JPH0637175Y2 - 水平循環式駐車装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車の水平循環式駐車装置に関するもので
ある。

（従来の技術） 従来の水平循環式駐車装置１は第４図および第５図に示
すように、左側縦移送路２、前側横移送路３、右側縦移
送路４および後側横移送路５を同一平面上に交互に接続
してなる駐車路６が下層Ａ、中間層Ｂおよび上層Ｃにそ
れぞれ配設され、該各層の駐車路６の左側方の昇降路７
に自動車積載用のパレット８を入出庫口（図示省略）に
対して移送する昇降リフトａが設けられており、前記パ
レット８は各横移送路3,5上で連結器９が互いに係合し
て連結パレットが一体的に移動し、該連結器は各縦移送
路2,4および昇降路７で離脱してパレット８が１個ずつ
移動するように構成されている。

前記下層Ａ、中間層Ｂおよび上層Ｃのいずれかの駐車路
６に自動車（図示省略）を入庫したり、駐車路６から出
庫したりするときは、前記各横移送路3,5における横送
りＸと、前記各縦移送路2,4における縦送りＹとによる
箱形水平循環動作と、昇降リフトａによる昇降送りＺと
を組み合わせることにより行っていた。

（考案が解決しようとする課題） しかし、上記従来の水平循環式駐車装置１においては、
第５図に示すように下層Ａの前側横移送路３の左端に位
置しているパレット８から離脱したパレット８が昇降リ
フトａによってさらに上昇するとき、上昇中のパレット
８の連結器９の左半部9aは、中間層Ｂの前側横移送路３
の左端に位置しているパレット８の連結器９の右半部9b
とオーバーラップＬしているために、昇降リフトａは中
間層Ｂの駐車路６側方を通過することができないばかり
でなく、上層Ｃの駐車路６においても同様の障害が発生
する。

そこで、中間層Ｂのパレット位置P₂（第４図参照）に位
置しているパレット８をパレット位置P₁に縦送りＹをし
てパレット位置P₂を空所にしておけば、昇降リフトａは
上昇動作を続けることが可能となる反面、中間層Ｂおよ
び上層Ｃの駐車路６はいずれも箱形水平循環動作を一時
停止しなければならないので、自動車の入出庫作業に多
くの時間を費やすという不具合がある。

本考案はかかる従来の上記課題に鑑み、自動車の入庫お
よび出庫を短時間で行えるようにした水平循環式駐車装
置を提供するにある。

（課題を解決するための手段） 本考案の水平循環式駐車装置は、複数列の横移送路およ
び縦移送路を同一平面上に交互に接続してなる駐車路が
複数層に配設され、該各層の駐車路側方の昇降路に自動
車積載用のパレットを入出庫口に対して移送する昇降リ
フトが設けられたものにおいて、該昇降リフトには、昇
降リフト上に移載した前記パレットを各層の駐車路の端
部に位置するパレットから横方向に離隔せしめるための
退避手段が設けられており、前記退避手段が、基端部を
中心に水平方向に回動するように昇降リフト上に配置さ
れたクランクアームと、前記クランクアームの先端部と
係合するように前記パレット下面に設けられたガイド溝
と、を有することを特徴とする。

（作用） 昇降リフト上に移載されたパレットは、退避手段におけ
るパレット下面に設けられたガイド溝に、昇降リフトに
設けられたクランクアームの先端部が係合されて、クラ
ンクアームが水平方向に回動することにより、各層の駐
車路の端部に位置するパレットから横方向に離隔した状
態で昇降動作が行われるから、他のパレットと接触する
ことがない。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明する。

第４図および第５図の従来技術における符号１から9bま
では本実施例にも適用する。

第１図および第２図に示す昇降リフト11は、フレーム12
の前後両端部から左方に突設した昇降車輪13,14が、昇
降路７の左側壁7aに沿って立設したＨ形鋼等で形成した
ガイドレール15,15上を駆動手段（図示省略）によって
走行可能に設けられ、かつ前記フレーム12の上面にパレ
ット８の横行車輪8aを乗架せしめる横行レール16,16が
敷設されている。

さらに、前記フレーム12の中間部に固設した取付台17上
には、退避手段18が設けられている。

前記退避手段18は昇降リフト11の上に移載したパレット
８を、下層Ａ、中間層Ｂおよび上層Ｃの駐車路６の端部
に位置するパレット８から横方向に離隔させるためのも
ので、前記取付台17に固設した横送り駆動機構19の出力
軸19aにクランクアーム20の基端部20aが固定されるとと
もに、その先端部20bにローラ21が枢支されており、該
ローラをクランクアーム20の反時計方向の回動により前
記パレット８のガイド溝8bに係合させたのち、第２図の
鎖線位置に移行させることによってパレット８が左方へ
退避間隔Ｄだけ横行するように構成されている。

前記下層Ａの駐車路６、中間層Ｂおよび上層Ｃの駐車路
６の各前側横移送路３に対応する昇降路７のガイドレー
ル15には、それぞれマイクロスイッチ22が設けられてお
り、該マイクロスイッチは昇降リフト11に固設したカム
部材23に当接して作動可能とされている。

次に、上記実施例の作用について説明する。第３図
（ａ）に示すように、下層Ａの前側横移送路３のパレッ
ト8,8…が左方へ横送りＸされて左端のパレット８が昇
降リフト11上に移載される。昇降リフト11が第３図
（ｂ）に示す上昇動作でパレット８の連結器９の左半部
9aが後続のパレット８に設けた右半部9bから例えば100m
m上昇する。下層Ａの前側横移送路３に対応する位置に
設けたマイクロスイッチ22がカム部材23の上側面23aに
当接して昇降リフト11を停止させるとともに、退避手段
18に入力して第３図（ｃ）に示すように、パレット８を
左方へ横送りＸさせて前記退避間隔Ｄを保ったのち、再
び昇降リフト11が上昇動作をして昇降路７上方の入出庫
口（図示省略）に到達する。

上述と反対に昇降リフト11が入出庫口から下降動作をし
て下層Ａの駐車路６に接近すると、下層Ａの前側横移送
路３に対応する位置に設けたマイクロスイッチ22がカム
部材23の下側23bに当接して昇降リフト11を停止させる
とともに、退避手段18に入力してパレット８を退避位置
から原位置まで復帰させたのち、昇降リフト11が再び下
降動作をしてパレット８の連結器９の左半部9aが下層Ａ
の前側横移送路３の左端位置に待機しているパレット８
の連結器９の右半部9bに係合して昇降リフト11上のパレ
ット８は下層Ａの駐車路６において箱形水平循環動作が
可能となる。

なお、上述の作用は入出庫口を起点とする入庫時の昇降
リフト11の下降動作や、中間層Ｂの駐車路６を起点とす
る昇降リフト11の昇降動作においても同様に行われる。

（考案の効果） 本考案は上記の構成より、昇降リフト上に移載されたパ
レットは退避手段によって各層の駐車路の端部に位置す
るパレットから横方向に離隔されるので、昇降リフトの
昇降動作と各層における箱形水平循環動作とは、連結器
によって発生する相互干渉が解消され、したがってパレ
ットによって搬送される自動車の入出庫時間が短縮さ
れ、作業性が著しく向上するという優れた効果がある。

また、パレットの退避手段は、昇降リフトに設けられた
クランクアームと、パレットに設けられてクランクアー
ムが係合されるガイド溝とによって構成されているため
に、簡潔な構成であってコンパクトであり、しかも、騒
音もほとんど発生しない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示し、第１図は昇降リフト
の側面図、第２図は同平面図、第３図は昇降リフト上に
おけるパレットの動作を説明する図、第４図は水平循環
式駐車装置の従来例におけるパレットの動作を説明する
平面図、第５図は同正面図である。 １……水平循環式駐車装置 ２……左側縦移送路、３……前側横移送路 ４……右側縦移送路、５……後側横移送路 ６……駐車路、７……昇降路 ８……パレット、11……昇降リフト 18……退避手段 Ａ……下層、Ｂ……中間層 Ｃ……上層、Ｄ……退避間隔 Ｘ……横送り

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数列の横移送路および縦移送路を同一平
   面上に交互に接続してなる駐車路が複数層に配設され、
   該各層の駐車路側方の昇降路に自動車積載用のパレット
   を入出庫口に対して移送する昇降リフトが設けられたも
   のにおいて、該昇降リフトには、昇降リフト上に移載し
   た前記パレットを各層の駐車路の端部に位置するパレッ
   トから横方向に離隔せしめるための退避手段が設けられ
   ており、前記退避手段が、基端部を中心に水平方向に回
   動するように昇降リフト上に配置されたクランクアーム
   と、前記クランクアームの先端部と係合するように前記
   パレット下面に設けられたガイド溝と、を有することを
   特徴とする水平循環式駐車装置。