JPH0636540Y2 - 磁気ディスク用ジャケット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は磁気ディスクを収納する磁気ディスク用ジャケ
ット、特にシャッタを開閉するスプリングを円滑に作用
させるようにした磁気ディスク用ジャケットに関する。

〔従来の技術〕

従来の磁気ディスク用ジャケットを第３図乃至第５図に
基づいて説明する。

第３図は従来の磁気ディスク用ジャケットを用いた磁気
ディスクカセットを示す平面図、第４図は第３図の磁気
ディスク用ジャケット内部におけるスプリングの弾装部
を拡大して示す部分拡大図、第５図は他の磁気ディスク
用ジャケットを示す第４図相当図である。

上記磁気ディスクカセット１は、第３図に示す如く、磁
気ディスク２と、磁気ディスク２を回転可能に収納する
磁気ディスク用ジャケット３とを備えて構成されてい
る。

而して、上記磁気ディスク用ジャケット３は、磁気ディ
スク２を回転可能に収納するケース本体４を主体に構成
され、このケース本体４の一側縁部、具体的には磁気デ
ィスクカセット１の装置への挿入方向先端縁部の近傍中
央には、第３図に示す如く磁気ヘッド（図示せず）が臨
む窓4aが形成され、第4aに磁気ヘッドを臨ませて磁気デ
ィスク２に再生、記録を行い得るようになされている。

また、ケース本体４の上記一側縁部には、矩形で断面コ
字状に折り返して形成されたシャッタ５が摺動可能に嵌
装されている。そしてシャッタ５には、上記窓4aに対応
する孔5aが磁気ディスクカセット１の挿入方向に沿う一
方の側縁に偏位して形成され、磁気ディスクカセット１
の不使用時には、上記窓4aは、孔5aが該窓4aの側方に位
置してシャッタ５により被覆され、磁気ディスクカセッ
ト１の内部を保護するようになされている。

また、上記シャッタ５とケース本体４の隅角部（磁気デ
ィスク用ジャケット１の装置への挿入方向先端縁部を含
む一隅角部）間には、略Ｖ字状に屈曲形成されたスプリ
ング６が第４図に示す如く弾装されており、スプリング
６が上記シャッタ５を上記窓4aの閉塞方向（同図左方
向）に付勢している。

このスプリング６の取付状態について更に詳述すると、
略Ｖ字状のスプリング６の両端は、それぞれ反対方向に
90°折曲されて、それぞれ折曲部6a、6aとして形成され
ている。そして、これら折曲部6a,6aは、シャッタ５の
係合爪5b及びケース本体４の隅角部に形成された溝4bに
それぞれ嵌入係合するように構成されている。即ち、断
面コ字状に折り返されたシャッタ５の折り返し部内面に
は、係合爪5bが第４図に示す如くＬ字状に突出形成さ
れ、また、ケース本体４の隅角部の内部には、溝4bが形
成され、上記スプリング６の一方の折曲部6aが上記係合
爪5bに、他方の折曲部6aが上記溝4bにそれぞれ嵌入係合
するようになされている。また、上記シャッタ５の折り
返し部に接触するケース本体４の端縁に沿って浅い切欠
部4cが形成されている。該切欠部4cは、上記シャッタ５
が上記窓4aを閉塞する位置における係合爪5bと上記窓4a
を開口する位置における係合爪5bに至る範囲に形成され
たケース本体４の端縁に平行させた浅い切欠である（第
４図参照）。尚、係合爪5bは、孔5aの形成位置と反対側
の端部近傍に位置して形成されている。

このようにしてシャッタ５の係合爪5bとケース本体４の
溝4bとの間に取り付けられたスプリング６は、略Ｖ字状
に屈曲形成されバネ力を保有してシャッタ５に付勢力を
付与し、磁気ディスクカセット１の不使用時には、シャ
ッタ５で磁気ディスク用ジャケット３の窓4aを閉塞して
いる。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、従来の磁気ディスクジャケットは、シャ
ッタ５の係合爪5bの端部5b₁が、第４図に示す如く、ケ
ース本体４の切欠部4cから多少突出して位置している。
そのため、磁気ディスクカセット１にスプリング６を組
み付ける場合に、第４図に示す如く、スプリング６の折
曲部6aが係合爪5bに係合せず、その外側に当接した状態
になることがある。あるいは磁気ディスクカセット１に
加わった衝撃などによりスプリング６の折曲部6aが上述
の如く係合爪5bから外れることがある。

このように、スプリング６が係合爪5bから外れた状態で
磁気ディスクカセット１を使用するとシャッタ５の開閉
動作時にシャッタ５からスプリング６が脱落したり、シ
ャッタ５の開閉に支障をきたすことがある。

また、上記シャッタ５の係合爪5bの端部5b₁の位置をケ
ース本体４の切欠部4cの底面の位置に合わせて開閉動作
時の上記端部5b₁を切欠部4cで隠蔽した第５図に示す如
き磁気ディスク用ジャケット３もある。このタイプのも
のは、スプリング６を磁気ディスクカセット１に組み付
ける場合に、その折曲部6aが係合爪5bの外側に当接する
ことがないように改善されている。しかし、このタイプ
のものは、係合爪5bの係合部5b₂の位置まで切欠部4cの
底面を延ばし、前者のタイプのものよりも切欠部4cが浅
くなっている。そのため、スプリング６の折曲部6aが係
合爪5bの係合部5b₂を逸脱すると、シャッタ５の開閉に
伴い上記折曲部6aが切欠部4cの底面を摺動して該底面を
摩耗させるという問題があった。

従って、本考案の目的は、スプリングの一端が常にシャ
ッタの係合爪に係合してシャッタの開閉を円滑にした磁
気ディスク用ジャケットを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の磁気ディスク用ジャケットは、内部に磁気ディ
スクを回転可能に収納し、磁気ヘッドの臨む窓を有する
ケース本体、該ケース本体の窓を覆って摺動し該窓を開
閉する断面コ字状に折り返されたシャッタ、及び該シャ
ッタの折り返し部内面に突出形成された係合爪と上記ケ
ース本体隅角部それぞれに端部を係合させて両者間に弾
装され上記窓を閉止する方向に付勢するスプリングを備
え、且つ上記ケース本体は、上記係合爪の移動方向に対
応させた切欠部を有してなる磁気ディスク用ジャケット
において、上記切欠部は、その少なくともいずれか一方
の端部方向に上昇させた傾斜部を有し、該傾斜部がその
上昇端部において上記係合爪の端部5b₁を隠蔽するよう
形成されていることを特徴とする磁気ディスク用ジャケ
ットを提供することにより上記目的を達成したものであ
る。

〔作用〕

本考案の磁気ディスク用ジャケットによれば、シャッタ
が開閉する際に、スプリングをケース本体の切欠部の傾
斜によって係合爪の係合部に案内して係合させ、シャッ
タの開閉を円滑にする。

〔実施例〕

以下、第１図及び第２図（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に示し
実施例に基づいて本考案を説明する。尚、各図において
従来と同一又は相当部分には同一符号を付して説明す
る。同図中、第１図は本考案の磁気ディスク用ジャケッ
トの一実施例を示す要部拡大図、第２図（ａ）、
（ｂ）、（ｃ）は第１図に示す磁気ディスク用ジャケッ
トのシャッタの動作過程を示す図で、同図（ａ）はシャ
ッタを中間位置まで開放した状態を示す要部拡大図、同
図（ｂ）はシャッタの開放直前位置を示す同図（ａ）相
当図、同図（ｃ）はシャッタを開放した位置を示す同図
（ｃ）相当図である。

即ち、本実施例の磁気ディスク用ジャケット３は、第１
図に示す如く、従来と同様磁気ディスク２を収納するケ
ース本体４と、該ケース本体４の一側縁を摺動してケー
ス本体４の窓4aを開閉するシャッタ５とを備えている。
そして、上記シャッタ５の折り返し部には従来と同様係
合爪5bが第１図に示す如く形成されている。

而して、本実施例におけるケース本体４の切欠部4cは、
従来のものと異なり、切欠部4cの底面の両側に傾斜部4d
が形成されている。即ち、上記傾斜部4dは、上記切欠部
4cの中央に対して左右対称で且つ該切欠部4cの端部方向
に漸次上昇させて形成され、その上昇端位置では上記係
合爪5bの端部5b₁が、第１図に示す如く隠蔽され、下降
端では従来の第１のタイプの如くに係合爪5bの端部5b₁
が切欠部4cの底面から突出するように形成されている。
このように端部5b₁が切欠部4cの底面から突出して移動
する範囲は、左右にある傾斜部4d、4d間に形成される平
坦な範囲である。

次に、本実施例の磁気ディスク用ジャケットの動作につ
いて第２図（ａ）、（ｂ）、（ｃ）を参照しつつ説明す
る。

例えば、シャッタ５を開放する途上で第２図（ａ）に示
す如く、スプリング６の折曲部6aが係合爪5bの係合部5b
₂から逸脱し、係合爪5bの外側に当接した場合であって
も、シャッタ５の開放が進むにつれて上記折曲部6aが折
欠部4cの傾斜部4dに差し掛り傾斜部4dを上昇するにつ
れ、係合爪5bの端部5b₁が徐々にケース本体４内に隠れ
（第２図（ｂ）参照）、更に開放が進み上記折曲部6aを
傾斜部4dの上昇端位置に案内し、シャッタ５が第２図
（ｃ）に示す如く開放端位置に達すると、端部5b₁が傾
斜部4dによって完全に隠されると共に、折曲部6aがその
スプリング６の付勢力を得て傾斜部4dをガイド面にして
係合爪5bに確実に係合する。よって以降のシャッタ５の
開閉を円滑にする。

逆に、シャッタ５を閉止する場合には、他方の傾斜部4d
が上述したと同様に作用して、スプリング６の折曲部6a
を係合爪5bに確実に係合させる。

以上説明した如く、本実施例の磁気ディスク用ジャケッ
ト３によれば、シャッタ５の開閉動作によってスプリン
グ６の折曲部6aを確実に係合爪5bに係合するように案内
する。従って、スプリング６の折曲部6aがシャッタ５の
係合爪5bに確実に係合しているため、スプリング６がケ
ース本体４から外れることがなく、また、スプリング６
の折曲部6aによって折欠部4cを磨耗する虞れがない。

尚、本実施例では、切欠部4cの両側に傾斜部4d、4dを設
けた場合についてのみ説明したが、傾斜部4dは切欠部4c
の少なくともいずれか一方の端部に設けてあれば本実施
例における場合と同様の作用効果を奏し得る。

〔考案の効果〕

本考案の磁気ディスク用ジャケットによれば、スプリン
グの一端が常にシャッタの係合爪に係合してシャッタの
開閉を円滑にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の磁気ディスク用ジャケットの一実施例
を示す要部拡大図、第２図（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は第
１図に示す磁気ディスク用ジャケットのシャッタの動作
過程を示す図で、同図（ａ）はシャッタを中間位置まで
開放した状態を示す要部拡大図、同図（ｂ）はシャッタ
の開放直前位置を示す同図（ａ）相当図、同図（ｃ）は
シャッタを開放した位置を示す同図（ａ）相当図、第３
図は従来の磁気ディスク用ジャケットを用いた磁気ディ
スクカセットを示す平面図、第４図は第３図の磁気ディ
スク用ジャケット内部におけるスプリングの弾装部を拡
大して示す部分拡大図、第５図は他の磁気ディスク用ジ
ャケットを示す第４図相当図である。 2;磁気ディスク 3;磁気ディスク用ジャケット 4;ケース本体、4a;窓 4c;切欠部、4d;傾斜部 5;シャッタ、5b;係合爪 6;スプリング、6a;折曲部（端部）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に磁気ディスクを回転可能に収納し、
   磁気ヘッドの臨む窓を有するケース本体、該ケース本体
   の窓を覆って摺動し該窓を開閉する断面コ字状に折り返
   されたシャッタ、及び該シャッタの折り返し部内面に突
   出形成された係合爪と上記ケース本体隅角部それぞれに
   端部を係合させて両者間に弾装され上記窓を閉止する方
   向に付勢するスプリングを備え、且つ上記ケース本体は
   上記係合爪の移動方向に対応させた切欠部を有してなる
   磁気ディスク用ジャケットにおいて、上記切欠部は、そ
   の少なくともいずれか一方の端部方向に上昇させた傾斜
   部を有し、該傾斜部がその上昇端部において上記係合爪
   の端部を隠蔽するよう形成されていることを特徴とする
   磁気ディスク用ジャケット。