JP4353857B2 - 溶接ロボットによる自動溶接方法 - Google Patents

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本発明は、従来オペレータが行っていた原点検出をロボット自身に行わせることにより、原点検出作業の自動化を可能とするとともに、ロボット溶接開始前の準備時間を短縮し、かつ安全性を確保することができる溶接ロボットによる自動溶接方法に関する。
溶接ロボットによるワークの溶接は、例えばワークを床上に直接置くか、又はワーク取付定盤(以下、ポジショナという)に固定して行われる。しかし、ワーク配置位置又はポジショナへのワーク取り付け位置に誤差を生じる場合がある。そのため、従来より、自動溶接を行う教示プレイバック式の溶接ロボットには、ワークの位置ずれ及び開先状態を検出するワーク状態検出部が設けられている。
ワーク状態検出部で検出したワークデータに基づいて教示プログラムの教示データを補正し、補正後のプログラム(以下、溶接プログラムという)に従って溶接ロボットの動作が制御される。即ち、溶接ロボットにおいては、教示作業により作成された教示プログラムの例えばワーク教示位置を、前記溶接ロボットに設けたワーク状態検出センサによるセンシングによって検出したデータに基づいて補正し、これによって、ワーク溶接線に対する溶接トーチの位置のずれを解消していた。
溶接ロボットに自動溶接作業を行わせるためには、ロボットの制御プログラムとしての溶接プログラムが必要であり、最近では、作業対象の個々のワーク寸法を直接制御装置に入力しなくても、作業対象のワークを選定し、配置するだけで、自動的にロボットアームの動作軌跡を求めて溶接プログラムを作成する溶接プログラムの作成技術が提案されている。
このような溶接プログラムの作成技術として、例えば異なる形状のワーク毎に、ワーク上における溶接ロボットのツール先端の移動経路の座標位置を、前記ワークの位置決め位置をパラメータとする変数として記述された基本プログラムを作成しておき、作業対象のワークの形状を示すデータと前記ワークが位置決めされた際の位置決め位置の座標位置を示すデータを入力すると、入力されたワークデータに基づいて対応する基本プログラムを選択し、前記入力された位置決め座標位置データに基づいて選択された基本プログラム上の移動経路の座標位置をロボット座標軸上の絶対座標位置に変換して溶接プログラムを作成する技術が挙げられる(特許文献1、図8等)。
特許第3351912号公報
しかしながら、このようなプログラム作成技術によって作製した溶接プログラムに従ってロボット溶接を行う場合であっても、以下のような問題点があった。即ち、移動装置としての溶接ロボットの自動運転開始前の停止位置であるロボット原点とワークの溶接開始の基準点であるワーク原点とが大きく離れている場合があり、これを補正する必要がある。従って従来は、このようなロボット原点とワーク原点とのずれ量をオペレータ自身が実測して結果を制御パソコンに入力していた。
即ち、ロボットによる自動溶接作業を開始するに際し、オペレータは、まず制御パソコン(以下、制御装置ともいう)と、ポジショナと、ロボットの主電源をONにし、次いで、ワークをポジショナに搭載し、実ワークの寸法又はワーク選定データを制御装置に入力し、その後、原点検出を行っていた。
図10は、従来の原点検出方法を模式的に示した図である。図10において、ワークを片持ち支持する矩形のポジショナ21と、このポジショナ21に支持された柱状のワーク23と、ポジショナ21の回転軸22の延長線上に設けられた溶接ロボットの原点Pと、このロボットの原点Pからワーク23の端部までの距離を巻き尺24を使用して測定するオペレータ25が記載されている。
原点検出を行うオペレータ25は、先ずワーク23へ近づき、図示省略したロボットをワーク端部付近へ手動でリモートさせ、原点Pからワーク23の端部までの距離を巻き尺24を使用して測定し、次いでロボットを原点Pまで戻し、その後オペレータはワーク23から離れ、前記測定した値を原点距離として制御パソコンに入力するという作業を行っていた。このようにして原点距離データが入力された制御パソコンは、入力データに基づいて教示プログラムを補正して溶接プログラムを作成する。
その後、オペレータによる周辺装置のチェック、ポジショナ制御盤の自動スイッチON、ポジショナ及びロボットのサーボ電源ON、ロボット操作パネルのスタートボタンのON等の操作を経て溶接ロボットが原点Pから最初のポジショナ21まで移動し、溶接プログラムに従ってワークの自動溶接を開始する。
このように、従来は、溶接ロボットの原点Pから溶接対象であるワーク23の端部までの距離をオペレータ自身が実測し、制御パソコンに入力するという煩雑な原点検出操作が必要であり、完全な自動化が阻害されるだけでなく、オペレータによる作業負担が大きいという問題点があった。
また、従来は溶接ロボットが示す座標を原点検出の補助として使用していたことから、複数のポジショナを有する場合には、複数のワークの準備を完全に終えた後、溶接作業をスタートさせる必要があり、相当の準備時間が必要になるという問題点があった。なお、ワークをポジショナに搭載しなければ、原点位置を決定することができないという問題点もあった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ロボット自身に原点検出を行わせることにより、オペレータによる原点検出作業をなくし、ロボット溶接の自動化を可能にするとともに、溶接準備時間を短縮し、安全性を確保することができる溶接ロボットによる自動溶接方法を提供することを目的とする。
本願発明に係る溶接ロボットによる自動溶接方法は、教示作業により作成された教示プログラムの教示データを、ワークデータに基づいて補正した溶接プログラムに従って溶接ロボットの溶接用トーチを動かして、ワークを自動溶接する自動溶接方法において、前記溶接ロボットの溶接開始前の停止位置をロボット原点とし、前記ワークの溶接開始の基準点をワーク原点として、前記ロボット原点から前記ワークに向けて、既知の長さの複数のゾーンで区切られたスケールを配置し、オペレータが、前記ワーク原点が存在する所定のゾーンを把握すると共に、前記ロボット原点側の第1のゾーンから前記所定のゾーンの1個手前のゾーンまでの個数及び長さに基づいて前記ロボット原点から前記所定のゾーンの前記ロボット原点側の端縁までの距離を求めてこれをロボット制御装置に入力し、前記ロボット制御装置は、その入力データに基づいて原点検出プログラムを作成し、作成した原点検出プログラムに基づいて、前記溶接ロボットを前記第1のゾーンから前記所定のゾーンの前記端縁までは一気に移動させ、前記所定のゾーン内では前記溶接ロボットに設けたタッチセンサによりタッチセンシングすることにより前記溶接ロボット自身に前記ワーク原点を検出させるように前記溶接ロボットを制御し、これにより、前記ロボット原点と前記ワーク原点とのずれ量を検出し、前記ロボット原点と前記ワーク原点との間のずれ量をもとに、前記溶接プログラムを補正して、補正後の溶接プログラムに従って溶接ロボットを制御することを特徴とする。
本願発明に係る溶接ロボットによる自動溶接方法によれば、ロボットの原点とワークの原点とのずれ量の検出を予めロボット自身に行わせるようにしたことにより、オペレータによる原点検出が不要になるので、溶接ロボットによるワーク溶接を自動化することができる。また、溶接開始前の準備時間を短縮するとともに、安全性を向上させることができる。
また、ロボットが示す座標を原点検出の補助として使用する必要がないので、複数のワークを有する場合に、予め全てのワークを準備する必要がなくなり、自動溶接開始後に次順位のワークデータを入力できるので、作業効率が向上する。更に、ロボットの原点からワークの原点までの距離が長くても従来のように二人又はそれ以上のオペレータが必要になることもない。
本願発明において、ロボット原点とワーク原点との間、即ちロボット原点とワーク原点とを結ぶ見掛上の直線上に所定間隔で区切った複数のゾーンを設け、ロボット原点からワーク原点が存在するゾーンの原点までの距離を予めオペレータがロボット制御装置に入力し、入力データに基づいて原点検出プログラムを作成し、作成した原点検出プログラムに基づいて前記溶接ロボット自身に前記ワークの原点が存在するゾーン内におけるワーク原点の検出を行わせることにより、溶接ロボットのセンシング範囲を著しく狭くすることができるので、原点検出に要する時間を短縮することができる。
本発明において、原点検出用センサとしてタッチセンサを用いることにより、原点検出精度が向上する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る溶接ロボットによる原点検出方法を示す模式図であり、図1(a)は模式的な平面図、図1(b)はロボットから見た模式的な正面図である。
本実施形態に適用される溶接ロボットは、図示省略したロボット本体と、ロボット制御装置とを有している。ロボット本体は、例えば6軸の垂直多関節型のもので、各アームを揺動等させるための直流モータと位置検出器が設けられている。また、ロボット本体の手首部先端には溶接用トーチと共に、例えばタッチセンサが原点検出用センサとして取り付けられている。
ロボット本体は、ロボット制御装置からの位置制御信号を受けて各アームを動作し、溶接トーチの先端を教示プログラム実行データに基づいて再生動作するように構成されている。
ポジショナ11は、例えばワーク13(図1(b)参照)の片側を支持する片持1軸のもので、この支持駆動部材にワーク13を保持する図示省略したワーククランプ部を有している。ワーククランプ部にクランプされたワーク13の各溶接継手は図示省略したポジショナ制御装置によって回転駆動され、ロボット本体による適正な溶接姿勢に調整される。
溶接対象となるワークは、例えば溶接継手で構成される建設部材である。図2は、本発明の溶接ロボットによる原点検出方法が適用される省スペース型・コア仕口兼用溶接ロボットシステムで溶接の対象となるワークとしての建設部材を示す説明図である。
図2において、コラムコア(a)、パイプコア(b)、SRCコア(c)、テーパコア(d)、S造仕口(e)、SRC仕口(コアタイプ)(f)、SRC仕口(梁通しタイプ)(g)が夫々記載されている。なお、各建設部材において、太線部分が溶接対象部分である。
図3は、前記コラムコア(a)を示す拡大図であり、図3(a)は斜視図、図3(b)は継手部分を示す断面図である。図3(a)において、コラムコアはT継手として主にコア溶接部を有するものであり、正方形の平板からなるダイヤフラム1が四角柱状のコラム2を介して多数積層されており、ダイヤフラム1とコラム2との間にコア溶接が施される。図3(b)において、断面が長方形のダイヤフラム1の長辺に対し、断面長方形で、1つの角を切り欠いて所定の開先角度θを形成したコラム2がダイヤフラム1の溶接面に対して直角となるように所定のルートギャップdを隔てて配置されている。溶接部であるルート部下面には裏当金3が配置されている。
また図4は、上記S造仕口(e)を示す拡大図であり、図4(a)は斜視図、図4(b)は継手部分を示す断面図である。図4(a)において、S造仕口はダイヤフラム1の上部正方形部分の対向する2辺に対し、夫々ダイヤフラム1を支持するコラムと同じ高さの梁成を有する梁フランジ4の上部長方形の1辺が当接するように配置されている。またダイヤフラム1の上部正方形部分の他辺側のコラム部に対し、梁フランジ4よりも高さが低い梁フランジ5が段差継手として当接されており、ダイヤフラム1と梁フランジ4及び5との接合面に主として仕口溶接が施される。図4(b)において、断面四角形のダイヤフラム1の1辺に対し、断面長方形で、1つの角を切り欠いて所定の開先角度θを形成した梁フランジ4が直角となるように所定のルートギャップdを隔てて配置されている。溶接部であるルート部下面には裏当金3が配置されている。
一方図5は、本発明の溶接ロボットによる原点検出方法が適用されるコア連結溶接ロボットシステムで溶接の対象となるワークとしての建設部材を示す説明図である。図5において、コラムコア(a)、パイプコア(b)、SRCコア(c)、テーパコア(d)及び異形ダイヤフラムコア(コラム、パイプ、SRC)(e)が夫々記載されている。なお、各建設部材において、太線部分が溶接対象部分である。
また図6は、本発明の溶接ロボットによる原点検出方法が適用される柱大組立溶接ロボットシステムにおいて溶接の対象となる建設部材を示す説明図である。図6において、コラムコア(a)、パイプコア(b)、SRCコア(c)、異形ダイヤフラムコア(コラム、パイプ、SRC)(d)、S造仕口(e)、SRC仕口(コアタイプ)(f)、SRC仕口(梁通しタイプ)(g)と、鉄骨柱であって、角型鋼管を使用した最も多いタイプであるコラム柱(h)、円形鋼管を使用した鉄骨柱であって最近では柱内にコンクリートを流し込むCFTと呼ばれるものもあるパイプ柱(i)、H型鋼の組み合わせであって、梁の取り付けの有無により断面形状がT型、I型、L型等があるSRC柱(j)、柱体(ノンブラケット)工法(コラム、パイプ、SRC)(k)及び平板4枚で柱が構成され、ほとんどの場合、大手ファブで製作されるボックス柱(l)が夫々記載されている。なお、各建設部材において、太線部分が溶接対象部分である。
図7は、図6のコラム柱(h)の建築現場における建て方の概略を示す説明図である。図7において、コラム柱6には、例えば縦方向3箇所に梁部分7が溶接されたものを1単位とし、このような単位コラム柱8が建築現場において多数溶接、連結されることによって鉄骨構造体が構成される。単位コラム柱8を形成するコラム柱6の3箇所の梁部分が夫々下から1階の天井部分、2階の天井部分及び3階の天井部分となる。
次に、上述した図1及び、図8に示した自動溶接方法のフロー図に従って本実施形態における溶接ロボットによる原点検出方法及び自動溶接方法を説明する。
図8は、本発明が適用される自動溶接方法のフロー図である。図8において、先ず、オペレータは溶接ロボット装置における各種装置の電源を入れる。即ち、ロボット制御装置の電源、ポジショナの主電源及びロボットの主電源をONにする(ステップ1)。
次に、オペレータはワークをポジショナに搭載する。即ち、ワークをポジショナに搭載し、指定の組立精度で仮取り付けし、ワークの表面に付着した鉄粉、防錆剤等の異物を除去し、ワークのセットを行う(ステップ2)。
次いで、オペレータは実ワークの寸法又はワーク選定データを制御パソコンに入力する(ステップ3)。即ち、オペレータは溶接対象である全てのワークについてそのワーク寸法を実測して制御パソコンに入力する。但し、予め寸法が測定されているもの又は寸法が決定されているものについてはワークの選定を行うことにより、登録済みデータから既知のワーク寸法が選択し、決定される。
次いで、オペレータはロボットによる原点検出のために、ゾーンの位置データを制御パソコンに入力する(ステップ4)。
図1(a)において、ロボット10のワーク端部14までのセンシングストローク幅Dが記載されており、このセンシングストローク幅Dは測定可能範囲Daと干渉回避距離Dbとに分けられる。
図1(b)において、データ入力の原点位置であるロボットの原点Pがポジショナ11の回転軸12の延長線上に設けられており、ロボット原点Pと工場の床面上に設けた計測スケール15の原点0が重なるように、前記ポジショナ11の回転軸12の真下の床面に計測スケール15が設置されている。計測スケール15の目盛り幅は、例えば500mm間隔である。
オペレータは、ワークとしての、例えば柱13の端部14が存在するゾーンを目視によって決定し、該当するゾーンの原点、即ち柱13の端部14が位置するゾーンのロボット原点Pに最も近い目盛りまでの距離Dを前記床面に設けられた計測スケール15により目視測定し、図1(b)のように、柱13の端部14がロボットの原点Pから1500mm乃至2000mmのゾーンにある場合は、ゾーンの位置データDとして1500mmを決定し、これを制御パソコンに入力する。ゾーンの位置データを入力した制御パソコンは入力データに基づいて原点計測プログラムを作成する。従って、ゾーンの位置データは後述するロボットによる原点検出の際の基準となる。なお、このときオペレータはワーク端部14にセンシング検出面があることを確認する。
次に、オペレータは周辺装置のチェックを行う(ステップ5)。即ち、取付ノズルの確認、エアー源の確認、シールドガスの確認、ワイヤ残量の確認、スプリングライナの清掃、ノズルオートチェンジャーの清掃及びチップ、オリフィスの清掃、交換を行う。
次いで、オペレータはロボット制御盤の教示/再生スイッチを再生にし(ステップ6)、ポジショナ制御盤の手動/自動スイッチを自動にする(ステップ7)。
また、オペレータは安全柵外への退避、及びロボット周辺に人はいないか等の安全確認を行った(ステップ8)後、ポジショナ及びロボットのサーボ電源をONにする(ステップ9)。
次に、オペレータは制御パソコンのデータ入力画面「スタート」メニューをクリックし、ロボットにスタート命令を送信した(ステップ10)後、ロボット操作パネルのスタートボタンをONにする(ステップ11)。
ロボット操作パネルのスタートボタンをONにしたことにより、ロボットの運転が開始する。溶接ロボット10は、ゾーンの位置データに基づいて原点計測プログラムを作成した制御パソコンからの指令を受けて原点計測プログラムを実行し、移動台車左右軸を使用したタッチセンシングにより原点検出を行う(ステップ12)。
この際、図1(b)から明らかなように、ロボットの原点Pから1500mm以内の領域にはワークの端部14が存在することはないから、ロボットは原点Pから1500mmの位置まではタッチセンシングすることなく高速で移動し、原点Pから1500mmの地点以降、即ち、ワークとしての柱13の端部14が存在するゾーン内に対してタッチセンシングを行い、原点Pからワーク端部14までの距離を1500+αmmとして検出し、これを制御パソコンに送信する。
信号を受けた制御パソコンは、この原点距離に基づいて教示プログラムを補正し、補正後の溶接プログラムを作成し、溶接プログラムに従って溶接ロボットを制御する。制御パソコンによって制御される溶接ロボットは補正後の溶接プログラムに従って溶接操作を開始する。
このようにして溶接操作を開始したロボット10は以下、順次ワーク状態検出用センサによってポジショナへのワーク取り付け位置のずれを検出し、ワークの、例えば太線で示した溶接線に対し、例えばコア溶接又は仕口溶接を行う(ステップ13)。
全ての溶接操作が終了した(ステップ14)後、オペレータはポジショナ及びロボットのサーボ電源をOFFにし、ワークを搬出して溶接ロボットによる一連の自動溶接を終了する(ステップ15)。
本実施形態によれば、ロボットの原点Pとワークの原点とのずれ量の計測を溶接開始前に溶接ロボットに行わせるようにしたことにより、オペレータによる巻き尺等の道具を使用した実測作業がなくなり、ロボット溶接開始前の準備時間を短縮することができる。
また、ロボットを停止させ、安全性を確保した上でオペレータが安全柵内のワークに近づくという煩雑な作業が不要となり、高い安全性を確保することができるうえ、ロボットの原点から最初のワークまでの距離が長い場合であっても従来技術のように二人以上のオペレータが必要になることはない。
更に、従来技術のようにロボットを原点計測の補助として使用する必要がないので、複数のワークを有する場合でも、1つ目のワークに対して自動溶接を開始した後に、次のワークをポジショナに搭載して予約運転を行うことができるので、準備時間を短縮することができる。
本実施形態において、オペレータが目視計測して決定したゾーン位置データは、ロボットの原点に対するワークを固定するポジショナの回転軸方向、即ち横方向(図1(b)における−Y方向)の距離データの修正用として利用される。ワークである鉄骨柱は計測方向に対して大きくずれて固定される場合がある。ゾーン位置データを入力することにより、全ての計測範囲を検出動作することなく、ゾーン位置からワーク検出までの距離を短くすることができるため、タクトタイムの短縮につながる。
本実施形態において、溶接ロボットに取り付けられるセンサは、例えばタッチセンサであり、センサの先端部とワークとの間に所定の電圧をかけ、センサの先端部がワークに接触した場合に通電を感知し、その場所を記憶するものが好適に使用される。
図9は本発明の他の実施形態を示す図である。図9において、ワークとしての柱13の端部14に対して移動台車によるストローク分Dだけ離れた位置にロボット10が配置されている。ロボット10は、予めオペレータによるゾーンの位置データの提供を受けることなく、原点方向から最初のワークである柱13の端部14まで移動台車によってセンシングしつつ移動し、ワークの原点を検出する。即ち、溶接ロボットは制御パソコンによってゾーン位置データをゼロとして作成された原点計測プログラムに従い、ロボットの原点Pからワーク端部14までの距離の全てをタッチセンシングによって計測する。得られた原点検出結果を制御パソコンに送信し、以下、上述した実施形態と同様に溶接プログラムを作成し、この溶接プログラムに基づいて同様の自動溶接を行う。
本実施形態によれば、オペレータによる目視によるゾーンの位置データ決定及び制御パソコンへの入力を行うことなく、最初からロボットだけによる完全自動溶接を行うことができる。原点検出に伴う実測作業がなくなるので、ワーク及びロボットに近づく必要がなく、オペレータの移動時間を短縮することができる。また、ロボットの原点とワークの原点とのずれをロボット自身が検出し、教示プログラムを補正して自動溶接を行うので、ワークをラフに置くことができ、ワークのセット時間を短縮することができる。
本発明の溶接ロボットによる自動溶接方法は、ワークをポジショナに搭載して自動溶接を行う鉄骨柱大組立溶接システムに好適に適用されるが、その他鉄骨の梁、橋梁の板桁をはじめ、種々のワークの溶接に適用することができる。
原点検出をロボット自身に行わせ、オペレータによる実測作業を不要にし、溶接準備時間の短縮、安全性の向上を図るとともに、ロボット溶接を自動化することができる本発明の溶接ロボットによる原点検出方法は、各種機器、装置の製造分野、自動溶接の分野で特に有用である。
本発明の実施形態に係る溶接ロボットによる原点検出方法を示す説明図である。 本発明が適用される省スペース型・コア仕口兼用溶接ロボットシステムで溶接の対象となる建設部材を示す図である。 ワークとしてのコラムコアを示す説明図である。 ワークとしてのS造仕口を示す説明図である。 本発明が適用されるコア連結溶接ロボットシステムで溶接の対象となる建設部材を示す図である。 本発明が適用される柱大組立溶接ロボットシステムで溶接の対象となる建設部材を示す図である。 図6のコラム柱(h)の建築現場における建て方のイメージを示す説明図である。
溶接ロボットによる自動溶接方法を示すフロー図である。 本発明の他の実施形態を示す図である。 従来技術を示す図である。
符号の説明
1:ダイヤフラム
2:コラム
3:裏当金
4:梁フランジ
5:梁フランジ
6:コラム柱
7:梁部分
8:単位コラム柱
10:ロボット
11:ポジショナ
12:回転軸
13:ワーク(柱)
14:ワーク端部
15:計測スケール
21:ポジショナ
22:回転軸
23:ワーク(仕口)
24:巻き尺
25:オペレータ

Claims (1)

  1. 教示作業により作成された教示プログラムの教示データを、ワークデータに基づいて補正した溶接プログラムに従って溶接ロボットの溶接用トーチを動かして、ワークを自動溶接する自動溶接方法において、前記溶接ロボットの溶接開始前の停止位置をロボット原点とし、前記ワークの溶接開始の基準点をワーク原点として、前記ロボット原点から前記ワークに向けて、既知の長さの複数のゾーンで区切られたスケールを配置し、オペレータが、前記ワーク原点が存在する所定のゾーンを把握すると共に、前記ロボット原点側の第1のゾーンから前記所定のゾーンの1個手前のゾーンまでの個数及び長さに基づいて前記ロボット原点から前記所定のゾーンの前記ロボット原点側の端縁までの距離を求めてこれをロボット制御装置に入力し、前記ロボット制御装置は、その入力データに基づいて原点検出プログラムを作成し、作成した原点検出プログラムに基づいて、前記溶接ロボットを前記第1のゾーンから前記所定のゾーンの前記端縁までは一気に移動させ、前記所定のゾーン内では前記溶接ロボットに設けたタッチセンサによりタッチセンシングすることにより前記溶接ロボット自身に前記ワーク原点を検出させるように前記溶接ロボットを制御し、これにより、前記ロボット原点と前記ワーク原点とのずれ量を検出し、前記ロボット原点と前記ワーク原点との間のずれ量をもとに、前記溶接プログラムを補正して、補正後の溶接プログラムに従って溶接ロボットを制御することを特徴とする溶接ロボットによる自動溶接方法。
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