JPH07106452B2 - 自動溶接装置の開先ギャップ検出方法 - Google Patents

自動溶接装置の開先ギャップ検出方法

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JPH07106452B2
JPH07106452B2 JP24071988A JP24071988A JPH07106452B2 JP H07106452 B2 JPH07106452 B2 JP H07106452B2 JP 24071988 A JP24071988 A JP 24071988A JP 24071988 A JP24071988 A JP 24071988A JP H07106452 B2 JPH07106452 B2 JP H07106452B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、予め定めた作業内容を再生動作する自動溶接
装置における消耗電極式溶接トーチにセンシング電圧を
印加し、この溶接トーチをセンサとして用いて溶接継手
の開先ギャップを検出する自動溶接装置の開先ギャップ
検出方法に関するものである。
[従来の技術] 一般に、溶接すべき溶接継手の開先には、溶接時の溶け
込み不足を防止するために、溶接部材の板厚に応じて4
〜10mm程度の開先ギャップを予め設定する場合がある。
このギャップは、被溶接物の組立誤差によりどうしても
±2〜4mm程度変動する。また、開先ギャップを設定し
なかった場合であっても、前述の組立誤差によりギャッ
プが生じて変動する。
このような溶接継手を、溶接作業にて記憶・再生式の自
動溶接装置(以下、溶接ロッボットという)を用い、例
えば、ウィービング溶接する場合、溶接ロボットは、ギ
ャップの変動にかかわりなく、教示されたウィービング
条件にて溶接を行なう。このため、溶接ロボットによる
溶接終了後、後工程で作業員により修正溶接を行なって
いる。
この修正溶接も、あまりにもギャップ変動が激しいと作
業員による手直し溶接を必ず行なうことになり、特に組
立誤差の発生しやすい板厚の厚い溶接構造物に適用され
る溶接ロボットに、ギャップを検出しウィービング条件
を修正する機能をそなえることが望まれていた。
[発明が解決しようとする課題] そこで、溶接ロボットの記憶・演算装置を利用して、溶
接作業の前に、各溶接継手ごとにウィービング条件を教
示するとともに、各溶接継手ごとの溶接線方向でギャッ
プ変動のある位置の開先エッジ両端に溶接トーチを移動
させ位置決め教示した位置データにて、開先エッジ両端
幅すなわちギャップ変動を検知してウィービング幅を変
更するようにした技術も提案されている(特開昭61−17
2678号公報)。
この技術では、予め溶接継手の溶接線方向でのギャップ
変動のある開先エッジ位置に溶接トーチを位置決めし、
その位置データからギャップ変動を演算して求める点で
は、他の検出装置を設けることなく、ギャップ変動を検
出することができる。
しかしながら、ギャップ変動が溶接線方向の略同じ位置
で発生する傾向があるにしても、その変動量は一定では
なく溶接する度に、ギャップ変動のある開先エッジに位
置決め作業することは、溶接作業上、極めて非効率的で
あるとともに、その精度が教示のために不安定である。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされた
もので、溶接開始時にセンシング電圧を印加した溶接ト
ーチを用い、溶接トーチに他装置を付加することなく、
開先ギャップを自動的にまた確実に検出できるようにし
て、溶接作業を効率的に且つ精度よく行なえる自動溶接
装置の開先ギャップ検出方法を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明の自動溶接装置の開
先ギャップ検出方法は、 消耗電極の溶接トーチからの突出量を所定の長さに設
定するかもしくは溶接トーチの先端に所定の長さのダミ
ーチップを取り付けるかしてから、溶接トーチにセンシ
ング電圧を印加し、 第1部材の表面上の少なくとも2点と、同第1部材の
開先面上の少なくとも1点と、第2部材の開先面上もし
くは開先を形成する部材表面上の少なくとも1点とをそ
れぞれ溶接トーチにより検知してその位置情報を記憶し
た後、 第1部材の表面上の検知点の位置情報と予め入力記憶
した第1部材の所定板厚寸法とに基づいて溶接継手の開
先に生じるギャップの変動方向と平行なギャップ位置直
線を演算し、第1部材の開先面上の検知点の位置情報と
第1部材の開先角度とに基づいて又は第1部材の開先面
上の複数の検知点の位置情報に基づいて第1部材の開先
直線を演算するとともに、第2部材の開先面上もしくは
部材表面上の検知点の位置情報と第2部材の開先角度と
に基づいて又は第2部材の開先面上もしくは部材表面上
の複数の検知点の位置情報に基づいて第2部材の開先直
線を演算し、 上記ギャップ位置直線と上記第1部材の開先直線との
交点と、上記ギャップ位置直線と上記第2部材の開先直
線との交点とをそれぞれ演算してから、 得られた2つの交点間の距離を溶接継手のギャップし
て演算し検出する ことを特徴としている。
[作用] 上述した本発明の自動溶接装置の開先ギャップ検出方法
では、自動溶接装置における記憶・演算装置とセンシン
グ電圧を印加した溶接トーチとを用いることにより、溶
接継手の開先ギャップが検出されるので、溶接トーチ以
外にギャップ検出用の特別な装置を自動溶接装置の先端
の溶接トーチ付近に設ける必要がない。また、溶接すべ
き溶接継手の形状に応じて予め第1部材,第2部材上の
各点の検知動作を教示しておくことにより、溶接継手ご
とにギャップ変動量が異なっていても自動的にギャップ
を算出・検出できるので、溶接継手ごとにその開先エッ
ジに溶接トーチを位置決めしてギャップ検出操作を行な
う必要もない。
[発明の実施例] 以下、図面により本発明の一実施例としての自動溶接装
置の開先ギャップ検出方法を説明する。
まず、第3図により、本発明の方法に適用される自動溶
接装置の1種であるアーク溶接ロボットの構成を説明す
る。第3図に示すように、多関節型のアーク溶接ロボッ
ト1の手首部1aには、消耗電極式溶接トーチ2が取り付
けられその位置と姿勢とが制御されるようになってい
る。この制御は、ロボット制御盤3もしくはこのロボッ
ト制御盤3に付属するティーチングボックス4にて行な
われる。また、溶接トーチ2には、ワイヤ(消耗電極)
が送給され、このワイヤが、常時、溶接トーチ2から適
当量だけ突出するようになっている。
そして、溶接トーチ2をセンサとして用いるべく、溶接
トーチ2とワーク7との間に溶接電圧とセンシング電圧
とを選択的に印加できるように、溶接電源6にはセンシ
ング用電源(図示せず)がそなえられている。
なお、ワーク7は、ポジショナ8により適当な位置に適
当な姿勢で固定・支持される。また、アーク溶接ロボッ
ト1によるワーク7の溶接作業は、予めその溶接作業内
容を教示しておき、ロボット制御盤3の記憶装置に記憶
されたプログラムに従って行なわれる。
以下に、本発明によるワーク7における開先ギャップの
検出方法を、上述のようなアーク溶接ロボット1を用い
て行なう場合の基本的な手順および動作について、第1
図および第2図(a)〜(e)に基づき説明する。な
お、第1図は基本的な動作を説明するためのフローチャ
ート、第2図(a)〜(e)は本発明の方法を適用でき
る溶接継手の形状を示す図である。ここで、第2図
(a)〜(e)はそれぞれレ型開先突合せ,V型開先突合
せ,I型開先突合せ,X型開先突合せ,K型開先突合せを示し
ており、各図において、符号は共通に用いられ、9a,9b
はそれぞれ溶接継手を構成する第1部材,第2部材、9c
は溶接継手の開先に生じるギャップ変動方向と平行な第
1部材9aの部材表面、9dは第1部材の開先面、9eは第2
部材の部材表面、9fは第2部材の開先面である。
第1図に示すように、開先ギャップの検出にあたり、ま
ず、溶接トーチ2からのワイヤの突出量を所定の長さに
設定してから、溶接トーチ2にセンシング電圧を印加す
る(ステップS1)。なお、ワイヤの突出長さを調整する
代わりに、ギャップ検出時のみ所定長さのダミーチップ
等を取り付け、これを、ギャップ検出後の溶接時に自動
的に取り外すようにしてもよい。
そして、予め行なわれた教示動作(第4,5図により後で
詳述する)に従って、第2図(a)〜(e)に示す各点
P1〜P6を溶接トーチ2により検知しその位置情報を記憶
する。
つまり、まず、溶接継手を形成する2つの部材9a,9bの
うちで、開先ギャップの変動方向と平行な部材表面9cを
有する第1部材9aについて、その部材表面9c上の2点
P1,P2を溶接トーチ2により検知しその位置情報を記憶
する(ステップS2)。なお、第2図(a)〜(e)に示
す溶接継手のうち、第2図(a),(e)に示す継手で
は、一方の部材9aのみが第1部材となり得(開先ギャッ
プの変動方向と平行な部材表面をもつから)、第2図
(b)〜(d)に示す継手では、左右対称であり部材9
a,9bのいずれを第1部材としてもよい。また、ここで
は、第1部材9aの部材表面9c上の2点P1,P2を検知して
いるが、この2点検知は後述する直線▲▼
(L1)を演算するためのものであるから、2点以上を検
知してもよい。
ついで、第1部材9aの開先面9d上の1点P3もしくは2点
P3,P4を溶接トーチ2により検知しその位置情報を記憶
する(ステップS3)。ここで、第1部材9aの開先面9d上
の点を検知するのは後述する開先直線L2を演算するため
であり、開先角度θが既知であれば、1点P3のみを検
知すればよい。なお、第1部材9aの板厚が厚くその開先
面長さが長いため、その開先面9d上で複数点の検知が可
能であれば、2点P3,P4(2点以上でもよい)を検知
し、開先角度θを用いることなく開先直線L2を演算す
るようにしてもよい。一方、第1部材9aの板厚が薄くそ
の開先面長さがあまりない場合には、ステップS2におけ
る2点P1,P2の検知でもまだ溶接継手全体のズレ方向を
検知できないので、開先面9d上の点P3を誤検知する可能
性が高い。そこで、ステップS2における2点P1,P2の検
知を含めて、特公昭58−39029号公報ならびに特願昭63
−30832号公報に記載された既知の技術を適用すること
が望ましい。
そして、第2部材9bの部材表面9eまたは開先面9f上の1
点P5もしくは2点P5,P6を溶接トーチ2により検知しそ
の位置情報を記憶する(ステップS4)。ここで、第2部
材9bの部材表面9eまたは開先面9f上の点を検知するのは
後述する開先直線L3を演算するためであり、第2図
(b)〜(d)に示す継手では開先角度θが既知であ
り、第2図(a),(e)に示す継手では部材9a,9bが
相互に直角に組み立てられていると想定されれば、1点
P5のみを検知すればよい。また、第2図(b)〜(d)
に示す継手において、開先角度θが不明もしくは開先
加工が一定でなければ、2点P5,P6を検知する。
なお、各点P1〜P6の検知順序は上述した順序に限定され
るものではなく、ギャップ演算に必要な各点の位置情報
がどの面上のものであるかが分かれば、どのような順序
であってもよい。
さて、以上のようにして検知点P1〜P6の位置情報を得て
から、まず、第1部材9aの部材表面9c上の2点P1,P2
位置情報と、予め入力記憶されている第1部材9aの板厚
に関する寸法tとに基づき、2点P1′,P2′を求め、こ
れらの2点P1′,P2′を通過するギャップ位置直線(開
先に生じるギャップの変動方向と平行な直線)L1を演算
する(ステップS5)。ここで、第2図(a)〜(c)に
示す継手では、寸法tは第1部材9aの板厚に相当し、ギ
ャップ位置直線L1は、第1部材9aの部材表面9cの裏側表
面に沿う直線となる。また、第2図(d),(e)に示
す継手では、寸法tは、第1部材9aの既知の設計寸法
t1,lに基づきt1−(l/2)として与えられ、ギャップ位
置直線L1は、第1部材9aの部材表面9cから寸法tだけ部
材内側の、部材9a,9b間の距離が最小となる位置を通過
する直線となる。
また、第1部材9aの開先面9d上の1点P3の位置情報と予
め入力記憶されている第1部材9aの開先角度θとに基
づいて、または、第1部材9aの開先面9d上の2点P3およ
びP4の位置情報を得ている場合にはこれら2点P3,P4
位置情報に基づいて、開先面9dに沿う開先直線L2を演算
する(ステップS6)。
同様に、第2部材9bの開先面9fもしくは部材表面9e上の
1点P5の位置情報と予め入力記憶されている第2部材9b
の開先角度θとに基づいて、または、第2部材9bの開
先面9fもしくは部材表面9e上の2点P5およびP6の位置情
報を得ている場合にはこれら2点P5,P6の位置情報に基
づいて、開先面9fもしくは部材表面9eに沿う開先直線L3
を演算する(ステップS7)。
そして、ステップS5にて演算したギャップ位置直線L
1と、ステップS6にて演算した開先直線L2との交点Q1
演算するとともに、ギャップ位置直線L1と、ステップS7
にて演算した開先直線L3との交点Q2を演算する(ステッ
プS8)。これらの交点Q1,Q2はギャップの両端点に位置
するもので、これらの交点Q1,Q2間の距離▲▼
を演算することで開先ギャップが検出される(ステップ
S9)。
次に、本発明の開先ギャップ検出方法を第2図(a)に
示すレ型開先突合せの溶接継手に適用した具体例につい
て、第4〜8図により詳細に説明する。なお、第1部材
9aの開先角度θは既知であり、開先面9d上では1点の
み検知するものとする。
まず、開先ギャップ検出のために必要な各点P1〜P5のセ
ンシングによる検知動作を教示する。つまり、第4図に
示すように、溶接トーチ2からのワイヤ2aの突出長さを
予め定められた長さとして、開先面9dを有する第1部材
9aの部材表面9c上の2点P1,P2と、開先面9d上の1点P3
と、第1部材9aに対して略垂直に組み立てられる第2部
材9bの部材表面9e上の2点P4,P5とをセンシングにより
検知するための動作を教示する。なお、各点P1〜P5は、
溶接線に対して垂直(ギャップ変動方向と平行)な所定
断面にできるだけ近くなるように設定して教示を行な
う。
そして、教示時には、再生時に各点Pi(i=1〜5)を
検知するために、各点Piごとに第4図に示すような近傍
の点Psi(i=1〜5)を教示する。つまり、第5図に
示すように、各点Pi(i=1〜5)ごとに、溶接トーチ
2の先端を点Psi(i=1〜5)に位置決めしてその位
置情報を記憶してから(ステップA2)、センシング開始
の命令コードや教示点がどの面9c,9d,9e上にあるかを所
定のアドレスにコード入力する(ステップA3)。つい
で、溶接トーチ2の先端を点Pi(i=1〜5)に位置決
めしその位置情報を記憶する(ステップA4)。ここで、
点Pi(i=1〜5)の位置情報を取り入れるのは、再生
動作時における点Psiからの溶接トーチ2の移動方向ベ
クトルを設定するためであるので、この移動方向ベクト
ルが設定されるのであれば、ステップA4では点Pi自体の
位置情報を記憶しなくてもよい。このような教示操作
は、各点P1〜P5について行なわれ(ステップA1,A5,A
6)、教示プログラムが作成される。
上述の教示操作後、作成された教示プログラムを再生す
る。このときのフローチャートを第6図に示す。再生時
の点P1を検知するために、まず、溶接トーチ2を点Ps1
に位置決めし(ステップB1,B2)、溶接トーチ2にセン
シング電圧を印加(ステップB3)。次に、点P1へ向けて
溶接トーチ2を移動させ(ステップB4)、ワイヤ2aが第
1部材9aの部材表面9cと接触して通電状態になったとき
(ステップB5)、その溶接トーチ2先端の位置情報を再
生時の点P1の位置情報として指定アドレスに格納・記憶
する(ステップB6)。同様にして、再生時の点P2〜P5の
位置情報を検知してその位置情報を記憶する(ステップ
B7,B8)。
なお、第6図には図示していないが、溶接トーチ2を点
Piへ向けて移動させている場合に、溶接トーチ2が教示
時の点Piを通過してある距離に達しても通電状態になら
ないときには、センシングエラーを発する。
以上のようにして各点P1〜P5の位置情報を記憶してか
ら、以下のような演算手順にて開先ギャップwを求め
る。
まず、演算を行なう上で開先断面における座標系を第7
図(a)もしくは第7図(b)に示すように設定する。
開先断面は、点P1,P2,P3の3点にて定められる平面と
し、ベクトル▲▼の方向をx軸の正方向、外積
▲▼×▲▼の方向をz軸の正方向、外
積(▲▼×▲▼)×▲▼をy
軸の正方向とするx−y−z座標系を定め、点P1,P2,P3
の座標値をそれぞれ(x1,y1,0),(x2,y2,0),(x3,y
3,0)とする。また、点P4,P5は、一般には厳密に上記開
先断面上に位置することはあり得ないが、この開先断面
の極近傍にはあるので、各点P4,P5を上記開先断面上に
投影して得られる点P4(x4,y4,0),P5(x5,y5,0)
を用いる。なお、上述した各座標値を得るには、検知動
作によって記憶した各点P1〜P5の位置情報(ロボット1
自体の座標系の座標値)を、上述したx−y−z座標系
の座標値に座標変換する必要がある。
上述したx−y−z座標系は、点P2が点P1よりも開先側
に近い場合、第7図(a)に示すようになり(これをA
座標系という)、点P1が点P2よりも開先側に近い場合、
第7図(b)に示すようになる(これをB座標系とい
う)。
A座標系にて開先ギャップwを演算する場合について第
7図(a)および第8図により説明する。点P4,P5
を通る開先直線(部材表面9eに沿う直線)L3の方程式
は、 となる。また、x軸から第1部材9aの板厚tだけ−y方
向にあるギャップ位置直線L1の方程式は、 y=−t …(2) となる。また、点P3を通りx軸に対し開先角度θを成
す開先直線(開先面9dに沿う直線)L2は、 y−y3=(x−x3)・tanθ …(3) となる。
第8図において、点Q1は直線L1とL2との交点、点Q2は直
線L1とL3との交点であり、開先キャップwは、点Q1,Q2
間の距離である。ここで、点Q1,Q2のy座標はいずれも
同じ−tであるから、x座標値だけを考えればよい。従
って、点Q1のx座標値xQ1は、(2),(3)式より、 となり、点Q2のx座標値xQ2は、(1),(2)式よ
り、 となる。これらの(4),(5)式を用いて、開先ギャ
ップwは、下式(6)により演算される。
w=|xQ2−xQ1| …(6) 一方、B座標系にて開先ギャップwを演算する場合につ
いて第7図(b)により説明する。第7図(b)におい
て、直線L1の方程式は(2)式と同様に表わされる。ま
た、直線L3の方程式は(1)式と同である。一方、直線
L2の方程式は、 y−y3=(x−x3)・(−tanθ) …(7) となるから、点Q1のx座標値xQ1は、(2),(7)式
より、 と表わされる一方、点Q2のx座標値xQ2は(5)式で表
わされ、(8)式および(5)式を(6)式に代入する
ことによって、開先ギャップwが演算される。
このように、点P1と点P2との位置関係により直線L2の方
程式は異なる。このとき、第7図(a),(b)より明
らかなように、例えば、x3が負値であればA座標系、x3
が正値であればB座標系と判断できることから、これを
利用して、直線L2に関する(3)式と(7)式をまとめ
ることができる。
y−y3=(x−x3)・〔−sign(x3)〕・(tanθ
…(9) 従って、上記(9)式を用いることで、点P1,P2の位置
関係に係わらず、同一の演算手段により開先ギャップw
を演算することができる。また、同様に点P4,P5
x座標値を利用して、(9)式におけるsign(x3)を、
sign(x4)やsign(x5)としてもよい。
上述の説明では、第2部材9bの部材表面9e上の2点P4,P
5を検知し、部材表面9eに沿う直線L3の傾きを求めるよ
うにしているが、部材9a,9bが互いに直交するように配
置されるという前提があれば、開先ギャップwを演算す
るに際して検知すべき点は、P4,P5のいずれか一方を省
略して4個にすることができる。従って、教示時には4
点P1〜P4を検知するプログラムを作成すればよい。この
とき、点Q2のx座標値xQ2はx4であり、この値と
(2),(9)式より求められる点Q1のx座標値xQ1
を(6)式に代入して開先ギャップwが演算される。
次に、本発明の開先ギャップ検出方法を第2図(b)に
示すV型開先突合せの溶接継手に適用した具体例につい
て、第9,10図により簡単に説明する。なお、部材9a,9b
の開先角度θRは既知であり、開先面9d,9f上では
各1点のみ検知するものとする。
まず、開先ギャップ検出のために必要な各点P1〜P4のセ
ンシングによる検知動作を第5図と同様にして教示す
る。ここでは、第9図に示すように、第1部材9aの部材
表面9c上の2点P1,P2と、開先面9d上の1点P3と、第2
部材9bの開先面9f上の1点P4とをセンシングにより検知
するための動作を教示し、教示プログラムを作成する。
上述の教示操作後、作成された教示プログラムを第6図
と同様にして再生し、再生時の各点P1〜P4の位置情報を
検知してその位置情報を記憶し、各点P1〜P4の位置情報
に基づき、V型開先のギャップwを下式により演算す
る。
このとき、ギャップ位置直線L1および開先直線L2は、そ
れぞれ(2),(9)式と全く同様になる一方、第2部
材9bの開先面9fに沿う開先直線L3は、 y−y4=(x−x4)・sign(x3)・tanθ …(10) となる。従って、直線L1とL2との交点Q1のx座標値xQ1
は次式になる。
また、直線L1とL3との交点Q2のx座標値xQ2は、
(2),(10)式より、 となり、(4),(12)式を(6)式に代入することに
よってV型開先のギャップwが演算される。
なお、第2図(c)〜(e)に示す継手についても同様
にしてギャップwを演算することができる。
このように、本実施例の開先ギャップ検出方法によれ
ば、アーク溶接ロボット1における記憶・演算装置とセ
ンシング電圧を印加した溶接トーチ2とを用い溶接継手
を形成する部材9a,9b上の所定の点を検知し、その位置
情報に基づき前述した演算手順に従うことによって、溶
接継手の開先ギャップwが演算・検出される。従って、
溶接トーチ2以外にギャップ検出用の特別な装置をロボ
ット1の手首部1a近傍の溶接トーチ2付近に設ける必要
がなくなる。また、溶接すべき溶接継手の形状に応じて
予め部材9a,9b上の各点の検知動作を1回教示するだけ
で、同種の溶接継手に対しては、その継手ごとにギャッ
プ変動量が異なっても自動的にギャップwを検出でき、
継手ごとにその開先エッジに溶接トーチ2を位置決めし
てギャップ検出操作を行なう必要がなくなる。これによ
り、溶接トーチ2に他装置を付加することなく、開先ギ
ャップwを自動的に且つ確実に検出でき、溶接作業を極
めて効率的に精度よく行なえるのである。
また、第2図(a),(e)に示すように溶接継手にお
けるギャップは、開先エッジに溶接トーチ2を位置決め
してギャップ検出操作を行なう従来手段によっては検出
することができなかったが、本発明の方法によれば、こ
のタイプの溶接継手についても容易にギャップを検出す
ることができる。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明の自動溶接装置の開先ギャ
ップ検出方法によれば、自動溶接装置における記憶・演
算装置とセンシング電圧を印加した溶接トーチとを用い
て溶接継手を構成する部材上の所定点を検知し、その位
置情報に基づき溶接継手の開先ギャップを演算・検出で
きるように構成したので、溶接トーチ以外にギャップ検
出用の他装置を溶接トーチ付近に設ける必要がなく、ま
た、溶接継手の形状に応じ予め第1部材,第2部材上の
各点の検知動作を1回教示するだけで同種の溶接継手で
あれば自動的にギャップを演算・検出でき、溶接作業を
極めて効率的に且つ精度よく行なえる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例としての自動溶接装置の開先
ギャップ検出方法の基本的な手順を説明するためのフロ
ーチャート、第2図(a)〜(e)はそれぞれ本発明の
方法を適用できる溶接継手の形状を示す図、第3図は本
発明の方法の適用を受けるアーク溶接ロボットを示す斜
視図、第4〜8図は本発明の方法をレ型開先突合せの溶
接継手に適用した場合の具体例を示すもので、第4図は
その教示動作を説明するための継手斜視図、第5図はそ
の教示動作を説明するためのフローチャート、第6図は
その再生動作を説明するためのフローチャート、第7図
(a),(b)はそれぞれギャップ演算時に用いられる
座標系を説明するための図、第8図はその演算手順を具
体的に説明するための図、第9,10図は本発明の方法をV
型開先突合せの溶接継手に適用した場合の具体例を示す
もので、第9図はその教示動作を説明するための継手斜
視図、第10図はその演算手順を具体的に説明するための
図である。 図において、1……アーク溶接ロボット(自動溶接装
置)、1a……手首部、2……溶接トーチ、2a……ワイヤ
(消耗電極)、3……ロボット制御盤、4……ティーチ
ングボックス、6……溶接電源、7……ワーク、8……
ポジショナ、9a……第1部材、9b……第2部材、9c……
第1部材の部材表面、9d……第1部材の開先面、9e……
第2部材の部材表面、9f……第2部材の開先面。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】消耗電極を支持する溶接トーチにセンシン
    グ電圧を印加し通電状態を検知することによりワーク位
    置を検出する機能を有する自動溶接装置を用い、第1部
    材および第2部材からなる溶接継手の開先の溶接を開始
    するに際して、 まず、上記溶接トーチからの上記消耗電極の突出量を所
    定の長さに設定するかもしくは上記溶接トーチの先端に
    所定の長さのダミーチップを取り付けてから、上記溶接
    トーチにセンシング電圧を印加し、 上記第1部材の表面上の少なくとも2点と、上記第1部
    材の開先面上の少なくとも1点と、上記第2部材の開先
    面上もしくは開先を形成する部材表面上の少なくとも1
    点とをそれぞれ上記溶接トーチにより検知してその位置
    情報を記憶した後、 上記第1部材の表面上の検知点の位置情報と予め入力記
    憶した上記第1部材の所定板厚寸法とに基づいて上記溶
    接継手の開先に生じるギャップの変動方向と平行なギャ
    ップ位置直線を演算し、上記第1部材の開先面上の検知
    点の位置情報と予め入力記憶した上記第1部材の開先角
    度とに基づいて又は上記第1部材の開先面上の複数の検
    知点の位置情報に基づいて上記第1部材の開先面に沿う
    開先直線を演算するとともに、上記第2部材の開先面上
    もしくは部材表面上の検知点の位置情報と予め入力記憶
    した上記第2部材の開先角度とに基づいて又は上記第2
    部材の開先面上もしくは部材表面上の複数の検知点の位
    置情報に基づいて上記第2部材の開先面もしくは部材表
    面に沿う開先直線を演算し、 ついで、上記ギャップ位置直線と上記第1部材の開先直
    線との交点と、上記ギャップ位置直線と上記第2部材の
    開先直線との交点とをそれぞれ演算してから、 上記の2つの交点間の距離を上記溶接継手のギャップと
    して演算し検出することを特徴とする自動溶接装置の開
    先ギャップ検出方法。
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