JPH06277844A - すみ肉継手の多層盛溶接方法 - Google Patents

すみ肉継手の多層盛溶接方法

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JPH06277844A
JPH06277844A JP9195393A JP9195393A JPH06277844A JP H06277844 A JPH06277844 A JP H06277844A JP 9195393 A JP9195393 A JP 9195393A JP 9195393 A JP9195393 A JP 9195393A JP H06277844 A JPH06277844 A JP H06277844A
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昭慈 今永
Mitsuaki Haneda
光明 羽田
Nobuo Shibata
信雄 柴田
Akira Hirai
明 平井
Hideo Higashida
日出夫 東田
Shinichi Sarugaku
信一 猿楽
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 初心者でも簡単に操作ができ、初層から最終
層まで各パス毎の最適な溶接線および溶接トーチ位置と
最適溶接条件を自動的に演算し決定することができ、所
定の溶接脚長に必要な初層から最終層までの溶接パスを
実行する。 【構成】 自動演算処理装置を備え、初期入力に基づい
て溶接電圧、ワイヤ溶融速度、全溶着断面積、初層から
最終層までの溶接パス数等の条件を演算し、各溶接パス
毎のパス座標と溶接トーチの位置座標を演算し、さらに
多層盛溶接に必要な各溶接パス毎の最適な溶接条件とパ
ス座標および溶接トーチの位置座標とから構成したパス
プランデータを作成し、最初の溶接を行うのに必要な教
示データと前記パスプランデータとにより、初層から最
終層まで各パス毎の最適な溶接線および溶接トーチ位置
座標と最適溶接条件を教示する教示パスプランデータを
作成して自動溶接装置に送信し、教示パスプランデータ
に基づいて各溶接パスを実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アーク溶接によるすみ
肉継手の多層盛溶接方法に係り、特に自動多層盛溶接に
好適な多層盛溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車部品,プレス部品,機械部
品などの量産品の溶接技術分野は、生産の自動化および
合理化の推進によって、溶接の自動化,ロボット化の普
及および拡大がかなり進展している。これに対して、大
型構造物など少量生産品を取り扱う溶接技術分野では、
生産の自動化や作業環境の改善が遅れており、また、若
年者の製造業離れ、熟練技能者の不足、高齢化など人材
不足の問題があり、溶接の自動化,ロボット化の普及、
作業環境の改善の推進が強く望まれている。
【0003】厚板構造物の溶接は薄板の1パス溶接と異
なり、多層盛りの多パス溶接を行うことが必要で、例え
ば、アーク溶接ロボツトなど自動溶接装置によって自動
多層盛溶接を行う場合には、各溶接パス毎に溶接条件と
溶接トーチの位置(溶接ワイヤ先端の狙い位置)を予め
上記自動溶接装置に教示しておく必要がある。従来の教
示方法としては、熟練溶接作業者が各溶接パス毎に前パ
スの溶接ビードの状況判断によって、次パスおよび該当
する溶接パスの溶接トーチ位置や溶接条件を教示,設定
するようにしていた。
【0004】しかしながら、上記従来の教示方法では、
溶接作業者の手によって溶接パス毎に教示しなければな
らないため、初心者では困難な施工技術が必要になるば
かりでなく、その教示に多大な時間を必要とし、また、
連続して溶接を行うことができず、作業能率の向上を図
ることができない欠点があった。従来からこの欠点を解
消しようとする試みがあり、溶接トーチ位置や溶接条件
を自動的に決定する方法が幾つか提案されている。
【0005】例えば、特公昭63ー65425号公報に
記載されているように、すみ肉継手の自動多層盛溶接に
対して、開先断面の幾何学的形状と層単位での溶接電流
および溶接速度とを入力し、この入力情報に基づいてア
ーク電圧を演算した後に溶接を実行させるとともに、各
層毎のワイヤ溶着量、溶接パスのビード高さ,幅、パス
数等を演算して、この演算結果から次層および次パスの
溶接トーチ位置を求めて自動的に決定,移動し、所定の
全積層高さに達するまで前記溶接トーチ位置の演算およ
び移動を繰り返し実行して多層盛溶接を行うようにして
いる。
【0006】また、特公平4ー29473号公報記載の
溶接方法は、レ形開先継手の多層盛溶接を行うに当り、
溶着断面積および1パス当りのワイヤ溶着量を求めて溶
接に必要なパス数を算出後、予め溶接層数に対応して設
定してある設定パス数の中から近似の設定パス数を選択
して予想溶着断面積を求め、さらに、予想溶着断面の開
先に対応する辺を溶接の層数および設定パス数にて分割
するとともに、各分割点からそれぞれ水平線および平行
線を延ばして交わる各交差点を各パスの溶接トーチ位置
とするようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】溶接パス毎の溶接トー
チ位置および溶接条件の教示,設定を熟練溶接作業者に
頼ることなく自動的に決定するためには、所定の溶接継
手に対して、この溶接トーチ位置および溶接条件を自動
演算処理できる多層盛溶接用アルゴリズムや演算式が不
可欠である。
【0008】上記した特公昭63ー65425号公報記
載のすみ肉継手の多層盛溶接法は、各層毎の溶接を実行
した後に、ワイヤ溶着量、溶接パスのビード高さ,幅、
パス数などの演算およびその演算結果に従って次層およ
び次パスの溶接トーチ位置を演算し自動的に決定,移動
を行うように構成されている。このため、多層盛溶接を
行う前にその施工計画を立案することが難しいばかりで
なく、各積層および各パス毎の溶接トーチ位置が何処に
なるのかを事前に予知することもできないという問題に
ついて配慮されていなかった。
【0009】従来のすみ肉継手の溶接施工について図1
7,18を参照して説明する。図17は、従来のすみ肉
継手の多層盛溶接の施工を示す説明図、図18は、他の
従来のすみ肉継手の多層盛溶接の施工を示す説明図であ
る。これらの図中、1は下板、2は上板、3は溶接パス
列を示す。上記特公昭63ー65425号公報の実施例
に示されているすみ肉継手の多層盛溶接は、図17に示
すように各溶接パスを下側から横方向に並べ上側へ順次
重ねて積層(パス番号順に溶接)していく方法になって
いる。しかし、実際の溶接現場では、一般に図18に示
すように、下板1と上板2とが交互に溶接される斜め方
向に溶接パスを順次重ねて積層していく方法が多く採用
されており、上記の図17に示したような積層方法によ
る多層盛溶接は極めて少ない。
【0010】一方、特公平4ー29473号公報記載の
水平開先溶接方法においては、所定の溶接継手に対して
各溶接パス毎の溶接トーチ位置を決定するのに必要な多
層盛溶接用アルゴリズムや演算式がまったく開示されて
おらず不明である。例えば、各パスの溶接トーチ位置を
溶接の層数および設定パス数にて分割した各分割点から
それぞれ水平線および平行線を延ばして交わる各交差点
にするようにしているが、これをどのような手段や演算
式を用いて求めるのか不明である。また、予め溶接層数
に対応して設定してある設定パス数の中から近似の設定
パス数を選択して予想溶着断面積を求めているため、実
物の開先の溶接に必要な溶着断面積と異なり、溶接され
る溶着断面積が定常の面積よりも多くなったり少なくな
ったりして、特に最終層の溶接結果に悪影響を及ぼし易
いという点について配慮されていなかった。
【0011】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、その目的は、熟練溶接作業者
に頼ることなく初心者でも簡単に操作ができ、かつ、初
層から最終層まで各パス毎の最適な溶接線および溶接ト
ーチ位置と最適溶接条件を自動的に演算し決定すること
ができるとともに、所定の溶着金属を満たすべき溶接脚
長に必要な初層から最終層までの溶接を正確に順次実行
することのできるすみ肉継手の多層盛溶接方法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るすみ肉継手の多層盛溶接方法の構成
は、所定の教示データによって任意の継手形状のアーク
溶接が可能な自動溶接装置を用いてすみ肉継手の多層盛
溶接を行う方法において、前記自動溶接装置の制御およ
び多層盛溶接パスプランの自動演算処理を行う演算処理
装置を設け、この演算処理装置による前記多層盛溶接パ
スプランの自動演算に当っては、少なくとも溶接の継手
形状、所定の溶着金属を満たすべき溶接脚長、継手部の
ギャップ、初層から最終層まで同一の溶接電流と溶接ト
ーチのシフト量を初期条件として入力し、この入力値に
基づいて、溶接電圧、ワイヤ溶融速度、溶接脚長を満た
すのに必要な全溶着断面積と溶接の層数、初層から最終
層までの溶接パス数、溶接速度とパス単位当りの溶着断
面積、初層溶接のビード高さと幅、積層溶接に伴う累計
ビード高さと幅などをそれぞれ演算し、この演算結果に
基づいて初層から最終層まで各溶接パス毎のパス座標と
溶接トーチの位置座標とを演算して、これら一連の演算
結果を表示するとともに、前記自動演算によって、多層
盛溶接に必要な初層から最終層まで各溶接パス毎の最適
な溶接条件とパス座標および溶接トーチの位置座標とか
ら構成したパスプランデータを作成し、また、多層盛溶
接を行うべきすみ肉継手に対する必要な教示データとし
ては、初層の溶接線および溶接トーチ位置を前記自動溶
接装置に初期条件として入力したのちに前記演算処理装
置に送信して、この教示データと前記作成したパスプラ
ンデータとにより、初層から最終層まで各パス毎の最適
な溶接線および溶接トーチ位置座標と最適溶接条件とを
決定して教示する教示パスプランデータを前記演算処理
装置で自動作成したのち、前記自動溶接装置に送信し、
この教示パスプランデータに基づいて初層から最終層ま
での各溶接パスを順次実行するようにしたものである。
【0013】この場合、自動演算処理を行う際に必要と
なる溶接条件のうち、溶接電圧は、入力される溶接電流
と予め決定したチップ,母材間のワイヤ突出し長さの関
数として演算し、かつ、演算で求めた溶接電圧に対して
作業者の希望する増減値の追加入力によって補正できる
ものとし、ワイヤ溶融速度は、前記溶接電流とチップ,
母材間のワイヤ突出し長さおよび追加入力された溶接電
圧の増減値との関数として演算し、また、溶接速度は、
入力される溶接脚長およびギャップとこの溶接脚長から
算出できる溶接の積層数とワイヤ溶融速度との関数とし
て演算し、かつ、演算した溶接速度に対して正常な溶接
ビートが形成できる溶接速度の範囲内になるように上限
値および下限値を設けるとともに、この範囲内で積層数
に関係する溶接速度を増減できるものとし、さらに、合
計の溶接パス数は溶接速度の演算および決定時に用いら
れた溶接の積層数の関数として、全溶着断面積は溶接脚
長とギャップとの関数として、溶接パス単位当りの溶着
断面積は演算で求めたワイヤ溶融速度と溶接速度との関
数として、また、初層溶接のビード高さと幅は演算で求
めた単位当りの溶着断面積とギャップとの関数として、
積層溶接の累計ビード高さと幅は初層から最終層までの
積層番号と単位当りの溶着断面積との関数として、積層
に伴う溶接パスのビード高さと幅は前記積層番号と演算
で求めた累計ビード高さおよび幅の関数としてそれぞれ
演算するものである。
【0014】さらに、初層から最終層まで各溶接パス毎
のパス座標は順次溶接されるべきパスと積層及び段数の
関係と積層溶接の累計及び単位当りのビード高さと幅と
の関数として演算し、また、各溶接トーチの位置座標は
前記演算で求めた各溶接パス毎のパス座標と入力された
溶接トーチのシフト量の関数として演算し、初層溶接を
行う時には前記パス座標とシフト量とギャップとの関数
としてそれぞれ表し自動演算させるようにしている。ま
た、前記各溶接パス毎のパス座標に対する溶接トーチの
シフト量(S)はその設定範囲を0<S≦4にするように
している。
【0015】演算結果の表示に当っては、前記自動演算
で求めた多層盛溶接に必要な初層から最終層まで各溶接
パス毎の最適な溶接条件とパス座標及び溶接トーチの位
置座標をCRT画面に表示すると共に、表示された結果
に対して作業者の判断により変更,補正,追加などの編
集を可能にしたものである。
【0016】
【作用】上記したように、自動溶接装置の制御および多
層盛溶接パスプランの自動演算処理を行うのに必要な、
例えばソフトウェアを内蔵したパソコンなどの演算処理
装置を設けるとともに、所定のすみ肉継手に対して、各
演算に必要な僅かな入力情報に基づいて多層盛溶接を行
うのに必要な初層から最終層までの各溶接パス毎の最適
な溶接線と溶接トーチ位置座標および溶接条件を自動的
に演算して決定し教示する教示パスプランデータを前記
演算処理装置で自動作成できるようにしている。これに
よって多層盛溶接を行う前に、その施工計画を熟練溶接
作業者に頼ることなく初心者でも簡単に立案することが
可能になる。
【0017】自動演算処理を行う際に必要となる溶接電
圧の演算式は入力される溶接電流と予め決定したチッ
プ,母材間のワイヤ突出し長さの関数として表わされ、
かつ、演算で求めた溶接電圧に対して作業者の希望する
増減値の追加入力によって補正できる方式にすることに
より、溶接電流およびワイヤ突出し長さの値に適した溶
接電圧が演算でき、かつ、各溶接作業者の経験的な判断
に基づいて溶接電圧の値を少し高めあるいは低めにした
いという希望を取り入れることが可能になり、使い勝手
の良いものとなる。
【0018】また、ワイヤ溶融速度の演算式を前記溶接
電流とチップ,母材間のワイヤ突出し長さおよび追加入
力された溶接電圧の増減値との関数にすることにより、
溶接電流の変化だけでなくワイヤ突出し長さや溶接電圧
の増減に対しても変化するワイヤ溶融速度を常に適正に
演算することが可能になる。
【0019】溶接を行う時に重要な要素となる溶接速度
の演算式は入力される溶接脚長およびギャップとこの溶
接脚長から算出できる溶接の積層数とワイヤ溶融速度と
の関数として表わされ、かつ、演算される溶接速度に対
して正常な溶接ビートが形成できる溶接速度の範囲内に
なるように上限値および下限値を設けるとともに、この
範囲内で積層数に関係する溶接速度を増減できる方式と
している。このようにすることにより、高速側で発生し
やすいアンダーカットおよび溶け込み不足の溶接ビード
と低速側で発生しやすいオーバラップの溶接ビードとの
解消を図ることができ、常に正常な溶接ビードが得られ
るばかりでなく、積層数に関係する溶接速度を適正範囲
内で増減させても所定の溶着金属を満たすべき溶接脚長
を正しく確保することが可能となる。
【0020】多層盛溶接に必要な合計の溶接パス数の演
算式は入力される溶接脚長から求められる積層数の関数
として表わせるので、所定の溶接脚長に必要な溶着金属
を正確に満たすことができる。また、初層溶接のビード
高さと幅の演算式を単位当りの溶着断面積とギャップの
関数とすることにより、ギャップの影響を考慮に入れた
初層溶接のビード高さと幅を正しく求めることができ
る。
【0021】さらに、初層から最終層まで各溶接パス毎
のパス座標の演算式は順次溶接されるべきパスと積層お
よび段数の関係と積層溶接の累計および単位当りのビー
ド高さと幅との関数とし、また、溶接トーチの位置座標
の演算式は前記演算で求めた各溶接パス毎のパス座標と
入力された溶接トーチのシフト量の関数とした。これに
よって、実際の溶接現場で広く採用されているような下
板と上板が交互に溶接される方向に溶接パスを積層して
いく積層法が可能になるばかりでなく、初層から最終層
まで多層盛溶接に必要な各溶接パス毎の溶接トーチ位置
が正確に自動演算され決定することができる。
【0022】また、溶接トーチのシフト量(S)の設定範
囲を0<S≦4にすることにより、下板方向と上板方向
の溶接脚長が不均一になりやすい現象の発生防止を図る
ことが可能となる。
【0023】自動演算で求めた多層盛溶接のパスプラン
データの結果をCRT画面に表示するとともに編集を行
えるようにすることにより、操作性および使い勝手が良
く、多層盛溶接の施工内容を予め検証することが可能と
なる。
【0024】そして、自動作成されたパスプランデータ
と初期入力された初層の教示データとから、多層盛溶接
に必要な各溶接パス毎の最適な溶接線および溶接トーチ
位置座標と最適溶接条件とを決定し教示する教示パスプ
ランデータを演算処理装置で自動作成したのち、自動溶
接装置に送信し、この送信された教示パスプランデータ
に基づいて多層盛溶接の各溶接パスが順次実行されるよ
うになっている。したがって、従来多大な時間を要して
いた溶接作業者による溶接パス毎の溶接トーチ位置の教
示が不要となり、時間短縮による溶接の能率向上を図る
ことができるばかりでなく、初層から最終層まで各溶接
に不具合が生じることなく均一で良好な多層盛溶接の結
果が得られる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図17
を参照して説明する。まず、図1は、本発明の一実施例
に係る多層盛溶接方法のアルゴリズムを示すフローチャ
ートで、所定の溶着金属を満たすべき溶接脚長のすみ肉
継手の多層盛溶接に必要なパスプランデータを作成する
ための手順を示すものである。図2は、本発明の一実施
例に係る多層盛溶接システムの構成を示す系統図であ
る。
【0026】最初に初期条件を入力したのち、図1に示
したフローチャートに従って、溶接電圧、溶接の積層数
とパス数、ワイヤ溶融速度、パス単位当りのワイヤ溶着
量、溶接速度、全溶着断面積、パス単位当りの溶着断面
積、溶接パスのビード幅,高さと累計のビード幅,高
さ、溶接パス座標、溶接位置座標、補正パス、検出パス
など多層盛溶接のパスプランデータ作成に必要な一連の
計算を行うようになっている。さらに、計算(演算とも
称す)された結果はCRT画面に表示するとともに、必
要に応じてその内容を編集(変更,補正,追加など)す
ることができるようにしている。
【0027】図2は多層盛溶接方法を実現するための装
置構成を示す。図2において、6は自動演算処理装置、
7は溶接ロボット制御装置で、自動演算処理装置6は、
溶接ロボット制御装置7の制御および多層盛溶接パスプ
ランの自動演算処理を行うのに必要な一連のソフトウェ
アを内蔵している。8は、任意の溶接線および溶接位置
を溶接ロボット制御装置7に教示入力するティーチング
ボックス、11は溶接ロボット本体で、手首に溶接トー
チ14を搭載し、溶接機9とともに溶接ロボット制御装
置7に接続され、溶接作業台12に設置された溶接対象
ワーク13の溶接を行うようになっている。
【0028】前記自動演算処理装置6は、多層盛溶接に
必要な各溶接パス毎の最適な溶接条件とパス座標および
溶接トーチの位置座標などを決定,教示する多層盛溶接
パスプランを自動作成するとともに、自動溶接を行うた
めの溶接ロボット本体11を制御する溶接ロボット制御
装置7との通信制御を行うようになっている。
【0029】また、15は、溶接位置の検出が可能な視
覚センサヘッドで、センサ制御器16およびセンサ画像
処理装置17を介して自動演算処理装置6に接続されて
いる。視覚センサヘッド15からの検出情報を自動処理
することができるセンサ画像処理装置17は、自動演算
処理装置6からの指令に従って溶接パス毎の溶接位置を
検出し認識して、その検出情報を自動演算処理装置6に
送信するようにしている。そして、送信されたこの検出
情報に従って溶接位置ズレの補正計算を行なったのち、
その補正情報を溶接ロボット制御装置7に送信して溶接
位置ズレの補正制御を行うように指令する機能を持って
いる。
【0030】このように本装置は、センサ使用の無し,
有りの選択機能を持っているので、例えば、センサなし
の場合は、自動演算処理装置6で自動作成された前記多
層盛溶接パスプランに従って多層盛溶接を確実、かつ適
正に行うことができる。また、センサ使用有りの場合に
は、多層盛溶接パスプランの情報と自動演算処理装置6
に送信されるセンサからの検出情報に基づいて溶接位置
を適正に補正制御しながら多層盛溶接を行うことができ
るように構成されている。図1に示した多層盛溶接アル
ゴリズムに関するソフトウェアは自動演算処理装置6に
内蔵されており、その内容について各図を参照して説明
する。
【0031】図3は、本実施例に係るすみ肉継手の形状
および入力条件の説明図、図4は、本実施例における溶
接トーチ位置を示す説明図、図5は、溶接電流と適正な
溶接電圧の関係を示す特性線図、図6は、本発明の一実
施例における適正溶接電圧の演算処理フローチャート、
図7は、適正ワイヤ溶融速度の特性線図、図8は、初層
溶接のビード形状を示す説明図、図9は、多層多パス溶
接の積層パターン図、図10は、本発明の一実施例にお
ける積層溶接ビード高さおよび幅の演算処理フローチャ
ートである。
【0032】自動演算処理装置6には、最初に、一連の
演算に必要な初期条件を入力する。例えば、図3に示す
ような溶接対象ワーク、すなわち板厚T1の下板1と板
厚T2の上板2とのすみ肉継手に対して、数種類の継手
形状の中から該当するすみ肉継手を選択したのち、多層
盛溶接に必要な任意設定の溶接脚長Lと、下板1,上板
2間の継手部に生じているギャップGと、初層から最終
層まで同一である溶接電流Iaと、図4(a)(b)
(c)に示す溶接トーチ5(ワイヤ先端の狙い位置Q1
〜Q3)のシフト量Sなどを入力する。
【0033】ここでは、溶接脚長Lの入力範囲は薄板の
1パス溶接が可能な最小5mmから厚板の多パス溶接が
可能な最大100mmまでに設定している。また、図4
に示した溶接トーチのシフト量Sについては入力範囲を
0<S≦4mmにしている。この理由は、例えば下板1
からの溶接トーチ角度θが45度±5度で多層盛溶接を
行なった実験結果によれば、S=0のときは、ワイヤ溶
滴移行およびアーク力の作用によって溶融金属が上板2
方向へ押し上げられて下板1方向よりも上板2方向の溶
接脚長が大きくなりやすい。これに対して、S>4mm
では、反対に溶融金属を上板2方向へ押し上げる力より
もその溶融金属を下板1方向に流動させる重力作用の方
が大きくなるために、下板方向の溶接脚長が大きくなる
という問題が生じるからである。上下均等な溶接脚長の
溶接結果が得られる範囲は0<S≦4mmであることが
分かった。
【0034】したがって、ここでは溶接トーチのシフト
量Sは、その標準値を約1mmに設定するとともに、上
記範囲で可変設定できるようしている。この他、ワイヤ
溶融速度に関係するワイヤ突出し長さlc(図5参照)
は、その標準値を約25mmに設定し、かつ、一般的に
用いられている溶接可能な15〜35mmの範囲で設定
変更できるようになっている。
【0035】以下、これらの計算方法について説明す
る。図5は、横軸に溶接電流Ia(A)、縦軸に溶接電
圧Ea(V)をとり、ワイヤ突出し長さlcを20,2
5,30mmに変化させて溶接電流と適正な溶接電圧の
関係を示している。溶接を実行するのに必要な適正な溶
接電圧Eaは、図5の実施例に示すように、溶接電流I
aと比例関係にあるばかりでなく、ワイヤ突出し長さl
cにも関係しているので、(1)式の如く溶接電流Ia
とワイヤ突出し長さ(給電チップと母材間のワイヤ距
離)lcとの関数で表わされる。
【0036】
【数1】 Ea=k1・Ia+k2・lc ……(1) ここで、k1,k2は使用するワイヤ径やシールドガスの
種類で変わる定数であり、ワイヤ径1.2mmのソリッ
ドワイヤとシールドガスにMAGガスを使用したときの
例では、k1=0.08、k2=0.4であった。
【0037】溶接電圧の設定に当たっては図6に示すよ
うに、上記(1)で計算した溶接電圧Eaに対して作業
者の希望する増減値ΔEの入力による補正を行うことが
できるようにしている。したがって、補正後の溶接電圧
Eの計算式は(2)式のようになる。
【数2】 E=Ea+ΔE ……(2) このようにすることにより、溶接電流Iaおよびワイヤ
突出し長さlcの値に適した溶接電圧が計算でき、か
つ、溶接電圧Eの値を少し高めあるいは低めにしたいと
いう溶接作業者の要求や、ワイヤ材質およびシールドガ
ス成分の変化にも対応することができ、使い勝手が向上
する。
【0038】多層盛溶接によって所定の溶接脚長Lを満
たすためには溶接の積層数とパス数を決める必要があ
る。例えば、図18,19に示したように積層する場
合、溶接脚長Lと積層数Nsとの関係は下記の(3)式
で、また、その積層数Nsとパス数Npとの関係は
(4)式でそれぞれ表わすことができる。
【数3】 Ns=L/C1 (ただし、小数点以下四捨五入とする)……(3)
【数4】 Np=Ns(Ns+1)/2 ……(4) ここで、C1は溶接の積層ビード高さ,幅に係る定数
で、約5〜9である。したがって、この(3)(4)式
から求めた積層数Nsおよびパス数Npで溶接を行え
ば、所定の溶接脚長Lを満たすことになる。
【0039】図7は、横軸に溶接電流Ia(A)、縦軸
にワイヤ溶融速度Ws(m/min)をとり、ワイヤ突
出し長さlcを20,25,30mmに変化させて溶接
電流と適正なワイヤ溶融速度との関係を示している。図
7は、溶接電圧と溶接電流の関係(1)式が成立する条
件の下で、ワイヤ径1.2mmのソリッドワイヤを用い
て溶接を行なったときのワイヤ溶融速度Wsの特性を示
す例で、図中には溶接電圧の増減値(ΔE=E−Ea)
を±2V変化させた結果も示している。ワイヤ溶融速度
Wsは、溶接電流Iaおよびワイヤ突出し長さlcにほ
ぼ比例して増加し、かつ、溶接電圧を標準より低めにす
るほど増加する関係にあり、下記の(5)式で表わされ
る。
【0040】
【数5】 Ws=〔k3lc+k4−k5(E−Ea)〕Ia−(k6lc+k7)…(5) このときの各定数は、k3=0.0016、k4=0.0
012、k5=0.008、k6=0.16、k7=0.
2であった。なお、溶接電流が150A未満の小電流領
域では、ワイヤ溶融速度Wsが曲線的に減少して上記
(5)式からずれる傾向にある。したがって、(5)式
の適用が可能な溶接電流領域は150A以上であるが、
本多層盛溶接方法では、溶接アークの安定化およびワイ
ヤ溶融の高溶着化を図るため、200A以上の高電流領
域を使用するようにしている。
【0041】このように(5)式に示した関数を用いる
ことにより、溶接電流Iaの変化だけでなく、ワイヤ突
出し長さlcや溶接電圧の増減(ΔE=E−Ea)対し
て常に適正なワイヤ溶融速度Wsを計算することが可能
となる。上記したようにワイヤ溶融速度Ws(m/mi
n)が求まると、下記に示す(6)式から溶接パス単位
当りのワイヤ溶着量Wv(mm3/min)を求めるこ
とができる。
【数6】 Wv=103πd2WsC2/4 ……(6) ただし、dは使用するワイヤ径、C2はワイヤの溶着率
を示す定数で、シールドガスにMAGガスを使用する場
合は約0.94〜0.98、また、炭酸ガスの場合には
約0.90〜0.94である。
【0042】溶接電圧と同様に、溶接速度Vは溶接を実
行するのに必要な溶接条件の一つで、上記(6)式の溶
接パス単位当りのワイヤ溶着量Wvと(4)式に示した
パス数に関係する積層数Nsに比例し、溶融金属で満た
すべき溶接脚長LおよびギャップGに反比例する関係が
あり、下記の(7)式で表わされる。
【数7】
【0043】溶接実験の結果によれば、溶接速度が約V
>550mm/minと速すぎる高速側ではアンダーカ
ツトや溶け込み不足の溶接ビードが発生しやすく、ま
た、溶接速度が約V<150mm/minと遅すぎる低
速側ではオーバラップの溶接ビードが発生しやすい。こ
れら溶接欠陥のない良好な溶接ビードが形成できる適正
範囲の溶接速度は150≦V≦550mm/minであ
ることが分かった。
【0044】このため、図1のフローチャートに示した
ように本多層盛溶接方法では、(7)式を用いて常に適
正範囲内(150≦V≦550mm/min)に収まる
溶接速度を計算するとともに、その適正範囲内で溶接速
度の増加あるいは減少できる機能を持たせている。すな
わち、計算した溶接速度がV<150のときと適正範囲
内で溶接速度を増加したいときは、溶接速度に関係する
積層数をNs=Ns+1(積層数インクリメント処理)
に改めて適正な溶接速度を再計算して求める。反対に、
計算した溶接速度がV>550のときと適正範囲内で溶
接速度を減少したいときには、Ns=Ns−1(積層数
デクリメント処理)に改めて適正な溶接速度を再計算し
て求めるようにしている。
【0045】溶接速度に関係する積層数Nsを上記のよ
うに変更処理することにより、溶接速度の適正範囲内で
の増減変更が可能となる。したがって、個々の作業者の
要望によって溶接速度を増減させても、常に良好な溶接
ビードが得られるばかりでなく、所定の溶着金属を満た
すべき溶接脚長も正確に確保することができる。
【0046】溶接パス単位当りの溶着断面積Snは、下
記の(8)式の如く溶接パス単位当りのワイヤ溶着量W
vと溶接速度Vの関数で表わされる。また、溶接脚長に
必要な全溶着断面積Aは(9)式に示すように、溶着金
属を満たすべき溶接脚長Lおよび継手部のギャップGの
断面積に相当し、ワイヤ溶着量Wvとパス数に関係する
積層数Nsと溶接速度Vの関数で表わされる。
【数8】 Sn=Wv/V ……(8)
【数9】 A =(L2+2G2)/2=Wv・Ns(Ns+1)/2V……(9)
【0047】ギャップGの有無を考慮したすみ肉継手を
1パス溶接あるいは多層多パス溶接する場合、初層の溶
接ビード高さbh1とビード幅bw1は図8に示すよう
に、溶接パス単位当りの溶着断面積Snに依存し、bh
1≒bw1とすれば、下記の(10)式の如く表わされ
る。
【数10】
【0048】図9は例えば3層6パスの多層盛溶接を想
定した積層パターン図を示すもので、積層時の累計ビー
ド幅Lwiおよび累計ビード高さLhiは、パス数に係
る積層数(Ns=3)によって決まる積層番号(i=1
〜3)と溶接パス単位当りの溶着断面積Snに関係する
ので(11)式および(12)式のように表わされる。
また、累計ビード幅Lwiおよび累計ビード高さLhi
が求まると、積層単位別の各単位当りのビード幅bwi
およびビード高さbhiは(13)(14)式から求め
られる。ここでは3層の例を示したが、その積層数がい
くら増加しても同様の考え方で求められ、これらの計算
は、例えば図10に示すフローチャートによって簡単に
計算処理することができる。
【0049】
【数11】
【数12】 Lhi=i(i+1)・Sn/Lwi ……(12)
【数13】 bwi=Lwi−Lw(i−1) ……(13)
【数14】 bwi=Sn/(Lwi−Lw(i-1)) ……(14) ただし、iは積層数Nsの多層盛溶接を行う順位を示す
整数番号で、1からNsまで変化する。C3は初層ビー
ドの余盛りに係る定数で約1.0〜1.2、また、C4
は縦方向と横方向の溶接脚長比に係る定数で約1.0±
0.05〜0.2である。
【0050】このようにして求めた単位当りのビード高
さと幅、積層の累計ビード高さと幅などの各計算結果に
基づいて、多層盛溶接を行うのに必要な溶接パス座標お
よび溶接位置座標を求める方法について図11ないし図
15を参照して説明する。図11は、本発明の一実施例
における溶接パターンと溶接パス座標との関係を示す説
明図、図12は、本発明の一実施例における溶接パス座
標と溶接トーチをシフトした溶接位置座標との関係を示
す説明図、図13は、本発明の一実施例における溶接パ
ス座標および溶接位置座標の演算処理フローチャート、
図14は、すみ肉継手の形状および溶接線経路の教示位
置を示す説明図、図15は、本実施例における溶接線経
路の教示位置を示す説明図である。
【0051】図11は積層数Ns=5(パス数Np=1
5)の多層盛溶接を行うときの積層パターンおよび溶接
パス座標の実施例を示したものである。iは積層別に区
分けした積層番号(i=1〜5)、mはXj軸方向別に
区分けした段数番号(m=1〜5)であり、また、数字
の1〜15は溶接のパス別に分割されたパス番号(j=
1〜15)、P1〜P15はそのパス番号に対応する溶接
パス座標Pj(Xj,Yj)を示している。この図から、
i=mとなる溶接のパス番号jは1,3,6,10,1
5であり、(i-1)層目の累計ビード高さLh(i-1)
だけYj軸と接する方向(すみ肉継手の縦板方向)に変
化し、Xj軸方向には変化しない(Xj=0)ことが分
かる。なお、j=1のときはXj=0,Yj=0であ
る。
【0052】一方、これらの番号を除いたパス番号j
は、下記の(15)式に示すような積層番号iと段数番
号mの関数で表わされ、このパス番号jにおける溶接パ
ス座標Pj(Xj,Yj)は、(16)式に示すように
i番目の累計ビード幅Lwiおよびパス単位のビード幅
bwiと(m-1)の段数とビード高さbhiの関数で
表わすことができる。
【数15】 j=i(i−1)/2+m,かつi≧mのとき ……(15)
【数16】
【0053】各溶接パスの溶接位置座標Qj(Xnj,
Ynj)は、上記のようにして求めた溶接パス座標Pj
(Xj,Yj)に対して溶接トーチをシフト量S(図4
参照)だけシフトすれば良いことになる。初層の溶接
(j=1)では、特に継手部に生じているギャップGを
考慮する必要があるので、(17)式に示すように表わ
される。また、j>1,m=iの関係が成立するパス番
号(j=3,6,10,15)の溶接位置座標Qj(X
nj,Ynj)は、図12に示すように縦および横方向
に溶接トーチをシフトすることが望ましいので(18)
式に示す如く表わされ、さらに、上記した(15)(1
6)式が成立する溶接パスの溶接位置座標Qj(Xn
j,Ynj)は、(19)式の如く表わされる。
【0054】ここでは5層の例を示したが、その積層数
がいくら増加しても同様の考え方で求められ、これらの
計算は、例えば図13に示すフローチャートによって簡
単に計算処理することができる。なお、溶接トーチ位置
(ワイヤ先端の狙い位置)となる溶接位置座標Qjを、
溶接パス座標Pjよりも0<S≦4の範囲で溶接トーチ
をシフトさせることによって、下板方向と上板方向の溶
接脚長が不均一になりやすい現象の発生防止が可能とな
り、良好な溶接結果が得られるからである。
【0055】(a) j=1のとき
【数17】 Xnj=Xj+S−G, Ynj=Yj ……(17) (b) j>1,m=iのとき(なお、C5は定数で約
0.5〜1.0)
【数18】 Xnj=Xj+S, Ynj=Yj−C5S ……(18) (c) (a)(b)以外のとき
【数19】 Xnj=Xn+S, Ynj=Yj ……(19)
【0056】このようにして溶接パス座標および溶接位
置座標を計算することにより、ギャップの有無に関わり
なく、また、任意設定の溶接脚長の多層盛溶接に対し
て、初層から最終層までの溶接に必要な溶接パス毎の適
正な溶接トーチ位置を迅速に、かつ正確に決定すること
ができる。
【0057】センサの使用無しで溶接を行うときは補正
パスおよび検出パスの計算をしなくても良いが、センサ
を使用して溶接を行うときには、どの溶接パスを検出し
てどの溶接パスを補正するのかという情報が必要とな
る。例えば、溶接の進行方向に対して視覚センサヘッド
を溶接トーチの前方に設置して溶接位置を検出し補正す
るときは、溶接しているパスを検出し同じパスを補正す
ること(先行検出法)になる。このため、検出パスKp
jおよび補正パスHpjは、溶接のパス番号(j=1〜
Np)に対応する溶接パス座標Pj(Xj,Yj)と一
致する関係にあるので(20)式で表わされる。
【0058】これに対して、視覚センサヘッドを溶接ト
ーチの後方に設置して溶接位置を検出し補正するときに
は、溶接しているパスを検出して次のパスを補正するこ
と(後方検出)にるので、溶接開始前の0パス目(j=
0)を検出する検出パスの追加と、検出後に次のパスを
補正するような補正パスの計算が必要となる。したがっ
て、パス番号jはj=0〜Npとなり、また、検出パス
および補正パスは(21)(22)式の如く表わされ
る。
【0059】
【数20】 Kpj=Hpj=〔j,Pj(Xj,Yj)〕 ……(20) ただし、先行検出でj=1〜Npとする。
【数21】 Kpj=〔j,Pj+1(Xj+1,Yj+1)〕 ……(21)
【数22】 Hpj=〔j,Pj(Xj,Yj)〕 ……(22) ただし、後行検出でj=0〜Npとする。
【0060】このようにして求めた検出パスおよび補正
パスの指令によってセンサによる溶接位置の検出とその
位置ズレの補正制御を自動で行うことができるようにな
る。これら一連の計算結果はCRT画面に表示され、作
業者の判断により内容の補正,変更,追加などの編集を
行うことができるようになっている。こうした経過を経
て、初層から最終層まで溶接パス毎の適正な溶接条件と
パス座標および溶接トーチの位置座標など多層盛溶接に
必要なパスプランデータが作成され保管される。
【0061】一方、任意溶接長の溶接対象ワークの溶接
を行うには、予め基準となる溶接トーチ位置や溶接線あ
るいは溶接経路を溶接ロボットに教示しておく必要があ
る。この教示データの入力としては、例えば、図14
(a)(b)に示すように、溶接の開始点側でR1
2,R3の3点と終点側のR4とからなる計4点をティ
ーチングボックスから教示入力するようにしている。こ
の4つの教示点によって継手形状と溶接長および直線の
溶接線を認識することができるようにしている。このと
きの溶接線が図14(a)に示すように直線であれば、
上記の教示入力だけでよい。しかし、図14(b)に示
すような溶接線が大きな曲線のときには、この曲線の溶
接経路を教示するための教示点の入力が必要となる。
【0062】そこで、曲線および大きな曲がりのある溶
接線のときには、例えば図15(a)(b)に示すよう
に大まかな溶接線の移動経路の教示点W1,W1,・・W
nを適宜追加して教示入力するようにしている。このよ
うに教示入力を行うことにより任意形状の溶接線および
溶接位置を認識することができる。なお、センサ使用あ
りで溶接を行う場合は、溶接位置および溶接線の検出可
能な範囲の曲がり程度であれば、図15(a)(b)に
示したような教示入力を特にしなくても視覚センサによ
るセンシングによって、溶接線の位置ズレの補正倣い制
御を行うことが可能である。センサの検出範囲を超える
ような曲がりの溶接線に対しては、図15(a)(b)
に示したような教示入力を行えば良いことは言うまでも
ない。
【0063】上記のような演算処理を行う自動演算処理
装置に内蔵されている主なソフトウェアの構成を図16
を参照して説明する。図16は、本発明の一実施例に係
るすみ肉継手の多層盛溶接を行う自動演算処理装置に内
蔵されているソフトウエアと演算処理の経路等の構成を
示すブロック図である。図16において、20は、溶接
ロボット制御装置7およびセンサ画像処理装置17と自
動演算処理装置6との間で通信を行うための通信インタ
ーフェース、21は、ティーチングボックス8および溶
接ロボット制御装置7から送信されてきた教示入力デー
タである。
【0064】22は、この教示入力データ21を基にし
て、任意形状の溶接線の溶接に対する詳細な初層の溶接
線経路とワーク座標および溶接ロボット座標変換などの
演算処理を行い、ワーク教示データ23を作成するワー
ク座標演算処理プログラム、24は、通信の取り扱いを
決める通信パラメータ、25は、センサ画像処理装置1
7から必要に応じて送信されてくるセンサ検出データ、
26は、センサとロボットの間で座標変換の取り扱いを
決めるセンサおよびロボット座標変換パラメータであ
る。
【0065】また、27はマンマシンインターフェイ
ス、28は、多層盛溶接に必要なパス毎の最適溶接条件
とパス座標および溶接トーチの位置座標を計算して、パ
スプランデータ29を作成する多層盛溶接プラン演算処
理プログラム、30は溶接および座標教示演算プログラ
ムで、この溶接および座標教示演算プログラム30は、
前記パスプランデータ29と前記ワーク教示データ23
およびセンサ検出データ25に基づいて、初層から最終
層まで各溶接パス毎の溶接に必要な最適溶接条件,溶接
線経路,溶接トーチ位置座標,およびロボット位置座標
などを決定し教示する演算処理を行い、教示パスプラン
データ31を作成する。
【0066】また、このように自動作成された前記教示
パスプランデータ31は、溶接実行管理プログラム32
を介して溶接ロボット制御装置7へ順次送信され、か
つ、この溶接実行管理プログラム32による指令および
管理の下に、前記教示パスプランデータ31に示された
初層から最終層まで各パス毎の溶接が適切に順次実行さ
れるようになっている。33は、マンマシンインターフ
ェイス27に接続するキーボード、34はCRTを示
す。
【0067】このように、多層盛溶接パスプランの自動
演算処理や溶接ロボツト制御装置7およびセンサ画像処
理装置17の通信制御に必要な一連のソフトウェアを内
蔵した自動演算処理装置6を用いることによって、多層
盛溶接の施工計画が簡単に立案できるばかりでなく、溶
接作業者による教示の時間削減および溶接の能率向上を
図ることが可能となる。
【0068】本実施例の多層盛溶接方法を用いることに
より、多層盛溶接を行う前にその施工計画を初心者でも
簡単に立案することができる。また、自動演算で作成さ
れた教示パスプランデータ31によって初層から最終層
まで各パス毎の最適な溶接線および溶接トーチ位置と最
適溶接条件を自動的に演算し決定してその溶接が順次実
行されるので、溶接作業者による教示の時間削減および
溶接の能率向上を図ることができる効果がある。
【0069】また、本実施例によれば、溶接の実行に先
だって自動演算した結果をCRT画面に表示するととも
に、その結果に対して作業者の判断により変更や補正を
行うことができるようになっているので、操作性および
使い勝手が良く、かつ、多層盛溶接の施工内容を検証す
ることができる。さらに、所定の溶接脚長を満足するよ
うに適正な教示パスプランデータが作成されているの
で、初層から最終層まで各溶接に不具合が生じることな
く良好な溶接結果を得ることができ、溶接品質の確保,
管理が容易に行いうるという効果もある。
【0070】図19は、本発明の一実施例に係るすみ肉
継手の多層盛溶接結果を示す溶接断面金属組織写真であ
り、板厚が40mmのすみ肉継手部を6層21パスの多
層盛溶接を行なったときの溶接断面を示したものであ
る。溶接の条件は、溶接電流I=275A、溶接速度V
=270mm/min、溶接電圧E=32V一定であ
る。この溶接断面図から分かるように、溶接脚長は所定
の約41mmで、パス毎の溶接が良好に行なわれ健全な
溶接結果が得られている。
【0071】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、熟練溶接作業者に頼ることなく初心者でも簡単に
操作ができ、かつ、初層から最終層まで各パス毎の最適
な溶接線および溶接トーチ位置と最適溶接条件を自動的
に演算し決定することができるとともに、所定の溶着金
属を満たすべき溶接脚長に必要な初層から最終層までの
溶接を正確に順次実行することの可能なすみ肉継手の多
層盛溶接方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る多層盛溶接方法のアル
ゴリズムを示すフローチャートである。
【図2】本発明の一実施例に係る多層盛溶接システムの
構成を示す系統図である。
【図3】本実施例に係るすみ肉継手の形状および入力条
件の説明図である。
【図4】本実施例における溶接トーチ位置を示す説明図
である。
【図5】溶接電流と適正な溶接電圧との関係を示す特性
線図である。
【図6】本発明の一実施例における適正溶接電圧の演算
処理フローチャートである。
【図7】適正ワイヤ溶融速度の特性線図である。
【図8】初層溶接のビード形状を示す説明図である。
【図9】多層多パス溶接の積層パターン図である。
【図10】本発明の一実施例における積層溶接ビード高
さおよび幅の演算処理フローチャートである。
【図11】本発明の一実施例における溶接パターンと溶
接パス座標との関係を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施例における溶接パス座標と溶
接トーチをシフトした溶接位置座標との関係を示す説明
図である。
【図13】本発明の一実施例における溶接パス座標およ
び溶接位置座標の演算処理フローチャートである。
【図14】すみ肉継手の形状および溶接線経路の教示位
置を示す説明図である。
【図15】本実施例における溶接線経路の教示位置を示
す説明図である。
【図16】本発明の一実施例に係るすみ肉継手の多層盛
溶接を行う自動演算処理装置に内蔵されているソフトウ
エアと演算処理の経路等の構成を示すブロック図であ
る。
【図17】従来のすみ肉継手の多層盛溶接の施工を示す
説明図である。
【図18】他の従来のすみ肉継手の多層盛溶接の施工を
示す説明図である。
【図19】本発明の一実施例に係るすみ肉継手の多層盛
溶接結果を示す溶接断面金属組織写真である。
【符号の説明】
3 溶接パス列 4 溶着断面積 5 溶接トーチ 6 自動演算処理装置 7 溶接ロボット制御装置 8 ティーチングボックス 9 溶接機 11 溶接ロボット本体 14 溶接トーチ 15 視覚センサヘッド 17 センサ画像処理装置 L 溶接脚長 G ギャップ S シフト量 I 溶接電流 i 積層番号 j 溶接パス番号 m 溶接パスの段数番号 P1〜P15 溶接パス座標 Q1〜Q15 溶接位置座標 21 教示入力データ 22 ワーク座標演算処理プログラム 23 ワーク教示データ 26 センサおよびロボット座標変換パラメータ 28 多層盛溶接プラン演算処理プログラム 29 パスプランデータ 30 溶接および座標教示演算プログラム 31 教示パスプランデータ 32 溶接実行管理プログラム 33 キーボード 34 CRT
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 信雄 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 平井 明 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 東田 日出夫 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 日立京葉エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 猿楽 信一 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 日立京葉エンジニアリング株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の教示データによって任意の継手形
    状のアーク溶接が可能な自動溶接装置を用いてすみ肉継
    手の多層盛溶接を行う方法において、 前記自動溶接装置の制御および多層盛溶接パスプランの
    自動演算処理を行う演算処理装置を設け、 この演算処理装置による前記多層盛溶接パスプランの自
    動演算に当っては、 少なくとも溶接の継手形状、所定の溶着金属を満たすべ
    き溶接脚長、継手部のギャップ、初層から最終層まで同
    一の溶接電流と溶接トーチのシフト量を初期条件として
    入力し、 この入力値に基づいて、溶接電圧、ワイヤ溶融速度、溶
    接脚長を満たすのに必要な全溶着断面積と溶接の層数、
    初層から最終層までの溶接パス数、溶接速度とパス単位
    当りの溶着断面積、初層溶接のビード高さと幅、積層溶
    接に伴う累計ビード高さと幅などをそれぞれ演算し、 この演算結果に基づいて初層から最終層まで各溶接パス
    毎のパス座標と溶接トーチの位置座標とを演算して、こ
    れら一連の演算結果を表示するとともに、 前記自動演算によって、多層盛溶接に必要な初層から最
    終層まで各溶接パス毎の最適な溶接条件とパス座標およ
    び溶接トーチの位置座標とから構成したパスプランデー
    タを作成し、 また、多層盛溶接を行うべきすみ肉継手に対する必要な
    教示データとしては、初層の溶接線および溶接トーチ位
    置を前記自動溶接装置に初期条件として入力したのちに
    前記演算処理装置に送信して、この教示データと前記作
    成したパスプランデータとにより、初層から最終層まで
    各パス毎の最適な溶接線および溶接トーチ位置座標と最
    適溶接条件とを決定して教示する教示パスプランデータ
    を前記演算処理装置で自動作成したのち、前記自動溶接
    装置に送信し、 この教示パスプランデータに基づいて初層から最終層ま
    での各溶接パスを順次実行することを特徴とするすみ肉
    継手の多層盛溶接方法。
  2. 【請求項2】 自動演算処理を行う際に必要となる溶接
    条件のうち、溶接電圧は、入力される溶接電流と予め決
    定したチップ,母材間のワイヤ突出し長さの関数として
    演算し、かつ、演算で求めた溶接電圧に対して作業者の
    希望する増減値の追加入力によって補正できるものと
    し、 ワイヤ溶融速度は、前記溶接電流とチップ,母材間のワ
    イヤ突出し長さおよび追加入力された溶接電圧の増減値
    との関数として演算し、 また、溶接速度は、入力される溶接脚長およびギャップ
    とこの溶接脚長から算出できる溶接の積層数とワイヤ溶
    融速度との関数として演算し、かつ、演算した溶接速度
    に対して正常な溶接ビートが形成できる溶接速度の範囲
    内になるように上限値および下限値を設けるとともに、
    この範囲内で積層数に関係する溶接速度を増減できるも
    のとし、 さらに、合計の溶接パス数は溶接速度の演算および決定
    時に用いられた溶接の積層数の関数として、 全溶着断面積は溶接脚長とギャップとの関数として、 溶接パス単位当りの溶着断面積は演算で求めたワイヤ溶
    融速度と溶接速度との関数として、 また、初層溶接のビード高さと幅は演算で求めた単位当
    りの溶着断面積とギャップとの関数として、 積層溶接の累計ビード高さと幅は初層から最終層までの
    積層番号と単位当りの溶着断面積との関数として、 積層に伴う溶接パスのビード高さと幅は前記積層番号と
    演算で求めた累計ビード高さおよび幅の関数としてそれ
    ぞれ演算することを特徴とする請求項1記載のすみ肉継
    手の多層盛溶接方法。
  3. 【請求項3】 初層から最終層まで各溶接パス毎のパス
    座標は、順次溶接されるべきパスと積層および段数の関
    係と積層溶接の累計および単位当りのビード高さと幅と
    の関数として演算し、 また、溶接トーチの位置座標は、前記演算で求めた各溶
    接パス毎のパス座標と入力された溶接トーチのシフト量
    との関数として演算し、 さらに、初層溶接を行うときには、前記パス座標とシフ
    ト量とギャップとの関数としてそれぞれ演算することを
    特徴とする請求項1記載のすみ肉継手の多層盛溶接方
    法。
  4. 【請求項4】 各溶接パス毎のパス座標に対する溶接ト
    ーチのシフト量(S)の設定範囲を0<S≦4としたこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のいずれかのすみ
    肉継手の多層盛溶接方法。
  5. 【請求項5】 演算結果の表示に当っては、演算で求め
    た多層盛溶接に必要な初層から最終層までの各溶接パス
    毎の最適な溶接条件とパス座標および溶接トーチの位置
    座標とをCRT画面に表示するとともに、表示された結
    果に対して作業者の判断により変更,補正,追加などの
    編集を行いうるようにしたことを特徴とする請求項1記
    載のすみ肉継手の多層盛溶接方法。
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