JP4108581B2 - 自動溶接制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、建築鉄骨のコラム柱及びパイプ柱等を溶接する際等に使用される自動溶接制御装置に関し、特に複数の溶接ロボットを使用して同一ワークの複数の継手を同時に溶接する自動溶接における制御装置に関する。
従来の自動溶接技術においては、鉄骨の生産現場で溶接ロボットのティーチング作業を行わなくても、実際に溶接するコアに適合した溶接ロボットの実効データを作成できるコアの自動溶接制御方法として、実際の開先ギャップ幅を検出する検出器と、ギャップ幅を記憶する記憶装置と、これらの信号を伝達する回路と、適性ギャップ幅の範囲記憶器の保存データと、ギャップ幅に応じたウィービング幅、溶接速度等の溶接条件を計算する演算器と、その実行部とを有する装置により、自動溶接するものが提案されている(特許文献1参照)。このコア等を溶接する自動溶接方法では、通常1本の溶接線を連続的に複数層にわたって溶接した後、次の溶接線に移動し、これを繰り返すようにプログラムされている。
この従来のコアの自動溶接制御方法においては、開先の底部の少なくとも1点及びコア側開先面上の少なくとも2点に接触することにより実際に溶接しようとするコアの開先形状を検出でき、この検出結果に基づき、実行データを作成することにより、更に正確な実行データを作成することができ、従って更に溶接欠陥の発生頻度が大幅に低下し、溶接品質が安定化する。
溶接ロボットとしては、ワーク回転装置と、ロボット移動装置と、制御装置と、溶接電源と、センシング装置と、溶接トーチと、ワーク形状及び寸法データの入力装置とを備えたものが提案されている(特許文献1及び2参照)。このような溶接ロボットを複数個使用して同一ワークの複数の継手を同時に自動溶接すれば、溶接時間を著しく短縮することができる。
特開平6−285637号公報 (第4−7頁、第1図) 特開2000−79471号公報 (第2−3頁、第3図)
しかしながら、上述の特許文献1及び2に記載された溶接方法を適用して、複数の継手を同時に自動溶接した場合、以下に示す問題点がある。即ち、上述の従来技術は、コア等を自動溶接する場合、通常、1本の溶接線を連続的に複数層にわたって溶接し、その後次の溶接線に移動するという工程を繰り返すようにプログラムされている。このため、複数の溶接ロボットにより同時溶接する際に、継手を単純に決定すると、組み合わされる継手のギャップ幅の変化により、相手とのギャップ差が大きい場合があり、このような場合は、相手の制約を大きく受け、極端な場合には、同時溶接できないパス又は継手が組み合わされてしまう。また、ギャップ差が大きすぎて同時溶接できない場合、中間ダイヤフラム等の1つの継手をそのまま1台の溶接ロボットで溶接すると、熱歪み等の影響でかさ折れしてしまう。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、複数の溶接ロボットを使用して同一ワークの複数の継手を同時に自動溶接することができ、溶接時間を大幅に短縮することができ、又は溶接歪みによる板の変形を防止することができる自動溶接制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る自動溶接制御装置は、複数の溶接ロボットを使用して同一ワークの複数の継手を同時に溶接する自動溶接制御装置であって、測定したギャップ幅を記憶する記憶装置と、これらの信号を伝達する回路と、適正ギャップ幅の範囲記憶器の保存データとギャップ幅に応じたウィービング幅及び溶接速度等の溶接条件を計算する演算器と、溶接対象の継手の中からギャップ幅が近い継手同士の組合せを計算する演算器と、を有することを特徴とする。
本発明においては、同時溶接において、溶接対象となる多数の継手の中からギャップ幅の近い継手同士をペアとして組み合わせることにより、同時継手溶接における制約を軽減し、同時溶接の可能性を高めることができる。
前記組み合わせを計算する演算器は、例えば、熱歪による変形を抑制する組み合わせを計算する。これにより、溶接対象となる多数の継手の中から、中間ダイヤフラムを挟んだ両側の継手のように、片側だけを溶接すると熱歪によるかさ折れ等が発生しやすい継手を優先して組み合わせることができるため、熱歪による継手の変形を抑制することができる。
また、前記組み合わせを計算する演算器は、仮組みの作業性でギャップ差を調整し易い継手を優先とした組み合わせを計算することもできる。これにより、溶接対象となる多数の継手の中から、コア又はシャフトの両端の継手のように、仮組時にギャップ幅を併せやすい継手を優先して組み合わせることができるため、組み合わせ計算の効率を高めることができる。
更に、同時溶接できない場合、シングル交互溶接の組み合わせを計算し、その組み合わせに対して、熱歪による変形を抑制する溶接順序を計算する演算器を有していてもよい。これにより、例えば、中間ダイヤフラムを挟んだ両側の同時溶接できない継手に対して、1台のロボットが交互に溶接する組み合わせとし、先行して溶接する側を順次入れ換えることができるため、熱歪による継手の変形を抑制することができる。
更にまた、前記熱歪による変形を抑制する組み合わせの計算、仮組みの作業性でギャップ差を調整し易い継手を優先とした組み合わせの計算及びシングル交互溶接計算は、夫々単独で行ってもよく、又は、優先順位を決めて併用してもよい。

本発明によれば、同一ワークのギャップ差がある複数の継手を、複数台の溶接ロボットを使用して同時に溶接することが可能となり、溶接時間を大幅に短縮できるという優れた効果を奏する。また、同じ板の両側を溶接するような場合には、2台の溶接ロボットで同時に溶接することができ、これにより、溶接歪みによる板の変形を抑制することができる。また、同時溶接できない場合には、自動的にロボット1台の交互溶接への切換を行うことにより、変形を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態に係る自動溶接制御装置について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態の自動溶接制御装置を示すブロック図であり、図2は自動溶接装置を示す図である。また、図3(a)及び(b)は溶接により組み立てられる鉄骨柱を示す斜視図であり、図4は図3(a)に示す鉄骨柱の組み立て図である。更に、図5(a)は図3(a)に示す鉄骨柱のコアの構造を示す斜視図であり、図5(b)は図3(b)に示す鉄骨柱のコアの構造を示す斜視図である。図4に示すように、本実施形態において溶接される鉄骨柱は、コア3と、仕口2と、シャフト1とから構成されている。この鉄骨柱のコア3は、図5(a)及び(b)に示すように、筒状の鋼管4の両端部にダイヤフラム5を溶接により接合して組み立てられている。
図6はコア3を溶接により組み立てる方法を示す図であり、図7は溶接時のセンシング動作を示す図である。図6に示すように、鋼管4とダイヤフラム5との溶接は、鋼管4の端面を傾斜するように形成し、鋼管4を水平に設置し、ダイヤフラム5を垂直に設置して、この鋼管4とダイヤフラム5との間にレ型の開先を設ける。そして、この開先の下部に、裏当材6を配置し、裏当金方式で自動溶接することにより、鋼管4とダイヤフラム5とを接合する。
このとき、図7に示すように、溶接ワイヤに給電するトーチと、被溶接材との間に電圧を印加し、溶接ワイヤが被溶接材に接触したことをそれらの電気的ショートにより検出するセンシング動作により、開先位置を自動的に検出する。図7に示す開先においては、一例として、溶接ワイヤの先端の位置が点P1から、水平の鋼管4の直上の位置P2まで移動するように、溶接ワイヤを斜めに降下させ、その後、センシング動作によりワイヤを鉛直(−Z方向)に降下させて鋼管4に接触させ、その位置P3とP2との間の距離TS1を求める。その後、溶接ワイヤの先端を位置P4まで斜めに上昇させ、位置P4から水平(Y方向)に移動させて、ワイヤ先端がダイヤフラム5に接触する位置P5までの距離TS2を求める。その後、位置P6まで斜めに上昇させて更に、位置P7まで溶接ワイヤの先端を斜めに降下させて、開先位置を認識することができる。
また、鉄骨柱は、図4に示すように、コア3における鋼管4の4側面に、仕口2を溶接接合し、シャフト1をコア3のダイヤフラム5に垂直に溶接接合することにより組み立てられる。図2に示す自動溶接装置は、シャフト1をコア3のダイヤフラム5に溶接する方法を示している。この自動溶接装置は、2基(1対)のポジショナ31及び32と、2基の溶接ロボット33及び35とが、ポジショナ31及び32間に溶接ロボット33を配置し、溶接ロボット33と溶接ロボット34間にポジショナ32を配置して、タンデムに配置されている。
溶接ロボット33及び34は、レール50上を走行する移動台車35を有し、この台車35上に、溶接ワイヤの供給容器37と電源装置42とが載置され、台車35のレール50に直交する方向の一端部には、アーム40及び41が設置されている。このアーム40の先端部にはトーチ38が設けられており、ワイヤ供給容器37内にコイル状に巻回されて貯留されていた溶接ワイヤ39が巻き解かれてコンジットチューブ36を介してトーチ38に供給され、トーチ38を通過して溶接部に供給される。溶接電源装置42はケーブル43によりトーチ38に接続されており、トーチ38を介して溶接ワイヤ39に溶接電力を供給するようになっている。
ポジショナ31及び32は、台44に対して、回転部45が回転可能に設置されている。この回転部45は中央部が矩形に切りかかれた形状を有し、この中央切欠部には、少なくとも1対の対向する辺に、被溶接物を固定する固定具46が設けられている。被溶接物は図3に示すように予め仮溶接されて組み立てられており、固定具46により、被溶接物であるシャフト1の面を挟持することにより、回転部45がシャフト1を固定する。1対のポジショナ31及び32はシャフト1の長手方向に見てその切欠部が整合する(重なる)位置に設けられており、各ポジショナ31及び32により1対のシャフト1を挟持したときには、各シャフト1の中心軸が一致するように、固定具46が調節される。
このように、仮付けにより組み立てられたワーク(鉄骨柱)の1対のシャフト1を夫々ポジショナ31及び32により2箇所で挟持して、ワークを支持し、シャフト1の端面とコア3のダイヤフラム5との間の溶接部を、シャフト1の端部の4辺に沿って溶接する。図8(a)は図3(a)に示す鉄骨柱のシャフトを示す断面図であり、図8(b)は図3(a)に示す鉄骨柱のシャフトを示す断面図である。本実施形態におけるシャフト1の端部(又は横断面)は、図8(a)及び(b)に示すように、コーナー部又は全てが適宜の半径で湾曲している。このため、シャフト1の端部とダイヤフラム5の表面との間の溶接線は、このシャフト1の端部の外縁に沿って形成され、図8(a)に示すシャフトの場合は4辺の直線部と4個の円弧部とから構成されるものになり、図8(b)に示すシャフトの場合は円形になる。
そして、溶接線が直線である部分については、ポジショナ31及び32は静止したままで、溶接ロボット33及び34のアーム40及び41を動かして、トーチ38を水平方向に移動させる。これにより、溶接線の直線部を溶接ワイヤ39により溶接する。一方、円弧部については、ポジショナ31及び32によりシャフト1及びダイヤフラム5をシャフト1の中心軸の周りに回転(自転)させつつ、トーチ38を円弧状に移動させる。これにより、円弧部が溶接ワイヤ39により溶接され、次順の直線部の溶接に移る。
この溶接ロボットによる溶接は、図1に示す自動溶接制御装置により制御される。図1において、2基の溶接ロボットの本体10がロボット制御装置14により制御される。この溶接ロボットの溶接トーチ11には、ワイヤ送給装置12により溶接ワイヤが送給され、この溶接ワイヤはトーチ11からワークの溶接部に向けて供給される。このワイヤの送給は、ワイヤ送給装置12により駆動され、ワイヤ送給装置12は溶接電源装置13に格納された送給モータ制御装置13aにより制御される。また、溶接電源装置13から溶接トーチ11に対して溶接電流値及び溶接電圧値の電源が供給され、溶接トーチ11を通過するワイヤに電源が供給される。
2つのロボット本体10、各ロボット本体10の首先端に設けた溶接トーチ11及びワークへ溶接電力を供給する外部装置の溶接電源13は、夫々ロボット制御装置14により制御される。一方のロボット制御装置14には、溶接するワークの姿勢を制御するポジショナ20が接続されている。また、2つのロボット制御装置14は各溶接ロボット本体10の位置制御及びインターロックのために通信ケーブルで接続されている。
ロボット制御装置14は、演算処理装置17を中心として、入力装置15、記憶装置18,ロボット本体制御装置16及び外部制御装置19が設けられている。演算処理装置17は入力装置15から入力されたデータを基に、このデータを記憶装置18に記憶したり、記憶装置18から読み出したデータを基に演算して、外部制御装置19及びロボット本体制御装置16に制御信号を出力する。ロボット制御装置14は、送給モータ制御装置13aに制御信号を出力して、ワイヤの送給速度を制御する。また、一方のロボット制御装置14はワークの姿勢を調節するポジショナ本体20を制御する。
ロボット本体は、例えば、6軸の垂直多関節型のもので、先端アームの手首部先端に溶接トーチが設けられている。このロボット本体は、教示ペンダントである教示作業入力装置による教示作業に基づく動作と、その教示作業によって作成された教示プログラム実行データに基づいて溶接トーチ先端を再生する再生動作とを行う。
ポジショナは、例えば、鉄骨柱ワークの2箇所を支持する両持1軸のもので、この支持駆動部材にワークを保持するワーククランプ部があり、このワーククランプ部にクランプしたワークの各溶接継手をロボット制御装置からの指令によりポジショナ制御装置が回転駆動させ、ロボット本体に対して適性な溶接姿勢とするものである。
溶接電源は、例えば、炭酸ガスシールド消耗電極溶接方式のもので、溶接トーチとワークとに溶接電力を供給する溶接電力供給電源部と、センシング電源部とを兼用するようになっている。溶接電力供給電源部はロボット制御装置の溶接電源制御部からの溶接開始及び終了指令並びに溶接電流及び電圧の溶接条件指令等を受けて、この溶接条件指令による溶接電力を溶接トーチ及びワークに供給する。センシング電源部は、ロボット制御装置の溶接電源制御部からのセンシング開始及び終了指令を受けて溶接トーチとワークとにセンシング電圧を供給する。
ロボット制御装置14は、演算処理装置17と、記憶装置18と、ロボット本体の各アーム及びポジショナの位置を制御するロボット本体制御装置16と、溶接電源13等の外部制御装置19と、入力装置15等とからなっている。
演算処理装置17は、ロボット本体の教示演算指令動作と、ロボット本体と溶接電源とによる再生演算指令動作等を行う。記憶装置18には、教示プログラム記憶部と一次記憶部があり、教示プログラム記憶部は教示作業による各ワークの教示プログラムを記憶しており、一次記憶部は、溶接継手センシング動作による各検出情報等の各演算部での演算値を一時的に記憶している。ロボット本体制御装置16は、ロボット動作演算部からの教示演算指令によりロボット本体を移動制御する。外部制御装置19には、溶接継手検出制御部と溶接電源制御部があり、溶接継手検出制御部はセンシング動作による溶接継手位置検出情報を溶接継手センシング演算部に出力し、溶接電源制御部は、ロボット動作演算部から入力の溶接開始及び終了指令又は溶接電流及び電圧の溶接条件指令等を溶接電力供給電源部に出力すると共に、入力の溶接継手センシング開始及び終了指令をセンシング電源部に出力する。
而して、本実施形態の自動溶接制御装置においては、上述の1対のロボット制御装置14に対し、コンピュータ100から、同時溶接しようとする1対の継手の組み合わせに関する制御信号が入力される。図9はコンピュータの溶接順序演算部の構成を示すブロック図である。本実施形態の自動溶接制御装置におけるコンピュータ100は、CPU(中央演算処理装置)、入力装置及び記憶装置を備え、図9に示すように、機能的には、溶接順序演算部101として、継手組み合わせ演算部102、同時溶接可否判定部103、パススケジュール判定部104、シングル交互溶接判定部105及びシングル交互溶接順序演算部106が設けられている。
継手組み合わせ演算部102は、各継手の数箇所のギャップ幅データから、組となる継手間のギャップ差が小さくなる継手の組み合わせを演算する。この演算は複数継手の中から2つの継手を取り出し、ギャップ幅測定箇所毎に継手間ギャップ差を求め、複数の測定個所から継手間ギャップ差平均値を求める。全ての継手間において、夫々の組み合わせの継手間ギャップ差平均値を求め、その合計が最小となる組み合わせを選択する。
なお、全ての継手間の組み合わせに対して演算するのではなく、ワーク仮組等の作業でギャップ差を調整し易いこと等を考慮し、継手形状別にグルーピングし、そのグループ内で組み合わせを求めることもできる。例えば、鉄骨柱の柱長さを合わせる際、2つの仕口間のシャフト部を位置調節し、仕口ダイヤフラムとシャフト部の溶接継手のギャップ幅を揃えやすいため、その継手をグループとするとよい。
同時溶接可否判定部103は、2アーク可能ギャップ差を超える組み合わせの継手はシングル溶接継手とする。
パススケジュール演算部104は、同時溶接を行う組み合わせの継手について全てのパスを同時溶接した場合の溶接条件(各パスの電流・電圧・速度等)を基に、夫々の継手の最終的な溶接の盛り高さを計算し、盛り高さがあらかじめ設定した盛り高さの許容範囲を超える場合、最終的な盛り高さが許容範囲内となるようなnパス分(1≦n≦多層盛りパス数)の同時溶接を行わないシングルパス溶接パスを決定する。
シングル交互溶接判定部105は、シングル溶接継手が中間ダイヤフラム等の熱歪みの影響を受けやすいワーク形状である場合に、交互溶接とする。
シングル交互溶接順序演算部106は、Jを継手番号、Pをパス番号として、2つのシングル溶接継手J1、J2の溶接順序P1乃至Pnが、J1P1→J2P1→J2P2→J1P2→J1P3→J2P3→J2P4→J2P4→J2P5・・・→J2Pn−1→J2Pn→J1Pnとなるように溶接順序を決定する。なお、ここで決定される溶接順序にパス分割を組み合わせてもよい。
上述の如く構成された各構成部分により、(1)測定したギャップ幅を記憶する記憶装置と、(2)これらの信号を伝達する回路と、(3)適正ギャップ幅の範囲記憶器の保存データとギャップ幅に応じたウィービング幅及び溶接速度等の溶接条件を計算する演算器と、(4)同時溶接に関して効率の良い組み合わせを計算する演算器と、(5)同時溶接できない場合にシングル交互溶接の組み合わせを計算し、これらの組み合わせに対して、熱歪の影響を少なくする溶接順序を決定する演算器と、が把握される。
上記(1)は図1に示す記憶装置18であり、上記(2)の信号伝達回路とは、ロボット制御装置14内の配線回路である。また、上記(3)乃至(5)は、図9に示すコンピュータ100内のCPUにより演算され、上記(3)は同時溶接可否判定部103とパススケジュール演算部104とにより構成される。また、上記(4)は継手組み合わせ演算部102により構成され、例えば、熱歪による変形を抑制する組み合わせ及び仮組みの作業性を優先した組み合わせ等を計算する。上記(5)はシングル交互溶接判定部105とシングル交互溶接順序演算部106とにより構成される。
次に、上述の装置を使用して、2つの溶接ロボット33及び34により、コア3のフランジ部5とシャフト1との溶接部のうちの2箇所を同時に溶接する際の制御態様について説明する。
建築鉄骨のコラム柱及びパイプ柱等の溶接(ルートギャップが異なる裏当金方式レ型開先)を、炭酸ガスをシールドガスとして使用する2台の溶接ロボットを使用して溶接する場合において、溶接線が直線の部分はポジショナ31及び32を固定して自動溶接し、溶接線が円弧状に曲がっている部分ではポジショナ31及び32を回転させながら自動溶接する。
図10乃至図12はこの制御方法を示すフローチャート図である。先ず、測定結果に基づく入力値又はロボットのタッチセンシングによる測定結果から、継手内の代表的な箇所におけるギャップ幅を記憶する(ステップS1)。次に、1継手中の全てのギャップ測定箇所の記憶が完了し(ステップS2)、全継手のギャップの記憶が完了した場合は(ステップS3)、全ての継手を2つの継手づつ、組み合わせて継手ペアに割り振る(ステップS4)。そして、この継手ペア(2継手)を取り出し(ステップS5)、2継手間で同じ測定箇所からギャップ差を計算する(ステップS6)。その後、複数の測定箇所のギャップ差の平均値を求める(ステップS7)。
次いで、全ての継手ペアのギャップ差の平均値を計算した後(ステップS8)、全ての継手ペアのギャップ差の平均値を合計する(ステップS9)。その後、全ての組み合わせについて、継手ペアのギャップ差平均値を計算する(ステップS10)。次いで、平均値合計値の最小値が得られる組み合わせを決定する(ステップS11)。そして、熱歪みと仮組作業を優先した組み合わせを決定する(ステップS12)。次いで、決定した組み合わせから、1つの継手ペアを取り出す(ステップS13)。そして、全てのギャップ差が同時に溶接可能なギャップ差以内か、否かを判断する(ステップS14)。次いで、全てのギャップ差が同時に溶接可能なギャップ差以内である場合は、同時溶接のパススケジュールを計算する(ステップS15)。そして、全ての継手の溶接順序を並べ(ステップS18)、溶接を開始する(ステップS19)。
全てのギャップ差が同時に溶接可能なギャップ差以内でない場合(ステップS14)は、シングル溶接継手である場合に(ステップS16)、交互溶接に並べ替える(ステップS17)。そして、全ての継手の溶接順序を並べ(ステップS18)、溶接を開始する(ステップS19)。
これにより、溶接線の長さがほぼ同じ継手を同時に溶接することが可能になる。同時溶接で組み合わされる継手のギャップ差が大きいと、同時溶接できなくなるパス及び継手が出てくるが、本発明においては、このギャップ差が小さくなるようにしているので、同時溶接できる継手が多く、作業時間を短縮できる。また、熱歪を考慮すると、中間ダイヤフラム等のかさ折れ等が発生しやすい継手を優先して組み合わせ、ワークの変形を防ぎ、後工程での手直し作業時間を無くすことができる。また、仮組の作業性を優先し、鉄骨柱のシャフト部の両端を組み合わせると、2個の仕口間に挟まれるシャフトの位置調整がし易い。更に、残りの継手がギャップ差の大きい組み合わせとなり、同時溶接ができなくなり、かさ折れ等が発生しやすい継手の場合、交互溶接となるような溶接順序に変更し、ワークの変形を防ぎ、後工程での手直し作業時間を無くすことができる。この交互溶接とは、ダイヤフラムを挟む2個の継手を1パス毎に、交互に連続して溶接することをいい、ダイヤフラムのかさ折れを抑制できる。更にまた、地面に固定されたポジショナ上にワークがセットされ、ポジショナから遠い継手から近い継手の順序で溶接を行い、熱歪の影響を少なくできる。近い継手を先に溶接すると、クランプ位置から外に向かって複数の継手が位置ずれしてしまうが、遠い継手から溶接を始めれば、その継手しか位置ずれが生じないので、全体の位置ずれを回避できる。
本発明の実施形態の自動溶接制御装置を示すブロック図である。 自動溶接装置を示す図である。 (a)及び(b)は溶接により組み立てられる鉄骨柱を示す斜視図である。 図3(a)に示す鉄骨柱の組み立て図である。 (a)は図3(a)に示す鉄骨柱のコアの構造を示す斜視図であり、(b)は図3(b)に鉄骨柱のコア構造を示す斜視図である。 コア3を溶接により組み立てる方法を示す図である。 溶接時のセンシング動作を示す図である。 (a)は図3(a)に示す鉄骨柱のコア及びシャフトを示す断面図であり、(b)は図3(a)に示す鉄骨柱のコア及びシャフトを示す断面図である。 コンピュータの溶接順序演算部の構成を示すブロック図である。 本実施形態の溶接制御方法を示すフローチャート図である。 同じく、本実施形態の溶接制御方法を示すフローチャート図である。 同じく、本実施形態の溶接制御方法を示すフローチャート図である。
符号の説明
1:シャフト
2:仕口
3:コア
4:鋼管
5:ダイヤフラム
6:裏当材
10:溶接ロボット本体
11:溶接トーチ
12:ワイヤ送給装置
13:溶接電源装置
13a:送給モータ制御装置
14:ロボット制御装置
15:入力装置
16:本体制御装置
17:演算処理装置
18:記憶装置
19:外部制御装置
20:ポジショナ本体
31、32:ポジショナ
33、34:溶接ロボット
35:台車
36:コンジットチューブ
37:溶接ワイヤ供給容器
38:トーチ
39:溶接ワイヤ
40、41:アーム
42:電源装置
43:ケーブル
44:台
45:回転部
46:固定具
50:レール
101:溶接順序演算部
102:継手組み合わせ演算部
103:同時溶接可否判定部
104:パススケジュール演算部
105:シングル交互溶接判定部
106:シングル交互溶接順序演算部

Claims (6)

  1. 複数の溶接ロボットを使用して同一ワークの複数の継手を同時に溶接する自動溶接制御装置であって、測定したギャップ幅を記憶する記憶装置と、これらの信号を伝達する回路と、適正ギャップ幅の範囲記憶器の保存データとギャップ幅に応じたウィービング幅及び溶接速度等の溶接条件を計算する演算器と、溶接対象の継手の中からギャップ幅が近い継手同士の組合せを計算する演算器と、を有することを特徴とする自動溶接制御装置。
  2. 前記組み合わせを計算する演算器は、熱歪による変形を抑制する組み合わせを計算することを特徴とする請求項1に記載の自動溶接制御装置。
  3. 前記組み合わせを計算する演算器は、仮組みの作業性でギャップ差を調整し易い継手を優先とした組み合わせを計算することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動溶接制御装置。
  4. 更に、同時溶接できない場合、シングル交互溶接の組み合わせを計算し、その組み合わせに対して、熱歪による変形を抑制する溶接順序を計算する演算器を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動溶接制御装置。
  5. 前記熱歪による変形を抑制する組み合わせの計算、仮組みの作業性でギャップ差を調整し易い継手を優先とした組み合わせの計算及びシングル交互溶接計算は、夫々単独で行われることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の自動溶接制御装置。
  6. 前記熱歪による変形を抑制する組み合わせの計算、仮組みの作業性でギャップ差を調整し易い継手を優先とした組み合わせの計算及びシングル交互溶接計算は、優先順位を決めて併用されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の自動溶接制御装置。
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