JPH0637475Y2 - 定置式バーコードリーダ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はバーコードリーダの外部より与えたタイミング
信号に同期してレーザ光を走査しバーコードを読み取る
定置式バーコードリーダに関するものであり、詳しく
は、生産ライン等に組み込んで使用するもので、内部的
に連続してタイミング信号を発生し、これに基づいて読
み取りテストを行えるテストモードが付いた定置式バー
コードリーダに関するものである。

〔従来の技術〕

バーコードを読み取るバーコードリーダは、通常、レー
ザ光を発光するレーザ点灯回路と、回転軸にポリゴンミ
ラーと呼ばれる多角形ミラーが取付けられたモータ等で
構成される走査手段と、読取対象となるバーコードから
反射したレーザ光を受光することにより電気的信号を発
生する受光素子とを有しており、レーザ点灯回路から放
出されたレーザ光を走査手段によってバーコード上を走
査し、受光素子の出力信号を解読することにより、バー
コードデータを検出している。

このような従来のバーコードリーダでは、外部からタイ
ミング信号を与えることにより、例えば生産ラインにお
いて物品の流れの上流側に設置した光電スイッチが発生
する物品検知信号等の外部タイミング信号が入力される
と、レーザ光の走査を行い、バーコードデータを検出す
るものであるため、一度の操作につき、バーコードが読
めたか読めなかったかの２値のことしか判別できず、ど
の程度確実に読取れているかはわからなかった。また、
同一のバーコードを複数回読込んで一致するか否かを判
定する読取りテストや生産ラインに設置する際の動作確
認等において、その都度タイミング信号を外部から与え
る必要があり、作業が煩雑で能率が悪く、どの程度の精
度で読み取りができているかを知るために必要以上の走
査を行うことは読取の応答性を悪くするという問題があ
った。

尚、スーパーマッケット等で使用するバーコードリーダ
では、読み取り障害時にデジタル回路系、アナログ回路
系若しくは光学系といった故障の箇所を自己診断できる
機能を備えたものもある。しかし、これらは何れもレー
ザ光の代わりにLED素子で模擬光を発生させたり、疑似
バーコード信号を発生させて、バーコードリーダの機能
の一部を正常な予備機能に置き換えて故障箇所を探すも
のであり、生産ライン等に設置する際に、バーコードと
の位置合わせを行ったり、動作確認を行うために使用す
るものではなかった。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、このような問題点に鑑みて、バーコードリー
ダの外部よりタイミング信号を与えて使用する本来の使
用方法以外に、設置の際に外部よりタイミング信号を与
えることなく、内部的に連続したタイミング信号を発生
し、この内部タイミング信号１回につき所定回数の読取
りを行い、そのうち何回バーコードを読みとれたかの情
報をユーザに知らせることが可能な定置式バーコードリ
ーダの提供を目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、レーザ光を発光す
るレーザ点灯手段と、前記レーザ点灯手段から放出され
たレーザ光で、読取対象となるバーコード上を走査する
走査手段と、レーザ光が走査したバーコードから反射し
たレーザ光を受光して電気信号を発生する受光素子とを
有する定置式バーコードリーダにおいて、読取対象とな
るバーコードが読み取れるか否かをテストするテスト開
始信号を発生するモード設定手段と、前記モード設定手
段からのテスト開始信号に応じて、バーコード読取動作
を行わせる内部タイミング信号を発生するタイミング信
号発生手段と、通常使用時にはバーコードリーダの外部
から入力されるタイミング信号に応じてバーコード読取
動作を行いバーコードが示すデータを検出し、一方、テ
スト時には前記タイミング信号発生手段からの内部タイ
ミング信号に応じてバーコード読取動作を行い、バーコ
ードが示すデータを検出するバーコード検出手段と、テ
スト時に所定回数の読取動作を行い、何回前記データが
読み取れたかを判別する判別手段とを有する定置式バー
コードリーダを構成するものである。

また、前記判別手段による読取結果を表示する表示手段
を設けることが好ましい。

〔作用〕

本考案に係る定置式バーコードリーダは上述のようにし
てなり、通常使用時には従来のバーコードリーダと同様
にバーコードリーダの外部から入力される外部タイミン
グ信号に基づいてレーザ点灯手段を点灯し、走査手段に
より読取対象となるバーコード上にレーザ光を走査す
る。

バーコード上で反射したレーザ光は受光素子により電気
的信号に変換され、バーコード検出手段によって解読さ
れる。

モード設定手段が操作されてテスト開始信号がタイミン
グ信号発生手段に入力されると、このタイミング信号発
生手段は連続した内部タイミング信号を発生する。

この内部タイミング信号に基づいてレーザ光を所定回数
走査し、そのうち何回読み取れたかの判別を行なってそ
の判別結果を出力手段に表示するものである。

〔実施例〕

本考案の詳細を図示した実施例に基づいて説明する。

第１図は本考案に係るテストモード付きの定置式バーコ
ードリーダの概念ブロック図である。

図中１は本考案に係るバーコードリーダであり、レーザ
光を発するレーザ点灯手段２と、該レーザ点灯手段２か
ら放出されるレーザ光を読取対象となるバーコード９上
に走査させる走査手段３と、前記バーコード９から反射
したレーザ光を受光することにより電気的信号を発生す
る受光素子４と、テスト開始信号を発生するモード設定
手段５と、該モード設定手段５からのテスト開始信号に
基づいて内部タイミング信号を連続して発生するタイミ
ング信号発生手段６と、該タイミング信号発生手段６か
らの内部タイミング信号又はバーコードリーダ１の外部
から入力される外部タイミング信号に基づいて前記レー
ザ点灯手段２を点灯して前記受光素子４から得られるバ
ーコードデータを検出するバーコード検出手段７と、モ
ード設定手段５によって設定されたテストモード時に所
定回数中何回バーコードデータが読み取れたかを判別す
る判別手段10と、該判別手段10による読取り結果を表示
する表示手段を備えた出力手段８とを有するものであ
る。

第２図は本考案の実施例の簡略ブロック図である。

レーザ点灯手段２は、半導体レーザダイオード等の発光
素子21とこの発光素子21を駆動するレーザ点灯回路22と
からなるものである。

走査手段３は、例えばモータ31の回転軸に取付けられた
側面が反射鏡に形成された多角形状のポリゴンミラー32
で構成されるものであり、発光素子21から出力されるレ
ーザ光をポリゴンミラー32表面で反射し、対象となるバ
ーコード上を走査する位置に設置されるものである。

受光素子４はフォトダイオード等の光電変換素子でなる
ものであり、受光素子４の出力信号は増幅回路等からな
る受光回路11及びコンパレータ12を介して各バーコード
データに対応したパルス信号となる。

モード設定手段５はテストモードスイッチ51で構成さ
れ、操作されることによりテスト開始信号TESを発生す
るものである。

13は、モード設定手段５が発生するテスト開始信号TES
又はバーコードリーダ１の外部から入力される外部タイ
ミング信号TIMの入力によりレーザ点灯回路22を駆動す
るためのタイミング信号Ｔを発生し、コンパレータ12の
出力信号を検出するとともにテストモード時に何回バー
コードデータを読取れたかを判別するバーコード検出判
別手段である。

このバーコード検出判別手段13は、中央処理装置（以下
CPUと称す）14と、コンパレータ12の出力を解読するデ
コード回路15及びデコード回路15で解読したバーコード
データを記憶するメモリ16とよりなるものである。

CPU14は、外部タイミング信号TIMが入力された時、レー
ザ点灯回路22を駆動するタイミング信号Ｔを発生して発
光素子21を点灯し、受光素子４から得られるバーコード
データを検出して出力手段８に転送する。

また、CPU14にモード設定手段５からのテスト開始信号T
ESが入力された場合にも、タイミング信号Ｔを出力し、
これに対応してレーザ光の走査を行い、何回バーコード
データが読取れたかを判別し、この判別結果を出力手段
８に転送する。

出力手段８は、発光ダイオード（LED）、液晶表示板そ
の他の表示手段81及びこの表示手段81の駆動回路、RS-2
32C等の通信用インターフェース等の出力回路82を含む
ものである。

第３図は通常使用時のフローチャート、第４図はテスト
モード時のフローチャートである。

即ち、通常使用時には、例えば生産ラインにおいて物品
の流れの上流側に設置した光電スイッチが発生する物品
検知信号等の外部タイミング信号TIMが入力された時、
レーザ点灯を行い、バーコードデータの取り込みをす
る。

このバーコードデータの取り込みは、外部タイミング信
号TIMがOFFするか若しくはメモリ容量を越えない範囲
で、例えば10走査分のバーコードデータを取り込むまで
行われる。

次に、レーザをOFFしてバーコードデータを解読し、読
み取りができたか否かを判断する。

この判別は例えば、プリセット値と比較して行うことも
可能であり、また同一のバーコードを複数回走査して得
られたデータ同士を比較してもよい。

外部タイミング信号TIMがONの状態で、バーコードを読
み取れなかった場合には再度レーザを点灯してバーコー
ドデータの取り込みを行う。

バーコードデータの読み取りが行えた場合には出力手段
８に“OK"又はバーコードデータの出力表示をさせる。

モード設定手段５が操作されて、テスト開始信号TESが
入力されると、第４図に示すようにレーザを点灯し、所
定回数のバーコードデータを取り込む。

例えば、レーザ光を10回走査して同一バーコードのバー
コードデータを10走査分取り込む。

ここでレーザをOFFして、バーコードデータを何回読み
取れたかを判別し、所定回数以上読み取れた場合には、
OK出力をし、読み取れた回数が所定回数以下の場合には
NG出力を行ない、テスト開始信号TESがOFFになるまで前
記ステップを繰り返す。

表示手段81は各種のものを採用でき、例えば第５図に示
すように、液晶表示板83を利用することができる。

ここで例えば液晶表示板83にバーコード表示部84と読取
回数表示部85とを設定し、読み取ったバーコードをバー
コード表示部84に表示するとともにテストモード時にお
ける読み取り回数を読取回数表示部85に表示することが
できる。

また、表示手段81として複数個のLEDを用いて判別結果
を段階的に表示することが可能である。

例えば、第６図に示すように３つのLED86、87、88を設
けておき、10回のレーザ光走査のうち、９〜10回バーコ
ードデータの読取りができた場合には第６図（ａ）のよ
うに３つのLED86、87、88を点灯し、５〜８回の読み取
りができた場合は第６図（ｂ）のようにLED87、88を点
灯し、読み取りが１〜４回の場合には第６図（ｃ）のよ
うにLED88を点灯し、全然読取れなかった場合には、第
６図（ｄ）のようにすべてのLEDを点灯しないように設
定できる。

このように構成した場合、テストモードにおける読み取
りがどの程度確実に行われているかを表示できるもので
ある。

尚、LEDの個数や表示点灯の方法は図示したものに限定
されるものではなく、液晶表示板における表示方法も特
に限定はしない。

ここで、前記表示手段81をバーコードリーダ１内に設け
ずに、出力回路82からの表示信号をバーコードリーダ１
の外部に取り出せるようにし、使用者が適所に取付けた
液晶表示板83、複数のLED86、87、88やブザー等に接続
して使用することも可能である。

また、タイミング信号発生手段６として、タイミング信
号を発生する発振器を利用し、この発振器をONすること
によりタイミング信号を発生してレーザ点灯を行うこと
も可能である。

〔考案の効果〕

本考案に係る定置式バーコードリーダは、上述のように
してなり、バーコードリーダの外部からのタイミング信
号を与えることなく、バーコードリーダがモード設定手
段からのテスト開始信号に応じて、タイミング信号発生
手段によってバーコード読取動作を行わせる内部タイミ
ング信号を、自ら連続して発生する為、読み取りテスト
を簡便に行うことが可能であり、設定の際の動作確認も
容易になるとともに、バーコードの読取精度を容易に知
ることができる。

即ち、バーコード自身の信頼性やバーコードに対するバ
ーコードリーダの適正及び検出範囲を容易に知ることが
でき、生産ラインにバーコードリーダを設置した場合に
は、そのラインの信頼性を知ることができるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る定置式バーコードリーダの概念
ブロック図、第２図は本考案の実施例の簡略ブロック
図、第３図は通常使用時のフローチャート、第４図はテ
ストモード時のフローチャート、第５図は表示手段の一
例を示す説明図、第６図（ａ）（ｂ）、（ｃ）、（ｄ）
は表示手段の他の例を示す説明図である。 1:バーコードリーダ、2:レーザ点灯手段、3:走査手段、
4:受光素子、5:モード設定手段、6:タイミング信号発生
手段、7:バーコード検出手段、8:出力手段、9:バーコー
ド、10:判別手段、11:受光回路、12:コンパレータ、13:
バーコード検出判別手段、14:CPU、15:デコード回路、1
6:メモリ、21:発光素子、22:レーザ点灯回路、31:モー
タ、32:ポリゴンミラー、51:テストモードスイッチ、8
1:表示手段、82:出力回路、83:液晶表示板、84:バーコ
ード表示部、85:読取回数表示部、86、87、88:LED。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】レーザ光を発光するレーザ点灯手段と、 前記レーザ点灯手段から放出されたレーザ光で、読取対
   象となるバーコード上を走査する走査手段と、 レーザ光が走査したバーコードから反射したレーザ光を
   受光して電気信号を発生する受光素子とを有する定置式
   バーコードリーダにおいて、 読取対象となるバーコードが読み取れるか否かをテスト
   するテスト開始信号を発生するモード設定手段と、 前記モード設定手段からのテスト開始信号に応じて、バ
   ーコード読取動作を行わせる内部タイミング信号を発生
   するタイミング信号発生手段と、 通常使用時にはバーコードリーダの外部から入力される
   タイミング信号に応じてバーコード読取動作を行いバー
   コードが示すデータを検出し、一方、テスト時には前記
   タイミング信号発生手段からの内部タイミング信号に応
   じてバーコード読取動作を行い、バーコードが示すデー
   タを検出するバーコード検出手段と、 テスト時に所定回数の読取動作を行い、何回前記データ
   が読み取れたかを判別する判別手段と、 を有することを特徴とする定置式バーコードリーダ。
2. 【請求項２】前記判別手段による読取結果を表示する表
   示手段を有する請求項１記載の定置式バーコードリー
   ダ。