JPH0638701Y2 - 自動スタンプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、書類上に所望の文字を自動的に印字するよう
にした自動スタンプ装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、書類を所定の場所に挿入すると、消印等が自動的
に印字されるようになった自動スタンプ装置は既に知ら
れている。

かかるスタンプ装置は、印字すべき書類がいつも一定の
厚さであるとは限らないため、種々の厚さの書類を確実
に処理することができるように、印字体の印字ストロー
クを書類の厚さに応じて調整できるはようになっている
ことが望ましい。書類の厚さの違いが僅かであれば印字
体や書類の弾力性によってそれを吸収させることもでき
るが、一枚だけの書類に印字する場合と何十頁もある書
類の上面に印字する場合のように厚さの違いが大きい場
合には、印字体や書類の弾力性によってそれを吸収させ
ることは困難であり、何らかの調整手段が必要になる。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案の課題は、印字体の印字ストロークを書類の厚さ
にあわせて自動的に調整するこどかできる簡単な構成の
自動スタンプ装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本考案は、書類載置面を備え
た基体に、該載置面上の書類に印字するための印字体を
備えた支持フレームを印字方向に往復動自在に支持させ
ると共に、該支持フレーム駆動用のモータと載置面上へ
の書類のセットに連動して動作するスイッチとを取り付
け、該モータの出力軸にカムを取り付け、上記支持フレ
ームには、該カムの回転運動を印字方向への往復運動と
して伝達するカム受けを相対的に変移可能に取り付け
て、該カム受けと支持フレームとの間に、これらのカム
受けと支持フレームとを弾力的に結合することによって
該支持フレームの印字ストロークを調整可能にばねを介
設したことを特徴とするものである。

［作用］ 印字すべき書類を載置面上にセットすると、該書類によ
りスイッチが押動されてモータが駆動し、その出力軸に
取り付けられたカムが一回転してカム受けが上下方向に
駆動される。そのため、支持フレームが固定枠に沿って
一往復だけ上下動し、印字体によって書類に所望の文字
が印字される。このとき、上記カム受けと支持フレーム
とがばねを介して弾力的に結合されているから、厚い書
類を挿入して支持フレームの印字ストロークが小さくな
った場合でも、そのストロークの減少分を上記ばねの弾
力によって吸収させることができ、従って種々の厚さの
書類に対応することができる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面を参照しながら詳細に説明
する。

第１図乃至第３図において、１はスタンプ装置の基体で
あって、該基体１は、印字すべき書類２を載置するため
の書類載置面４を前半部上面に備えた長方形状のベース
３と、該ベース３の書類載置面４より後方位置に設けら
れた固定フレーム５とで構成され、該固定フレーム５の
前部には、印字体ブロック７を備えた支持フレーム６が
上下動可能に支持されされている。これらの基体１と支
持フレーム６とは、合成樹脂によって形成することがで
きる。

上記支持フレーム６は、第４図及び第５図からも明らか
なように、左右の軸受アーム10,10から後方に延びる一
対の摺動壁10a,10a間に固定フレーム５前端の案内部5a
を挟んだ状態に配置され、摺動壁10a,10aの外面と固定
フレーム５の側面とに形成された係止突条11,12に跨が
って係合する係止枠部材13によって外れないように支持
されており、該係止枠部材13に支持された状態で上記案
内部5aに沿って上下動できるようになっている。従っ
て、この係止枠部材13を上方に引き抜くことにより支持
フレーム６を取り外すことができる。

上記印字体ブロック７は、印面に所望の文字を刻んだ複
数の印字体15をドラム16の回りに交換可能に取り付けた
もので、該ドラム16の回転軸16aを、上記支持フレーム
６における左右の軸受アーム10,10に適宜のデテント機
構により一定角度（印字体の配設角度）づつ回動可能に
支持させ、回転軸16aの両端に取り付けたハンドル17で
カチカチと回動操作することにより、所望の印字体15を
印面が書類載置面４に対向する下方の印字位置に選択的
にセットできるように構成されている。また、上記ハン
ドル17の側面には、各印字体15との対応位置に数字が付
され、これらの数字によって印字体15を識別できるよう
になっている。なお、上記印字体15は、金属製又は合成
樹脂製のケースに、多孔質素材からなる印判とインクを
含浸させたインク保持部材とを設けたもので、必要量の
インクが印判に自動的に供給されるように構成されてい
る。また、インクが少なくなった時には、ケースに設け
た補充穴から適宜補充することができる。

上記固定フレーム５の内部には、支持フレーム６を印字
方向（上下方向）に往復駆動するための駆動源であるモ
ータ20が配設され、図示しない減速機構を介して該固定
フレーム５から突出するモータ20の出力軸22には、偏心
円盤状のカム23が取り付けられており、これに対して、
上記支持フレーム６の固定フレーム５との対向面に形成
された凹所25内には、該カム23の回転運動を印字方向へ
の往復運動に変換して伝達するカム受け26が配設されて
いる。このカム受け26は、上記カム23が嵌合する大きさ
の凸字形皿状をなし、その下壁26aと上壁26bとがカム23
に当接する当接面となったもので、上記凹所25内に支持
フレーム６に対して印字方向に相対的に変移可能に配設
され、該カム受け26の両側の段部26cと凹所25の下壁25a
との間に、これらのカム受け26と支持フレーム６とを弾
力的に結合するばね27が縮設され、このばね27によって
支持フレーム６の印字ストロークを調整できるようにな
っている。

また、上記書類載置面４上には、モータ20を駆動するた
めのスイッチ30が設けられ、該載置面４上に書類２をセ
ットしたとき該書類の先端部によって押動操作されるよ
うになっており、該スイッチ30が操作されると、モータ
20が駆動してカム23が一回転し、カム受け26及びばね27
を介して支持フレーム６が一回だけ上下動して印字が行
われる。即ち、上記カム23が、前半の半回転でまずカム
受け26の下壁26aに当接し、該カム受け26を押し下げる
ことによりばね27を介して支持フレーム６を押し下げ、
続いて、後半の半回転でカム受け26の上壁26bに当接
し、ばね27の付勢力で凹所25の上壁25bに当接する位置
に復帰した該カム受け26を介して支持フレーム６を押し
上げる。上記スイッチ30は、ベース３の側面に設けた調
整部材31によってその動作ストローク、即ちスイッチ30
がオンになる位置を調整することができ、その調整によ
り、書類２に対する印字位置を調整できるようになって
いる。

上記固定フレーム５と支持フレーム６及び印字体ブロッ
ク７には、書類載置面４との間に書類２を挿入するため
のスリット33を確保した状態でカバー34が破設され、印
字体ブロック７のハンドル17がカバー34の側面に露出し
ている。そして、該カバー34の前面には、上記ハンドル
17に付された数字と印字内容との対応関係についての表
示35が施され、この表示に従って数字を選択することに
より、所望の印字を行うことができるようになってい
る。

上記構成を有する自動スタンプ装置において、ハンドル
17を回動操作することにより所望の印字体15を印字位置
にセットしたあと、印字すべき書類２をスリット33を通
じて載置面４上に挿入すると、該書類２の先端部でスイ
ッチ30が押動されるためモータ20が駆動し、その出力軸
22に取り付けられたカム23が一回転してカム受け26を下
動させる。そこで、支持フレーム６が固定フレーム５に
沿って一往復だけ上下動し、印字位置にある印字体15に
よって書類２に所望の文字が印字される。このとき、上
記カム受け26と支持フレーム６とがばね27を介して弾力
的に結合されているから、厚い書類を挿入して支持フレ
ーム６の印字ストロークが小さくなった場合でも、その
ストロークの減少分を上記ばね27の弾力によって吸収さ
れることができ、従って種々の厚さの書類に対応するこ
とができる。

［考案の効果］ このように本考案によれば、支持フレームとカム受けと
を相対的に変移可能に取り付け、これらの支持フレーム
とカム受けとをばねによって弾力的に結合したので、厚
い書類を挿入して支持フレームの印字ストロークが小さ
くなった場合でも、そのストロークの減少分を上記ばね
の弾力によって吸収させることができ、従って種々の厚
さの書類に確実に対応することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動スタンプ装置の一実施例を示
す全体斜視図、第２図はその縦断面図、第３図はカバー
を取り外した状態での平面図、第４図はそれを分解して
示す要部斜視図、第５図は第２図におけるＡ−Ａ線での
拡大断面図である。 １……基体、２……書類、 ４……載置面、６……支持フレーム、 15……印字体、20……モータ、 22……出力軸、23……カム、 26……カム受け、27……ばね、 30……スイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】書類載置面を備えた基体に、該載置面上の
   書類に印字するための印字体を備えた支持フレームを印
   字方向に往復動自在に支持させると共に、該支持フレー
   ム駆動用のモータと、載置面上への書類のセットに連動
   して動作するスイッチとを取り付け、該モータの出力軸
   にはカムを取り付け、上記支持フレームには、該カムの
   回転運動を印字方向への往復運動として伝達するカム受
   けを相対的に変移可能に取り付けて、該カム受けと支持
   フレームとの間に、これらのカム受けと支持フレームと
   を弾力的に結合することによって該支持フレームの印字
   ストロークを調整可能にばねを介設したことを特徴とす
   る自動スタンプ装置。