JPH0636331Y2

JPH0636331Y2 - 固定金具

Info

Publication number: JPH0636331Y2
Application number: JP1991065252U
Authority: JP
Inventors: ヴァルツリューディガー
Original assignee: ヘーフェレコマンディトゲゼルシャフト
Priority date: 1985-11-09
Filing date: 1991-08-19
Publication date: 1994-09-21
Anticipated expiration: 2004-09-21
Also published as: DE3539853C2; JPH0488707U; ES2006703B3; AU585784B2; JPS62113905A; AU6494086A; CA1277361C; EP0222170B1; DE3539853A1; PT83690B; ATE39975T1; US4756637A; EP0222170A1; PT83690A

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、２つの構造部を固定す
るための固定金具であって、第１の構造部に取り付けら
れる係止部材と、この係止部材を差込むための差込み開
口を備えた、第２の構造部に取り付けられる締付け部材
と回転部材とから成っており、該回転部材が、前記係止
部材に設けられた、この係止部材の差込み方向とは反対
側に向けられた対抗面を押しつける押しつけ面を備えて
いる形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】このような形式の固定金具はドイツ連邦
共和国特許第３００９３８０号明細書により公知であ
る。この公知の固定金具は、「互いに直角にぶつかり合
う２つの家具部分を固定する」ために用いられる。２つ
の家具部分又は一般的な２つの構造部を固定する場合、
回転部材をまず所定の回転位置、次いで出発位置にもた
らさなければならない。係止部材と締付部材と、回転部
材をさらに回転させることによって互いにさらに接近せ
しめられて、互いに既に十分に修正配置された２つの構
造部が固く当接し合い、これによって所望の安定した固
定が得られるように対応配置される。この際、回転部材
の押しつけ面は少なくとも所定の回転角度にわたって係
止部材の対抗面と協働する。押しつけ面が偏心的に設け
られており、この偏心性は、閉鎖回転方向に回転させる
時に手によって差し込まれた係止部材を締付部材の内部
へ引き込むように作用する。互いに当接し合う面、つま
り押しつけ面と対抗面とは、固定金具の緊締範囲全体に
わたって一様な引き込みが保証されるように構成しなけ
ればならない。回転部材を逆方向に回転させることによ
って固定は再び解除される。自然の解除は、例えば相応
の緊締若しくは自己ロックによって妨げられる。この固
定金具の２つの部分を所定に組み立てる場合、回転部材
の作業角度は１回転よりも少ない。

【０００３】この公知の固定金具は、構造が簡単でしか
も頑丈であることを特徴としているが、２つの構造部分
若しくは家具部分を一時的に仮固定するためには、回転
部材をわずかな角度だけ回転させる必要があり、この作
業を行うためには、相応の操作部材、例えば適当なスパ
ナ、ねじ回し又はこれと類似のものを必要とする。また
このような固定金具を組み立てる場合、ある程度の不正
確さを考慮しなければならない。従って、家具部分に使
用された前記公知形式の種々異なる固定金具をまず緊締
するのではなく、単に回転部材と係止部材とを、自然に
解除しない程度まで係合させるようにしなければならな
い。すべての固定金具の回転部材と係止部材とが前記の
ように自然に解除しない程度まで係合せしめられた時に
はじめて、固定金具を相次いで操作して、２つの構造部
を引き締めひいては家具部分の最終形状及び安定性が得
られるようになっている。

【０００４】各構造部を一時的に仮固定するためには、
既に述べたように、回転部材をスパナ又はこれと類似の
ものによって操作する必要がある。それと同時に２つの
構造部を正しい対応配置状態で互いに保持しなければな
らい。これは１人の人間だけでは困難であり、しかも多
数の構造部より成る家具部分を組み立てる場合には１人
の人間だけではまったく不可能であって、どうしても補
助作業員を必要とすることになる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】そこで本考案の課題
は、初めに述べた形式の固定金具を改良して、２つの構
造部の組み立てをより迅速かつ簡単に行えるようにする
ことである。特に、多数の構造部より成る対象物、例え
ば家具部分の組み立て作業を軽減しより迅速に行えるよ
うにすることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本考
案の固定金具によれば、回転部材を係止部材の差込み方
向とはほぼ逆方向に付勢する押しばねが設けられてお
り、該回転部材が、前記押しつけ面の始端部から、差込
み方向で見て前方に間隔を保って配置された、回転部材
の周方向に延びるキー面を有しており、該キー面は、出
発位置で前記係止部材の差込み運動範囲内に侵入してい
て、回転部材が所定の回転角度を越えて回転すると係止
部材の差込み運動範囲外へもたらされるようになってお
り、回転部材の前記押しつけ面が、前記押しばねのばね
力の作用する方向とは反対側に向けられ、出発位置で前
記係止部材の差込み運動範囲外に位置するらせん状面と
して構成されており、該らせん状面は、キー面が係止部
材の前記差込み運動範囲外へ出る時には係止部材の前記
対抗面に当接するように構成されている。

【０００７】

【作用】本考案の固定金具によれば、この固定金具によ
って固定しようとする各構造部は、「固定金具半部」つ
まり係止部材と締付部材とによってしっかりと固定され
る。次に係止部材を、これが対応配置されている一方の
構造部を締付部材の対応配置された他方の構造部に接近
させながらこの他方の構造部の差込み開口に差込む。所
定の差込み深さが得られると、係止部材はその前縁部が
回転部材のキー面に突き当たる。キー面の形状及び配置
は、差込み時に係止部材によってキー面に加えられる押
しつけ力によってキー面が回転部材の所定の回転方向で
さらに回転せしめられるように選定されている。この時
に回転部材の、キー面を有する部分は、これが係止部材
の差込み運動範囲を完全に離れるまでこの差込み運動範
囲から出る方向に移動する。キー面が回転して差込み運
動範囲から出るのと同時にこの差込み運動範囲には回転
部材の押しつけ面の始端部が侵入する。この押しつけ面
の始端部はキー面に対して係止部材の移動方向で次のよ
うな形式でずらされている。つまり、キー面が係止部材
の差込み運動範囲から出る方向に回転する際に、押しつ
け面の始端部が、この始端部の手前を通過する係止部材
の対抗面に後ろから係合するように（押しつけ面の始端
部と係止部材の対抗面とが互いに当接し合うように）ず
らされている。つまり押しつけ面の始端部は、係止部材
の差込み方向で見て係止部材の対抗面の後ろに位置して
いる。これによって係止部材は締付部材の差込み受容部
内で係止せしめられる。従って係止部材は回転部材をあ
らかじめ戻し回転させなくても差込み受容部から引き出
されることはない。しかしながら２つの構造部はまだ互
いにしっかりと当接し合っていない状態で互いに仮固定
される。２つの構造部を互いに押しつけることは、回転
部材を今までの回転方向と同じ回転方向でさらに回転さ
せることによってのみ得られる。この時にらせん状面と
して構成された押しつけ面が係止部材の対抗面に常に押
しつけられるが、この押しつけ面はらせん状の傾斜に基
づいて係止部材を、係止部材に取り付けられた一方の構
造部が締付部材に取り付けられた他方の構造部に突き当
たるまで差込み受容部に深く押し込む。

【０００８】本考案によれば以上のような、２つの構造
部のゆるい仮固定状態、つまり、回転部材を例えばスパ
ナ又はねじ回し等の補助によって特別に操作する必要が
なく、しかしながらもはや解除されない仮固定状態は、
２つの接続金具半部を簡単に一緒に差し込むだけで自動
的に、つまり回転部材にスパナ又はこれと類似のものを
直接作用させることなしに得られる。以上のような本考
案の固定金具によって、前記本考案の課題が申し分なく
解決され、２つの構造部の固定は迅速かつ簡単な形式で
得られる。例えば家具部分が多数の構造部より成ってい
れば、前記形式でまずすべての構造部を工具の補助なし
で互いに差し込めばよい。固定金具が係止されることに
よって、家具又はこれと類似のもののすべての構造部は
ゆるくしかしながら確実に仮固定される。必要な安定性
は、回転部材全体を緊締状態でさらに回転させることに
よって始めて得られる。また、各固定金具を組み立てる
際に例えば２つの係止部材間の間隔の製造許容誤差が不
都合な程度である場合に、本考案の自動的な「仮結合」
によって簡単な形式で組み立てが可能である。つまり各
固定金具内には、所定の製造許容誤差を越えても差込み
接続がまだ可能である程度に多くの「空気」がまだ残っ
ている。しかしながらすべての固定金具が互いに係止さ
れていれば、すべての回転部材をさらに回転させても不
都合は生じない。

【０００９】係止部材の前縁部の差込み方向の形状及び
大きさ並びにキー面を有する部分の形状及び大きさ、及
びこれらの互いの対応配置状態、特に回転部材における
キー面を有する部分の配置は、係止部材の差込み運動が
常に回転部材の回転運動をひき起こすように選定されて
いる、回転部材が連続的に回転するように保証するため
に、キー面は回転方向で見て差込み受容部内部に向かっ
て次第に下降している。場合によっては回転部材のほぼ
半径方向で下降させると有利である。キー面若しくはキ
ー面を有する部分は、回転方向で見て、押しつけ面によ
って係止部材を押し下げる際に係止部材の前縁部のため
の移動範囲を十分に解放する程度の寸法に構成し配置し
なければならない。これと同じことは、固定金具の解除
の際にもあてはまる。固定金具を解除する場合、回転部
材を戻し回転させる際にキー面が係止部材の前縁部の下
側に再び出るようにしなければならない。これは特に、
回転部材を外側に向かって付勢する押しばね（この押し
ばねは緊締時においても場合によっては有用である）を
設けることによって保証される。様々な理由により、回
転部材の、キー面を有する部分を例えば回転方向で係止
部材の前縁部よりも小さく構成すれば有利である。ま
た、このキー面を有する部分を回転部材の半径方向平面
に対して左右非対称に配置しても有利であることが証明
されている。さらに、押しつけ面の始端部が対抗面をま
ず所定の間隔だけおおい、これに対して係止部材の内側
の端部がキー面に載るようにすることも可能である。こ
のようにすれば、締付部材と係止部材との相対的な可動
性が、これによって２つの固定金具が不都合に係止解除
される危険性なしに高められる。

【００１０】本考案の別の構成要件によれば、キー面
は、回転部材の回転軸線に対して直交する方向に突出す
る、回転部材の付加部に設けられている。差込み開口の
押しつけ面の始端部は、キー面よりも近くにあって、一
方ではキー面と協働する自由な係止部材前縁部と協働し
他方では回転部材の押しつけ面と協働する自由な係止部
材前縁部との間の所定の位置に配置されているので、回
転部材の付加部は有利には回転部材の内側端部に配置す
ることができる。キー面の長さは回転方向で見て、キー
面が係止部材の差込み運動範囲から完全に出る時に押し
つけ面が対抗面を十分広くおおうように選定されてい
る。

【００１１】本考案の別の構成要件によれば、前記回転
部材が、回転軸線に対してほぼ平行な、横断面で見て円
弧状の部分を有する円筒形の形状を有しており、この円
筒形の一方の端面が前記回転軸線に対して直角に延びて
いて、他方の端面が、少なくともその外側範囲で、押し
つけ面を形成するらせん状面として構成されている。こ
の場合、らせん状面の幾何学的な軸線は有利には回転部
材の幾何学的な軸線と重なる。回転部材の外周は少なく
ともらせん状の押しつけ面範囲で、次第に高くなる円筒
形面と、回転部材の軸線に対して平行に延びる扁平な面
とによって形成されている。従ってらせん状面はそれぞ
れ回転部材の扁平な面の一方の側範囲から他方の側範囲
まで延びている。

【００１２】また本考案の別の有利な構成要件によれ
ば、らせん状の押しつけ面の端部に、キー面を備えた付
加部が配属されている。このらせん状面の、出発位置で
は内側の端部は、２つの構造部を引き寄せる際に安全性
の理由から見てほとんど重要ではないので、この内側の
端部及び対抗面を互いに幾何学的にどのよに正確に配属
するかは大した問題ではない。差込み方向で見て押しつ
け面の内側端部を、キー面若しくは、係止部材に最初に
突き当たるキー面の上端部よりもやや内側に配置するこ
とも考えられる。

【００１３】本考案のさらに別の構成要件によれば、付
加部はほぼ３角形の形状を有しており、この３角形の側
面が同時に円筒形の外周壁の部分面である。付加部はつ
まり、扁平な外周面の側方縁部に配置されている。扁平
な外周面に対して直角に、回転軸線を通る平面に対し
て、付加部は側方にずらされている。係止部材の端面側
の縁部又は面を押し下げると、係止部材を差込む時に、
引張り及び保持装置を係止部材に係合するために必要な
トルクが得られる。

【００１４】

【実施例】次に図面に示した実施例について本考案の構
成を具体的に説明する。

【００１５】固定金具は、図示の実施例では特に互いに
直角に交差する面を有する２つのプレート状の構造部
１，２を固定するためのものである。この固定は図４〜
図５に示されているように再び解除可能である。固定金
具の主な構成部は、例えば一方の構造部１に取り付けら
れる係止部材３と、他方の構造部２に取り付けられる締
付部材４とから成っている。この締付部材４によって、
図２に示した相対位置にある２つの構造部を互いに引き
寄せ、図３に示した最終位置にまとめて締付け固定する
ことができる。この締付部材４は、押しばね５によって
矢印６方向にばね付勢される回転部材７を有している。
この回転部材７はショルダ８によって固定金具本体９の
内側の付加部１０で支えられている。この内側の付加部
１０は、孔１１を段付けすることによって形成されてい
る。

【００１６】有利には孔付きピンとして構成された固定
金具本体９は差込み受容部１２を有しており、その差込
み開口１３は有利には構造部２の上側面１４と同一平面
に延びている。これは鉢状の固定金具本体９の周壁を半
径方向でやや越える部分１５を円弧状に取り除くか若し
くは切り欠くことによって形成される。固定金具の突出
する縁部１６は、構造部２の上側面１４上に載っている
（図６参照）。

【００１７】差込み開口１３には、係止部材３の、矢印
１７の方向で見て前方の自由な前縁部１９が差込まれ
る。係止部材３のこの差込み運動範囲には回転部材７の
キー面１８が存在しているので、係止部材３の前縁部１
９がこのキー面１８に突き当たると係止部材３の差込み
運動は終了する。この時点で、２つの構造部１，２はま
だ互いに間隔２０（図１参照）を有している。さらに構
造部１を差込み方向１７で押込み、係止部材３の前縁部
１９が回転部材７のキー面１８にぶつかると、このキー
面１８は斜めに延びているので、係止部材３の押し込み
力が回転部材７に矢印２１の方向のトルクを加え、回転
部材７は矢印２１方向で回転せしめられる。

【００１８】回転部材７は円筒形状の外周壁２２を有し
ている。この外周壁２２は完全な３６０°にわたって延
びているのではなく、１部は平らな外周面２３として構
成されている。回転部材７の直径は段状に減少されてお
り、これによって矢印６方向で上方へ向けられたショル
ダ部８とこれとは逆側に向けられたショルダ部とが形成
される。この逆側に向けられたショルダ部は円環状又は
部分円環状の形状を有しているのではなく、らせん状面
２５（押しつけ面）として成形されている。このらせん
状面２５の内側は、押しばね５の端部を受容するための
中央で孔を有する截頭円すい形のピン２６によって制限
されている。

【００１９】前述のように外周壁２２は完全に３６０°
にわたって延びているのではなく、らせん状面２５の角
度も３６０°よりも小、例えば約２７０°である。この
角度はこれよりやや小さくてもやや大きくてもよい。

【００２０】図７で分かるように、キー面１８はらせん
状面２５の終端部２７に配属されている。らせん状面２
５の始端部は符号２８で示されている。図１によれば、
キー面１８が係止部材１３の差込み移動範囲に最も深く
突入した時、端面側のらせん状面２５の始端部２８は係
止部材３の移動範囲の側方（右側）に位置している。さ
て係止部材３若しくはその前方の縁部１９によって回転
部材７を矢印２１の方向に回転させると、キー面１８は
係止部材３の移動範囲から次第に遠ざかるが、一方、そ
れと同程度だけ端面側のらせん状面２５は移動範囲に侵
入する。

【００２１】係止部材３の、差込み方向１７で前方の端
部には前記らせん状面２５に対抗する対抗面２９が成形
されている。この対抗面２９は回転部材７が回転する際
に、矢印１７の方向で見て、らせん状面２５の侵入旋回
せしめられた始端部２８の前方に位置しているので、対
抗面２９はらせん状面２５の始端部２８によっておおわ
れる。また、この対抗面２９の傾斜は当接するらせん状
面２５の傾斜とほぼ同じである。キー面１８が、係止部
材３の差込み運動範囲から完全に出るか又は、内側で係
止部材３の前縁部１９に続く面取り部の手前に位置して
いれば（図２参照）、一方の構造部１は他方の構造部２
に当接する。この時点でらせん状面２５の始端部２８が
対抗面２９にまだ載っていなければ（図２参照、これが
本考案の有利な点なのであるが）、回転部材７を矢印２
１の方向で、例えば１／４回転又は１／２回転させるこ
とによって図３に示した位置が得られる。この時に、ら
せん状面２５の中央又は端部範囲が対抗面２９に強く押
しつけられ、これによって構造部１，２のガタつくこと
のない固定が得られる。回転部材７は、スパナ又はねじ
回しを、ピン２４の端面に設けられた対応する受容部に
差込むことによって回転せしめられる。この受容部は例
えば十字溝の形状である。

【００２２】キー面１８は、回転部材７の回転軸線３１
に対して直交する方向に突出する。回転部材７の付加部
３２に形成されている。回転部材７の回転軸線は図示の
実施例では矢印１７で示した係止部材３の差込み方向に
対してやや傾斜して延びているので、付加部３２は回転
部材７の扁平な外周面２３を越えて突き出ていないが、
図１に示した出発位置において係止部材３の前縁部１９
はらせん状面２５の始端部２８の手前を妨げられること
なく通過することができ、係止部材３の差込み運動範囲
にはキー面１８を有する付加部３２が位置する。このキ
ー面１８は、矢印１７方向の押しつけ力が矢印２１方向
の回転運動に置き換えられるように、特に回転方向で下
降して形成されている。回転軸３１が矢印１７方向に対
して平行か又はほぼ平行に延びていれば、付加部３２は
それに応じて扁平な外周面２３を大きく越えていなけれ
ばならない。また回転部材７をやや傾斜させておけば、
この回転部材７を回転工具によって特に簡単に操作する
ことができる。

【００２３】固定金具本体９の差込み開口１３は弓形の
形状を有しており、もちろん円弧形状から直線形状（弓
の弦）への移行部の角縁は直角ではなく方形溝として構
成されている。この溝幅は係止部材３の差込み端部３４
の厚味３３に相当し、その向き合う間隔は、それぞれ図
平面（図２）に対して直角方向で測定してこの差込み端
部３４の幅にほぼ相当する。これに応じて差込み端部３
４は、対抗面２９を形成するための、押込み変形溝状の
凹部３５を備えた扁平な舌片の形状を有している。

【００２４】差込み端部３４の前縁部１９は有利には図
平面に対して及び矢印１７方向に対して直角に延びてい
る。

【００２５】係止部材３は孔付きピン３６を有してお
り、この孔付きピン３６は特に締付部材４の孔付きピン
と同じ形状及び大きさを有していて、横断面で見てこの
歯状の公知の小溝を外周部に有している。この孔付きピ
ン３６にはリベット３７によってプレート状の部分が固
定されており、このプレート状の部分の、孔付きピン３
６とは反対側端部には前記押込み変形溝状の凹部３５が
形成されている。プレート状の部分３８は孔付きピン３
６のポケット内に差込まれる。また、係止部材３全体を
一体的に製造することもできる。

【００２６】前述のように固定金具本体９は鉢状の形状
を有している。構造部２の袋孔４０の底部に存在する縁
部（鉢状部の開口縁部）には有利には合成樹脂より成る
蓋３９がかぶせはめられる。蓋３９の内側面には条片４
１が取りつけられており、この条片４１の側方の両端部
は、差込み開口１３の前記側方の溝に緊締係合してい
る。このような形式で蓋３９は固定金具本体９で保持さ
れる。また条片４１は、押しばね５の図面で見て下端部
を支持するための作用をも有している。図５では、回転
部材７の幾何学上の回転軸線３１と固定金具本体９の幾
何学上の軸線４２とが図示されている。これら２つの軸
線３１と４２とは図示の実施例では互いに約３０°の角
度を成している。

【００２７】以下に本考案の固定金具による固定作業を
説明する。

【００２８】まず回転部材７を図１に示した位置にねじ
込み、この時にキー面１８が係止部材３の前縁部１９の
運動範囲内に突入するようにする。次いで一方の構造部
１を係止部材３と共に矢印１７方向で下方に押し下げ
て、前縁部１９をキー面１８に押しつける。キー面１８
は前縁部１９に対して斜めに位置しているので、係止部
材３が矢印１７方向で押し込まれると矢印２１方向（図
７参照）のトルクが生じる。つまり、回転部材７が自由
回転可能に支承されていて、矢印１７方向の押圧力が働
くと、キー面１８は矢印２１方向で移動し、ひいては回
転部材７が回転する。

【００２９】キー面１８が周方向で移動すると、回転部
材７のらせん状面２５が、溝状の凹部３５（図６参照）
に次第に近付いて来て、最終的にこの凹部３５の対抗面
２９に係合する。この係合は回転運動に関連して、遅く
とも、キー面１８が係止部材３の前縁部１９を離れた時
に行われる。らせん状面２５が係止部材３の対抗面２９
に係合するので、係止部材３は矢印１７方向に抗して引
き抜かれることはない。このような形式で、構造部１，
２の完全な固定ではないが、解除しない仮固定が得られ
る。

【００３０】構造部１，２を互いに当てつけるか（図２
参照）又は互いに押しつける（図３参照）ためには、回
転部材７を既に開始されている回転方向でさらに回転さ
せる。これによって、らせん状面２５と係止部材３の対
抗面２９とが協働して、２つの構造部１，２は互いに向
き合う方向で移動せしめられ、ついには互いに押しつけ
られる。

【００３１】図１から図３までには、固定金具の固定形
式が示されているが、図１では構造部１，２がすでに正
しく対応配置されている状態が示されている。図２では
構造部１，２は互いに当接しているが、まだ押しつけ合
っていない状態が示されている。だがこの状態では、構
造部１を矢印１７方向に抗して構造部２から持ち上げる
ことはもはや不可能である。何故ならば、回転部材７の
らせん状面２５又は押しつけ面とこれに向き合う、差込
み端部３４の対抗面２９とが自動的に係止することによ
って、係止部材３の差込み端部３４はもはや差込み開口
１３から引き出されないからである。係止部材３の差込
み端部３４を差込み開口１３から引き出すためには、回
転部材を工具によって矢印２１方向とは反対方向に回転
させるだけでよい。このような、図２に示された、構造
部材１，２の直ちに解除することのできないゆるい固定
状態によって、多数のプレート状の構造部から成る家具
をまず工具の補助なしで差込み固定することができる。
次いですべての回転部材を回転させることによって固定
金具を相次いで緊締することができる。

【００３２】図４から図６までには、回転部材７のため
の図示していない回転工具によって構造部１，２を解除
する段階が示されている。図３に示した回転部材７の回
転位置から出発してまず回転部材７を約半回転だけ逆回
転させる。それと同時に回転部材を矢印４３方向で押し
ばね５のばね力に抗して押し込む。これによってキー面
１８を有する付加部３２は再び係止部材３の前方の縁部
１９の下からやや離される。矢印４３方向の押圧力を維
持しながら矢印２１方向に抗して回転部材７をさらに回
転させることによって図１に示した完全な出発位置が得
られる。さて図５に示した位置が得られると、回転部材
７の押しつけ面若しくはらせん状面２５の始端部２８が
差込み開口１３に達する。図４及び図５による２つの位
置の回転角度は出発位置に対して約４０°である。この
時点で回転部材を解放すると、回転部材は押しばね５を
矢印４３方向に抗して外側へ押しやる。これによってあ
らかじめ係止部材３の差込み運動範囲にまだ突入してい
る回転部材７のらせん状面２５の始端部２８がこの運動
範囲の側方に達するので、押込み変形溝状の凹部３５及
びひいては係止部材は構造部１と共に解除される。

【００３３】図１及び図２に示した回転部材の位置の間
の回転角度は有利には約４０°であるが、図２と図３と
の間の回転部材７の回転角度は約１７０°又は１８０°
である。

【００３４】

【効果】以上のように本考案の固定金具によれば、２つ
の構造部、例えば家具部分をより迅速かつ簡単に組み立
てることができる。また特に、多数の構造部より成る家
具部分を、工具の補助なしでゆるく一時的に仮固定する
ことができるので、製造許容誤差が大きくても組み立て
作業はより簡単でしかもより迅速に行うことができる。
この仮固定のための作業員は１人で十分であって、補助
作業員を必要とすることはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による接続金具を有する２つのプレート
状の構造部を接続する際の１つの段階を示した概略的な
部分断面図である。

【図２】２つのプレート状の構造部を接続する際の、図
１とは別の段階を示した概略的な部分断面図である。

【図３】２つのプレート状の構造部を接続する際の、図
１及び図２とは別の段階を示した概略的な部分断面図で
ある。

【図４】２つのプレート状の構造部を解除する際の１つ
の段階を示した概略的な部分断面図である。

【図５】２つのプレート状の構造部を解除する際の、図
４とは別の段階を示した概略的な部分断面図である。

【図６】２つのプレート状の構造部を解除する際の、図
４及び図５とは別の段階を示した概略的な部分断面図で
ある。

【図７】接続金具の回転部材の拡大した平面図である。

【図８】回転部材を下側から見た図である。

【符号の説明】

１，２構造部、３係止部材、４締付部材、
５押しばね、６矢印、７回転部材、８ショ
ルダ部、９固定金具本体、１０内側の付加部、
１１孔、１２差込み受容部、１３差込み開
口、１４上側面、１５部分、１６縁部、１
７矢印、１８キー面、１９前縁部、２０間
隔、２１矢印、２２外周壁、２３外周面、
２４ピン、２５らせん状面、２６ピン、２
７終端部、２８始端部、２９対抗面、３０
受容部、３１回転軸線、３２付加部、３３
厚味、３４差込み端部、３５凹部、３６孔
付きピン、３７リベット、３８プレート状の部
分、３９蓋、４０袋孔、４１条片、４２
軸線、４３矢印

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】２つの構造部（１，２）を固定するため
の固定金具であって、第１の構造部（１）に取り付けら
れる係止部材（３）と、この係止部材（３）を差込むた
めの差込み開口（１３）を備えた、第２の構造部（２）
に取り付けられる締付け部材（４）と、回転部材（７）
とから成っており、該回転部材（７）が、前記係止部材
（３）に設けられた、この係止部材（３）の差込み方向
（１７）とは反対側に向けられた対抗面（２９）を押し
つける押しつけ面（２５）を備えている形式のものにお
いて、前記回転部材（７）を係止部材（３）の差込み方
向（１７）とはほぼ逆方向に付勢する押しばね（５）が
設けられており、該回転部材（７）が、前記押しつけ面
（２５）の始端部（２８）から、差込み方向（１７）で
見て前方に間隔を保って配置された、回転部材（７）の
周方向に延びるキー面（１８）を有しており、該キー面
（１８）は、出発位置で前記係止部材（３）の差込み運
動範囲内に侵入していて、回転部材（７）が所定の回転
角度を越えて回転すると係止部材（３）の差込み運動範
囲外へもたらされるようになっており、回転部材（７）
の前記押しつけ面（２５）が、前記押しばね（５）のば
ね力の作用する方向（６）とは反対側に向けられ、出発
位置で前記係止部材（３）の差込み運動範囲外に位置す
るらせん状面として構成されており、該らせん状面（２
５）は、キー面（１８）が係止部材（３）の前記差込み
運動範囲外へ出る時には係止部材（３）の前記対抗面
（２９）に当接するように構成されていることを特徴と
する、固定金具。
【請求項２】前記キー面（１８）が、回転部材（７）
の回転軸線（３１）に対して直交する方向に突出する、
回転部材（７）の付加部（３２）に設けられている、請
求項１記載の固定金具。
【請求項３】前記回転部材（７）が、回転軸線（３
１）に対してほぼ平行な、横断面で見て円弧状の部分を
有する円筒形の形状を有しており、この円筒形の一方の
端面（８）が前記回転軸線（３１）に対して直角に延び
ていて、他方の端面が、少なくともその外側範囲で、押
しつけ面を形成するらせん状面（２５）として構成され
ている、請求項２記載の固定金具。
【請求項４】らせん状面（２５）の終端部（２７）
に、キー面（１８）を有する付加部（３２）が配属され
ている、請求項３記載の固定金具。
【請求項５】付加部（３２）がほぼ３角形の形状を有
しており、この３角形の側面が同時に円筒形の外周壁
（２２）の部分面である、請求項４記載の固定金具。
【請求項６】回転部材（７）に同心的な袋孔が設けら
れており、この袋孔の内側端部に、コイルばねとして構
成された押しばね（５）の一端部が支えられている、請
求項１から５までのいずれか１項記載の固定金具。
【請求項７】回転部材（７）に、締付部材（４）の固
定金具本体（９）の軸受け孔内で回転可能な回転工具の
ための受容部（３０）を備えたピン（２４）として構成
された操作付加部が設けられている、請求項６記載の固
定金具。
【請求項８】前記締付部材（４）の固定金具本体
（９）が、係止部材（３）のための差込み開口（１３）
を形成するために部分的に切欠かれた部分（１５）を有
するほぼ鉢状の形状を有している、請求項７記載の固定
金具。
【請求項９】差込み開口（１３）が直線状の開口制限
部で側方の溝を備えた円弧状の形状を有していて、係止
部材の少なくとも差込み端部（３４）が扁平な舌片とし
て構成されている、請求項８記載の固定金具。
【請求項１０】係止部材（３）の対抗面（２９）が差
込み端部（３４）の押込み変形溝の凹部（３５）の部分
である、請求項９記載の固定金具。
【請求項１１】対抗面（２９）が差込み端部（３４）
の平面に対して傾斜していて、しかも、差込み方向（１
７）に対してほぼ直角に位置する差込み端部（３４）の
自由な押込み変形溝状の前方の縁部（１９）に対して傾
斜して延びている、請求項１０記載の固定金具。
【請求項１２】係止部材（３）が主に、孔付きピン
（３６）と、この孔付きピン(３６)の長手方向軸線に対
して直角に配置されたプレート状の部分（３８）とから
成っている、請求項９から１１までのいずれか１項記載
の固定金具。
【請求項１３】押しばね（５）の、回転部材（７）と
は反対側端部が、締付部材（４）の鉢状の固定金具本体
（９）の開口縁部に固定された蓋（３９）に支えられて
いる、請求項９から１２までのいずれか１項記載の固定
金具。
【請求項１４】前記蓋（３９）が固定金具本体（９）
に緊締又は係止保持されている、請求項１３記載の固定
金具。
【請求項１５】１つの条片（４１）又は互いに間隔を
保って配置された２つの付加部を有する蓋（３９）が、
差込み受容部（１３）の側方の溝内で保持されている、
請求項１４記載の固定金具。
【請求項１６】回転部材（７）の幾何学的な回転軸線
（３１）が固定金具本体（９）の軸線（４２）に対して
傾斜して延びていて、負荷ばね（５）の他端部が蓋（３
９）の条片(４１)で支えられている、請求項１５記載の
固定金具。
【請求項１７】らせん状面（２５）として構成された
押しつけ面が約１８０°から２７０°までの角度にわた
って延びている、請求項１から１６までのいずれか１項
記載の固定金具。
【請求項１８】らせん状面（２５）の始端部（２８）
がキー面（１８）に対して約７０°から１１０°までの
角度でずらされている、請求項３から１７までのいずれ
か１項記載の固定金具。