JPH0636228Y2

JPH0636228Y2 - ガラス扉

Info

Publication number: JPH0636228Y2
Application number: JP2082090U
Authority: JP
Inventors: 實石原
Original assignee: ハードグラス工業株式会社
Priority date: 1990-02-28
Filing date: 1990-02-28
Publication date: 1994-09-21
Anticipated expiration: 2004-09-21
Also published as: JPH03111791U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この考案はガラス扉に関し、特に上，下の横フレーム部
材と左，右の縦フレーム部材との接続構造の改良に関す
るものである。

〔従来の技術〕

従来から、建造物の出入口や室内のドア等を構成する素
材として、強化ガラスと最小限の取り付け金具とで構成
された強化ガラス扉がある。このようなガラス扉は、そ
の透明性によって屋内と屋外あるいは室内と室外を視覚
的に一体化させながら、空間の遮断と開閉とが可能な機
能を持っており、最近では有用な開口部構成素材として
広く利用されている。

第３図は建造物の玄関の出入口部分の一例を示す正面
図、第４図は該出入口部分に用いられている従来のガラ
ス扉の斜視図、第５図は第４図のＶ−Ｖ線断面図、第６
図（ａ）は第４図のVIa−VIa線断面図、第７図は第４図
のVII−VII線断面図である。

図において、１は建造物の玄関の出入口部で、金属製の
柱2a,2bと棧3a〜3cとを突き合わせ結合して枠組みを形
成し、該枠組みに固定ガラス，ガラス扉を取り付けてい
る。ここでは、中央部に出入口用開口部２を形成してお
り、該開口部２に一対のガラス扉10a,10bを回転可能に
取り付け、その両側の開口部に固定ガラス5a,5bを取り
付けている。またガラス扉10a,10b上の開口部にはラン
マガラス６を、その両側の開口部には上部固定ガラス4
a,4bを取り付けている。

上記ガラス扉10bは第４図に示すように、長方形形状の
強化ガラス板11の戸先側中央部に把手16を取り付け、ま
たその上辺部及び下辺部に横フレーム部材12,13を、左
右の縦辺部に縦フレーム部材14,15を取り付けた構造と
なっている。

ここで上記横フレーム部材12は第５図に示すように、断
面略コ字型形状のフレーム芯材40を、これより大きい断
面略コ字型形状のステンレス製カバー50で取り巻いてな
る構造となっている。該カバー50の両側面51の先端には
折曲部52が形成されており、該折曲部52と上記フレーム
芯材40の側面部41の先端部とが溶接により固着されてい
る。また上記カバー50の背面部53の中央には凹溝54が形
成されており、該凹溝54内には上記強化ガラス板11の上
辺部が嵌合され、接着材（図示せず）により固着されて
いる。なお上側の横フレーム部材としては第６図（ｂ）
に示すように、断面コ字型形状のフレーム芯材40a,40b
を上，下に平行に配置し、これらの両側面にステンレス
製カバー50a,50bを取り付けた構造のものもある。該両
カバーはそれぞれその側面部51a,51bの一端側の折曲部5
2a,52bがフレーム芯材40aの先端部と溶接され、該側面
部他端側の折返部54a,54bの先端がフレーム芯材40bの背
面部に溶接されている。

また上記横フレーム部材13は第５図に示すように上記フ
レーム芯材40をこれより大きいステンレス製カバー60で
取り巻いてなる構造となっており、該カバー60の両側面
61の先端には折曲部62が形成されており、該折曲部62と
上記フレーム芯材40の側面部41の先端部とが溶接により
固着されている。また上記カバー60の背面部の一端側に
は線状突出部63が形成されており、他端側には該線状突
出部63に対向して断面コ字型のレール部材64が螺子（図
示せず）により取り付けられている。そして該レール部
材64と線状突出部63との間に上記強化ガラス板11の下端
部が嵌め込まれ、接着材（図示せず）により固着されて
いる。

さらに、縦フレーム部材15は第６図（ａ）に示すよう
に、断面コ字型形状フレーム芯材70をこれより大きいス
テンレス製カバー80を取り巻いてなる構造となってお
り、該カバー80の一端両側には折返部81が形成されてお
り、該折返部81の先端は上記フレーム芯材70の背面部71
に溶接されている。該折返部80間には上記強化ガラス板
11の縦辺部が嵌め込まれ、接着材（図示せず）固着され
ている。また上記カバー80の他端は滑らかな湾曲面部72
となっている。なお42は溶接材である。

また、第７図は第４図のVII−VII線部分の断面構造を示
す図、第８図は該部分の分解斜視図で、それぞれ該ガラ
ス扉の戸袋側上端部での縦フレーム部材と横フレーム部
材との接続構造を示している。これらの図から分かるよ
うに、上記横フレーム部材12の一端側では、そのフレー
ム芯材40がカバー50より突出しており、また上記縦フレ
ーム部材15の上端部では、そのフレーム芯材70の背面部
71及びカバー80の折返部81が切り取られて、それぞれ切
欠部73,83が形成されている。そして上記横フレーム部
材12一端側のフレーム芯材40の突出部43が上記切欠部73
及び切欠部83内に嵌入され、フレーム芯材40及び70の側
面部41,72の上端面が溶接により固着されている。なお
縦フレーム部材14の断面構造については図示していない
が、上記縦フレーム部材15と同一であり、また上記縦及
び横フレーム部材13及び14の接続構造も上記縦及び横フ
レーム部材12及び15の接続構造と同一である。

このようなガラス扉の組立は以下のように行う。

まず、上記フレーム芯材40をその両端部を除いて、ベン
ダーマシンで折曲げ加工されたステンレス製カバー50で
被覆し、上記フレーム芯材40の側面部41上部及びカバー
50の折曲部52端部とを溶接し、これにより上側の横フレ
ーム部材12を形成する。同様にフレーム芯材40にベンダ
ーマシンで折曲げ加工されたステンレス製カバー60を被
覆し、これらを溶接して下側の横フレーム部材13を形成
する。

またフレーム芯材70にこれと同じ長さにベンダーマシン
で折曲げ加工されたステンレス製カバー80を被覆し、該
カバーの折返部81先端を上記芯材70の背面部71に溶接す
る。そしてさらにフレーム芯材70及びカバー80の上，下
端部を切り取って切欠部73及び83を形成して縦フレーム
部材14,15を完成する。

次に上記横フレーム部材12両端の芯材突出部43を上記縦
フレーム部材14及び15の切欠部73,83に嵌入して、芯材4
0の側面部41と芯材70の側面部72とをこれらの上面で溶
接し、上記両フレーム部材を接続する。また横フレーム
部材13と上記縦フレーム部材14及び15とを同様にして接
続して、ガラス扉の枠部材を完成する。

そして強化ガラス板11の上辺部を上記横フレーム部材12
の凹溝54内に挿入し、さらに縦辺部を縦フレーム部材1
4,15の折返部81間に挿入し、最後にレール部材64を下側
フレーム部材13に螺子止めしてガラス扉を完成する。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、従来のガラス扉の構造では、縦フレーム部材
と横フレーム部材との接続を、縦フレーム部材のフレー
ム芯材70及びステンレス製カバー80の上，下端部にそれ
ぞれ切欠部73,83を形成し、該切欠部73,83に横フレーム
部材の突出部43を嵌め込み、これらを溶接することによ
り行っているので、作業性が悪く、技術的にも難しいと
いう問題があった。

すなわち、上記切欠部の形成は、加工場所は部品細部で
あるため、通常の加工装置が使用できず、手作業で行っ
たり、また機械加工するにしても加工装置に特殊な加工
歯を装着したりしなければならない。また上記横フレー
ムと縦フレームとを最終的に溶接により接続するため、
溶接による焦げを除去する等の後処理も必要となり、作
業性が悪いという問題があった。

さらに上記溶接には熟練を要し、これらのフレームの接
続は技術的に難しいという問題もあった。

この考案は上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、縦フレーム部材と横フレーム部材とを簡単に
接続でき、しかも接続強度を十分高くすることができる
ガラス扉を得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

この考案に係るガラス扉は、その縦フレーム部材の両端
面に部品挿入穴を、横フレーム部材の両端部にの長さ方
向に延びる部品取付溝を形成するとともに、上記縦フレ
ーム部材と横フレーム部材とを接続するジョイント部材
を、上記縦フレーム部材の部品挿入穴に挿入可能な挿入
片と、上記横フレーム部材の部品取付溝に嵌合され、該
溝内で摺動可能な嵌合部とを有するものとし、上記ジョ
イント部材の挿入片を縦フレーム部材の部品挿入穴に嵌
合固着し、該ジョイント部材の嵌合部を横フレーム部材
の部品取付溝内に挿入し、上記ジョイント部材と横フレ
ーム部材とを螺子により固定したものである。

〔作用〕

この考案においては、ガラス扉の横及び縦フレーム部材
の接続構造を、ジョイント部材の突出片を縦フレーム部
材の部品挿入穴に嵌合固着し、該ジョイント部材の嵌合
部を横フレーム部材の部品取付溝に挿入し、上記ジョイ
ント部材と横フレーム部材とを螺子により固定した構造
としたから、上記縦及び横フレームの接続の際の、縦フ
レーム部材の切欠部形成等の後加工や溶接の後処理が不
要となり、これにより縦フレーム部材と横フレーム部材
とを簡単に接続することができる。

また上記ジョイント部材と縦及び横フレーム部材とは互
いに嵌合させて接続しているので、これらの接続強度を
高いものとすることができる。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例を図について説明する。

第１図はこの考案の一実施例によるガラス扉の戸先側上
端部を示す斜視図、第２図はその分解斜視図で、縦及び
横フレーム部材及びこれらのジョイント部材を示してい
る。図において、22は強化ガラス板11の上辺部を嵌合保
持する横フレーム部材で、対向する縦辺部22a及び22bの
中央部を横辺部22cで接続してなる断面Ｈ型形状をして
おり、その下側凹溝22e内には強化ガラス板11の上辺部
が嵌め込まれ、接着材（図示せず）により固着されてい
る。また該下側凹溝の両側面には平行な溝22e₁，22e₂が
形成されており、また上記横辺部22の両側端部には螺子
止穴22c₁が形成されている。

また27は強化ガラス板11の縦辺部を嵌合保持する戸先側
縦フレーム部材で、内側フレーム26と、該内側フレーム
26と同一厚み及び長さを有し、これと対向して位置する
外側フレーム25と、上記外側及び内側25,26間に配設さ
れ、扉幅方向のスペーサとして機能する付加フレーム28
とから構成されている。なお、上記横及び縦フレーム部
材はその表面がステンレス製カバーにより被覆されてい
るが、ここでは説明の都合上該カバーは図示していな
い。

上記内側フレーム26はその後面には凹溝26dが形成され
ており、該凹溝26d内には強化ガラス板11の縦辺部が嵌
め込まれ、接着材（図示せず）により固着されている。
また内側フレーム26の両側面前端部には段差部26cが形
成され、該段差部26cの内側には細溝26bが形成されてい
る。上記外側フレーム25は、その後端面の、上記内側フ
レーム26の細溝26dと対向する位置に細溝25bが形成され
ており、該両細溝25b及び26bは部品挿入穴29を構成して
いる。つまり該部品挿入穴29は縦フレーム部材23と横フ
レーム部材とを接続するジョイント部材30の取り付け部
分となっている。また上記外側フレーム25の両側面後端
部には段差部25cが形成されている。

また上記付加フレーム28は上記外側及び内側フレーム2
5,26の段差部25c,26c間に配設されており、その両端部
は該段差部に接着材により固着されている。またこの付
加フレーム28は上記外側及び内側フレーム25,26ととも
に上記フレーム本体24の外表面を構成している。ここで
各フレーム25,26はアルミ等の金属材料からなる。

また上記ジョイント部材30は、上記縦フレーム部材の部
品挿入穴29に挿入可能な挿入片32と、上記横フレーム部
材22の下側凹溝22eと嵌合し、該溝内で摺動可能な嵌合
部31とを有している。ここで該嵌合部31の側面には上記
下側凹溝22eの第1,第２の溝22e₁，22e₂と嵌合する線状
突出部31a,31bが形成されており、また上記嵌合部31に
は螺子止穴31cが形成されている。

なお第１図及び第２図には、上側の横フレーム部材22と
戸先側の縦フレーム部材27との接続構造のみ示している
が、該上側の横フレーム部材と戸袋側縦フレーム部材と
の接続構造、あるいは下側の横フレーム部材と戸袋及び
戸先側の縦フレーム部材との接続構造も同様であり、つ
まり縦フレーム部材の端面にジョイント部材を取り付
け、該ジョイント部材と横フレーム部材とを嵌合してこ
れらを螺子止めした構造となっている。

次に作用効果について説明する。

このような構造の本実施例のガラス扉では、横及び縦フ
レーム部材22及び27の接続は以下のようにして行う。

まず、上記縦フレーム部材27の上，下端面の部品挿入穴
29に上記ジョイント部材30の挿入片32を嵌入してジョイ
ント部材30を縦フレーム部材27に取り付ける。そして該
ジョイント部材30の嵌合部31に横フレーム部材22の凹溝
22eを嵌合し、横フレーム部材22の螺子穴22c₁とジョイ
ント部材30の螺子穴31cとを位置合わせしてこれらを螺
子24により固定する。

このように本実施例では、縦フレーム部材27の端面の部
品挿入穴29にジョイント部材30の突出片32を挿入してこ
れらを固着し、該ジョイント部材30の嵌合部に横フレー
ム部材22の嵌合溝22eを嵌合し、螺子止めによりこれら
を固定するようにしたので、上記縦及び横フレームの接
続の際の、縦フレーム部材の切欠部形成等の後加工や溶
接の後処理が不要となり、これにより縦フレーム部材と
横フレーム部材とを簡単に接続することができる。

〔考案の効果〕

以上のように、この考案のガラス扉によれば、その横及
び縦フレーム部材の接続構造を、ジョイント部材の挿入
片を縦フレーム部材の部品挿入穴に嵌合固着し、該ジョ
イント部材の嵌合部を横フレーム部材の部品取付溝に挿
入し、上記ジョイント部材と横フレーム部材とを螺子に
より固定した構造としたので、上記縦及び横フレームの
接続の際の、縦フレーム部材の切欠部形成等の後加工や
溶接の後処理が不要となり、これにより縦フレーム部材
と横フレーム部材とを簡単に接続することができる効果
がある。

また上記ジョイント部材と縦及び横フレーム部材とは互
いに嵌合させて接続しているので、これはの接続強度を
高いものとすることができる効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例によるガラス扉の戸先側上端
部での縦フレーム部材と横フレーム部材との接続構造を
示す図、第２図は該接続部分の分解斜視図、第３図は建
造物の玄関の出入口部分の一例を示す正面図、第４図は
該出入口部分に用いられている従来のガラス扉の斜視
図、第５図は第４図のＶ−Ｖ線断面図、第６図（ａ）は
第４図のVIa−VIa線断面図、第６図（ｂ）は従来のガラ
ス扉の横フレームの他の構造例を示す図、第７図は第４
図のVII−VII線断面図、第８図は該ガラス扉の戸袋側上
端部での縦フレーム部材と横フレーム部材との接続構造
を示す分解斜視図である。１…建造物の出入口部分、10a,10b…ガラス扉、11…強
化ガラス板、22…横フレーム部材、22c₁…螺子止穴、22
e…部品嵌合溝、27…縦フレーム部材、29…部品挿入
穴、30…ジョイント部材、31…嵌合部、31c…螺子穴、3
2…挿入片。なお図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】強化ガラス板の上，下辺部に該強化ガラス
板を支持する横フレーム部材を、その左，右の縦辺部に
縦フレーム部材を取り付けてなるガラス扉において、上記縦フレーム部材の両端面に部品挿入穴を、上記横フ
レーム部材の両端部にその長さ方向に延びる部品取付溝
を形成するとともに、上記縦フレーム部材と横フレーム部材とを接続するジョ
イント部材を、上記縦フレーム部材の部品挿入穴に挿入
可能な挿入片と、上記横フレーム部材の部品取付溝に嵌
合され、該溝内で摺動可能な嵌合部とから構成し、上記ジョイント部材の挿入片を縦フレーム部材の部品挿
入穴に嵌合固着し、該ジョイント部材の嵌合部を横フレ
ーム部材の部品取付溝内に挿入し、上記ジョイント部材
と横フレーム部材とを螺子により固定したことを特徴と
するガラス扉。