座標を(Xn+1,Yn+1)とするとき、前記教示倣い係数Aは、前記溶接教示点Pnと前記溶接基準点Pn+1の間の溶接区間において、A=(Yn+1−Yn)/(Xn+1−Xn)であり、前記溶接トーチの現在の前記架設方向の位置座標Xxに対して前記目標位置座標を(Xx,A(Xx−Xn)+Yn)とすることを特徴とする。
この片面溶接装置では、溶接教示点Pnと溶接基準点Pn+1の間の溶接区間において、教示倣い係数A=(Yn+1−Yn)/(Xn+1−Xn)と計算して、溶接トーチの現在の架設方向の位置座標Xxに対して目標位置座標を(Xx,A(Xx−Xn)+Yn)とすることによって、溶接トーチの走行軌跡を溶接線に沿うようにすることができ、オペレータによる監視および溶接トーチ先端の軌道修正が不要となる。
請求項4に係る発明の片面溶接装置は、前記溶接教示点Pnと前記溶接教示点Pn+1の間の溶接区間において、前記溶接トーチ目標位置制御部は、|Yx−[A(Xx−Xn)+Yn]|≦2mmとなる複数の目標位置座標を選択し、その目標位置座標に前記溶接トーチが位置するように、前記台車移動制御手段によって前記台車移動手段の移動量を制御することを特徴とする。
この片面溶接装置では、溶接教示点Pnと溶接教示点Pn+1の間の溶接区間において、前記溶接トーチ目標位置制御部によって、|Yx−[A(Xx−Xn)+Yn]|≦2mmとなる複数の目標位置座標を選択し、その目標位置座標に溶接トーチが位置するように、台車移動制御手段によって前記台車移動手段の移動量を制御することによって、各溶接区間の全区域にわたって、連続的に溶接トーチを溶接線に沿うように横断方向に移動させることなく、選択された複数の目標位置座標にのみ、溶接トーチが位置するように位置制御を行って、溶接線と実際の溶接点の間のずれが±2mmの許容誤差範囲内で溶接を行うことができ、溶接品質を維持しながら、片面溶接装置の溶接点位置制御手段による制御コスト、さらに省エネルギを図ることができる。
請求項5に係る発明の片面溶接装置は、前記溶接点教示手段は、前記溶接トーチの基準位置座標(X0,Y0)と、前記走行レールに沿って前記溶接走行台車を移動させて測定された複数の走行レール教示点の位置座標(Xi,Yi)とを前記溶接点位置制御手段に教示し、前記溶接点位置制御手段は、教示された前記溶接トーチの基準位置座標(X0,Y0)と前記複数の走行レール教示点の位置座標(Xi,Yi)とに基づいて、前記溶接トーチの各走行レール教示点における前記溶接トーチの横断方向の補正値(Yi−Y0)を求め、溶接に際して、現在の溶接トーチの前記架設方向の位置座標Xxに対する前記横断方向の補正値に基づいて前記溶接トーチの目標位置座標を補正し、補正された目標位置座標に基づいて、前記台車移動手段による前記溶接走行台車の前記横断方向の移動量を制御することを特徴とする。
この片面溶接装置では、教示された溶接トーチ基準位置座標(X0,Y0)と複数の走行レール教示点の位置座標(Xi,Yi)とに基づいて、溶接トーチの各走行レール教示点における溶接トーチの横断方向の補正値を求め、溶接に際して、現在の溶接トーチの架設方向の位置座標Xxに対する横断方向の補正値に基づいて溶接トーチの目標位置座標を補正し、補正された目標位置座標に基づいて、台車移動手段によって溶接走行台車の前記横断方向の移動量を制御することによって、継ぎ目等によって生じる架設方向の走行レールの曲がり等に起因する溶接トーチ軌跡の非直線性を補正することが可能となる。
請求項6に係る片面溶接装置は、前記溶接点位置制御手段は、前記溶接点教示手段によって教示された基準位置座標(X0,Y0)と、前記複数の走行レール教示点の位置座標(Xi,Yi)とを記憶し、前記基準位置座標(X0,Y0)と各走行レール教示点の位置座標(Xi,Yi)とに基づいて、前記補正値(Yi−Y0)を求める補正値計算部と、各走行レール教示点について求められた前記補正値(Yi−Y0)を記憶する補正値記憶部と、を備え、溶接時に、前記台車移動制御手段は、現在の溶接トーチの架設方向の位置座標Xxに対する前記補正値(Yi−Y0)に基づいて、前記溶接トーチの目標位置座標を補正し、補正された溶接トーチの目標位置座標に基づいて、前記台車移動手段による前記溶接走行台車の前記横断方向の移動量を制御することを特徴とする。
この片面溶接装置では、基準位置座標(X0,Y0)と、各走行レール教示点の位置座標(Xi,Yi)とに基づいて、各走行レール教示点について求められた補正値に基づいて、記溶接トーチの目標位置座標を補正し、補正された溶接トーチの目標位置座標に基づいて、前記台車移動手段による前記溶接走行台車の前記横断方向の移動量を制御することによって、継ぎ目等によって生じる架設方向の走行レールの曲がり等に起因する溶接トーチ軌跡の非直線性を補正することが可能となる。
本発明の片面溶接装置によれば、検知することが可能なV溝等の開先がなくても、溶接トーチの走行軌跡を溶接線に沿うようにすることができ、オペレータによる監視および溶接トーチ先端の軌道修正が不要となる。そのため、オペレータの経験によらずに安定した溶接品質を実現でき、溶接の自動化による生産効率の向上を図ることができる。特に、溶接する鋼板に検知することが可能なV溝等の開先が加工されていない場合の溶接において、教示した溶接線を再生することができる。また、溶接線が非直線状である場合、サブマージアーク溶接の場合にも、溶接トーチの走行軌跡を溶接線に沿うようにすることができ、さらに、溶接線の曲り具合やオペレータの技量の優劣による溶接品質のばらつきを防止することができる。
また、請求項5および6に記載の発明の片面溶接装置によれば、継ぎ目等によって生じる架設方向の走行レールの曲がり等に起因する溶接トーチ軌跡の非直線性を補正して、溶接トーチの走行軌跡を直線にすることが可能となる。
以下、本発明の片面溶接装置の実施形態について、図面を参照して説明する。参照する図面において、図1は本発明の片面溶接装置の実施形態を示す正面図、図2は斜視図を示す。なお、図1および図2において、被溶接材の裏面に配設するフラックス、裏当て材等については、図示および説明を省略する。
図1および図2に示す片面溶接装置1は、走行レール2、溶接トーチ3A,3B,3Cを搭載した溶接走行台車4、走行レール移動部(走行レール移動手段)5、スライダ(台車移動手段)6および溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11を備える。
走行レール2は、突き当てられた被溶接材W1,W2の間に連続して設けられた開先によって形成される溶接線WLの長手方向に架設される。
溶接走行台車4は、被溶接材W1,W2に向けて垂下された溶接トーチ3A,3B,3Cを支持する。
溶接トーチ3A,3B,3Cは、溶接線WLの上方に位置して溶接線WLの延在する方向に直列に配置されている。これらの溶接トーチ3A,3B,3Cには、溶接ワイヤ送給装置(図示せず)から溶接ワイヤが連続送給される。
また、溶接走行台車4は、支持台座4aと、支持台座4aから垂下された前支持腕4bおよび後支持腕4cと、前支持腕4bと後支持腕4cの間に横架された架橋部材4dとを備える。支持台座4aには、溶接点にフラックスを散布・供給するフラックス供給器7A,7Bが取り付けられるとともに、溶接トーチ3A,3B,3Cによる裏面ビードおよび表ビードの形成による溶接が終了後、残余のフラックスを吸引して回収するフラックス回収器8が装着されている。このフラックス供給器7A,7Bには、フラックス供給装置(図示せず)からフラックスを供給するためのフラックス供給ホース12A,12Bが接続されて、また、フラックス回収器8には、フラックス回収ホース8aが接続されている。
さらに、溶接走行台車4の前支持腕4bには、支持部材4e,4fを介して、教示ツール(溶接点教示手段)9が取り付けられ、支持部材4fには、案内腕4gを介して終端検知器10が装着されている。
教示ツール(溶接点教示手段)9は、溶接線WLに沿って移動する溶接トーチ3A,3B,3Cによる溶接に先立って、被溶接材W1,W2の溶接線WL上に選択された複数の溶接教示点の位置座標を溶接点位置制御手段11に教示し、溶接時には、溶接トーチ3A,3B,3Cの前方に位置して、溶接走行台車4が溶接線に沿って移動するように、溶接線WLを検知するものである。この教示ツール9は、溶接線WLに沿って溶接点を検知できる装置であれば、いずれの装置であってもよい。例えば、図1および図2に示すレーザ光による指示装置、その他には、CCDカメラ、検知用探針等を用いることができる。
終端検知器10は、溶接線WLに沿って移動する溶接走行台車4の前方に位置して、溶接線の終端を検知するものである。終端検知器10によって溶接線の終端が検知されると、支持部材4aが駆動され、終端検知器10が被溶接材W1,W2から離間される。さらに、溶接走行台車4が所定の距離移動した後、溶接が停止され、溶接トーチ3A,3B,3C、フラックス供給器7A,7Bおよびフラックス回収器8が、被溶接材W1,W2から離間される。
走行レール移動部(走行レール移動手段)5は、溶接走行台車4を懸架して、走行レール2を架設方向XLに移動させるものである。この走行レール移動部(走行レール移動手段)5は、溶接走行台車4の支持台座4aを、走行レール2の架設方向XLに直交する横断方向YLに移動自在に懸架する懸架部材5aと、懸架部材5aを走行レール2の架設方向XLに駆動するモータおよびそのモータの駆動量を検知するエンコーダを備える走行レール駆動部5bとから構成される。走行レール駆動部5bのエンコーダによって検知されたモータの駆動量は、溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11に伝達され、溶接トーチ3Aが走行する走行レール2の架設方向XLにおける位置座標Xが求められる。
スライダ(台車移動手段)6は、溶接走行台車4を、走行レール2の架設方向XLに直交する横断方向YLに移動させるものである。このスライダ6は、溶接走行台車4の支持台座4aに取り付けられたスライダ台6aと、スライダ台6aを横断方向YLに駆動するモータおよびそのモータの駆動量を検知するエンコーダを備えるスライダ駆動部6bとから構成される。スライダ駆動部6bのエンコーダによって検知されたモータの駆動量は、溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11に伝達され、溶接トーチ3Aの横断方向YLの位置座標Yが求められる。
溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11は、教示ツール(溶接点教示手段)9によって教示された溶接点の位置座標に基づいて教示倣い係数を求め、溶接時に、溶接トーチ3Aの現在の位置座標と、教示倣い係数とから溶接トーチの目標位置座標を計算し、その目標位置座標に基づいてスライダ(台車移動手段)6による移動量を、溶接トーチ3Aの走行軌跡が溶接線WLに沿うように制御するものである。
この溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11の構成例を、図3に示す。
図3に示す溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11は、教示位置メモリ(教示位置記憶部)12と、教示倣い係数計算部13と、教示倣い係数メモリ(教示倣い係数記憶部)14と、スライダサーボドライバ(台車移動制御手段)15と、台車サーボドライバ16と、スライダ目標位置制御部(溶接トーチ位置制御部)17と、モータ動作処理部18と、手動操作ツール19とを備える。
教示位置メモリ(教示位置記憶部)12は、教示ツール(溶接点教示手段)9によって教示された複数の溶接教示点の教示位置座標を記憶する。この教示位置メモリ(教示位置記憶部)12は、後述のとおり、オペレータによって、溶接走行台車4を移動させ、溶接線WL上に選択された各溶接教示点に教示ツール9を移動させたときに、溶接トーチ3Aの位置座標(X,Y)を位置データとして記憶する。溶接トーチ3Aの走行レール2の架設方向XLの位置座標Xは、走行レール移動部(走行レール移動手段)5の走行レール駆動部5bのエンコーダによって検知されたモータの駆動量から求められる。溶接トーチ3Aの横断方向YLの位置座標Yは、スライダ(台車移動手段)6のスライダ駆動部6bのエンコーダによって検知されたモータの駆動量から求められる。
教示倣い係数計算部13は、後述のとおり、教示位置メモリ12に記憶された各溶接教示点の教示位置座標(X,Y)に基づいて、隣接した溶接教示点の間の溶接トーチ3Aの移動区間(溶接区間)における教示倣い係数を計算するものである。
教示倣い係数メモリ(教示倣い係数記憶部)14は、教示倣い係数計算部13における計算によって求められた教示倣い係数を記憶するものである。
また、スライダサーボドライバ(台車移動制御手段)15は、スライダ(台車移動手段)6による溶接走行台車4の横断方向YLの移動を制御するものである。
台車サーボドライバ16は、走行レール移動部(走行レール移動手段)5による溶接走行台車4の架設方向XLの移動を制御するものである。
スライダ目標位置制御部(溶接トーチ目標位置制御部)17は、溶接時に、溶接トーチ3Aの現在の位置座標を求め、その現在の位置座標と教示倣い係数とから求められる目標位置座標に溶接トーチ3Aが位置するように、スライダサーボドライバ(台車移動制御手段)15によるスライダ(台車移動手段)6の移動量を制御するものである。溶接トーチ3Aの現在の位置座標(Xx,Yx)は、走行レール移動部(走行レール移動手段)5の走行レール駆動部5bのエンコーダによって検知されたモータの駆動量(走行レール移動部5の移動量)と、スライダ(台車移動手段)6のスライダ(台車移動手段)6のスライダ駆動部6bのエンコーダによって検知されたモータの駆動量(スライダ6の移動量)とから求められる。そして、スライダ目標位置制御部17は、溶接トーチ3Aを目標位置座標に移動させるために必要なスライダ6の移動量に関する制御情報を、モータ動作処理部18に伝達する。
モータ動作処理部18は、スライダサーボドライバ15および台車サーボドライバ16に指令して、走行レール移動部5およびスライダ6による溶接走行台車4の架設方向XLおよび横断方向YLに沿った移動動作を制御するものである。このモータ動作処理部18は、スライダ目標位置制御部17からの制御情報または手動操作ツール19からの指令に応じて、走行レール移動部5およびスライダ6による溶接走行台車4の架設方向XLおよび横断方向YLに沿った移動動作を制御することができる。
この溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11において、教示位置メモリ12および教示倣い係数メモリ14は、例えば、ROM、RAM、HDD(ハードディスク)等の記憶媒体で構成することができる。また、教示倣い係数計算部13、スライダサーボドライバ15、台車サーボドライバ16、スライダ目標位置制御部17およびモータ動作処理部18は、マイクロコンピュータ、パーソナルコンピュータ等の処理・演算装置で構成することができる。
次に、片面溶接装置1における溶接教示点の教示、教示倣い係数の計算、および目標位置座標について、図4〜図6に基づいて説明する。
溶接教示点の教示において、まず、オペレータは、図3に示す溶接制御装置11の手動操作ツール19を操作して、モータ動作処理部18からスライダサーボドライバ15および台車サーボドライバ16に指令して、スライダ6および走行レール移動部5によって、図4に示す溶接線WLに沿って選択された溶接点に教示ツール9を移動させ、各溶接点に移動したとき、溶接トーチの位置座標(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)、(X5,Y5)・・・を溶接教示点の位置座標として求める。ここで、溶接教示点は、溶接トーチ3Aの位置座標とする。また、教示された溶接教示点の位置座標(Xn,Yn)は、教示位置メモリ12に記憶される。なお、図4において、20Aおよび20Bは、溶接トーチによる溶接点の存在範囲、すなわち、溶接許容範囲を示す境界線である。通常、境界線20Aまたは20Bと、溶接線WLとの間の幅は2mmに設定される。
この溶接教示点の教示について、説明を簡単にするために、図5に示すように、1つの教示ツール39と、1本の溶接トーチ37とが取り付けられた溶接走行台車34における溶接教示点の教示について、図6に示す工程図に基づいて説明する。
この溶接教示点の教示においては、先ず、溶接線WL上の教示する溶接教示点の点数を設定する(ステップS1)。この溶接教示点は、溶接線WLと実際の溶接位置とのずれ(幅)が2mm以内となるようにして、これにより溶接教示点を結ぶ直線が溶接線WLを補完できるように、溶接教示点の教示点数が設定される。
次に、溶接走行台車34を移動させて教示ツール39を溶接線終点Peに位置させて溶接教示点Peの位置座標を教示する(ステップS2)。このとき、実際には、教示ツール39を溶接教示点に位置させる。教示ツール39は、溶接トーチ37に対して、所定の距離だけ離間して配置されているため、その距離に応じて教示ツール39の位置座標を補正することによって、溶接トーチ37が溶接線終点Peに位置したときの位置座標を求めることができる。以下の溶接教示点の教示においても同様である。ここで、溶接教示点の教示は、溶接線WLに沿って溶接線始点Psから溶接線終点Peに向かって、順次、溶接教示点を教示するようにしてもよいし、溶接線終点Peから溶接線始点Psに向かって、順次、溶接教示点を教示するようにしてもよい。特に、溶接線終点Peから溶接線始点Psに向かって、順次、溶接教示点を教示するようにすれば、溶接教示点の教示後、すぐに溶接を開始でき、効率的であるため、好ましい。
さらに、溶接走行台車34を移動させて教示ツール39を溶接線上の溶接点Pn+2,Pn+1,Pnに位置させて、溶接教示点Pn+2,Pn+1,Pnの位置座標を教示する(ステップS3、S4、S5)。このステップS3、S4、S5を所要回数繰り返すことによって、所要数の溶接教示点を教示する。
次に、溶接走行台車34を移動させて教示ツール39を溶接線始点Psに位置させて溶接教示点Psの位置座標を教示する(ステップS6)。
所要点数の溶接教示点について、位置座標を教示した後、各溶接教示点の位置座標を教示位置メモリ12に位置データとして送信して、教示を完了する(ステップS7)。
次に、教示倣い計算部13における教示倣い係数の計算について説明する。
まず、前記のとおり、教示倣い計算部13は、溶接線WL上の選択された溶接教示点Pn(nは1以上の整数)について教示された教示位置座標(Xn,Yn)(Xは走行レールの架設方向XLに沿った溶接トーチ37の位置座標X、Yは架設方向XLに直交する横断方向YLに沿った溶接トーチ37の位置座標Y)を教示位置メモリ12から取得する。そして、溶接線WLに沿って溶接教示点Pnと隣接する溶接教示点Pn+1の教示位置座標を(Xn+1,Yn+1)とするとき、溶接教示点Pnと溶接教示点Pn+1の間の溶接区間において教示倣い係数A=(Yn+1−Yn)/(Xn+1−Xn)を計算する。計算された教示倣い係数Aは、教示倣い係数メモリ14に記憶される。これによって、溶接に際して、溶接トーチの現在の架設方向XLの位置座標がXxである場合は、溶接トーチの目標位置座標は(Xx,A(Xx−Xn)+Yn)となる。
溶接教示点の教示が完了した後、片面溶接装置1による被溶接材W1,W2の溶接が開始される。
まず、溶接走行台車4を移動させて、溶接トーチ37(3A)を溶接教示点Ps(溶接線WLの始端に配置されるタブ板)に位置させた後、溶接ワイヤ供給装置(図示せず)から溶接ワイヤを送給して溶接の準備を行うとともに、フラックス供給器7A,7Bから溶接線WLに向けてフラックスを散布・供給する。次に、溶接走行台車4を移動させ、被溶接材W1,W2の溶接を開始する。
このとき、溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11のスライダ目標位置制御部(溶接トーチ位置制御部)17において、走行レール移動部(走行レール移動手段)5の走行レール駆動部5bのエンコーダによって検知されたモータの駆動量(走行レール移動部5の移動量)から、溶接トーチ3Aの走行レール2の架設方向XLにおける位置座標Xzが求められる。そして、求められた溶接トーチ3Aの架設方向XLにおける位置座標Xxと、教示倣い係数記憶部14に記憶された教示倣い係数とに基づいて溶接トーチ3Aの目標位置座標を計算し、その目標位置座標に溶接トーチ3Aが位置するように、モータ動作処理部18を介して、スライダサーボドライバ(台車移動制御手段)15によってスライダ(台車移動手段)6の移動量、すなわち、スライダ(台車移動手段)6のスライダ駆動部6bのエンコーダによって検知されたモータの駆動量を制御する。
このスライダ目標位置制御部(溶接トーチ目標位置制御部)17における目標位置座標の計算は、前記のとおり、溶接線WLに沿って溶接教示点Pnと隣接する溶接教示点Pn+1の教示位置座標を(Xn+1,Yn+1)とするとき、溶接教示点Pnと溶接教示点Pn+1の間の溶接区間において計算された教示倣い係数A=(Yn+1−Yn)/(Xn+1−Xn)を、教示倣い係数メモリ14から取得する。そして、溶接トーチ3Aの現在の架設方向XLの位置座標がXxである場合は、溶接トーチの目標位置座標を(Xx,A(Xx−Xn)+Yn)と求める。このように、各溶接区間において、その溶接区間における教示倣い係数と、溶接トーチ3Aの現在の架設方向XLの位置座標がXxとから、溶接トーチの目標位置座標を求め、その目標位置座標に溶接トーチが位置するように、スライダサーボドライバ(台車移動制御手段)15によってスライダ(台車移動手段)6の移動量、すなわち、スライダ(台車移動手段)6のスライダ駆動部6bのエンコーダによって検知されたモータの駆動量を制御することによって、溶接線WLに沿って溶接を行うことが可能となる。
この溶接に際しては、フラックス供給器7A,7Bから、溶接点にフラックスを散布・供給しながら、溶接トーチ3A,3B,3Cによる裏面ビードおよび表ビードの形成による溶接を行い、後続のフラックス回収器8によって、残余のフラックスを吸引して回収して、連続的に溶接線WLに沿って溶接が行われる。
また、前記の溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11における溶接トーチ3Aの溶接位置の制御は、溶接トーチの移動に応じて連続的に目標位置座標を計算し、その目標位置座標に溶接トーチが位置するように、スライダサーボドライバ(台車移動制御手段)15によってスライダ(台車移動手段)6の移動量、すなわち、スライダ(台車移動手段)6のスライダ駆動部6bのエンコーダによって検知されたモータの駆動量を連続制御するものであるが、本発明の片面溶接装置における溶接トーチの位置制御は、連続的に行ってもよいし、溶接線WLに対して所定の許容誤差範囲内で実際の溶接点が形成されるように、溶接トーチの位置制御を行ってもよい。例えば、図7に示すように、溶接教示点Pnと前記溶接教示点Pn+1の間の溶接区間において、スライダ目標位置制御部(溶接トーチ目標位置制御部)17は、溶接線WLと実際の溶接線WLRとの距離L=Yx−[A(Xx−Xn)+Yn]の絶対値が±2mmの許容誤差範囲にあるように、すなわち、|Yx−[A(Xx−Xn)+Yn]|≦2mmとなる複数の目標位置座標(Xx,Yx)を選択し、その目標位置座標(Xx,Yx)に溶接トーチ3Aが位置するように、スライダサーボドライバ(台車移動制御手段)15によってスライダ(台車移動手段)6の移動量、すなわち、スライダ(台車移動手段)6のスライダ駆動部6bのエンコーダによって検知されたモータの駆動量を制御することによって、溶接線WLRに沿って溶接を行う。これによって、各溶接区間の全区域にわたって、連続的に溶接トーチを溶接線に沿うように横断方向に移動させることなく、選択された複数の目標位置座標にのみ、溶接トーチが位置するように位置制御を行って、溶接線と実際の溶接点の間のずれが±2mmの許容誤差範囲内で溶接を行うことができ、溶接品質を維持しながら、片面溶接装置の溶接点位置制御手段による制御コスト、さらに省エネルギを図ることができる。
さらに、本発明の片面溶接装置においては、走行レールの固有の非直線性に起因する溶接トーチ軌跡の非直線性が補正される。この溶接トーチ軌跡の非直線性の補正について、図8を用いて説明する。
この溶接トーチ軌跡の非直線性の補正は、まず、溶接走行台車4を移動して教示ツール(溶接点教示手段)9を、走行レール2の原点位置Pまで移動させるとともに、スライダ(台車移動手段)6のモータを駆動して、教示ツール9を基準位置に移動させる。このときの教示ツール9の位置座標を基準位置座標(X0,Y0)とする。
次に、走行レール2に沿って溶接走行台車4を移動させて、複数の走行レール教示点Pniの位置座標(Xi,Yi)を求める。走行レール教示点Pniの架設方向XLの位置座標Xiは、走行レール移動部(走行レール移動手段)5の走行レール駆動部5bのエンコーダによって検知されたモータの駆動量(走行レール移動部5の移動量)から求めることができる。一方、走行レール教示点Pniの横断方向の位置座標Yiは、走行レール2の架設方向XLに引いた直線WLS上に教示ツール9が位置するように、スライダ6を移動させ、そのときのスライダ6の横断方向YLの移動量、すなわち、スライダ(台車移動手段)6のスライダ駆動部6bのエンコーダによって検知されるモータの駆動量によって求めることができる。
求められた各走行レール教示点のPniの位置座標(Xi,Yi)は、溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11に教示される。そして、溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11は、教示された溶接トーチの横断方向の基準位置座標X0と、各走行レール教示点の位置座標(Xi,Yi)とに基づいて、溶接トーチの各走行レール教示点における溶接トーチの横断方向の補正値を求める。
この補正値について、例えば、図8に示すように、走行レールの継ぎ目80において、走行レール教示点Pn1と走行レール教示点Pn1+1の区間、走行レール教示点Pn2と走行レール教示点Pn2+1の区間、および走行レール教示点Pn3と走行レール教示点Pn3+1の区間における溶接トーチの位置が、走行基準線WLS(架設方向XLの位置座標X0の直線)から外れる場合について説明する。
まず、走行レール教示点Pn1と走行レール教示点Pn1+1の区間においては、走行レール2に沿って一定距離だけ溶接走行台車2を移動させる。このとき、教示ツール(溶接点教示手段)9によって、走行レール2の架設方向XLに引いた直線WLSを倣うように、スライダ6を移動させる。この移動した箇所で、スライダ6を移動させ、溶接トーチを横断方向の基準位置座標Y0まで移動させ、このときのスライダの横断方向YLの移動量YS、すなわち、スライダ6のスライダ駆動部6bのエンコーダによって検知されるモータの駆動量によって走行レール教示点Pniにおける補正値YSが求められる。この走行レール教示点Pniの架設方向XLの位置座標Xiと、横断方向の補正量YSとを、走行レール教示点Pn1と走行レール教示点Pn1+1の区間において連続または所定間隔で求めることによって、走行レール教示点Pn1と走行レール教示点Pn1+1の区間における溶接トーチの横断方向YLの位置座標の補正値Ani+i(=YS)が求められる。さらに、同様にして、溶接トーチの横断方向YLの位置座標の補正値が、走行レール教示点Pn2と走行レール教示点Pn2+1の区間、および走行レール教示点Pn3と走行レール教示点Pn3+1の区間においても求められる。
そして、溶接に際しては、溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11は、現在の溶接トーチの架設方向の位置座標Xxに対する横断方向の補正値に基づいて溶接トーチ3Aの目標位置座標を補正し、補正された目標位置座標に基づいて、スライダ(台車移動手段)6による溶接走行台車4の横断方向YLの移動量を制御する。このとき、例えば、走行レール教示点Pn1と走行レール教示点Pn1+1の区間において、溶接トーチ3Aが架設方向XLの位置座標Xxに到達した場合、その位置座標Xxに対する溶接トーチの横断方向YLの位置座標の補正値Ani+iが、前記の走行教示点の教示によって予め求められている。そこで、溶接に際しては、走行レール教示点Pn1と走行レール教示点Pn1+1の区間においては、溶接トーチ3Aが架設方向XLの位置座標Xxに到達した場合、その位置座標Xxに対する溶接トーチの横断方向YLの位置座標の補正値Ani+iによって、前記の目標位置座標を補正することによって、走行レールの固有の非直線性に起因する溶接トーチ軌跡の非直線性が補正される。同様にして、溶接トーチの横断方向YLの位置座標の補正値が、走行レール教示点Pn2と走行レール教示点Pn2+1の区間、および走行レール教示点Pn3と走行レール教示点Pn3+1の区間においても、走行レールの固有の非直線性に起因する溶接トーチ軌跡の非直線性が補正される。
この溶接トーチ軌跡の非直線性の補正は、溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11において、以下のようにして行われる。
この非直線性の補正を行う溶接制御装置(溶接点位置制御手段)11は、図3に示すように、前記のスライダサーボドライバ(台車移動制御手段)15、台車サーボドライバ16、スライダ目標位置制御部(溶接トーチ位置制御部)17およびモータ動作処理部18に加えて、スライダ補正値計算部(補正値計算部)21と、スライダ補正値メモリ(補正値記憶部)22とを備える。
スライダ補正値計算部(補正値計算部)21は、前記のようにして、溶接走行台車4を移動させて教示される基準位置座標(X0,Y0)、および各走行レール教示点Pniの位置座標(Xi,Yi)を記憶し、架設方向XLの基準位置座標X0と各走行レール教示点の位置座標(Xi,Yi)とに基づいて、溶接トーチの架設方向XLの位置座標Xxに対する横断方向YLの位置座標に対する補正値、例えば、補正値Ani+iを求めるものである。
スライダ補正値メモリ(補正値記憶部)22は、スライダ補正値計算部(補正値計算部)21は、スライダ補正値計算部(補正値計算部)21で求められた溶接トーチの架設方向XLの位置座標Xxに対する横断方向YLの位置座標に対する補正値、例えば、補正値Ani+iを記憶する。
そして、溶接に際して、スライダ目標位置制御部(溶接トーチ位置制御部)17は、現在の溶接トーチの架設方向の位置座標Xxに対する横断方向YLの位置座標の補正値に基づいて、前記の溶接トーチの目標位置座標(Xx,A(Xx−Xn)+Yn)を補正し、補正された溶接トーチの目標位置座標に溶接トーチ3Aが位置するように、モータ動作処理部18を介して、スライダサーボドライバ(台車移動制御手段)15によってスライダ(台車移動手段)6の移動量、すなわち、スライダ(台車移動手段)6のスライダ駆動部6bのエンコーダによって検知されるモータの駆動量を制御する。
このようにして、片面溶接装置では、各走行レール教示点について求められた補正値に基づいて、溶接トーチの目標位置座標を補正し、補正された溶接トーチの目標位置座標に基づいて、スライダ(台車移動手段)6による溶接走行台車4の横断方向の移動量を制御することによって、継ぎ目等によって生じる架設方向の走行レールの曲がり等に起因する溶接トーチ軌跡の非直線性を補正することが可能となる。
片面溶接装置の概略構成を示す平面図である。 片面溶接装置の概略構成を示す斜視図である。 片面溶接装置の溶接点位置制御手段の構成を示すブロック図である。 溶接線および溶接教示点の教示を説明する概念図である。 教示ツールによる溶接教示点の教示を説明する模式図である。 教示ツールによる溶接教示点の教示を説明するフローチャートである。 溶接トーチの走行軌跡の一例を示す模式図である。 片面溶接装置による溶接トーチ軌跡の非直線性の補正について説明する図である。
符号の説明
1 片面溶接装置
2 走行レール
3A,3B,3C 溶接トーチ
4 溶接走行台車
5 走行レール移動部(走行レール移動手段)
6 スライダ(台車移動手段)
11 溶接制御装置(溶接点位置制御手段)
12 教示位置メモリ(教示位置記憶部)
13 教示倣い係数計算部
14 教示倣い係数メモリ(教示倣い係数記憶部)
15 スライダサーボドライバ(台車移動制御手段)
16 台車サーボドライバ
17 スライダ目標位置制御部(溶接トーチ位置制御部)
18 モータ動作処理部
19 手動操作ツール
21 スライダ補正値計算部(補正値計算部)
22 スライダ補正値メモリ(補正値記憶部)
W1,W2 被溶接材
WL 溶接線
XL 走行レールの架設方向
YL 横断方向

Claims (6)

  1. 被溶接材の溶接線の長手方向に沿って架設される走行レールと、
    前記被溶接材に向けて垂下される溶接トーチを支持する溶接走行台車と、
    前記溶接走行台車を懸架して、前記走行レールの架設方向に沿って移動する走行レール移動手段と、
    前記溶接走行台車を、前記走行レールの架設方向に直交する横断方向に移動させる台車移動手段と、を備える片面溶接装置であって、
    前記被溶接材の溶接線上に選択された複数の溶接教示点の位置座標を溶接点位置制御手段に教示する溶接点教示手段を備え、
    前記溶接点位置制御手段は、
    前記溶接点教示手段によって教示された各溶接教示点の位置座標に基づいて教示倣い係数を求め、溶接時に、前記溶接トーチの現在の位置座標と、前記教示倣い係数とから前記溶接トーチの目標位置座標を計算し、その目標位置座標に基づいて前記台車移動手段による移動量を、前記溶接トーチの走行軌跡が前記溶接線に沿うように制御することを特徴とする片面溶接装置。
  2. 前記溶接点位置制御手段は、
    前記溶接点教示手段によって教示された複数の溶接教示点の位置座標を記憶する教示位置記憶部と、
    前記教示位置記憶部に記憶された各溶接教示点の位置座標に基づいて、隣接した溶接教示点の間の前記溶接トーチの移動区間における教示倣い係数を計算する教示倣い係数計算部と、
    前記教示倣い係数を記憶する教示倣い係数記憶部と、
    前記台車移動手段による前記溶接走行台車の移動を制御する台車移動制御手段と、
    前記走行レール移動手段の移動量から前記溶接トーチの現在の位置座標を求め、求めた前記溶接トーチの現在の位置座標と、前記教示倣い係数記憶部に記憶された教示倣い係数とに基づいて前記溶接トーチの目標位置座標を計算し、その目標位置座標に前記溶接トーチが位置するように、前記台車移動制御手段によって前記台車移動手段の移動量を制御する溶接トーチ目標位置制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の片面溶接装置。
  3. 前記溶接線上の選択された溶接教示点Pn(nは1以上の整数)について教示された教示位置座標を(Xn,Yn)(Xは前記走行レールの架設方向に沿った溶接トーチの座標、Yは前記架設方向に直交する横断方向に沿った溶接トーチの座標)、前記溶接線に沿って前記溶接教示点Pnと隣接する溶接教示点Pn+1の教示位置座標を(Xn+1,Yn+1)とするとき、前記教示倣い係数Aは、前記溶接教示点Pnと前記溶接基準点Pn+1の間の溶接区間において、A=(Yn+1−Yn)/(Xn+1−Xn)であり、前記溶接トーチの現在の前記架設方向の位置座標Xxに対して前記目標位置座標を(Xx,A(Xx−Xn)+Yn)とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の片面溶接装置。
  4. 前記溶接教示点Pnと前記溶接教示点Pn+1の間の溶接区間において、前記溶接トーチ目標位置制御部は、|Yx−[A(Xx−Xn)+Yn]|≦2mmとなる複数の目標位置座標を選択し、その目標位置座標に前記溶接トーチが位置するように、前記台車移動制御手段によって前記台車移動手段の移動量を制御することを特徴とする請求項3に記載の片面溶接装置。
  5. 前記溶接点教示手段は、前記溶接トーチの基準位置座標(X0,Y0)と、前記走行レールに沿って前記溶接走行台車を移動させて測定された複数の走行レール教示点の位置座標(Xi,Yi)とを前記溶接点位置制御手段に教示し、
    前記溶接点位置制御手段は、教示された前記溶接トーチの基準位置座標(X0,Y0)と前記複数の走行レール教示点の位置座標(Xi,Yi)とに基づいて、前記溶接トーチの各走行レール教示点における前記溶接トーチの横断方向の補正値(Yi−Y0)を求め、溶接に際して、現在の溶接トーチの前記架設方向の位置座標Xxに対する前記横断方向の補正値に基づいて前記溶接トーチの目標位置座標を補正し、補正された目標位置座標に基づいて、前記台車移動手段による前記溶接走行台車の前記横断方向の移動量を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の片面溶接装置。
  6. 前記溶接点位置制御手段は、
    前記溶接点教示手段によって教示された基準位置座標(X0,Y0)と、前記複数の走行レール教示点の位置座標(Xi,Yi)とを記憶し、前記基準位置座標(X0,Y0)と各走行レール教示点の位置座標(Xi,Yi)とに基づいて、前記補正値(Yi−Y0)を求める補正値計算部と、
    各走行レール教示点について求められた前記補正値(Yi−Y0)を記憶する補正値記憶部と、を備え、
    溶接時に、前記台車移動制御手段は、現在の溶接トーチの架設方向の位置座標Xxに対する前記補正値(Yi−Y0)に基づいて、前記溶接トーチの目標位置座標を補正し、補正された溶接トーチの目標位置座標に基づいて、前記台車移動手段による前記溶接走行台車の前記横断方向の移動量を制御することを特徴とする請求項5に記載の片面溶接装置。
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